JP6037849B2 - 酸化脱水素触媒の製造方法およびアルケンの製造方法 - Google Patents

酸化脱水素触媒の製造方法およびアルケンの製造方法 Download PDF

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本発明は、ケイ酸塩、クロム元素及び界面活性剤を用いる酸化脱水素触媒の製造方法、並びにアルカン及び酸素の存在下でのアルケンの製造方法に関する。
アルカンを酸化脱水素触媒に接触させて脱水素し、目的とするアルケンを製造するアルケンの製造方法は周知であり、この方法には種々の触媒が用いられている。
例えば非特許文献1には、比表面積100〜300m2/gのアルミナ担体に酸化クロムを担持した触媒を用いて、酸素ガスを含む雰囲気中でイソブタンを酸化脱水素してイソブテンを製造する方法が開示されている。また、特許文献1には、酸化クロムを担持したゼオライトを用いて、各種アルカンを脱水素してアルケンを製造する方法が開示されている。更に、非特許文献2には、テトラエチルオルトシリケイトなどのシリカ源である物質と、セチルトリメチルアンモニウムの臭化物などの界面活性剤とを作用させて調製した、球状の空洞からなる細孔が規則的に配列したSBA−16と呼ばれる規則性メソ多孔体に酸化クロムを担持した触媒を用いて、イソブタンを酸化脱水素してイソブテンを製造する方法が開示されている。また、非特許文献3には、複合酸化物を用いてプロパンを酸化脱水素してプロピレンを製造する方法が開示されている。
特開2008−266286号公報
Ind. Eng. Chem. Res. 2001, 40, 781−784 Applied Catalysis A:General 354(2009) 72−81 Jounal of Ceramic Society of Japan 115(2007) 667−671
しかしながら、前記特許文献及び非特許文献に記載された触媒およびアルケンの製造方法は、活性が低く、収率も低い。そのため、500℃以上の高温で反応を行っている例が多い。本発明者らの検討においても、これまで様々な触媒系を試し、高活性触媒を得ることが難しいことがわかっている。
本発明は、高活性で高収率な酸化脱水素触媒およびアルカンの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、本発明者らが上記目的を達成するため鋭意検討した結果なされたものである。
本発明に係る酸化脱水素触媒の製造方法は、
(a)水中にケイ酸塩を分散させる工程と、
(b)クロム元素を添加する工程と、
(c)界面活性剤を添加し、50〜150℃の温度で1〜20時間反応させる工程と、
(d)200〜700℃の温度で1〜10時間熱処理する工程と、
を含み、
工程(c)は、工程(a)又は工程(b)の後に行われる。
また、本発明では、前記製造方法によって酸化脱水素触媒を製造し、引き続き、得られた酸化脱水素触媒をアルカンに対する酸素のモル比が0.1〜1.9であるアルカン及び酸素を含む混合ガスに接触させて、アルカンからアルケンを製造する。
本発明によれば、高活性で高収率な酸化脱水素触媒およびアルカンの製造方法を提供することができる。
[酸化脱水素触媒の製造方法]
本発明に係る酸化脱水素触媒の製造方法は、
(a)水中にケイ酸塩を分散させる工程と、
(b)クロム元素を添加する工程と、
(c)界面活性剤を添加し、50〜150℃の温度で1〜20時間反応させる工程と、
(d)200〜700℃の温度で1〜10時間熱処理する工程と、
を含み、工程(c)は、工程(a)又は工程(b)の後に行われる。
(工程(a))
工程(a)では、水中にケイ酸塩を分散させる。
本発明で用いるケイ酸塩は、活性成分であるクロム元素を分散・固定化する基材であり、それ自体が目的反応を阻害しないものである。一般的にはシリカやアルミナ等が用いられるが、本発明のようにケイ酸塩を原料として用いる場合には、高い比表面積による反応場の増加に加えて、イオン交換による活性成分の骨格格子内への固定化による目的生成物の収率向上も期待される。
本発明で用いるケイ酸塩としては、例えばケイ酸ナトリウム、カネマイト(NaHSi25・3H2O)、ジケイ酸ナトリウム結晶(α、β、γ、σ−Na2Si25)、マカタイト(Na2Si49・5H2O)、マイアライト(Na2Si817・xH2O)、マガディアライト(Na2Si1429・xH2O)、ケニヤイト(Na2Si2041・xH2O)等が使用できる。これらの中でも、ケイ酸塩としてはケイ酸ナトリウム又はカネマイトが好ましい。これらのケイ酸塩は一種を用いてもよく、二種以上を用いてもよい。
水中に分散させるケイ酸塩の濃度は、特に限定されないが、例えば1.0質量%濃度以上、50.0質量%濃度以下とすることができる。
(工程(b))
工程(b)では、クロム元素を添加する。
添加するクロム元素の原料としては、特に制限はなく、例えばクロムの塩化物、硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、アンミン錯体などを使用することができる。これらのクロム元素の原料は一種を用いてもよく、二種以上を用いてもよい。
本発明に係る方法により製造される酸化脱水素触媒に含まれるクロム元素の量は、含まれるケイ素原子の質量に対するクロム原子の質量割合として0.01〜20質量%であることが好ましく、0.1〜15質量%であることがより好ましい。なお、クロム含有量は、元素分析誘導結合プラズマ(ICP−AES)により測定した値である。
クロム元素は、工程(a)により得られるケイ酸塩分散スラリーに対して添加してもよく、後述する工程(c)により得られる反応物に対して添加してもよい。
クロム元素を工程(a)により得られるケイ酸塩分散スラリーに対して添加する方法としては、特に限定されず、例えばケイ酸塩分散スラリーにクロム元素を溶解させることができる。
クロム元素を工程(c)により得られる反応物に対して添加する方法としては、特に限定されず、通常の含浸担持法、イオン交換法などを用いることができる。例えば、層状シリケートに界面活性剤を作用させた前駆体にクロム元素を担持する方法としては、前駆体にクロム元素を含む溶液を含浸させて乾燥し、担持させる方法がある。また、上記前駆体にイオン交換法を用いてクロム元素を含有させる方法としては、例えば、層状シリケートを界面活性剤の溶液中で加熱して生成した界面活性剤を含む前駆体に、クロム元素を含む水溶液を含浸した後、焼成する方法がある。
(工程(c))
工程(c)では、界面活性剤を添加し、50〜150℃の温度で1〜20時間反応させる。工程(c)は、工程(a)又は工程(b)の後に行われる。本発明に係る方法は、例えば工程(a)、(b)、(c)、(d)の順に行われてもよく、工程(a)、(c)、(b)、(d)の順に行われてもよい。
本発明で用いる界面活性剤としては、例えばアルキルトリメチルアンモニウム、ジメチルジアルキルアンモニウム、アルキルアンモニウム、ベンジルアンモニウムの塩化物、臭化物、ヨウ化物または水酸化物などを用いることができる。これらの中でも界面活性剤としてはアルキルトリメチルアンモニウムの臭化物が好ましい。アルキルトリメチルアンモニウム、ジメチルジアルキルアンモニウム、アルキルアンモニウムの塩化物、臭化物、ヨウ化物または水酸化物のアルキル基としては、炭素数8〜18の直鎖または分岐のアルキル基が好ましい。これらの界面活性剤は一種を用いてもよく、二種以上を用いてもよい。
工程(a)の後に工程(c)を行う場合には、例えば、ケイ酸塩に層状シリケートを用い、界面活性剤を作用させることで規則性メソ多孔体を製造してもよい。例えば、S.Inagaki et al.,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,No8,680−682(1993)に報告されている方法が挙げられる。上記規則性メソ多孔体は、周期的に湾曲したシリケートシートが凸部で上下結合した構造を有しており、そのシート間隙には均一に揃った細孔が無数に存在している。その細孔直径は1〜10nmであり、ある一定の直径を中心にして狭い範囲に分布している。界面活性剤として例えばアルキルトリメチルアンモニウムを用いた場合、アルキル鎖長の長さによって細孔直径を変化させることができる。その中でも、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(C1633N(CH33)を用い、FSM−16を規則性メソ多孔体として製造することが好ましい。
ケイ酸塩に界面活性剤を反応させて規則性メソ多孔体を合成する方法としては、例えば上述した層状シリケートを、界面活性剤を溶解させた溶媒に分散させる方法が挙げられる。溶媒としては水が好ましいが、水−アルコール混合溶媒やその他の溶媒でもよい。界面活性剤の濃度は、0.05〜1mol/Lが好ましい。層状シリケートの分散量は、0.1mol/Lの界面活性剤水溶液1000mlに対し、例えばカネマイト5〜200gが好ましい。反応温度は50〜150℃であり、60〜100℃が好ましい。反応温度が前記範囲内であることにより、反応に好適な細孔径を持った規則性メソ多孔体となり好ましい。加熱の間は、分散溶液を攪拌することが好ましい。分散溶液のpHは、始めの1〜5時間は10以上で、残りの時間は10以下が好ましい。カネマイトはアルカリ性であるため、分散溶液のpHは何もしなくても10以上になる。pHが10以上にならない場合には、水酸化ナトリウムを添加してpHを10以上にすることができる。その後、塩酸等の酸を添加して、溶液のpHを10以下まで下げることができる。溶液のpHを8.5まで下げることが好ましい。このpH制御により結晶性および耐熱性の特に高い規則性メソ多孔体を得ることができる。その後、固形生成物をろ過して回収する。反応時間は1〜20時間であり、10〜19時間が好ましい。反応時間が前記範囲内であることにより、反応に好適な細孔径を持った規則性メソ多孔体となり好ましい。なお、反応時間とは、ケイ酸塩と界面活性剤とが混合された時から、固形生成物をろ過するまでの時間を示す。この固形生成物を脱イオン水等で繰り返し洗浄することにより、耐熱性の高い規則性メソ多孔体を得ることができる。
なお、工程(a)の後に工程(b)を行い、その後工程(c)を行う場合にも、上記と同様の方法で行うことができる。
(工程(d))
工程(d)では、200〜700℃の温度で1〜10時間熱処理する。この工程では、工程(a)から(c)により得られる触媒前駆体を熱処理することで、結晶中に取り込まれた界面活性剤を除去し、多孔体である触媒を製造することができる。
熱処理温度は200〜700℃であり、500〜600℃であることが好ましい。熱処理温度が前記範囲内であることにより、界面活性剤を充分に除去し、かつ規則性メソ多孔体自体を安定に保持できる。また、熱処理時間は1〜10時間であり、5〜9時間であることが好ましい。熱処理時間が前記範囲内であることにより、界面活性剤を充分に除去できる。熱処理は空気、酸素、窒素等の雰囲気下で行うことができる。
[アルカンからアルケンを製造する方法]
本発明では、アルカンに対する酸素のモル比が0.1〜1.9であるアルカン及び酸素を含む混合ガスを本発明に係る酸化脱水素触媒に接触させて、アルカンからアルケンを製造する。
酸化脱水素反応に使用するアルカン原料としては、特に制限はないが、炭素数が2〜5のアルカンが好ましい。炭素数が5以下であることにより、分解反応による低炭素数のアルケンの生成を十分に抑制することができる。炭素数が2〜5のアルカンとしては、エタン、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタンなどが挙げられる。
本発明では、上述したアルカンの酸化脱水素反応を行い、対応するアルケンを製造する。酸化脱水素反応は、アルカン及び酸素を含む混合ガスを酸化脱水素触媒に接触させることで行う。混合ガスに含まれる、アルカンに対する酸素のモル比は0.1〜1.9であり、0.25〜1.6であることが好ましい。前記モル比が0.1より小さい場合、酸素濃度が低く酸化反応が十分に行われないため、反応性が低下する。一方、前記モル比が1.9より大きい場合には、酸素濃度が高すぎるために選択性が低下し、理想的な反応を行うことができない。
なお、混合ガスは、アルカン及び酸素以外に、ヘリウム、窒素、水蒸気などを含んでもよい。混合ガス中のアルカンの濃度は、1〜30容量%が好ましく、1〜20容量%がより好ましい。アルカンの濃度が1容量%以上であることにより、アルカンの転化率向上によるアルケンの選択性低下を抑制することができる。また、アルカンの濃度が30容量%以下であることにより、アルカンの転化率低下を抑制することができる。
酸化脱水素反応の温度は、300〜1000℃であることが好ましく、400〜700℃であることがより好ましく、400〜500℃であることがさらに好ましい。酸化脱水素反応の温度が300℃以上であることにより、十分な触媒活性が得られる。また、酸化脱水素反応の温度が1000℃以下であることにより、アルカンの熱分解反応によるアルケンの選択率低下及び触媒活性低下を抑制することができる。
反応圧力は、反応に使用するアルカンの種類により適宣選択することができ、通常は1MPa以下であり、大気圧が好ましい。反応は、触媒を充填した反応器に原料のアルカン、酸素等を含む混合ガスを流通させる固定床流通式反応方式で行うことができる。
W/Fは、0.001〜1000g・min/mlであることが好ましく、0.01〜100g・min/mlであることがより好ましい。なお、Wは反応管内に充填された触媒質量(g)であり、Fは触媒が充填された層へ流通させるアルカン及び酸素を含む混合ガスの流通速度(ml/min)である。即ち、W/Fは反応管内に流れる混合ガスの流通速度に対する充填された触媒質量であり、以下の式で算出される。
W/F=充填される触媒量(g)/反応管内に流れる混合ガスの流通速度(ml/min)
以下、実施例および比較例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
クロム含有量は、元素分析誘導結合プラズマ(ICP−AES)(製品名:SPS 1500 VR、セイコーインスツル株式会社製)を用いて測定した。
アルケンの製造方法において、原料混合ガスおよび生成物の分析は、ガスクロマトグラフィーを用いて行った。ガスクロマトグラフィーの結果から、アルカンの転化率、アルケンの選択率、およびアルケンの収率を下記式にて求めた。
アルカン転化率(%)=(B/A)×100
アルケン選択率(%)=(C/B)×100
アルケンの収率(%)=(C/A)×100
式中、Aは供給したアルカンのモル数、Bは反応したアルカンのモル数、Cは製造したアルケンのモル数である。
[実施例1]
ケイ酸ナトリウム5.0gを700℃で6時間焼成した。焼成したケイ酸ナトリウムを蒸留水50mL中に添加し、室温で3時間攪拌し、分散させた。これをろ過することで、層状シリケートであるカネマイトのペーストを得た。得られたカネマイトペーストに0.1mol/Lのヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド水溶液100mlを加え、70℃で3時間攪拌保持した。その後、2mol/Lの塩酸水溶液を用いて、pHが8.5となるように調整し、引き続き70℃で18時間攪拌保持した。その後、ろ過を行い、蒸留水にて数回洗浄を行い、乾燥させ、規則性メソ多孔体FSM−16前駆体を得た。得られた規則性メソ多孔体FSM−16前駆体に50mlの蒸留水を加え、0.5mol/Lの硝酸クロム水溶液を5.3ml添加した。そして、1時間激しく攪拌混合し、80℃で20時間安置した。その後、ろ過を行い、蒸留水で数回洗浄を行い、乾燥させて固体を得た。そして、この固体を550℃で8時間、空気雰囲気下で焼成し、規則性メソ多孔体とクロム元素とを含む酸化脱水素触媒を得た。この時得られた触媒のクロム含有量は、元素分析の結果、含まれるケイ素原子の質量に対して0.6質量%であった。
得られた酸化脱水素触媒を、固定床流通式の反応装置に設置された、石英製で直径9mm、長さが35mmの反応管内に詰めた。この反応管を電熱炉によって450℃で保持した。その後、大気圧下でイソブタン分圧14.4kPa、酸素ガス分圧12.3kPa、残りをヘリウムガスで希釈した混合ガスを、30ml/minの流速でその反応管内に流通させた。これにより、上記酸化脱水素触媒と混合ガスとを接触させ、イソブタン(アルカン)からイソブチレン(アルケン)の製造を行った。この時の、イソブタンに対する酸素のモル比(混合ガス比)は0.85であり、混合ガス中のイソブタン濃度は14.2容量%であった。反応管内に詰めた触媒量は、W/Fが0.016g・min/mlとなるように設定した。
反応管出口ガスをガスクロマトグラフィーで測定し、イソブタン転化率、イソブテン選択率及びイソブテン収率を求めた。結果を表1に示す。なお、表1中には、反応開始45分後および360分後の反応結果を示した。
[実施例2]
規則性メソ多孔体とクロム元素とを含む酸化脱水素触媒を製造する過程で、1時間激しく攪拌混合し、80℃で20時間安置し、ろ過の後、洗浄を行わずに乾燥させたこと以外は、実施例1と同様の方法により酸化脱水素触媒を製造し、イソブチレンの製造を行った。この時得られた触媒のクロム含有量は、元素分析の結果、含まれるケイ素原子の質量に対して4.2質量%であった。結果を表1に示す。
[実施例3]
イソブチレンの製造において、大気圧下でイソブタン分圧14.4kPa、酸素ガス分圧20.5kPa、残りをヘリウムガスで希釈した混合ガスを、30ml/minの流量で反応管内に流通させたこと以外は、実施例2と同様の方法により実施した。この時のイソブタンに対する酸素のモル比(混合ガス比)は1.42であった。結果を表1に示す。
[実施例4]
イソブチレンの製造において、大気圧下でイソブタン分圧14.4kPa、酸素ガス分圧4.1kPa、残りをヘリウムガスで希釈した混合ガスを、30ml/minの流量で反応管内に流通させたこと以外は、実施例1と同様の方法により実施した。この時のイソブタンに対する酸素のモル比(混合ガス比)は0.28であった。結果を表1に示す。
[比較例1]
硝酸クロムの代わりにバナジン酸アンモニウムを用いたこと以外は、実施例3と同様の方法により実施した。結果を表1に示す。
[比較例2]
硝酸マグネシウム6水和物4.72gを10mlの蒸留水で溶解した。さらに硝酸水溶液を加えて、pHが4.0になるように調整し、溶液Aを調製した。その後、ヘキサアンモニウムモリブド四水和物3.54gを乳鉢で粉砕し、10mlの蒸留水に溶解し、アンモニア水を加えてpHが8になるように調整し、溶液Bを調製した。そして、溶液Aを攪拌させながら溶液Bを加え、アンモニア臭がしなくなるまで攪拌した。次に、エバポレーターにて減圧し、水分を蒸発させ、得られた沈殿物を60℃で一晩乾燥させた。得られた乾燥物を300℃で3時間焼成した。得られた固体物を乳鉢で粉砕し、さらに400℃で5時間焼成し、Mg0.92MoOxと呼ばれる複合酸化物からなる酸化脱水素触媒を得た。そして、実施例4と同様の方法によりイソブチレンの製造を行った。結果を表1に示す。
[実施例5]
ケイ酸ナトリウム5.0gを700℃で6時間焼成した。焼成したケイ酸ナトリウムを蒸留水100mL中に添加し、さらに硝酸クロム9水和物を4.0g添加して、室温で3時間攪拌し、クロム元素を含有する前駆体を得た。得られた前駆体に0.1mol/Lのヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド水溶液100mlを加え、70℃で3時間攪拌保持した。その後、2mol/Lの塩酸水溶液を用いて、pHが8.5となるように調整し、引き続き70℃で18時間攪拌保持した。その後、ろ過を行い、蒸留水にて数回洗浄を行い、乾燥させて固体を得た。そして、この固体を550℃で8時間、空気雰囲気下で焼成し、酸化脱水素触媒を得た。そして、実施例1と同様の方法によりイソブチレンの製造を行った。結果を表1に示す。
Figure 0006037849
このようにケイ酸塩、クロム元素及び界面活性剤を用いる本発明に係る酸化脱水素触媒の製造方法を用いて酸化脱水素触媒を製造し、この酸化脱水素触媒に、アルカンに対する酸素のモル比が0.1〜1.9である混合ガスを接触させて、アルカンからアルケンを製造することで、より高い活性および収率を達成することができる。

Claims (2)

  1. (a)水中にケイ酸塩を分散させる工程と、
    (b)クロム元素を添加する工程と、
    (c)界面活性剤を添加し、50〜150℃の温度で1〜20時間反応させる工程と、
    (d)200〜700℃の温度で1〜10時間熱処理する工程と、
    を含み、
    工程(c)は、工程(a)又は工程(b)の後に行われる酸化脱水素触媒の製造方法。
  2. 請求項1記載の製造方法によって酸化脱水素触媒を製造し、引き続き、得られた酸化脱水素触媒をアルカンに対する酸素のモル比が0.1〜1.9であるアルカン及び酸素を含む混合ガスに接触させて、アルカンからアルケンを製造する方法。
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