JP5818133B2 - オレフィン製造用触媒及びオレフィンの製造方法 - Google Patents
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Description
さらに、酸触媒でエタノールからそのエタノールより炭素数の多いオレフィンを製造しようとすると、エタノールの脱水反応が併発し、エチレンが多量に生成する。そのため、より有用な化学製品原料としての、プロピレンやブテン等の選択率が低いという問題点がある。
しかし、主生成物が含酸素化合物であり、所望のオレフィン収率の向上には未だ改善の余地があった。
[2]周期表における1〜2族から選ばれる少なくとも1種の第2添加元素を含む[1]に記載のオレフィン製造用触媒。
[3]前記第1添加元素が、イットリウム、サマリウム、チタニウム、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、及びタングステンから選ばれる少なくとも1種である[1]又は[2]記載のオレフィン製造用触媒。
[4]前記エタノールがバイオエタノールである[1]〜[3]のいずれかに記載のオレフィン製造用触媒。
[5]前記オレフィンがプロピレンである[1]〜[4]のいずれかに記載のオレフィン製造用触媒。
[7]前記エタノールがバイオエタノールである[6]に記載のオレフィンの製造方法。
[8]前記オレフィンがプロピレンである[6]又は[7]に記載のオレフィンの製造方法。
[9]前記接触反応工程に係る反応系に水を共存させる[6]〜[8]のいずれかに記載のオレフィンの製造方法。
また、有用な化学品を効率よく製造することが可能となり、貴重な石油資源の消費抑制や化石燃料を起源とする二酸化炭素の排出量の抑制を図ることができる。特に、バイオアルコールを原料に用いることによる、LCA(Life Cycle Assessment)の観点から原料のカーボンニュートラル化にも寄与することができる。
本発明のオレフィン製造用触媒は、アルコールから、そのアルコールよりも炭素原子数が1以上多いオレフィンを製造するための触媒である。当該触媒は、酸化セリウムと、周期表における3〜6族(但し、セリウムを除く)から選ばれる少なくとも1種の第1添加元素とを含み、セリウム元素のモル量が添加元素のモル量よりも大きい。
酸化セリウムを主成分とすることでアルコールから、そのアルコールよりも炭素原子数が1以上多いオレフィンを効率よく製造することが可能となり、添加元素との複合効果によって、1以上大きいオレフィンを高収率で製造することができる。
また、別の方法としては、セリウムを含む塩と同時に第1添加元素さらには第2添加元素の塩(硝酸塩、硫酸塩、塩化物等)を一緒に混合して焼成する方法や、当該添加成分とセリウム成分を含む水溶液に、アンモニア水等の塩基を滴下して同時に沈殿を形成させ、濾過後焼成する方法等もある。
本発明のオレフィンの製造方法は、アルコールから、該アルコールよりも炭素原子数が1以上多いオレフィンを製造する方法であって、アルコールを既述の本発明のオレフィン製造用触媒に接触させる接触反応工程を含む。
当該反応における空間速度は、400〜6500h-1とすることが好ましく、400〜4000h-1とすることがより好ましい。
反応温度は250〜600℃であることが好ましく、300〜550℃であることがより好ましく、350〜500℃であることがさらに好ましい。
反応圧力は、減圧、常圧、加圧のいずれでも実施できるが、通常は、常圧〜やや加圧の雰囲気で実施される。
また、本反応は、窒素、水素、その他の炭化水素ガス等の共存下でも実施することができる。
(触媒Aの調製)
酸化セリウム(触媒学会参照触媒;JRC−CEO−3)に硝酸イットリウム六水和物(和光純薬)の水溶液を含浸し、続いて600℃で5時間焼成した。その後、0.3〜0.6mmに整粒して、イットリウムを担持させた酸化セリウム触媒(触媒A)を調製した。このとき、イットリウムの量がセリウムに対して10モル%となるように含浸液の量を調整した。
触媒の評価は、通常の常圧式流通反応装置を用いて行った。触媒Aを2g石英製反応管に充填し、エタノール濃度が30vol%であるエタノール/窒素混合ガスを13ml/minの速度で反応管へ供給し、反応温度を400℃から450℃まで変化させ反応を行った。生成物の分析は、オンラインガスクロマトグラフィーにて分析を行った。得られた分析結果の中で最もオレフィン収率が高かった反応温度の時の成績を表1に示す。
(触媒Bの調製)
実施例1の触媒調製において、イットリウムの量がセリウムに対して20モル%となるように含浸液の量を調整した。
実施例1の触媒評価と同様にして行った。得られた分析結果の中で最もオレフィン収率が高かった反応温度の時の成績を表1に示す。
(触媒評価)
触媒Bを用い、供給原料をエタノール濃度が30vol%、水濃度が30vol%であるエタノール/水/窒素混合ガスを13ml/minの速度で反応管へ供給した以外は、実施例1の触媒評価と同様にして行った。得られた分析結果の中で最もオレフィン収率が高かった反応温度の時の成績を表1に示す。
(触媒Cの調製)
触媒Bに対して、硝酸カルシウム四水和物(和光純薬)の水溶液を含浸し、その後600℃、5時間焼成することによりカルシウムとイットリウムとを担持させた酸化セリウム触媒(触媒C)を調製した。このとき、カルシウムの量がセリウムに対して5モル%となるように含浸液の量を調整した。
実施例1の触媒評価と同様にして行った。得られた分析結果の中で最もオレフィン収率が高かった反応温度の時の成績を表1に示す。
(触媒Dの調製)
実施例1の触媒調製において、硝酸イットリウム六水和物の替わりに酢酸サマリウム四水和物(和光純薬)を用いた以外は実施例1と同様な操作を行い、サマリウムを担持させた酸化セリウム触媒(触媒D)を調製した。このとき、サマリウムの量がセリウムに対して10モル%となるように含浸液の量を調整した。
実施例1の触媒評価と同様にして行った。得られた分析結果の中で最もオレフィン収率が高かった反応温度の時の成績を表1に示す。
(触媒Eの調製)
実施例1の触媒調製において、硝酸イットリウム六水和物の替わりにシュウ酸チタンアンモニウム(添川理化)を用いた以外は実施例1と同様な操作を行い、チタンを担持させた酸化セリウム触媒(触媒E)を調製した。このとき、チタンの量がセリウムに対して10モル%となるように含浸液の量を調整した。
実施例1の触媒評価と同様にして行った。得られた分析結果の中で最もオレフィン収率が高かった反応温度の時の成績を表1に示す。
(触媒Fの調製)
実施例1の触媒調製において、硝酸イットリウム六水和物の替わりに硝酸ジルコニル二水和物(和光純薬)を用いた以外は実施例1と同様な操作を行い、ジルコニウムを担持させた酸化セリウム触媒(触媒F)を調製した。このとき、ジルコニウムの量がセリウムに対して10モル%となるように含浸液の量を調整した。
実施例1の触媒評価と同様にして行った。得られた分析結果の中で最もオレフィン収率が高かった反応温度の時の成績を表1に示す。
(触媒Gの調製)
実施例1の触媒調製において、硝酸イットリウム六水和物の替わりにシュウ酸ニオブアンモニウム(アルドリッチ)を用いた以外は実施例1と同様な操作を行い、ニオブを担持させた酸化セリウム触媒(触媒G)を調製した。このとき、ニオブの量がセリウムに対して10モル%となるように含浸液の量を調整した。
実施例1の触媒評価と同様にして行った。得られた分析結果の中で最もオレフィン収率が高かった反応温度の時の成績を表1に示す。
(触媒Hの調製)
実施例1の触媒調製において、硝酸イットリウム六水和物の替わりにタンタルエトキシド(アルドリッチ)を用いた以外は実施例1と同様な操作を行い、タンタルを担持させた酸化セリウム触媒(触媒H)を調製した。このとき、タンタルの量がセリウムに対して10モル%となるように含浸液の量を調整した。
実施例1の触媒評価と同様にして行った。得られた分析結果の中で最もオレフィン収率が高かった反応温度の時の成績を表1に示す。
(触媒Iの調製)
実施例1の触媒調製において、硝酸イットリウム六水和物の替わりにタングステン酸アンモニウム(和光純薬)を用いた以外は実施例1と同様な操作を行い、タングステンを担持させた酸化セリウム触媒(触媒I)を調製した。このとき、タングステンの量がセリウムに対して10モル%となるように含浸液の量を調整した。
実施例1の触媒評価と同様にして行った。得られた分析結果の中で最もオレフィン収率が高かった反応温度の時の成績を表1に示す。
(触媒Jの調製)
酸化セリウム(触媒学会参照触媒;JRC−CEO−3)を0.3〜0.6mmに整粒し、触媒Jとした。
実施例1の触媒評価と同様にして行った。得られた分析結果の中で最もオレフィン収率が高かった反応温度の時の成績を表1に示す。
Claims (9)
- エタノールから、該エタノールよりも炭素原子数が1以上多いオレフィンを製造するための触媒であって、
酸化セリウムと、周期表における3〜6族(但し、セリウムを除く)から選ばれる少なくとも1種の第1添加元素とを含み、セリウム元素のモル量が前記第1添加元素のモル量よりも大きいオレフィン製造用触媒。 - 周期表における1〜2族から選ばれる少なくとも1種の第2添加元素を含む請求項1に記載のオレフィン製造用触媒。
- 前記第1添加元素が、イットリウム、サマリウム、チタニウム、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、及びタングステンから選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2記載のオレフィン製造用触媒。
- 前記エタノールがバイオエタノールである請求項1〜3のいずれか1項に記載のオレフィン製造用触媒。
- 前記オレフィンがプロピレンである請求項1〜4のいずれか1項に記載のオレフィン製造用触媒。
- エタノールから、該エタノールよりも炭素原子数が1以上多いオレフィンを製造する方法であって、
前記エタノールを請求項1〜3のいずれか1項に記載のオレフィン製造用触媒に接触させる接触反応工程を含むオレフィンの製造方法。 - 前記エタノールがバイオエタノールである請求項6に記載のオレフィンの製造方法。
- 前記オレフィンがプロピレンである請求項6又は7に記載のオレフィンの製造方法。
- 前記接触反応工程に係る反応系に水を共存させる請求項6〜8のいずれか1項に記載のオレフィンの製造方法。
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