JP2010018556A - エタノールからの低級オレフィンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】エタノールを原料に転化反応を行い、エチレン、プロピレン等の低級オレフィンを、高収率かつ高選択的に、長期間安定に製造することができる、エタノールの転化反応による低級オレフィンの製造方法を提供する。
【解決手段】MFI構造を有するアルミノシリケートに周期律表第4族金属を担持した触媒を使用することにより、エタノールから低級オレフィンであるエチレンとプロピレンを高収率かつ高選択的に長期間安定して製造できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、エタノールの転化反応によるオレフィンの製造方法に関し、さらに詳しくは、エタノール原料を、特定の触媒を使用して反応することにより、低級オレフィンであるエチレン及びプロピレンを高収率かつ高選択率で製造する方法に関する。
石油資源の代替、および二酸化炭素排出削減の観点から、バイオマスの発酵によって製造できるエタノールを原料とした化学品生産が注目されている。特に化学工業の基礎原料として広く使われているエチレン、プロピレン等の低級オレフィンを生産することは、石油からバイオマスへの原料転換として大きな効果が得られると期待されている。一方、最近、エチレン生産はほぼ飽和に達しているが、プロピレンはプロピレンオキサイド、ポリプロピレンの需要が拡大していることから、プロピレンを選択的に生成する製造技術が望まれている。
これまでにエタノールを原料として脱水反応によりエチレンに変換する方法は古くから知られている。しかし、エタノールを原料としたプロピレン製造技術については、十分に検討されていない。また、エタノール以外の原料として、メタノールからのプロピレン製造について、MFI構造を有するアルミノシリケートにCa,Sr,Ba等のアルカリ土類金属を修飾した触媒が有効であることが報告されている(特許文献1)。
エタノールを原料とするものでは、Fe担持アルミノシリケート触媒(非特許文献1)で検討されているが、芳香族化合物や重質物(C6以上の炭化水素)等の収率が高く、エチレン、プロピレンの低級オレフィン収率は非常に低い。
MFI構造を有するアルミノシリケート以外では、チャバサイト(CHA)構造を有するアルミノシリケート(特許文献2)はエタノールからプロピレンを生成するが、反応速度が遅く活性劣化も著しく大きい。シリコアルミノホスフェート(SAPO−34)触媒(特許文献3,非特許文献2)もプロピレンを生成するが、CHA触媒と同様に反応速度が遅く活性劣化も著しく大きい。Ni等を添加したシリカナノ多孔体(MCM―41)触媒(特許文献4,非特許文献3)においても、エタノールからプロピレンが生成することが報告されているが、活性が低くプロピレン収率は低い。
以上のように、これまで知られている触媒は、すべて実用的な性能を有するとは言い難く、そのため、低級オレフィン、特にプロピレンを高収率かつ高選択的に長期間安定に製造する方法が望まれていた。
米国特許第4544793号明細書 特開2007−291076号公報 米国特許第7199276号明細書 国際公開第2007/083684号パンフレット "Production of olefins from ethanol by Fe-supported zeolite catalysts", Megumu Inaba, Kazuhisa Murata, Masahiro Saito and Isao Takahara, Green Chem., 9, 638 - 646 (2007) "Highly selective conversion of ethene to propene over SAPO-34 as a solid acid catalyst", Hiroshi Oikawa, Yasunori Shibata, Koji Inazu, Yasuyoshi Iwase, Kazuhito Murai, Shinya Hyodo, Genta Kobayashi and Toshihide Baba, Appl. Catal. A, 312, 8, 181-185 (2006) "シリカメゾ多孔体によるバイオエタノールの低級オレフィン化", 笠井幸司,葉石輝樹,岩本正和,第99回触媒討論会 2A04 (2007)
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであって、エタノールを原料に転化反応を行い、エチレン、プロピレン等の低級オレフィンを、高収率かつ高選択的に、長期間安定に製造することができる、エタノールの転化反応による低級オレフィンの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、従来技術に存在する問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、MFI構造を有するアルミノシリケートに周期律表第4族金属を担持した触媒を使用することにより、エタノールから低級オレフィンであるエチレンとプロピレンを高収率かつ高選択的に長期間安定して製造できることを見出し、本発明に至った。
本発明では、以下の発明が提供される。
[1]エタノールを反応器中で触媒と接触させて低級オレフィンを製造する方法において、前記触媒が周期律表第4族金属から選ばれる1種以上の金属を、MFI構造を有するアルミノシリケートに担持したものであることを特徴とする低級オレフィンの製造方法。
[2]前記周期律表第4族金属から選ばれる1種以上の金属の担持量が、前記アルミノシリケートに対して0.1〜50重量%であることを特徴とする請求項1に記載の低級オレフィンの製造方法。
[3]前記周期律表第4族金属から選ばれる1種以上の金属が、イオン交換法又は含浸法により担持されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の低級オレフィンの製造方法。
本発明により得られる触媒により、エタノールを原料とした転化反応において、長期間安定にエチレン、プロピレン等の低級オレフィンを高収率かつ高選択的に製造することができる。
本発明において用いられる触媒について説明する。
本発明において用いられる触媒は、MFI構造を有するアルミノシリケートに周期律表第4族金属のうち1種以上を担持した触媒である。
このMFI構造を有するアルミノシリケートとしては、特にZSM−5が好ましい。アルミノシリケートのSiO/Alモル比は通常20〜700、好ましくは40〜300である。
アルミノシリケートそのものも低級オレフィン生成活性は示すものの、低級オレフィン収率が低く、活性の劣化も速い。一方、周期律表第4族金属のうち1種以上を担持した本発明で用いる触媒は、長期間安定にエチレン、プロピレン等の低級オレフィンを高収率かつ高選択的に製造することができる。
上記周期律表第4族金属としては、Ti,Zr,Hfがあげられる。
上記周期律表第4族金属の担持量は、アルミノシリケートに対して0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜20重量%の広範囲で効果を示す。
上記周期律表第4族金属の担持方法は、周期律表第4族金属の化合物を用いたイオン交換法、含浸法等が採用され、前記アルミノシリケートに、これらの方法で第4族金属化合物を担持させた後、乾燥、焼成する。
このときの第4族金属化合物は、水に可溶であればどのようなものでもよいが、通常は、残存陰イオンを空気中の焼成処理により比較的低温で分解できる金属硝酸塩化合物等が用いられる。
担持後は、通常は、乾燥した後、空気中で焼成する。
空気中の焼成は、約300〜900℃、好ましくは約400〜800℃で、約1〜10時間で行う。低温、短時間であると、化合物の分解が十分に進行せず、高温、長時間であると、アルミノシリケートの構造が壊れ、触媒の活性が低下してしまう。
焼成後には、周期律表第4族金属は、アルミノシリケート上に酸化物として存在することが確認されている。
本発明で用いられる触媒は、粉状、粒状、ペレット状、ハニカム状等、種々の形状で使用することができる。
本発明の触媒は、使用前に、室温〜約800℃、好ましくは約400〜700℃で、窒素等の不活性ガスで約1〜3時間安定化処理を行う。
反応の原料に用いるエタノールとしては、特に限定されるものではない。たとえば、エチレンの水和反応により製造されるもの、植物由来の多糖類を原料として発酵により製造されるもの等の公知の各種方法により得られるものを任意に用いることができる。このとき各製造方法に起因する水が混合した状態のものをそのまま用いてもよいし、精製したエタノールを用いても良い。
本発明におけるエタノールの反応様式は特に限定されないが、通常は固定床、移動床、流動床等の形式の反応器を使用し、上記の触媒を充填した触媒層へエタノール原料を供給することにより行われる。このときエタノール原料は、窒素、あるいはスチーム等で希釈されていてもよい。
本発明において、反応器に供給されるエタノール濃度は特に制限されない。本発明の触媒は、エタノール濃度が10〜90%の範囲で、低級オレフィン収率ならびに選択率が変わらない。
本発明における反応温度は、通常200〜700℃程度、好ましくは350〜650℃、さらに好ましくは450〜500℃の範囲である。
また、反応圧力は常圧あるいは加圧のいずれでも実施できるが、通常は常圧から1MPa程度が採用される。反応圧力が高すぎるとパラフィン等の好ましくない副生成物の生成量が増え、低級オレフィン収率が低下する。
原料ガスと触媒の接触時間は0.0001〜0.1g‐触媒・分/ml‐原料ガスの範囲内に有ることが好ましく、さらに、0.001〜0.05g‐触媒・分/ml‐原料ガスの範囲内に有ることが好ましい。接触時間が短すぎると、エチレン収率が高くなる。また、接触時間が長すぎるとパラフィンや芳香族化合物等の好ましくない副生成物が生成し、低級オレフィン収率が低下するため、好ましくない。
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<調製法>
MFI型構造を有するアルミノシリケート(ゼオリスト社製商品名“CBV8014”、SiO/Alモル比=80、アンモニア型、比表面積:425m/g)を、ジルコニウム担持量がアルミノシリケート重量に対して1.6%となるように濃度を調整したオキシ硝酸ジルコニウム水溶液200gに含浸し、100℃空気中で5時間乾燥し、その後、540℃で4時間焼成することにより、Zr担持アルミノシリケートを得た。
<反応>
上記のようにして得られた触媒0.2gを常圧流通式反応装置に充填した。触媒床温度を測定するための熱電対を触媒床中心付近に配置した。
触媒は反応前にN気流中、600℃、1時間安定化処理を施した。エタノールは蒸発器を通し、エタノール20体積%となるようにNと混合し流量25ml/min(接触時間0.008g‐触媒・分/ml‐原料ガス)で反応器に供給し、500℃、1気圧で反応を行った。反応開始30分後にガスクロマトグラフで生成物を分析した。生成物収率および原料転化率を次式により算出した。
生成物収率(炭素量基準:%)=(各成分中の炭素モル量/供給原料中の炭素モル量)×100
原料転化率(%)=(1−未反応原料質量/供給原料質量)×100
低級オレフィン生成活性を、エチレン+プロピレン収率とプロピレン/エチレン生成比で評価した。表1に結果を示した。
(実施例2)
オキシ硝酸ジルコニウムをチタンテトラ‐n‐ブトキシドに代えた以外は、実施例1と同様にしてエタノールの転化反応を行い、その結果を表1に示した。
なお、このときのTi担持量を、アルミノシリケートに対して1.6重量%とした。
(比較例1)
実施例1において、オキシ硝酸ジルコニウムを使用しない以外は、実施例1と同様にしてエタノールの転化反応を行い、その結果を表1に示した。
(比較例2)
オキシ硝酸ジルコニウムを硝酸カルシウムに代えた以外は、実施例1と同様にしてエタノールの転化反応を行うことにより、特許文献1で示されているメタノールからのオレフィン合成で有効なCa添加アルミノシリケートによる反応活性と比較した。その結果を表1に示した。
なお、このときのCa担持量を、アルミノシリケートに対して1.6重量%とした。
(比較例3)
オキシ硝酸ジルコニウムをパラタングステン酸アンモニウムに代えた以外は、実施例1と同様にしてエタノールの転化反応を行うことにより、エチレンとブテンからメタセシス反応によりプロピレンを製造する場合に有効なWO添加触媒による反応活性との比較を行った。その結果を表1に示した。
なお、このときのWO担持量を、アルミノシリケートに対して1.6重量%とした。
(比較例4)
オキシ硝酸ジルコニウムを硝酸ニッケルに代えた以外は、実施例1と同様にしてエタノールの転化反応を行うことにより、特許文献4及び非特許文献3において有効とされているNi添加アルミノシリケートによる反応活性との比較を行った。その結果を表1に示した。
なお、このときのNi担持量を、アルミノシリケートに対して1.6重量%とした。
(比較例5)
オキシ硝酸ジルコニウムを硝酸鉄に代えた以外は、実施例1と同様にしてエタノールの転化反応を行うことにより、非特許文献1で示されているFe添加アルミノシリケートによる反応活性と比較した。その結果を表1に示した。
なお、このときのFe担持量を、アルミノシリケートに対して1.6重量%とした。
(比較例6)
オキシ硝酸ジルコニウムを硝酸銅に代えた以外は、実施例1と同様にしてエタノールの転化反応を行い、その結果を表1に示した。
なお、このときのCu担持量を、アルミノシリケートに対して1.6重量%とした。
(比較例7)
オキシ硝酸ジルコニウムを硝酸ガリウムに代えた以外は、実施例1と同様にしてエタノールの転化反応を行うことにより、合成ガスからのオレフィン合成するフィッシャー・トロプシュ反応に有効であるとされているGa添加アルミノシリケート(アルミノシリケート中のアルミニウムをガリウムに置換したガロシリケート)による反応活性と比較した。その結果を表1に示した。
なお、このときのGa担持量を、アルミノシリケートに対して1.6重量%とした。
(比較例8)
オキシ硝酸ジルコニウムを硝酸ビスマスに代えた以外は、実施例1と同様にしてエタノールの転化反応を行い、その結果を表1に示した。
なお、このときのBi担持量を、アルミノシリケートに対して1.6重量%とした。
Figure 2010018556
表1に示したように、アルミノシリケート担体に周期律表第4族金属であるZr又はTiを加えた触媒を用いることで、加えない場合よりもエチレン+プロピレンの低級オレフィン収率が向上し、特に、プロピレン/エチレン比の向上が顕著であることが見られる。
これに対して、第4族金属以外のCa、W、Fe、Cu、又はBiを加えた触媒では、エチレン収率は増加するが、プロピレン収率は低く、エタノールの脱水反応が主として進行している。特に、CaあるいはWの添加が有効ではないことから、エタノールからの反応の場合、メタノールからのオレフィン合成反応機構およびメタセシス反応機構で低級オレフィンが生成していないことが明らかとなった。一方、NiあるいはGaを加えた触媒では、低級オレフィン収率が低く、パラフィンや芳香族化合物等の望ましくない副生成物が増加する。
このことから、高いエチレン+プロピレンン生成活性、特に高いプロピレン選択性を得るためには、周期律表第4族金属のいずれか1種以上を添加したアルミノシリケート触媒を用いることが好ましいことがわかる。
(実施例3)
実施例1において、ジルコニウム担持量をアルミノシリケートに対して0.78重量%とした以外は、実施例1と同様にしてエタノールの転化反応を行い、その結果を表2に示した。
(実施例4)
実施例1において、ジルコニウム担持量をアルミノシリケートに対して15.6重量%とした以外は、実施例1と同様にしてエタノールの転化反応を行い、その結果を表2に示した。
(実施例5)
実施例2において、チタン担持量をアルミノシリケートに対して0.78重量%とした以外は、実施例2と同様にしてエタノールの転化反応を行い、その結果を表2に示した。
(実施例6)
実施例2において、チタン担持量をアルミノシリケートに対して15.6重量%とした以外は、実施例2と同様にしてエタノールの転化反応を行い、その結果を表2に示した。
Figure 2010018556
表2に示したように、Zr又はTiを加えた触媒では、アルミノシリケートに対する担持量が0.78〜15.6重量%に至るまで高い低級オレフィン活性が得られることが分かる。以上のことから、周期律表第4族金属を担持したアルミノシリケート触媒を用いた反応では幅広い金属担持量において有効であることがわかった。
(実施例7)
実施例1で調製した触媒について、活性の安定性を調べるため、反応時間10時間相当の活性劣化試験を行った。経時変化を図1に示すとともに、10時間後の活性の結果を表3に示した。図中、△及び▲は、それぞれエチレン及びプロピレンの収率を示している。
(実施例8)
実施例2で調製した触媒について、活性の安定性を調べるため、反応時間10時間相当の活性劣化試験を行った。経時変化を図1に示すとともに、10時間後の活性の結果を表3に示した。図中、□及び■は、それぞれエチレン及びプロピレンの収率を示している。
(比較例9)
比較例1で調製した触媒について、活性の安定性を調べるため、反応時間10時間相当の活性劣化試験を行った。経時変化を図1に示すとともに、10時間後の活性の結果を表3に示した。図中、○及び●は、それぞれエチレン及びプロピレンの収率を示している。
Figure 2010018556
図1に示すように、周期律表第4族の金属を加えない場合では4時間以降からエチレン収率が急激に増加しており、エタノールの脱水反応のみが進行する。その結果、主な目的生成物であるプロピレン収率が低下する。一方、周期律表第4族の金属を加えた場合ではエチレンならびにプロピレン収率が維持されている。従って、周期律表第4族の金属を加えたアルミノシリケート触媒による反応では、周期律表第4族の金属の添加によって触媒活性の安定性が著しく向上することがわかった。
(実施例9)
原料ガスのエタノール濃度を50体積%とした以外は、実施例1と同様にしてエタノールの転化反応を行い、その結果を表4に示した。
(実施例10)
原料ガスのエタノール濃度を80体積%とした以外は、実施例1と同様にしてエタノールの転化反応を行い、その結果を表4に示した。
(実施例11)
原料ガスのエタノール濃度を90体積%とした以外は、実施例1と同様にしてエタノールの転化反応を行い、その結果を表4に示した。
Figure 2010018556
表4から明らかなように、エタノールが20〜90体積%の幅広い濃度範囲で触媒性能が変わらず高い低級オレフィン収率を示す。エタノール濃度によらず高い低級オレフィン生成活性が得られることが分かった。
(実施例12)
反応温度を400℃とした以外は、実施例1と同様にしてエタノールの転化反応を行い、その結果を表5に示した。
(実施例13)
反応温度を450℃とした以外は、実施例1と同様にしてエタノールの転化反応を行い、その結果を表5に示した。
(実施例14)
反応温度を550℃とした以外は、実施例1と同様にしてエタノールの転化反応を行い、その結果を表5に示した。
Figure 2010018556
表5に示すように、温度の増加と共にエチレン収率は増加した。一方、プロピレン収率は500℃までは増加するが550℃で低下した。したがって、高い低級オレフィン活性を高選択的に得るためには反応温度は450〜500℃とすることが望ましいことが分かった。
(実施例15)
反応圧力を2気圧とした以外は、実施例1と同様にしてエタノールの転化反応を行い、その結果を表6に示した。
(実施例16)
反応圧力を3気圧とした以外は、実施例1と同様にしてエタノールの転化反応を行い、その結果を表6に示した。
Figure 2010018556
表6から、反応圧力の増加と共に低級オレフィン収率が減少し、芳香族化合物やパラフィン等の好ましくない副生成物の収率が増加することが分かる。したがって、高い低級オレフィン収率を得るためには大気圧下で反応することが望ましいことが分かった。
(実施例17)
接触時間を0.002g‐触媒・分/ml‐原料ガスとした以外は、実施例1と同様にしてエタノールの転化反応を行い、その結果を表7に示した。
(実施例18)
接触時間を0.004g‐触媒・分/ml‐原料ガスとした以外は、実施例1と同様にしてエタノールの転化反応を行い、その結果を表7に示した。
(実施例19)
接触時間を0.02g‐触媒・分/ml‐原料ガスとした以外は、実施例1と同様にしてエタノールの転化反応を行い、その結果を表7に示した。
(実施例20)
接触時間を0.04g‐触媒・分/ml‐原料ガスとした以外は、実施例1と同様にしてエタノールの転化反応を行い、その結果を表7に示した。
Figure 2010018556
表7に示すように、接触時間の増加と共にエチレン収率が低下する。一方、プロピレン収率は向上するが、0.02以上では低下し、パラフィンや芳香族化合物の収率が増加する。したがって、接触時間が長いと副反応が増加するため、低級オレフィン選択性向上のためには、接触時間を少なくとも0.004より大きくし0.02を超えない範囲で反応することが望ましいことがわかった。
本発明は、バイオマスの発酵によって製造できるエタノールから低級オレフィンのエチレンとプロピレンを、高収率かつ高選択的に、長期間安定に製造できることを示すものであり、バイオマスから化学工業の基礎原料を生産する技術として利用されることで石油原料からバイオマス原料への代替に貢献することが期待される。
実施例1、実施例2及び比較例1で調整した触媒の安定性の経持変化を示す図。

Claims (3)

  1. エタノールを反応器中で触媒と接触させて低級オレフィンを製造する方法において、前記触媒が周期律表第4族金属から選ばれる1種以上の金属を、MFI構造を有するアルミノシリケートに担持したものであることを特徴とする低級オレフィンの製造方法。
  2. 前記周期律表第4族金属から選ばれる1種以上の金属の担持量が、前記アルミノシリケートに対して0.1〜50重量%であることを特徴とする請求項1に記載の低級オレフィンの製造方法。
  3. 前記周期律表第4族金属から選ばれる1種以上の金属が、イオン交換法又は含浸法により担持されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の低級オレフィンの製造方法。
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