JP5796548B2 - 情報処理装置 - Google Patents
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Description
マイクロコントローラは、レジスタ、および、複数のADチャンネルから入力されるアナログ値をデジタル値に変換するAD変換器等を有している。また、マイクロコントローラは、AD変換器によるAD変換結果としてのデジタル値と共に、どのADチャンネルからのアナログ値を変換したかを識別するための識別情報をレジスタの特定のアドレスに格納する機能、および、特定のADチャンネルの識別情報を周期的に切り替える機能を有している。
異常検出手段は、該当のADチャンネルの識別情報が格納されるレジスタから識別情報を取得し、識別情報が切り替わることを確認することで、マイクロコントローラの異常を検出可能である。
マイクロコントローラは、レジスタ、および、複数のADチャンネルから入力されるアナログ値をデジタル値に変換するAD変換器等を有している。また、マイクロコントローラは、AD変換器によるAD変換結果としてのデジタル値と共に、どのADチャンネルからのアナログ値を変換したかを識別するための識別情報をレジスタの特定のアドレスに格納する機能、および、特定のADチャンネルの識別情報を周期的に切り替える機能を有している。
異常検出手段は、DMACによってRAMに転送された識別情報を切り替え可能なAD変換結果からADチャンネルの識別情報を取得し、取得した前記識別情報を確認することで、マイクロコントローラの異常を検出可能である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による情報処理装置を図1(A)に示す。情報処理装置としての電子制御ユニット(以下、「ECU」という)2は、外部から入力された情報を処理し、処理した情報に基づき、制御対象としてのモータ4を駆動制御するものである。ECU2は、モータ4とともに、例えば車両のステアリング操作をアシストするための電動パワーステアリングシステム90に採用される。ここで、電動パワーステアリングシステム90は、特許請求の範囲における「システム」に対応する。
ステアリングシャフト92の先端にはピニオンギア96が設けられており、ピニオンギア96はラック軸97に噛み合っている。ラック軸97の両端には、タイロッド等を介して一対の車輪98が回転可能に連結されている。
電動パワーステアリングシステム90は、操舵アシストトルクを発生するモータ4、当該モータ4を駆動制御するECU2、モータ4の回転を減速してステアリングシャフト92に伝える減速ギア93等を備える。モータ4は、例えば三相駆動式のブラシレスDCモータである。モータ4は、電源としてのバッテリ5から電力を供給されることにより駆動する。モータ4は、減速ギア93を正逆回転させる。電動パワーステアリングシステム90は、上述のトルクセンサ94を含む。
この構成により、電動パワーステアリングシステム90は、トルクセンサ94等からの信号に基づき、ハンドル91の操舵を補助するための操舵アシストトルクをモータ4から発生し、ステアリングシャフト92に伝達する。
図1(B)は、マイクロコントローラ1の構成図である。マイクロコントローラ1は、デジタル信号を生成したりアナログ入力信号をサンプリングしたりするマイクロコントローラ(マイコン)であり、電動パワーステアリングシステム90におけるモータ制御など様々な用途で用いられる。本実施形態では、マイクロコントローラ1は、モータ4を駆動制御する用途で用いられる。
また、AD変換器10は、複数のADチャンネルへのアナログ入力を選択するアナログマルチプレクサ14、入力値をデジタル変換するためのAD変換回路15、および、AD変換した結果を格納するAD変換結果格納レジスタ16等を有している。ここで、AD変換結果格納レジスタ16は、特許請求の範囲における「レジスタ」に対応する。AD変換回路15は、入力として選択された信号が間違いなく対応するチャンネルのAD変換結果格納レジスタ16に退避されているか、後にソフトウェアなどで確認できるよう当該チャンネルの識別情報を生成する、識別情報生成部17を具備する。
図2は、AN0変換時の動作である。アナログマルチプレクサ14によって選択されたAN0のアナログ値は、AD変換回路15によってデジタル値に変換される。このAD変換結果と、識別情報生成部17によって生成されたAN0の識別情報が合成され、AN0のAD変換結果格納レジスタ16(AD変換結果格納レジスタ16のアドレスANR0)に格納される。
図4は、AN0変換結果を誤ってAN1のAD変換結果格納レジスタ16に格納する異常が発生した場合の動作である。本来は、AN1をAD変換した結果が格納されるべきAN1のAD変換結果格納レジスタ16(AD変換結果格納レジスタ16のアドレスANR1)にAN0のAD変換結果が格納される。このとき、識別情報もAN0の識別情報が格納される。
図5は、さらにAN0のAD変換結果格納レジスタ16にAN1のAD変換結果が格納された場合の図である。
図6は、異常が発生せずに正常に動作している場合の動作を表しており、図7はAN1のAD変換結果をAN0のAD変換結果格納レジスタ16に誤って格納した例である。本異常が一時的な異常であれば、次のAD変換時には図8に示すように正常な状態に修復される。
そこで、本実施形態では、図7に示す異常が発生した場合にも即座に恒久的な異常と判断せず、異常状態が継続した場合にはじめて恒久的な異常時の処置を行うことで、一時的な異常(以下、適宜、「一時異常」という)と恒久的な異常(以下、適宜、「恒久異常」という)との判別を可能とした。
本実施形態では、まず最初にAD変換結果が正しく然るべきAD変換結果格納レジスタ16に格納されていることを確認するために、S101で、マイクロコントローラ1は、AD変換結果格納レジスタ16からAD変換チャンネルの識別情報αを取得する。その後、S102で、マイクロコントローラ1は、特許請求の範囲における「異常検出手段」として機能することで、取得した識別情報αが各AD変換結果格納レジスタ16に対応する識別情報であるか否かを判断する。
以下、本発明の第2実施形態によるECUについて説明する。第2実施形態では、マイクロコントローラ1が、DMAC(Direct Memory Access Controller)を備える点で第1実施形態と異なる。
一般に、AD変換の周期がシステムの制御周期よりも早いシステムにおいて、CPU11の使用率を抑えながらAD変換を高速に周期実行するために、このような構成が用いられる。例えば、AD変換3回(=DMAC転送3回)に1回CPU演算を行う例を、図11に示す。また、このときの動作例を図12〜17に示す。
図12〜14の動作が、図11中のタイミング1で実行され、図15〜17の動作が図11中のタイミング2で実行される。
図13は、AD変換タイミング1において、AN0〜AN(s−1)までAD変換した後のANs変換時の動作である。ANs変換時には、ANsの識別情報と共にANs変換結果1がANsのAD変換結果格納レジスタ16に格納される。
図14は、DMAC18がAD変換結果格納レジスタ16の情報をRAM12へ転送する様子である。AN0〜ANsまでの変換結果が格納されたタイミングでDMAC18が起動し、AN0〜ANsまでのAD変換結果をRAM12へ転送する。
いずれの場合にも、CPU11をAD変換とは異なる周期で動作させ、N周期分のAD変換結果を用いてモータ4の駆動制御を行うことが可能である。
図18は、図17に示すAD変換結果の転送に引き続き、次の周期(図11中のタイミング3)のAN0のAD変換が発生したときの動作である。また、図19は、ANsまでのAD変換が終了したときの動作である。ここまでは、異常は発生していない。
図21に、異常の検出方法を示す。本実施形態によるAD変換器10では、AD変換結果格納レジスタ16自体に、AD変換結果と共にAD変換チャンネルの識別情報(ID)が格納されている。そのため、AD変換結果格納レジスタ16の値(情報)を転送したRAM12にも、AD変換結果と共にAD変換チャンネルの識別情報が格納されている。ここで、AD変換結果の転送先であるRAM12のアドレスは予めDMAC18に設定したアドレスを元に計算できるため、RAM12のどのアドレスに、どのADチャンネルのAD変換結果が転送されるかは当然既知である。
一方、DMAC18に異常が発生した場合、RAM12の正しいアドレスに正しいAD変換結果及び識別情報を転送できないため、RAM12に格納される識別情報は、AD変換結果格納RAM番号と一致しない。このことから、AD変換結果が転送されたRAM12から、AD変換チャンネルの識別情報を取得すれば、それをAD変換結果格納RAM番号と比較する事で、異常検出が可能である。
はじめに、S201で、該当のRAM12から識別情報αを取得する。次に、S202で、識別情報αを、該当RAM12のAD変換結果格納RAM番号と比較する。このとき、両者の値の一致が見られれば(S202:YES)異常は発生していないと判断し、S203で正常時処置を行う。一方、識別情報αとAD変換結果格納RAM番号の一致が見られなかった場合(S202:NO)には、異常と判断し、S204で異常時処置を行う。もちろん、システムに重大な影響を与えないADチャンネルの異常であれば、特に異常時処置を行わずそのまま制御を継続することも可能である。
以上により、AD変換器10の異常によりAD変換結果が正しく格納されない場合や、DMAC18の異常により正しくRAM12へ転送されない場合の異常検出方法を示した。しかし、ここまで述べた方法のみでは、DMAC18の転送トリガに異常が発生しDMAC18による転送自体が行われない異常については、検出することができない。
図24〜26は、異常が発生していない場合の動作のため図12〜14と同じである。
同様に、図27、図28も、図15、図16と同じである。ここまでは、AD変換器10もDMAC18も正常に動作しており、AD変換結果格納レジスタ16には、AN0をはじめAD変換結果と各識別情報が格納されている。この上で、DMAC18の転送動作自体が動作しなかった場合の図が図29である。
このような異常を検出するには、AD変換結果を格納するRAM12について定期的に識別情報を書き換えることで可能である。例えば、DMAC18の異常判定後に識別情報をクリアする構成とすれば、識別情報が残っている場合にも異常の検出が可能である。
図37〜48に、本実施形態での構成を示す。当該図では、AN0の識別情報(ID)について、奇数回目の変換ではX、偶数回目の変換ではYを出力する構成としているが、切り替えの周期は任意であり、例えばX→Y→Z→X→Y→Zと3回周期で切り替わる構成としてもよい。また、識別情報もX→Y→Zではなく0→1→2でも5→4→3でもよく、値や順番は任意である。ただし、他のADチャンネル(AN1〜ANs)とは異なる識別情報を付与することが望ましい。
図49〜52は異常未発生状態の動作であり、図37〜40と同じである。図56において、DMAC18の転送異常が発生し、その後はDMAC18が正常に動作し、図57〜60の通りとなる。
図61は、異常が発生しなかった場合のRAM12の状態である。
図62は異常が発生した場合のRAM12の状態である。なお、図62では、転送異常が発生して1回転送が抜けたため、本来AN0転送結果3〜ANs転送結果3が入るべきRAM12に、転送先アドレスを巻き戻す前にRAM12に格納されていたAD変換結果3’の結果が残っている。
図63に示すように、当該異常検出フローS600では、はじめに、S601で、該当のRAM12から識別情報をN周期分取得する。ここで、Nは、異常検出処理を行う間に入るDMAC18の転送の回数と等しい。
異常回数が一定回数に達しない場合(S705:YES)には一時異常と判断し、S706で一時異常時の処置を行う。一方、異常回数が一定回数を超えた場合(S705:NO)には恒久異常と判断し、S707で恒久異常時処置を行う。一時異常時の処置としては、前回正常に取得できたAD値(AD変換結果)を用いたモータ4の駆動制御などが考えられる。あるいはシステムが許すならば、今回取得したAD値を用いてモータ4の駆動制御を行っても良い。また、恒久異常時の処置としては、システム(マイクロコントローラ1、ECU2)のリセットにより復帰を促すなどが考えられる。正常時処置としては異常回数のクリアなどが考え得るが、システムが許すならば特に何も行わなくてもよい。
さらに、DMAC18による転送がM回発生した場合にDMAC転送先アドレスを転送先RAM12の先頭アドレスに巻き戻す構成としており、識別情報の切り替え周期がN回の場合には、異なるアプローチでも異常検出が可能である。
図65は、DMAC18の転送が3、9、15・・・と、(2k+1)×3回(k≧0)行われた場合のRAM12の状態である。この場合、AN0の識別情報は、必ずX、Y、Xの順で並ぶ。
また、図66は、DMAC18の転送が6、12、18と、2k×3回(k>0)行われた場合のRAM12の状態である。この場合、AN0の識別情報は、必ずY、X、Yの順で並ぶ。
以上の性質に基づき、周期的に切り替わる識別情報の並びが正しい順番で切り替わることを監視することによっても、DMAC18の転送異常を検出することが可能である。
識別情報は、0、1、2の順にN−1まで切り替わるものとし、DMAC18の転送M回で割り込みがかかるとする。このとき、1回目の割り込み内で確認できる識別情報は、1〜M回目のDMAC転送結果である。このとき、1回目のDMAC転送にて格納される識別情報を確認すると、その識別情報は必ず0である。
なお、割り込みを用いずDMAC転送M回分の周期で定期的に異常検出する方法でも上記と同様の関係に基づいて異常判定することが可能である。もちろん、DMAC転送M回分の周期よりも早い周期で異常判定を行いたい場合には、Sの値を適切に計算した上で、上記異常判定手段を用いて異常判定すればよい。具体的には、異常検出1回あたりのDMAC転送回数をW回とするなら、S=M/Wとなる。
また、本実施形態では、マイクロコントローラ1は、特定のADチャンネルの識別情報を周期的に切り替える機能を有している。また、マイクロコントローラ1は、異常検出手段として機能し、DMAC18によってRAM12に転送された識別情報を切り替え可能なAD変換結果からADチャンネルの識別情報を取得し、取得した識別情報を確認することで、マイクロコントローラ1の異常を検出可能である。
また、本実施形態では、マイクロコントローラ1は、異常検出手段として機能し、識別情報が周期的に切り替わるRAM12のうち、特定のRAM12の識別情報が適切な識別情報になっているか否かを確認することで、マイクロコントローラ1の異常を検出可能である。
本発明による情報処理装置は、電動パワーステアリングシステムに用いられるモータ以外のモータを制御対象としてもよい。例えば、ギア比可変装置またはステアバイワイヤシステムの操舵装置に用いられるモータを制御対象としてもよい。また、車載システムに用いられるモータに限らず、エアコンプレッサに用いられるモータ等、電力により駆動するあらゆる機器を制御対象としてもよい。
このように、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態に適用可能である。
2 ・・・・ECU(情報処理装置)
10 ・・・AD変換器
16 ・・・AD変換結果格納レジスタ(レジスタ)
Claims (8)
- レジスタ(16)、複数のADチャンネルから入力されるアナログ値をデジタル値に変換するAD変換器(10)、前記AD変換器によるAD変換結果としての前記デジタル値と共に、どの前記ADチャンネルからの前記アナログ値を変換したかを識別するための識別情報を前記レジスタの特定のアドレスに格納する機能、および、特定の前記ADチャンネルの前記識別情報を周期的に切り替える機能を有するマイクロコントローラ(1)と、
該当の前記ADチャンネルの前記識別情報が格納される前記レジスタから前記識別情報を取得し、前記識別情報が切り替わることを確認することで、前記マイクロコントローラの異常を検出可能な異常検出手段(1)と、
を備える情報処理装置(2)。 - レジスタ(16)、RAM(12)、前記レジスタに格納されている情報を前記RAMに転送するDMAC(18)、複数のADチャンネルから入力されるアナログ値をデジタル値に変換するAD変換器(10)、前記AD変換器によるAD変換結果としての前記デジタル値と共に、どの前記ADチャンネルからの前記アナログ値を変換したかを識別するための識別情報を前記レジスタの特定のアドレスに格納する機能、および、特定の前記ADチャンネルの前記識別情報を周期的に切り替える機能を有するマイクロコントローラ(1)と、
前記DMACによって前記RAMに転送された前記識別情報を切り替え可能な前記AD変換結果から前記ADチャンネルの前記識別情報を取得し、取得した前記識別情報を確認することで、前記マイクロコントローラの異常を検出可能な異常検出手段(1)と、
を備える情報処理装置(2)。 - 前記異常検出手段は、前記DMACの転送の周期よりも遅い周期で異常検出処理を行い、異常検出処理を行う際には、前記識別情報が切り替わる前記ADチャンネルに付与された複数回分の前記識別情報を確認することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
- 前記異常検出手段は、前記識別情報が周期的に切り替わる前記RAMのうち、特定の前記RAMの識別情報が適切な識別情報になっているか否かを確認することで、前記マイクロコントローラの異常を検出可能であることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
- 前記異常検出手段により前記マイクロコントローラの異常を検出した回数を計測し、当該回数に応じて前記マイクロコントローラの一時的な異常と恒久的な異常とを判別する異常判別手段(1)をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
- 前記AD変換結果に基づき制御対象(4)を制御するシステム(90)に適用され、
前記異常判別手段により前記マイクロコントローラの一時的な異常が発生したと判別した場合、前回正常に取得された前記AD変換結果を用いて前記制御対象の制御を継続する制御継続手段(1)をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。 - 前記AD変換結果に基づき制御対象(4)を制御するシステム(90)に適用され、
前記異常判別手段により前記マイクロコントローラの一時的な異常が発生したと判別した場合、今回取得した前記AD変換結果を用いて前記制御対象の制御を継続する制御継続手段(1)をさらに備えることを特徴とする請求項5または6に記載の情報処理装置。 - 前記AD変換結果に基づき制御対象(4)を制御するシステム(90)に適用され、
前記異常判別手段により前記マイクロコントローラの恒久的な異常が発生したと判別した場合、前記制御対象の制御を停止する制御停止手段(1)をさらに備えることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
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