JP5816039B2 - 帯状ゴム部材の変形矯正方法及び装置 - Google Patents
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Description
この帯状ゴム部材は、通常、未加硫ゴムの押出し工程で長尺部材を連続成形した後、該長尺部材をコンベア搬送しながら所定の長さに切断することにより形成される(特許文献1参照)ものであり、帯状ゴム部材のセンタリングは、例えば、搬送路上の帯状ゴム部材の長手方向に沿う一方の側辺を、搬送路上方に配設され搬送路の縁部に沿って搬送方向と略平行に延在する板体の側面に当接させることにより行っている。
ここで、マークを、帯状ゴム部材Wの幅方向両側辺間の中心位置を示すセンタマークとした場合、他のセンタマークがずれているとは、基準センタマークを通る、帯状ゴム部材が搬送される搬送路の幅方向両側辺間の中心を結ぶ線と平行な線(或いは幅方向両側辺間の中心線)の上に、他のセンタマークが位置せず、この平行な線とは異なった位置に他のセンタマークがある場合をいい、センタマークではなく、幅方向両側辺間の任意の位置を知ることができるマークの場合も、同様である。
図1に示すように、この発明に係る帯状ゴム部材の変形矯正装置10は、タイヤ構成部材である未加硫の帯状ゴム部材Wのセンタマークを検出する複数個の位置検知センサ(検知手段)11(例えば三個のセンサ11a,11b,11c)と、位置検知センサ11の検知情報であるセンタマーク位置情報aに基づき、基準となる位置に対する帯状ゴム部材Wの位置ずれ情報bを算出するずれ算出部(ずれ算出手段)12と、ずれ算出部12の算出結果である位置ずれ情報bに基づき、帯状ゴム部材Wのずれを矯正する矯正部(矯正手段)13とを具えてなる。
なお、位置検知センサ11が検知するマークは、ここでは、帯状ゴム部材Wの幅方向両側辺間の中心位置を示すセンタマークとしているが、センタマークに限るものではなく、帯状ゴム部材Wの幅方向両側辺間の任意の位置、即ち、一方の側辺から両側辺間距離の例えば1/3、1/4となる位置を知ることができるマークであればよい。
ここで、帯状ゴム部材Wに発生する変形とは、帯状ゴム部材Wを搬送する際に、搬送路の幅方向両側辺間の中心から、搬送路上の帯状ゴム部材の長手方向に沿う部材両側辺までの距離が、部材長手方向で異なる、例えば、部材両側辺の部材長手方向における曲がり等が生じた場合を言う。
なお、帯状ゴム部材Wの表面Waは、帯状ゴム部材Wの幅方向(部材幅方向)の断面形状で示される線分が直線となる平面或いは曲線となる曲面の何れでも良い。
この帯状ゴム部材Wは、表面Waのインジケータ14が下を向くように、即ち、裏面側を上に向けてコンベア搬送され、搬送路上で上向きとなる、帯状ゴム部材Wの裏面には、帯状ゴム部材Wを接着(例えば、トップトレッドを、ベーストレッド、クッションゴム等のトレッド基材に接着)するためのゴムセメントが塗布されている。
ここで、ローラコンベアは、回転自在に設置された複数の円筒状ローラを、ローラの回転中心を略等間隔に離間させて相互に平行に並べて形成されており、各円筒状ローラの回転面を搬送物載置面として、載置した搬送物を各円筒状ローラの回転に伴ってローラの回転方向に搬送する。このようなローラコンベアの搬送方向の、帯状ゴム部材Wの所要の長さ範囲をカバーする領域内に、例えば、相互に隣接する円筒状ローラの間に、各円筒状ローラと略平行に、一本ずつのフリーローラ付チェーン15を配設する。
なおここでは、フリーローラ付チェーン15を昇降変位させることに代えて、ローラコンベアをフリーローラ付チェーン15に対し上昇下降可能に設置して、ローラコンベアの下降変位に基づいてフリーローラ付チェーン15の搬送面となる上面がローラコンベアの上方に位置するようにしても良い。
ここで、フリーローラ15bは、チェーン15aの各駒の側面に軸支されており、それぞれチェーン15aに対し個別に軸回転する。
フリーローラ付チェーン15により搬送された帯状ゴム部材Wは、その一側面が板16の側面に当接することで搬送が阻止される。
センタリング後の帯状ゴム部材Wの幅方向両側辺間の中心を示すインジケータ14を、帯状ゴム部材Wの搬送路の下方から位置検知センサ11により検知する。
レーザ変位センサからなる位置検知センサ11から出射されたレーザ光は、フリーローラ付チェーン15の下方から矯正部13の後述する載置板21の照射窓21aを通って、フリーローラ付チェーン15に載置されている帯状ゴム部材Wのインジケータ14を照射し、照射光は、インジケータ14からの反射光となって照射窓21aを通り位置検知センサ11に受光される。
各センタマーク位置情報a1〜a3が入力したずれ算出部12は、各センタマーク位置情報a1〜a3に基づき、3個のセンタマーク位置から1つを選んで、他のセンタマーク位置の帯状ゴム部材Wの幅方向におけるずれ方向及びずれ量を算出するための基準センタマーク位置とし、この基準センタマーク位置、例えば、3箇所の検出位置の内の中央のセンタマーク位置に対する、残りの他のセンタマーク位置の帯状ゴム部材Wの幅方向におけるずれ方向及びずれ量を算出する。このずれ方向及びずれ量は、帯状ゴム部材Wの長さ方向での変形に起因するものである。
ここで、基準センタマークを通る、帯状ゴム部材Wが搬送される搬送路の幅方向両側辺間の中心を結ぶ線と平行な線(或いは幅方向両側辺間の中心を結ぶ線)の上に、他のセンタマークが位置せず、この平行な線とは異なった位置に他のセンタマークがある場合、他のセンタマークがずれていると判定する。このずれの判定は、センタマークではなく、幅方向両側辺間の任意の位置を知ることができるマークの場合も、同様である。
矯正部13は、図1に示すように、帯状ゴム部材Wを載置する載置板(部材載置手段)21と、載置板21の作動を制御する制御部(移動制御手段)22を有しており、制御部22により、検出された帯状ゴム部材Wのずれ方向及びずれ量に対応して変位するように載置板21を制御して、帯状ゴム部材Wの長さ方向での変形に起因する位置ずれを修正し変形を矯正する。
この載置板21の内、3箇所に設置された位置検知センサ11a〜11cを覆って上方に位置する3箇所の載置板21のそれぞれには、位置検知センサ11a〜11cからの照射光を通す照射窓21aが開けられている。この照射窓21aは、帯状ゴム部材Wの搬送方向後側に位置する位置検知センサが、更に搬送方向後方へと移動した場合の位置に対応する、搬送方向後方に位置する複数個所(例えば、5箇所)の載置板21にも、開けられている。
この矯正部13による、未加硫の帯状ゴム部材Wのセンタラインの位置ずれの修正は、具体的には次のようにして行われる。
検知した結果、例えば、中央のセンタマーク位置情報a2と他のセンタマーク位置情報a1,a3から、中央のセンタマーク位置に対し、一方の側の他のセンタマーク位置が板16に接近する方向に0.7mm(+0.7)ずれており、他方の側の他のセンタマーク位置が板16から離反する方向に0.8mm(−0.8)ずれているとする。
このとき、帯状ゴム部材Wの幅中央に形成した突条14aからなるインジケータ14を検出することにより位置ずれを修正するので、例えば、帯状ゴム部材Wに耳部の欠け等があって部材幅が一定でなく対向する側辺が平行でなかったとしても、そのようなばらつきに影響されることなく、帯状ゴム部材Wの幅方向両側辺間の中央位置を確実に検出することができる。
従って、帯状ゴム部材Wのセンタリング後、センタリング時の姿勢のまま自動搬送されて、次工程で自動成型を行う場合に要求される、帯状ゴム部材W一個毎の高いセンタリング精度を、容易、且つ、確実に確保することができる。
11,11a〜11c 位置検知センサ
12 ずれ算出部
13 矯正部
14 インジケータ
14a 突条
14b マーカ
15 フリーローラ付チェーン
15a チェーン
15b フリーローラ
16 板
16a ガイド部材
17 チェーン駆動用モータ
17a 駆動シャフト
18 ボールネジ
19 ベルト
20 駆動用モータ
21 載置板
21a 照射窓
21b 連結部材
22 制御部
W 帯状ゴム部材
Wa 表面
a,a1〜a3 センタマーク位置情報
b,b1,b3 位置ずれ情報
Claims (4)
- 帯状ゴム部材の変形を矯正する帯状ゴム部材の変形矯正方法であって、
前記ゴム部材を搬送する搬送路上で移動を停止させた前記ゴム部材の長手方向の複数個所で、前記ゴム部材に設けた前記ゴム部材の幅方向両側辺間の任意の位置を示すマークを検知する工程と、
検知した複数個所のマーク位置から一箇所を選択して、他のマークの幅方向におけるずれ方向及びずれ量を算出するための基準マーク位置とし、前記ゴム部材の長手方向での変形に起因する、前記基準マーク位置に対する他のマーク位置の、前記ゴム部材の幅方向におけるずれ方向及びずれ量を算出する工程と、
この算出結果に基づき、前記ずれ量が算出された前記他のマーク位置において、前記ずれ方向とは逆方向にずれ量相当分だけ前記ゴム部材を変位させ、前記ゴム部材の長手方向での変形を矯正する工程と
を有することを特徴とする帯状ゴム部材の変形矯正方法。 - 前記ゴム部材の長手方向での変形を矯正する工程において、
搬送先に搬送方向と交差して設置された当接部材に前記ゴム部材の一側辺を当接させた後、前記ゴム部材は搬送を停止し、前記ゴム部材を幅方向に搬送する搬送路上に前記ゴム部材が位置決めされる
ことを特徴とする請求項1に記載の帯状ゴム部材の変形矯正方法。 - 帯状ゴム部材の変形を矯正する帯状ゴム部材の変形矯正装置であって、
前記ゴム部材を搬送する搬送路の下方の、搬送路長手方向の複数個所に間隔をおいて配設されて、前記搬送路の下方から、移動を停止させた前記ゴム部材に設けた前記ゴム部材の幅方向両側辺間の任意の位置を示すマークを検知する検知手段と、
前記検知手段により検知した複数個所のマーク位置から一箇所を選択して基準マーク位置とし、前記ゴム部材の長さ方向での変形に起因する前記基準マーク位置に対する他のマーク位置の、前記ゴム部材の幅方向におけるずれ方向及びずれ量を算出するずれ算出手段と、
前記ずれ算出手段による算出結果に基づき、前記ずれ量が算出された前記他のマーク位置において、前記ずれ方向とは逆方向にずれ量相当分だけ前記ゴム部材を変位させ、前記ゴム部材の長手方向での変形を矯正する矯正手段と
を具えてなることを特徴とする帯状ゴム部材の変形矯正装置。 - 前記矯正手段は、
前記複数の検知手段のそれぞれの検知範囲毎に区画された複数の区画部分からなり、各区画部分を、搬送路面に対する上下方向及び載置した前記ゴム部材の幅方向の、それぞれの方向に移動可能とした、前記搬送路に対して出没する部材載置手段と、
前記ずれ算出手段による算出結果に基づき、前記ゴム部材を前記搬送路から持ち上げた状態で、前記部材載置手段を、前記ずれ量が算出された前記他のマーク位置を前記ずれ方向とは逆方向に前記ずれ量相当分だけ、前記ゴム部材の幅方向に移動させる移動制御手段と
を具えてなることを特徴とする請求項3に記載の帯状ゴム部材の変形矯正装置。
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