JP5815398B2 - 吐出器 - Google Patents

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Description

本発明は、吐出器に関する。
従来から、点鼻剤などの内容物を鼻孔内に吐出する吐出器として、使用時の手間や衛生面などを考慮し、鼻孔内に挿入するノズル部材が一対備えられたものが知られている。
この種の吐出器としては、例えば特許文献1に示されるような、一対のノズル部材を有する噴霧アダプタが、内容物が収容されるシリンジに装着されたものや、一対のノズル部材を有する吐出器が、内容物が収容される容器本体に装着されたものなどが知られている。
特許第3371222号公報
しかしながら、上記した従来の吐出器では、一対のノズル部材間の距離が固定されているため、当該吐出器の使用者における鼻孔間の距離によっては、一対のノズル部材を鼻孔内に挿入させ難いことがあり、使い勝手に改善の余地があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、使い勝手を良好にすることができる吐出器を提供することを目的とする。
上記課題の解決手段として、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明は、内容物が収容される容器本体の口部に上方付勢状態で下方移動自在に配設されるステムを有する吐出器本体と、上下方向に延在するとともに上端にノズル孔が形成され、その内部が前記ステム内に連通する一対のノズル部材と、これらのノズル部材と前記ステムとを連結する連結部材と、を備える吐出器であって、前記連結部材は、前記ステムに連結されるとともに、前記ステム内に連通する連通孔が形成された下側連結部材と、前記下側連結部材に連結された上側連結部材と、を備え、前記上側連結部材は、前記下側連結部材に連結される有頂筒状の基体部と、前記基体部の天壁部に立設され、前記一対のノズル部材が各別に装着される一対の装着部と、を備えるとともに、前記一対のノズル部材を互いが対向する方向に接近および離間させるように、弾性変形可能な軟材質で形成され、前記装着部は筒状に形成され、その内部が前記基体部の内部に連通していることを特徴とする吐出器を提供する。
この発明に係る吐出器では、ノズル部材を互いが対向する方向に接近および離間させるように連結部材の少なくとも一部が弾性変形可能な軟材質で形成されているので、一対のノズル部材間の距離が鼻孔の間隔と適合していなくても、連結部材の軟材質部分を弾性変形させ、ノズル部材を鼻孔内に挿入することができる。これにより、使用者の鼻孔間の距離に応じてノズル部材の対向方向の相互間距離を調整することができ、使用者の鼻孔間の距離によらず好適にノズル部材を鼻孔に挿入できるので、使い勝手を良好にすることができる。
また、上記吐出器では、前記一対のノズル部材が、上方に向かうに従い、互いに漸次離間するように、前記連結部材に取り付けられていてもよい。
この場合、ノズル部材を鼻孔内に挿入する過程で、一対のノズル部材を鼻孔の内面に摺接させたときに、一対のノズル部材を互いが対向する方向に沿って容易に接近および離間させることが可能になり、使い勝手をより良好にすることができる。
また、上記吐出器では、前記連結部材のうち、前記一対のノズル部材が各別に装着された装着部同士の間に位置する股部には、前記吐出器本体の上面視で、前記一対のノズル部材が対向する方向の交差方向に延びる凹溝が形成され、前記股部は、軟材質で形成されていてもよい。
この場合、凹溝を起点にノズル部材を前述のように接近および離間させることが可能となり、ノズル部材を少ない力で接近および離間させることができるとともに、可動範囲も広げることもできるため、使い勝手をより良好にすることができる。
本発明の吐出器によれば、使い勝手を良好にすることができる。
本発明の一実施形態に係る吐出器の縦断面図である。 上記吐出器の上面図である。 上記吐出器の作用を説明する図である。
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る吐出器について説明する。
図1に示す吐出容器1は、内容物としての点鼻剤を鼻孔内に吐出する点鼻容器として用いられる。この吐出容器1は、内容物が収容される容器本体2と、該容器本体2内の内容物を吐出する吐出器10と、を備えている。容器本体2は、有底筒状に形成され、吐出器10は、その一部を容器本体2の口部4から容器本体2の内部に挿入した状態で配設されている。
以下では、容器本体2の横断面がなす中央を通る軸線Oに沿う方向を上下方向といい、上下方向に沿った容器本体2の底部3側を下側といい、その反対側を上側という。また、軸線Oに直交する方向を径方向といい、軸線Oの周回方向を周方向という。
吐出器10は、内容物が収容される容器本体2の口部4に上方付勢状態で下方移動自在に配設されるステム11を有する吐出器本体12と、上下方向に延在するとともに上端にノズル孔13が形成され、その内部がステム11内に連通する一対のノズル部材15A、15Bと、これらのノズル部材15A、15Bとステム11とを連結する連結部材16と、を備えている。吐出器10は、ステム11が押し下げられることで作動する吐出器本体12によって、容器本体2内の内容物を一対のノズル部材15A、15Bの各ノズル孔13から吐出させる。
吐出器本体12は、本実施形態では、上下方向に延在するとともに容器本体2内に収容され、内部にステム11の図示しない下端部が上下動自在に配設されたシリンダ17と、ステム11の下端部に設けられるとともにシリンダ17の内部に上下摺動自在に配設された図示しないピストン部材と、ステム11とシリンダ17との間に介装されるとともにステム11を上方付勢する図示しない付勢部材と、を備えている。ここで、ステム11は、軸線Oと同軸に配設されている。また、シリンダ17は、容器本体2の口部4内に挿通されるとともに、軸線Oと同軸に配置されている。
吐出器本体12は、軸線Oと同軸に配置された装着キャップ18を介して容器本体2の口部4に装着されている。装着キャップ18は、上端部同士が連結された二重筒状に形成されシリンダ17の上端部を挟持する挟持筒部19と、挟持筒部19に立設された内ガイド筒部23と、容器本体2の口部4に螺着されるねじ筒部20と、ねじ筒部20の上端と挟持筒部19の下端とを連結し、前記口部4の開口端縁上に配置される連結環部21と、連結環部21に立設された外ガイド筒部22と、を備えている。
内ガイド筒部23は、外ガイド筒部22の径方向の内側に位置し、その上端は外ガイド筒部22の上端よりも上方に位置している。また、ステム11は、内ガイド筒部23の内側に上下方向に沿って延設されている。
連結部材16は、装着キャップ18の上方に配置されてステム11の上部に連結された下側連結部材16Aと、下側連結部材16Aの上部に連結された上側連結部材16Bと、を備えている。
下側連結部材16Aは、例えばポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂材料で有頂筒状に形成され、その頂部25にステム11内に連通する連通孔26が形成されている。この頂部25の下面における連通孔26の周縁には、下方に延びる嵌合筒部27が形成されており、この嵌合筒部27の内側に、ステム11の上部が嵌合されて、下側連結部材16Aとステム11とが連結されている。ここで、嵌合筒部27は、内ガイド筒部23の内側に配置されており、ステム11の上下動に伴い、内ガイド筒部23の内側を上下動するようになっている。
頂部25の外周縁から下方に延びる周壁部28は、下方に向かうに従い径方向の外側に漸次拡径する傾斜形状とされ、その下端部には、装着キャップ18の外ガイド筒部22の内側に配置される被ガイド外筒部29が、下方に延設されている。また、周壁部28の内周面には、装着キャップ18の内ガイド筒部23の外側に配置される被ガイド内筒部30が、下方に延設されている。さらに、周壁部28の下端部には径方向の外側に突出する環状の押下プレート部28Aが形成されている。
下側連結部材16Aの頂部25の上面における連通孔26よりも径方向の外側の位置には、装着筒部31が立設され、この装着筒部31に上側連結部材16Bが装着されている。
上側連結部材16Bは、例えばニトリルゴム、ブチルゴム、シリコンゴム、エラストマー、ウレタン等の弾性変形可能な軟材質で形成されている。上側連結部材16Bは、装着筒部31に外嵌される有頂筒状の基体部32と、基体部32の天壁部33から立設され、一対のノズル部材15A,15Bが各別に装着される一対の装着部34A,34Bと、を一体に有している。
尚、基体部32を装着筒部31から取り外して、連結部材16やノズル部材15A、15Bを洗浄することもできる。
装着部34A,34Bは筒状に形成されており、その内部が基体部32の内部に連通し、したがって、基体部32および下側連結部材16Aの連通孔26を通して、ステム11内に連通している。装着部34A,34Bは、軸線Oを径方向に挟んで対向し、かつ、上方に向かうに従い互いに漸次離間するように天壁部33に形成されている。
それぞれ装着部34A,34Bの外周部には、当該装着部34A,34Bと同軸に配設され、かつ、当該装着部34A,34Bを囲う係合筒部35A,35Bが形成されている。ノズル部材15A,15Bはそれぞれ、その下端部が装着部34A,34Bの外周部と、係合筒部35A,35Bの内周部との間に挟み込まれることで、装着部34A,34Bに装着されている。ノズル部材15A,15Bは装着部34A,34Bと同軸に配設されていて、ノズル部材15A,15Bは、上方に向かうに従い、互いに漸次離間するように、装着部34A,34Bに取り付けられている。
ここで、係合筒部35A,35Bを詳しく説明すると、これら係合筒部35A,35Bはそれぞれ、装着部34A,34Bの外周部から当該装着部34A,34Bの径方向の外側に突出する環状のフランジ部50A,50Bと、フランジ部50A,50Bの外周縁から装着部34A,34Bと同軸の斜め上方に向けて突出する突出筒部51A,51Bと、を一体に有して構成されている。
そして、ノズル部材15A,15Bはそれぞれ、内筒体40A,40Bと、内筒体40A,40Bを内装する外筒体41A,41Bと、を有し、外筒体41A,41Bの下端は内筒体40A,40Bの下端よりも下方に位置している。外筒体41A,41Bの下端部は、薄肉状に形成されており、その外周部には環状に張り出す係止突起42A,42Bが形成されている。ノズル部材15A,15Bは、その外筒体41A,41Bの下端部を、装着部34A,34Bの外周部と、係合筒部35A,35B(突出筒部51A,51B)との間に挟み込み、かつ上記係止突起42A,42Bを、係合筒部35A,35B(突出筒部51A,51B)の内周面に形成された凹部43A,43Bに係止することによって、装着部34A,34Bに装着されている。
外筒体41A,41Bの上端部にそれぞれ、上記ノズル13が形成され、内筒体40A,40Bの下端はそれぞれ、装着部34A,34Bの上端面に当接し、内筒体40A,40Bの上端部に設けられた開口は、ノズル孔13に連通している。
また、天壁部33において、装着部34A,34Bの基部間に位置する股部46には、下方にへこんだ凹溝45が形成されている。この凹溝45は、図2に示すように、一対のノズル部材15A,15Bが対向する方向Lの交差方向に延びており、本実施形態では、前記方向Lに直交する方向に延びている。なお、天壁部33における凹溝45の下方の部位は、下方に膨出している。
以下、上記吐出容器1の使用方法を説明すると、まず使用者は、自身の鼻孔近くまで吐出容器1を運び、一対のノズル部材15A,15Bをそれぞれ左右の鼻孔に挿入させる。
ここで、吐出容器1では、ノズル部材15A,15Bが装着された上側連結部材16Bが軟材質で形成されることで、軟材質の弾性変形可能な性質を利用しこれを外力によって変形させることで、図3に示すように、ノズル部材15A,15Bを互いが対向する方向Lに接近および離間させることができる。
このため、使用者は、ノズル部材15A,15Bを鼻孔に押し当てノズル部材15A,15Bを離間させたり、ノズル部材15A,15Bを指で押してノズル部材15A,15Bを接近させたりして、自身の鼻孔間の距離に応じた状態としてノズル部材15A,15Bを鼻孔内に挿入することができる。
そして、適正にノズル部材15A,15Bを鼻孔内に挿入した後は、使用者は、下側連結部材16Aの押下プレート部28Aを指で押下して、ステム11を押し下げる。
そして、このステム11の押し下げによって吐出器本体12が作動することで、容器本体2内の内容物は、ステム11、連結部材16、およびノズル部材15A,15Bを通して、ノズル孔13から吐出する。これにより、使用者の鼻孔内に内容物が噴射される。
以上説明したように、本実施形態では、ノズル部材15A,15Bを互いが対向する方向に接近および離間させるように連結部材16うちの上側連結部材16Bが弾性変形可能な軟材質で形成されているので、一対のノズル部材15A,15B間の距離が鼻孔の間隔と適合していなくても、連結部材16の軟材質部分を弾性変形させ、ノズル部材15A,15Bを鼻孔内に挿入することができる。これにより、使用者の鼻孔間の距離に応じてノズル部材15A,15Bの対向方向の相互間距離を調整することができ、使用者の鼻孔間の距離によらず好適にノズル部材15A,15Bを鼻孔に挿入できるので、使い勝手を良好にすることができる。
また、本実施形態では、ノズル部材15A,15Bが、上方に向かうに従い、互いに漸次離間するように、連結部材16に取り付けられているが、この場合、ノズル部材15A,15Bを鼻孔内に挿入する過程で、一対のノズル部材15A,15Bを鼻孔の内面に摺接させたときに、一対のノズル部材15A,15Bを互いが対向する方向に沿って容易に接近および離間させることが可能になり、使い勝手をより良好にすることができる。
さらに、本実施形態では、連結部材16のうち、ノズル部材15A,15が各別に装着された装着部34A,34B同士の間に位置する股部46に、上面視で、ノズル部材15A,15Bが対向する方向Lの交差方向に延びる凹溝45が形成されている。
この場合、凹溝45を起点にノズル部材15A,15Bを接近および離間させることが可能となり、ノズル部材15A,15Bを少ない力で接近および離間させることができるとともに、可動範囲を広げることもできるため、使い勝手をより良好にすることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の技術的範囲は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上述の実施形態では、連結部材16のうちの上側連結部材16Bについて軟材質で形成するものとしたが、軟材質とする部分は、このような態様に限定されず、例えば、装着部34A,34Bに対応する部分のみを軟材質としてもよく、この場合にも、ノズル部材15A,15Bを互いが対向する方向に接近および離間させることができる。
また、上述の実施形態では、連結部材16を、上側連結部材16Bと下側連結部材16Aとの二部材の構成である態様を説明したが、連結部材16は、一部材として構成しても構わない。さらには、連結部材16は、3部材以上の部材で構成されるようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、凹溝45が、ノズル部材15A,15Bが対向する方向Lに直交する方向に延びる態様を説明したが、必ずしも方向Lに直交している必要はなく、当該直交方向に対して傾斜した方向であってもよい。
2 容器本体
4 口部
10 吐出器
11 ステム
12 吐出器本体
13 ノズル孔
15A、15B ノズル部材
34A,34B 装着部
45 凹溝
46 股部

Claims (3)

  1. 内容物が収容される容器本体の口部に上方付勢状態で下方移動自在に配設されるステムを有する吐出器本体と、
    上下方向に延在するとともに上端にノズル孔が形成され、その内部が前記ステム内に連通する一対のノズル部材と、
    これらのノズル部材と前記ステムとを連結する連結部材と、を備える吐出器であって、
    前記連結部材は、前記ステムに連結されるとともに、前記ステム内に連通する連通孔が形成された下側連結部材と、前記下側連結部材に連結された上側連結部材と、を備え、
    前記上側連結部材は、前記下側連結部材に連結される有頂筒状の基体部と、前記基体部の天壁部に立設され、前記一対のノズル部材が各別に装着される一対の装着部と、を備えるとともに、前記一対のノズル部材を互いが対向する方向に接近および離間させるように、弾性変形可能な軟材質で形成され
    前記装着部は筒状に形成され、その内部が前記基体部の内部に連通していることを特徴とする吐出器。
  2. 前記一対のノズル部材が、上方に向かうに従い、互いに漸次離間するように、前記連結部材に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の吐出器。
  3. 前記連結部材のうち、前記一対のノズル部材が各別に装着された装着部同士の間に位置する股部には、前記吐出器本体の上面視で、前記一対のノズル部材が対向する方向の交差方向に延びる凹溝が形成され、
    前記股部は、軟材質で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の吐出器。
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