JP5819841B2 - 複素環芳香族化合物等を捕捉、検出及び定量化するための材料及び方法 - Google Patents

複素環芳香族化合物等を捕捉、検出及び定量化するための材料及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、複素環芳香族化合物等の対象化合物の検出及び任意に定量化に関する分野に属するものである。
より詳細には、本発明は、インドール及びその誘導体等の複素環芳香族化合物を検出及び任意に定量化することができる機器及び方法を提案する。
インドール化合物、並びにとりわけインドール及びスカトールは、種々のタイプの発生源によって生み出され得る。インドールにとって最も重要な発生源は微生物の発現によるものである。実際、それらが成長すると、トリプトファナーゼ酵素を有する細菌が、培養液に含まれるトリプトファンからインドールを生産する。例えば、生化学及び微生物学の分野において、インドールの検出は、微生物の分類学的な分類を判定するためのよく知られた手段である。この区別は、第一に「疫学的」見地から、第二に種々の細菌株の抗生物質に対する感受性の違いという理由から重要である。
農業食品分野において、インドールの検出は、海産物(エビ、甲殻類等)の鮮度の判定を可能にする。インドールは事実上、製品の細菌量、及びそれ故、それらの分解の進行状況を示す間接的要因であると考えることができる。この同じ分野において、インドールの検出は、肉、別段、豚肉又はラムの市場売買にとっても重要である。実際、肉は時として、調理時に強い不快感を覚える臭いを有することがあり、それらの摂取を妨げることがある。この臭いは脂肪組織に蓄積したインドール及びスカトールに由来するものであり、この臭いは、調理温度が上昇するときに感知される。また、乳汁又は肉におけるインドール及びスカトールの複合検出は、家畜飼料(草、濃縮飼料)の種類をたどるための方式として使用することができる。加えて、家畜飼料中の高インドール含有量が肺気腫の誘発要因であり得ることも研究により示されている。
獣医学的スクリーニング分野において、ウシの乳汁中の大量のインドールがあることは、対象となっているウシが乳房炎に罹患しているという十分な証拠である(特許文献1)。
また、インドールは、ハムシである根切り虫及びカブトムシ等の幾つかの昆虫のフェロモンにより生成される臭いと同一の誘因臭として、幾つかの殺虫剤に使用される有効化合物である。したがって、インドールの検出は、噴霧した防虫剤の量をモニタリングする方法として、また保健衛生調査及び環境調査の一環として使用することができるものでなければならない。また、環境管理分野、及びとりわけ、集約農業、化粧品産業又は化学産業に由来する廃水の品質において、インドールは水生生物に極めて有毒であるため、インドールの含有量を判定することが重要である。
保健衛生調査分野において、インドール及びスカトールの検出は、幾つかの種類の真菌ヒグロスフォルス・パウペルティヌス(H. paupertinus)、トリコローマ・ブフォニウム(Tricholoma bufonium)、トリコローマ・イナモエヌム(T. inamoenum)、トリコローマ・ラスシウム(T. lascivum)、ニオイキシメジ(T. sulphureum)、アシベニイグチ(Boletus calopus)等)の存在を立証するのに関与する可能性がある(非特許文献1)。これによって、例えば食用種又は有毒種の分類、肺疾患及びアレルギーの原因である室内空気中のカビの検出、又は更に、インドール及びスカトールは、モツァレラ、エメンタールチーズ、エルヴチーズ又はリンブルガーチーズ等のチーズ中に存在するため、チーズ製造にかかる熟成試験が可能となると考えられる(非特許文献2)。
最後に、香料、化粧品及びフレーバー分野では、インドールが芳香成分(花、ジャスミンの香り)として非常に低濃度で使用されている。
以上から、インドール化合物、並びにとりわけインドール及びスカトールの検出及び任意の定量化を数多くの分野に適用することができることは明白である。
現行の技術水準において、主に液相中のインドール誘導体の解析には、比色法が既に知られており、また専らインドール誘導体の気相における識別及び定量化専用であるが、試料の精製及び調製の面倒な工程を要する、計器による方法も知られている。
比色法に関しては、多くの場合、インドール、スカトール、トリプトファン及び他の誘導体の検出のための高感度試薬として、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド(DMABA又はDAB)及びp−ジメチルアミノシンナムアルデヒド(DMACA)が利用される(非特許文献3〜5)。近年、アルデヒド官能基を含有する新たな比色化合物であるp−メトキシベンズアルデヒド(MOB)及び4−メトキシ−1−ナフトアルデヒド(naphtaldehyde)(MON)が、インドールの検出に提案されている(非特許文献6)。あまり使用しないが、クロコン酸もインドールの検出のための試薬である。種々の化合物の分子構造を以下のスキーム1に示す。
主要な問題の1つは、インドール、スカトール又はトリプトファンを選択的にアッセイするとともに、同じ溶液中に多くの場合存在する潜在的な干渉化合物からこれらの構成成分の各々の違いを判別する能力である。インドールの誘導体は事実上、側鎖のタイプによって異なるに過ぎない(スキーム2を参照)。
Volkl及びQuadbeckは、クロコン酸を使用して、約60%の濃硫酸を含有する水溶液中のインドール及びその誘導体の存在を立証している(非特許文献7)。この論文によれば、インドールとの反応生成物は、吸光係数ε=1.7×10L・mol−1・cm−1を伴い495nmで吸収し、スカトールの生成物は、吸光係数ε=1.8×10L・mol−1・cm−1を伴い520nmで吸収し、トリプトファンの生成物は467nmで吸収する(吸光係数は未決定)。したがって、1×10−6mol・L−1及び1×10−5mol・L−1の桁のそれぞれの検出限界で、インドール及びスカトールを定量的にアッセイすることが可能である。また、これらの高い吸光係数は、インドール及びスカトールそれぞれについて、2桁、すなわち1×10−4mol・L−1及び1×10−3mol・L−1にわたる動的測定範囲を制限するものであることに留意されたい。著者により言及される他の推定干渉化合物は、反応生成物がインドール及びスカトールのものと同じ桁の分子吸光係数を有する、2−メチルインドール(520nmにおける最大吸収)及びN−メチルインドール(495nmにおける最大吸収)である。
Ehrlich試薬及びKovac試薬は、アルコール溶液中に希釈したDMABAから調製され、それに10体積%〜20体積%の濃塩酸を添加する。インドールと合わせたこれらの試薬は、最大吸収が563nmにおいてである(非特許文献5)濃いピンク色の生成物をもたらす(非特許文献3、4)。3−インドールメチルプロピオン酸、3−インドールプロピオン酸及び3−インドール酪酸と合わせると、それらは、キシレンによる抽出後の溶液中に青と赤の中間色の生成物(575nm)をもたらし(非特許文献3)、試薬を数滴垂らした1片の樹脂を含有するアッセイすべき溶液を2分間加熱した後には赤紫色の生成物をもたらす(非特許文献8)。また、DMABAは、スカトール及びトリプトファンとも反応を生じる。スカトールとの反応化合物は急速に形成され、青紫色を有する(λ=578nm)。反対に、トリプトファンとの反応により形成される化合物は黄色であり(λ=460nm)、非常にゆっくりと発色し(最大24時間)、着色はインドール及びスカトールの生成物によりもたらされるものと比べてあまり濃くない。
DMACAも、DMABAについて記載したものと類似の条件下で、インドール及びその誘導体の検出に使用される。DMACAはインドールと合わせると青緑色の生成物(λmax=640nm)をもたらし(非特許文献4)、大量のトリプトファン(2.5mg・mL−1超)、インドール酢酸及びスカトールと合わせると赤紫色の生成物(λ=562nm)をもたらす(非特許文献9)。
研究は全て、DMACAを用いて行った試験の方がDMABAとの反応に基づくものよりも高感度であるという点で意見が一致している。液相中の反応に基づくこれらの技法の主な利点は、濃度を決定するために、それらが試薬と接触し、発色を待ち、かつUV可視吸収スペクトル又は比色測定結果を得ることを伴うため、これらの試験を容易に実施できることである。しかしながら、これらの技法は幾つかの弱点を有する。DMACA、クロコン酸又はDMABAをベースとする試薬は経時的に安定でなく、したがって、光の当たらない涼しい場所で保管しなければならない新たな試薬溶液を少なくとも毎月調製することを必要とする。発色は経時的に変化し得るため、各々の解析前に新たな基準範囲を作成し、試験と読取りとの間の既定時間を守る必要がある。比色法の使用は、試験すべき溶液が既に着色していれば(生物学的解析でしばしば見られる事例)不可能であり、これにより、多くの場合、溶媒(キシレン、クロロホルム)を用いたインドール誘導体の抽出工程が要される。結論として、種々の製剤及びプローブ分子が使用されているにもかかわらず、別段、インドール誘導体についての100%の選択性を有する試験を得ることを可能にする、すなわち、異なる化合物の違いの十分な判別を実現することができる配合を見出す研究は成し遂げられていない。
他の検出技法は、溶液中の検体とともに、基体上に吸着させた試薬を使用することからなる。Vrackoの方法は、インドールの誘導体を含有する液状媒質を、DMABAと塩酸とを含有する吸収性材料のストリップと接触させることからなる(非特許文献10)。本試験は、ペーパーと試験すべき液体との間の接触表面上に濃いピンク色の着色が生じれば陽性である。本試験の変形形態として、塩酸をシュウ酸に置き換えることができる。
これらの試験は、定量解析を行うことを意図したものではなく、それらは、インドールの有無の検出を可能にするに過ぎない。これらのタイプのストリップは市販されているが(Sigma-Aldrich)、消費期限は短く、保管に関する非常に厳しい条件が使用者に与えられる。キットが依然として有効であると確認するために、供給業者は、インドール産生細菌及び非インドール産生細菌を用いた予備試験、又はインドール希釈溶液を直接用いた予備試験のいずれかを実施することを推奨している。
最後に、他の検出技法は、気相中の検体と合わせて、基体上に吸着させた試薬を使用することからなる。例えば、Kohno他による研究は、気相中におけるインドールの比色検出に関わるものである(非特許文献11)。Kohno他は、DMABAを含有するNafionフィルムをポリエステルシート上に堆積させた。インドール蒸気に曝した後、フィルムの吸収スペクトルは二重項吸収バンド(535nm及び580nm)を示し、フィルムは紫色を呈する。続いてフィルムを6%の過酸化水素溶液中に浸漬させると、濃いピンクと紫の中間色を呈し、生成物の吸収バンドはUV範囲(480nm及び535nm)へと移行する。最後に、フィルムを水で濯いで乾燥空気で乾燥させると、スペクトルは再び、510nmを中心とする濃いバンドのみを示すように変化し、このとき、フィルムの色はマゼンタである。この色は少なくとも2時間安定である。著者は、干渉化合物が、2−メチルインドール及び1−メチルインドール並びにピロールとともに幾らか現れ、インドールによる生成物のものと類似するスペクトルを有する生成物をもたらすとしている。他方、スカトール、ピリジン、チオフェン及びケトンは全く干渉しない。脂肪酸アミン、アニリン及びフランは、インドールの生成物と容易に見分けることができる黄色の生成物をもたらす。この技法の検出限界は、30%より高い相対湿度の空気中で2ppm程度のインドールとなる。3つのプロセス工程の全所要時間はおよそ50分である。濃度の増大に対するセンサの応答は、0ppmV〜15ppmVで線形でなく、むしろ放物線状である。センサの感度は、30%より高い相対湿度値で比較的一定であるが、20%より低い相対湿度値で激的に低下する。
Mac Donaldに対する特許文献2は、固体基体上に吸着させた試薬DMACAによるインドールの気相検出について言及している。記載される様々な基体は、吸着紙、布、プラスチックフィルム、シリカ(SiO)、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛の微孔フィルム(他に指定なし)、及び粉末形態のシリカのナノ粒子である。本事例の目的は、細菌を識別するためにインドールの存在を検出することであるが、気相中のインドール含有量の定量的測定は含まれていない。加えて、干渉化合物に関する研究は言及されていない。
インドールを検出するための従来の技法のいずれも、低コストの迅速で選択的かつ高感度の実用的な解析のための基準を満たすことができない。これまでに引用した技法は各々、利点及び不利点を有するが、全ての基準を同時に満たすものはない。加えて、技法のいずれも、同じ機器を用いた気相又は液相における解析を可能としない。
したがって、少なくともインドールに対して選択的で、また携帯用(1kg未満)であり、特別な訓練を何ら行うことなく使用することができ、精度の高い結果を示し、先行する事前濃縮を伴うことなく1×10−6mol・L−1程度の最小検出限界を有することを可能とし、迅速な結果(15分未満)をもたらし、かつ、試料の調製を要することなく出来るだけ幅広い検出範囲(少なくとも3桁)を網羅することを可能とするセンサに関する真の需要が存在する。加えて、このセンサは、固体試料又は半固体試料との接触によるものであっても、気相又は液相における解析について差別することなく使用することができるものでなければならない。最後に、このセンサの応答は、経時的に安定なものでなければならず、その保管時間に応じて応答のばらつきを示すものであってはならない。
特開2006−258803号公報 国際公開第2006/107370号
論文 Woodら, 2003, Mycologica, vol. 95(5), 頁807-808. 論文 CurioniおよびBosset, 2002, International Dairy Journal, vol. 12, 頁959-984. 論文 LombardおよびDowell, 1983, Journal of Clinical Microbiology, vol. 18(3), 頁609-613. 論文 MillerおよびWright, 1982, Journal of Clinical Microbiology, vol. 15(4), 頁589-592. 論文 Turner, 1961, Biochemical Journal, vol. 78, 頁790-792. 論文 Kohnoら, 2009, Analytical Sciences, vol. 25, 頁129-132. 論文 VolklおよびQuadbeck, 1973, Arztl. Lab., vol. 19, 頁535-536. 論文 QureshiおよびQureshi, Analytical Chemistry, vol. 38(13), 頁1956-1958. 論文 DurkeeおよびStirbois, Journal of Chromatology, vol. 13, 頁173-180. 論文 VrackoおよびSherris, 1963, American Journal of Clinical Pathology, vol. 39, 頁429-432. 論文 Kohnoら, 2007, Chemistry Letters, vol. 36(1), 頁98-99.
本発明によって、これまでに挙げた技術的問題を解決するとともに、従来技術の方法及び機器の不利点を克服することが可能となる。
実際、本発明者らは、研究を通じて、気相及び/又は液相中で、並びに、脂肪組織等のヒト組織又は動物組織との接触によってでさえも、インドール及びインドール誘導体のために使用することができるが、以下に挙げた他の化学物質(chemical compounds)にも使用することができ、またリアルタイムの捕捉、検出及び任意に定量化を可能にする、携帯用で、取り扱い易い、使い捨ての、比色型の化学物質検出器を設計した。
加えて、本発明の化学物質検出器は、1つ又は複数のプローブ分子を含む固体形態、とりわけ、多孔性ゾルゲル材料の形態であり、試料が液体であれば試料を除いて液体の取扱いを要しない。本発明の検出器のこの特徴は保管を改善させる。本発明の検出器は、使用前に最低6ヶ月間有効に保管することができるのに対し、従来技術における液体試薬溶液型の検出器は、解析時に調製しなければならない。
同様に、本発明の検出器は、解析すべき溶液の10μL〜20μLの試料採取しか要しないのに対し、液体試薬を用いた現行の技術水準の方法では1mL〜5mLの試料が必要とされる。
したがって、本発明は、クロコン酸と、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド(DMABA)、p−ジメチルアミノシンナムアルデヒド(DMACA)、p−メトキシベンズアルデヒド(MOB)及び4−メトキシ−1−ナフトアルデヒド(MON)からなる、アルデヒド官能基を有するプローブ分子の群とからなる群から選ばれる少なくとも1つのプローブ分子を含む多孔性ゾルゲル材料に関わるものである。
「ゾルゲル材料」とは、前駆体として、同じか又は異なる、式M(OR)(R’)(式中、Mはシリコン等の金属であり、R及びR’はアルキル基であり、m及びnは、m+n=4、2≦n≦4及び0≦m≦2である整数である)の金属アルコキシドを使用することにあるゾルゲルプロセスを用いて得られる材料を意味する。ゾルゲル材料は概して、好ましくは水混和性で穏やかな条件下で蒸発可能であり、前駆体が可溶性である溶媒中で調製される。シリコンアルコキシドに関しては、メタノール、エタノール等のアルコール;ジエチルエーテル及びテトラヒドロフラン等のエーテル;クロロホルム、CHCl、CCl等の塩化溶媒;又はCHCN、アセトン、メチルエチルケトン若しくはジエチレンジオキシド等の他の非プロトン性溶媒;又は酢酸、ホルムアミド等のプロトン性溶媒について特に言及することができる。水の存在下で、アルコキシド基(−OR)の加水分解が起こり、これらがシラノール基(Si−OH)に変換され、これは凝縮してシロキサン基(Si−O−Si)を形成する。一般に、1ナノメートルより小さいサイズの小粒子がその後形成される。それらは、凝集し、液体中、浮遊状態で空孔クラスタを形成する。これがゾルである。重縮合が経時的に続くと、また続く場合には、それがゲルとなるまでゾルの粘度が増大し、ゾルがゲルになる。固体ゾルゲル材料はゲルを乾燥させることによって得られる。この工程中に、残りの格子間の溶媒が、形成された高分子網目構造から抜け出て蒸発し、これにより、材料の収縮が起こる。ゾルの占める体積に比べて体積が小さい最終材料が得られる。ゾルゲルは、異なる形態であってもよく、例えば、それは、特異的な形状をもたらすようにモールド内に調製されてもよく、又は膜形態で、別段、スピンコーティング又は浸漬コーティングによって(1μm未満の厚みを有する膜)、又は噴霧によって(1μmを超える厚みを有する膜)、調製されてもよい。
ゾルゲル材料の多孔度によって孔径に関連して名称が決定され、実際、国際純正・応用化学連合(IUPAC)により設定される規則に従って、材料中の細孔の平均直径に応じて、ミクロ細孔(20Å未満)、メソ細孔(20Å〜500Å)及びマクロ細孔(500Å超)の間の区別を行うことができる。本発明で使用されるゾルゲル材料は、多孔性、及び別段、メソ多孔性である。有益には、この材料が、10オングストローム〜100オングストローム、特に15オングストローム〜80オングストローム、とりわけ20オングストローム〜70オングストロームの範囲の孔径分布、及び200m・g−1〜800m・g−1、別段、300m・g−1〜700m・g−1、とりわけ400m・g−1〜600m・g−1の比表面積を有する。
本発明に使用されるゾルゲル材料は有益には、1より小さい固有のpH、別段、0より小さい固有のpH(すなわち負のpH)を有する。ゾルゲル材料内の固有のpHは、染色試薬を用いて、別段、チモールブルーにより測定することができる。
本発明で使用されるゾルゲル材料は、1つ〜4つのアルコキシシラン前駆体から本質的に調製され、1つ〜4つのアルコキシシラン前駆体の加水分解から本質的に得られる。したがって、本発明で使用されるゾルゲル材料は、1つ〜4つのアルコキシシラン前駆体の加水分解に由来する単位から本質的に形成される。ゾルゲル材料は、2つ又は3つ、特に2つの異なるアルコキシシラン前駆体から本質的に調製することができる。変形形態として、ゾルゲル材料は、注目すべきはビシラン型の単一のアルコキシシラン前駆体から本質的に調製することができる。変形形態に関係なく、プローブ分子を含む最終ゾルゲル材料は一般に、85重量%、別段、60重量%〜80重量%のアルコキシシラン誘導体を含有する。
として下記に表記される第1の変形形態では、本発明で使用されるゾルゲル材料が、
式Si(OR又はRSi(OR(式中、R、R及びRは、同一又は異なり、1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基を表す)の少なくとも1つの第1のアルコキシシランと、
式RSi(OR又は(RO)Si−CH−CH−Si(OR(式中、Rは、1個〜6個の炭素原子を有する置換アルキル基を表し、R、R及びRは、同じ又は異なり、1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基を表す)の少なくとも1つの第2のアルコキシシランと、
から本質的に調製される。
有益には、変形形態Vにおいて、第1のアルコキシシラン(複数も可)/第2のアルコキシシラン(複数も可)のモル比が、1:0.01〜1:1、注目すべきは1:0.02〜1:0.80、別段、1:0.03〜1:0.50である。
ラジカルR、R、R、R、R及びRについて、1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基とは、1個〜6個の炭素原子、別段、1個〜4個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐鎖状アルキル基を意味する。
ラジカルについて、1個〜6個の炭素原子を有する置換アルキル基とは、1個〜6個の炭素原子、別段、1個〜4個の炭素原子を有する、直鎖状又は分岐鎖状の置換アルキル基を意味する。上記R基は、フッ素又は塩素等のハロゲン、−NHラジカル、−NHRラジカル(式中、Rは、これまでに規定したような、1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基である)、−COOHラジカル、−COORラジカル(式中、Rは、これまでに規定したような、1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基である)からなる群から選ばれる要素による、同一又は異なる、1つ又は複数の置換を有する。
本発明で使用することができる第1のアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン(TMOS、Si(OCH)、テトラエトキシシラン(TEOS、Si(OC)、テトラプロポキシシラン(TPOS、Si(OC)、テトラブトキシシラン(TBOS、Si(OC)、メチルトリメトキシシラン(MTMOS、(CH)Si(OCH)、エチルトリメトキシシラン(ETMOS、(C)Si(OCH)、プロピルトリメトキシシラン(PTMOS、(C)Si(OCH)、メチルトリエトキシシラン(MTEOS、(CH)Si(OC)、エチルトリエトキシシラン(ETEOS、(C)Si(OC)、及びプロピルトリエトキシシラン(PTEOS、(C)Si(OC)、並びにそれらの混合物について言及することができる。有益には、本発明で使用される第1のアルコキシシランがTMOSである。
本発明の下、第2のアルコキシシラン前駆体は、種々の置換基の使用により、ゾルゲル材料の孔径を変更、別段、増大させる。本発明で使用することができる第2のアルコキシシランとしては、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES、Si(CNH)(OC)、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(APTMS、Si(CNH)(OCH)、(3−(メチルアミノ)プロピル)トリメトキシシラン(Si(CNHCH)(OCH)、3−カルボキシプロピルトリエトキシシラン(Si(CCOH)(OC)、3−カルボキシプロピルトリメトキシシラン(Si(CCOH)(OCH)、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン((OCSi−CH−CH−Si(OC)、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン((OCHSi−CH−CH−Si(OCH)、(3,3,3−トリクロロプロピル)トリエトキシシラン(Si(CCCl)(OC)及び3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン(Si(CCF)(OCH)、並びにそれらの混合物について言及することができる。有益には、本発明に使用される第2のアルコキシシランがAPTESである。
したがって、本発明で使用される特定のゾルゲル材料は、1:0.01〜1:1、注目すべきは1:0.02〜1:0.80、別段、1:0.03〜1:0.50のモル比で、TMOS及びAPTESから本質的に調製される。とりわけ、TMOS/APTESのモル比は1:0.04であるが、1:0.3まで増大してもよい。したがって、本発明のゾルゲル材料は、このような割合のTMOS及びAPTESの単位を含む。
として下記に表記される第2の変形形態では、本発明で使用されるゾルゲル材料が、これまでに規定したような、式(RO)Si−CH−CH−Si(ORの少なくとも1つのアルコキシシランから本質的に調製される。
として下記に表記される第3の変形形態では、本発明で使用されるゾルゲル材料が、
これまでに規定したような、式(RO)Si−CH−CH−Si(ORの少なくとも1つの第1のアルコキシシランと、
これまでに規定したような、式Si(OR、RSi(OR又はRSi(ORの少なくとも1つの第2のアルコキシシランと、
から本質的に調製される。
有益には、変形形態Vにおいて、第1のアルコキシシラン(複数も可)/第2のアルコキシシラン(複数も可)のモル比が、1:1〜1:100、別段、1:1.25〜1:50、とりわけ1:2〜1:33である。
本発明に使用されるプローブ分子、すなわち、クロコン酸、並びにDMABA、DMACA、MOB、MON、及びそれらの混合物である、アルデヒド官能基を有するプローブ分子の中から選ばれるものは、ゾルゲル材料の細孔の表面上に位置する。プローブ分子は、ゾルゲル材料の細孔の表面上に吸着し、かつ/又は、非共有結合(水素結合又はイオン結合)を介してかつ/又は共有結合によりこの表面に結合することができる。一般に、プローブ分子は材料の体積全体に分布する。
プローブ分子の重量百分率は有益には、多孔性ゾルゲル材料の総重量に対して、0.01%〜30%、別段、0.1%〜20%、とりわけ1%〜10%である。
多孔性ゾルゲル材料は付加的に、構造化化合物、例えば、アイオノマー、別段、酸官能基を有するエチレンに由来のフッ化有機ポリマー、例えばナフィオン(商標)等の有機ポリマー、また一般に中性である界面活性剤を含有していてもよい。
また、本発明は、これまでに規定したような少なくとも1つのプローブ分子を含む本発明による多孔性ゾルゲル材料を製造する方法に関わるものである。
種々の製造方法を本発明では想定することができる。プローブ分子(複数も可)は、従来のゾルゲルプロセスを用いたゾルゲル材料の製造後にこの材料中に組み込むことができる。
この組込みは、(部分真空下又は気体を循環させることによって)気体状のプローブ分子を材料と直接接触させることによる、気体経路による拡散、又は、溶解若しくは希釈したプローブ分子を含有する溶液(水性又は溶媒)中に材料を直接入れることによる、液体経路による拡散を用いてなすことができる。
また、この組込みは、材料とプローブ分子との間に共有結合を作ることである、官能化又はポストドーピングによってなすことができる。この目的のために、材料の表面を官能化してプローブ分子とのその適合性を改善させるか、又はこのプローブ分子を官能化することが有益である。
好ましい変形形態として、本発明による製造方法は、ゾルを調製する際にプローブ分子を直接添加すること(「ワンポット」法)にあり、これによって、シリカ網目構造内におけるプローブ分子の直接的な封入がもたらされ、本発明のゾルゲル材料中におけるプローブ分子のより良好な分布が得られるようになる。プローブ分子の溶解は、ゾルを調製するのに使用される、溶媒中(以下の工程(a)又は工程(a))又は水中(以下の工程(c)又は工程(c))のいずれにおいても行うことができる。好ましい選択は、プローブ分子を、それが最も可溶性となるか又は最も混和性である媒体中に溶解させることである。
本発明の変形形態(V)によれば、材料を製造する方法は、以下の連続工程:
)これまでに規定したような、式Si(OR又はRSi(ORの少なくとも1つの第1のアルコキシシランを、溶媒、並びにクロコン酸、DMABA、DMACA、MOB及びMONからなる群から選ばれる少なくとも1つのプローブ分子と混合する工程と、
)工程(a)の前記混合物に、これまでに規定したような、式RSi(OR又は(RO)Si−CH−CH−Si(ORの少なくとも1つの第2のアルコキシシランを添加する工程と、
)工程(b)の前記混合物に、水を添加した後、酸を添加する工程と、
)工程(c)後に得られるゾルを成形して、本発明による少なくとも1つのプローブ分子を含有する前記ゾルゲル材料を得る工程と、
を含む。
本発明の変形形態(V)及び(V)に従う材料を製造する方法は、以下の連続工程:
)これまでに規定したような、式(RO)Si−CH−CH−Si(ORの少なくとも1つの第1のアルコキシシランを、溶媒、並びにクロコン酸、DMABA、DMACA、MOB及びMONからなる群から選ばれる少なくとも1つのプローブ分子と混合する工程と、
)任意に、工程(a)の前記混合物に、これまでに規定したような、式Si(OR、RSi(OR又はRSi(ORの少なくとも1つの第2のアルコキシシランを添加する工程と、
)工程(a)の前記混合物又は任意に工程(b)の前記混合物に、水を添加した後、酸を添加する工程と、
)工程(c)後に得られるゾルを成形して、本発明による少なくとも1つのプローブ分子を含有する前記ゾルゲル材料を得る工程と、
を含む。
本発明に使用されるプローブ分子は、工程(a)又は工程(a)における混合時又はこの工程に先立って、別段、この工程中に使用される溶媒中に溶解することができる。有益には、プローブ分子/溶媒の混合物を、1分〜30分、注目すべきは特に5分〜20分、別段、約10分(10分±2分)の時間、超音波浴内に入れることによって、プローブ分子が溶媒中に溶解され、均質混合物が得られる。溶媒中のプローブ分子の濃度は、検出器の要求に関連して変化する場合があり、溶媒中で飽和に達することもある。
工程(a)又は工程(a)で使用される溶媒は、第一にプローブ分子(複数も可)を溶解し、第二に前駆体と水との間の混和性を増大させることが意図される。この溶媒は有益には、メタノール、エタノール、プロパノール又はブタノール等のアルコール、アセトン、ホルムアミド、メチルエチルケトン、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸、及びそれらの混合物からなる群から選ばれる。有益には、この溶媒はメタノール及び/又はエタノールである。
本発明の方法の工程(a)又は工程(a)は、とりわけ、撹拌機、磁気撹拌機、磁気撹拌子、超音波浴又はホモジナイザを用いて、第1のアルコキシシラン(複数も可)、溶媒及びプローブ分子(複数も可)を混合した結果、均質混合物を得ることにある。工程(a)又は工程(a)における混合は、−45℃〜+30℃、注目すべきは−35℃〜+10℃、別段、−25℃〜0℃の温度、とりわけ−15℃程度(すなわち−15℃±5℃)の温度で、30秒〜15分、注目すべきは60秒〜10分、別段、90秒〜5分、とりわけ約2分(すなわち2分±30秒)の時間、実行することができる。
有益には、本発明による方法の工程(b)又は工程(b)では、適切な量の第2のアルコキシシラン(複数も可)を、工程(a)の混合物に添加した後、得られる混合物を、撹拌機、磁気撹拌機、磁気撹拌子、超音波浴又はホモジナイザを用いて撹拌した結果、均質混合物が得られる。工程(b)又は工程(b)、及び別段、工程(b)又は工程(b)における混合は、−45℃〜+30℃、注目すべきは−35℃〜+10℃の温度、別段−25℃〜0℃で、とりわけ−15℃程度(すなわち−15℃±5℃)の温度で、30秒〜15分、注目すべきは60秒〜10分、別段、90秒〜5分、とりわけ約2分(すなわち2分±30秒)の時間、行うことができる。
本発明による方法の工程(c)又は工程(c)は、工程(b)又は工程(b)の混合物に初めに水を添加し、このようにして得られる混合物を撹拌し、その後、毎分6mL〜毎分10mLの速度で、強酸等の酸を徐々に添加することにある。工程(c)又は工程(c)における撹拌は、撹拌機、磁気撹拌機、磁気撹拌子、超音波浴又はホモジナイザを用いて、5秒〜5分、注目すべきは10秒〜1分、別段、20秒〜45秒、とりわけ約30秒(すなわち30秒±5秒)の時間、実施される。工程(c)又は工程(c)は、−45℃〜+30℃、注目すべきは−35℃〜+10℃、別段、−25℃〜0℃の温度、とりわけ−15℃程度(すなわち−15℃±5℃)の温度で実施することができる。工程(c)又は工程(c)で添加される水は有益には、超純水、例えば、蒸留水又は脱イオン水である。
工程(c)又は工程(c)で使用される酸は、プローブ分子をそれらの最も反応性の形態に至らせることが意図され、付加的に、それは、シリコン前駆体の加水分解反応及び/又は重縮合反応用の触媒として使用される。この酸は、有機酸、例えば、シュウ酸、ピクリン酸、メタンスルホン酸、n−プロパンスルホン酸、トリクロロ酢酸(trichloracetic acid)、トリフルオロ酢酸等;無機酸、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、ヨウ素酸、チオ硫酸、スルファミド酸等;酸無水物、例えば、気体塩酸、無水マレイン酸、無水コハク酸等;及び、それらの混合物からなる群から選ばれる。有益には、工程(c)又は工程(c)で使用される酸は、塩酸、別段、37%の塩酸、及び/又はシュウ酸である。特定の一実施の形態によれば、マトリックス内のpHが1未満、好ましくは0未満となるように、酸を添加する。酸のモル濃度は、工程(c)又は工程(c)で得られるゾル中で、2Mに等しいか又はそれより大きく、別段、4Mに等しいか又はそれより大きく、有益には6M程度(すなわち6M±1M)である。
本発明による方法において、(第1及び任意の第2の)アルコキシシラン/溶媒/水のモル比が有益には、1:2:4〜1:20:10、注目すべきは1:4:4〜1:10:6であり、別段それが1:5:4である。酸の添加は変動し、有益には少なくとも、使用されるプローブ分子(複数も可)の量に等しく、典型的にはゾル中で8mol・L−1の濃度に達し得る。濃酸の使用は、期待した結果を得るために推奨される。実際、モル数が同様の希酸の添加は、ゾルゲルの特性を変えるとともに、結果の非再現性の一因になると考えられる。
第2のアルコキシシラン(複数も可)及び酸は、ゾルの初期pH条件を変え、ゲル化に触媒作用を及ぼす。したがって、本方法の工程(d)又は工程(d)における成形は、可能な限り迅速に実行し、ゾルを、−45℃〜+30℃、注目すべきは−35℃〜+10℃、別段、−25℃〜0℃の温度、とりわけ−15℃程度(すなわち−15℃±5℃)の温度に可能な限り近い温度に保つ必要がある。有益には、本発明による方法の工程(a)、(b)、(c)及び(d)(又は(a)、(b)、(c)及び(d))は、同じ温度で行われる。本方法の工程(d)又は工程(d)における成形は、工程(c)又は工程(c)で得られる適切な量のゾルをモールド内に入れ、期待するゾルゲルのブロックを得ることにある。このモールドは、いずれの形状及びサイズを有していてもよい。有益には、それはポリスチレン又はポリプロピレン製である。例えば、モールドはマルチウェルプレートのウェルであってもよい。
本発明による方法の工程(d)又は工程(d)後で、ゾルがゲル化したら、溶媒及び残留酸を蒸発させるように、得られるゾルゲルブロックの乾燥を実行することも可能となる。ゾルゲル材料の乾燥は有益には、制御された温度において、乾燥した不活性ガス雰囲気(窒素、アルゴン、空気等)中で起こる。ゾルゲルのブロックの乾燥は、別段、通気性カバー、とりわけ多孔性フィルムを、モールドの表面上に据えた後、これらのモールドを周囲温度(すなわち21℃±4℃)に置くか、又は10℃〜60℃、別段、20℃〜40℃に温度制御された封入容器に入れることによって実行することができる。乾燥は換気フードの下で行うことができる。乾燥雰囲気はまた、乾燥した純粋な不活性ガス(窒素:U品質−純度<99.5%、空気:FID industrial品質等)であってもよい。完全な乾燥にかかる時間は、2時間〜10日、別段、6時間〜5日で変動する。
乾燥が完了したら、本明細書中で「モノリス」又は「キセロゲル」とも称する、本発明のゾルゲル材料は、モールドから容易に取り外すことができ、また、密閉容器、例えば、気密密閉された、ガラス管又はポリテトラフルオロエチレン(例えばテフロン(登録商標))製の管内に保管することができる。より長期間の保管(6ヶ月超)では、乾燥ゾルゲル材料を+4℃±4℃の冷蔵庫に保管することができる。さらに長期間の保管(12ヶ月超)では、完全な乾燥前、別段、それらの直径がわずかに収縮したときに、ゾルゲル材料をモールドから取り外し、その後、封止ガラス管等の封止容器内で保管することができる。この場合、本発明のゾルゲル材料を検出器として使用する前に、使用者は、材料を数時間、注目すべきは1時間〜10時間、別段、2時間〜5時間、典型的には3時間、外気、又は乾燥した純粋な不活性ガスの雰囲気(U品質の窒素、気相クロマトグラフィ用の工業用空気等)に置くことによって、材料の乾燥を完了させなければならない。モノリス又はキセロゲルの形態の本発明のゾルゲル材料は有益には、5μmに等しいか又はそれよりも大きい、別段、50μmに等しいか又はそれよりも大きい、別段、200μmに等しいか又はそれよりも大きい、とりわけ1mm〜2mmの厚みを有する。本発明のゾルゲル材料は、吸光度測定を可能とするのに十分に厚いものでなければならない。
本発明は、少なくとも1つの化学物質を捕捉及び/又は検出、並びに任意に定量化するための、本発明による、又は本発明による製造方法を使用して製造され得る、少なくとも1つのプローブ分子を含むゾルゲル材料の使用にも関する。
本発明で捕捉及び/又は検出及び/又は定量化することができる化学物質は有益には、インドール及びその誘導体、ウロビリノーゲン、ポルフォビリノーゲン、ピロール、第一級アミン、別段、芳香族第一級アミン、パラ−アミノ安息香酸、ヒドラジン、4−エトキシフェニル尿素(又はズルチン)、5−ニトロ−2−プロポキシアニリン(又はP−4000)、尿素硝酸塩、ジピロン、並びにセロトニンの誘導体からなる群から選ばれる。
本発明中の「インドールの誘導体」又は「インドール誘導体」は有益には、下記式のインドール核を含む化合物である。
上記核は2位、3位、4位、5位、6位及び7位のいずれかに少なくとも1つの置換を有する。有益には、上記置換(複数も可)は、ハロゲン、任意に置換されたアルキル基、又は任意に置換されたヘテロアルキル基からなる群から選ばれる。
「任意に置換されたアルキル基」とは、1個〜6個の炭素原子、別段、1個〜4個の炭素原子、とりわけ1個又は2個の炭素原子を有する、任意に置換された、直鎖状又は分岐鎖状アルキル基を意味する。「任意に置換されたヘテロアルキル基」とは、O、N、S又はPからなる群から選ばれる1つ又は複数のヘテロ原子も有する、上記に規定されるような、任意に置換されたアルキル基を意味する。
「任意に置換された」とは、1つ又は複数の炭素原子上の、フッ素又は塩素等のハロゲン、−NHラジカル、−OHラジカル、−NHRラジカル(Rは、これまでに規定したような、1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基を表す)、又は−COOHラジカルによって形成される群から選ばれる要素による、1つの置換、又は同一又は異なる幾つかの置換を意味する。有益には、インドール誘導体は、単一の置換、及び/又はインドール環の2位炭素又は3位炭素上の置換を有する。インドール誘導体の特定例として、スカトール、トリプトファン及びインドール3−酢酸、ヒドロキシインドールについて言及することができる。
また、インドール、及び「現行の技術水準」の節で説明したようなインドール誘導体に加えて、本発明に使用されるプローブ分子は、化合物の他のファミリーとのそれらの反応性能についても知られている。例えば、ウロビリノーゲンが尿又は糞便中に過剰量存在していることは、病状、例えば、黄疸、肝臓感染症、肝硬変、血腫等を示すのに対し、ポルフォビリノーゲンの尿中の存在は、DMABA及び酢酸ナトリウムの存在下で、赤色の化合物を形成し、個体がポルフィリン症に罹患していることを示す。
DMABAと合わせたピロールは、別段、微生物学における応用を視野に入れて、590nm〜610nmの吸収を有する青色/緑色の化合物を形成する。
DMABA及びDMACAと合わせた第一級アミンは、380nm〜400nmの吸収を有する黄色の化合物を形成し、最大感度は芳香族第一級アミンにより得られる。
パラ−アミノ安息香酸はDMACAと反応して、550nmで吸収する赤色の化合物を形成する。DMABAと合わせたヒドラジンは、460nmで吸収する橙色の化合物をもたらす。この化合物の検出は原子力分野で役立つ。実際、ヒドラジンは、第一に、原子力発電所の一次回路及び二次回路用に、水中で防食剤として使用され、第二に、PUREX化学廃棄物の再処理方法(抽出によるプルトニウム及びウランの精錬)に使用されて、ウランとプルトニウムとを分離する。
合成甘味料である、4−エトキシフェニル尿素(又はズルチン)及び5−ニトロ−2−プロポキシアニリン(又はP−4000)は、DMABAと反応する。それらの検出及び任意の定量化は、甘味料、注目すべきは、ヒトにとって発癌性のおそれがある甘味料の品質管理が重要である農業食品産業において興味深いものである。
DMABA及びDMACAと合わせた尿素硝酸塩は、尿素硝酸塩が強酸の性質を有することから、酸を添加することを要することなくそれぞれ黄色及び赤色の生成物を形成する。この検出及び任意の定量化は、爆薬の検出の分野において特に興味深いものである。
DMACAと合わせたジピロンは、酸媒体中で橙色の生成物を形成する。その検出及び任意の定量化は、鎮痛剤、鎮痙剤又は解熱剤の品質管理及び違反の検証について、医薬分野に応用することができる。
セロトニンの誘導体、例えば、フェルロイルセロトニン及びp−クマロイルセロトニンは、DMABAと合わせて、625nmにおける最大吸収を有する紫色の生成物を形成する。それらの検出及び定量化は、医療及び医薬分野において興味深いものである。実際、セロトニンは、それが神経伝達物質として作用する脳内、及び消化器系に見られる。それは、温度調節、摂食行動及び性行動、覚醒及び睡眠サイクル、痛覚、不安、運動制御、胎芽の発育等の機能の調整に関係している。加えて、最近の研究では、セロトニンの不均衡状態が突然死の50%を占めることが示されている。
MON分子及びMOB分子は、分析化学にはほとんど使用されていないものの、殊に、毛染め及び香料用の数多くの組成物中に入っている。解析分野では、MONの使用が、デヒドロゲナーゼアルコール及びデヒドロゲナーゼアルデヒドの酵素活性を測定するために提案されてきた。MOBは、除草剤に対する雑草の耐性を評価するため、これらの化合物の検出用の着色指示薬として提案されている。それは、核酸のアッセイ、又はメチルドーパ、ドーパミン、ノルアドレナリン等の交感神経作用アミンの検出にも使用される。
クロコン酸は、一緒になって500nmで吸収する着色錯体を形成するFe3+の特異的なアッセイに使用される。
したがって、本発明による、又は、本発明による方法を用いて調製することができる、これまでに規定したような少なくとも1つの化学物質を捕捉及び/又は検出、並びに任意に定量化する少なくとも1つのプローブ分子を含むゾルゲル材料は、生化学、微生物学の分野において、医療診断分野において、原子力分野において、品質管理分野において、農業食品分野において、獣医学、環境及び/若しくは保健衛生調査分野において、並びに/又は香料、化粧品及び/若しくはフレーバーの分野において使用することができる。
より詳細には、本発明は、
i)これまでに規定したような少なくとも1つの化学物質を含有することができるフローを、これまでに規定したような、少なくとも1つのプローブ分子を含有する多孔性ゾルゲル材料と接触させる工程と、
ii)存在し得る前記化学物質(複数も可)を捕捉及び/又は検出、並びに任意に定量化する工程と、
を含む、これまでに規定したような少なくとも1つの化学物質を捕捉及び/又は検出、並びに任意に定量化する方法に関する。
工程(i)で使用されるフローは、気体フロー又は液体フローであってもよい。
本発明で使用される気体フローは有益には、試料採取した外気(例えば、殺虫剤で処理した土地の上部から採取したもの)、又は化学分野、農業食品分野、医薬分野、化粧品分野又は原子力分野の工場から試料採取したものである。
本発明で使用される液体フローは有益には、体液;樹液、花蜜及び根滲出液等の植物液;食品マトリックス;水道水、河川、海又は湖の水、空気冷却塔からの水;別段、集約農業又は化学産業、医薬産業、化粧品産業又は原子力産業に由来する廃水;医薬品;化粧品;香料;土壌試料等、又はそれらの混合物からなる群から選ばれる。
注目すべきは、体液は、血液、例えば、全血又は抗凝固処理された全血、血清、血漿、リンパ液、唾液、唾、涙、汗、精液、尿、糞便、乳汁、脳脊髄液、間質液、骨髄から採取した液、粘液、又は気道、腸管又は尿生殖器管(genitor-urinary tract)からの液、細胞抽出物、組織抽出物、及び器官抽出物からなる群から選ばれる。したがって、体液は、人体又は動物体によって自然に分泌されるか若しくは排出されるいずれの液、又は抽出、試料採取若しくは洗浄等の、当業者に既知の任意の技法を用いて、人体又は動物体から回収されるいずれの液であってもよい。人体又は動物体からのこれらの種々の液の回収工程及び単離工程は、本発明の方法を行う前に実施する。
種々の変形形態が、本発明による方法の工程(i)における接触に使用することができる。例えば、本発明の材料を液体フロー中に浸漬させること、或る特定の体積の液体フローを上記材料上に堆積させること、上記材料を気体フローの存在下に置くこと(静的曝露)、又はフロー、別段、気体フローを上記材料上で循環させること(動的曝露)が可能である。
本発明の工程(ii)における検出は、注目すべきは光学測定、(注目すべきは水晶振動子を用いた)質量測定、又は(注目すべきはラブ波を用いた)音響測定によって実施することができる。有益には、この検出は、これまでに規定したような化学物質(複数も可)を含有するフローに本発明による材料を曝した際の、材料の吸光度、蛍光、ルミネセンス、質量又は共振周波数の変動を測定することによって実施される。検出が光学測定によって実施される場合、好ましくは選ばれる波長は、プローブ分子の、又はプローブ分子と検出された化学物質との間の相互作用又は反応によって形成される生成物の吸光度、蛍光又はルミネセンスが最大となる波長である。
既知の化学物質の較正されたフローから得られる測定値と比較して得られる測定値は、曝露フローに含まれる化学物質(複数も可)の量及び/又はタイプに関する直接的な情報をもたらす。
したがって、液体試料への本発明による材料の曝露は、目視観測又は写真観測、又はスキャナを介した観測を生じさせる可能性がある。この場合、既定範囲の濃度について較正において予め判定されたものとの発色の濃さの比較は、化学物質の濃度の大まかな判定を可能とする。細かく調整される定量的測定では、着色錯体の形成速度を判定するために、接触時間の関数である、一点における又は広いスペクトル範囲にわたる吸収の変動を測定することが必要である。この速度の値を、同様の条件下で標準範囲について得られるものと比較する。
最後に、本発明は、本発明による少なくとも1つのプローブ分子を含有する少なくとも1つの多孔性ゾルゲル材料を含む捕捉及び/又は検出システムに関わるものである。本発明による捕捉及び/又は検出システムは、気体フロー用のミリ流体システム(millifluidic system);光窓と、任意にミリ流体システム用の開口とが設けられる、任意に封止された曝露チャンバであって、内部に、本発明の多孔性ゾルゲル材料が据えられ、解析すべきフローと接触する、曝露チャンバ;本発明の多孔性ゾルゲル材料を保持するためのシステム;照射機器(ランプ、LED、レーザダイオード等);任意に、解析用の光を視準するとともに焦点を結ぶための光学系;任意に、光ファイバ等の、光を送ることが可能な手段;並びに、検出器、例えば、分光器、ダイオードアレイ、発光ダイオード、フォトダイオード、干渉フィルタ、有益に冷却される光電子増倍管等からなる群から選ばれる少なくとも1つの要素を更に備える。
比色を用いた、捕捉、検出及び/又は定量化する方法に関して、使用される本発明の捕捉及び/又は検出システムは、ゾルゲル材料に加えて、単に、光窓が設けられる曝露チャンバ、例えば、平底で透明な96マルチウェルプレート又は384マルチウェルプレートを備えていてもよい。本発明のゾルゲル材料をウェルの中心に置き、試験すべき適切な体積の溶液(5μL〜100μL、注目すべきは10μL〜50μL、別段、20μL)を、マイクロピペットを用いてその上に直接堆積させる。比色の較正範囲に使用した時間と同じ発現時間後、比較用の読取りを行う。この発現時間は好ましくは、反応が略完了する区間、すなわち、一般に10分〜60分、注目すべきは20分から選ばれる。
スペクトル測定を介した捕捉、検出及び/又は定量化のために、本発明の捕捉又は検出システムは、ゾルゲル材料に加えて、照射機器(ランプ、LED、レーザダイオード等)、任意に、解析用の光を視準するとともに焦点を結ぶための光学系、任意に、光ファイバ等の、光を送る手段、検出器、例えば、可視域にかかる分光器、別段、小型分光器、OceanOptics QE65000、又は任意の他のタイプの検出器、ダイオードアレイ、フォトダイオード、光電子増倍管等、並びに曝露チャンバを備える。上記システムの特定例として、曝露チャンバは、透明な底面を有し、更にはUV範囲に透過性であるマルチウェルプレートから形成される(Greiner Bio-One製のプレート、参照番号781091(384ウェル)、参照番号655087(96ウェル)又は参照番号675096(96セミウェル))。このプレートはXY移動機器上に据えられ、可能な限り均一な厚みにわたって探査するために、光ビームを本発明のゾルゲル材料の中心に正確に導くことを可能にする。移動プレートには、ゾルゲル材料を含有するウェル内への、解析すべき正確な体積の液体の堆積を可能とする液体注入機器も設けられる。特定例として、サイズが96ウェルプレート内で合成される乾燥した多孔性ゾルゲル材料のサイズに十分に適合する、384ウェルプレートを使用することができる。ゾルゲル材料をプレートの1つのウェルの中心に置き、試験すべき適切な体積の溶液(5μL〜50μL、注目すべきは10μL〜30μL、別段、20μL)を、液体注入システムを用いてその上に直接堆積させる。この瞬間から、連続スペクトルが、材料の中心領域について(すなわち、約1mmの直径にわたって)記録される。スペクトル間の取得間隔は、1秒〜20秒、とりわけ1秒である(スペクトル平均時間は800msである)。反応速度、すなわち、時間の関数としての、形成された錯体の吸光度の変動に相当する、起点における傾きの正確な測定については、初めの1分〜10分にわたる吸光度値の収集で大方十分である。この時間は、検出される濃度に応じて変動するため、この濃度が小さければ、吸光度の十分に正確な測定を得るための取得時間は長くなる。測定の精度は、使用する装置に応じて、別段、使用するダイオードアレイ又は光電子増倍管の信号対雑音の比率に応じて決まると考えられる。所定の時間測定した吸光度値と、先に決定した較正曲線とを比較することによって、溶液中の検体の濃度を決定することが可能である。
上記に提示する2つの特定のシステムと同様のシステムを、化学物質の気相解析に利用するために、封止カバーを追加することにより、マルチウェルプレート等の同様のシステムを使用して、材料を気体フローに曝露させることが可能である。
気体フローを用いた方法では、本発明のゾルゲル材料が単に、検出すべき化学物質(複数も可)を含有する雰囲気との受動接触に置かれる静的曝露を想定することが可能である。
静的曝露は、所定体積の封止した封入容器内又は開いた雰囲気中のいずれでも行うことができる。封止した封入容器は、化学物質(複数も可)の濃度がわずかしか変化を受けない点抽出法に対応し得る。このため、このタイプの曝露は、試料を採取することからなる、本発明の方法の工程(i)前の工程を伴う。本発明の方法の工程(i)は、試料採取後、即時的なものであるか、又は据え置くことができる(実験室解析の場合)。封止した封入容器中の静的曝露はまた、化学物質(複数も可)の濃度が経時的に増大し得る、一定体積における本発明の多孔性ゾルゲル材料の曝露に対応するものであってもよい(インドールを放出する細菌培養の場合)。開いた雰囲気中における静的曝露は、個体又は物が受ける現実の曝露を表すものである。
静的曝露のこれらの2つの場合、検出システムは、曲線又は基準比色範囲を決定するのに使用した手段と同一の、ゾルゲル材料を保持するための手段を更に要する。この捕捉及び/又は検出システムを図1に示す。有益には、上記システムは、気体フローの通過用の流体回路1、金属プレート又はプラスチックプレート2、センサを遮断する狭窄部3、本発明のゾルゲル材料を置く部位4、測定用光ビームの通過用の開口部5、及び2つのプレートを固定するためのねじ6を備える。このシステムは、解析用の光を視準するとともに焦点を結ぶための光学系、光ファイバ等の、光を送ることが可能な手段、及び、これまでに規定したような検出器を更に備える。
上記捕捉及び/又は検出システムを用いた、着色錯体の吸光度の測定は、広波長域にわたって実施され得るか、又は、多孔性ゾルゲル材料における錯体の1つ又は複数の吸収バンド(one the bands or of the absorption band)それぞれの最大吸収及び最小吸収で定められる1つ又は2つの波長に限定され得る。最後に、測定は、シェード比色測定又はこのシェードの視覚的評価であってもよい。
変形形態として、気体フローを用いた方法では、本発明の多孔性ゾルゲル材料上で直接検出する化学物質(複数も可)を含有する雰囲気を、一定フロー速度で循環させることからなる動的曝露を使用することを想定することができる。この場合、目的は、較正曲線を決定するのに使用したものと同一の動作条件下で正確な濃度を決定することである。
この変形形態において、有益には、本発明の捕捉及び/又は検出システムは、
有益には0.01L・min−1〜1.1L・min−1のフロー速度を可能とする、気体フロー用のミリ流体システム、
光窓と、ミリ流体システム用の開口(ガス吸気口及びガス排気口)とが設けられる曝露チャンバ、
解析用の光を視準するとともに焦点を結ぶための光学系、
光ファイバ等の、光を送ることが可能な手段、
所望のフロー速度に適合する(ミクロ)ポンプ、
これまでに規定したような検出器、
を備える。
上記捕捉及び/又は検出システムは、別段、以下に提示するように使用することができる。本発明の多孔性ゾルゲル材料を、光学経路上の、図1に示すような2つのプレートの間に置く。ミリ流体回路の狭窄部によって、材料が適当な位置に保持される。アセンブリを、2つの石英の光窓を備える、テフロン製の試料ホルダ内に挿入する。試料ホルダの光入射口及び光出射口は、SMA型のコネクタを介して、第一に光源と、第二に検出器と接続する光ファイバに接続される。ゾルゲル材料をミリ流体システムに挿入する。このシステムは、曝露チャンバ内に据えられる。気体フローを、十分な所定時間の間、ミリ流体システム内で循環させると、注目すべき光学変動の観測が可能となる(数秒〜約1時間)。曝露時間中、ゾルゲル材料の吸収スペクトルを、以下に説明するように、好ましくは規則的な間隔(1秒〜300秒)で収集する。可視光ランプ(タングステン)に由来する解析用の光を、光ファイバを介して送り、チャンバの入射窓に連続的に照射する。入射窓に据えられたレンズ(焦点距離=10mm)及びSMAコネクタによって視準された光ビームは、小さい(典型的に1mm程度の)表面積にわたってセンサに照射される。チャンバの出射窓上に据えられる第2のレンズ及び第2のSMAコネクタを介して、透過光を同軸上に集める。透過した光ビームを、光ファイバを介して、小型であってもよい分光光度計へと送る。センサの吸収スペクトルを規則的な間隔で収集し、各取得は8msec〜1000msec(別段、800msec)続ける。
各汚染物質に曝された多孔性ゾルゲル材料の吸光度信号は、化学物質の広い濃度範囲及び気体フローの広い相対湿度範囲にわたって得られる。このデータに基づいて、その濃度及び気体フローの湿度の関数として、各化学物質について較正曲線を決定する。これらの較正曲線はデータバンクに蓄積され、これを気体化学物質の未知の混合物に曝された多孔性ゾルゲル材料のスペクトルのスペクトルデコンボリューションに使用する。
選ばれたプローブ分子に応じて、これまでに規定したような化学物質、別段、インドール誘導体の選択的検出を実施すること、及び、本発明に使用される5つのプローブ分子(すなわち、DMACA、DMABA、MON、MOB又はクロコン酸)のリストの中から最良のプローブ分子を選ぶことによって、他のものの干渉を回避することが可能となる。
加えて、ゾルゲル材料の合成パラメータ、及びプローブ分子を組み込む方法に作用することによって、細孔のサイズを、検出すべき検体のサイズに適合させること、それ故、妨害する干渉化合物の第2の「スクリーニング」を行うことが可能である。以下の実験パートは、材料の細孔に入ることができないトリプトファンの影響を受けにくい多孔性ゾルゲル材料の例を提案しており、このため、インドール及びスカトールを検出するとともにこれらを見分けることが可能となる。インドール及びスカトールが生体媒質中のトリプトファンから形成されるため、この点は重要である。トリプトファンは微生物学における重要な干渉化合物である。
同様に、合成の条件、又は材料に組み込まれるプローブ分子の濃度を変更することによって、最小濃度から最大濃度の検出範囲を、一連の応答線形性を全体的に維持して、3桁(初期設定で、1×10−6mol・L−1〜1×10−3mol・L−1のインドール)にわたって動かすことが可能となる。DMACAは、スカトールとインドールとの間の良好な判別を可能とするが、約10−6mol・L−1の濃度で感度閾値が得られる。アルコールにより可溶性のDMABAは、ゾルゲル材料中により大量に組み込むことができるため、高いレベルの感度に達する。したがって、例えば、1つの同じゾルゲル材料又は2つの別個のゾルゲル材料中にこれらの2つのプローブ分子の混合物を有するキットを使用して、肉眼による読取りを容易にすることができ(このため、使用者にとってはプローブ分子の色が重複しない)、選択性及び感度を得ることができる。
加えて、着色錯体の形成は、液相中よりも材料の細孔中で約3倍速い。インドール及びその誘導体の幾つかに関して、上記錯体はアザフルベニウム塩であり、トリプトファンはこのような錯体を形成しない。本発明の方法によれば、この錯体は形成される唯一のものであるのに対し、液相中では、インドールの第2の分子の添加により第2の反応生成物が第1の錯体から形成され得る。文字通り、第2の反応は液相アッセイでは考慮されず、インドール濃度の評価の系統誤差がもたらされる。第2の反応が起きないため、形成されるアザフルベニウム塩はゾルゲル材料中で安定である。
例示として挙げられる非限定的なものである以下の実施例を読めば、本発明の他の特徴及び利点は更に明らかになるであろう。
気体試料へのその曝露及び吸収測定を可能にする、本発明による少なくとも1つのプローブ分子を含有する多孔性ゾルゲル材料用のホルダ機器の両サイドの片側の図である。 ドープされていないマトリックス(吸着○及び脱着□)、及び本発明による飽和ドープされたDMACAドープマトリックス(吸着◇及び脱着△)による、77Kにおける窒素の吸着等温線及び脱着等温線を示す図である。 細孔容積に対する種々のサイズの細孔の寄与を示すグラフである。ドープされていないマトリックスは黒(■)で示し、DMACAドープマトリックスは白(□)で示す。DFT計算法を用いて結果を得た(Neimark A. V., Ravikovitch P. I., Vishnyakov A., "Bridging scales from molecular simulations to classical thermodynamics: density functional theory of capillary condensation in nanopores", J. Phys.: Condens. Matter, vol. 15, pp. 347-365, 2003)。 比表面積に対する種々のサイズの細孔の寄与を示すグラフである。ドープされていないマトリックスは黒(■)で示し、DMACAドープマトリックスは白(□)で示す。DFT計算法を用いて結果を得た(Neimark A. V., Ravikovitch P. I., Vishnyakov A., "Bridging scales from molecular simulations to classical thermodynamics: density functional theory of capillary condensation in nanopores", J. Phys.: Condens. Matter, vol. 15, pp. 347-365, 2003)。 本発明によるDMACA及びDMABAでドープされた異なる多孔性マトリックスにおけるインドールのアッセイについての比色試験の結果を示す図である。 本発明によるDMACAでドープされたゾルゲルマトリックスにおける20μLのインドール溶液の添加の際に経時的に観測されるスペクトル変化を示す図である。 624nmにおける着色錯体の形成速度論を示す図である。 液状媒質中のインドールの検出についての較正曲線である。X軸はインドール濃度の対数(10−6mol・L−1〜10−3mol・L−1)に該当し、Y軸は着色錯体の形成速度に該当する。 本発明によるDMACAドープマトリックスをスカトール蒸気に曝したときに得られたスペクトルの変動を示す図である。
I.本発明によるメソ多孔性マトリックスの調製
I.1.使用材料
メソ多孔性マトリックスの種々の試料を、2つの前駆体であるTMOS及びAPTESから合成した。この合成に使用する溶媒及び酸は、それぞれメタノール及び37%の塩酸(12mol・L−1)とした。記載のプロトコールはプローブ分子としてDMACAを使用する。
より詳細には、DMACAで「飽和まで」ドープされ、かつ6mol・L−1のHCl濃度を有する20mLのゾルの調製に関して、以下を使用する:
TMOS(Fluka、参照番号09324):3.4mL;
メタノール(Fluka、参照番号87680)+DMACA(Sigma-Aldrich、参照番号156477):4.7mL+70mg;
APTES(Aldrich、参照番号440140):0.2mL;
超純水:1.7mL
塩酸12mol・L−1:10mL。
I.2.ゾルの調製
合成の第1の工程は、磁気撹拌機を使用して、TMOSと、溶解されたDMACAを含有するメタノールとを、−15℃±5℃の浴(エタノール/ドライアイス混合物又はエタノール/液体窒素)に入れたPyrex(登録商標)ビーカー内で2分間混合することにある。その後、所望量のAPTESを、マイクロピペットを用いて混合物に添加する。更に2分間の撹拌後、脱イオン水を添加する。30秒の撹拌後、塩酸を徐々に添加した後、マトリックスを成形する。
I.3.ゾルゲルマトリックスの成形及び乾燥
NHTEOS及び塩酸は、ゾルの初期pH条件を変え、ゲル化を触媒する;したがって、成形を可能な限り迅速に行ない、ゾル温度は可能な限り−15℃±5℃近くに保つ必要がある。
マイクロピペットを用いて、適切な体積のゾルを、好ましくはポリスチレン製(Greiner Bio-one、Elisaマイクロプレート(平底)、参照番号655001)又はポリプロピレン製(Greiner Bio-one、Elisaマイクロプレート(平底)、参照番号655201)の96ウェルプレートに入れる。プレート中又はその上の化合物がモノリスを汚染することを防ぐために、50℃まで炉内で24時間加熱し、炉内の雰囲気をこの期間中3度入れ替えること(U品質の窒素、FID品質の工業用空気等と交換)を含む前処理を、プレートに行うことに留意されたい。
50μL〜100μLの体積は、好適な厚み(400μm〜800μm)の乾燥マトリックスをもたらす。収縮率は、パートI.1に記載したもの等の開始ゾルに関して12〜16である。ゾルをゲル化したら、マルチウェルプレートを接着性の微孔フィルム(通気性接着シール、ABGene、参照番号AB−0718)で被覆する。このように封止したプレートを、周囲温度においてドラフト内で(乾燥の間中、酸蒸気の放出が起こり得る)、完全な乾燥度まで、すなわち一般に3日間(近似温度=22℃、平均相対湿度=55%)、放置する。
乾燥後、モノリスの平均直径は2.9±0.2mmである。乾燥が完了したら、マトリックスはモールドから容易に取り外すことができ、気密密閉ガラス管内に保管することができる。
ここに提示したプロトコールは、他のプローブ分子又はそれらの混合物にも適応することができる。
II.本発明による多孔性マトリックスの特性決定
II.1.多孔度
II.1.1.注意書
2つの基本的な物理特徴、すなわち、材料の比表面積及び孔径の分布を得る必要がある。これらの2つのパラメータは組み合わさって、材料内における汚染物質の拡散及び捕捉に関する情報をもたらすものである。
材料の比表面積及び多孔度の測定は一般に、材料の表面上における不活性ガスの物理吸着等温線の実験に基づく判定から行う。
Brunauer−Emmett−Teller(BET)法は、固体材料の比表面積を決定するのに最も広範に使用されている解析方法である。
DFT法は、表面上又は細孔中の分子の位置に関係なく、自由エネルギーポテンシャルを最小限に抑えることによって、平衡状態における密度プロファイルの決定を可能にする。よって、このプロファイルに基づき、細孔中に閉じ込められる流体に、厳密な構造をもたらすことが可能となる。
II.1.2.ドープされていないマトリックスの測定及び比較
a)ドープされていないマトリックス(比較として)
比較のために使用されるドープされていないマトリックスは、DMACA及び酸を用いることなくパートI.1のように調製されるマトリックスである。
b)脱気
解析用のキセロゲルを、モルタル内で細粉末に粉砕する。いずれの場合にも、等しい中心厚(220μm)を有するモノリスを選んだ。脱気操作は、可能な限り細心の注意を伴って行わなければならず、2つの連続する脱気操作を実施した。第1の、真空脱気は「大ざっぱな」脱気をもたらす。試料を100℃に加熱し、真空が5×10−2Torr程度の圧力で安定するまで(すなわち約4時間)待つ。その後、第2の脱気を、Autosorb−1ポロシメータ(Quantachrome)の脱気ポートにおいて直接実施する。温度は150℃に設定し、圧力が5×10−3Torrで安定するまで(すなわち、再び約4時間)待つ。温度上昇により、有機分子及び水の脱気が容易となる。
この第1の脱気中、最初のうちは、ドープキセロゲル粉末が(光の散乱に起因して)白色不透明であり、その色が脱気の間中に不透明な明るい橙色へと変化したことが確認された。この観測から、プロトン化DMACAプローブ分子が脱気中に脱プロトン化し、それらが、高圧高温条件下であっても口が小さ過ぎてDMACAの放出を許さない細孔中に封入されたままとなることが確信される。したがって、測定の時点で、プローブ分子を解析すべき媒体と接触させた場合、プローブ分子はマトリックスから離れないことが考えられ得る。
c)測定
吸着ガスとしての、通常の液化温度(77K)における窒素ガスの使用を可能とするAutosorb−1ポロシメータ(Quantachrome)を用いて等温線を決定した。
吸着−脱着等温線
図2は、第一に、溶媒中においてDMACAでドープされる飽和ドープされたマトリックスから得られ、第二に、ドープされていないマトリックスから得られる吸着等温線及び脱着等温線を示す。
ミクロ細孔の存在は、Nの非常に小さい相対圧力における吸着体積の大きな増大によって検出される。メソ細孔の実在は、0.4を超える相対圧力におけるヒステリシスループの存在によって立証される。加えて、ヒステリシスループの形状によって、相互接続のタイプに関する情報が得られる。目下のケースにおいて、本発明者等は相互接続したメソ細孔の存在を見出す。
ドープされたマトリックス及びドープされていないマトリックスの等温線の外観は似ているが、細孔がDMACAを含有する場合には空いている細孔容積がより小さいことに留意することができる。
孔径の分布
孔径分布は、2つの異なる方法、すなわち、細孔容積に寄与するサイズ分布又は比表面積に寄与するサイズ分布のいずれかで決定することができる。図3に示される棒グラフはこれらの2つのタイプの分布を示す。
吸着−脱着等温線の研究から導かれる結論によれば、2つのマトリックスが、20Å未満の直径を有するわずかな割合のミクロ細孔、及びここで20Å〜70Åの直径を有する大きな割合のメソ細孔を有することが確認される。加えて、メソ細孔は、試験された2つのタイプのマトリックスのそれぞれ約85%及び64%の割合に対して総細孔容積及び表面積に寄与することに留意されたい。前出の結果全体を以下の表1にまとめる。
II.3.結論
濃い濃度の酸を用いた本発明による方法は、ゾルゲル合成における、大量のプロトン化プローブ分子の組込みを可能とする。
特性化試験の結果から、ここで使用される動作条件が、検出すべき検体(インドール、スカトール)のサイズと適合する比表面積及び孔径分布を有する多孔性マトリックスの保管を可能にすることが実証される。加えて、ゾルの調製及び材料のゲル化時間を含む合成時間(20分)は、依然として産業化工程と適合性である。ゲル化直後にゲルペレットをモールドから取り外す場合には24時間、又は、材料をその容器内に保管する場合には3日間、乾燥工程を続けてもよい。
結論として、マルチウェルプレート(96ウェル)の使用により、マトリックスが、再現可能なサイズ及び形状(直径が2.9mmであり、ウェルを充填する場合、使用するゾルの体積に関連して、厚みが400μm〜800μmで変動するディスク)で得られるようになり、バッチ内のばらつきを可能な限り小さくする。
III.本発明によるドープされたマトリックスの使用
本発明の利点を示すために、2つのプローブ分子についての検出測定を以下に示す。
III.1.気相比色試験及び液相比色試験
III.1.1.インドールを含有する溶液への曝露
各プローブ分子(DMACA又はDMABA)について、最適濃度の試薬を含有する12のマトリックス(プローブ分子溶液の飽和)及び濃度が5倍薄い同じ試薬を含有する12のマトリックスを、項目I.2に記載したような方法に従って合成した。体積(μL)(70、80及び90)は、ウェル内に注がれるゾルの初期体積に相当する。ゾルのゲル化及びマトリックスの乾燥後、得られるマトリックスの厚みは、ゾルの初期体積に比例する。種々の濃度(10−6mol・L−1、10−5mol・L−1、10−4mol・L−1及び10−3mol・L−1)の4つのインドール溶液を調製した。各溶液を20μL、6つのウェルに入れ、プローブ分子の濃度及びマトリックスの厚みを変えた。
図4から、1つの同じインドール濃度では、マトリックスが厚いほど、着色(プローブ分子がDMABAである場合には赤色、プローブ分子がDMACAである場合には緑色)が濃いことが見られる。加えて、着色はまた、インドールの濃度が大きい場合により濃くなる。これらの結果から、生成物、この場合アザフルベニウム塩の吸光度が、光学経路(マトリックスの厚み)、及びインドールとマトリックス中に過剰に存在するプロトン化DMABA又はプロトン化DMACAとの反応により生じる生成物の濃度に比例することが予想される。
これらの実験の最も重要な点の1つは、可視域内の色の変化による目視試験について得ることができる感度であり、これはインドールについては10−6mol・L−1である。
III.1.2.スカトール又はトリプトファンを含有する溶液への曝露
これまでと同様の方法において、スカトール又はトリプトファンを含有する液体溶液を、DMACA又はDMABAでドープされたセンサと反応させると、以下の色変化が得られる:
DMACAセンサ及びスカトール→淡い橙色から紫色に変化
DMACAセンサ及びトリプトファン→着色変化なし(淡い橙色のまま)
DMABAセンサ及びスカトール→黄色から紫色に変化
DMACAセンサ及びトリプトファン→色変化なし(黄色のまま)
この実験から、項目I.2に記載したように調製される、DMACA又はDMABAでドープされたセンサは、測定を行う際に、潜在的な干渉化合物、すなわちトリプトファンと反応しないと結論付けることができる。
加えて、形成される生成物が明確に異なる色、すなわち、DMACAでは、それぞれ紫色及び緑色、DMABAでは、それぞれ紫色及びピンク色を有するため、スカトールとインドールとの間の判別がこの方法を用いて可能であると思われる。
III.2.液相中における一連のインドール濃度への曝露
以下の実施例は、DMACAでドープされたセンサ(メタノール中20%飽和、厚み=800μm)を、センサ上に直接堆積させる20μLのインドール溶液(6.3×10−5mol・L−1)に曝した場合に得られた結果を示す。図5Aは、センサの経時的なスペクトル変化を示し、図5Bは、624nmの波長における吸収差の展開を示す。
図5B中のグラフにおける起点における傾きの値、すなわち初期反応速度を決定し、かつ種々の濃度のインドールについてこの同じ操作を繰り返すことによって、図6に示されるような較正曲線をプロットすることが可能となる。
III.3.気相中における曝露
気相中におけるインドールへのDMACAドープマトリックスの曝露は、液相中と同様のスペクトル変化を誘導する(図5を参照)。
気相中におけるスカトールへの曝露の一例を図7に示す。スカトールとDMACAとの反応によって形成される錯体は、インドールとにより形成される錯体の最大吸収に相当する波長である624nmで殆ど吸収されない。したがって、2つの汚染物質の違いを判別すること、及び混合物中の各構成成分の定量的測定を得ることが容易である。

Claims (19)

  1. クロコン酸、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド(DMABA)、p−ジメチルアミノシンナムアルデヒド(DMACA)、p−メトキシ−ベンズアルデヒド(MOB)及び4−メトキシ−1−ナフトアルデヒド(MON)からなる群から選ばれる少なくとも1つのプローブ分子を含む多孔性ゾルゲル材料であって、1より小さい固有のpHを有し、
    (1)
    式Si(OR又はRSi(OR(式中、R、R及びRは、同一又は異なり、1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基である)の少なくとも1つのアルコキシシランと、
    式RSi(OR又は(RO)Si−CH−CH−Si(OR(式中、Rは、1個〜6個の炭素原子を有する置換アルキル基であり、R、R及びRは、同一又は異なり、1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基である)の少なくとも1つのアルコキシシランと、の混合物であって、
    式Si(OR又はRSi(ORのアルコキシシラン/式RSi(OR又は(RO)Si−CH−CH−Si(ORのアルコキシシランのモル比が、1:0.01〜1:1である混合物;または、
    (2)
    式(RO)Si−CH−CH−Si(OR(式中、R及びRは、同一又は異なり、1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基である)の少なくとも1つのアルコキシシラン;または、
    (3)
    式(RO)Si−CH−CH−Si(OR(式中、R及びRは、同一又は異なり、1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基である)の少なくとも1つのアルコキシシランと、
    式Si(OR、RSi(OR又はRSi(OR(式中、R、R及びRは、同一又は異なり、1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基であり、Rは、1個〜6個の炭素原子を有する置換アルキル基であり、Rは、1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基である)の少なくとも1つのアルコキシシランと、の混合物であって、
    式(RO)Si−CH−CH−Si(ORのアルコキシシラン/式Si(OR、RSi(OR又はRSi(ORのアルコキシシランのモル比が、1:1〜1:100である混合物;
    (ここで、上記(1)および(3)で定義されるは、1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基であって、ハロゲン、−NHラジカル、−NHRラジカル(式中、Rは、1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基である)、−COOHラジカル、−COORラジカル(式中、Rは、1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基である)からなる群から選ばれる要素による、同一又は異なる、1つ又は複数の置換を有する
    から本質的に調製されることを特徴とする、多孔性ゾルゲル材料。
  2. 0より小さい固有のpHを有することを特徴とする、請求項1に記載のゾルゲル材料。
  3. 前記式Si(OR又はRSi(ORのアルコキシシランが、テトラメトキシシラン(TMOS、Si(OCH)、テトラエトキシシラン(TEOS、Si(OC)、テトラプロポキシシラン(TPOS、Si(OC)、テトラブトキシシラン(TBOS、Si(OC)、メチルトリメトキシシラン(MTMOS、(CH)Si(OCH)、エチルトリメトキシシラン(ETMOS、(C)Si(OCH)、プロピルトリメトキシシラン(PTMOS、(C)Si(OCH)、メチルトリエトキシシラン(MTEOS、(CH)Si(OC)、エチルトリエトキシシラン(ETEOS、(C)Si(OC)、プロピルトリエトキシシラン(PTEOS、(C)Si(OC)、及びそれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする、請求項1又は2に記載のゾルゲル材料。
  4. 前記式RSi(OR又は(RO)Si−CH−CH−Si(ORのアルコキシシランが、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES、Si(CNH)(OC)、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(APTMS、Si(CNH)(OCH)、(3−(メチルアミノ)プロピル)トリメトキシシラン(Si(CNHCH)(OCH)、3−カルボキシプロピルトリエトキシシラン(Si(CCOH)(OC)、3−カルボキシプロピルトリメトキシシラン(Si(CCOH)(OCH)、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン((OCSi−CH−CH−Si(OC)、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン((OCHSi−CH−CH−Si(OCH)、(3,3,3−トリクロロプロピル)トリエトキシシラン(Si(CCCl)(OC)及び3,3,3−トリフルオロプロピル−トリメトキシシラン(Si(CCF)(OCH)、並びにそれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のゾルゲル材料。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の多孔性ゾルゲル材料を製造する方法であって、以下の連続工程:
    )請求項1又は3に規定されるような、式Si(OR又はRSi(ORの少なくとも1つのアルコキシシランを、溶媒、並びにクロコン酸、DMABA、DMACA、MOB及びMONからなる群から選ばれる少なくとも1つのプローブ分子と混合する工程と、
    )工程(a)の前記混合物に、請求項1又は4に規定されるような、式RSi(OR又は(RO)Si−CH−CH−Si(ORの少なくとも1つのアルコキシシランを添加する工程であって、
    該工程b)の混合物における、式Si(OR又はRSi(ORのアルコキシシラン/式RSi(OR又は(RO)Si−CH−CH−Si(ORのアルコキシシランのモル比が、1:0.01〜1:1である工程と、
    )工程(b)の前記混合物に、水を添加した後、酸を添加する工程と、
    )工程(c)後に得られるゾルを成形して、少なくとも1つのプローブ分子を含有する前記ゾルゲル材料を得る工程と、
    を含む、方法。
  6. 請求項1に記載の多孔性ゾルゲル材料を製造する方法であって、以下の連続工程:
    )請求項1又は4に規定されるような、式(RO)Si−CH−CH−Si(ORの少なくとも1つのアルコキシシランを、溶媒、並びにクロコン酸、DMABA、DMACA、MOB及びMONからなる群から選ばれる少なくとも1つのプローブ分子と混合する工程と、
    )工程(a)の前記混合物に、請求項1〜4のいずれか一項に規定されるような、式Si(OR、RSi(OR又はRSi(ORの少なくとも1つのアルコキシシランを添加する工程であって、
    該工程b)の混合物における、式(RO)Si−CH−CH−Si(ORのアルコキシシラン/式Si(OR、RSi(OR又はRSi(ORのアルコキシシランのモル比が、1:1〜1:100である工程と、
    )工程(b)の前記混合物に、水を添加した後、酸を添加する工程と、
    )工程(c)後に得られるゾルを成形して、少なくとも1つのプローブ分子を含有する前記ゾルゲル材料を得る工程と、
    を含む、方法。
  7. 請求項1に記載の多孔性ゾルゲル材料を製造する方法であって、以下の連続工程:
    )請求項1又は4に規定されるような、式(RO)Si−CH−CH−Si(ORの少なくとも1つのアルコキシシランを、溶媒、並びにクロコン酸、DMABA、DMACA、MOB及びMONからなる群から選ばれる少なくとも1つのプローブ分子と混合する工程と、
    )工程(a)の前記混合物に、水を添加した後、酸を添加する工程と、
    )工程(c)後に得られるゾルを成形して、少なくとも1つのプローブ分子を含有する前記ゾルゲル材料を得る工程と、
    を含む、方法。
  8. 前記溶媒が、アルコール、アセトン、ホルムアミド、メチルエチルケトン、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸、及びそれらの混合物からなる群から選ばれることを特徴とする、請求項〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記酸が、有機酸、無機酸及び酸無水物からなる群から選ばれることを特徴とする、請求項〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記アルコキシシラン/溶媒/水のモル比が1:2:4〜1:20:10であることを特徴とする、請求項〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記アルコキシシラン/溶媒/水のモル比が1:4:4〜1:10:6であることを特徴とする、請求項〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記アルコキシシラン/溶媒/水のモル比が1:5:4であることを特徴とする、請求項〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 少なくとも1つの化学物質を捕捉及び/又は検出、並びに任意に定量化するための、請求項1〜4のいずれか一項に記載の、少なくとも1つのプローブ分子を含有する多孔性ゾルゲル材料の使用。
  14. 前記化学物質が、インドール、ウロビリノーゲン、ポルフォビリノーゲン、ピロール、第一級アミン、パラ−アミノ安息香酸、ヒドラジン、4−エトキシフェニル尿素(又はズルチン)、5−ニトロ−2−プロポキシアニリン(又はP−4000)、尿素硝酸塩、ジピロン、フェルロイルセロトニン、p−クマロイルセロトニン、交感神経作用アミン、除草剤、核酸、Fe3+、及び下記式のインドール核を含む化合物(下記核は2位、3位、4位、5位、6位及び7位のいずれかに少なくとも1つの置換を有する)からなる群から選ばれることを特徴とする、請求項13に記載の使用。
  15. 請求項14に規定されるような少なくとも1つの化学物質を捕捉及び/又は検出、並びに任意に定量化する方法であって、
    i)請求項14に規定されるような少なくとも1つの化学物質を含有することができるフローを、請求項1〜4のいずれか一項に規定されるような、少なくとも1つのプローブ分子を含有する多孔性ゾルゲル材料と接触させる工程と、
    ii)存在し得る前記化学物質(複数も可)を捕捉及び/又は検出、並びに任意に定量化する工程と、
    を含む、方法。
  16. 前記フローが、気体フロー又は液体フローであることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
  17. 請求項15に規定されるように、請求項1〜4のいずれか一項に規定されるような前記材料を、前記化学物質(複数も可)を含有するフローに曝した際の、その吸光度、蛍光、ルミネセンス、質量又は共振周波数の変動を測定することによって、工程(i)における前記検出を行うことを特徴とする、請求項15又は16に記載の方法。
  18. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の、少なくとも1つのプローブ分子を含有する少なくとも1つの多孔性ゾルゲル材料を含む、捕捉及び/又は検出システム。
  19. 気体フロー用のミリ流体システム;光窓と、任意に該ミリ流体システム用の開口とが設けられる、任意に封止された曝露チャンバであって、内部に、請求項1〜4のいずれか一項に記載の多孔性ゾルゲル材料が据えられて、解析すべき前記フローと接触する、曝露チャンバ;請求項1〜4のいずれか一項に記載の多孔性ゾルゲル材料を保持するためのシステム;照射機器;解析用の光を視準するとともに焦点を結ぶための光学系;該光を送ることが可能な手段;並びに、検出器からなる群から選ばれる少なくとも1つの要素を更に備えることを特徴とする、請求項18に記載の捕捉及び/又は検出システム。
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