JP3364413B2 - 自動運転制御装置 - Google Patents

自動運転制御装置

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JP3364413B2
JP3364413B2 JP19736797A JP19736797A JP3364413B2 JP 3364413 B2 JP3364413 B2 JP 3364413B2 JP 19736797 A JP19736797 A JP 19736797A JP 19736797 A JP19736797 A JP 19736797A JP 3364413 B2 JP3364413 B2 JP 3364413B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば先行車両と
の車間距離を所定値に保って走行する車間制御を行うこ
とができる自動運転制御装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、自動運転の制御として、先行
車両と所定の間隔を保って走行するために、レーザーセ
ンサ等の検出結果を用いて車両の速度等を制御する車間
制御が考えられている。 【0003】上述した制御を行う場合には、車間制御の
際に必要な演算や指令等を行う電子制御装置(車間制御
ECU)や、エンジンの出力等の制御を行う電子制御装
置(エンジンECU)などが使用されるが、この様な複
数のECUを用いるシステムにおいては、信頼性を保証
することが重要であり、そのため各種の対策が考えられ
ている。 【0004】例えば、それぞれのECU内部の演算の信
頼性に関しては、それぞれのECUにて保証するか、ま
たは受け側のECUにて上下限ガードをかける方法が採
用されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところが、前記の対策
をとった場合でも、送信側ECUの内部演算に間違いが
あった時などには、これらのガードをパスしてしまう可
能性が全くないとは言い切れない。 【0006】特に、自動運転に関する場合、この制御に
関与するデータの信頼性を確保することが重要であり、
例えば減速すべき局面にて加速してしまうような異常を
避ける必要がある。本発明は前記課題に鑑みなされたも
のであり、車両の自動運転の際に、データの信頼性をチ
ェックして、最適な車両の制御を行うことができる自動
運転制御装置を提供することを目的とする。 【0007】 【0008】 【0009】 【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、複
数の電子制御装置間にてデータの通信を行い、該複数の
電子制御装置の働きによって車両の自動運転を制御する
自動運転制御装置において、前記複数の電子制御装置間
にて送受信するデータフレームに、データの順番を認識
するためのカウンタを設定し、前記カウンタの値がデー
タの順番の異常を示し、且つ、連続した受信データの変
化が所定の実現可能な範囲内にないときには、データ異
常と判定する。 【0010】よって、このカウンタを使用すれば、送受
信するデータの順番を認識することができるので、例え
ば同じ値のデータが続いてもカウンタ値が連続していれ
ば、正常値と判断できるし、逆に、この順番に異常があ
る場合には、何等かの異常が発生したと判断することが
できる。 【0011】また、例えば前回受信した車速データと今
回受信した車速データとの値が、通常では考えられない
ほど大きく離れている場合には、送信時などに何等かの
異常が発生していると見なす。つまり、データは順次連
続的に送られてくるが、その受信データの変化が許容範
囲から逸脱している場合は、受信データの意味する内容
に連続性がないと判断する。尚、この場合は、何が原因
で異常が発生しているかは問わない。従って、この異常
判定の後には、異常の発生に対応した各種の制御を行な
うことが可能となるので、より安全な自動運転の制御を
実現することができる。 【0012】・尚、連続するデータのカウンタをインク
リメントしてデータを送信することにより、受信側で
は、容易に且つ確実にデータの異常を判定することがで
きる 【0013】・更に、受信側にて、連続するデータのカ
ウンタがインクリメントされているかどうかを判定する
ことにより、容易に且つ確実にデータの異常を判定する
ことができる。 【0014】・また、所定の判定期間又は判定回数にわ
たって、異常が発生したと判断された場合には、異常の
発生を確定してもよいこの場合には、単に異常の検出
を行なうのではなく、ノイズ等の影響を排除して確実に
異常を検出する。つまり、例えば1回の判定では、誤判
断することがあるので、ここでは、所定の判定期間を設
定したり、所定の判定回数を設定することにより、複数
回の判定を行なうものである。 【0015】そして、複数回の判定を行った場合でも、
異常と判断されたときには、確かに異常が発生している
と見なして、異常であると確定判断するものである。従
って、単に1回の異常判定の場合と比べて、より確実に
異常判定を行なうことができる。 【0016】尚、この異常の確定に至るまでの所定の判
定期間(又は所定の判定回数の期間)は、異常である可
能性がある仮の異常判定ということができる。・更に、 異常の発生が確定された場合には、送信するデ
ータの中に、異常の種類を示すダイアグコードを含めて
送信してもよい。 【0017】例えば送信するデータフレーム中に、異常
を示すダイアグコードの欄を設けておき、異常が確定し
た場合には、データフレーム中に異常を示す(又は異常
の種類を示す)ダイアグコードをセットして送信する。
これにより、受信側では、ダイアグコードを参照して異
常が発生していることが分かるので、例えば異常のある
データフレーム中のデータを全て廃棄するか、あるい
は、その中から正常値だけを取り出して用いるか等の選
択を行なって、好ましい制御を選択実行することができ
る。 【0018】・その上、先行車両との車間距離を制御す
る車間制御の場合には、異常の発生の確定までの判定期
間又は判定回数は、外乱に対するマージンと、先行車両
の追従時の車間時間と、人間の反応時間とに基づいて設
してもよい。異常の確定までの判定期間(又は判定回
数)は、その期間が長いほど(回数が多いほど)異常判
定の信頼性が高まる。ところが、その期間(回数)は、
異常が発生している可能性がある期間(回数)であるの
で、当然ながら、できる限り短い期間(少ない回数)で
あることが望ましい。 【0019】ここでは、外乱に対するマージンと、先行
車両の追従時の車間時間と、人間の反応時間とに基づい
て、判定期間(又は判定回数)を設定しているので、仮
にその間に本当に異常が発生している場合でも、安全な
走行が可能である。例えば、車間制御の際に、運転者が
何等かの異常を感知してブレーキを踏んだ場合に、衝突
等に至ることなく安全に制動を行なうことができる様
に、判定期間を設定する。 【0020】尚、前記車間時間とは、先行車両との車間
距離を自車両の車速で割った値であり、そのままの車速
で走行した場合に、該当する車間距離がどれほどの時間
で0になるかを示す値である。・また 、先行車両との車間距離を制御する車間制御の場
合には、異常の発生の確定までの判定期間又は判定回数
の間は、車間距離が低減しないように制御してもよい。 【0021】つまり、異常の確定までの判定期間(又は
判定回数)の間は、異常の確定時の制御(例えば車間制
御をキャンセルする制御等)を実行しないので、その間
は、少なくとも車間距離を縮めない様に、例えば目標加
速度を調節する等の制御を行なう。 【0022】これにより、異常の確定までの仮の判定期
間における車間制御の安全が確保される。・更に 、異常の発生の確定までの判定期間又は判定回数
の間は、電子制御装置によって算出された前回の正常受
信データの目標加速度が0以上の場合には、目標加速度
を0に設定し、算出された目標加速度が0未満の場合に
は、その値を目標加速度として採用してもよい。 【0023】ここでは、異常の確定までの判定期間(又
は判定回数)の間において、前回の正常受信データの目
標加速度が0以上の場合は、そのままでは自車両が加速
されて車間距離が少なくなる可能性があるので、その時
には、加速しない様に目標加速度を0にする。それによ
り、安全を確保しつつ、あまり車間距離が離れない様に
制御することができる。一方、前回の正常受信データの
目標加速度が0未満の場合には、自車両は減速するの
で、安全を確保でき、しかも算出された目標加速度をそ
のまま用いるので、あまり車間距離が離れない様に制御
することができる。 【0024】・その上、異常の発生が確定した場合に
は、異常と判断されたデータを用いる制御をキャンセル
してもよい。異常が確定した場合に、その異常なデータ
を用いて制御を行なうことは不都合であるので、そのと
きには、異常なデータを用いて行なう制御を禁止する。
これにより、安全な自動運転を実現することができる。 【0025】・また、異常と判断されたデータを用いる
制御をキャンセルしたことを、運転者に報知してもよ
。これにより、運転者は、異常のデータを用いた制御
が禁止されたことが分かるので、その後は、運転者の判
断に基づいて適正な運転を行なうことが可能となる。 【0026】・更に、データとして、現在の車両速度の
データ、先行車両との車間距離のデータ、及び先行車両
との相対速度のデータのうち、少なくとも1種を採用で
きるここでは、上述したデータを採用することによ
り、例えば車間制御を最適に行なうことができる。 【0027】・その上、異常の発生が確定された場合に
対応して実施される処理、例えばダイアグコードのセッ
ト等の実施時期は、他の車両との距離を検出するセンサ
(例えばレーザーレーダ)の発光し始める車速よりも高
い車速に設定してもよい。 【0028】これにより、実際に例えば車間制御に入る
前に異常の発生を検知することができるので、その様な
場合は、例えば車間制御を実施しないように設定するこ
とができる。つまり、実際に運転者が車間制御機能を利
用しようとする前に、より早く異常の有無を判定するこ
とにより、装置の動作中にキャンセルされる煩わしさを
少しでも排除することができる。 【0029】 【発明の実施の形態】以下、本発明の自動運転制御装置
の好適な実施の形態を、例(実施例)を挙げて図面に基
づいて詳細に説明する。本実施例の自動運転制御装置
は、送信側電子制御装置(以下電子制御装置をECUと
記す)からの受信データを受信側ECUで監視して、シ
ステムの信頼性を高めるとともに、異常時には、車両を
少なくとも減速側に制御して安全性を確保する装置であ
る。 【0030】a)まず、本実施例の自動運転制御装置の
全体構成を、図1のブロック図に基づいて説明する。図
1に示す様に、車両に搭載される自動運転制御装置は、
先方車両との車間距離を所定値に保って追従する車間制
御を行なうものであり、その車間制御及びその他の制御
を行なうECUとして、レーザーセンサECU3と、車
間制御ECU5と、エンジンECU7と、ブレーキEC
U9とを備えている。 【0031】このうち、レーザーセンサECU3は、レ
ーザーレーダセンサ1の制御等を行なうものであり、こ
のレーザーレーダセンサ1は、レーザー光を前方に照射
して、その反射光から先行車両との間隔(車間距離)や
速度を検出する。また、エンジンECU7は、エンジン
の出力等を調節して車速等を制御するものであり、この
エンジンECU7には、自車両の車速を検出する車速セ
ンサ11、ブレーキペダル(図示せず)が踏まれたこと
を検出するブレーキスイッチ(以下スイッチをSWと記
す)13、車間制御を行う場合の設定値を入力するクル
ーズコントロールSW15、車間制御のオン、オフを切
り替えるクルーズメインSW17が接続されている。
尚、エンジンECU7は、ボデーLAN19を介して、
図示しないが、ダッシュボード等の各種の表示器や、ワ
イパの作動状態を検出するワイパSW、テールランプの
オン、オフを検出するテールSWにも接続されている。 【0032】更に、ブレーキECU9は、制動時の制御
を行なうものであり、このブレーキECU9には、操舵
角を検出するステアリングセンサ21、ヨーレートを検
出するヨーレートセンサ23、車輪速度を検出する車輪
速度センサ25、警報ブザー27が接続されている。 【0033】この自動運転制御装置では、下記の様なデ
ータの送受信がなされる。まず、レーザーセンサECU
3から車間制御ECU5には、先行車両の車速、先行車
両との車間距離及び相対速度等の先行車情報、データ等
の異常の内容を示すダイアグデータが送信され、逆に、
車間制御ECU5からレーザーセンサ3には、現車速、
推定旋回半径(推定R)が送信される。 【0034】また、車間制御ECU5からエンジンEC
U7には、目標加速度、フューエルカット要求、オーバ
ードライブ(OD)カット要求、3速シフトダウン要
求、(警報ブザー27を鳴らす)警報要求、異常を示す
ダイアグデータ、表示器に表示すべき表示データ等が送
信される。逆に、エンジンECU7から車間制御ECU
5には、現車速、操舵角、ヨーレート、設定車間時間、
ワイパSW情報、(アイドルやブレーキ等の)制御状態
を示すデータ等が送信される。 【0035】更に、エンジンECU7からブレーキEC
U9には、警報要求が送信され、逆に、ブレーキECU
9からエンジンECU7には、操舵角及びヨーレートの
情報が送信される。 b)次に、上述した構成の自動運転制御装置の主要な動
作を、図2〜図8に基づいて説明する。尚、図2は、特
に車間制御に関係する信号等の要部を具体的に示したブ
ロック図である。 【0036】i)まず、機能コードの異常判定について説
明する。 図2に示す様に、例えばレーザーセンサECU3から
車間制御ECU5にデータを送信する場合には、例えば
図3にそのデータフレームを示すが、他のデータととも
に、現在何の制御を行っているかを示す機能コードを送
信する。尚、図3において、物標は先行車両を区別する
標識であり、自車線確率とは先行車両が自車線にいる確
率であるが、本実施例と関係のない箇所の説明は省略す
る。 【0037】従って、機能コードを受信した車間制御E
CU5では、この機能コードが、例えば車間制御を示す
機能コード(FDH)等の様に、ある決められた機能コ
ードの範囲内の値であるかどうかを判定する。よって、
所定の範囲の機能コードでないと判断された場合は、何
等かの異常が発生したと判断する。尚、機能コードの判
定の場合は、1回の判定で異常の発生を確定する。 【0038】また、車間制御ECU5は、レーザーセ
ンサECU3にデータを送信する際には、機能コードも
送信しており、レーザーセンサECU3は、前記i)に示
す様にしてその機能コードを返送している。従って、車
間制御ECU5では、送信した機能コードと受信した機
能コードが同じかどうかをチェックし、同じでない場合
には、何等かの異常が発生したと判定する。尚、この場
合も、1回の判定で異常の発生を確定する。 【0039】つまり、機能コードに関しては、前記、
のいずれか一方でも異常と判定された場合に、異常の
発生を確定している。 ii)次に、受信データの連続性の判定について説明す
る。 車速の連続性 車速データは、エンジンECU7から車間制御ECU5
に送信され、更にレーザーセンサECU3に送信される
が、ここでは、エンジンECU7から送信されて車間制
御ECU5にて受信された車速データの連続性の判断に
ついて説明する。尚、レーザーセンサECU3にても車
速の連続性の判断を行うが、同様な処理であるのでその
説明は省略する。 【0040】図4のステップ100では、現車速が30
km以上か否かを判定する。これは、車速が30km未
満の場合は、システムが機能しない設定にしているため
である。ここで肯定判断されるとステップ110に進
み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。 【0041】ステップ110では、通信エラーがあるか
否かを判定する。これは、通信エラーがある場合は、受
信データに抜けがあり、本処理における受信データの連
続性の判断、即ち許容できる範囲内のデータの変化か否
かの判断ができないからである。ここで肯定判断される
と、一旦本処理を終了し、一方否定判断されるとステッ
プ120に進む。尚、通信エラーの有無は、例えば、チ
ェックサムによりチェックする。 【0042】ステップ120では、エンジンECU7か
ら正常に受信した2つの連続した現車速のデータの差
が、物理的に可能な範囲外(例えば±3km/h以上)
であるか否かを判定する。ここで、肯定判断されると、
物理的に有り得ないデータであるので、データが異常で
あると仮に判断し、ステップ130にてその旨を示す仮
判定フラグをセットし、ステップ140に進む。一方否
定判断されると、データに連続性があり異常ではないと
判断して、一旦本処理を終了する。即ち、車速のデータ
の差が、前回より3km/h未満の増加又は減少であれ
ば、連続性があると判断している。 【0043】・ここで、前記速度データの差の判定値
(±3km/h)の設定方法について説明する。エンジ
ンECU7から車間制御ECU5への送信タイミング
(例えば44msec周期)と、車間制御ECU5の受
信タイミング(例えば48msec周期)とにはずれが
ある。従って、車両の最大減速度を0.5Gとすると、
車間制御ECU5で判定する1周期の間の車速変化量の
最大値は、送信タイミングの2周期分と考えられるの
で、0.5×9.8×0.088=約0.43m/s=
約1.55km/hとなる。そこで、設計上、設定値は
送受信周期誤差や減速度のマージンを考慮し、±3km
/hとする。 【0044】尚、車間制御ECU5からレーザーセンサ
ECU3に送信する際には、同様に、車間制御ECU5
からレーザーセンサECU3への送信タイミング(例え
ば96msec周期)と、レーザーセンサECU3の受
信タイミング(例えば100msec周期)とにはずれ
があるので、レーザーセンサECU3で判定する1周期
の間の車速変化量の最大値は、0.5×9.8×0.1
92=約0.94m/s=約3.4km/hとなる。そ
こで、設計上、設定値は送受信周期誤差や減速度のマー
ジンを考慮し、±6km/hとする。 【0045】ステップ140では、前記ステップ120
における最初の仮の異常の判定から、0.5秒以上連続
して異常と判断されたか否かを判定する。即ち、1回の
判定では明確ではないので、所定の判定期間にわたり複
数回連続して異常と判断されたか否かを判定する。ここ
で、肯定判断されると、データの連続性に関する異常が
確かに発生して判断し、ステップ150にてその旨を示
す確定フラグをセットして、一旦本処理を終了する。一
方、否定判断されると、例えば仮の判定はノイズ等によ
る誤判定であって、異常は発生していないと判断して、
そのまま本処理を終了する。 【0046】・ここで、異常判定時間の0.5秒の意味
について説明する。1回の異常判定だけでは、ノイズ等
の意図しない外乱により頻繁に車間制御をキャンセルす
る可能性があるため、一定の連続した異常判定時間を確
保したい。しかし、一方で、異常判定時間中には制御状
態が固着するため、この間の車間状態の急激な変化に運
転者は対応できる様にしなければならない。 【0047】そこで、下記の様にして、実験や経験によ
る値を加味して異常判定時間を設定した。 0.5秒=[追従制御中の車間時間の最短設定(例えば
1.8秒)]−[人間の認知・判断・操作時間(例えば
1.3秒)] 車間距離、相対速度の連続性 図5のステップ200では、現車速が30km以上か否
かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ210
に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。 【0048】ステップ210では、通信エラーがあるか
否かを判定する。ここで肯定判断されると、一旦本処理
を終了し、一方否定判断されるとステップ220に進
む。ステップ220で、データの連続性の判断の際に、
追従する先行車両が変更されると正確な判定ができない
ので、追従している先行車両を変更しているか否かを判
定する。ここで肯定判断されると一旦本処理を終了し、
一方否定判断されるとステップ230に進む。尚、先行
車両が複数ある場合には、それらを物標として区別して
認識しているので、異常の判定を行なっている間に、追
従している先行車両の物標が代わった場合には、当然な
がら同一車両におけるデータの連続性はないので、異常
判定を中止するものである。 【0049】ステップ230では、車間距離が大きすぎ
ると先行車両を正確に把握することが困難となるので、
車間距離が例えば60m以下か否かを判定する。ここで
肯定判断されるとステップ240に進み、一方否定判断
されると一旦本処理を終了する。 【0050】ステップ240では、レーザーセンサEC
U3から正常に受信した2つの連続した車間距離のデー
タの差が、物理的に可能な範囲外(例えば10m以上)
であるか否かを判定する。ここで、肯定判断されると、
ステップ260にて仮判定フラグをセットして、ステッ
プ270に進む。一方否定判断されると、ステップ25
0に進む。尚、本ステップ240で否定判断されたとき
に、一旦本処理を終了するようにしてもよい。 【0051】ステップ250では、レーザーセンサEC
U3から正常に受信した2つの連続した相対速度のデー
タの差が、物理的に可能な範囲外(例えば30km/h
以上)であるか否かを判定する。ここで、肯定判断され
ると、データが異常であると仮に判断して、ステップ2
60にて仮判定フラグをセットして、ステップ270に
進む。一方否定判断されると一旦本処理を終了する。 【0052】ステップ270では、前記ステップ240
または250における最初の仮の異常の判定から、0.
5秒以上連続して異常と判断されたか否かを判定する。
ここで、肯定判断されると、データの連続性に関する異
常が確かに発生していると見なし、ステップ280にて
確定フラグをセットして、一旦本処理を終了する。一
方、否定判断されると、異常は発生していないと判断し
て、そのまま本処理を終了する。 【0053】iii)次に、カウンタを利用したデータ未変
化の判定について説明する。各種のデータは、エンジン
ECU7、車間制御ECU5、レーザーセンサECU3
間で送受信されるが、各送信側ECUにおいて、内部処
理が終了した時点でカウンタ値をインクリメント(+
1)する。 【0054】ここでは、受信側の車間制御ECU側5の
処理について説明する。尚、他の受信側のレーザーセン
サECU3、エンジンECU7にてもデータ未変化の判
断を行うが、同様な処理であるのでその説明は省略す
る。図6のステップ300では、通信エラーがあるか否
かを判定する。ここで肯定判断されると、一旦本処理を
終了し、一方否定判断されるとステップ310に進む。 【0055】ステップ310で、受信用バッファを参照
し、カウンタ値が前回値に対して+1となっているか否
かを判定する。ここで否定判断されると、受信データが
異常であると仮に判定し、ステップ320にて仮判定フ
ラグをセットして、ステップ330に進む。一方肯定判
断されると、受信データに異常はないとして、一旦本処
理を終了する。 【0056】ステップ330では、前記ステップ310
における最初の仮の異常の判定から、0.5秒以上連続
して異常と判断されたか否かを判定する。ここで、肯定
判断されると、データの連続性に関する異常が確かに発
生していると判断して、ステップ340にて確定フラグ
をセットして、一旦本処理を終了する。一方、否定判断
されると、異常は発生していないと判断して、そのまま
本処理を終了する。 【0057】iv)次に、受信データの異常の判定につい
て説明する。目標加速度を受信するエンジンECU7で
は、図7に示す様に、ステップ400にて、受信した目
標加速度が、所定の上下限ガードの範囲内であるか否か
を判定する。ここで肯定判断されると、目標加速度のデ
ータが正常であると判断して、一旦本処理を終了する。
一方、否定判断されると、目標加速度のデータが異常で
あると仮に判定し、ステップ410にて仮判定フラグを
セットして、ステップ420に進む。 【0058】ステップ420では、前記ステップ400
における最初の仮の異常の判定から、0.5秒以上連続
して異常と判断されたか否かを判定する。ここで、肯定
判断されると、目標加速度のデータが異常であることを
確定し、ステップ430にて確定フラグをセットして、
一旦本処理を終了する。一方、否定判断されると、異常
は発生していないと判断して、そのまま本処理を終了す
る。 【0059】v)次に、送信データの異常の判定について
説明する。目標加速度を送信する車間制御ECU5で
は、前記図7と同様に、ステップ400にて、受信した
目標加速度が、所定の上下限ガードの範囲内であるか否
かを判定する。ここで肯定判断されると、目標加速度の
データが正常であると判断して、一旦本処理を終了す
る。一方、否定判断されると、目標加速度のデータが異
常であると仮に判定し、ステップ410にて仮判定フラ
グをセットして、ステップ520に進む。 【0060】ステップ420では、前記ステップ400
における最初の仮の異常の判定から、0.5秒以上連続
して異常と判断されたか否かを判定する。ここで、肯定
判断されると、目標加速度のデータが異常であることを
確定し、ステップ430にて確定フラグをセットして、
一旦本処理を終了する。一方、否定判断されると、異常
は発生していないと判断して、そのまま本処理を終了す
る。 【0061】c)次に、上述した仮又は確定の異常判定
に基づいて行われる制御処理について説明する。 i)まず、仮の異常判定の際の処理、即ち最初の異常判定
から異常が確定するまでの(仮判定フラグがセットされ
ている)0〜0.5秒間に行われる処理について説明す
る。 【0062】仮の異常判定が行われた場合(仮判定フ
ラグがセットされている場合)には、前回の受信データ
を保持するとともに、異常なデータを含む可能性が高い
今回の受信データを破棄する。 この場合、車間制御に特に重要な目標加速度の値を下
記の様に設定する。 【0063】・目標加速度が0以上の場合は、速度がそ
れ以上増大して、車間距離が低減しない様に、目標加速
度を0にセットする。 ・目標加速度が0未満の場合は、速度がそれ以上増大し
て、車間距離が低減することはないと考えられるので、
その前回の値を目標加速度として保持する。 【0064】ここで、前記、の処理を、図8のフロ
ーチャートで示す。まず、図8のステップ500で、仮
判定フラグがセットされているか否かを判定する。ここ
で肯定判断されるとステップ510に進み、一方否定判
断されると一旦本処理を終了する。 【0065】ステップ510では、今回の受信データを
破棄する。続くステップ520では、前回の受信データ
を今回の受信データとして保持する。続く530では、
保持されたデータである目標加速度が0以上か否かを判
定する。ここで肯定判断されるとステップ540に進
み、一方否定判断されるとステップ550に進む。 【0066】ステップ540では、目標加速度を0にセ
ットして、一旦本処理を終了する。これにより現在車速
が維持される。一方、ステップ550では、その値を目
標加速度として採用し、一旦本処理を終了する。これに
より、今までの減速状態が維持される。 【0067】つまり、受信データが異常であると仮に判
定されている場合は、前回の目標加速度が0以上か否か
の判定を行なって、その仮の判定の期間に車間制御を継
続した場合でも、車間距離が低減しない様にしている。
そのため、車間制御を有る程度実施できるとともに、十
分な安全性を確保することができる。 【0068】ii)次に、異常判定が確定した際の処理、
即ち最初に異常と判定されてから0.5秒間以上連続し
て異常と判定された際の処理について説明する。 レーザーセンサECU3で異常判定した場合(確定フ
ラグがセットされている場合) ・(車間制御ECU5から)受信した現車速のデータの
連続性の判定や、(車間制御ECU5から)受信したデ
ータのカウンタを利用した未変化の判定により、異常が
確定した場合には、今回のデータを破棄するとともに、
前回値を保持する。 【0069】・また、前記異常が確定した場合には、デ
ータフレームの所定の箇所に、判定した異常の内容を示
すダイアグフラグを立てる。 この処理を、図9のフローチャートに示す。図9のステ
ップ600にて、確定フラグがセットされているか否か
を判定する。ここで肯定判断されると、ステップ610
に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。 【0070】ステップ610では、今回のデータを破棄
し、続くステップ620では、前回のデータを今回のデ
ータとして保持し、続くステップ630では、異常を示
すダイアグフラグをセットして、一旦本処理を終了す
る。 車間制御ECU5で異常判定した場合 ・(エンジンECU7から)受信した現車速のデータの
連続性の判定、(レーザーセンサECU3から)受信し
たデータのカウンタを利用した未変化の判定、(レーザ
ーセンサECU3から)受信した機能コードの異常の判
定、(レーザーセンサECU3から)受信した車間距離
及び相対速度のデータの連続性の判定により、異常が確
定した場合には、今回のデータを破棄するとともに、前
回値を保持する。 【0071】・また、前記異常が確定した場合には、デ
ータフレームの所定の箇所に、判定した異常の内容を示
すダイアグフラグを立てる。尚、ダイアグフラグを立て
ない場合には、制御のキャンセルを指示する異常キャン
セルフラグを立ててもよい。 【0072】また、この処理は、前記図9のフローチャ
ートに示す手順と同様である。 エンジンECU7で異常判定した場合 ・(車間制御ECU5から)受信した目標加速度が異常
と判断された場合、(車間制御ECU5から)受信した
データのカウンタを利用した未変化の判定により異常が
確定した場合、ダイアグフラグを受信した場合、又は異
常キャンセルフラグを受信した場合には、車間制御をキ
ャンセルし、非制御状態に移行する。 【0073】・また、車間制御をキャンセルした場合
は、その旨を、表示器(図示せず)や警報ブザー27に
より、運転者に報知する。 この処理を、図10のフローチャートに示す。図10の
ステップ700にて、確定フラグがセットされているか
否かを判定する。ここで肯定判断されると、ステップ7
10に進み、一方否定判断されるとステップ730に進
む。 【0074】ステップ730では、ダイアグフラグを受
信したか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステ
ップ710に進み、一方否定判断されるとステップ74
0に進む。ステップ740では、異常キャンセルフラグ
を受信したか否かを判定する。ここで肯定判断されると
ステップ710に進み、一方否定判断されると一旦本処
理を終了する。 【0075】ステップ710では、車間制御をキャンセ
ルし、続くステップ720では、表示器や警報ブザー2
7により、車間制御をキャンセルしたことを運転者に報
知し、一旦本処理を終了する。この様に、本実施例で
は、それぞれの受信側のECUにて、上述した様に、機
能コードの異常判定、データの連続性の判定、カウンタ
を利用したデータ未変化の判定、受信データの異常の判
定、送信データの異常の判定を行っている。そのため、
従来よりデータの異常判定を精度よく行うことができ
る。 【0076】また、所定期間(0.5秒間)にわたり仮
の異常判定を行った後に、即ち複数回の仮の異常判定を
行った後に、異常の判定の確定を行うので、その点から
も精度よく異常判定を行うことができるという利点があ
る。つまり、仮の異常判定の期間は異常とは決めないの
で、瞬間的なノイズ等に起因する異常との誤判定により
制御停止という事態を防止することができる。 【0077】更に、仮の異常判定の期間中は、車両制御
を安全側に行っていわゆるフェイルセーフを実現してい
る。つまり、異常なデータは破棄するとともに、前回の
正常なデータに基づいて、目標加速度を安全な方に設定
している。そのため、判定期間における自動運転の安全
性が向上するという効果がある。 【0078】しかも、異常が確定した後には、車間制御
をキャンセルするので、より一層安全性が高まるという
利点がある。尚、本発明は上記実施例に何ら限定される
ことなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない限り、種々
の態様で実施できることはいうまでもない。 【0079】例えばダイアグフラグの設定は、例えば下
記の様に、レーザーレーダセンサが発光し始める車速よ
り高く、車間制御機能が開始可能となる車速より低い場
合に実施する様に設定することができる。 ・車速30km/h以上でレーザーレーダセンサ発光開
始 ・車速48km/h以上で車間制御機能開始 この様に設定するのは、実際に運転者が車間制御機能を
利用しようとする前に、より早く異常の有無を判定する
ことにより、装置の動作中にキャンセルされる煩わしさ
を少しでも排除するためである。
【図面の簡単な説明】 【図1】 実施例の自動運転制御装置の全体構成を示す
ブロック図である。 【図2】 実施例の自動運転制御装置の要部を示すブロ
ック図である。 【図3】 データフレームの構造を示す説明図である。 【図4】 車速のデータに関する連続性の異常判定の処
理を示すフローチャートである。 【図5】 車間距離及び相対速度のデータに関する連続
性の異常判定の処理を示すフローチャートである。 【図6】 カウンタ値を用いたデータ未変化に関する異
常判定の処理を示すフローチャートである。 【図7】 目標加速度に関する異常判定の処理を示すフ
ローチャートである。 【図8】 仮の異常の判定期間における車間制御の処理
を示すフローチャートである。 【図9】 異常の確定後の処理を示すフローチャートで
ある。 【図10】 異常の確定後の処理を示すフローチャート
である。 【符号の説明】 1…レーザーレーダセンサ 3…レーザーセンサECU 5…車間制御ECU 7…エンジンECU 9…ブレーキECU
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 泰彦 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式 会社デンソー内 (72)発明者 大杉 啓治 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式 会社デンソー内 (72)発明者 宮越 博規 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 古居 信之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 宮越 恒雄 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−235213(JP,A) 特開 昭59−83429(JP,A) 特開 平9−142256(JP,A) 特開 平8−36696(JP,A) 特開 平7−111503(JP,A) 特開 平7−107564(JP,A) 特開 平7−91310(JP,A) 特開 平6−61977(JP,A) 特開 平6−20200(JP,A) 特開 平5−336206(JP,A) 特開 平5−94600(JP,A) 特開 平4−321733(JP,A) 特開 平4−242895(JP,A) 特開 平3−79415(JP,A) 特公 昭63−22497(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G08C 25/00 G08G 1/16

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 複数の電子制御装置間にてデータの通信
    を行い、該複数の電子制御装置の働きによって車両の自
    動運転を制御する自動運転制御装置において、 前記複数の電子制御装置間にて送受信するデータフレー
    ムに、データの順番を認識するためのカウンタを設定
    し、 前記カウンタの値がデータの順番の異常を示し、且つ、
    連続した受信データの変化が所定の実現可能な範囲内に
    ないときには、データ異常と判定 することを特徴とする
    自動運転制御装置。
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