JP6633440B2 - アルカン脱水素用触媒及びこれを用いたアルケンの製造方法 - Google Patents

アルカン脱水素用触媒及びこれを用いたアルケンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ホウ素及びクロムを含有する、アルカン脱水素用触媒の製造方法、及びその製造方法により得られた触媒の存在下、二酸化炭素を含む雰囲気中でアルカンを脱水素化してアルケンを製造する方法に関するものである。
アルカンを接触的に脱水素して、対応するアルケンを製造する方法は周知であり、種々の触媒が知られている。なかでも担体に酸化クロムを担持した触媒が、二酸化炭素共存雰囲気中での脱水素反応に好ましいものの一つとされている。
例えば特許文献1には、ホウ素原子を含むゼオライト担体に酸化クロムを担持し、予め酸素とスチームの共存雰囲気下処理した触媒の存在下、二酸化炭素を含む雰囲気中で安定して高活性にアルカンを脱水素してアルケンを製造する方法が開示されている。
特開2008―266286号公報
しかし、特許文献1に開示された方法に従って製造された触媒をアルカンの脱水素に適用した場合、目的とする生成物収率は必ずしも満足すべきものではなかった。
本発明は上記現状を改善するために検討された結果なされたものであり、原料転化率や選択率等の触媒性能がより向上したアルカン脱水素用触媒の製造方法を提供することを課題とするものである。
本発明は、ホウ素含有ゼオライト中のホウ素含有量を低減させた後又は低減させるのと同時に、ホウ素含有ゼオライトにクロムを含有させて、ホウ素及びクロムを含有する触媒を製造することにより、上記課題が解決できること見出したものである。
すなわち、本発明の要旨は、次の(1)〜(9)に存する。
(1)アルカンの脱水素用触媒の製造方法であって、前記脱水素用触媒はホウ素及びクロムを含有し、ホウ素含有量が0.30重量%以上であるホウ素含有ゼオライトを、酸性溶液と接触させて、前記ホウ素含有ゼオライト中のホウ素含有量を低減させるホウ素低減工程と、前記ホウ素低減工程と同時に、又は、前記ホウ素低減工程の後に、前記ホウ素含有ゼオライトにクロムを含有させるクロム含有工程と、を含み、前記脱水素用触媒中のホウ素含有量が0.25重量%以下であることを特徴とするアルカンの脱水素用触媒の製造方法。
(2)前記脱水素用触媒中のクロム含有量が、1重量%以上10重量%以下であることを特徴とする前記(1)に記載のアルカンの脱水素用触媒の製造方法。
(3)前記ホウ素含有ゼオライト中のアルミニウム含有量が、0.3重量%以下であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のアルカンの脱水素用触媒の製造方法。
(4)前記脱水素用触媒中のホウ素含有量が、0.01重量%以上であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1に記載のアルカンの脱水素用触媒の製造方法。
(5)前記ホウ素含有ゼオライトの構造が、International Zeolite Association(IZA)の規定するコードでMFI、MEL、MOR、MWW、CHA、及びBEAからなる群より選ばれる少なくとも1種で表されることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか1に記載のアルカンの脱水素用触媒の製造方法。
(6)前記クロム含有工程により得られたアルカンの脱水素用触媒を、アルカリ金属原子を含む溶液と接触させるアルカリ金属添加工程をさらに含む、前記(1)〜(5)のいずれか1に記載のアルカンの脱水素用触媒の製造方法。
(7)前記アルカリ金属原子が、カリウム及びセシウムの少なくともいずれか一方であることを特徴とする前記(6)に記載のアルカンの脱水素用触媒の製造方法。
(8)前記(1)〜(7)のいずれか1に記載の製造方法により製造されたアルカンの脱水素用触媒の存在下、二酸化炭素を含む雰囲気中でアルカンを脱水素化することを特徴とするアルケンの製造方法。
(9)前記雰囲気が更に酸素を含むことを特徴とする前記(8)に記載のアルケンの製造方法。
本発明の製造方法よれば、原料転化率や選択率等の触媒性能がより向上することができることから、目的生成物であるアルケンを高収率で製造することができる。
本発明に係るアルカンの脱水素用触媒の製造方法は、脱水素用触媒がホウ素及びクロムを含有し、
ホウ素含有量が0.30重量%以上であるホウ素含有ゼオライトを、酸性溶液と接触させて、前記ホウ素含有ゼオライト中のホウ素含有量を低減させるホウ素低減工程と、
前記ホウ素低減工程と同時に、又は、前記ホウ素低減工程の後に、前記ホウ素含有ゼオライトにクロムを含有させるクロム含有工程と、
を含み、前記脱水素用触媒中のホウ素含有量が0.25重量%以下であることを特徴とする。
以下、ホウ素を低減すると同時に、ホウ素含有ゼオライトにクロムを含有させる方法を例に取り説明する。
[触媒の製造方法]
(ホウ素低減工程)及び(クロム含有工程)
ホウ素低減工程では、ホウ素含有量が0.30重量%以上であるホウ素含有ゼオライト(以下、単に「ゼオライト」ということもある。)を、酸性溶液と接触させて、前記ゼオライト中のホウ素含有量を低減させる。
また、クロム含有工程では、ホウ素低減工程と同時に、又は、前記ホウ素低減工程の後に、前記ホウ素含有ゼオライトにクロムを含有させる。
ホウ素を低減すると同時に、ホウ素含有ゼオライトにクロムを含有させる場合には、ホウ素低減工程における酸性溶液として、クロム化合物の水溶液を用いる。
<ホウ素含有ゼオライト>
ゼオライト担体は、International Zeolite Association(IZA)で規定されるコードでMFI、MEL、MOR、MWW、CHA、BEA、及びFAUからなる群より選ばれるものが好ましく、中でもMFI、MEL、MOR、MWW、CHA、及びBEAからなる群より選ばれるものがより好ましく、MFIがさらに好ましい。これらは、単独でも2種以上混合して用いてもよい。
ホウ素低減工程前のゼオライト中に含有される珪素(Si)は、35重量%以上が好ましく、より好ましくは40重量%以上である。また、46.75重量%以下が好ましい。
ホウ素低減工程前のゼオライト中に含まれるアルミニウム(Al)は、0.3重量%以下が好ましく、より好ましくは0.2重量%以下であり、0重量%(含まない)であってもよい。この範囲とすることで、酸性質が減少し酸点による副反応が抑制される。
また、ホウ素低減工程前のゼオライト中のホウ素(B)は、0.30重量%以上であり、より好ましくは0.35重量%以上である。この範囲とすることで、後述するクロム含有工程においてCrと置換される量が増加し、より触媒活性点の増加が期待される。
ホウ素含有量が0.30重量%以上であるゼオライトは、公知の方法で製造することができる。たとえば、Topics in Catalysis 9(1999),13−34.に記載の方法により製造することができる。
ホウ素原子はゼオライト骨格内に取り入れられた状態が好ましいが、一部骨格外に存在してもよい。また、担体として使用するゼオライトは、珪素/アルミニウム(Si/Al)比を高めるため種々の脱アルミニウム処理方法が用いられるが、その結果、一部ゼオライト骨格外にアルミニウムが残存しても問題ではない。
<酸性溶液>
ホウ素低減工程で用いる酸性溶液には、好ましくはクロム化合物の水溶液が用いられる。
クロム化合物としては、硝酸クロム、硫酸クロム、塩化クロム等の無機酸塩や、酢酸クロム、シュウ酸クロム等の有機酸塩をはじめ、酸化クロム触媒の製造に用いることが知られている種々のものを用いることができる。より好ましくは、水溶性の塩であり、さらに好ましくは硝酸塩である。
クロム化合物の水溶液は酸性なので、ホウ素を含有するゼオライトとクロム化合物水溶液を接触させることにより、ゼオライトからホウ素が脱離すると同時に、クロムが担持される。
クロム化合物の濃度は、好ましくは5重量%以上であり、より好ましくは20重量%以上である。また50重量%以下が好ましい。
<反応>
ホウ素含有量が0.30重量%以上のホウ素含有ゼオライトと酸性溶液を混合(接触)し、好ましくは30〜90℃、より好ましくは50〜80℃で、好ましくは1〜10時間、より好ましくは2〜8時間反応させる。
<ろ過>
上記反応後、余分なクロム溶液をろ過する。ろ過法としては一般的な方法がとれるが、好ましくは減圧ろ過法を用いるとよい。
<乾燥>
クロム溶液をろ過により除去したものを、好ましくは100〜150℃、より好ましくは110〜130℃の温度で乾燥させる。
尚、上記の反応、ろ過の工程は、繰り返し実施してもよい。
<焼成>
上記乾燥品を、空気流通下で、好ましくは300〜800℃、より好ましくは400〜700℃で、好ましくは1〜24時間、より好ましくは3〜12時間熱処理して、クロム化合物を酸化クロムに転換する。
ゼオライト中に取り込まれるクロムの酸化状態及び結晶構造は特に限定されず、酸化状態は2〜6価のいずれでもよい。
以上、ホウ素低減工程と同時にクロム含有工程を行う場合を例に取り説明したが、ホウ素低減工程の後に、クロム含有工程を行う場合は、まず、酸性溶液としてたとえば硝酸水溶液でホウ素含有ゼオライトを処理した後、その水溶液をろ過し、つづいてクロム含有水溶液で処理すればよい。
(アルカリ金属添加工程)
前記焼成工程を経て得られた触媒を、アルカリ金属原子を含む溶液と接触させるアルカリ金属添加工程をさらに含むことが好ましい。アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等が挙げられ、これは1種を含んでも2種以上含んでもよい。中でもカリウム及びセシウムの少なくともいずれか一方を含むことが好ましく、より好ましくはセシウムを含む。
アルカリ金属原子を含む溶液としては、通常アルカリ金属塩の水溶液、好ましくは硝酸塩の水溶液が用いられる。
水溶液中のアルカリ金属塩濃度は、好ましくは5重量%以上、より好ましくは15重量%以上、好ましくは30重量%以下、より好ましくは25重量%以下である。上記下限値以上だと、アルカリ金属添加の効果が十分得られ、上記上限値以下だと、過剰のアルカリ金属が触媒中に残存して脱水素反応に影響を及ぼすことを抑制できる。
前記焼成後の触媒とアルカリ金属塩の水溶液とは、好ましくは15〜30℃にて、好ましくは30分以下、より好ましくは20分以下、好ましくは5分以上、接触させることにより反応させる。
アルカリ金属原子を含む溶液と接触した後に、好ましくは100〜150℃、より好ましくは110〜130℃の温度で乾燥することで、触媒にアルカリ金属塩を担持させる。
乾燥品を空気流通下に好ましくは300〜800℃、より好ましくは40〜700℃で、好ましくは1〜10時間、より好ましくは1〜5時間熱処理して、アルカリ金属塩を分解する。
これにより、触媒上の酸点がアルカリで置換され、酸点が減少し、酸点による副反応が抑制されると考えられる。
[触媒]
本発明に係る製造方法により得られた触媒中のクロム含有量は、好ましくは1重量%以上、より好ましくは2重量%以上、好ましくは10重量%以下、より好ましくは6重量%以下である。上記下限値以上とすることで、反応に必要な活性点が形成され易くなり、上記上限値以下とすることで、副反応の生成を抑制する傾向がある。
触媒中のホウ素含有量は、通常0重量%を超え、好ましくは0.01重量%以上であり、通常0.25重量%以下、好ましくは0.20重量%以下である。触媒中のホウ素含有量が少ない方が、クロム置換量が多く活性点が多いため好ましい。
触媒中のアルミニウム含有量は、通常、原料であるホウ素含有ゼオライト中のアルミニウム含有量と同一で、好ましくは0.3重量%以下、より好ましくは0.2重量%以下である。
触媒中の各元素の含有量は、ICP(誘導結合プラズマ)発光分光分析法により測定される。
<触媒の成型体>
上記触媒は、そのまま触媒として用いてもよいが、好ましくは反応に悪影響をおよばさないバインダーを用いて成型することが望ましい。成型体は、目的に合致すればいかなる形状、寸法でも限定されるものではない。
成型法も特に限定されるものではなく、例えば、予め担体ゼオライトをアルミナまたはアルミナゾル、シリカ、シリカゲル、石英、およびそれらの混合物等のバインダーを用いたゼオライト担体の成型方法や、クロム化合物を担持した触媒前駆体あるいは予備焼成後の粉末あるいは顆粒体を前記バインダー、あるいはクロム化合物をバインダーした成型方法がある。
この触媒の化学的効果のメカニズムは明らかではないが、ホウ素低減工程で、ゼオライトから脱ホウ素が起こり、クロム含有工程で、ホウ素が脱離したゼオライト骨格部分にクロム原子が取り込まれ、取り込まれたクロム原子が高活性を発現していると推測される。
また、アルカリ添加工程は、触媒表面の酸性質を減らし、目的生成物であるアルケンの酸点による分解反応を抑制していると推測される。
[アルカンの脱水素反応]
脱水素反応は二酸化炭素ガスを含む雰囲気中で行う。脱水素反応に供するアルカンに対する二酸化炭素ガスのモル比は、好ましくは0.1〜100であるが、0.5〜20がより好ましい。モル比が小さ過ぎると触媒の脱水素反応の活性が低くなる。一方、モル比を大きくし過ぎると触媒活性は高くなるが、生成ガス中に占めるアルケンの濃度が低くなるので経済的に不利となる。
なお、雰囲気中には、二酸化炭素以外に窒素、ヘリウム、アルゴン、水蒸気などのガスと、濃度制限はあるが酸素が共存してもよい。したがって、石炭や石油等の化石燃料の燃焼排ガスを雰囲気ガスとして用いることもできる。
中でも、コーキング抑制の点から、雰囲気に酸素が含まれることがより好ましく、該酸素濃度は0.5モル%以上が好ましく、1モル%以上がより好ましく、10モル%以下が好ましく、5モル%以下がより好ましい。
脱水素反応の温度は好ましくは300〜1000℃であるが、この範囲内でも下限近くでは、触媒の活性が低下するし、上限近くではプロパンの熱分解反応が生起してプロピレンの選択率が低下すると共に触媒の劣化もし易い。従って、脱水素反応は400〜800℃で行うのがより好ましい。
反応圧力は、好ましくは1MPa以下であり0.5MPa以下がより好ましく、反応は低圧で行うのが反応平衡上好ましい。
反応は触媒を充填した反応器に原料のアルカンと二酸化炭素ガスを含む雰囲気ガスとの混合物を流通させる固定床反応方式で行うことが好ましい。
空間速度は、0.001〜1000/hrの範囲が好ましく、より好ましくは0.01〜100/hrの範囲である。空間速度が高すぎると原料のアルカンの脱水素転化率が低く、また、空間速度が低すぎると、一定の生産量を得るのに必要な触媒量が多くなり反応器が大きくなりすぎると共に、目的生成物アルケンの選択率が低下する。
ここで言う空間速度とは、触媒重量当たりの反応原料アルカンと二酸化炭素と、窒素等の不活性ガス、および所望により添加した酸素の、時間あたりの総重量流量であり、触媒重量とは反応管に充填した触媒総重量である。
反応器には一種類の触媒を充填してもよく、また、活性の異なる複数種の触媒を混合あるいは層別に充填してもよい。所望ならば活性の異なる複数種の触媒を、または一種類の触媒と希釈剤として使用する不活性な無機物とを用いて、反応器入り口から出口へ向けて活性が変化する様に触媒を充填することも可能である。
尚、脱水素反応は固定床反応方式以外にも、流動床反応方式や移動床反応方式等で行うこともできる。
また、脱水素反応に用いて活性が低下した触媒は、酸素含有ガス中で好ましくは300℃以上、より好ましくは400〜700℃に加熱することにより触媒活性を回復させることができる。
反応器出口ガスとして、反応目的生成物であるアルケン、一酸化炭素、水素、未反応原料、副生成物および反応に別途添加した希釈剤等、を含む混合ガスは、公知の分離・精製設備に導入し、それぞれの成分に応じて回収、精製、リサイクル、排出の処理を行えばよい。
目的生成物以外の成分であるアルカン、アルケン等の一部または全ては、上記分離・精製した後に反応原料と混合するか、または直接反応器に供給することでリサイクルするのが好ましい。また、副生成物のうち、反応に不活性な成分は希釈剤として再利用することも可能である。
以下に実施例により、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
<ホウ素含有ゼオライトの合成>
水150gに加温溶解した硼酸(HBO)7.44gを水ガラス62.1gと臭化テトラ−n−プロピルアンモニウム(TPABr)16.0gを水30gに溶解した撹拌液にゆっくり加え、1時間以上、充分撹拌して水性ゲルを得た。次に、このゲルを1000mlのオートクレーブに仕込み自圧下170℃で72時間水熱合成を行った。その後、濾過により分離回収された水熱合成固体成分は、水にて充分洗浄後、100℃で充分乾燥した。
得られた乾燥品は、空気流通下550℃で6時間熱処理を施し、Na型アルミノシリケートを得た。
このNa型のアルミノシリケート2.0gを1Mの硝酸アンモニウム水溶液40mLに懸濁させ、80℃で2時間攪拌した。処理後の液は吸引濾過により固体成分を分離し、充分水洗を行った後、再度1Mの硝酸アンモニウム水溶液40mLに懸濁させ、80℃で2時間攪拌した。処理後の液は吸引濾過により固体成分を分離し、充分水洗を行った後、100℃で24時間乾燥した。乾燥品は、空気流通下500℃で4時間焼成を行い、H型のアルミノシリケートを得た。
得られたH型アルミノシリケートはXRD(X線回折)によりゼオライトの構造がMFI型であることと、元素分析結果、珪素(Si)44.9重量%、アルミニウム(Al)0.04重量%、ホウ素(B)0.41重量%、ナトリウム(Na)<0.01重量%であり、これらの値から、合成MFI構造ゼオライトの珪素/アルミニウム(Si/Al)比は1078、珪素/ホウ素(Si/B)比は42.2であることを確認した。
<触媒調製>
合成MFI構造ゼオライト5gを水15gに硝酸クロム・9水和物[Cr(NO・9HO]10gに溶解した溶液に添加し、80℃、2時間の攪拌下熟成した。その後、スラリーをろ過し、クロムが担持されたゼオライトを120℃の乾燥機器にて10時間以上乾燥後、空気流通下550℃で6時間焼成して触媒とした。得られた触媒のCr含有量は元素分析の結果、2.5重量%であった。また、Bの含有量は0.24重量%であった。
<反応>
得られた触媒0.5gを2mlの石英砂で希釈して、内径7mmの石英反応管に充填して、窒素7.3ml/分および二酸化炭素11.4ml/分の混合ガス流通下、600℃まで昇温後、プロパン5.7ml/分の速度でフィードして反応を開始した。この時のフィード組成は、N/CO/プロパン=1.3/2.0/1.0モル比であった。
反応開始90分後、反応管出口ガスをガスクロマトグラフィーで測定し、プロパンの転化率及びプロピレンの選択率を求めた。結果を表1に示した。
[実施例2]
実施例1で合成したMFI構造ゼオライト5gを水15gに硝酸クロム・9水和物[Cr(NO・9HO]10gに溶解した溶液に添加し、80℃、2時間の攪拌下熟成した。その後、スラリーをろ過した後、新たに水15gに硝酸クロム・9水和物[Cr(NO・9HO]10gに溶解した溶液を調製し、前記ろ過物を添加した。この操作を計三回繰り返した後、120℃の乾燥機器にて10時間以上乾燥後、空気流通下550℃で6時間焼成して触媒とした。得られた触媒のCr含有量は元素分析の結果、4.9重量%であった。また、Bの含有量は0.14重量%であった。実施例1と全く同様にしてプロパンからプロピレンへの脱水素反応を行った。結果を表1に示した。
[実施例3]
水20gに硝酸セシウム5gを溶解し、実施例2で調製した触媒2gを添加し、室温下10分攪拌したのち、ろ過し、120℃の乾燥機器にて10時間以上乾燥後、空気流通下550℃で6時間焼成して触媒とした。得られた触媒のCr含有量は元素分析の結果、4.0重量%であった。また、Bの含有量は0.10重量%であった。実施例1と全く同様にしてプロパンからプロピレンへの脱水素反応を行った。結果を表1に示した。
[実施例4]
硝酸セシウムを硝酸カリウムにした以外は実施例2と同様に触媒を調製した。得られた触媒のCr含有量は元素分析の結果、3.9重量%であった。また、Bの含有量は0.11重量%であった。実施例1と全く同様にしてプロパンからプロピレンへの脱水素反応を行った。結果を表1に示した。
[比較例1]
実施例1で合成しMFI構造ゼオライト1gに水0.88gに溶解した硝酸クロム・9水和物[Cr(NO・9HO]0.2709gを加え、含浸後、ロータリーエバポレーターにて充分乾燥した。乾燥品は120℃の乾燥機器にて10時間以上乾燥後、空気流通下550℃で6時間焼成して触媒とした。得られた触媒のCr含有量は元素分析の結果、3.4重量%であった。また、Bの含有量は0.39重量%であった。実施例1と全く同様にしてプロパンからプロピレンへの脱水素反応を行った。結果を表1に示した。
Figure 0006633440
実施例1〜4は比較例1より、プロパン転化率、プロピレン選択率、プロピレン収率がいずれも高かった。さらに、アルカリ金属添加工程を施すことにより、より高いプロピレン選択率が得られた(実施例3及び4)。

Claims (9)

  1. アルカンの脱水素用触媒の製造方法であって、
    前記脱水素用触媒はホウ素及びクロムを含有し、
    ホウ素含有量が0.30重量%以上であるホウ素含有ゼオライトを、酸性溶液と接触させて、前記ホウ素含有ゼオライト中のホウ素含有量を低減させるホウ素低減工程と、
    前記ホウ素低減工程と同時に、又は、前記ホウ素低減工程の後に、前記ホウ素含有ゼオライトにクロムを含有させるクロム含有工程と、
    を含み、前記脱水素用触媒中のホウ素含有量が0.25重量%以下であることを特徴とするアルカンの脱水素用触媒の製造方法。
  2. 前記脱水素用触媒中のクロム含有量が、1重量%以上10重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のアルカンの脱水素用触媒の製造方法。
  3. 前記ホウ素含有ゼオライト中のアルミニウム含有量が、0.3重量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のアルカンの脱水素用触媒の製造方法。
  4. 前記脱水素用触媒中のホウ素含有量が、0.01重量%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルカンの脱水素用触媒の製造方法。
  5. 前記ホウ素含有ゼオライトの構造が、International Zeolite Association(IZA)の規定するコードでMFI、MEL、MOR、MWW、CHA、及びBEAからなる群より選ばれる少なくとも1種で表されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルカンの脱水素用触媒の製造方法。
  6. 前記クロム含有工程により得られたアルカンの脱水素用触媒を、アルカリ金属原子を含む溶液と接触させるアルカリ金属添加工程をさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアルカンの脱水素用触媒の製造方法。
  7. 前記アルカリ金属原子が、カリウム及びセシウムの少なくともいずれか一方であることを特徴とする請求項6に記載のアルカンの脱水素用触媒の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法により製造されたアルカンの脱水素用触媒の存在下、二酸化炭素を含む雰囲気中でアルカンを脱水素化することを特徴とするアルケンの製造方法。
  9. 前記雰囲気が更に酸素を含むことを特徴とする請求項8に記載のアルケンの製造方法。
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