以下、本発明の一実施形態に係る画像読取装置及び画像形成装置について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像読取装置を備えた画像形成装置の構造を示す正面断面図である。画像形成装置1は、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、およびファクシミリ機能等の複数の機能を兼ね備えた複合機である。画像形成装置1は、本発明の一実施形態に係る画像読取装置を備えている。画像形成装置1は、装置本体11に、画像形成部12、定着部13、給紙部14、用紙排出部15、原稿搬送部6、及び画像読取部5等を備えて構成されている。
装置本体11は、下部本体111と、この下部本体111の上方に対向配置された上部本体112と、この上部本体112と下部本体111との間に設けられた連結部113とを備えている。上部本体112には、画像読取部5及び原稿搬送部6が設けられている。
画像読取部5は、上部本体112の上面開口に装着された、原稿を載置するためのコンタクトガラス161と、このコンタクトガラス161に載置された原稿を押さえる開閉自在の原稿押さえカバー162と、コンタクトガラス161に載置された原稿の画像を読み取る読取機構163とを備えている。読取機構163は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサーを用いて原稿の画像を光学的に読み取り、画像データを生成する。読取機構163は、後述する各レギュレーターから供給される電源により駆動される。
原稿搬送部6は、給紙ローラー及び搬送ローラーの駆動により、原稿載置部61に載置された原稿を1枚ずつ繰り出して原稿読取スリット53に対向する位置へ搬送し、原稿読取スリット53を介して画像読取部5の読取機構163による読取を可能とした後、原稿排出部66へと排出する。なお、このように原稿搬送部6によって搬送される原稿を読み取る設定の場合、読取機構163は、原稿読取スリット53の下方に位置し、原稿読取スリット53を介して、原稿搬送部6によって搬送されてくる原稿を読み取る。
下部本体111には、画像形成部12、定着部13および給紙部14が内装されている。給紙部14は、装置本体11に対して挿脱可能の給紙カセット142,143,144を有している。
画像形成部12は、給紙部14から給紙された記録紙にトナー像を形成する画像形成動作を行う。画像形成部12は、中間転写ベルト125の走行方向において上流側から下流側へ向けて順次配設された、マゼンタ色のトナーを用いるマゼンタ用の画像形成ユニット12M、シアン色のトナーを用いるシアン用の画像形成ユニット12C、イエロー色のトナーを用いるイエロー用の画像形成ユニット12Yおよびブラック色のトナーを用いるブラック用の画像形成ユニット12B(以下、各画像形成ユニットを区別することなく述べる場合には、それぞれを「画像形成ユニット120」と言う)と、駆動ローラー125a(二次転写対向ローラー)等の複数のローラー間に画像形成における副走査方向へ無端走行可能に張架された中間転写ベルト125と、中間転写ベルト125が駆動ローラー125aに張架される部分で中間転写ベルト125の外周面に当接する二次転写ローラー210とを備えている。
各画像形成ユニット120は、感光体ドラム121と、感光体ドラム121へトナーを供給する現像装置122と、トナーを収容するトナーカートリッジ(不図示)と、帯電装置123と、露光装置124と、一次転写ローラー126と、ドラムクリーニング装置127とをそれぞれ一体的に備えている。
感光体ドラム121は、その周面に静電潜像およびこの静電潜像に沿ったトナー像を形成する。現像装置122は、感光体ドラム121へトナーを供給する。各現像装置122には、前記トナーカートリッジからトナーが適宜補給される。
帯電装置123は、感光体ドラム121の直下位置に設けられている。帯電装置123は、各感光体ドラム121の周面を一様に帯電させる。
露光装置124は、感光体ドラム121の下方位置であって、帯電装置123の更に下方位置に設けられている。露光装置124は、コンピューター等から入力された画像データや画像読取部5が取得した画像データに基づく各色に対応したレーザ光を、帯電後の感光体ドラム121の周面に照射し、各感光体ドラム121の周面に静電潜像を形成する。露光装置124は、いわゆるレーザ露光装置であり、レーザビームを出力するレーザ光源と、当該レーザビームを感光体ドラム121表面に向けて反射させるポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム121に導くためのレンズやミラー等の光学部品を備えている。
現像装置122は、矢印の方向へ回転する感光体ドラム121の周面の静電潜像にトナーを供給して当該トナーを積層させ、感光体ドラム121の周面に前記画像データに応じたトナー像を形成する。
中間転写ベルト125は、各感光体ドラム121の上方位置に配置されている。中間転写ベルト125は、図1における左側の駆動ローラー125aと、同図の右側の従動ローラー125bとの間に無端走行可能に張架され、下方の外周面が各感光体ドラム121の周面に当接している。従動ローラー125bは、駆動ローラー125aに対向する位置に設けられて、中間転写ベルト125の無端走行に伴って従動回転する。中間転写ベルト125は、その外周面にトナー像が転写される像担持面が設定され、感光体ドラム121の周面に当接した状態で駆動ローラー125aによって駆動される。中間転写ベルト125は、各感光体ドラム121と同期しながら、駆動ローラー125aと従動ローラー125bとの間を無端走行する。
中間転写ベルト125を挟んで各感光体ドラム121に対向する位置には、一次転写ローラー126が設けられている。この一次転写ローラー126には、図略の転写バイアス印加機構により転写バイアスが印加され、一次転写ローラー126は、各感光体ドラム121の外周周面に形成された上記トナー像を中間転写ベルト125の表面に転写させる。
制御部100(図2)は、各色の毎に一次転写ローラー126及び画像形成ユニット120を駆動制御して、中間転写ベルト125の表面に、マゼンタ用の画像形成ユニット12Mにより形成されたマゼンタのトナー像の転写と、次いで中間転写ベルト125の同一位置にシアン用の画像形成ユニット12Cにより形成されたシアンのトナー像の転写と、次いで中間転写ベルト125の同一位置にイエロー用の画像形成ユニット12Yにより形成されたイエローのトナー像の転写と、最後のブラック用の画像形成ユニット12Bにより形成されたブラックのトナー像の転写とを、各色のトナー像が重なり合うように行わせ、これによりカラーのトナー像を中間転写ベルト125の表面に形成させる(中間転写(一次転写))。
二次転写ローラー210は、図略の転写バイアス印加機構により転写バイアスが印加されている。二次転写ローラー210は、中間転写ベルト125の表面に形成されたカラーの上記トナー像を、給紙部14から搬送されてきた記録紙に転写させる。二次転写ローラー210は、前記トナー像が記録紙に二次転写されるニップ部Nを、中間転写ベルト125を挟んで駆動ローラー125aとの間に形成する。用紙搬送路190を搬送される記録紙は、ニップ部Nにおいて中間転写ベルト125と二次転写ローラー210とに押圧挟持され、ここにおいて中間転写ベルト125上のトナー像が記録紙に二次転写される。
ドラムクリーニング装置127は、各感光体ドラム121の図1で左方位置に設けられ、感光体ドラム121の周面の残留トナーを除去してクリーニングする。
画像形成部12に対して図1での左方位置には、上下方向に延びる用紙搬送路190が形成されている。用紙搬送路190には、適所に搬送ローラー対192が設けられている。搬送ローラー対192は、給紙部14から繰り出された記録紙を、ニップ部N及び定着部13に向けて搬送する。すなわち、当該適所に配置された搬送ローラー対192からなる搬送機構により記録紙が搬送される。
定着部13は、内部に加熱源である通電発熱体を備えた加熱ローラー132と、加熱ローラー132に対向配置された加圧ローラー134とを備えている。定着部13は、画像形成部12で転写された記録紙上のトナー像に対し、記録紙が加熱ローラー132と加圧ローラー134との間の定着ニップ部を通過する間に、加熱ローラー132から熱を与えて定着処理を施す。定着処理の完了したカラー画像形成済みの記録紙は、定着部13の上部から延設された排紙搬送路194を通って、下部本体111の頂部に設けられた排出トレイ151へ向けて排出される。
給紙部14は、装置本体11の図1における右側壁に開閉自在に設けられた手差しトレイ141と、給紙カセット142,143,144とを備えている。給紙カセット142,143,144の上方に設けられたピックアップローラー145は、給紙カセット142,143,144に収容された用紙束の最上位の記録紙を用紙搬送路190へ向けて繰り出す。
用紙排出部15は、下部本体111と上部本体112との間に形成されている。用紙排出部15は、下部本体111の上面に形成された排出トレイ151を備える。排出トレイ151は、画像形成部12でトナー像が形成された記録紙が、定着部13で定着処理が施された後に排出されるトレイである。
次に、画像形成装置1の構成を説明する。図2は画像形成装置1の主要内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。
画像形成装置1は、制御ユニット10を備える。制御ユニット10は、CPU(Central Processing Unit)、RAM、ROM及び専用のハードウェア回路等から構成され、画像形成装置1の全体的な動作制御を司る。
制御ユニット10は、画像読取部5、原稿搬送部6、画像処理部31、画像メモリー32、画像形成機構40、操作部47、ファクシミリ通信部71、ネットワークインターフェイス部91、HDD(ハードディスクドライブ)92等と接続されている。制御ユニット10は、接続されている上記各機構の動作制御や、各機構との間での信号又はデータの送受信を行う。
制御ユニット10は、上述した画像形成装置1の全体的な動作制御を司る。制御ユニット10が備える制御部100は、ユーザーから操作部47又はネッワーク接続されたパーソナルコンピューター等を通じて入力されるジョブの実行指示に従って、スキャナー機能、プリンター機能、コピー機能及びプリンター機能の各機能についての動作制御を実行するために必要な各機構部の駆動及び処理を制御する。
画像読取部5は、制御部100による制御の下、画像照射ランプ及びCCD(電荷結合素子:Charge Coupled Device)センサーを有する上記の読取機構163からなるスキャナー51を備える。画像読取部5は、画像照射ランプにより原稿を照射し、その反射光をCCDセンサーで受光することにより、原稿から画像を読み取る。
画像処理部31は、画像読取部5で読み取られた画像の画像データを必要に応じて画像処理する。例えば、画像処理部31は、画像読取部5により読み取られた画像が画像形成部12により画像形成された後の品質を向上させるために、シェーディング補正等の予め定められた画像処理を行う。
画像メモリー32は、画像読取部5による読取で得られた原稿画像のデータを一時的に記憶したり、画像形成部12のプリント対象となるデータを一時的に保存する領域である。
画像形成機構40は、上述した画像形成部12、定着部13、及び、搬送ローラー対192等により構成される用紙搬送機構411を備える。画像形成機構40は、画像読取部5で読み取られた画像データ等の画像形成を行う。
操作部47は、画像形成装置1が実行可能な各種動作及び処理についてユーザーからの指示を受け付けるタッチパネル部及び操作キー部を備える。タッチパネル部は、タッチパネルが設けられたLCD(Liquid Crystal Display)等の表示部473を備えてなる。
ファクシミリ通信部71は、図略の符号化/復号化部、変復調部及びNCU(Network Control Unit)を備え、公衆電話回線網を用いてのファクシミリの送信を行うものである。
ネットワークインターフェイス部91は、LANボード等の通信モジュールから構成され、当該ネットワークインターフェイス部91に接続されたLAN等を介して、ローカルエリア内の装置(パーソナルコンピューター等)と種々のデータの送受信を行う。
HDD92は、画像読取部5によって読み取られた原稿画像等を記憶する大容量の記憶装置である。
また、制御ユニット10は、更に、切替制御部101及び判断部102を備えている。制御ユニット10は、内蔵する上記ROM等に記憶されている動作制御プログラムに従って、これら各部として機能してもよいし、上記各部をそれぞれにハードウェア回路による備えていてもよい。
切替制御部101は、画像読取部5に供給する電源を、後述するスイッチングレギュレーター又はリニアレギュレーターのいずれかに切り替える切替制御を行う。例えば、切替制御部101は、後述する電源供給制御用の基準板を画像読取部5が読み取るときには、スイッチングレギュレーターから画像読取部5に電源が供給されるように切替を行う。なお、スイッチングレギュレーター及びリニアレギュレーターは、画像形成装置1が備える電源安定回路である。
判断部102は、切替制御部101の切替制御でスイッチングレギュレーターを電源とした画像読取部5による上記電源供給制御用の基準板の読取動作で得た画像データが、予め定められた一定範囲内の値に収まっているか否かを判断する。この予め定められた一定範囲とは、上記電源供給制御用の基準板を、画像形成装置1が備える電源回路を用いて、スイッチングレギュレーター203(図4)のリップル、スパイクノイズ等の影響を受けることなく、画像読取部5が読み取った場合に得られる画像データの各値が分布すると想定される範囲である。当該予め定められた一定範囲は、画像読取装置及び画像形成装置1の工場出荷前に製造者等により、判断部102が備えるメモリー等に予め設定される。
次に、画像読取部5及び原稿搬送部6の構成を説明する。図3は画像読取部5及び原稿搬送部6の概略構成を示す概略断面図である。
画像読取部5は、コンタクトガラス161に載置された原稿、又は原稿搬送部6によって搬送される原稿を読み取る。
画像読取部5が原稿搬送部6によって搬送される原稿を読み取る場合、原稿搬送部6では、制御部100の制御に従って、一対に配設された給紙ローラー613と分離コロ617とにより、原稿載置部61に載置された複数の原稿から順に一枚の原稿が分離され、この原稿は、一対のレジストローラー615により、原稿押さえ部材619のシェーディング用である白色の標準基準板81とコンタクトガラス161との間に設定された原稿読取位置としての原稿読取スリット53に搬送される。
原稿が原稿読取スリット53を移動するとき、読取機構163によって、原稿の原稿読取スリット53に面する側の画像が読み取られる。このとき、まず、制御部の制御に従って露光ランプ26が発光し、この露光ランプ26の光が、原稿読取スリット53に配されたコンタクトガラス161部分を透過して原稿に照射される。その結果、原稿読取スリット53の位置における原稿の反射光がコンタクトガラス161を通して第1ミラー21に入射する。当該入射光は、第2ミラー22、第3ミラー23及びレンズ系24を通過した後、CCD撮像素子25へ入射する。
CCD撮像素子25は、制御部100の制御に従って動作し、入射光を電気信号へ変換する。CCD撮像素子25は、主走査方向に配列しており、主走査方向の1ライン分の画像データを同時に取得する。なお、CCD撮像素子25は、複数ライン分の画像データを同時に取得可能なように、複数列が配置されていても良い。CCD撮像素子25によって取得された画像データは、図略の処理回路によって増幅及びデジタル信号化された後に、さらにシェーディング補正、ガンマ補正、色収差補正、MTF(Modulation Transfer Function)補正及びスキャナー色補正等の様々な画像処理が画像処理部31によって施される。そして、画像処理された画像データは、画像メモリー32に一時的に記憶される。
原稿読取スリット53を通過した原稿Sは、制御部100の制御に従って一対の排紙ローラー618により原稿排出部66に排出される。
原稿押さえ部材619には、シェーディング用の標準基準板81が取り付けられている。標準基準板81は、画像処理部31によるシェーディング補正の対象とする読取画像データを得るために用いられる白色の帯板状部材である。標準基準板81の白色面は、全体が一様な輝度分布を有する。標準基準板81は、読取機構163の主走査方向(図3において紙面の奥行方向)に延び、原稿押さえ部材619の原稿読取スリット53に対向する面に取り付けられている。
シェーディング補正時には、制御部100が画像読取部5の読取機構163を、原稿読取スリット53の下方であって標準基準板81に対向する位置に移動させ、この位置において、読取機構163に、上記白色の標準基準板81を読み取らせる。画像処理部31は、この読取機構163による読取で得られた白色の標準基準板81の読取画像データを用いて、画像読取部5(読取機構163)についての主走査方向における全画素に対する変換特性を求める。画像処理部31は、当該変化特性を用いて、画像読取部5による原稿の読取が行われた場合に、当該読取で得られた画像データの示す画像が、一様な明るさの画像になるように輝度を補正するシェーディング補正を行う。画像読取部5による原稿の読取で得られた画像データに対しては、画像処理部31によって当該シェーディング処理が行われる。
さらに、この標準基準板81に隣接して、電源供給制御用の基準板(特許請求の範囲における基準板の一例)80が原稿押さえ部材619に取り付けられている。この電源供給制御用の基準板80も、読取機構163の主走査方向に延び、原稿押さえ部材619の原稿読取スリット53に対向する面に取り付けられている。電源供給制御用の基準板80は、中間階調色(特許請求の範囲における予め定められた色調の一例)からなる帯板状部材である。電源供給制御の実行時には、制御部100が読取機構163を、原稿読取スリット53の下方であって電源供給制御用の基準板80に対向する位置に移動させ、この位置において、制御部100が、切替制御部101による切替制御でスイッチングレギュレーターが電源とされた画像読取部5(読取機構163)に、上記電源供給制御用の基準板80を読み取らせる。この読取動作で得た画像データは、判断部102による上記予め定められた一定範囲内の値であるか否かの判断に用いられる。
次に、画像読取装置及び画像形成装置における電源供給制御回路を説明する。図4は電源供給制御回路を示すブロック図である。なお、図2で示した各機構と同様の機構は同一符号を付している。
画像形成装置1は、上述した各構成に加えて、更に、24V電源回路201と、3.3V電源回路202と、リニアレギュレーター204と、スイッチングレギュレーター203とを備えている。
リニアレギュレーター204及びスイッチングレギュレーター203は、出力される電圧・電流を常に一定に保つように制御する電源安定回路である。リニアレギュレーター204は、スイッチングレギュレーター203と比較して、電力変換効率が悪いが、リップルやノイズが少なく理想的な電源が得られる。リニアレギュレーター204は、24V電源回路201からスイッチSW1及びスイッチSW3を介して供給される直流電圧24Vを直流電圧10Vに変換して出力する。なお、リニアレギュレーター204が上記変換により出力する電圧は、上記10Vに限られず、適宜変更が可能である。
スイッチングレギュレーター203は、リニアレギュレーター204と比較して、電力変換効率が良く発熱が少ないが、スイッチングノイズがあるためノイズ対策が必要であり、リップルが比較的多い。スイッチングレギュレーター203は、24V電源回路201からスイッチSW1及びスイッチSW2を介して供給される直流電圧24Vを直流電圧10Vに変換して出力する。なお、スイッチングレギュレーター203が上記変換により出力する電圧は、上記10Vに限られず、適宜変更が可能である。
リニアレギュレーター204及びスイッチングレギュレーター203は、24V電源回路201に繋がる配線を有しており、24V電源回路201と、リニアレギュレーター204及びスイッチングレギュレーター203との間には、スイッチSW1が設けられている。スイッチSW1は、24V電源回路201に対するリニアレギュレーター204及びスイッチングレギュレーター203の接続及び非接続を切り替える。
リニアレギュレーター204およびスイッチングレギュレーター203は、上記の出力電圧10Vを、例えば、画像読取部5、画像処理部31のアナログ処理回路等に供給する。
スイッチSW1及びスイッチングレギュレーター203間を繋ぐ配線上には、スイッチSW2が設けられている。スイッチSW2は、スイッチSW1とスイッチングレギュレーター203との接続及び非接続を切り替える。
スイッチSW1及びリニアレギュレーター204間を繋ぐ配線上にスイッチSW3が設けられている。スイッチSW3は、スイッチSW1とリニアレギュレーター204との接続及び非接続を切り替える。
スイッチSW1〜SW3は、判断部102の判断結果に従って切替制御部101が出力するスイッチオン信号又はスイッチオフ信号に応じて切り換えられる。
24V電源回路201は、商用電源Eから供給される交流電圧100Vを直流電圧24Vに変換して出力する定電圧回路である。24V電源回路201は、出力電圧24Vを3.3V電源回路202に供給する一方、出力電圧24VをスイッチSW1及びスイッチSW2を介してスイッチングレギュレーター203に供給し、出力電圧24VをスイッチSW1及びスイッチSW3を介してリニアレギュレーター204にも供給する。なお、商用電源Eと24V電源回路201との間には、当該経路の遮断および接続を切り換える電源スイッチが設けられているが、後に示す画像読取装置及び画像形成装置1による電源供給制御は、当該電源スイッチが常にオン状態になっていることを前提とするため、図示を省略する。
3.3V電源回路202は24V電源回路201から供給される直流電圧24Vを直流電圧3.3Vに変換して出力する定電圧回路である。3.3V電源回路202は、出力電圧3.3Vを制御ユニット10及び操作部47など制御回路系に供給する。
なお、本発明の一実施形態に係る画像読取装置は、スイッチングレギュレーター203と、リニアレギュレーター204と、電源供給制御用の基準板80と、画像読取部5と、制御部100と、切替制御部101と、判断部102と、画像処理部31とを備えてなる。但し、本発明に係る画像読取装置を、電源供給制御時に、後述するシェーディング補正を行わないものとする場合は、本発明に関しては、シェーディング補正を行う画像処理部31は必須の構成要素でなくてよい。
次に、画像読取装置及び画像形成装置1における画像読取部5への電源供給制御時の処理を説明する。図5は電源供給制御時の処理を示すフローチャートである。図6(A)はスキャナー51による主走査方向の各位置における出力値を示す図、(B)はスキャナー51による主走査方向の各位置におけるシェーディング補正後の出力値を示す図である。図7は基準板の明度に応じたスキャナー51の出力値の変化をグラフで示す図である。図8は基準板の明度に応じたスキャナー51の出力値であってγ補正前後の変化をグラフで示す図である。なお、図6(A)(B)では、縦軸を明るさ(輝度)レベルを示し、横軸を主走査方向位置を示す。
画像読取部5への電源供給制御は、予め定められたタイミングの到来時に行われる。制御部100は、電源供給制御を行う予め定められたタイミングが到来したか否かを判断する(S1)。この予め定められたタイミングとは、画像読取部5が動作していない時など、ユーザーから入力されたジョブが実行されていない空き時間等である。また、当該予め定められたタイミングは、ユーザーによる操作部47の操作等で画像読取指示(スキャン動作の実行指示に止まらず、コピー動作指示、ファクス動作等の画像読取部5による読取動作を伴う他の指示も含む)が入力され、当該画像読取指示に従って画像読取部5に読取動作を行わせる場合に、当該読取動作の直前としてもよい。
制御部100が、上記予め定められたタイミングが到来したと判断した場合(S1でYES)、切替制御部101が、スイッチSW1をオン状態とし、スイッチSW2をオン状態として、スイッチングレギュレーター203から画像読取部5に電源が供給される状態とする(S2)。
そして、制御部100は、スイッチングレギュレーター203が電源とされた画像読取部5を駆動制御して、当該画像読取部5に電源供給制御用の基準板80を読み取らせる(S3)。画像処理部31は、画像読取部5による当該読取動作で得られた画像データに対してシェーディング補正を行う(S4)。
続いて、判断部102は、当該画像読取部5による読取動作で得られた画像データが、上述した予め定められた一定範囲内であるか否かを判断する(S5)。
なお、上記画像読取部5による電源供給制御用の基準板80の読取では、画像読取部5のスキャナー51による1ラインの出力値(読取データ)は、例えば、図6(A)に示すように、主走査方向の各位置における明るさのレベルが主走査方向の両端部において低い状態で分布し、判断部102による予め定められた値の範囲内であるか否かの判断が困難である。このため、当該スキャナー51の出力値(読取データ)に対して画像処理部31によるシェーディング補正を行い、図6(B)に示すように、明るさのレベルを主走査方向において均一な状態とした上で、判断部102による上記判断を行う。また、これにより、画像形成装置1において実際の読取画像データや画像形成用の画像データとして用いられるデータ内容に現れるスイッチングレギュレーター203のリップル、スパイクノイズ等の影響を明確にした上で、判断部102による上記判断を行うことが可能になる。
なお、電源供給制御用の基準板80は、中間階調の色調からなる読取面を有する。画像読取部5が基準板を読み取る場合、読取対象面の明度に応じて、スキャナー51の出力値(画像)は、図7に例を示すように変化する。すなわち、読取対象面の明度が高い領域及び低い領域では、明度が多少前後しても、スキャナー51の出力値(画像)の変化量は比較的少ない。しかし、読取対象面の明度が中間階調となる領域では、明度の変化に伴うスキャナー51の出力値(画像)の変化量が比較的大きくなる。このため、画像読取部5による読取で得た電源供給制御用の基準板80の画像データには、スイッチングレギュレーター203のリップル、スパイクノイズ等の影響が明確に現れるので、判断部102による上記判断をより正確に行うことが可能である。
また、上記のように、画像読取部5による原稿の読取で得た画像データも、上記図7に示した特性を示すが、当該読取で得た画像データを、画像形成の対象とする場合や、読取画像として保存や送信の対象にする場合は、画像処理部31によるγ補正でリニア特性に変換した画像データを、最終出力画像として用いる(図8)。この場合、図8に示す元のデータを増幅させた領域aにおいて、ノイズが最終出力画像で目立つ場合がある。このため、電源供給制御用の基準板80を、図8に示す領域aに該当する階調、すなわち、γ補正でリニア特性に変換したときに増幅される領域(換言すれば、予め定められた領域の中
間階調及び更に明度が低くなっていく領域)に該当する階調の色調からなるものとしてよい。これにより、判断部102による上記判断をより正確に行うことが可能であり、また、結果的に、最終出力画像において、γ補正でリニア特性に変換したときに増幅される領域に現れる、スイッチングレギュレーター203の影響によるリップル、スパイクノイズ等を要因とするノイズを排除することが可能となる。
続いて、判断部102は、当該スキャナー51の出力値(読取データ)が上記予め定められた一定範囲内に収まっているか否かを判断する(S5)。例えば、上記シェーディング補正により図6(B)に示すスキャナー51の出力値(読取データ)が得られている場合、判断部102は、当該出力値が一定範囲(図6(B)参照。例えば、出力値の平均値に対して±50%の範囲内)内に収まっているか否かを判断する。
ここで、判断部102による上記判断結果が当該スキャナー51の出力値(読取データ)が上記予め定められた一定範囲内に収まっていない、すなわち、上記予め定められた一定範囲から外れていることを示す場合は(S5でNO)、切替制御部101は、スイッチSW1及びスイッチSW3に対してオン信号を出力し、スイッチSW2にはオフ信号を出力して、画像読取部5とリニアレギュレーター204とを接続する状態に各スイッチの状態を切り替え、画像読取部5にリニアレギュレーター204から電源が供給される状態とする(S6)。
一方、切替制御部101は、判断部102による判断結果が当該画像データは上記予め定められた値の範囲内であることを示す場合は(S5でYES)、スイッチSW1及びスイッチSW2に対してオン信号を出力し、スイッチSW3にはオフ信号を出力して、画像読取部5とスイッチングレギュレーター203とが接続された状態に各スイッチの状態を保ち、画像読取部5にスイッチングレギュレーター203から電源が供給される接続を維持する(S7)。
この後、制御部100は、画像読取部5に、ユーザーから入力された画像読取指示の示す内容に従って、原稿の読み取り動作を行なわせる(S8)。なお、S6又はS7の処理の終了時点で、ユーザーから画像読取指示が入力されていない場合は、ユーザーから画像読取指示が入力された時点で、制御部100が画像読取部5に当該原稿読取動作を行なわせる。
制御部100の制御による上記原稿読取動作が終了したと切替制御部101が判断すると(S9でYES)、切替制御部101は、スイッチSW1及びスイッチSW2に対してオン信号を出力し、スイッチSW3にはオフ信号を出力して、画像読取部5とスイッチングレギュレーター203とが接続された状態とし、画像読取部5にスイッチングレギュレーター203から電源が供給される状態とする(S10)。
すなわち、上記処理では、判断部102が、スイッチングレギュレーター203を電源とした画像読取部5による電源供給制御用の基準板80の読取動作で得た画像データが上記予め定められた一定範囲、すなわち予め定められた値の範囲内であるか否かを判断することで(S5)、当該読取動作で得た画像データに、スイッチングレギュレーター203が発生するリップル、スパイクノイズ等が反映されているか否かを判断する。
そして、切替制御部101は、画像データが上記予め定められた一定範囲内ではないと判断された場合には(S5でNO)、画像読取部5が得た画像データにスイッチングレギュレーター203のリップル、スパイクノイズ等の影響が出ているとして、画像読取部5の電源をリニアレギュレーターに切り替え(S6)、画像データが上記予め定められた範囲内であると判断された場合には(S5でYES)、当該影響はないとして、画像読取部5の電源をスイッチングレギュレーター203に維持する(S7)。
これより、本実施形態では、負荷側となる画像読取部5に供給されている電源の品質を、画像読取部5が得た画像データから推定し、当該推定した電源品質に応じて画像読取部5に供給する電源を切り替えるため、実際の読取動作で得られた画像データに反映されているスイッチングレギュレーター203のリップル、スパイクノイズ等の影響を排除可能となる高品質な電源を画像読取部5に供給可能となり、画像読取部5により得た画像データが示す画像品質を向上させることができる。
また、スイッチングレギュレーター203から出力される電圧の波形を直接計測することによっても、スイッチングレギュレーター203のリップル、スパイクノイズ等を検出可能であるが、この場合、当該出力電圧の波形を検出するために、別個に計器を備える必要が生じる。これに対して、本実施形態に係る画像読取装置及び画像形成装置1によれば、別個に計器を備えることなく、スイッチングレギュレーター203のリップル、スパイクノイズ等の影響を排除可能となる高品質な電源を画像読取部5に供給可能であり、画像読取部5により得た画像データが示す画像品質を向上させることができる。
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、図5に示すS4において、画像読取部5による読取で得た画像データに、画像処理部31がシェーディング補正を行い、当該シェーディング補正後の画像データに基づいて、判断部102が上記判断を行うものとしているが、このシェーディング補正を行わず、画像読取部5による読取で得た画像データそのものに基づいて、判断部102が上記判断を行うものとすることも可能である。
また、上記実施形態では、電源供給制御用の基準板80を中間階調の色調からなるものとしているが、電源供給制御用の基準板80は、他の階調からなる色調とすることも可能である。すなわち、特許請求の範囲でいう予め定められた色調は、中間階調とすることが好ましいが、これに限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、電源供給制御用の基準板80を用いた画像読取部5による読取で得た画像データを、上述した判断部102による判断に用いているが、これに代えて、シェーディング用の標準基準板81を画像読取部5により読み取った画像データを用いることも可能である。このとき、露光ランプ26を消灯した状態で画像読取部5が標準基準板81を読み取った画像データを、上述した判断部102による判断に用いる。この場合、標準基準板81の白色が、特許請求の範囲でいう予め定められた色調の一例となり、また、電源供給制御用の基準板80は設けなくて足りる。
また、図1乃至図8を用いて上記各実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。