JPH06270780A - 車両の安全装置 - Google Patents

車両の安全装置

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JPH06270780A JP5087907A JP8790793A JPH06270780A JP H06270780 A JPH06270780 A JP H06270780A JP 5087907 A JP5087907 A JP 5087907A JP 8790793 A JP8790793 A JP 8790793A JP H06270780 A JPH06270780 A JP H06270780A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】前方車両に対する衝突防止等の危険回避の制御
が不用に行なわれないようにする。 【構成】前方車両2に対する実際の車間距離L1が所定
のしきい値L2以下になると警報器11が作動され、L
0(<L2)以下になると自動ブレ−キが作動される。
前方車両2の走行性能例えば減速性能が自車1の減速性
能よりも優れているときは、上記しきい値L2とL0と
の少なくとも一方が補正値K分だけ大きい値に変更され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は前方車両に対する衝突等
を回避するようにした車両の安全装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】車両の安全装置のなかには、前方車両と
の衝突を回避するため、例えば前方車両との車間距離が
所定のしきい値以下となったときに、警報を発っした
り、自動的にブレ−キをかける等の危険回避作動を行な
わせることが提案されている(特開昭54−40432
号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述した危険回避のた
めの作動特性の設定、例えばどのような条件を満足した
ときに危険回避の作動を開始させるかは、つまるとこ
ろ、前方車両の走行性能特に制動性能というものに大き
く依存することになる。従来は、前方車両の走行性能と
いうものを考慮することなく上記作動特性を設定してい
たため、確実な危険回避を得ようとするならば、十分余
裕を見込んだ作動特性の設定とならざるを得ないものと
なる。例えば、車間距離が所定しきい値以下になると危
険回避の作動を行なわせる場合、この所定しきい値を余
裕をもってかなり大きい値に設定せざるを得ず、このた
め、前方車両の種類によっては衝突等の危険が生じない
にもかかわらず、不用に危険回避の作動が行なわれてし
まうことになる。
【0004】したがって、本発明の目的は、不用に危険
回避の作動が行なわれてしまう事態を防止あるいは低減
し得るようにした車両の安全装置を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明はその第1の構成として次のようにしてあ
る。すなわち、前方車両に関連して走行上の危険回避を
行なうための危険回避手段と、前記前方車両の走行性能
を検出する走行性能検出手段と、前記走行性能検出手段
で検出された前方車両の走行性能に応じて、前記危険回
避手段の作動特性を変更する特性変更手段と、を備えた
構成としてある。
【0006】前記目的を達成するため、本発明はその第
2の構成として次のようにしてある。すなわち、前方車
両に関連して走行上の危険回避を行なうための危険回避
手段と、前記前方車両との走行性能差を検出する走行性
能差検出手段と、前記走行性能差検出手段で検出された
前方車両との走行性能差に応じて、前記危険回避手段の
作動特性を変更する特性変更手段と、を備えた構成とし
てある。この場合、走行性能差としては制動性能差を設
定することができる。
【0007】前第1、第2の構成の場合共に、前記危険
回避手段を、前記前方車両との車間距離が所定しきい値
以下になったときに作動開始されるものとして設定し、
前記特性変更手段を、前記所定しきい値を変更するもの
として設定することができる。また、第2の構成の場合
に、前記走行性能差検出手段を、前記前方車両の制動性
能と自車の制動性能との差を検出するように設定するこ
とができる。
【0008】前記いずれの構成の場合も、自車の有する
走行性能に関する信号を他車に向けて発信するための発
信手段をさらに備えて、前記走行性能検出手段または走
行性能差検出手段を、他車から発信された他車の走行性
能に関する信号を受信する受信手段を含ものとして構成
することができる。
【0009】
【発明の効果】請求項1に記載されたような構成とする
ことにより、前方車両の走行性能に応じて自車の危険回
避の作動特性をより適切なものとして、不用に危険回避
の作動を行なわせてしまうことや、危険回避の作動が遅
れてしまうというな事態を防止あるいはこのような事態
が生じる機会を低減させることができる。
【0010】請求項2に記載されたような構成とするこ
とにより、前方車両と自車との走行性能の差という相対
的関係で危険回避の作動特性を変更するので、請求項1
での効果と同様な効果を得ることができる。
【0011】請求項3に記載されたような構成とするこ
とにより、前方車両との車間距離という衝突回避のため
の重要なパラメ−タを加味したものとなるので、危険回
避を行なう制御として好ましいものとなるばかりでな
く、実用上も好適なものとなる。
【0012】請求項4に記載されたような構成とするこ
とにより、前方車両との衝突防止という事態を防止する
上で、極めて効果的かつ実用的なものとなる。
【0013】請求項5に記載されたような構成とするこ
とにより、前方車両の走行性能というものを正確に知り
得て請求項1〜請求項4に記載の効果をより十分に発揮
させることができる。また、多くの車両がこのような構
成を採択することにより、走行上の安全を確保する上で
の社会システムを構築することができる。
【0014】
【実施例】図1において、1は本発明が適用された自動
車、2は自動車1の前方を走行する前方車両である。自
動車1は、図2に示すような制御系統を有する制御シス
テムを備えている。この図2において、Uはマイクロコ
ンピュ−タを利用して構成された制御ユニットで、この
制御ユニットUからは各センサ等S1〜S5からの信号
が入力される。センサS1は車速を検出するものであ
る。センサS2は路面μ(摩擦係数)を検出するもので
ある。
【0015】センサS3、S4は、前方車両2との車間
距離を検出するもので、S3は超音波レ−ダ、S4レ−
ザ式レ−ダ−である。これ等センサS3、S4は、安全
のために複数設けられているが(例えばもっとも短い車
間距離を検出したセンサ出力値を制御用の車間距離とし
て用いる)、1つのみ設けたものであってもよい。セン
サS5は、カメラ等により構成されて、前方車両2の種
類つまり走行性能を検出するものとして設定される。実
施例では、走行性能検出のために、制御ユニットUのR
OM)に、車両の種類とこれに対応した減速性能とを記
憶している。
【0016】制御ユニットUからは、ブザ−等の警報器
11、および自動ブレ−キ装置12に対して出力され
る。自動ブレ−キ装置12は、制御ユニットUからの指
令信号に基づいて、ブレ−キペダルが踏込み操作されて
いなくても自動的にブレ−キ液圧を発生させて、車両の
減速を行なわせるものである。このような自動ブレ−キ
装置12は、トラクション制御等に用いられているもの
を利用して構成することができる。
【0017】次に、制御ユニットUによる制御内容につ
いて、図3に示すフロ−チャ−トを参照つしつつ説明す
るが、以下の説明でPはステップを示す。先ず、P1に
おいて、現在の車速V0と、路面μと、前方車両2との
車間距離L1とが読込まれる。次いで、P2において、
両自動車1と2との相対速度V1が、車速V0と車間距
離L1の変化量とに基づいて決定される。
【0018】P3では、車間距離に対応した各しきい値
L0、L2、L3が決定される。しきい値L0は、自動
ブレ−キ装置12の作動を開始させるためのものであ
り、後述する図4に示すマップに基づいて設定される。
しきい値L2は警報器11を作動させるためのものであ
り、L0よりも所定量大きい値に設定される。しきい値
L3は自動ブレ−キの解除を行なうためのものであり、
L0よりも所定量大きい値、場合によっては所定量小さ
い値に設定される。
【0019】図4に示すマップについて説明すると、し
きい値線Aは、前方車両2がその前方障害物と衝突して
停車したときにこの前方車両2との接触を防止するため
に必要な車間距離を示すものであり、相対速度V1の大
きさにかかわらず常に、前方障害物が停止物であるとき
(つまり相対速度V1が自車速度V0と同一のとき)と
同じ値(「V0の2乗値」を『2μg」で除した値で、
gは重力加速度)をとる。しきい値線Bは、前方車両2
がフル制動をかけたときこの車両との接触を防止するた
めに必要な車間距離(数値式V1・(2V0−V1)/
2μg)を示す。しきい値線Cは、前方車両2が減速度
μ/2gの緩制動をかけたときこの車両との接触を防止
するための必要車間距離を示す。
【0020】しきい値線Dは、前方車両2が一定車速を
保ったときこの車両との接触を防止するために必要な車
間距離(「V1の2乗値」を「2μg」で除した値)を
示す。しきい値線Eは、自車1が自動ブレ−キをかけて
も前方車両2との接触を防止できないが、接触時の衝撃
力を緩和できる車間距離を示す。本実施例の場合、図3
のP3では、しきい値線Dが選択されて、このしきい値
線Dで現時点での相対速度V1に対応するしきい値L0
が求められる。なお、前述の各しきい値線A〜Eはそれ
ぞれ、前方車両2としてもっとも一般的な自動車をベ−
ス自動車として決定されている。
【0021】P3の後、P4において、前方車両2の減
速性能が検出される。このP4の処理は、例えば、カメ
ラからなるセンサS5により認識された前方車両2の画
像をあらかじめ記憶された多数種の車両の画像と比較し
て、前方車両2に相当する記憶されている車両を選択
し、この後、この選択された車両に対応した減速性能が
読出される(減速性能も、記憶されている各車両に対応
してあらかじめ記憶されている)。
【0022】P4の後、P5において、前方車両の減速
性能が、自車1の減速性能よりも優れているか否かが判
別される。このP5の判別でYESのときのときは、P
6において、しきい値L2に対して所定の補正値K(>
0)を加算することにより補正後のしきい値L2を得
る。この補正値Kは、図5に示すように、自車1の減速
性能と前方車両2の減速性能との差が大きいほど大きく
なるように設定される。この減速性能の差を得るため
に、自車1の減速性能というものがあらかじめ記憶され
ていることは勿論のことである。なお、減速性能は、例
えば、ブレ−キペダルの踏込力と車両減速度との対応を
示す特性線において、踏込力が比較的小さいときにおけ
る上記特性線の傾斜角度でもって示すことができる。
【0023】P6の後、P7へ移行するが、P5の判別
でNOのときのときは、P6の処理を経ることなくP7
へ移行する。なお、前方車両2が記憶されている車両の
なかに存在しないようなとき、つまりその減速性能が不
明なときは、安全のためにP6の処理を行なうようにし
てもよい。
【0024】P7では、相対速度車速V1が零以上であ
るか否かが判別される。このP7の判別でYESのとき
のときは、車間距離が小さくなっていくときで、前方車
両2との接触が考えらるときである。このときは、P8
において、現在の車間距離L1が、しきい値L2以下で
あるか否かが判別される。このP8の判別でYESのと
きのときは、P9において、警報器11が作動される。
P9の後、P10において、現在の車間距離L1がしき
い値L0よりも小さいか否かが判別される。このP10
の判別でYESのときのときは、P11において、自動
ブレ−キ装置12を作動させて、自動車1を減速させ
る。なお、P8の判別でNOのときのとき、あるいはP
10の判別でNOのときのときは、それぞれP1へ戻
る。
【0025】前記P7の判別でNOのときは、P12に
おいて、現在の車間距離L1がしきい値L3以上である
か否かが判別される。このP12の判別でYESのとき
のときは、P13において自動ブレ−キが解除される。
また、P12の判別でNOのときのときはP13を経る
ことなくP1へ戻る。
【0026】ここで、前方車両2の走行性能、特に減速
性能を正確に知るため、この走行性能に関する情報を他
車に向けて発信する発信手段を設けるのが好ましい。こ
のような発信手段の一例を図6に示してある。この図6
において、21はエンジンブレ−キ性能判定回路で、ア
クセル開度センサS11、エンジン回転数センサS1
2、変速機のギア位置(変速段)を検出するセンサS1
3からの信号が入力される。この回路21は、上記セン
サS11〜S13からの信号を、メモリ回路に記憶され
ているエンジンブレ−キ性能に対照して、現在のエンジ
ンブレ−キ性能を判定し、その判定結果を例えば車両減
速度を示す信号として自動車性能発信回路24に出力す
る。
【0027】また、図6において、23はブレ−キ性能
メモリ回路で、このメモリ回路23には、ブレ−キ踏力
を検出するセンサS14からの信号が入力される。そし
て、メモリ回路23は、ブレ−キ踏力に応じたブレ−キ
性能を例えば車両減速度を示す信号として自動車性能発
信回路24に出力する。発信回路24は、両回路21と
22とからの信号を加算した値を示す信号を発信する。
【0028】発信回路24から発信された信号は、自動
車1に装備された受信手段31に受信されて、この受信
結果が、図3のP4に利用される。すなわち、図1で
は、図6で示すように構成された発信手段が符号31で
示されて前方車両2に塔載され、この発信手段31から
の発信信号を受信する受信手段が符号32で示されて自
動車1に塔載されている。図1では、自動車1にも発信
手段31を塔載した場合を示しているが、各自動車をこ
のような発信手段31と受信手段32とをそれぞれ備え
たものとして構成することにより、自車が後続車となっ
た場合での自車の安全対策上のみならず、自車が前方車
両となった場合での後続車のための安全対策上好ましい
システムとなる。
【0029】以上実施例について説明したが、前方車両
の走行性能を、例えば後方から見たときのボディ形状、
ボディ投影面積、タイヤの幅(ボディ幅に対するタイヤ
幅の割合)等を総合勘案して、当該前方車両の走行性能
特に減速性能を推定するようにすることもできる。
【0030】危険回避のための危険回避手段としては、
警報器11のみ、あるいは自動ブレ−キ装置12のみで
もよく、さらには、自動操舵によって前方車両2を避け
ることができるようなシステムを備えたものであっても
よい。
【0031】さらに、前方車両2の走行性能や自車との
走行性能差に基づいて変更するしきい値として、L2に
代えてあるいは加えてL0としてもよい。また、発信手
段31は、所定の標準状態での走行状態からの減速性能
のみを発信するように設定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、自車と前方車
両とを示す説明図。
【図2】本発明による制御系統例を示す図。
【図3】本発明の制御例を示すフロ−チャ−ト。
【図4】危険回避手段としての自動ブレ−キを作動させ
るためのしきい値の設定例を示す図。
【図5】前方車両との減速性能の差に応じた車間距離の
補正値の設定例を示す図。
【図6】自車のブレ−キ性能を他車に知らせるための発
信手段の一例を示す図。
【符号の説明】
1:自動車(自車) 2:前方車両 U:制御ユニット S3、S4:車間距離センサ(レ−ダ) S5:センサ(前方車両の走行性能検出用) L1:現在の車間距離 L0:自動ブレ−キを作動させるときの車間距離 L2:警報器を作動させるときの車間距離 K:警報器を作動させるときの車間距離の補正値 31:発信手段 32:受信手段
フロントページの続き (72)発明者 土井 歩 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 奥田 憲一 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 山本 康典 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 増田 尚嗣 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】前方車両に関連して走行上の危険回避を行
    なうための危険回避手段と、 前記前方車両の走行性能を検出する走行性能検出手段
    と、 前記走行性能検出手段で検出された前方車両の走行性能
    に応じて、前記危険回避手段の作動特性を変更する特性
    変更手段と、を備えていることを特徴とする車両の安全
    装置。
  2. 【請求項2】前方車両に関連して走行上の危険回避を行
    なうための危険回避手段と、 前記前方車両との走行性能差を検出する走行性能差検出
    手段と、 前記走行性能差検出手段で検出された前方車両との走行
    性能差に応じて、前記危険回避手段の作動特性を変更す
    る特性変更手段と、を備えていることを特徴とする車両
    の安全装置。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2において、 前記危険回避手段が、前記前方車両との車間距離が所定
    しきい値以下になったときに作動開始されるものとして
    設定され、 前記特性変更手段が、前記所定しきい値を変更するよう
    に設定されているもの。
  4. 【請求項4】請求項2において、 前記走行性能差検出手段が、前記前方車両の制動性能と
    自車の制動性能との差を検出するように設定されている
    もの。
  5. 【請求項5】請求項1ないし請求項4のいずれか1項に
    おいて、 自車の有する走行性能に関する信号を他車に向けて発信
    するための発信手段をさらに備え、 前記走行性能検出手段または走行性能差検出手段が、他
    車から発信された他車の走行性能に関する信号を受信す
    る受信手段を含ものとして構成されているもの。
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