以下、本発明の一実施形態に係る画像形成装置について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構造を示す正面断面図である。画像形成装置1は、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、およびファクシミリ機能等の複数の機能を兼ね備えた複合機である。画像形成装置1は、装置本体11に、画像形成部12、定着部13、給紙部14、原稿給送部6、及び画像読取部5等を備えて構成されている。
装置本体11は、下部本体111と、この下部本体111の上方に対向配置された上部本体112と、この上部本体112と下部本体111との間に設けられた連結部113とを備えている。上部本体112には、画像読取部5及び原稿給送部6が設けられている。
画像読取部5は、上部本体112の上面開口に装着された、原稿を載置するためのコンタクトガラス161と、このコンタクトガラス161に載置された原稿を押さえる開閉自在の原稿押さえカバー162と、コンタクトガラス161に載置された原稿の画像を読み取る読取機構163とを備えている。読取機構163は、原稿に向けて光を照射する発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を有する光源としての光照射部(光源)と、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサー(変換部)25と、後述する複数のミラー及び集光レンズ等を有して原稿読取スリット53の下方位置とコンタクトガラス161の下方位置である原稿読取位置との間で移動可能な光学系230(図3)とを備え、これらを用いて原稿の画像を光学的に読み取り、画像データを生成する。本実施形態では、読取機構163がCCD方式である場合を例にして説明するが、読取機構163としては、CCD方式及びCIS(Contact Image Sensor)方式のいずれであっても構わない。
原稿給送部6は、給紙ローラー及び搬送ローラーの駆動により、原稿載置部61に載置された原稿を1枚ずつ繰り出して、透明な原稿ガラス531が配設された原稿読取スリット53に対向する位置へ搬送し、原稿読取スリット53を介して画像読取部5の読取機構163による読取を可能とした後、原稿排出部66へと排出する。なお、このように原稿給送部6によって搬送される原稿を読み取る設定の場合、読取機構163は、原稿読取スリット53の下方となる給送原稿読取位置に位置し、原稿ガラス531(図3)を通して、原稿給送部6によって搬送されてくる原稿を読み取る。
下部本体111には、画像形成部12、定着部13および給紙部14が内装されている。給紙部14は、装置本体11に対して挿脱可能の給紙カセット142,143,144を有している。
画像形成部12は、給紙部14から給紙された記録紙にトナー像を形成する画像形成動作を行う。画像形成部12は、中間転写ベルト125の走行方向において上流側から下流側へ向けて順次配設された、マゼンタ色のトナーを用いるマゼンタ用の画像形成ユニット12M、シアン色のトナーを用いるシアン用の画像形成ユニット12C、イエロー色のトナーを用いるイエロー用の画像形成ユニット12Yおよびブラック色のトナーを用いるブラック用の画像形成ユニット12B(以下、各画像形成ユニットを区別することなく述べる場合には、それぞれを「画像形成ユニット120」と言う)と、駆動ローラー125a(二次転写対向ローラー)等の複数のローラー間に画像形成における副走査方向へ無端走行可能に張架された中間転写ベルト125と、中間転写ベルト125が駆動ローラー125aに張架される部分で中間転写ベルト125の外周面に当接する二次転写ローラー210とを備えている。
各画像形成ユニット120は、感光体ドラム121と、感光体ドラム121へトナーを供給する現像装置122と、トナーを収容するトナーカートリッジ(不図示)と、帯電装置123と、露光装置124と、一次転写ローラー126と、ドラムクリーニング装置127とをそれぞれ一体的に備えている。
感光体ドラム121は、その周面に静電潜像およびこの静電潜像に沿ったトナー像を形成する。現像装置122は、感光体ドラム121へトナーを供給する。各現像装置122には、前記トナーカートリッジからトナーが適宜補給される。
帯電装置123は、感光体ドラム121の直下位置に設けられている。帯電装置123は、各感光体ドラム121の周面を一様に帯電させる。
露光装置124は、感光体ドラム121の下方位置であって、帯電装置123の更に下方位置に設けられている。露光装置124は、コンピューター等から入力された画像データや画像読取部5が取得した画像データに基づく各色に対応したレーザ光を、帯電後の感光体ドラム121の周面に照射し、各感光体ドラム121の周面に静電潜像を形成する。露光装置124は、いわゆるレーザ露光装置であり、レーザビームを出力するレーザ光源と、当該レーザビームを感光体ドラム121表面に向けて反射させるポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム121に導くためのレンズやミラー等の光学部品を備えている。
現像装置122は、矢印の方向へ回転する感光体ドラム121の周面の静電潜像にトナーを供給して当該トナーを積層させ、感光体ドラム121の周面に前記画像データに応じたトナー像を形成する。
中間転写ベルト125は、各感光体ドラム121の上方位置に配置されている。中間転写ベルト125は、図1における左側の駆動ローラー125aと、同図の右側の従動ローラー125bとの間に無端走行可能に張架され、下方の外周面が各感光体ドラム121の周面に当接している。従動ローラー125bは、駆動ローラー125aに対向する位置に設けられて、中間転写ベルト125の無端走行に伴って従動回転する。中間転写ベルト125は、その外周面にトナー像が転写される像担持面が設定され、感光体ドラム121の周面に当接した状態で駆動ローラー125aによって駆動される。中間転写ベルト125は、各感光体ドラム121と同期しながら、駆動ローラー125aと従動ローラー125bとの間を無端走行する。
中間転写ベルト125を挟んで各感光体ドラム121に対向する位置には、一次転写ローラー126が設けられている。この一次転写ローラー126には、図略の転写バイアス印加機構により転写バイアスが印加され、一次転写ローラー126は、各感光体ドラム121の外周周面に形成された上記トナー像を中間転写ベルト125の表面に転写させる。
制御部10(図2)は、各色の毎に一次転写ローラー126及び画像形成ユニット120を駆動制御して、中間転写ベルト125の表面に、マゼンタ用の画像形成ユニット12Mにより形成されたマゼンタのトナー像の転写と、次いで中間転写ベルト125の同一位置にシアン用の画像形成ユニット12Cにより形成されたシアンのトナー像の転写と、次いで中間転写ベルト125の同一位置にイエロー用の画像形成ユニット12Yにより形成されたイエローのトナー像の転写と、最後のブラック用の画像形成ユニット12Bにより形成されたブラックのトナー像の転写とを、各色のトナー像が重なり合うように行わせ、これによりカラーのトナー像を中間転写ベルト125の表面に形成させる(中間転写(一次転写))。
二次転写ローラー210は、図略の転写バイアス印加機構により転写バイアスが印加されている。二次転写ローラー210は、中間転写ベルト125の表面に形成されたカラーの上記トナー像を、給紙部14から搬送されてきた記録紙に転写させる。二次転写ローラー210は、前記トナー像が記録紙に二次転写されるニップ部Nを、中間転写ベルト125を挟んで駆動ローラー125aとの間に形成する。用紙搬送路190を搬送される記録紙は、ニップ部Nにおいて中間転写ベルト125と二次転写ローラー210とに押圧挟持され、ここにおいて中間転写ベルト125上のトナー像が記録紙に二次転写される。
ドラムクリーニング装置127は、各感光体ドラム121の図1で左方位置に設けられ、感光体ドラム121の周面の残留トナーを除去してクリーニングする。
画像形成部12に対して図1での左方位置には、上下方向に延びる用紙搬送路190が形成されている。用紙搬送路190には、適所に搬送ローラー対192が設けられている。搬送ローラー対192は、給紙部14から繰り出された記録紙を、ニップ部N及び定着部13に向けて搬送する。すなわち、当該適所に配置された搬送ローラー対192からなる搬送機構により記録紙が搬送される。
定着部13は、内部に加熱源である通電発熱体を備えた加熱ローラー132と、加熱ローラー132に対向配置された加圧ローラー134とを備えている。定着部13は、画像形成部12で転写された記録紙上のトナー像に対し、記録紙が加熱ローラー132と加圧ローラー134との間の定着ニップ部を通過する間に、加熱ローラー132から熱を与えて定着処理を施す。定着処理の完了したカラー画像形成済みの記録紙は、定着部13の上部から延設された排紙搬送路194を通って、下部本体111の頂部に設けられた排出トレイ151へ向けて排出される。
給紙部14は、装置本体11の図1における右側壁に開閉自在に設けられた手差しトレイ141と、給紙カセット142,143,144とを備えている。給紙カセット142,143,144の上方に設けられたピックアップローラー145は、給紙カセット142,143,144に収容された用紙束の最上位の記録紙を用紙搬送路190へ向けて繰り出す。
用紙排出部15は、下部本体111と上部本体112との間に形成されている。用紙排出部15は、下部本体111の上面に形成された排出トレイ151を備える。排出トレイ151は、画像形成部12でトナー像が形成された記録紙が、定着部13で定着処理が施された後に排出されるトレイである。
次に、画像形成装置1の構成を説明する。図2は画像形成装置1の主要内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。
画像形成装置1は、制御部10を備える。制御部10は、CPU(Central Processing Unit)、RAM、ROM及び専用のハードウェア回路等から構成され、画像形成装置1の全体的な動作制御を司る。
制御部10は、画像読取部5、原稿給送部6、画像処理部31、画像メモリー32、画像形成機構40、操作部47、ファクシミリ通信部71、ネットワークインターフェイス部91、HDD(ハードディスクドライブ)92等と接続されている。制御部10は、接続されている上記各機構の動作制御や、各機構との間での信号又はデータの送受信を行う。
制御部10は、ユーザーから操作部47又はネッワーク接続されたパーソナルコンピューター等を通じて入力されるジョブの実行指示に従って、スキャナー機能、プリンター機能、コピー機能及びプリンター機能の各機能についての動作制御を実行するために必要な各機構部の駆動及び処理を制御する。
画像読取部5は、制御部10による制御の下、光照射部及びCCDセンサー等を有する上記の読取機構163を備える。画像読取部5は、光照射部により原稿を照射し、その反射光をCCDセンサーで受光することにより、原稿から画像を読み取る。
画像処理部31は、画像読取部5で読み取られた画像の画像データを必要に応じて画像処理する。例えば、画像処理部31は、画像読取部5により読み取られた画像が画像形成部12により画像形成された後の品質を向上させるために、シェーディング補正等の予め定められた画像処理を行う。
画像メモリー32は、画像読取部5による読取で得られた原稿画像のデータを一時的に記憶したり、画像形成部12のプリント対象となるデータを一時的に保存する領域である。
画像形成機構40は、上述した画像形成部12、定着部13、及び、搬送ローラー対192等により構成される用紙搬送機構411を備える。画像形成機構40は、画像読取部5で読み取られた画像データ等の画像形成を行う。
操作部47は、画像形成装置1が実行可能な各種動作及び処理についてユーザーからの指示を受け付けるタッチパネル部及び操作キー部を備える。タッチパネル部は、タッチパネルが設けられたLCD(Liquid Crystal Display)等の表示部(報知部)473を備えてなる。
ファクシミリ通信部71は、図略の符号化/復号化部、変復調部及びNCU(Network Control Unit)を備え、公衆電話回線網を用いてのファクシミリの送信を行うものである。
ネットワークインターフェイス部91は、LANボード等の通信モジュールから構成され、当該ネットワークインターフェイス部91に接続されたLAN等を介して、ローカルエリア内の装置(パーソナルコンピューター等)と種々のデータの送受信を行う。
HDD92は、画像読取部5によって読み取られた原稿画像等を記憶する大容量の記憶装置である。
第1温度センサー30は、サーミスター等からなり、原稿給送部6により給送される原稿を読取機構163が読み取る位置である原稿読取スリット53の下方位置周辺の温度を検出する。例えば、第1温度センサー30は、原稿読取スリット53の原稿ガラス531の温度を検出するように配設されている。第1温度センサー30は、検出した温度を示す信号を制御部10に送出する。
第2温度センサー33は、サーミスター等からなり、コンタクトガラス161上に載置された原稿を読取機構163が読み取る位置である、コンタクトガラス161の下方位置の周辺温度を検出する。例えば、第2温度センサー33は、コンタクトガラス161の温度を検出するように配設されている。第2温度センサー33は、検出した温度を示す信号を制御部10に送出する。
第3温度センサー34は、サーミスター等からなり、画像形成装置1の周囲環境温度を検出する。例えば、第3温度センサー34は、画像形成装置1の上部本体112の外面部に取り付けられ、画像形成装置1が設置されている周囲環境温度を検出するように配設されている。第3温度センサー34は、検出した温度を示す信号を制御部10に送出する。
次に、画像読取部5及び原稿給送部6の構成を説明する。図3は画像読取部5及び原稿給送部6の概略構成を示す概略断面図である。
画像読取部5は、コンタクトガラス161に載置された原稿、又は原稿給送部6によって搬送される原稿を読み取る。
画像読取部5が原稿給送部6によって搬送される原稿Sを読み取る場合、制御部10の制御により、読取機構163は、原稿読取スリット53の原稿ガラス531の下方位置の給送原稿読取位置(図3に実線で示す位置)に移動する。原稿給送部6では、制御部10の制御に従って、一対に配設された給紙ローラー613と分離コロ617とにより、原稿載置部61に載置された複数の原稿Sから順に一枚の原稿Sが分離され、この原稿Sは、一対のレジストローラー615により、原稿押さえ部材619のシェーディング用である白色の標準基準板81と原稿ガラスとの間となる原稿読取スリット53の位置に搬送される。
原稿Sが原稿読取スリット53を移動するとき、読取機構163によって、原稿読取スリット53の原稿ガラス531側の原稿面の画像が読み取られる。このとき、まず、制御部10の制御により、LEDを有する光照射部26が発光し、この光照射部26の光が、原稿読取スリット53の原稿ガラス531部分を透過して原稿Sに照射される。その結果、原稿読取スリット53の位置にある原稿部分からの反射光が原稿ガラス531を通して第1ミラー21に入射する。当該入射光は、第2ミラー22、第3ミラー23及びレンズ系24を通過した後、イメージセンサー25へ入射する。なお、光照射部26は、主走査方向に延び、複数のLEDが当該主走査方向に並設されている。
イメージセンサー25は、制御部10の制御に従って動作し、上記入射光を電気信号へ変換する。イメージセンサー25は、主走査方向に配列しており、主走査方向の1ライン分の画像データを同時に取得する。なお、イメージセンサー25は、複数ライン分の画像データを同時に取得可能なように、複数列が配置されていてもよい。イメージセンサー25によって取得された画像データは、図略の処理回路によって増幅及びデジタル信号化された後に、さらにシェーディング補正、ガンマ補正、色収差補正、MTF(Modulation Transfer Function)補正及びスキャナー色補正等の様々な画像処理が画像処理部31によって施される。そして、画像処理された画像データは、画像メモリー32に一時的に記憶される。
原稿読取スリット53を通過した原稿Sは、制御部10の制御に従って一対の排紙ローラー618により原稿排出部66に排出される。
一方、画像読取部5が操作者によりコンタクトガラス161上に載置された原稿Sを読み取る場合は、読取機構163の光照射部26及び光学系230は、図3に破線で示す位置P1に移動する。なお、この実施形態では、光照射部26が位置P1に移動した場合、光学系230の位置は元のままである例を示している。読取機構163は、原稿読取開始後、その光照射部26及び光学系230が、位置P1から位置P2まで、図3に示す矢印方向(副走査方向)に移動しながら、コンタクトガラス161に載置された原稿Sの当該コンタクトガラス161に面する側の画像を読み取る。原稿照射及びイメージセンサー25による処理は上記給送原稿読取位置における読取と同様である。
なお、原稿ガラス531とコンタクトガラス161は、それぞれ別個のガラス部材により構成されてもよいし、同一のガラス部材において、その一部が原稿ガラス531とされ、他部がコンタクトガラス161とされるものであってもよい。
次に、画像形成装置1における電源制御系を説明する。図4は画像形成装置1における電源制御系の概略構成を示す図である。画像形成装置1は、更に図3に示す各構成を備えている。
画像形成装置1は、本体用電源101と、スリープ用電源102とを備えている。本体用電源101は、画像形成装置1がコピー機能、スキャン機能、プリンター機能、又はファクス機能を実行するために各動作機構を動作させるとき、すなわち、画像形成装置1が後述する通常動作モードとされているときに、当該各動作機構に電源を供給する。本体用電源101は、商用電源E(AC100V)に接続されている。本体用電源101は、例えば、AC-DCコンバーター等からなり、商用電源から得られる電圧の交流電流を異なる電圧の直流
電流へ変換する。例えば、本体用電源101、商用電源の交流電圧100(V)を直流電圧5(V)又は10(V)に変換して、直流電力を必要とする画像形成装置1内の上記各動作機構に供給する。但し、当該直流電圧は、あくまでも一例であり、この値には限定されない。
スリープ用電源102は、上記各動作機構を休止状態として待機させ、予め限定された動作機構のみ即座に動作可能とされるスリープモードに画像形成装置1が切り換えられているときに、当該制限された動作機構に、制限された電力で電源を供給する。スリープ用電源102は、商用電源E(AC100V)に接続されている。スリープ用電源102は、例えば、AC-DCコンバーター等からなり、商用電源から得られる電圧の交流電流を異なる電圧の直流電流へ変換する。例えば、スリープ用電源102は、商用電源の交流電圧100(V)を直流電圧3.3(V)に変換して、直流電力を必要とする画像形成装置1内の上記制限された各動作機構に、上記制限された電力で直流電力を供給する。また、スリープ用電源102は、スリープ用駆動制御部103に電源を供給する。但し、当該直流電圧は、あくまでも一例であり、この値には限定されない。
電源スイッチ104は、例えばトグルスイッチ等であり、画像形成装置1の主電源をオンオフする主電源スイッチである。電源スイッチ104は、本体用電源101と、電源制御部105とに接続されている。電源スイッチ104は、操作者による操作でスイッチオン状態とされたときに、電源制御部105に対して、当該スイッチオン状態を検出したことを示すスイッチオン検出信号を出力する。すなわち、電源スイッチ104は、画像形成装置1内の上記各動作機構に対して本体用電源101からの電力を供給するか否かの指示を、操作者による当該電源スイッチ104の操作に基づいて受け付ける。
電源制御部105は、CPUを有し、本体用電源101に接続され、当該本体用電源101から供給される電力で駆動する。電源制御部105は、電源スイッチ104からスイッチオン検出信号を受けたときに、本体用電源101から供給される電力を上記各動作機構に供給するように制御を行う。例えば、電源制御部105は、スイッチオン検出信号の有無に応じて電源供給スイッチ107のオン又はオフを切り換える。電源制御部105による制御で電源供給スイッチ107がスイッチオンになると、本体用電源101と制御部10とが接続され、制御部10に本体用電源101から電源が供給される。
スリープ用駆動制御部103は、通常動作モードと、スリープモードとを切り換える制御を行う。通常動作モードとは、画像形成装置1の各動作機構に通常動作を行わせる動作モードである。通常動作モードでの動作時には、本体用電源101から当該各動作機構に電源が供給される。また、スリープモードとは、上記各動作機構を待機状態とし、通常動作モード時の電力よりも低い電力で上記光照射部26を含む予め限定された動作機構のみを動作させる動作モードである。この予め限定された動作機構とは、本実施形態では、通常動作モード時に駆動される上記各動作機構のうち、光照射部26及び表示部473等である。スリープモードでの当該予め限定された動作機構の動作時には、スリープ用電源102から当該予め限定された各動作機構に電源が供給される。なお、本実施形態では、スリープ用駆動制御部103が、特許請求の範囲におけるモード切換制御部及びスリープ用駆動制御部の両方の機能を有する例を示している。
スリープ用駆動制御部103は、スリープモードに切り換えた状態のときに、スリープ用電源102からの電源供給を受ける上記予め限定された動作機構をリモート信号の出力等により駆動制御する。さらに、スリープ用駆動制御部103は、画像形成装置1をスリープモードに切り換える場合には、スリープ用電源102から光照射部26等へ電源を供給させ、本体用電源101を駆動停止させる。また、スリープ用駆動制御部103は、通常動作モードに切り換える場合には、スリープ用電源102から光照射部26等へ電源供給を停止させ、本体用電源101を駆動させる制御を行う。
光照射部26は、スリープ用電源102に接続されている。光照射部26は、スリープ用駆動制御部103による駆動制御により、当該スリープ用電源102から電源の供給を受ける。
光照射部26は、LED部261と、LED駆動部262とを備えている。LED部261は、上述したように、複数のLED素子が主走査方向に並べて配置されてなる。また、LED駆動部262は、スリープ用駆動制御部103又は制御部10からのリモート信号に従って、LED部261の駆動を制御する。
次に、画像形成装置1における光照射部26の駆動制御の第1実施形態を説明する。図5は画像形成装置1における光照射部26の駆動制御の第1実施形態を示すフローチャートである。
画像形成装置1の主電源が投入された後、画像形成装置1が通常動作モードとされて、本体用電源101から上記各動作機構に電源が供給されている状態で、操作者による操作部47、ネットワーク接続されているパーソナルコンピューターからのジョブ受信、又はファクシミリ通信部71によるファクシミリ受信等による当該各動作機構を動作させる指示が、予め定められた期間(任意に設定が可能。例えば、20分間)の間行われていないと、スリープ用駆動制御部103が判断した場合は(S1でYES)、スリープ用駆動制御部103は、画像形成装置1をスリープモードに切り換える(S2)。このとき、スリープ用駆動制御部103は、スリープ用電源102による光照射部26への電源供給を開始させると共に、本体用電源101を駆動停止させる。なお、制御部10は、スリープモードへの切換時には、原稿読取スリット53の下方位置に画像読取部5の光学系を移動させておく。
このスリープモードへの切換後、スリープ用駆動制御部103は、第3温度センサー34から入力される温度検出信号が示す画像形成装置1の周辺温度と、第2温度センサー33から入力される温度検出信号の示すコンタクトガラス161の温度との温度差が、予め定められた温度t1に達しているか否かを判断する(S3)。すなわち、第1実施形態では、コンタクトガラス161の温度を画像読取部5の温度として、光照射部26による光照射の制御を行う。
予め定められた温度t1は、例えば、気温10[℃]の場合に露点2.6[℃]とすると、t1=7.4[℃]とされる。画像形成装置1の製造者により、公知の計算式により求めた露点温度に基づいて、周辺温度に応じた温度t1が予め定め設定されてスリープ用駆動制御部103に記憶される。
ここで、スリープ用駆動制御部103が、上記温度差が予め定められた温度t1に達していると判断した場合には(S3でYES)、スリープ用駆動制御部103は、原稿読取スリット53の下方位置に光学系が位置している画像読取部5のLED駆動部262にLED部261を駆動させて(S4)、LED部261を発光させる。このとき、光照射部26には、スリープ用電源102から電源が供給されている。
この後、スリープ用駆動制御部103は、第3温度センサー34から入力される温度検出信号が示す画像形成装置1の周辺温度と、第2温度センサー33から入力される温度検出信号の示すコンタクトガラス161の温度との温度差が上記予め定められた温度t1未満になったかを判断し(S5)、当該温度差が上記予め定められた温度t1未満になるまで、LED駆動部262にLED部261を駆動させる(S5でNO,S4)。
スリープ用駆動制御部103は、当該温度差が上記予め定められた温度t1未満になったと判断した場合(S5でYES)、操作者による操作部47の操作、ネットワーク接続されたパーソナルコンピューターからのジョブ受信、又はファクシミリ受信等により、画像読取部5による原稿読取動作の実行指示が入力されているか否かを判断する(S6)。
スリープ用駆動制御部103が、原稿読取動作(画像読取動作)の実行指示が入力されていないと判断した場合(S6でNO)、LED部261の発熱により原稿ガラス531及びコンタクトガラス161の両方が結露防止可能な温度に達しているため、スリープ用駆動制御部103は、LED駆動部262にLED部261を駆動停止させて(S7)、LED部261を発光停止させる。この後、処理はS3に戻り、上述したS3乃至S6の処理が繰り返される。
なお、S3において、スリープ用駆動制御部103が、第3温度センサー34から入力される温度検出信号が示す画像形成装置1の周辺温度と、第2温度センサー33から入力される温度検出信号の示すコンタクトガラス161の温度との温度差が、上記予め定められた温度t1に達していないと判断した場合も(S3でNO)、S4及びS5の処理をスキップして、このS6の処理に移る。但し、この場合、LED部261は駆動されていないため、原稿読取動作の実行指示が入力されていないと判断された場合であっても(S6でNO)、LED部261の駆動停止処理(S7)は行わない。
一方、スリープ用駆動制御部103は、原稿読取動作の実行指示が入力されたと判断した場合(S6でYES)、画像形成装置1を通常動作モードに切り換える(S8)。このとき、スリープ用駆動制御部103は、スリープ用電源102から光照射部26への電源供給を停止させる。さらに、スリープ用駆動制御部103は、本体用電源101を駆動開始させる。これにより、制御部10に本体用電源101から電源が供給され、制御部10は、上述した各動作機構である原稿給送部6及び画像読取部5を駆動して、上記の原稿読取動作の実行指示の内容に従って、給送原稿読取位置又は載置原稿読取位置における原稿読取動作を行わせる(S9)。
なお、この後、画像形成装置1の主電源が投入されている間は、S1以降の処理が繰り返される。
また、上記では、光照射部26は、スリープモード時にはスリープ用電源102からの電源供給を受け、通常動作モード時に本体用電源101からの電源供給を受けるものとされているが、これに限られず、光照射部26は、スリープモード時及び通常動作モード時のいずれであっても、本体用電源101からの電源供給を受けずに、スリープ用電源102からの電源供給を受けて駆動するものとしてもよい。この場合、スリープモード時及び通常動作モード時のいずれであっても、スリープ用駆動制御部103は、スリープ用電源102から光照射部26への電源供給を停止させない。
このように、第1実施形態では、スリープ用駆動制御部103が、原稿読取動作の実行指示を受ける前のスリープモード状態の時点から、光照射部26のLED部261を駆動して発光させるため、当該発光によって生じる熱により、原稿ガラス531及びコンタクトガラス161の温度、すなわち、画像読取部5による原稿読取位置周辺の温度を露点温度以上に保つことが可能になり、画像読取部5の周辺での結露を要因とする読取動作の不具合発生を防止できる。
第1実施形態では、光照射部26にスリープ用電源102から電源を供給する構成を採ることにより、画像形成装置1がスリープモードの状態であっても、スリープ用駆動制御部103が光照射部26を駆動して発光させることを可能にしている。光照射部26のLED部261は、消費電力が比較的少ないため、スリープ用電源102からの低電力の電源供給であっても駆動して発光させることが可能である。このため、第1実施形態によれば、比較的発熱量が少ないLED部261であっても、スリープモード状態の時点から発光を開始させることで、結露防止に必要な発熱量を確保できる。さらに、消費電力の少ないLED部261を光源としているため、従来よりも少ない消費電力で結露防止に必要な発熱量を得ることが可能である。
次に、画像形成装置1における光照射部26の駆動制御の第2実施形態を説明する。図6は画像形成装置1における光照射部26の駆動制御の第2実施形態を示すフローチャートである。なお、第1実施形態と同様の処理は説明を省略する。
第2実施形態でも、第1実施形態と同様に、スリープ用駆動制御部103は、画像形成装置1をスリープモードに切り換えた後(S12)、第3温度センサー33から入力される画像形成装置1の周辺温度と、第2温度センサー33から入力される温度検出信号の示すコンタクトガラス161部分の温度との温度差が、上記予め定められた温度t1に達していると判断した場合は(S13でYES)、原稿読取スリット53の下方位置に光学系230が位置している画像読取部5について、LED駆動部262にLED部261を駆動させ(S14)、LED部261を発光させる。
但し、第2実施形態では、この後、スリープ用駆動制御部103は、第3温度センサー33から入力される温度検出信号の示す画像形成装置1の周辺温度と、第1温度センサー30から入力される温度検出信号の示す原稿読取スリット53部分(原稿ガラス531部分)の温度との温度差が上記予め定められた温度t1未満であるかを更に判断する(S15)。スリープ用駆動制御部103は、当該温度差が上記予め定められた温度t1未満であると判断した場合は(S15でYES)、表示部473に、原稿給送部6によって給送される原稿は読み取り可能であり、コンタクトガラス161上に載置された原稿の読み取りは不可能である旨のメッセージを表示させ(S17)、操作者に対して画像形成装置1による原稿読取可不可状態の報知を行う。なお、スリープ用駆動制御部103は、当該温度差が上記予め定められた温度t1未満ではないと判断した場合は(S15でNO)、LED駆動部262にLED部261を駆動させておく(S14)。
上記表示後、原稿読取動作の実行指示の入力があった場合は(S18でYES)、スリープ用駆動制御部103は、操作者からの読取指示を受け付ける当該指示が原稿給送部6によって給送される原稿の読取指示か、コンタクトガラス161上に載置された原稿の読み取り指示かを判別する(S19)。
ここで、スリープ用駆動制御部103が、当該指示が原稿給送部6によって給送される原稿の読取指示であると判別した場合(S19で「給送原稿読取」)、スリープ用駆動制御部103は、画像形成装置1を通常動作モードに切り換え(S20)、原稿給送部6及び画像読取部5に当該読取動作を行わせる(S21)。
また、スリープ用駆動制御部103が、S18において原稿像読取動作の実行指示の入力がないと判断した場合(S18でNO)、及びS19において画像読取指示がコンタクトガラス161に載置された原稿の読取指示であると判別した場合(S19で「載置原稿読取」)には、スリープ用駆動制御部103は、第2温度センサー33及び第3温度センサー33からの温度検出信号に基づいて、周辺温度とコンタクトガラス161の温度との温度差が上記予め定められた温度差t1未満となっているかを判断する(S22)。
ここで、スリープ用駆動制御部103が、周辺温度とコンタクトガラス161の温度との温度差が予め定められた温度差t1未満にはなっていないと判断した場合は(S22でNO)、処理をS14に戻し、スリープ用駆動制御部103は、LED駆動部262にLED部261の駆動を続け、LED部261を発光させておく。以下、S15以降の処理が繰り返される。
一方、スリープ用駆動制御部103が、周辺温度とコンタクトガラス161の温度との温度差が予め定められた温度差t1未満になっていると判断した場合は(S22でYES)、スリープ用駆動制御部103は、表示部473に、原稿給送部6によって給送される原稿の読み取りと、コンタクトガラス161上に載置された原稿の読み取りの両方が可能である旨のメッセージを表示させる(S23)。
S23の表示後、スリープ用駆動制御部103が、原稿読取動作の実行指示の入力があったと判断した場合は(S24でYES)、スリープ用駆動制御部103は、当該操作者からの指示が原稿給送部6によって給送される原稿の読取指示であっても、コンタクトガラス161上に載置された原稿の読み取り指示であっても、画像形成装置1を通常動作モードに切り換え(S20)、画像読取部5と必要であれば原稿給送部6に当該読取動作を行わせる(S21)。
なお、S19において画像読取指示がコンタクトガラス161に載置された原稿の読取指示であると判別した場合(S19で「載置原稿読取」)に、S22において、周辺温度とコンタクトガラス161の温度との温度差が予め定められた温度差t1未満になっていると判断された場合は(S22でYES)、S23及びS24の処理は不要であり、S20の処理に移る。
また、S13において、スリープ用駆動制御部103が、画像形成装置1の周辺温度と、コンタクトガラス161部分の温度との温度差が、上記予め定められた温度t1に達していないと判断した場合も(S13でNO)、処理はS24に移る。
なお、S23の表示後、スリープ用駆動制御部103が、原稿読取動作の実行指示の入力がないと判断した場合は(S24でNO)、LED部261の発熱により原稿ガラス531及びコンタクトガラス161の両方が結露防止可能な温度に達しているため、スリープ用駆動制御部103は、LED駆動部262にLED部261を駆動停止させて(S25)、LED部261を発光停止させる。この後、処理はS13に戻り、上述したS13以降の処理が繰り返される。
この第2実施形態によれば、結露を防止して正常な原稿読取が可能となるタイミングの判断を、コンタクトガラス161に載置された原稿読取に加えて、原稿給送部6により給送される原稿の読取についても、それぞれ正確に行うことができる。このため、上記LED部261の発熱により載置原稿読取位置部分よりも早期に温度が上昇する給送原稿読取位置での原稿読取を許可するタイミングを正確に判断して、給送原稿読取位置での原稿読取動作を早期に可能にすることができる。これにより、給送原稿読取位置及び載置原稿読取位置のいずれにおいても結露を要因とする原稿読取の失敗を防止しつつ、給送原稿読取位置での原稿読取動作を早期に可能にすることができる。
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記各実施形態では、画像形成装置1がスリープモードに切り換えられている状態のときであって、画像形成装置1の周囲温度と画像読取部5の温度との温度差が上記予め定められた温度差t1以上である場合に、スリープ用駆動制御部103が光照射部26を駆動し、LED部261発光させて発熱させるが、これに代えて、又はこれと共に、スリープ用駆動制御部103は、操作部47の操作等により操作者から指定されたタイミングでLED部261を発光させるものとしてもよい。例えば、操作者が操作部47を操作して所望の時刻を入力すると、スリープ用駆動制御部103が当該時刻を受け付け、内蔵する計時タイマにより当該時刻が計時された時に、光照射部26を駆動し、LED部261を発光させて発熱させてもよい。これにより、例えば、画像形成装置1が設置されている場所が事業所等である場合に、当該事業所の始業時間に合わせて、画像読取部5による読取位置周辺の温度を予め上昇させておき、結露を防止しつつ正常な原稿読取動作を始業時から可能にすることが可能になる。
また、光照射部26のLED部261及びLED駆動部262を同一基板上に設けることとすれば、光照射部26が駆動されてLED部261が発光するときには、LED部261の発光による発熱だけでなく、LED駆動部262の発熱も加えて、画像読取部5による読取位置周辺の温度を効率良く温度上昇させることが可能である。