JP5796548B2 - 情報処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、情報処理装置に関し、特に制御対象を制御可能な情報処理装置に関する。
従来、制御対象を制御するマイクロコントローラを備えた情報処理装置が知られている。マイクロコントローラは、入力された複数のアナログ値をデジタル値に変換、すなわちAD変換し、当該デジタル値に基づき制御対象を制御する。情報処理装置の使用時、マイクロコントローラには様々な異常が発生し得る。マイクロコントローラの異常の中でも、AD変換結果を正しく取得できなくなるような異常は、例えば電動パワーステアリングシステムのように特に安全に関わる製品においてはシステムに影響を与えかねず、リアルタイムに異常を検出し処置を行う必要がある。このような事情から、近年ではAD変換器の異常検出機能を有するマイクロコントローラを備えた情報処理装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2009−284302号公報
特許文献1に記載のマイクロコントローラでは、複数のアナログ入力端子ANs〜ANtから唯一の入力信号を選択するAD変換器において、例えばANsの変換結果として、ANtの変換結果を格納してしまう異常を想定し、選択された信号が間違いなく対応するチャンネルのデータレジスタに退避されているか、後にソフトウェアなどで確認できるよう当該チャンネルの番号も識別情報としてデータレジスタに退避する機能を有している。しかしながら、AD変換器の一時的な異常と恒久的な異常との判別がなされておらず、実際にはAD変換結果が正しく退避されているにも関わらず、識別情報退避時に例えばα線などの影響により誤った識別情報が格納されたときにも異常と判断してしまう問題があった。
また、AD変換結果に関してDMACなどCPUを介さずに特定のRAM領域に転送するようなシステムにおいては、AD変換自体に異常はなくともDMACの異常によりAD変換結果が正しく取得できない場合がある。例えば、DMACの転送先アドレスが異常となり正しいアドレスに転送できない場合や、起動トリガに異常が生じ、AD変換結果のRAM転送が1回ないし複数回抜けた場合には本来のタイミングとは異なるタイミングで取得されたAD変換結果を用いてしまう可能性がある。このとき、AD変換器自体は正常に動作していることから、各チャンネルに割り当てられた識別情報が付与されていることを確認するだけではAD変換結果を正しく取得できず、場合によってはシステムに影響を与えるおそれがある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、マイクロコントローラの一時的な異常と恒久的な異常との判別が可能な情報処理装置を提供することにある。
本発明の一態様の情報処理装置は、マイクロコントローラと異常検出手段とを備えている。
マイクロコントローラは、レジスタ、および、複数のADチャンネルから入力されるアナログ値をデジタル値に変換するAD変換器等を有している。また、マイクロコントローラは、AD変換器によるAD変換結果としてのデジタル値と共に、どのADチャンネルからのアナログ値を変換したかを識別するための識別情報をレジスタの特定のアドレスに格納する機能、および、特定のADチャンネルの識別情報を周期的に切り替える機能を有している。
異常検出手段は、該当のADチャンネルの識別情報が格納されるレジスタから識別情報を取得し、識別情報が切り替わることを確認することで、マイクロコントローラの異常を検出可能である。
本発明の別の態様の情報処理装置は、マイクロコントローラと異常検出手段とを備えている。
マイクロコントローラは、レジスタ、および、複数のADチャンネルから入力されるアナログ値をデジタル値に変換するAD変換器等を有している。また、マイクロコントローラは、AD変換器によるAD変換結果としてのデジタル値と共に、どのADチャンネルからのアナログ値を変換したかを識別するための識別情報をレジスタの特定のアドレスに格納する機能、および、特定のADチャンネルの識別情報を周期的に切り替える機能を有している。
異常検出手段は、DMACによってRAMに転送された識別情報を切り替え可能なAD変換結果からADチャンネルの識別情報を取得し、取得した前記識別情報を確認することで、マイクロコントローラの異常を検出可能である。
(A)は本発明の第1実施形態による情報処理装置を電動パワーステアリングシステムに適用した状態を示す模式図、(B)は情報処理装置のマイクロコントローラを示す模式図。 本発明の第1実施形態のAD変換器の作動状態を示す図。 本発明の第1実施形態のAD変換器の作動状態を示す図。 本発明の第1実施形態のAD変換器の作動状態を示す図。 本発明の第1実施形態のAD変換器の作動状態を示す図。 本発明の第1実施形態のAD変換器の作動状態を示す図。 本発明の第1実施形態のAD変換器の作動状態を示す図。 本発明の第1実施形態のAD変換器の作動状態を示す図。 本発明の第1実施形態の情報処理装置の異常検出および異常判別処理を示すフロー図。 本発明の第2実施形態による情報処理装置のマイクロコントローラを示す模式図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの処理周期を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態の情報処理装置の異常検出処理を示すフロー図。 本発明の第2実施形態の情報処理装置の異常検出および異常判別処理を示すフロー図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態の情報処理装置の異常検出処理を示すフロー図。 本発明の第2実施形態の情報処理装置の異常検出および異常判別処理を示すフロー図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態のマイクロコントローラの作動状態を示す図。 本発明の第2実施形態の情報処理装置の異常検出処理を示すフロー図。 本発明の第2実施形態の情報処理装置の異常検出および異常判別処理を示すフロー図。 本発明の第2実施形態のRAMの状態を示す図。 本発明の第2実施形態のRAMの状態を示す図。 本発明の第2実施形態におけるDMAC転送回数と識別情報との関係を示す図。
以下、本発明の複数の実施形態による制御装置を図面に基づき説明する。なお、複数の実施形態において、実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による情報処理装置を図1(A)に示す。情報処理装置としての電子制御ユニット(以下、「ECU」という)2は、外部から入力された情報を処理し、処理した情報に基づき、制御対象としてのモータ4を駆動制御するものである。ECU2は、モータ4とともに、例えば車両のステアリング操作をアシストするための電動パワーステアリングシステム90に採用される。ここで、電動パワーステアリングシステム90は、特許請求の範囲における「システム」に対応する。
図1(A)は、電動パワーステアリングシステム90の全体構成を示すものである。電動パワーステアリングシステム90には、ハンドル91に接続されたステアリングシャフト92にトルクセンサ94が設けられている。トルクセンサ94は、運転者からハンドル91を経由してステアリングシャフト92に入力される操舵トルクを検出する。
ステアリングシャフト92の先端にはピニオンギア96が設けられており、ピニオンギア96はラック軸97に噛み合っている。ラック軸97の両端には、タイロッド等を介して一対の車輪98が回転可能に連結されている。
これにより、運転者がハンドル91を回転させると、ハンドル91に接続されたステアリングシャフト92が回転し、ステアリングシャフト92の回転運動は、ピニオンギア96によってラック軸97の直線運動に変換され、ラック軸97の直線運動変位に応じた角度について一対の車輪98が操舵される。
電動パワーステアリングシステム90は、操舵アシストトルクを発生するモータ4、当該モータ4を駆動制御するECU2、モータ4の回転を減速してステアリングシャフト92に伝える減速ギア93等を備える。モータ4は、例えば三相駆動式のブラシレスDCモータである。モータ4は、電源としてのバッテリ5から電力を供給されることにより駆動する。モータ4は、減速ギア93を正逆回転させる。電動パワーステアリングシステム90は、上述のトルクセンサ94を含む。
この構成により、電動パワーステアリングシステム90は、トルクセンサ94等からの信号に基づき、ハンドル91の操舵を補助するための操舵アシストトルクをモータ4から発生し、ステアリングシャフト92に伝達する。
次に、ECU2について図1に基づき説明する。ECU2は、マイクロコントローラ1およびインバータ3等を備えている。
図1(B)は、マイクロコントローラ1の構成図である。マイクロコントローラ1は、デジタル信号を生成したりアナログ入力信号をサンプリングしたりするマイクロコントローラ(マイコン)であり、電動パワーステアリングシステム90におけるモータ制御など様々な用途で用いられる。本実施形態では、マイクロコントローラ1は、モータ4を駆動制御する用途で用いられる。
マイクロコントローラ1へは、上述の操舵トルク信号、モータ4の回転角であるモータ回転角、インバータ3の電圧であるインバータ電圧、および、バッテリ5の電圧であるバッテリ電圧等、ANr〜ANtまで複数のアナログ入力(ADチャンネル)があり、これをAD変換器10によって、アナログ値からデジタル値へ変換、すなわち、デジタル変換(AD変換)する。マイクロコントローラ1は、変換したデジタル値(AD変換結果)に基づき、インバータ3への指令値を生成する。インバータ3は、当該指令値に基づき、バッテリ5からの電力を変換し、モータ4に供給する。これにより、モータ4が回転駆動する。
CPU11は、マイクロコントローラ1において、演算を行う中央演算処理装置(CPU)である。RAM12は、CPU11による演算結果などを格納するランダムアクセスメモリ(RAM)である。これらは、バス13によって繋がっている。
また、AD変換器10は、複数のADチャンネルへのアナログ入力を選択するアナログマルチプレクサ14、入力値をデジタル変換するためのAD変換回路15、および、AD変換した結果を格納するAD変換結果格納レジスタ16等を有している。ここで、AD変換結果格納レジスタ16は、特許請求の範囲における「レジスタ」に対応する。AD変換回路15は、入力として選択された信号が間違いなく対応するチャンネルのAD変換結果格納レジスタ16に退避されているか、後にソフトウェアなどで確認できるよう当該チャンネルの識別情報を生成する、識別情報生成部17を具備する。
図2〜5は、AD変換器10の動作を示している。
図2は、AN0変換時の動作である。アナログマルチプレクサ14によって選択されたAN0のアナログ値は、AD変換回路15によってデジタル値に変換される。このAD変換結果と、識別情報生成部17によって生成されたAN0の識別情報が合成され、AN0のAD変換結果格納レジスタ16(AD変換結果格納レジスタ16のアドレスANR0)に格納される。
図3は、同様にAN1変換時の動作である。AN1に接続されたアナログ値のAD変換結果とAN1の識別情報が合成され、AN1のAD変換結果格納レジスタ16(AD変換結果格納レジスタ16のアドレスANR1)に格納される。
図4は、AN0変換結果を誤ってAN1のAD変換結果格納レジスタ16に格納する異常が発生した場合の動作である。本来は、AN1をAD変換した結果が格納されるべきAN1のAD変換結果格納レジスタ16(AD変換結果格納レジスタ16のアドレスANR1)にAN0のAD変換結果が格納される。このとき、識別情報もAN0の識別情報が格納される。
図5は、さらにAN0のAD変換結果格納レジスタ16にAN1のAD変換結果が格納された場合の図である。
このような異常を検出するには、例えばAN0のAD変換結果格納レジスタ16に格納された識別情報がAN0の識別情報か否かを確認することで行える。しかし、電動パワーステアリングシステム90のように周期的にAD変換を実施するシステムにおいては、一度異常が起きたとしても次の周期で正しいデータに上書きされればシステムに重大な影響を与えない場合も多い。
図6〜8に示すのがその具体的な例である。
図6は、異常が発生せずに正常に動作している場合の動作を表しており、図7はAN1のAD変換結果をAN0のAD変換結果格納レジスタ16に誤って格納した例である。本異常が一時的な異常であれば、次のAD変換時には図8に示すように正常な状態に修復される。
そこで、本実施形態では、図7に示す異常が発生した場合にも即座に恒久的な異常と判断せず、異常状態が継続した場合にはじめて恒久的な異常時の処置を行うことで、一時的な異常(以下、適宜、「一時異常」という)と恒久的な異常(以下、適宜、「恒久異常」という)との判別を可能とした。
本実施形態の異常検出に関する動作フローS100を図9に示す。
本実施形態では、まず最初にAD変換結果が正しく然るべきAD変換結果格納レジスタ16に格納されていることを確認するために、S101で、マイクロコントローラ1は、AD変換結果格納レジスタ16からAD変換チャンネルの識別情報αを取得する。その後、S102で、マイクロコントローラ1は、特許請求の範囲における「異常検出手段」として機能することで、取得した識別情報αが各AD変換結果格納レジスタ16に対応する識別情報であるか否かを判断する。
AD変換結果格納レジスタ16に格納された識別情報が正しい場合(S102:YES)には、S103で正常時の処置を行う。一方、正しくない場合(S102:NO)には、S104でRAM12上に設けた異常カウンタを加算する。この異常カウンタが一定の閾値よりも小さいとき(S105:YES)には、AD変換器10の一時異常であると判断し、S106で一時異常時の処置を行う。また、閾値を上回ったとき(S105:NO)に、はじめて恒久異常であると判断し、S107で恒久異常時の処置を行う。
このように、マイクロコントローラ1は、特許請求の範囲における「異常判別手段」として機能することでマイクロコントローラ1(AD変換器10、CPU11、バス13等)の一時異常と恒久異常とを判別できるため、特に処置が限定されるものではないが、例えば一時異常の場合には、今回取得したAD変換値(AD変換結果)の代わりに前回使用したAD変換値を使用することで、システムへの著しい影響を回避しながらモータ4の駆動制御を継続することができる。あるいは、一時異常と判別されたAD変換値をそのまま制御に使用してもよい。ここで、マイクロコントローラ1は、特許請求の範囲における「制御継続手段」として機能する。一方、恒久異常と判断されたときにはモータ4の駆動制御を停止するという処置を行うこと等も可能である。ここで、マイクロコントローラ1は、特許請求の範囲における「制御停止手段」として機能する。
以上説明したように、本実施形態では、マイクロコントローラ1は、AD変換結果格納レジスタ16、および、複数のADチャンネルから入力されるアナログ値をデジタル値に変換するAD変換器10等を有している。また、マイクロコントローラ1は、AD変換器10によるAD変換結果としてのデジタル値と共に、どのADチャンネルからのアナログ値を変換したかを識別するための識別情報をAD変換結果格納レジスタ16の特定のアドレスに格納する機能を有している。また、マイクロコントローラ1は、異常検出手段として機能し、AD変換結果格納レジスタ16から読み出した識別情報に対応するAD変換結果格納レジスタ16のアドレスに、対応するAD変換結果が格納されたか否か判断することで、マイクロコントローラ1の異常を検出可能である。さらに、マイクロコントローラ1は、異常判別手段として機能し、マイクロコントローラ1の異常を検出した回数を計測し、当該回数に応じてマイクロコントローラ1の一時的な異常と恒久的な異常とを判別する。このように、本実施形態では、異常判別手段として機能するマイクロコントローラ1により、マイクロコントローラ1の一時的な異常と恒久的な異常とを判別することができる。
また、本実施形態では、ECU2は、AD変換結果に基づきモータ4を制御する電動パワーステアリングシステム90に適用される。マイクロコントローラ1は、制御継続手段として機能し、マイクロコントローラ1の一時的な異常が発生したと判別した場合、前回正常に取得されたAD変換結果を用いてモータ4の駆動制御を継続する。あるいは、異常と判別されたAD変換結果を用いてモータ4の駆動制御を継続する。これにより、電動パワーステアリングシステム90に与える影響が小さい一時的な異常がマイクロコントローラ1に発生した場合には、電動パワーステアリングシステム90を停止させることなく、運転者による操舵のアシストを継続することができる。
また、本実施形態では、マイクロコントローラ1は、制御停止手段として機能し、マイクロコントローラ1の恒久的な異常が発生したと判別した場合、モータ4の駆動制御を停止する。これにより、電動パワーステアリングシステム90に与える影響が大きい恒久的な異常がマイクロコントローラ1に発生した場合には、電動パワーステアリングシステム90を停止させることで、電動パワーステアリングシステム90の異常作動が、運転者による操舵に対し影響を与えるのを防ぐことができる。
なお、本実施形態では、マイクロコントローラ1は、異常検出手段として機能し、AD変換結果格納レジスタ16に格納された識別情報を、AD変換結果格納レジスタ16のアドレスに対応する識別情報とは異なる値に書き換えることで、AD変換結果または識別情報がAD変換結果格納レジスタ16の特定のアドレスに格納されない異常を検出可能である。例えば、マイクロコントローラ1は、1回目のAD変換がすべて終わり、識別情報のチェックが終わった後、識別情報を本来とは異なる値に書き換えておくことで、未格納となる異常を検出することができる。
また、本実施形態では、マイクロコントローラ1は、特定のADチャンネルの識別情報を周期的に切り替える機能を有し、異常検出手段として機能し、該当のADチャンネルの識別情報が格納されるAD変換結果格納レジスタ16から識別情報を取得し、識別情報が切り替わることを確認することで、マイクロコントローラ1の異常を検出可能である。
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態によるECUについて説明する。第2実施形態では、マイクロコントローラ1が、DMAC(Direct Memory Access Controller)を備える点で第1実施形態と異なる。
図10に示すように、マイクロコントローラ1は、DMAC18を備えている。DMAC18は、CPU11とは独立に動作し、AD変換器10で得られたAD値(AD変換結果および識別情報)をRAM12へ転送する。
一般に、AD変換の周期がシステムの制御周期よりも早いシステムにおいて、CPU11の使用率を抑えながらAD変換を高速に周期実行するために、このような構成が用いられる。例えば、AD変換3回(=DMAC転送3回)に1回CPU演算を行う例を、図11に示す。また、このときの動作例を図12〜17に示す。
図12〜14の動作が、図11中のタイミング1で実行され、図15〜17の動作が図11中のタイミング2で実行される。
図12は、AN0変換時の動作である。便宜上、AD変換タイミングnにおけるAD変換結果をAD変換結果nと表記し、そのときのANaのAD変換結果をANa変換結果nと表記するものとする。AD変換タイミング1においてAN0をAD変換した場合、AN0の識別情報と共にAN0変換結果1がAN0のAD変換結果格納レジスタ16に格納される。
図13は、AD変換タイミング1において、AN0〜AN(s−1)までAD変換した後のANs変換時の動作である。ANs変換時には、ANsの識別情報と共にANs変換結果1がANsのAD変換結果格納レジスタ16に格納される。
図14は、DMAC18がAD変換結果格納レジスタ16の情報をRAM12へ転送する様子である。AN0〜ANsまでの変換結果が格納されたタイミングでDMAC18が起動し、AN0〜ANsまでのAD変換結果をRAM12へ転送する。
図15〜17は、引き続き次のAD変換タイミング2において、AD変換が発生した場合の動作を表している。図15〜16は、AN0〜ANsのAD変換結果2がAD変換結果格納レジスタ16に格納される様子である。図17は、AD変換結果レジスタに格納されたAD変換結果情報がDMAC18にてRAM12へ転送される様子である。このとき、転送先のRAM12は図14で転送したRAM12とは異なるRAM12(の領域)へ転送する。これにより、複数回(本実施形態では3回)のAD変換結果を特定のRAM領域に順に格納しておくことが可能である。
以上、AD変換がAN0〜ANsまで終了した後、次にAN0の変換が始まるまでの間にAD変換結果をDMAC18によりRAM12へ転送する構成を説明したが、例えばAD変換が1チャンネル終了する毎にDMAC18によってRAM12へ転送する構成としたり、あるいはAD変換チャンネルを全てAD変換してからではなく、任意の数チャンネル分を変換した時点で転送する構成としてもよい。
いずれの場合にも、CPU11をAD変換とは異なる周期で動作させ、N周期分のAD変換結果を用いてモータ4の駆動制御を行うことが可能である。
また、AD変換と同じ周期でCPU11を動作させることも可能である。周辺IOよりもRAM12の方がアクセス速度が早いことから、CPU11のウェイト時間を短くするためにAD変換とCPU11の演算周期とが同じ場合にも、DMAC18を用いてRAM12へ転送する構成としてもよい。その場合、AD変換結果の転送先であるRAM12の領域はAD変換1周期分でよい。
このように、AD変換器10とDMAC18を併用する構成を取ると電動パワーステアリングシステム90にとって、CPU11の処理負荷を下げたり、複数回分のAD変換結果の平均をとることでノイズ除去を行ったりといった様々な効果が得られるが、その代わり、AD変換器10だけでなくDMAC18が異常となった場合にも、AD変換結果を正しく取得できずシステムに影響を与える可能性がある。
ここで、DMAC18に異常が発生した場合の動作例を図18〜20に示す。
図18は、図17に示すAD変換結果の転送に引き続き、次の周期(図11中のタイミング3)のAN0のAD変換が発生したときの動作である。また、図19は、ANsまでのAD変換が終了したときの動作である。ここまでは、異常は発生していない。
この上で、DMACに異常が発生した場合の動作が図20である。図20は、DMAC18の転送先アドレスに異常を起こし、異なるアドレスにAD変換結果3を転送したときの動作を表している。AD変換結果が正しく転送されていないため、この値を元にCPU11がモータ4の駆動制御を行った場合、本来のAD変換結果とは異なる値で制御を行ってしまう可能性がある。例えば、AN1のAD変換結果3を使用すべき制御において、AN0のAD変換結果3を使用してしまう場合が考えられる。
そこで、本実施形態では、DMAC18に異常が発生した場合を検出し、不正なAD変換結果の使用を回避ないし異常時処置を取る方法を実施する。
図21に、異常の検出方法を示す。本実施形態によるAD変換器10では、AD変換結果格納レジスタ16自体に、AD変換結果と共にAD変換チャンネルの識別情報(ID)が格納されている。そのため、AD変換結果格納レジスタ16の値(情報)を転送したRAM12にも、AD変換結果と共にAD変換チャンネルの識別情報が格納されている。ここで、AD変換結果の転送先であるRAM12のアドレスは予めDMAC18に設定したアドレスを元に計算できるため、RAM12のどのアドレスに、どのADチャンネルのAD変換結果が転送されるかは当然既知である。
便宜的に、RAM12のある特定のアドレスに転送されるAD変換結果に付与されることが期待される識別情報を、AD変換結果格納RAM番号と呼ぶこととすると、正常に動作しているときは、DMAC18により転送される識別情報は、AD変換結果格納RAM番号と常に一致する。
一方、DMAC18に異常が発生した場合、RAM12の正しいアドレスに正しいAD変換結果及び識別情報を転送できないため、RAM12に格納される識別情報は、AD変換結果格納RAM番号と一致しない。このことから、AD変換結果が転送されたRAM12から、AD変換チャンネルの識別情報を取得すれば、それをAD変換結果格納RAM番号と比較する事で、異常検出が可能である。
図22に、異常検出のフローS200を示す。
はじめに、S201で、該当のRAM12から識別情報αを取得する。次に、S202で、識別情報αを、該当RAM12のAD変換結果格納RAM番号と比較する。このとき、両者の値の一致が見られれば(S202:YES)異常は発生していないと判断し、S203で正常時処置を行う。一方、識別情報αとAD変換結果格納RAM番号の一致が見られなかった場合(S202:NO)には、異常と判断し、S204で異常時処置を行う。もちろん、システムに重大な影響を与えないADチャンネルの異常であれば、特に異常時処置を行わずそのまま制御を継続することも可能である。
また、一時異常と恒久異常とを判別する場合のフローS300を図23に示す。AD変換結果格納RAM番号と識別情報αとの比較まで(S301〜S302)は、図22と同様である。比較の結果、一致が見られれば(S302:YES)正常と判断し、S303で正常時処置を行う。一致が見られなければ(S302:NO)異常と判断し、S304で異常回数を加算する。異常回数が一定回数に達しない場合(S305:YES)には一時異常と判断し、S306で一時異常時の処置を行う。異常回数が一定回数を超えた場合(S305:NO)には、恒久異常と判断し、S307で恒久異常時処置を行う。
一時異常時の処置としては、前回正常に取得できたAD値(AD変換結果)を用いたモータ4の駆動制御などが考えられる。あるいは、システムが許すならば、今回取得したAD値を用いてモータ4の駆動制御を行っても良い。また、恒久異常時の処置としては、システム(マイクロコントローラ1、ECU2)のリセットにより復帰を促すといったことなどが考えられる。なお、正常時処置としては異常回数のクリアなどが考え得るが、システムが許すならば特に何も行わなくてもよい。
以上により、AD変換器10の異常によりAD変換結果が正しく格納されない場合や、DMAC18の異常により正しくRAM12へ転送されない場合の異常検出方法を示した。しかし、ここまで述べた方法のみでは、DMAC18の転送トリガに異常が発生しDMAC18による転送自体が行われない異常については、検出することができない。
具体的な例を、図24〜32に示す。
図24〜26は、異常が発生していない場合の動作のため図12〜14と同じである。
同様に、図27、図28も、図15、図16と同じである。ここまでは、AD変換器10もDMAC18も正常に動作しており、AD変換結果格納レジスタ16には、AN0をはじめAD変換結果と各識別情報が格納されている。この上で、DMAC18の転送動作自体が動作しなかった場合の図が図29である。
DMAC18の開始トリガおよび開始トリガ発生元に一時的な異常が発生したり、あるいはDMAC18自体に一時的な異常が発生し、転送が行われなかった場合である。この場合、AD変換結果をRAM12へ転送する動作が1回分行われないが、RAM12を書き換えることはしないから、識別情報の不整合は発生しない。この状態で、次のAD変換が開始した図が図30および図31である。AD変換器10には異常が発生していないため、正常に動作が行われる。その後、正常にDMAC18が動作すれば、図32に示すとおり本来AD変換結果2を格納すべきアドレスにAD変換結果3が転送される。
なお、異常の発生の仕方によっては、図29の異常発生時にDMAC18の転送先アドレスのみが正常に更新される可能性もある。その場合は、図33に示す動作結果となると予想される。このとき、AD変換結果2の格納先であるRAM12には何も書き込まれないが、仮に以前格納されたRAM12の値(情報)が残っていれば、図34の状態になるはずである。DMAC18によってRAM12へ転送する構成とする場合、一定の回数DMAC18による転送を実施したら、転送先を巻き戻してRAM12の領域を再利用する構成をとることが多い。その場合には、このように転送先を巻き戻す前に書き込まれた値(情報)が残っている。図中、ANa変換結果n’が、転送先を巻き戻す前に書き込まれたANa変換結果を示しており、例えばDMAC転送3回で転送先を巻き戻すのであれば、ANa変換結果n’=ANa変換結果(n−3)である。
図29に示すように、DMAC18の動作自体が行われず(=転送先アドレスの更新もされず)AD変換結果がRAM12へ転送されなかった場合においても、あるいは図34に示すように転送先アドレスは更新されたが、以前の値が残っている場合においても、識別情報がAD変換結果格納RAM番号と一致することを見るだけでは、DMAC18の異常を検出することはできない。
このような異常を検出するには、AD変換結果を格納するRAM12について定期的に識別情報を書き換えることで可能である。例えば、DMAC18の異常判定後に識別情報をクリアする構成とすれば、識別情報が残っている場合にも異常の検出が可能である。
その例を、図35及び図36に示す。図35は、図22で示したDMAC18の異常検出フローに対してDMAC18の動作自体が行われない場合の異常検出を加えたフローである。S404までは図22(S204まで)と同様であり、S405において、AD変換結果格納RAMのAD変換チャンネル識別情報を、本来のAD変換チャンネル識別情報であるαとは異なる値βに書き換える。また、図36は、図23で示したDMAC18の異常検出フローに対してDMAC18の動作自体が行われない場合の異常検出を加えたフローである。S507までは図23(S307まで)と同様であり、S508において、AD変換結果格納RAMのAD変換チャンネル識別情報を、本来のAD変換チャンネル識別情報であるαとは異なる値βに書き換える。ただし、これらの方法は本実施形態の構成を変えること無く異常検出が可能になるものの、定期的に識別情報を書き換える必要が生じるため、CPU11に負担をかける可能性がある。また、タイミングによってはCPU11による書き換えとDMAC18による書き換えとが競合し、誤って異常を検出してしまう可能性がある。
そこで、本実施形態では、同じAD変換結果格納レジスタ16(AD変換結果格納レジスタ16の同じアドレス)に対し、識別情報を切り替えながらAD変換結果を格納する機能を具備することで、CPU11によってRAM12の書き換えを行うこと無くDMAC18自体が一時的に動作しない異常を検出することを可能とする。
図37〜48に、本実施形態での構成を示す。当該図では、AN0の識別情報(ID)について、奇数回目の変換ではX、偶数回目の変換ではYを出力する構成としているが、切り替えの周期は任意であり、例えばX→Y→Z→X→Y→Zと3回周期で切り替わる構成としてもよい。また、識別情報もX→Y→Zではなく0→1→2でも5→4→3でもよく、値や順番は任意である。ただし、他のADチャンネル(AN1〜ANs)とは異なる識別情報を付与することが望ましい。
このような構成において、DMAC18の一時異常により転送が1回抜けた場合の例を図49〜60に示す。
図49〜52は異常未発生状態の動作であり、図37〜40と同じである。図56において、DMAC18の転送異常が発生し、その後はDMAC18が正常に動作し、図57〜60の通りとなる。
この場合に、異常を検出する方法を図61〜62に示す。
図61は、異常が発生しなかった場合のRAM12の状態である。
図62は異常が発生した場合のRAM12の状態である。なお、図62では、転送異常が発生して1回転送が抜けたため、本来AN0転送結果3〜ANs転送結果3が入るべきRAM12に、転送先アドレスを巻き戻す前にRAM12に格納されていたAD変換結果3’の結果が残っている。
図61と図62とを比較すれば明らかなように、AN0の識別情報を切り替える構成とした場合には、DMAC18の転送異常の有無によってAN0変換結果の格納先であるRAM12に格納された識別情報が異なる。異常が発生していない場合(図61参照)、識別情報は左から順にX→Y→Xと格納されるのに対し、異常が発生した場合(図62参照)にはX→X→Xと格納される。この違いを確認する事で、DMAC18の転送異常の検出が可能である。このときの異常検出フローを図63、および図64に示す。
図63に示すように、当該異常検出フローS600では、はじめに、S601で、該当のRAM12から識別情報をN周期分取得する。ここで、Nは、異常検出処理を行う間に入るDMAC18の転送の回数と等しい。
次にS602で、識別情報の順番を、本来の順番と比較する。このとき、両者の値(順番)が一致すれば(S602:YES)異常は発生していないと判断し、S603で正常時処置を行う。一方、不一致の場合(S602:NO)には異常と判断し、S604で異常時処置を行う。もちろん、システムに重大な影響を与えないADチャンネルの異常であれば、特に異常時処置を行わずそのままモータ4の駆動制御を継続することも可能である。
また、一時異常と恒久異常とを判別する場合のフローを図64に示す。当該フローS700では、識別情報の順番が本来の順番と一致する場合(S702:YES)は正常と判断し、S703で正常時処置を行う。一致しなければ(S702:NO)異常と判断し、S704で異常回数を加算する。
異常回数が一定回数に達しない場合(S705:YES)には一時異常と判断し、S706で一時異常時の処置を行う。一方、異常回数が一定回数を超えた場合(S705:NO)には恒久異常と判断し、S707で恒久異常時処置を行う。一時異常時の処置としては、前回正常に取得できたAD値(AD変換結果)を用いたモータ4の駆動制御などが考えられる。あるいはシステムが許すならば、今回取得したAD値を用いてモータ4の駆動制御を行っても良い。また、恒久異常時の処置としては、システム(マイクロコントローラ1、ECU2)のリセットにより復帰を促すなどが考えられる。正常時処置としては異常回数のクリアなどが考え得るが、システムが許すならば特に何も行わなくてもよい。
なお、上述の例ではAN0の識別情報を、動的に切り替える対象としているが、チャンネル自体も任意であり、アナログマルチプレクサ14によって選択されるADチャンネルにも縛られない。本発明で使用するのは識別情報のみであるから、例えばAD変換結果を持たず識別情報のみを格納するレジスタをAD変換結果格納レジスタ16とは別に用意し、本レジスタにAD変換と同期して切り替わる識別情報を格納した後、AD変換結果格納レジスタ16の情報をDMAC18によって転送する構成としてもよい。
さらに、DMAC18による転送がM回発生した場合にDMAC転送先アドレスを転送先RAM12の先頭アドレスに巻き戻す構成としており、識別情報の切り替え周期がN回の場合には、異なるアプローチでも異常検出が可能である。
例として、DMAC18による転送が3回発生した場合にDMAC転送先アドレスを転送先RAM12の先頭アドレスに巻き戻す構成であり、識別情報の切り替え周期が2回(AN0のAD変換奇数回目でX、偶数回目でY)の場合の例を図65〜66に示す。
図65は、DMAC18の転送が3、9、15・・・と、(2k+1)×3回(k≧0)行われた場合のRAM12の状態である。この場合、AN0の識別情報は、必ずX、Y、Xの順で並ぶ。
また、図66は、DMAC18の転送が6、12、18と、2k×3回(k>0)行われた場合のRAM12の状態である。この場合、AN0の識別情報は、必ずY、X、Yの順で並ぶ。
図67は、AD0の識別情報のみに着目し、DMAC18の転送回数に応じた識別情報の並びを示す図であるが、DMAC18にて3回転送する周期と同じ周期で、AN0の3k+1(k≧0)回目の転送結果(図中太枠で囲んだ識別情報)を確認すれば、そこに格納される識別情報は必ずX→Y→X→Y・・・の順に切り替わる。
以上の性質に基づき、周期的に切り替わる識別情報の並びが正しい順番で切り替わることを監視することによっても、DMAC18の転送異常を検出することが可能である。
この監視は、例えばDMAC18が決められた回数の転送を終了したときに発生する割り込みを用いて、特定のRAMアドレスの識別情報を確認することで可能である。これを一般化すると、下記の通りとなる。
識別情報は、0、1、2の順にN−1まで切り替わるものとし、DMAC18の転送M回で割り込みがかかるとする。このとき、1回目の割り込み内で確認できる識別情報は、1〜M回目のDMAC転送結果である。このとき、1回目のDMAC転送にて格納される識別情報を確認すると、その識別情報は必ず0である。
2回目の割り込み内で確認できる識別情報は、(M+1)〜(2M)回目のDMAC転送結果であるが、このとき、M+1回目のDMAC転送にて格納される識別情報を確認すると、識別情報は(M%N)となる(%は剰余を求める記号とする)。同様に、3回目の割り込み内で確認できる識別情報は、(2M+1)〜(3M)回目のDMAC転送結果であるが、このとき、2M+1回目のDMAC転送にて格納される識別情報を確認すると、識別情報は(2M%N)となる。すなわち、S回目の割り込みの中で確認できる、(S−1)×M+T回目のDMAC転送結果に格納される識別情報は、(((S−1)×M+T)%N)となる。本関係に基づいて異常判定することにより、DMAC転送異常の検出が可能である。
なお、割り込みを用いずDMAC転送M回分の周期で定期的に異常検出する方法でも上記と同様の関係に基づいて異常判定することが可能である。もちろん、DMAC転送M回分の周期よりも早い周期で異常判定を行いたい場合には、Sの値を適切に計算した上で、上記異常判定手段を用いて異常判定すればよい。具体的には、異常検出1回あたりのDMAC転送回数をW回とするなら、S=M/Wとなる。
以上説明したように、本実施形態では、マイクロコントローラ1は、AD変換結果格納レジスタ16、RAM12、AD変換結果格納レジスタ16に格納されている情報をRAM12に転送するDMAC18、および、複数のADチャンネルから入力されるアナログ値をデジタル値に変換するAD変換器10等を有している。また、マイクロコントローラ1は、AD変換器10によるAD変換結果としてのデジタル値と共に、どのADチャンネルからのアナログ値を変換したかを識別するための識別情報をAD変換結果格納レジスタ16の特定のアドレスに格納する機能を有している。さらに、マイクロコントローラ1は、異常検出手段として機能し、DMAC18によってRAM12に転送された情報からADチャンネルの識別情報を取得し、取得した識別情報に対応するRAM12のアドレスに、対応するAD変換結果が格納されたか否か判断することで、マイクロコントローラ1の異常を検出可能である。
また、本実施形態では、マイクロコントローラ1は、異常判別手段として機能し、マイクロコントローラ1の異常を検出した回数を計測し、当該回数に応じてマイクロコントローラ1の一時的な異常と恒久的な異常とを判別する。このように、本実施形態では、異常判別手段として機能するマイクロコントローラ1により、マイクロコントローラ1の一時的な異常と恒久的な異常とを判別することができる。
また、本実施形態では、マイクロコントローラ1は、異常検出手段として機能し、RAM12に格納されたADチャンネルの識別情報を、対応する識別情報とは異なる値に書き換えることで、AD変換結果格納レジスタ16からRAM12への転送が行われなかったマイクロコントローラ1の異常を検出可能である。
また、本実施形態では、マイクロコントローラ1は、特定のADチャンネルの識別情報を周期的に切り替える機能を有している。また、マイクロコントローラ1は、異常検出手段として機能し、DMAC18によってRAM12に転送された識別情報を切り替え可能なAD変換結果からADチャンネルの識別情報を取得し、取得した識別情報を確認することで、マイクロコントローラ1の異常を検出可能である。
また、本実施形態では、マイクロコントローラ1は、異常検出手段として機能し、DMAC18の転送の周期よりも遅い周期で異常検出処理を行い、異常検出処理を行う際には、識別情報が切り替わるADチャンネルに付与された複数回分の識別情報を確認する。これにより、異常検出処理にかかるマイクロコントローラ1(CPU11)の処理負荷を下げたり、複数回分のAD変換結果の平均をとることでノイズ除去を行ったりすることができる。
また、本実施形態では、マイクロコントローラ1は、異常検出手段として機能し、識別情報が周期的に切り替わるRAM12のうち、特定のRAM12の識別情報が適切な識別情報になっているか否かを確認することで、マイクロコントローラ1の異常を検出可能である。
(他の実施形態)
本発明による情報処理装置は、電動パワーステアリングシステムに用いられるモータ以外のモータを制御対象としてもよい。例えば、ギア比可変装置またはステアバイワイヤシステムの操舵装置に用いられるモータを制御対象としてもよい。また、車載システムに用いられるモータに限らず、エアコンプレッサに用いられるモータ等、電力により駆動するあらゆる機器を制御対象としてもよい。
このように、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態に適用可能である。
1 ・・・・マイクロコントローラ(異常検出手段、異常判別手段)
2 ・・・・ECU(情報処理装置)
10 ・・・AD変換器
16 ・・・AD変換結果格納レジスタ(レジスタ)

Claims (8)

  1. レジスタ(16)、複数のADチャンネルから入力されるアナログ値をデジタル値に変換するAD変換器(10)、前記AD変換器によるAD変換結果としての前記デジタル値と共に、どの前記ADチャンネルからの前記アナログ値を変換したかを識別するための識別情報を前記レジスタの特定のアドレスに格納する機能、および、特定の前記ADチャンネルの前記識別情報を周期的に切り替える機能を有するマイクロコントローラ(1)と、
    該当の前記ADチャンネルの前記識別情報が格納される前記レジスタから前記識別情報を取得し、前記識別情報が切り替わることを確認することで、前記マイクロコントローラの異常を検出可能な異常検出手段(1)と、
    を備える情報処理装置(2)。
  2. レジスタ(16)、RAM(12)、前記レジスタに格納されている情報を前記RAMに転送するDMAC(18)、複数のADチャンネルから入力されるアナログ値をデジタル値に変換するAD変換器(10)、前記AD変換器によるAD変換結果としての前記デジタル値と共に、どの前記ADチャンネルからの前記アナログ値を変換したかを識別するための識別情報を前記レジスタの特定のアドレスに格納する機能、および、特定の前記ADチャンネルの前記識別情報を周期的に切り替える機能を有するマイクロコントローラ(1)と、
    前記DMACによって前記RAMに転送された前記識別情報を切り替え可能な前記AD変換結果から前記ADチャンネルの前記識別情報を取得し、取得した前記識別情報を確認することで、前記マイクロコントローラの異常を検出可能な異常検出手段(1)と、
    を備える情報処理装置(2)。
  3. 前記異常検出手段は、前記DMACの転送の周期よりも遅い周期で異常検出処理を行い、異常検出処理を行う際には、前記識別情報が切り替わる前記ADチャンネルに付与された複数回分の前記識別情報を確認することを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
  4. 前記異常検出手段は、前記識別情報が周期的に切り替わる前記RAMのうち、特定の前記RAMの識別情報が適切な識別情報になっているか否かを確認することで、前記マイクロコントローラの異常を検出可能であることを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
  5. 前記異常検出手段により前記マイクロコントローラの異常を検出した回数を計測し、当該回数に応じて前記マイクロコントローラの一時的な異常と恒久的な異常とを判別する異常判別手段(1)をさらに備えることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  6. 前記AD変換結果に基づき制御対象(4)を制御するシステム(90)に適用され、
    前記異常判別手段により前記マイクロコントローラの一時的な異常が発生したと判別した場合、前回正常に取得された前記AD変換結果を用いて前記制御対象の制御を継続する制御継続手段(1)をさらに備えることを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
  7. 前記AD変換結果に基づき制御対象(4)を制御するシステム(90)に適用され、
    前記異常判別手段により前記マイクロコントローラの一時的な異常が発生したと判別した場合、今回取得した前記AD変換結果を用いて前記制御対象の制御を継続する制御継続手段(1)をさらに備えることを特徴とする請求項またはに記載の情報処理装置。
  8. 前記AD変換結果に基づき制御対象(4)を制御するシステム(90)に適用され、
    前記異常判別手段により前記マイクロコントローラの恒久的な異常が発生したと判別した場合、前記制御対象の制御を停止する制御停止手段(1)をさらに備えることを特徴とする請求項のいずれか一項に記載の情報処理装置。
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