JP6255293B2 - 吐出部材 - Google Patents

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Description

本発明は、吐出部材に関する。
薬液等の内容液を滴下するための容器として、例えば下記特許文献1に記載されているような、内容液が収容された容器本体と、吐出口を有し、容器本体の口部に装着された中栓本体と、吐出口から抜け止めされた状態で中栓本体に保持される栓体と、を備えた中栓付容器が知られている。上記栓体は、吐出口の内側に挿入される胴部と、胴部の先端側に配置され、吐出口の開口径よりも拡径した拡頭部と、を備えている。
上記した中栓付容器では、容器本体内の圧力を上昇させることで、胴部と吐出口との間を通じて内容液を拡頭部まで導くと共に拡頭部の表面を伝わらせながら内容液を1カ所に集めることができる。これにより、液滴状の内容液を滴下することが可能とされている。
特開2010−260586号公報
しかしながら、上記した従来の中栓付容器では、内容液がある程度の大きさの液滴になると自重によって滴下してしまうので、液滴のサイズが毎回決まった大きさになってしまい、吐出量を変更することが難しかった。しかも、拡頭部の表面積が大きいので、表面張力の関係で液滴のサイズが大きくなり易い。従って、まとまった量(多量吐出)の吐出を行うことは容易であるが、少量吐出を行うことについては難しい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、内容液の少量吐出及び多量吐出をそれぞれ任意に行うことができると共に、少量吐出と多量吐出との切り替えを容易に行うことができる吐出部材を提供することである。
上記の目的を達成するために、この発明は以下の手段を提供している。
(1)本発明に係る吐出部材は、頂壁部、及び前記頂壁部の外周縁から下方に向けて延びる周壁部を有する有頂筒状に形成され、内容液が収容された容器本体の口部に装着される本体筒を備え、前記頂壁部には、下方に向けて窪む窪み部が形成され、前記窪み部の底部には、前記内容液を吐出する吐出孔が上端に形成された吐出筒が上方に向けて突設され、前記周壁部の外周面には、径方向の外側に向けて膨らむ膨出部が全周に亘って連続して延びるように形成されていることを特徴とする。
本発明に係る吐出部材によれば、内容液を吐出する際、吐出筒が斜め下向き或いは横向き状態で容器本体に外力が加わると、容器本体内の圧力上昇に伴って吐出孔から吐出した内容液が自重によって周壁部側に伝わり、周壁部の外周面に形成された膨出部の表面に沿って流れながら1カ所に集まりだす。これにより、内容液を液滴状にすることができ、吐出対象物に対して滴下することができる。特に、膨出部は径方向の外側に膨らんで表面積が大きく確保されているので、内容液と膨出部の表面との間に作用する表面張力を大きくすることができ、液滴を大きくすることができる。よって、まとまった量の内容液を吐出でき、多量吐出を行える。
一方、内容液を吐出する際、吐出筒が例えば真下に向いた状態で容器本体に外力が加わった場合には、吐出孔の下方に周壁部が位置しないので、吐出孔から吐出された内容液は周壁部に伝わり難い。しかも、窪み部の底部に突設された吐出筒と周壁部との間には隙間が形成されているので、より一層内容液が周壁部に伝わり難い。従って、吐出孔の出口位置で内容液を液滴状にすることができ、そのまま吐出対象物に対して滴下することができる。特に、この場合における表面張力は、表面積の大きい膨出部を利用する場合に比べて小さいので、液滴を小さくすることができる。従って、内容液の少量吐出を行うことができる。
このように、内容液の少量吐出及び多量吐出をそれぞれ任意に行うことができると共に、吐出筒の姿勢を変化させるだけの簡便な操作で、少量吐出と多量吐出との切り替えを容易に行うことができる。
(2)前記吐出筒は、肉厚が下方から上方に向かうに従い漸次薄くなっていても良い。
この場合には、吐出筒の肉厚(径方向の厚み)が吐出孔に向かうに従い漸次薄くなっているので、内容液の吐出を停止した際の液切れをよくすることができる。
(3)前記膨出部は、他の部分よりも粗面であっても良い。
この場合には、機械加工や化学的処理等により、膨出部の表面が粗面になっているので、膨出部の表面積をより増大でき、表面張力をさらに高めることができる。従って、多量吐出を行う際に、液滴のサイズをより大きくすることができ、さらにまとまった量の内容液を吐出することができる。
本発明によれば、内容液の少量吐出及び多量吐出をそれぞれ任意に行うことができると共に、少量吐出と多量吐出との切り替えを容易に行うことができる。
本発明に係る吐出部材の実施形態を示す図であって、吐出部材を具備する吐出容器の縦断面図である。なお、容器本体については適宜側面を図示している。 図1に示す吐出容器の側面図である。なお、オーバーキャップ及び吐出部材の一部については、縦断面を図示している。 図1に示す状態からオーバーキャップを取り外し、容器本体を斜め下向きにした状態で内容液を吐出している状態を示す断面図である。 図3に示す状態から、容器本体を真下に向けた状態で内容液を吐出している状態を示す断面図である。 吐出容器の変形例を示す縦断面図である。なお、容器本体については適宜側面を図示している。 図5に示す状態からオーバーキャップを取り外し、容器本体を斜め下向きにした状態で内容液を吐出している状態を示す断面図である。 図5に示す吐出部材の変形例を示す側面図であって、膨出部の表面を粗面にした状態を示す図である。
以下、本発明に係る吐出部材の実施形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、吐出部材を具備する吐出容器を例に挙げて説明する。
(吐出容器の構成)
図1及び図2に示すように、吐出容器1は、内容液W(図3参照)が収容される容器本体2と、容器本体2の口部11に装着される吐出部材3と、吐出部材3を覆うオーバーキャップ4と、を備えている。
なお、容器本体2は有底筒状に形成され、吐出部材3及びオーバーキャップ4はそれぞれ有頂筒状に形成されている。そして、これら容器本体2、吐出部材3及びオーバーキャップ4は、それぞれの中心軸線が共通軸上に位置された状態で配設されている。本実施形態では、この共通軸を容器軸Oといい、この容器軸Oに沿ったオーバーキャップ4側を上側、容器本体2側を下側という。また、容器軸O方向から見た平面視において、容器軸Oに直交する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。
また、内容液Wとしては、例えば目薬等の薬液や、食品用或いは工業用の液体等が挙げられるが、特定のものに限定されるものではない。
容器本体2は、胴部10及び口部11を有する有底筒状に形成されている。容器本体2の胴部10は、例えば横断面視長方形状に形成されている共に、容器内側に向けて弾性変形可能とされている。なお、容器本体2の胴部10の形状は、上述した場合に限定されるものではなく、例えば横断面視円形状、楕円状や多角形状等、自由に設計して構わない。
吐出部材3は、頂壁部20及び周壁部21を有する有頂筒状に形成され、容器本体2の口部11よりも上方に配置された本体筒22と、本体筒22に一体に形成され、容器本体2の口部11の内側に嵌合されたシール筒23と、を備え、シール筒23の嵌合によって容器本体2の口部11に装着されている。
周壁部21は、容器本体2の口部11よりも縮径している。周壁部21の下端部には、径方向の外側に向けて突出すると共に、容器本体2の口部11の開口端縁上に配置された環状のフランジ部24が形成されている。
上記シール筒23は、フランジ部24から下方に向けて延びるように形成され、容器本体2の口部11の内側に例えば液密に嵌合されている。よって、吐出部材3は、シール筒23及びフランジ部24を介して容器本体2の口部11に対して高いシール性で装着されている。
頂壁部20の中央部分には、下方に向けて窪む窪み部25が形成されている。この窪み部25は、該窪み部25の底部の位置が頂壁部20とフランジ部24との間に配置される程度、下方に窪んでいる。そして、窪み部25の底部の中央部分には、上方に向けて吐出筒26が突設されている。この吐出筒26の上端には、内容液Wを吐出する吐出孔26aが形成されている。
図示の例の吐出筒26は、窪み部25の底部と一体に形成されていると共に、肉厚が下方から上方に向かうに従い漸次薄くなるように形成されている。また、吐出筒26の高さは、吐出孔26aが頂壁部20よりも下方に位置するように設定されている。これにより、吐出筒26は、全長に亘って周壁部21に囲まれた状態とされている。
なお、窪み部25の底部の中央部分に吐出筒26が形成されているので、吐出筒26と周壁部21との間には全周に亘って隙間が確保されている。
また、窪み部25の底部には、下方に向けて延びる板部材27が形成されている。この板部材27は、一定の厚みを有して径方向に延び、且つ上下方向に延びた縦長の板状に形成されており、上端部が窪み部25の底部に接続され、且つ下端部がシール筒23の下端部よりも上方に位置している。
なお、板部材27の横幅(径方向の長さ)は、周壁部21の内側に接しない程度の長さとされている。なお、図示の例では、板部材27は容器軸Oを挟んで径方向に対向するように2つ配置されている。
周壁部21の外周面には、径方向の外側に向けて膨らむ膨出部28が全周に亘って連続して延びるように形成されている。図示の例の膨出部28は、縦断面視半球状に膨らむように形成されている。
オーバーキャップ4は、容器本体2の口部11に螺着される外筒部30と、外筒部30の上端部に接続された天壁部31と、を有する有頂筒状に形成され、容器本体2の口部11に着脱自在に装着されている。
なお、オーバーキャップ4は、螺着ではなく、例えばアンダーカット嵌合により容器本体2の口部11に対して着脱自在に装着されていても構わない。
天壁部31には、下方に向けて延在する規制突起32が形成されている。規制突起32は、例えば吐出部材3の周壁部21を径方向の外側から囲む筒状に形成され、下端部が吐出部材3のフランジ部24の上面に当接している。これにより、規制突起32は、オーバーキャップ4がこれ以上下方に移動することを規制しており、装着時におけるオーバーキャップ4の装着位置を位置決めしている。なお、規制突起32は、筒状である必要はなく、周方向に間隔をあけて複数配置されていても構わない。
また、天壁部31の中央部分には、吐出部材3の窪み部25内に嵌合する嵌合突起33が下方に向けて突出するように形成されている。この嵌合突起33によって、オーバーキャップ4の装着時、窪み部25内はシールされている。
(吐出容器の使用)
次に、上述したように構成された吐出容器1を使用して、内容液Wを図示しない吐出対象物に吐出する場合について説明する。
まず、まとまった量の内容液Wを吐出する場合について説明する。
この場合には、オーバーキャップ4を取り外した後、図3に示すように、容器本体2及び吐出筒26を斜め下向きに傾けた状態で、容器本体2の胴部10を容器内側に押圧して弾性変形させる。なお、容器本体2を斜め下向きに傾けることで、吐出容器1における上下が反転することとなり、容器軸O方向に沿った容器本体2側が上側となり、その反対側が下側となる。
胴部10を弾性変形させることで容器本体2内の圧力が上昇するので、吐出孔26aを通じて内容液Wを吐出筒26の外部に吐出させることができる。このとき、吐出孔26aの下方に周壁部21が位置した状態となっているので、吐出孔26aから吐出した内容液Wは自重によって周壁部21側に伝わり、周壁部21の外周面に形成された膨出部28の表面に沿って流れながら1カ所(膨出部28のうち最も下側に位置する部分)に集まりだす。これにより、内容液Wを徐々に液滴状にすることができる。そして、液滴状となった内容液Wの自重が、内容液Wと膨出部28の表面との間に作用する表面張力を上回ると、液滴が落下する。その結果、液滴を吐出対象物に対して滴下でき、この滴下によって内容液Wの吐出を行える。
特に、膨出部28は、径方向の外側に縦断面視半球状に膨らんで表面積が大きく確保されているので、内容液Wと膨出部28の表面との間に作用する表面張力を大きくすることができ、液滴を大きくすることができる。よって、まとまった量の内容液Wを吐出でき、多量吐出を行える。
次いで、少量の内容液Wを吐出する場合について説明する。
この場合には、図4に示すように、吐出孔26aを真下に向けた状態で容器本体2の胴部10を容器内側に押圧して弾性変形させ、吐出孔26aを通じて内容液Wを吐出筒26の外部に吐出させる。このとき、吐出孔26aの下方には周壁部21が位置していないので、吐出孔26aから吐出された内容液Wは周壁部21に伝わり難い。しかも、吐出筒26と周壁部21との間には隙間が形成されているので、より一層内容液Wが周壁部21に伝わり難い。
従って、吐出孔26aの出口位置で内容液Wを液滴状にすることができ、吐出対象物に滴下によって吐出することができる。特に、この場合における表面張力は、表面積の大きい膨出部28を利用する場合に比べて小さいので液滴を小さくすることができる。従って、内容液Wの少量吐出を行える。
このように、内容液Wの少量吐出及び多量吐出をそれぞれ任意に行うことができると共に、吐出筒26の姿勢を変化させるだけの簡便な操作で、少量吐出と多量吐出との切り替えを容易に行うことができる。従って、2通りの吐出形態を任意に選択しながら吐出を行うことができ、使い易く利便性に優れている。
なお、吐出部材3には、2つの板部材27が設けられているので、吐出を行う際、内容液Wの流れに変化を付けることができ、内容液Wが直接的に吐出孔26aに向かうことを抑制することが可能である。従って、内容液Wが勢いよく吐出孔26aから吐出されてしまうことを抑制でき、特に少量吐出を行う場合に、所望する量の内容液Wを吐出し易くなる。
また、吐出筒26の肉厚が吐出孔26aに向かうに従い漸次薄くなっているので、内容液Wの吐出を停止した際の液切れをよくすることができ、使い易い。
なお、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、吐出孔26aが頂壁部20よりも下方に位置するように吐出筒26の高さを設定したが、この場合に限定されるものではなく、吐出孔26aの位置が頂壁部20の高さと同程度であっても構わないし、吐出孔26aの位置が頂壁部20よりも上方に位置していても構わない。吐出孔26aの位置が頂壁部20よりも上方に位置していたとしても、多量吐出を行う際、容器本体2及び吐出筒26の傾きを調整することで、内容液Wを吐出筒26から周壁部21側に伝わらせることが可能である。
また、膨出部28の形状を縦断面視半球状に形成したが、この場合に限定されるものではなく、径方向の外側に膨らんでいれば良く、自由に設計して構わない。
例えば、図5に示すように、周壁部21の外周面から径方向の外側に向けて、周リブのように膨らんだ膨出部40としても良い。この場合であっても、図6に示すように、膨出部40を利用して内容液Wの液滴サイズを大きくすることができ、多量吐出を行うことができる。
加えて、図7に示すように、周壁部21の外周面のうち、膨出部40を含んだ上端部側を、他の部分よりも表面粗さが粗い粗面41とすることが好ましい。この場合には、膨出部40の表面積をさらに増大することができ、多量吐出を行う際に、液滴のサイズをより大きくし易い。従って、さらにまとまった量の内容液Wを吐出することが可能である。
なお、粗面41とする場合には、例えばシボ加工等の機械加工による表面処理や、化学処理等による表面処理等が挙げられるが、その方法は特に限定されるものではない。
W…内容液
2…容器本体
3…吐出部材
11…容器本体の口部
20…頂壁部
21…周壁部
22…本体筒
25…窪み部
26…吐出筒
26a…吐出孔
28、40…膨出部
41…粗面

Claims (3)

  1. 頂壁部、及び前記頂壁部の外周縁から下方に向けて延びる周壁部を有する有頂筒状に形成され、内容液が収容された容器本体の口部に装着される本体筒を備え、
    前記頂壁部には、下方に向けて窪む窪み部が形成され、
    前記窪み部の底部には、前記内容液を吐出する吐出孔が上端に形成された吐出筒が上方に向けて突設され、
    前記周壁部の外周面には、径方向の外側に向けて膨らむ膨出部が全周に亘って連続して延びるように形成されていることを特徴とする吐出部材。
  2. 請求項1に記載の吐出部材において、
    前記吐出筒は、肉厚が下方から上方に向かうに従い漸次薄くなっていることを特徴とする吐出部材。
  3. 請求項1又は2に記載の吐出部材において、
    前記膨出部は、他の部分よりも粗面であることを特徴とする吐出部材。
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