JP5818022B2 - 感光性樹脂組成物およびディスプレイ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、感光性樹脂組成物およびディスプレイ装置に関する。
薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)を備えたアクティブマトリクス駆動型の液晶ディスプレイ装置や、有機EL(Electro−Luminescence)素子とこれに接続された薄膜トランジスタとを備えたアクティブマトリクス駆動型の有機ELディスプレイ装置などのディスプレイ装置には、パターン形成された電極保護膜、平坦化膜、絶縁膜などが設けられている。これらの膜を形成する材料には一般に感光性樹脂組成物が使用され、その中でも、所定のパターン形状を得るための工程数が少なく、透明性に優れるものが、幅広く使用されている。
また、上記電極保護膜、平坦化膜および絶縁膜には、ディスプレイ装置に必要な諸特性が要求される。具体的には、耐熱性、耐溶剤性、耐リフロー性およびメタルスパッタ耐性などのプロセス耐性に優れていること、下地との密着性が良好であること、使用目的に合わせた様々なプロセス条件でパターンを形成し得る広いプロセスマージンを有すること、光に対して高感度であり、高い透明性を有すること並びに現像後の膜厚ムラが少ないことなどが挙げられる。このため、従来は、ナフトキノンジアジド化合物を含む感光性樹脂組成物が汎用されてきた。
一方、近年のタッチパネルの普及により、液晶表示素子や有機EL素子にタッチパネルが設けられたディスプレイ装置が増えている。タッチパネルの方式には、抵抗膜方式、静電容量方式、超音波方式、光学方式、電磁誘導方式などがあるが、性能の点から静電容量方式を採用するメーカーが多くなっている。静電容量方式では、基板上に透明導電膜からなる配線が形成されるとともに、配線間の導通を防ぐために層間絶縁膜が設けられる。この層間絶縁膜には高い硬度が求められる。また、液晶表示素子にタッチパネル機構が組み込まれたインセルタッチパネルもあるが、この場合には、電極保護膜に対してより高い硬度が求められることになる。
また従来のディスプレイ装置にはガラス基板が用いられているが、近年、ディスプレイ装置に対して、軽量化、薄型化、大型化、曲面表示などに加えて、携帯機器における高耐久性などの要求が高まっている。このため、ガラス基板に代わり、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネートおよびポリイミドなどのプラスチックからなる樹脂基板の実用化が検討されている。樹脂基板の適用によりフレキシブルディスプレイが可能になると、機械的強度を高める点から、電極保護膜、平坦化膜および絶縁膜に対してさらに高硬度化が要求される。
ところで、感光性樹脂組成物には、露光により硬化して現像液に対する溶解性が低くなるネガ型と、露光により現像液に対する溶解性が高くなるポジ型とがある。ネガ型の多くは現像液に有機溶剤を使用するために取り扱いや環境の面で問題がある。また、現像時に溶剤が膜を膨潤させることから、微細配線を形成するのが難しいという問題も有する。一方、ポジ型は、上記の点ではネガ型に対し有利であるが、露光により硬化が進むネガ型に比べると高硬度を実現し難いという問題がある。
特許文献1には、不飽和カルボン酸と不飽和カルボン酸無水物よりなる群から選ばれる少なくも1種と、オキシラニル基含有不飽和化合物とオキセタニル基含有不飽和化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種とを含有してなる不飽和混合物の共重合体、1,2−キノンジアジド化合物並びに炭素数6〜15のアリール基を有するシルセスキオキサンを含有するポジ型の感放射線性樹脂組成物が記載されている。この組成物によれば、層間絶縁膜などに好適なパターン状薄膜が形成可能であるとされるが、架橋反応が遅く耐リフロー性が得られ難いという問題を有する。
特許文献2には、シルセスキオキサン多面体オリゴマー含有不飽和化合物、不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸無水物の少なくとも一方、エポキシ基含有不飽和化合物並びにオレフィン系不飽和化合物を共重合させたアクリル系共重合体と、1,2−キノンジアジド化合物とを含む感光性樹脂組成物が開示されている。この組成物は、現像後の平坦度、感度、解像度、耐熱性および透明性に優れ、ディスプレイ装置の絶縁膜として好適であるとされる。しかし、この場合、単官能のシルセスキオキサンを用いていることから、共重合後のポリマーにおいてシルセスキオキサン部分は架橋せず、得られる膜の硬度が不足することが懸念される。
特許文献3には、ディスプレイ装置の絶縁膜として好適な感光性樹脂組成物が開示されている。この組成物は、エチレン性不飽和基含有化合物および光重合開始剤、グリシジルエーテル化合物などのカチオン重合性化合物および光カチオン重合開始剤並びにキノンジアジド化合物、ジアゾニウム化合物およびアジド化合物の内の1種以上の化合物から選ばれる少なくとも1種の感光性有機成分と、無機粒子と、カゴ状シルセスキオキサンとを有する。しかしながら、この構成では、焼成時における形状保持性を維持するために、添加された無機粒子によって解像度が低くなるという問題を有する。実際、特許文献3の実施例には、20μmの孔径を持つビアパターンの焼成後のビア径保持率は65%とある。
特開2009−229892号公報 特開2007−119777号公報 特開2007−47247号公報
本発明は、上記問題を鑑みてみなされたものである。すなわち、本発明の目的は、硬化により、電極保護膜、平坦化膜および絶縁膜に対する基本的な要求性能を満足するとともに、近年の種々のディスプレイ装置の材料において求められる高い硬度を備えた膜を得られるポジ型の感光性樹脂組成物を提供することにある。また、本発明の目的は、機械的強度に優れたディスプレイ装置を提供することにある。
本発明の感光性樹脂組成物は、
(A):末端に不飽和結合を有する側鎖を持つアルカリ可溶性アクリル重合体、
(B):キノンジアジド化合物、
(C):シルセスキオキサン、
(D):溶剤
を含有する。
(A)のアルカリ可溶性アクリル重合体は、数平均分子量がポリスチレン換算で2,000乃至50,000であることが好ましい。
(A)のアルカリ可溶性アクリル重合体において、側鎖の末端は、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニルフェニル基またはイソプロペニルフェニル基であることが好ましい。
(B)のキノンジアジド化合物は、(A)のアルカリ可溶性アクリル重合体の100質量部に対して5乃至100質量部となる量で含有されることが好ましい。
(C)のシルセスキオキサンは、(A)のアルカリ可溶性アクリル重合体の100質量部に対して5乃至100質量部となる量で含有されることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)のアルカリ可溶性アクリル重合体の100質量部に対して、さらに(E)熱酸発生剤を0.1乃至30質量部となる量で含有することが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)のアルカリ可溶性アクリル重合体の100質量部に対して、さらに(F)ベンゼン環に直結したビニル基を2個以上有する化合物を1乃至40質量部となる量で含有することが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)のアルカリ可溶性アクリル重合体の100質量部に対して、さらに(G)エポキシ基を側鎖に有するアクリル重合体を0.5乃至40質量部となる量で含有することが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)のアルカリ可溶性アクリル重合体の100質量部に対して、さらに(H)密着促進剤を20質量部以下の量で含有することが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、感光性樹脂組成物の100質量部に対して、さらに(I)界面活性剤を1.0質量部以下の量で含有することが好ましい。
本発明のディスプレイ装置は、本発明の感光性樹脂組成物を硬化してなる膜を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、硬化により、電極保護膜、平坦化膜および絶縁膜に対する基本的な要求性能を満足するとともに、高い硬度を備えた膜となるポジ型の感光性樹脂組成物を提供できる。
また、この感光性樹脂組成物から得られる硬化膜を備えることにより、機械的強度に優れた高品位のディスプレイ装置が提供される。
本発明のポジ型である感光性樹脂組成物は、下記の(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)溶剤を含んでなる。
(A)成分:末端に不飽和結合を有する側鎖を持つアルカリ可溶性アクリル重合体
(B)成分:キノンジアジド化合物
(C)成分:シルセスキオキサン
(D)溶剤
また、本発明の感光性樹脂組成物は、所望によりその他の成分として、後述する(E)成分:熱酸発生剤、(F)成分:ベンゼン環に直結したビニル基を2個以上有する化合物、(G)成分:エポキシ基を側鎖に有するアクリル重合体、(H)成分;密着促進剤および(I)成分:界面活性剤、並びに後述する他の成分を含有することもできる。
以下、各成分の詳細について説明する。
<(A)成分>
(A)成分は、末端に不飽和結合を有する側鎖を持つアルカリ可溶性アクリル重合体である。好ましくは、上記アルカリ可溶性アクリル重合体は、ポリスチレン換算数平均分子量(以下、数平均分子量と称す。)が2,000乃至50,000のアクリル重合体である。
本発明において、アクリル重合体とは、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルおよびスチレンなどの不飽和二重結合を有するモノマーを単独重合または共重合して得られた重合体を指す。(A)成分のアクリル重合体は、そのような構造を有するアクリル重合体であればよく、アクリル重合体を構成する高分子の主鎖の骨格および側鎖の種類などについて特に限定されない。
但し、(A)成分のアクリル重合体は、数平均分子量が50,000を超えて過大なものであると、段差に対する平坦化性能が低下する場合がある。一方、数平均分子量が2,000未満で過小なものであると、熱硬化時に硬化不足になり溶剤耐性が低下する場合がある。したがって、数平均分子量が2,000乃至50,000の範囲内にあるものがより好ましい。
(A)成分のアクリル重合体は、好ましくは炭素原子数が3乃至16であって、末端に不飽和結合を有する側鎖(以下、特定側鎖と称す。)を有するものであることが好ましい。なお、上記特定側鎖に含まれる末端の不飽和結合1mol当量当り、(A)成分のアクリル重合体が200乃至1,300g当量となる量で、末端の不飽和結合を有していることが好ましい。
上記特定側鎖としては、下記式(1)で表される構造であるものが特に好ましい。式(1)で表される特定側鎖は、式(1−1)に示すように、アクリル重合体のエステル結合部分に結合するものである。
Figure 0005818022
式(1)中、R1は、炭素原子数が1乃至14であり、脂肪族基、環式構造を含む脂肪族基および芳香族基よりなる群から選ばれる有機基、または、この群から選ばれる複数の有機基の組み合わせからなる有機基である。またR1は、エステル結合、エーテル結合、アミド結合またはウレタン結合などを含んでいてもよい。
1の具体例としては、下記式(A−1)乃至式(A−11)などが挙げられる。
なお式中、**側がアクリル重合体のエステル結合部分に結合し、*側が式(1)中の二重結合を有する炭素原子(R2が結合している炭素原子)に結合する。
Figure 0005818022
式(1)において、R2は水素原子またはメチル基を表し、R2が水素原子であることがより好ましい。
式(1)で表される特定側鎖は、末端がアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニルフェニル基またはイソプロペニルフェニル基であることが好ましく、例えばR1が前記式(A−1)乃至式(A−3)、式(A−7)乃至式(A−11)で表されるところの特定側鎖であることが好ましい。
上記のような特定側鎖を有するアクリル重合体を得る方法は、特に限定されない。一例を挙げれば、予めラジカル重合などの重合方法によって、後述する特定官能基を有するアクリル重合体を生成する。次いで、この特定官能基と、末端に不飽和結合を有する化合物(以下、特定化合物と称す。)とを反応させて特定側鎖を生成することにより、(A)成分であるアクリル重合体とすることができる。
ここで、特定官能基とは、カルボキシル基、グリシジル基、ヒドロキシ基、活性水素を有するアミノ基、フェノール性ヒドロキシ基若しくはイソシアネート基などの官能基、または、これらから選ばれる複数種の官能基を言う。
また、特定化合物としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、イソシアネートエチルアクリレート、イソシアネートエチルメタクリレート、アクリル酸クロリド、メタクリル酸クロリド、アクリル酸、メタクリル酸、m−テトラメチルキシレンジイソシアネート、クロロスチレン、ブロモスチレン、アリルグリシジルエーテル、ビニルエチレンオキシド、ビニルシクロヘキセンオキシドまたはα、α−ジメチル−m−イソプロペニルベンジルイソシアネートなどが挙げられる。
このようにして得られるアクリル重合体の中で、好ましい構造の一例は、式(2)で表される構成単位を有するアクリル重合体である。
Figure 0005818022
式(2)中、R1は、前述の式(1)にて定義したものと同義であり、すなわち、炭素原子数が1乃至14であり、脂肪族基、環式構造を含む脂肪族基および芳香族基よりなる群から選ばれる有機基またはこの群から選ばれる複数の有機基の組み合わせからなる有機基である。またR1は、エステル結合、エーテル結合、アミド結合またはウレタン結合などの結合を含んでいてもよい。
式(2)中、R3は、水素原子またはメチル基を表す。
上述した特定側鎖を生成する反応において、特定官能基と、特定化合物が有する官能基であって反応に関与する基との好ましい組み合わせは、カルボキシル基とグリシジル基(エポキシ基)、ヒドロキシ基とイソシアネート基、フェノール性ヒドロキシ基とグリシジル基(エポキシ基)、カルボキシル基とイソシアネート基、アミノ基とイソシアネート基、または、ヒドロキシ基と酸クロリドなどである。さらに、より好ましい組み合わせは、カルボキシル基とグリシジルメタクリレート、または、ヒドロキシ基とイソシアネートエチルメタクリレートである。
また、上述した特定側鎖を生成する反応において、特定官能基を有するアクリル重合体は、特定化合物と反応するための官能基(特定官能基)を有するモノマー、すなわち、カルボキシル基、グリシジル基、ヒドロキシ基、活性水素を有するアミノ基、フェノール性ヒドロキシ基またはイソシアネート基などを有するモノマーを必須成分として得られる共重合体であって、その数平均分子量が2,000乃至25,000のものであるものが挙げられる。ここで、重合に用いる特定官能基を有するモノマーは、一つの種類を単独で用いてもよいし、重合中に特定官能基同士が反応しない組み合わせであれば、複数種のモノマーを併用してもよい。
以下に、特定官能基を有するアクリル重合体を得るのに好適なモノマー、すなわち、特定官能基を有するモノマーの具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
カルボキシル基を有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、モノ−(2−(アクリロイルオキシ)エチル)フタレート、モノ−(2−(メタクリロイルオキシ)エチル)フタレート、N−(カルボキシフェニル)マレイミド、N−(カルボキシフェニル)メタクリルアミドおよびN−(カルボキシフェニル)アクリルアミドなどが挙げられる。
グリシジル基を有するモノマーとしては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、3−エテニル−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン、1,2−エポキシ−5−ヘキセンおよび1,7−オクタジエンモノエポキサイドなどが挙げられる。
ヒドロキシ基を有するモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルアクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレート、ジエチレングリコールモノアクリレート、ジエチレングリコールモノメタクリレート、カプロラクトン2−(アクリロイルオキシ)エチルエステル、カプロラクトン2−(メタクリロイルオキシ)エチルエステル、ポリ(エチレングリコール)エチルエーテルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)エチルエーテルメタクリレート、5−アクリロイルオキシ−6−ヒドロキシノルボルネン−2−カルボキシリック−6−ラクトンおよび5−メタクリロイルオキシ−6−ヒドロキシノルボルネン−2−カルボキシリック−6−ラクトンなどが挙げられる。
活性水素を有するアミノ基を有するモノマーとしては、例えば、2−アミノエチルアクリレートおよび2−アミノメチルメタクリレートなどが挙げられる。
フェノール性ヒドロキシ基を有するモノマーとしては、例えば、ヒドロキシスチレン、N−(ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(ヒドロキシフェニル)メタクリルアミドおよびN−(ヒドロキシフェニル)マレイミドなどが挙げられる。
イソシアネート基を有するモノマーとしては、例えば、アクリロイルエチルイソシアネート、メタクリロイルエチルイソシアネートおよびm−テトラメチルキシレンイソシアネートなどが挙げられる。
本発明において、特定官能基を有するアクリル重合体を得る際に、特定官能基を有するモノマーと共重合可能な、非反応性官能基を有するモノマーを併用することができる。
非反応性官能基を有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸エステル化合物、メタクリル酸エステル化合物、マレイミド化合物、アクリロニトリル、マレイン酸無水物、スチレン化合物およびビニル化合物などが挙げられる。以下、非反応性官能基を有するモノマーの具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
アクリル酸エステル化合物としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ベンジルアクリレート、ナフチルアクリレート、アントリルアクリレート、アントリルメチルアクリレート、フェニルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、2−メチル−2−アダマンチルアクリレート、2−プロピル−2−アダマンチルアクリレート、γ−ブチロラクトンアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、8−メチル−8−トリシクロデシルアクリレートおよび8−エチル−8−トリシクロデシルアクリレートなどが挙げられる。
メタクリル酸エステル化合物としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ナフチルメタクリレート、アントリルメタクリレート、アントリルメチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、3−メトキシブチルメタクリレート、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート、2−プロピル−2−アダマンチルメタクリレート、γ−ブチロラクトンメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、8−メチル−8−トリシクロデシルメタクリレートおよび8−エチル−8−トリシクロデシルメタクリレートなどが挙げられる。
ビニル化合物としては、例えば、メチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ビニルビフェニル、ビニルカルバゾール、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテルおよびプロピルビニルエーテルなどが挙げられる。
スチレン化合物としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、クロロスチレンおよびブロモスチレンなどが挙げられる。
マレイミド化合物としては、例えば、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミドおよびN−シクロヘキシルマレイミドなどが挙げられる。
本発明において、特定官能基を有するアクリル重合体を得る方法は、特に限定されない。一例を挙げれば、上記特定官能基を有するモノマーと、所望によりそれ以外の共重合可能な非反応性官能基を有するモノマーと、所望により重合開始剤などとを共存させた溶剤中において、50乃至110℃の温度下で重合反応させることにより得られる。このとき用いる溶剤は、反応に関与するモノマーや重合開始剤を溶解するものであれば特に限定されない。具体例としては、後述の(D)溶剤に記載するものが挙げられる。
上記のようにして得られる特定官能基を有するアクリル重合体は、通常、溶剤に溶解した溶液の状態である。
得られた特定官能基を有するアクリル重合体に特定化合物を反応させることにより、(A)成分であるアクリル重合体(以下、特定共重合体と称す。)を得る。尚、通常は、特定官能基を有するアクリル重合体を得た後、溶液状態にある該重合体をそのまま特定化合物と反応させることにより、特定共重合体を得る。
具体的には、例えば、カルボキシル基を有するアクリル重合体の溶液に、グリシジルメタクリレートを加え、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリドなどの触媒存在下において、80℃乃至150℃の温度で反応させることにより、特定共重合体を得ることができる。このとき用いる溶剤は、特定共重合体を構成するモノマーと特定共重合体を溶解するものであれば特に限定されない。具体例としては、後述の(D)溶剤に記載するものが挙げられる。
上記のようにして得られる特定共重合体は、通常、溶剤に溶解した溶液の状態である。
また、特定官能基を有するアクリル重合体と特定化合物の反応において、特定官能基と特定化合物が有する官能基の組み合わせがカルボキシル基とグリシジル基の場合、生成するヒドロキシ基にジカルボン酸無水物を反応させてもよい。これにより最終的に得られる特定共重合体の親水性が向上するため、感光性樹脂組成物に用いた際の塗布性や溶解性が良好となる。
このようなジカルボン酸無水物としては、例えば、フタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ナフタレンジカルボン酸無水物、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、4−フェニル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、ビシクロ[2.2.2.]オクテン−2,3−ジカルボン酸無水物等が挙げられる。
特定共重合体の溶液を、ジエチルエーテルや水などの撹拌下に投入して再沈殿させ、生成した沈殿物を濾過・洗浄した後、常圧または減圧下で、常温または加熱乾燥することで、特定共重合体の粉体とすることができる。このような操作により、特定共重合体と共存する重合開始剤や未反応モノマーを除去することができ、その結果、精製された特定共重合体の粉体が得られる。尚、一度の操作で充分に精製できない場合は、得られた粉体を溶剤に再溶解して、上記の操作を繰り返し行えばよい。本発明においては、特定共重合体の粉体をそのまま用いてもよく、または、後述する(D)溶剤に特定共重合体の粉末を再溶解し、溶液の状態としてから用いてもよい。また、本発明においては、(A)成分のアクリル重合体は、複数種の特定共重合体の混合物であってもよい。
<(B)成分>
(B)成分のキノンジアジド化合物は、好ましくヒドロキシ基またはアミノ基のいずれか一方、または、ヒドロキシ基およびアミノ基の両方を有するキノンジアジド化合物である。このようなキノンジアジド化合物は、たとえば1,2−キノンジアジド化合物に、ヒドロキシ基を有する化合物および/またはアミノ基を有する化合物を反応させて得られる。
上記1,2−キノンジアジド化合物としては、好ましくは1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリド、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロリドなどの1,2−キノンジアジドスルホン酸化合物などが好適に用いられる。
より好ましくは、ヒドロキシ基またはアミノ基(ヒドロキシ基とアミノ基の両方を有する場合は、それらの合計量)の内、好ましくは10乃至100モル%、特に好ましくは20乃至95モル%が、1,2−キノンジアジドスルホン酸化合物でエステル化またはアミド化されてなるキノンジアジド化合物が用いられる。
本発明において、上記キノンジアジド化合物は、単独でまたは2種以上の組み合わせで使用することができる。
ここで1,2−キノンジアジド(スルホン酸)化合物に反応させるヒドロキシ基を有する化合物としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、ハイドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ガリック酸メチル、ガリック酸エチル、1,3,3−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、4,4−イソプロプリデンジフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシフェニルスルホン、4,4−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェノール、4,4’,4’’−トリスヒドロキシフェニルエタン、1,1,1−トリスヒドロキシフェニルエタン、4,4'−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール(α,α,α’−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼン)、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,4’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,5−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)メチルなどのフェノール化合物、エタノール、2−プロパノール、4−ブタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−メトキシプロパノール、2−ブトキシプロパノールまたは乳酸エチルおよび乳酸ブチルなどの脂肪族アルコール類などを挙げることができる。
また1,2−キノンジアジド(スルホン酸)化合物に反応させるアミノ基を含有する化合物としては、例えば、アニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、4−アミノジフェニルメタン、4−アミノビフェニル、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンおよび4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどのアニリン類またはアミノシクロヘキサンなどを挙げることができる。
さらに、1,2−キノンジアジド(スルホン酸)化合物に反応させるヒドロキシ基とアミノ基の両方を含有する化合物としては、例えば、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、4−アミノレゾルシノール、2,3−ジアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール、4,4’−ジアミノ−4’’−ヒドロキシトリフェニルメタン、4−アミノ−4’,4’’−ジヒドロキシトリフェニルメタン、ビス(4−アミノ−3−カルボキシ−5−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−アミノ−3−カルボキシ−5−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−アミノ−3−カルボキシ−5−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび2,2−ビス(4−アミノ−3−カルボキシ−5−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンなどのアミノフェノール類または2−アミノエタノール、3−アミノプロパノールおよび4−アミノシクロヘキサノールなどのアルカノールアミン類などを挙げることができる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物における(B)成分の含有量は、(A)成分の100質量部に対して、好ましくは5乃至100質量部、より好ましくは8乃至50質量部、さらに好ましくは10乃至40質量部である。5質量部未満の場合、ポジ型感光性樹脂組成物の露光部と未露光部の現像液への溶解速度差が小さくなり、現像によるパターニングが困難となる場合がある。また、100質量部を超えると、短時間での露光で1,2−キノンジアジド化合物が十分に分解されないため感度が低下する場合や、(B)成分が光を吸収してしまい硬化膜の透明性を低下させてしまう場合がある。
<(C)成分>
(C)成分は、シルセスキオキサンであって、具体的には[(RSiO3/2n](式中、Rは一価の有機基を表す。)で表されるポリシロキサンである。(C)成分の構造は、ランダム構造、ハシゴ型構造、完全かご型構造または不完全かご型構造などのいずれであってもよく、特に限定されるものではない。また、(C)成分は、単独または2種以上の組み合わせからなるシルセスキオキサンを用いることができる。
シルセスキオキサンは、通常、トリアルコキシシランを加水分解するゾルゲル法によって製造される。原料となるトリアルコキシシランの種類を変更することで、性質の異なるシルセスキオキサンが得られる。トリアルコキシシランの具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)トリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシランおよびn−ヘキシルトリエトキシシランなどが挙げられる。これらのトリアルコキシシランは、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらの内、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランおよび3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランよりなる群から選ばれる少なくとも1種のトリアルコキシシランを用いてできるシルセスキオキサンが、熱硬化時に(A)成分と反応する点から好ましい。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物における(C)成分の含有量は、(A)成分の100質量部に対して、好ましくは5乃至100質量部、より好ましくは10乃至80質量部、さらに好ましくは15乃至60質量部である。5質量部未満の場合、ポジ型感光性樹脂組成物を用いて形成される硬化膜の硬度が低くなる場合があり、100質量部より過大となる場合、プリベーク後の塗膜にタックが発生する場合がある。
<(D)溶剤>
(D)溶剤は、前記(A)成分、(B)成分および(C)成分を溶解し、且つ、所望により添加される後述の(E)成分乃至(I)成分やその他の成分などを溶解する溶解能を有する溶剤であれば、その種類および構造などは特に限定されるものでない。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物において好ましい(D)溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ブタノン、3−メチル−2−ペンタノン、2−ペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられる。
これらの溶剤は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。(D)溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、2−ヘプタノン、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、乳酸エチルおよび乳酸ブチルなどが、塗膜性が良好で安全性が高いという観点から好ましい。これらは、一般に、フォトレジスト材料用の溶剤として用いられている。
<(E)成分乃至[I]成分>
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、上述したように、(A)成分、(B)成分および(C)成分を(D)溶剤に溶解して構成されるが、その他に、それぞれ以下に説明する(E)乃至(I)の各成分を含有することも可能である。
<(E)成分>
(E)成分は、熱酸発生剤であり、ポストベーク時に熱分解して酸を発生する化合物、具体的には、150℃乃至250℃で熱分解して酸を発生する化合物であれば特に限定されるものではない。そのような化合物としては、例えば、ビス(トシルオキシ)エタン、ビス(トシルオキシ)プロパン、ビス(トシルオキシ)ブタン、p−ニトロベンジルトシレート、o−ニトロベンジルトシレート、1,2,3−フェニレントリス(メチルスルホネート)、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩、p−トルエンスルホン酸モルフォニウム塩、p−トルエンスルホン酸メチルエステル、p−トルエンスルホン酸エチルエステル、p−トルエンスルホン酸プロピルエステル、p−トルエンスルホン酸ブチルエステル、p−トルエンスルホン酸イソブチルエステル、p−トルエンスルホン酸フェネチルエステル、シアノメチルp−トルエンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエチルp−トルエンスルホネート、2−ヒドロキシブチルp−トシレート、N−エチル−4−トルエンスルホンアミド、ジフェニルヨードニウムクロリド、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムメシレート、ジフェニルヨードニウムトシレート、ジフェニルヨードニウムブロミド、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムメシレート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトシレート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムクロリド、ビス(p−クロロフェニル)ヨードニウムクロリド、ビス(p−クロロフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムクロリド、トリフェニルスルホニウムブロミド、トリ(p−メトキシフェニル)スルホニウムテトラフルオロボレート、トリ(p−メトキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスホネート、トリ(p−エトキシフェニル)スルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルホスホニウムクロリド、トリフェニルホスホニウムブロミド、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリ(p−メトキシフェニル)ホスホニウムテトラフルオロボレート、トリ(p−メトキシフェニル)ホスホニウムヘキサフルオロホスホネートおよびトリ(p−エトキシフェニル)ホスホニウムテトラフルオロボレートなどを挙げることができる。
さらに(E)成分の熱酸発生剤として、下記式(3)乃至式(70)に示す化合物を挙げることができる。
Figure 0005818022
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上記熱酸発生剤の内、透明性が高い点でトリフェニルスルホニウム塩系の熱酸発生剤が好ましい。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物における(E)成分の含有量は、(A)成分の100質量部に対して、好ましくは0.1乃至30質量部、より好ましくは0.5乃至20質量部、さらに好ましくは1乃至10質量部である。0.1質量部未満の場合、熱硬化速度が遅く鉛筆硬度が低下する場合がある。また、30質量部を超えると、プリベーク時に一部硬化が始まり露光部に残膜が発生したり、溶液の保存安定性が低下したりする場合がある。
<(F)成分>
(F)成分は、ベンゼン環に直結したビニル基を2個以上有する化合物であり、ここで該化合物は、同一のベンゼン環にビニル基を2個以上有する化合物であってもよいし、或いは2つ以上のベンゼン環を含む化合物の場合、異なるベンゼン環に結合したビニル基の合計が2個以上である化合物のいずれであってもよい。(F)成分の化合物を本発明のポジ型感光性樹脂組成物に添加することで、(A)成分との熱硬化性が向上して硬度を向上させることができる。
ベンゼン環に直結したビニル基を2個以上有する化合物の具体例は、o−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、p−ジビニルベンゼン、4,4’−ジビニルビフェニル、Tris−(4−ビニルフェニル)メタンおよび4,4’−オキシビス(ビニルベンゼン)などである。(F)成分としては、ベンゼン環に直結したビニル基を2個以上有する化合物を単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物における(F)成分の含有量は、(A)成分の100質量部に対して、好ましくは1乃至40質量部、より好ましくは3乃至30質量部、さらに好ましくは5乃至20質量部である。1質量部未満の場合、鉛筆硬度が低下する場合がある。また、40質量部を超えると、プリベーク後の塗膜にタックが発生する場合がある。
<(G)成分>
(G)成分は、エポキシ基を側鎖に有するアクリル重合体である。エポキシ基を側鎖に有するアクリル重合体を本発明の感光性樹脂組成物中に添加することで、現像時の未露光部の膜減りを抑制することができる。なお、(G)成分のアクリル共重合体は、複数種のエポキシ基を側鎖に有するアクリル共重合体の混合物を用いることができる。
(G)成分としてのアクリル重合体は、グリシジルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルおよびエポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートなどのエポキシ基含有モノマーを用い、(A)成分と同様の重合方法によって得ることができる。その数平均分子量は、2,000乃至25,000である。
(G)成分としてのアクリル重合体は、エポキシ基を有するモノマーを単独または複数種用いて得ることができ、またこれらエポキシ基を有するモノマーと共重合可能なモノマーを併用してもよい。共重合可能なモノマーは、重合中にエポキシ基と反応しないものであれば特に限定されるものではないが、カルボキシル基やアミノ基を持たないものが好ましい。共重合可能なモノマーと共重合させる場合、エポキシ基を有するモノマーの割合が20モル%以上であることが好ましい。このような共重合可能なモノマーとしては、例えば、アクリル酸エステル化合物、メタクリル酸エステル化合物、マレイミド化合物、アクリロニトリル、マレイン酸無水物、スチレン化合物およびビニル化合物などが挙げられる。以下、上記モノマーの具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
アクリル酸エステル化合物としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ベンジルアクリレート、ナフチルアクリレート、アントリルアクリレート、アントリルメチルアクリレート、フェニルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、2−メチル−2−アダマンチルアクリレート、2−プロピル−2−アダマンチルアクリレート、γ−ブチロラクトンアクリレート、8−メチル−8−トリシクロデシルアクリレート、8−エチル−8−トリシクロデシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルアクリレート、ジエチレングリコールモノアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、カプロラクトン2−(アクリロイルオキシ)エチルエステル、ポリ(エチレングリコール)エチルエーテルアクリレート、および5−アクリロイルオキシ−6−ヒドロキシノルボルネン−2−カルボキシリック−6−ラクトンなどが挙げられる。
メタクリル酸エステル化合物としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ナフチルメタクリレート、アントリルメタクリレート、アントリルメチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、3−メトキシブチルメタクリレート、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート、2−プロピル−2−アダマンチルメタクリレート、γ−ブチロラクトンメタクリレート、8−メチル−8−トリシクロデシルメタクリレート、8−エチル−8−トリシクロデシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレート、ジエチレングリコールモノメタクリレート、カプロラクトン2−(メタクリロイルオキシ)エチルエステル、ポリ(エチレングリコール)エチルエーテルメタクリレートおよび5−メタクリロイルオキシ−6−ヒドロキシノルボルネン−2−カルボキシリック−6−ラクトンなどが挙げられる。
ビニル化合物としては、例えば、メチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ビニルビフェニル、ビニルカルバゾール、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテルおよびプロピルビニルエーテルなどが挙げられる。
スチレン化合物としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、クロロスチレンおよびブロモスチレンなどが挙げられる。
マレイミド化合物としては、例えば、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミドおよびN−シクロヘキシルマレイミドなどが挙げられる。
上記(G)成分のエポキシ基を有するアクリル重合体を得る方法は特に限定されない。例えば、エポキシ基を有するモノマーと、所望によりそれ以外の共重合可能なモノマーと、所望により重合開始剤などとを共存させた溶剤中において、50乃至110℃の温度下で重合反応させることにより得られる。その際に用いる溶剤は、反応に関与するモノマーや重合開始剤を溶解するものであれば特に限定されない。具体例としては、上述の(D)溶剤に記載した溶剤が挙げられる。このようにして得られるエポキシ基を有するアクリル重合体は、通常、溶剤に溶解した溶液の状態である。
上記のようにして得られた(G)成分のアクリル共重合体の溶液を、ジエチルエーテルや水などの撹拌下に投入して再沈殿させ、生成した沈殿物を濾過・洗浄した後、常圧または減圧下において、常温または加熱乾燥することで、(G)成分のアクリル共重合体の粉体とすることができる。このような操作により、(G)成分のアクリル共重合体と共存する重合開始剤や未反応モノマーを除去することができ、その結果、精製された(G)成分のアクリル共重合体の粉体が得られる。一度の操作で充分に精製できない場合は、得られた粉体を溶剤に再溶解して、上記の操作を繰り返し行えばよい。本発明においては、上記(G)成分のアクリル共重合体の粉体をそのまま用いてもよく、または、(D)溶剤に(G)成分のアクリル共重合体の粉体を再溶解し溶液の状態としてから用いてもよい。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物における(G)成分の含有量は、(A)成分の100質量部に対して、好ましくは0.5乃至40質量部、より好ましくは1乃至30質量部、さらに好ましくは3乃至20質量部である。0.5質量部未満の場合、現像時に未露光部が膜減りする場合がある。また、40質量部を超えると、露光部が現像不良となることや、感度が大きく低下する場合がある。
<(H)成分>
(H)成分は、密着促進剤である。密着促進剤を用いることで、ポジ型感光性樹脂組成物の硬化膜と現像後の基板との密着性を向上させることができる。
密着促進剤の具体例としては、トリメチルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、メチルジフェニルクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシランおよびビニルトリクロロシランなどのクロロシラン類;トリメチルメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(N−ピペリジニル)プロピルトリエトキシシランおよびγ−ウレイドプロピルトリエトキシシランなどのアルコキシシラン類;ヘキサメチルジシラザン、N,N’‐ビス(トリメチルシリル)ウレア、ジメチルトリメチルシリルアミンおよびトリメチルシリルイミダゾールなどのシラザン類;ベンゾトリアゾール、ベンズイミダゾール、インダゾール、イミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、ウラゾール、チオウラシル、メルカプトイミダゾールおよびメルカプトピリミジンなどの複素環状化合物;並びに1,1−ジメチルウレアおよび1,3−ジメチルウレアなどの尿素またはチオ尿素化合物などを挙げることができる。これらの内の1種または2種類以上を組み合わせて(H)成分として用いることができる。
密着促進剤としては、市販の化合物を用いることができ、これらは、例えば、信越化学工業(株)、MOMENTIVE社、または東レ・ダウコーニング(株)などから容易に入手可能である。また、例えば、シランカップリング剤と称されて市販されているものを入手して使用してもよい。そのような商品の具体例としては、東レダウコーニングシリコーン社製のZ-6011、6020、6023、6026、6050、6094、6610、6883、6675、6676、6040、6041、6042、6043、6044、6920、6940、6075、6172、6300、6519、6550、6825、6030、6033、6530、6062、6911または6860、信越シリコーン社製のKBM-1003、KBE-1003、KBM-303、KBM-403、KBE-402、KBE-403、KBM-1403、KBM-502、KBM-503、KBE-502、KBE-503、KBM-5103、KBM-602、KBM-603、KBE-603、KBM-903、KBE-9103、KBM-573、KBM-575、KBM-6123またはKBE-585、MOMENTIVE社製のA-151、A-171、A-172、A-2171、Y-9936、A-174、A-186、A-187、A-1871、A-189、A-1891、A-1100、A-1110、A-1120、A-2120、Y-9669またはA-1160等が挙げられる。
本実施形態のポジ型感光性樹脂組成物における(H)成分の添加量は、(A)成分の100質量部に対して、20質量部以下、好ましくは0.01乃至10質量部、より好ましくは0.5乃至10質量部である。20質量部以上用いると塗膜の耐熱性が低下する場合があり、0.1質量部未満では密着促進剤の十分な効果が得られない場合がある。
<(I)成分>
(I)成分は、界面活性剤である。界面活性剤を用いることにより、ポジ型感光性樹脂組成物の塗布性を向上させることができる。(I)成分は、単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。
本実施形態の(I)成分である界面活性剤は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に制限されない。例えば、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤およびノニオン系界面活性剤などが挙げられる。この種の界面活性剤は、例えば、住友スリーエム(株)、DIC(株)または旭硝子(株)などから容易に入手可能である。その具体例としては、エフトップEF301、EF303、EF352(以上、(株)トーケムプロダクツ製(現、三菱マテリアル電子化成(株)製)、メガファックR30、R08、R90、BL20、R61、F171、F173、F471、F475、F479、F474、F477、F480、F482、F483、F484(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、FC431(以上、住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(以上、旭硝子(株)製)などのフッ素系界面活性剤が挙げられる。
本実施形態のポジ型感光性樹脂組成物の(I)成分として界面活性剤が使用される場合、その含有量は、ポジ型感光性樹脂組成物100質量部中、通常は1.0質量部以下であり、好ましくは0.5質量部以下である。(I)成分である界面活性剤の使用量が1.0質量部を超える量に設定された場合、含有量の増大に対応して期待される塗布性の改良効果は得られなくなる。すなわち、効率的ではない使用方法がなされることになってしまう。
<その他の成分>
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、上述したように、(E)成分乃至(I)成分を含有することが可能であるが、さらに本発明の効果を損なわない限りにおいて、必要に応じてその他の成分を含有することもできる。その他の成分としては、例えば、レオロジー調整剤、顔料、染料、保存安定剤、消泡剤または多価フェノールおよび多価カルボン酸などの溶解促進剤などの添加剤が挙げられる。
<ポジ型感光性樹脂組成物>
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、
(A)成分として末端に不飽和結合を有する側鎖を持つアルカリ可溶性アクリル重合体と、
(B)成分としてキノンジアジド化合物と、
(C)成分としてシルセスキオキサンとを、
(D)溶剤に溶解して構成されたものである。
このポジ型感光性樹脂組成物は、さらに、それぞれ所望により、
(E)成分として熱酸発生剤、
(F)成分としてベンゼン環に直結したビニル基を2個以上有する化合物、
(G)成分としてエポキシ基を側鎖に有するアクリル重合体、
(H)成分として密着促進剤、
(I)成分として界面活性剤
およびその他の成分として上述の添加剤の内の1種以上を含有することができる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物の好ましい例は、以下の通りである。
[1](A)成分100質量部に基づいて、5乃至100質量部の(B)成分、5乃至100質量部の(C)成分を含有し、これらが(D)溶剤に溶解されたポジ型感光性樹脂組成物。
[2]上記[1]の組成物において、さらに(E)成分を(A)成分100質量部に基づいて0.1乃至30質量部含有するポジ型感光性樹脂組成物。
[3]上記[1]または[2]の組成物において、さらに(F)成分を(A)成分100質量部に基づいて1乃至40質量部含有するポジ型感光性樹脂組成物。
[4]上記[1]、[2]または[3]の組成物において、さらに(G)成分を(A)成分100質量部に基づいて0.5乃至40質量部含有するポジ型感光性樹脂組成物。
[5]上記[1]、[2]、[3]または[4]の組成物において、さらに(H)成分を(A)成分100質量部に基づいて20質量部以下の量で含有するポジ型感光性樹脂組成物。
[6]上記[1]、[2]、[3]、[4]または[5]の組成物において、さらに(I)成分をポジ型感光性樹脂組成物100質量部に対し1.0質量部以下の量で含有するポジ型感光性樹脂組成物。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物における固形分の割合は、各成分が均一に溶剤に溶解している限り、特に限定されるものではない。例えば1乃至80質量%であり、また例えば5乃至60質量%であり、または10乃至50質量%である。ここで、固形分とは、ポジ型感光性樹脂組成物の全成分から(D)溶剤を除いたものをいう。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物の調製方法は、特に限定されない。一例としては、(A)成分(アクリル重合体)を(D)溶剤に溶解し、この溶液に(B)成分(キノンジアジド化合物)、(C)成分(シルセスキオキサン)を所定の割合で混合し、均一な溶液とする方法が挙げられる。また、この調製方法の適当な段階において、必要に応じて(E)成分(熱酸発生剤)、(F)成分(ベンゼン環に直結したビニル基が2個以上ある化合物)、(G)成分(エポキシ基を側鎖に有するアクリル重合体)、(H)成分(密着促進剤)、(I)成分(界面活性剤)およびその他の成分をさらに添加して混合する調製方法が挙げられる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物の調製にあたっては、(D)溶剤中における重合反応によって得られる特定共重合体の溶液をそのまま使用することができ、この場合、この(A)成分の溶液に上述と同様に(B)成分、(C)成分などを入れて均一な溶液とする際に、濃度調整を目的としてさらに(D)溶剤を追加投入してもよい。このとき、特定共重合体の形成過程で用いられる(D)溶剤と、ポジ型感光性樹脂組成物の調製時に濃度調整のために用いられる(D)溶剤とは同一であってもよいし、異なるものであってもよい。
こうして、調製された溶液状態のポジ型感光性樹脂組成物は、孔径が0.2μm程度のフィルタなどを用いて濾過した後に使用することが好ましい。
<塗膜および硬化膜>
次に、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いて塗膜を形成し、その後、光照射および熱硬化させて硬化膜を得る方法について説明する。
まず、シリコン基板やシリコンナイトライド基板などの半導体基板を準備する。尚、半導体基板に代えてガラス基板または石英基板などを用いてもよい。また、基板の上に、二酸化シリコン膜、ITO(Indium Tin Oxide)膜またはアルミニウム、モリブデン若しくはクロムなどの金属膜が形成されていてもよい。
準備した半導体基板の上に、回転塗布、流し塗布、ロール塗布、スリット塗布、スリットに続いた回転塗布またはインクジェット塗布などによって本発明のポジ型感光性樹脂組成物を塗布する。次いで、ホットプレートまたはオーブンなどで予備乾燥することにより、塗膜を形成することができる。さらに、この塗膜に対して加熱処理を行う。加熱処理の条件としては、例えば、温度70℃乃至160℃、時間0.3乃至60分間の範囲の中から適宜選択された加熱温度と加熱時間が採用される。加熱温度および加熱時間は、それぞれ好ましくは80℃乃至140℃、0.5乃至10分間である。
上記で得られた膜に、所定のパターンを有するマスクを介して紫外線などの光を照射する。次いで、アルカリ現像液で現像することで、露光部が洗い出され、端面がシャープなレリーフパターンが得られる。
アルカリ性現像液としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、コリンなどの水酸化第四級アンモニウムの水溶液およびエタノールアミン、プロピルアミン、エチレンジアミンなどのアミン水溶液などが挙げられる。これらの現像液には、界面活性剤などが加えられていてもよい。
上記したアルカリ性現像液の内、水酸化テトラエチルアンモニウム0.1乃至2.38質量%水溶液は、フォトレジストの現像液として一般に使用されているものである。本発明のポジ型感光性樹脂組成物から得られた膜においても、このアルカリ性現像液を用いて、膨潤などの問題を引き起こすことなく良好な現像処理を行うことができる。
現像方法としては、液盛り法、ディッピング法または揺動浸漬法などのいずれをも用いることができる。現像時間は、通常、15乃至180秒間である。
現像処理を終えた膜に対し、流水による洗浄を例えば20乃至90秒間行う。続いて、圧縮空気若しくは圧縮窒素を用いてまたはスピニングにより風乾することで基板上の水分が除去され、パターニングされた膜が得られる。
パターニングされた膜に対し、熱硬化のためのポストベークを行う。具体的には、ホットプレートまたはオーブンなどを用いて加熱する。ポストベークとしては、一般に、温度140℃乃至250℃の範囲の中から選択された加熱温度にて、ホットプレート上の場合には5乃至30分間、オーブン中の場合には30乃至90分間処理するという方法が採られる。
ポストベークにより、耐熱性、透明性、平坦化性、低吸水性および耐薬品性などに優れた、良好なレリーフパターンを有する硬化膜が得られる。この硬化膜は、高硬度で、耐熱性および耐溶剤性に優れ、透明性が高いという特徴を有する。そのため、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイにおける各種の膜、例えば、層間絶縁膜、保護膜、絶縁膜などに好適に用いることができる。また、TFT型液晶素子のアレイ平坦化膜などの用途においても好適に用いられる。そして本発明は、上記硬化膜を有するディスプレイ装置も対象とするものである。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
[実施例で用いる略記号]
以下の実施例で用いる略記号の意味は、次の通りである。
AA:アクリル酸
MAA:メタクリル酸
MMA:メチルメタクリレート
GMA:グリシジルメタクリレート
DCPM:ジシクロペンタニルメタクリレート
THPA:1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物
PA:フタル酸無水物
ACSQ:アクリロイル基修飾シルセスキオキサン
MACSQ:メタクリロイル基修飾シルセスキオキサン
DVB:ジビニルベンゼン(異性体混合物)
AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
BTEAC:ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド
TAG1:トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート
TAG2:ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート
TAG3:2−メチル−α−[5−[(プロピルスルホニル)オキシ]イミノ]−(5H)−2−チエニリデン]ベンゼンアセトニトリル(前記式(6)で表される化合物)
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
NMP:n−メチル−2−ピロリドン
QD:α,α,α’−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼン1molと1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリド2molとの縮合反応によって合成される化合物
MPTS:3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン
UPS:γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン
R30:DIC(株)製 メガファック R−30(商品名)
[数平均分子量および重量平均分子量の測定]
以下の合成例に従い得られた特定共重合体および特定架橋体の数平均分子量および重量平均分子量を、日本分光(株)製GPC装置(Shodex(登録商標)カラムKF803LおよびKF804L)を用いて、溶出溶媒テトラヒドロフランを流量1ml/分でカラム中に(カラム温度40℃)流して溶離させるという条件で測定した。尚、下記の数平均分子量(以下、Mnと称す。)および重量平均分子量(以下、Mwと称す。)は、ポリスチレン換算値にて表される。
<合成例1>
共重合体を構成するモノマー成分として、GMA(40.0g)およびDCPM(40.0g)を使用し、ラジカル重合開始剤としてAIBN(2g)を使用し、これらを溶剤PGMEA(120g)中において重合反応させることにより、Mn6,300、Mw10,600である共重合体溶液(共重合体濃度:40質量%)を得た(P1)。尚、重合温度は、温度60℃乃至100℃に調整した。
<合成例2>
上記共重合体(P1)200gに、AA(20.0g)、BTEAC(1.1g)およびPGMEA(31.7g)を加えて反応させることにより、Mn7,300、Mw13,600の(A)成分(特定共重合体)の溶液(特定共重合体濃度:40質量%)を得た(P2)。尚、反応温度は90乃至120℃に調整した。
<合成例3>
上記特定共重合体溶液(P2)252.8gに、THPA(42.8g)およびPGMEA(107g)を加えて反応させることにより、Mn7,900、Mw13,600の(A)成分(特定共重合体)の溶液(特定共重合体濃度:40質量%)を得た(P3)。尚、反応温度は80乃至100℃に調整した。
<合成例4>
共重合体を構成するモノマー成分として、GMA(20.0g)およびMMA(20.0g)を使用し、ラジカル重合開始剤としてAIBN(1g)を使用し、これらを溶剤PGMEA(95.7g)中において重合反応させることにより、Mn4,300、Mw8,400である共重合体溶液(共重合体濃度:30質量%)を得た(P4)。尚、重合温度は60℃乃至100℃に調整した。
<合成例5>
上記特定共重合体溶液(P2)252.8gに、PA(43.9g)およびPGMEA(110g)を加えて反応させることにより、Mn7,800、Mw13,900の(A)成分(特定共重合体)の溶液(特定共重合体濃度:40質量%)を得た(P5)。尚、反応温度は80乃至100℃に調整した。
<合成例6>
共重合体を構成するモノマー成分として、MAA(40.0g)およびDCPM(40.0g)を使用し、ラジカル重合開始剤としてAIBN(2g)を使用し、これらを溶剤PGMEA(120g)中において重合反応させることにより、Mn5,100、Mw9,800である共重合体溶液(共重合体濃度:40質量%)を得た(P6)。尚、重合温度は60℃乃至100℃に調整した。
<合成例7>
上記共重合体(P6)200gに、GMA(33.0g)、BTEAC(1.1g)およびPGMEA(49.5g)を加えて反応させることにより、Mn6,500、Mw12,900の(A)成分(特定共重合体)の溶液(特定共重合体濃度:40質量%)を得た(P7)。尚、反応温度は90乃至120℃に調整した。
<合成例8>
共重合体を構成するモノマー成分として、GMA(20.0g)およびMPTS(20.0g)を使用し、ラジカル重合開始剤としてAIBN(1g)を使用し、これらを溶剤PGMEA(120g)中において重合反応させることにより、Mn3,700、Mw7,300である共重合体溶液(共重合体濃度:30質量%)を得た(P8)。尚、重合温度は60℃乃至100℃に調整した。
<実施例1乃至7および比較例1乃至3>
次の表1に示す組成に従い、(A)成分の溶液に、(B)成分および(C)成分、さらに(D)溶剤および(E)乃至(I)成分を所定の割合で混合し、室温で3時間撹拌して均一な溶液とすることにより、各実施例および各比較例のポジ型感光性樹脂組成物を調製した。
Figure 0005818022
得られた実施例1乃至7および比較例1乃至3の各ポジ型感光性樹脂組成物について、それぞれ、塗膜の感度、(未露光部における)膜減り、プリベーク後のタックの有無、硬化膜の鉛筆硬度、透過率、ITOとの密着性および溶剤耐性を測定し、それらの評価を行った。
[感度の評価]
実施例1乃至7および比較例1乃至3の各ポジ型感光性樹脂組成物をシリコンウェハ上にスピンコータを用いて塗布した後、温度100℃で120秒間ホットプレート上においてプリベークを行い、膜厚2.5μmの塗膜を形成した。膜厚は、後述する種々の評価試験も含め、FILMETRICS社製のF20を用いて測定した。
この塗膜に、キヤノン(株)製の紫外線照射装置PLA−600FAにより、365nmにおける光強度が5.5mW/cm2の紫外線を一定時間照射した。その後、0.4質量%の水酸化テトラメチルアンモニウム(以下、TMAHと称す。)水溶液に60秒間浸漬することで現像を行った後、超純水で20秒間流水洗浄を行った。露光部において溶け残りのなくなる最低の露光量(mJ/cm2)を感度とした。
[膜減りの評価]
実施例1乃至7および比較例1乃至3の各ポジ型感光性樹脂組成物をシリコンウェハ上にスピンコータを用いて塗布した後、温度100℃で120秒間ホットプレート上においてプリベークを行い、膜厚2.5μmの塗膜を形成した。
この膜を0.4質量%TMAH水溶液に60秒間浸漬した後、超純水で20秒間流水洗浄を行った。次いで、この膜の厚さを測定することで、現像による未露光部の膜減り度合いを評価した。この評価における膜厚は、FILMETRICS社製のF20を用いて測定した。
[タックの有無の評価]
実施例1乃至7および比較例1乃至3の各ポジ型感光性樹脂組成物をシリコンウェハ上にスピンコータを用いて塗布した後、温度100℃で120秒間ホットプレート上においてプリベークを行い、膜厚2.5μmの塗膜を形成した。
この塗膜の表面をピンセットで触れ、ピンセットの跡がつかないものを○、跡がつくものを×とした。
[鉛筆硬度の評価]
実施例1乃至7および比較例1乃至3の各ポジ型感光性樹脂組成物をシリコンウェハ上にスピンコータを用いて塗布した後、温度100℃で120秒間ホットプレート上においてプリベークを行い、膜厚2.5μmの塗膜を形成した。この塗膜を230℃で30分加熱することによりポストベークを行い、膜厚2.2μmの硬化膜を形成した。
荷重500gにてこの塗膜表面に全く傷がつかない場合に用いた鉛筆の硬度を鉛筆硬度とした。
[透過率の評価]
実施例1乃至7および比較例1乃至3の各ポジ型感光性組成物を石英基板上にスピンコータを用いて塗布した後、温度100℃で120秒間ホットプレート上においてプリベークを行い、膜厚2.5μmの塗膜を形成した。
この塗膜に、キャノン(株)製の紫外線照射装置PLA−600FAにより365nmにおける光強度が5.5mW/cm2の紫外線を90秒間照射した。この膜に対し、温度230℃で30分間ホットプレート上においてポストベークを行い、硬化膜を形成した。
この硬化膜を紫外線可視分光光度計((株)島津製作所製SIMADZU UV−2550型番)を用いて400nmの波長の透過率を測定した。
[ITOとの密着性の評価]
実施例1乃至7および比較例1乃至3の各ポジ型感光性組成物をITO基板上にスピンコータを用いて塗布した後、温度100℃で120秒間ホットプレート上においてプリベークを行い、膜厚2.5μmの塗膜を形成した。この膜に対し、温度230℃で30分間ホットプレート上においてポストベークを行い、硬化膜を形成した。
この硬化膜に縦横1mm間隔で10×10マスとなるようカッターナイフで切り込みをつけた。この切り込み上にスコッチテープを用いてセロハンテープ剥離試験を行った。100マス全て剥がれずに残っているものを○、1マスでも剥がれているものを×とした。
[溶剤耐性の評価]
実施例1乃至7および比較例1乃至3の各ポジ型感光性樹脂組成物をシリコンウェハ上にスピンコータを用いて塗布した後、温度100℃で120秒間ホットプレート上においてプリベークを行い、膜厚2.5μmの塗膜を形成した。この塗膜を230℃で30分加熱することによりポストベークを行い、膜厚2.1μmの硬化膜を形成した。
この塗膜をNMP中に1分間室温にて浸漬させ、浸漬前後の膜厚変化がないものを○、膜厚の減少が見られたものを×とした。
[パターン形成性の評価]
実施例1乃至7および比較例1乃至3の各ポジ型感光性樹脂組成物をシリコンウェハ上にスピンコータを用いて塗布した後、温度100℃で120秒間ホットプレート上においてプリベークを行い膜厚2.5μmの塗膜を形成した。
この塗膜にキヤノン(株)製紫外線照射装置PLA−600FAにより365nmにおける光強度が5.5mW/cm2の紫外線を20μmのライン&スペースパターンのマスクを介して200mJ/cm2照射した。その後0.4質量%の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液に60秒間浸漬することで現像を行った後、超純水で20秒間流水洗浄を行うことでパターンを形成した。
作製したパターンを230℃のオーブンにて30分焼成した。20μm±2μmのラインパターンが形成できたものを○、パターンが得られなかったり、ライン幅が大きく異なったりするものを×とした。
[評価の結果]
以上の評価を行った結果を表2に示す。
Figure 0005818022
表2に示す結果から分かるように、実施例1乃至7のポジ型感光性樹脂組成物はいずれも高感度であり、未露光部における膜減りが非常に少なく、プリベーク後のタックも見られなかった。さらに硬化後の鉛筆硬度が2H以上と高硬度であり、光線透過率、ITOとの密着性、溶剤耐性にも優れ、パターン形成性にも優れるとする結果が得られた。
一方、比較例1については、感度、透過率、密着性および溶剤耐性は良好とする結果が得られたが、鉛筆硬度がBと低かった。比較例2については、プリベーク後にタックが入り、その後の評価に至らなかった。また、比較例3については、感度、透過率および密着性は良好とする結果が得られたものの、鉛筆硬度がHと低く、また溶剤耐性に欠けるとする結果となった。
本発明によるポジ型感光性樹脂組成物は、薄膜トランジスタ(TFT)型液晶表示素子または有機EL素子を備えたディスプレイ装置における保護膜、平坦化膜、絶縁膜などを形成する材料として好適であり、特に、タッチパネルが設けられたディスプレイ装置や樹脂基板を用いたディスプレイ装置に好適である。例えば、TFT型液晶素子の層間絶縁膜、カラーフィルターの保護膜、アレイ平坦化膜、静電容量式タッチパネルの層間絶縁膜、有機EL素子の絶縁膜などを形成する材料として好適であり、さらにマイクロレンズ材料などの各種電子材料としても好適である。

Claims (10)

  1. 末端に不飽和結合を有する側鎖を持つアルカリ可溶性アクリル重合体と、
    キノンジアジド化合物と、
    シルセスキオキサンと、
    溶剤とを含有する感光性樹脂組成物であって、
    前記アルカリ可溶性アクリル重合体の100質量部に対して、さらにベンゼン環に直結したビニル基を2個以上有する化合物を1乃至40質量部となる量で含有することを特徴とする、感光性樹脂組成物
  2. 前記アルカリ可溶性アクリル重合体は、数平均分子量がポリスチレン換算で2,000乃至50,000であることを特徴とする、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記アルカリ可溶性アクリル重合体は、側鎖の末端がアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニルフェニル基またはイソプロペニルフェニル基であることを特徴とする、請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記キノンジアジド化合物は、前記アルカリ可溶性アクリル重合体の100質量部に対して5乃至100質量部となる量で含有されることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記シルセスキオキサンは、前記アルカリ可溶性アクリル重合体の100質量部に対して5乃至100質量部となる量で含有されることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 前記アルカリ可溶性アクリル重合体の100質量部に対して、さらに熱酸発生剤を0.1乃至30質量部となる量で含有することを特徴とする、請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 前記アルカリ可溶性アクリル重合体の100質量部に対して、さらにエポキシ基を側鎖
    に有するアクリル重合体を0.5乃至40質量部となる量で含有することを特徴とする、請求項1乃至のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  8. 前記アルカリ可溶性アクリル重合体の100質量部に対して、さらに密着促進剤を20質量部以下の量で含有することを特徴とする、請求項1乃至のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  9. 前記感光性樹脂組成物の100質量部に対して、さらに界面活性剤を1.0質量部以下の量で含有することを特徴とする、請求項1乃至のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  10. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を硬化してなる膜を有することを特徴とするディスプレイ装置。
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