以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)図1に本発明の第1の実施形態に係る現金処理システムの概略構成を示す。現金処理システムは、店舗1に設置された現金処理機10と、センターサーバ20とを備えている。現金処理機10は、現金の入金処理又は出金処理を行うと、入出金処理の内容を示す入出金データを、インターネット等の通信回線を介して、センターサーバ20へ送信する。
センターサーバ20は、現金処理機10から受信した入出金データ20に基づいて、銀行3の店舗口座31と警備会社口座32との間における振込処理を行う。ここで、店舗口座31とは、現金処理機10が設置されている店舗1、又はこの店舗1の本社(経営者)の銀行口座である。また、警備会社口座32は、現金処理機10から現金を回収したり、現金処理機10に現金を補充したりする業務の委託を受けている警備会社の銀行口座である。例えば、警備会社は、店舗口座31から振り込まれた預託金を利用して釣銭準備金を作成し、この釣銭準備金を現金処理機10に補充する。店舗1では、営業開始前などに現金処理機10から釣銭用の貨幣が出金され、店舗1内の売り場にあるレジに入金される。
店舗口座31と警備会社口座32は、異なる銀行の口座でもよい。また、銀行に限らず、信用金庫等の他の金融機関の口座でもよい。
図2に、現金処理機10のブロック構成を示す。現金処理機10は、演算制御部100、記憶部110、紙幣処理装置120、硬貨処理装置130、操作部140、及び通信部150を備えている。
演算制御部100は、記憶部110、紙幣処理装置120、硬貨処理装置130、操作表示部140、及び通信部150に接続されており、記憶部110に記憶されている制御プログラムに従って各部の制御を行う。また、演算制御部100は、上述した入出金データを生成し、通信部150を介してセンターサーバ20へ送信する。入出金データの生成方法は後述する。
記憶部110は、警備会社が現金処理機10に補充した釣銭準備金の金額を記憶することができる。
図3に、紙幣処理装置120の概略構成を示す。紙幣処理装置120は、受入部121、識別部122、リジェクト部123、出金部124、収納繰出部125A〜C、一時保留部126A〜C、及び搬送部127を備えている。
受入部121は、投入された紙幣を1枚ずつ装置内に取り込む。
識別部122は、受入部121から取り込まれた紙幣の金種を識別し、金種毎の枚数を計数する。識別部122は、計数結果を演算制御部100に通知する。
リジェクト部123は、識別部122による金種の識別ができなかった紙幣、偽券等のリジェクト紙幣を集積する。
出金部124は、紙幣を装置外部から取り出し可能になるように出金する。
収納繰出部125A〜Cは、紙幣を金種別に収納する。また、収納繰出部125A〜Cは、操作部140を介して出金指示が与えられると、収納されている紙幣を繰り出すことができる。
一時保留部126A〜Cは、収納繰出部125A〜Cの一部として構成されており、搬送部127によって搬送された紙幣を、収納済みの紙幣と区分けして一時保留する。操作部140を介して入金確定の指示が与えられると、一時保留部126A〜Cが一時保留を解除し、一時保留されていた紙幣は、収納繰出部125A〜Cに収納される。一方、操作部140を介して入金取消の指示が与えられると、一時保留されていた紙幣は収納繰出部125A〜Cから繰り出される。
搬送部127は、受入部121が取り込んだ紙幣を識別部122へ搬送し、識別部122の識別結果に基づいて、リジェクト部123、出金部124、収納繰出部125A〜C(一時保留部126A〜C)へ搬送する。また、搬送部127は、収納繰出部125A〜Cから繰り出された紙幣を出金部124へ搬送する。
図3では、3つの収納繰出部125A〜C及び一時保留部126A〜Cが設けられた紙幣処理装置120を示しているが、収納繰出部及び一時保留部の数は3つに限定されない。
図4に、硬貨処理装置130の構成例を示す。硬貨処理装置130は、バラ硬貨の入金を行う硬貨入金部230と、棒金(包装硬貨)の出金を行う硬貨出金部250とを備えている。
硬貨入金部230は、受入部231、識別部232、返却部233、収納部234、一時保留部235、及び搬送部236を備えている。
受入部231は、投入された硬貨を1枚ずつ取り込み、識別部232へ繰り出す。
識別部232は、受入部231から繰り出された硬貨の金種を識別し、金種毎の枚数を計数する。識別部232は、計数結果を演算制御部100に通知する。
一時保留部235は、搬送部236によって搬送された硬貨を一括して一時保留し、操作部140を介して入金確定の指示が与えられると、図4のA方向へ移動して、一時保留されている硬貨を収納部234に一括して収納する。一方、操作部140を介して入金取消の指示が与えられると、一時保留部235は図4のB方向へ移動して、一時保留されている硬貨を返却部233に返却する。返却部233に返却された硬貨は、装置外部から取り出すことができる。
搬送部236は、受入部231から繰り出された硬貨を、識別部232へ搬送し、その後、一部保留部235へ搬送する。
硬貨出金部250は、棒金保管繰出部251A〜K、棒金計数部252A〜K、及び棒金取出部253を備えている。
棒金保管繰出部251A〜Kは、金種毎に棒金を整列状態で保管するトレー形状をなしており、操作部140を介して与えられた出金指示に基づくトレーの引き出し量によって、必要な数の棒金を出金することができる。
棒金計数部252A〜Kは、棒金保管繰出部251A〜Kに対応して設けられており、棒金保管繰出部251A〜Kから出金される棒金の数を計数する。ここでは、棒金保管繰出部251A〜K及び棒金計数部252A〜Kを11個設ける構成を示しているが、11個に限られるものではない。
棒金取出部253は、シャッタ構造を有している。シャッタのロックが解除されシャッタを開けることにより、棒金保管繰出部251A〜Kのトレーを引き出すことができる。
図2に示す操作部140は、入金処理の開始指示、紙幣及び硬貨の入金確定の指示、入金取消の指示を受け付けることができる。ここで入金処理とは、例えば、店舗1の売上金の入金である。また、操作部140は、出金処理の開始指示、出金すべき貨幣の金種別枚数を含む出金指示を受け付けることができる。ここで出金処理とは、店舗1内のレジに補充する釣銭準備金の出金である。
操作部140が入金処理の開始指示を受け付けると、演算制御部100は、識別部122、232から計数結果を受け取り、入金額を算出する。また、演算制御部100は、算出した入金額を、表示部(図示せず)に表示する。例えば、操作部140及び表示部をタッチパネルで構成することができる。
そして、演算制御部100は、操作部140が入金確定の指示を受け付けると、算出した入金額を用いて入出金データを生成し、通信部150を介してセンターサーバ20へ送信する。この場合、入出金データには、現金処理機10へ入金があったこと、及び入金額についての情報が含まれる。
一方、操作部140が出金処理の開始指示及び出金指示を受け付け、紙幣処理装置120及び硬貨処理装置130から貨幣が出金されると、演算制御部100は、操作部140が受け付けた出金指示に基づいて出金額M1を算出する。そして、演算制御部100は、算出した出金額M1と、記憶部110に記憶されている現金処理機10にあらかじめ入金されていた釣銭準備金の金額M0とを比較し、出金額M1があらかじめ入金されていた釣銭準備金の金額M0より大きい場合は差額を算出する。そして、演算制御部100は、算出した差額を用いて入出金データを生成し、通信部150を介してセンターサーバ20へ送信する。この場合、入出金データには、現金処理機10から、あらかじめ入金しておいた釣銭準備金の金額M0以上の出金があったこと、及びその差額についての情報が含まれる。
現金処理機10には、警備会社があらかじめ入金(補充)した釣銭準備金と、店舗1の売上金とが収納されている。出金額M1が、警備会社が補充した釣銭準備金の金額M0より大きい場合は、警備会社が補充した釣銭準備金だけでなく、店舗1の売上金の一部も出金処理に使用されることになる。店舗1の売上金は、現金処理機10に入金されると、その所有権は店舗1から警備会社に移行する。つまり、出金額M1と、警備会社が補充した釣銭準備金の金額M0との差額は、警備会社が店舗1に対して立て替えた金額とみなすことができる。
図5に、センターサーバ20のブロック構成を示す。センターサーバ20は、通信部21及び振込処理部22を備えている。
通信部21は、現金処理機10から入出金データを受信する。また、通信部21は銀行3のシステムに接続して後述する振込内容を通知し、店舗口座31と警備会社口座32との間での振込を行う。
振込処理部22は、通信部21が受信した入出金データに基づいて振込内容を作成する。例えば、入出金データが、現金処理機10へ入金があったこと、及び入金額についての情報を含んでいる場合、振込処理部22は、警備会社口座32から店舗口座31へ、現金処理機10への入金額と同額の振込処理が行われるように振込内容を作成する。
このような振込処理により、店舗1における売上金を現金処理機10に入金することで、店舗口座31に売上金に相当する入金が行われることになる。店舗1は、警備会社による現金処理機10内の現金回収を待たずに店舗口座31に速やかに売上金相当額を入金することができる。
一方、入出金データが、現金処理機10にあらかじめ入金しておいた釣銭準備金の金額M0以上の出金があったこと、及びその差額についての情報を含んでいる場合、振込処理部22は、店舗口座31から警備会社口座32へ、差額と同額の振込処理が行われるように振込内容を作成する。
このような振込処理により、例えば、店舗1において現金処理機10から金額M1の釣銭準備金を出金すると、あらかじめ店舗口座31から引き落とされ警備会社が作成し現金処理機10に補充していた釣銭準備金の金額M0と金額M1との差額、すなわち警備会社が立て替えた金額の精算を行うことができる。従来は、店舗1での釣銭不足を防止するため、多額の釣銭貨幣が必要となる店舗1の繁忙日を基準に釣銭準備金を作成し、繁忙日以外では過剰な釣銭を準備している状態となり、店舗1は運用資金の一部をこのような過剰な釣銭に充てていた。また、警備会社は、店舗1の繁忙日を基準にした釣銭準備金を作成するため、釣銭準備金の作成に時間がかかり、かつ貨幣の運搬量が多くなるため、コストがかかっていた。
しかし、本実施形態では、あらかじめ準備しておく釣銭準備金の金額M0を必要最低限に設定しておき、金額M0より多くの釣銭準備金が必要になった場合、その差額分は警備会社の立て替えにより対応することができる。従って、釣銭準備金に充てる運用資金を減らすことができる。また、警備会社は、必要最低限に設定された釣銭準備金を作成・運搬し、店舗1において金額M0より多く必要になった分は、入金処理により現金処理機10に入金された店舗1の売上金を使用して出金すればよいため、釣銭準備金の作成時間及び貨幣の運搬量を低減でき、コストを削減できる。
次に、このような現金処理システムを用いた現金処理方法を、図6に示すフローチャートを用いて説明する。図6は、現金処理機10に入金があった場合のフローチャートである。
(ステップS101)店舗1において、現金処理機10の操作部140が、ユーザから入金処理の開始指示を受け付ける。続いて、現金処理機10(紙幣処理装置120及び硬貨処理装置130)に現金が投入される。投入される現金は、例えば店舗1における売上金である。
(ステップS102)紙幣処理装置120及び硬貨処理装置130が、投入された現金の識別・計数を行う。演算制御部100が、紙幣処理装置120及び硬貨処理装置130から計数結果を取得し、表示部に表示する。
(ステップS103)操作部140がユーザから入金確定指示を受け付け、一時保留されていた現金が収納部125A〜C、234に収納される。
(ステップS104)演算制御部100が、計数結果を用いて、現金処理機10へ入金があったこと、及び入金額についての情報を含む入出金データを作成する。
(ステップS105)通信部150が入出金データを送信する。
(ステップS106)センターサーバ20の通信部21が入出金データを受信する。
(ステップS107)振込処理部22が、入出金データを用いて、警備会社口座32から店舗口座31へ、現金処理機10への入金額と同額の振込処理が行われるように振込内容を作成する。
(ステップS108)通信部21が銀行3のシステムに振込内容を通知する。これにより、警備会社口座32と店舗口座31との間での振込処理が行われる。
次に、現金処理機10から出金があった場合の処理を、図7に示すフローチャートを用いて説明する。なお、現金処理機10には、事前に警備会社から配送された金額M0の釣銭準備金が入金されているものとする。金額M0は現金処理機10の記憶部110に記憶されている。釣銭準備金を配送した警備会社の社員が金額M0を記憶部110に設定してもよいし、センターサーバ20が現金処理機10に金額M0を通知してもよい。
(ステップS201)店舗1において、現金処理機10の操作部140が、ユーザから出金処理の開始指示を受け付ける。
(ステップS202)操作部140が、ユーザから出金貨幣の金種別枚数を含む出金指示を受け付ける。現金処理機10(紙幣処理装置120及び硬貨処理装置130)は出金指示に基づいて紙幣及び硬貨(棒金)を出金する。ここで出金される紙幣及び硬貨(棒金)は、例えば店舗1の店頭に設置されたレジに補充される。また、演算制御部100が、出金指示に基づいて、出金額M1を算出する。
(ステップS203)演算制御部100が、出金額M1と、事前に警備会社から配送された釣銭準備金の金額M0とを比較する。金額M1が金額M0より大きい場合はステップS204に進む。金額M1が金額M0以下の場合はステップS209へ進む。
(ステップS204)演算制御部100が金額M1と金額M0の差額を算出する。そして、演算制御部100は、事前に配送された釣銭準備金以上の出金があったこと、及び差額についての情報を含む入出金データを作成する。この差額は、警備会社が店舗1に対して立て替えた金額である。
(ステップS205)通信部150が入出金データを送信する。
(ステップS206)センターサーバ20の通信部21が入出金データを受信する。
(ステップS207)振込処理部22が、入出金データを用いて、店舗口座31から警備会社口座32へ、差額と同額の振込処理が行われるように振込内容を作成する。
(ステップS208)通信部21が銀行3のシステムに振込内容を通知する。これにより、店舗口座31と警備会社口座32との間での振込処理が行われる。これにより、店舗1における事前配送された釣銭準備金以上の出金分、すなわち警備会社が立て替えた分が精算される。
(ステップS209)金額M1が金額M0以下の場合、現金処理機10は金額M1の出金があったことをセンターサーバ20に通知してもよいし、出金履歴を記憶部110に記憶させ、センターサーバ20に対しては何も通知しなくてもよい。
このように、本実施形態によれば、店舗1は、店舗1内のレジに補充する現金として、警備会社により事前に配送された釣銭準備金より多くの現金が必要な場合、差額を警備会社による立て替え払いとすることができる。そのため、事前に作成しておく釣銭準備金を必要最低限に設定することができる。このことにより、銀行から受け取る金利の減少を抑制し、かつ運用資金を削減できるため、釣銭準備金の作成にかかるコストを削減することができる。
また、警備会社は、店舗1に配送した釣銭準備金より多くの現金が現金処理機10から出金される場合、差額分を、店舗1の売上金等として入金された現金処理機10内の現金を用いて立て替えて出金することができる。このことにより、警備会社は、作成する釣銭準備金の量や、貨幣の運搬回数、運搬量を減らすことができ、釣銭準備金の作成及び運搬にかかるコストを削減することができる。
従って、現金処理機10内の現金を効率良く使用して、釣銭準備金の作成に伴い店舗及び警備会社に生じるコストを削減することができる。
図8を用いて、本実施形態に係る現金処理システムによる貨幣の入出金処理及び振込処理の一例を説明する。
図8(a)に示すように、現金処理機10には、警備会社により配送された釣銭準備金として、千円札が200枚収納され、現金処理機10の記憶部110には、事前に警備会社から配送された金額M0として20万円が記憶されているものとする。
図8(b)に示すように、店舗1の営業終了後、売上金として1万円札20枚、千円札500枚が入金される。これにより、現金処理機10は、1万円札20枚、千円札700枚を収納した状態になる。現金処理機10は、センターサーバ20へ70万円の入金があったことを示す入出金データを送信する。センターサーバ20はこの入出金データに基づいて、警備会社口座32から店舗口座31へ70万円の振り込みが行われるように振込処理を行う。
図8(c)に示すように、店舗の営業開始前にユーザが店頭のレジに補充する釣銭準備金として千円札300枚を出金する。出金額M1は30万円であり、図8(b)に示す入金処理により現金処理機10に入金された店舗売上金の一部も出金に使用される。現金処理機10の演算制御部100は、出金額M1が金額M0より大きいため、立替額(10万円)を算出し、立替額を含む入出金データをセンターサーバ20へ送信する。センターサーバ20はこの入出金データに基づいて、店舗口座31から警備会社口座32へ10万円の振り込みが行われるように振込処理を行う。現金処理機10に残っている現金は、警備会社により定期的に回収される。
なお、センターサーバ20は、現金処理機10から入出金データを受信する度に振込処理を行ってもよいし、一定期間内に立て替え出金した金額を集計して、一定期間内の立替額を一括して振込処理するようにしてもよい。また、センターサーバ20は、現金処理機10から立替額が通知された場合、次に受信する現金処理機10への入金額から立替額を減算し、減算結果に基づいて振込処理を行うようにしてもよい。これにより、振込処理の回数を減らすことができ、振込処理にあたり金融機関へ払う手数料を低減することができる。
上記実施形態では、現金処理機10は、入金処理や出金処理の度に入出金データを作成し、センターサーバ20へ送信していたが、所定回数の入出金処理が行われる毎に入出金データを作成してもよいし、所定時間毎に入出金データを作成してもよい。
また、上記実施形態では現金処理機10が立替額を計算していたが、センターサーバ20が立替額を計算してもよい。この場合、現金処理機10は、出金処理を行う度に、出金額によらず入出金データを作成し、センターサーバ20へ送信する。また、センターサーバ20は、警備会社が店舗1へ配送した釣銭準備金の金額M0を把握しておく。
センターサーバ20は、手数料を考慮して振込内容を作成してもよい。例えば、センターサーバ20は、現金処理機10が立替出金を行った場合、立替額に手数料を加算した金額が店舗口座31から警備会社口座32に振り込まれるようにする。
上記実施形態では、バラ硬貨の入金を行う硬貨入金部230と、棒金の出金を行う硬貨出金部250を備えた硬貨処理装置130について説明したが、硬貨処理装置130は、バラ硬貨の入金及び出金を行うものでもよい。このような硬貨処理装置130は、図3に示す紙幣処理装置120と同様の構成を有しているので、説明は省略する。これにより、店舗1において現金処理機10に入金された硬貨も、出金に使用することができる。
センターサーバ20は、店舗口座31と警備会社口座32との間で振込処理を行った後に、店舗1や、店舗1の本社に振込内容を通知するようにしてもよい。
(第2の実施形態)上記第1の実施形態では、釣銭準備金の作成にあたり、警備会社が店舗1へ配送した釣銭準備金の金額M0より多額の釣銭準備金を出金する際には売上金の一部を流用する場合について説明したが、金額M0を0とし、売上金のみから釣銭準備金を作成するようにしてもよい。また、上記第1の実施形態では貨幣の出金に伴い入出金データを作成していたが、後で出金する釣銭準備金を予め指示(予約)しておき、実際の貨幣の出金前に入出金データを作成してもよい。つまり、出金予約を出金処理とみなしてもよい。
売上金の入金及び釣銭準備金の出金予約を連続して行い、入出金データを作成し、振込を行う方法を図9に示すフローチャートを用いて説明する。なお、本実施形態では、警備会社口座32に店舗1から振り込まれた預託金があるものとする。
(ステップS301)店舗1において、現金処理機10の操作部140が、ユーザから入金処理の開始指示を受け付ける。続いて、現金処理機10(紙幣処理装置120及び硬貨処理装置130)に貨幣が投入される。投入される貨幣は、店舗1における売上金である。
(ステップS302)紙幣処理装置120及び硬貨処理装置130が、投入された貨幣の識別・計数を行う。演算制御部100が、紙幣処理装置120及び硬貨処理装置130から計数結果を取得し、表示部に表示する。
(ステップS303)操作部140がユーザから入金確定指示を受け付け、一時保留されていた貨幣が収納部125A〜C、234に収納される。
(ステップS304)操作部140がユーザから後で(例えば翌日)出金する釣銭準備金の金額(金種別枚数)を受け付ける。すなわち、操作部140がユーザから出金予約を受け付ける。売上金のみから釣銭準備金を作成するため、出金予約可能な釣銭準備金の金額は、ステップS303で確定した売上金の金額以下である。
(ステップS305)演算制御部100が、ステップS302の計数結果と、ステップS304で受け付けた出金予約を用いて、入出金データを作成する。この入出金データには、売上金情報、立替情報、及び回収金情報が含まれている。売上金情報は、店舗1の売上金を示す情報であり、ステップS302の計数結果に対応する。立替情報は、売上金を使って作成された釣銭準備金を示す情報であり、S304で受け付けた出金予約に対応する。回収金情報は、警備会社が回収する金額を示す情報であり、ステップS302の計数結果からS304で出金予約した釣銭準備金の金額を減じた値に対応する。
(ステップS306)通信部150が入出金データを送信する。
(ステップS307)センターサーバ20の通信部21が入出金データを受信する。
(ステップS308)振込処理部22が、入出金データを用いて、警備会社口座32から店舗口座31へ、現金処理機10への入金額と同額の振込処理が行われるように振込内容を作成する。このとき、立替情報に基づいて、警備会社口座32における店舗1からの預託金を減らす。
(ステップS309)通信部21が銀行3のシステムに振込内容を通知する。これにより、警備会社口座32と店舗口座31との間での振込処理が行われる。
このように、本実施形態によれば、店舗1の売上金を使用して、釣銭準備金となる紙幣の出金予約をすることができる。また、センターサーバ20には、売上金情報、立替情報、及び回収金情報を含む入出金データが通知されるため、警備会社口座32の預託金を利用して、店舗口座31に満額の売上金を振り込むことができる。また、警備会社は、店舗1から回収してくる貨幣の金額を取得することができる。
このように、本実施形態によれば、店舗1は、店舗1内のレジに補充する釣銭用紙幣を、店舗1の売上金から作成することができる。売上金の一部を釣銭準備金として使用することで警備会社が回収する金額と、店舗口座31に振り込まれる売上金の金額とに差が生じるが、この差分には預託金が当てられる。店舗1は、従来のような警備会社への釣銭準備金の作成依頼の頻度を減らすことができ、釣銭準備金の作成にかかるコストを削減することができる。
店舗1の売上金から釣銭準備金を作成することで、警備会社は、作成する釣銭準備金の量や、貨幣の運搬回数、運搬量を減らすことができ、釣銭準備金の作成及び運搬にかかるコストを削減することができる。
従って、現金処理機10内の現金を効率良く使用して、釣銭準備金の作成に伴い店舗及び警備会社に生じるコストを削減することができる。
上記第2の実施形態において、紙幣処理装置120の収納繰出部125A及び125Bが釣銭準備金となる紙幣(千円紙幣及び五千円紙幣)を金種別に収納し、収納繰出部125Cが警備会社に回収される紙幣を金種混合で収納するようにしてもよい。例えば、図9のステップS301で紙幣処理装置120に投入された紙幣を、ステップS303で金種別に収納繰出部125A〜Cに収納する。そして、ステップS304において出金予約された枚数の千円紙幣及び五千円紙幣を収納繰出部125A及び125Bに残し、それ以外の釣銭準備金とならない千円紙幣及び五千円紙幣を収納繰出部125A及び125Bから繰り出して収納繰出部125Cに収納する。これにより回収紙幣を収納繰出部125Cにまとめておくことができ、警備会社による回収作業のコストを削減することができる。
上記第2の実施形態において、硬貨処理装置130の収納部234を、硬貨を金種別に収納操出可能な複数の収納繰出部に置き換えてもよい。その場合、紙幣と同様に、硬貨についても売上金を利用して釣銭準備金を作成することができる。
(第3の実施形態)上記第1、第2の実施形態では、紙幣の入出金を行うことができる紙幣処理装置120を用いていたが、図10に示すような紙幣入金機300を用いてもよい。
図10に示すように、紙幣入金機300は、複数の紙幣Pが載置される載置部320と、載置部320に載置された複数の紙幣Pを1枚ずつ筐体内に取り込む受入部301と、受入部301により取り込まれた紙幣Pを搬送する搬送部302と、搬送部302で搬送された紙幣Pを集積する集積部(一時保留部)306と、搬送部302に設けられ、当該搬送部302で搬送される紙幣Pの金種や真偽等を識別するとともに計数(識別計数)する識別部303と、集積部306に集積された紙幣Pを受け入れて収納する収納カセット309と、を備えている。
集積部306近傍には、搬送部302で搬送された紙幣Pを1枚毎に羽根305aの間で受け止めて集積部306に整列集積させる羽根車305が設けられている。
また、図1に示すように、集積部306は、集積紙幣Pを前面側に傾斜させた状態で集積させる形状となっており、搬送部302から送られた紙幣Pを支持部364で支持させることで、前面側に傾斜させた立位状態で紙幣Pを集積するように構成されている。なお、本願で前面側とは、操作者が紙幣Pを載置部320に載置したり、後述する前面シャッタ部362を開放させることで集積部306から紙幣Pを取り出したりする側のことを意味し、図10の右側のことを意味している。
集積部306の前面側には前面シャッタ部362が設けられている。この前面シャッタ部362は、制御部304によって開閉が制御される。集積部306に集積された紙幣は、指示受付部315を介して入力される返却指示に基づいて前面シャッタ部362を開放させることにより、外部から取り出すことが可能となる(図10の矢印A2参照)。
集積部306には、当該集積部306に集積された紙幣Pの表面を挟持し、その表面と平行な方向へ当該紙幣Pを搬送することで収納カセット309へ紙幣Pを収納させる挟持搬送機構310が設けられている(図10の矢印A1参照)。集積部306に集積された紙幣は、指示受付部315を介して入力される収納指示に基づいて、収納カセット309へ搬送され、収納される。
図10に示すように、収納カセット309には、挟持搬送機構310で搬送される紙幣Pを取り込むためのスリット状のスリット開口部371と、当該スリット開口部371を開閉するためのスリットシャッタ部308が設けられている。
また、搬送部302には、集積部306に搬送されない紙幣Pが搬送されるリジェクト部307が設けられている。
このような紙幣入金機300を用いて、売上金の入金処理及び釣銭準備金の作成処理を連続して行い、入出金データを作成し、振込を行う方法を図11に示すフローチャートを用いて説明する。なお、本実施形態では、警備会社口座32に店舗1から振り込まれた預託金があるものとする。
(ステップS401)店舗1において、紙幣入金機300の指示受付部315が、ユーザから入金処理の開始指示を受け付ける。続いて、紙幣入金機300に紙幣が投入される。また、硬貨処理装置130に硬貨が投入される。投入される貨幣は、店舗1における売上金である。
(ステップS402)紙幣入金機300が、投入された紙幣の識別・計数を行う。制御部304が、識別部303から計数結果を取得し、表示部316に表示する。識別・計数された紙幣は集積部306に集積される。また、硬貨処理装置130が、投入された硬貨の識別・計数を行う。
(ステップS403)指示受付部340がユーザから入金確定指示及び返却指示を受け付ける。制御部304は、入金確定指示に基づいて、ステップS402における計数結果、すなわち売上金の紙幣の金額を演算制御部100に通知する。また、制御部304は、返却指示に基づいて前面シャッタ部362を開放させる。また、演算制御部100は硬貨処理装置130から計数結果を取得する。
(ステップS404)ユーザが、集積部306から紙幣を取り出し、釣銭準備金となる紙幣を取り除く。
(ステップS405)紙幣入金機300の指示受付部315が、ユーザから収納処理の開始指示を受け付ける。続いて、ユーザが、釣銭準備金に使用しない残りの紙幣を載置部320に載置して紙幣入金機300に再投入する。制御部304は、収納処理の開始指示に基づいて、前面シャッタ部362を閉じる。
(ステップS406)紙幣入金機300が、投入された紙幣の識別・計数を行う。制御部304が、識別部303から計数結果を取得し、表示部316に表示する。識別・計数された紙幣は集積部306に集積される。
(ステップS407)指示受付部340がユーザから収納指示を受け付ける。制御部304は、収納指示に基づいて、集積部306に集積されている紙幣を収納カセット309へ搬送し、収納させる。また、制御部304は、収納指示に基づいて、ステップS406における計数結果、すなわち収納カセット309に収納された紙幣の金額を演算制御部100に通知する。
(ステップS408)演算制御部100が、制御部304から通知された売上金の紙幣の金額及び収納金額と、硬貨処理装置130による計数結果とを用いて、入出金データを作成する。この入出金データには、売上金情報、立替情報、及び回収金情報が含まれている。売上金情報は、店舗1の売上金を示す情報であり、ステップS402の計数結果に対応する。立替情報は、売上金を使って作成された釣銭準備金を示す情報であり、ステップS404においてユーザが取り除いた紙幣であり、紙幣入金機300のステップS402の計数結果からステップS406の計数結果を減じた値に対応する。回収金情報は、警備会社が回収する金額を示す情報であり、ステップS406の計数結果に硬貨処理装置130の計数結果を加算した値に対応する。
(ステップS409)通信部150が入出金データを送信する。
(ステップS410)センターサーバ20の通信部21が入出金データを受信する。
(ステップS411)振込処理部22が、入出金データを用いて、警備会社口座32から店舗口座31へ、紙幣入金機300への入金額と同額の振込処理が行われるように振込内容を作成する。このとき、立替情報に基づいて、警備会社口座32における店舗1からの預託金を減らす。
(ステップS412)通信部21が銀行3のシステムに振込内容を通知する。これにより、警備会社口座32と店舗口座31との間での振込処理が行われる。
本実施形態によれば、店舗1の売上金を使用して、釣銭準備金の紙幣を作成することができる。また、センターサーバ20には、売上金情報、立替情報、及び回収金情報を含む入出金データが通知されるため、警備会社口座32の預託金を利用して、店舗口座31に満額の売上金を振り込むことができる。また、警備会社は、店舗1から回収してくる金額を取得することができる。
このように、本実施形態によれば、店舗1は、店舗1内のレジに補充する紙幣を、店舗1の売上金から作成することができる。売上金の一部を釣銭準備金として使用することで警備会社が回収する金額と、店舗口座31に振り込まれる売上金の金額とに差が生じるが、この差分には預託金が当てられる。店舗1は、従来のような警備会社への釣銭準備金の作成依頼の頻度を減らすことができ、釣銭準備金の作成にかかるコストを削減することができる。
店舗1の売上金から釣銭準備金を作成することで、警備会社は、作成する釣銭準備金の量や、貨幣の運搬回数、運搬量を減らすことができ、釣銭準備金の作成及び運搬にかかるコストを削減することができる。
従って、売上金を効率良く使用して、釣銭準備金の作成に伴い店舗及び警備会社に生じるコストを削減することができる。
図11に示す方法では、売上金の計数後、集積部306から紙幣を一旦取り出し、釣銭準備金となる紙幣を取り除き、残りの紙幣を紙幣入金機300に再投入していたが、売上金の計数と釣銭準備金の作成を並行して行ってもよい。このような方法を図12に示すフローチャートを用いて説明する。
(ステップS501)店舗1において、紙幣入金機300の指示受付部315が、ユーザから入金処理の開始指示を受け付ける。さらに、指示受付部315は、釣銭準備金作成指示及び釣銭準備金の金種別枚数を受け付ける。続いて、紙幣入金機300に紙幣が投入される。また、硬貨処理装置130に硬貨が投入される。投入される貨幣は、店舗1における売上金である。
(ステップS502)紙幣入金機300が、投入された紙幣の識別・計数を行う。制御部304が、識別部303から計数結果を取得し、表示部316に表示する。識別・計数された紙幣は、ユーザから指示された釣銭準備金の金種別枚数の分だけリジェクト部307へ搬送され、残りは集積部306に搬送される。また、硬貨処理装置130が、投入された硬貨の識別・計数を行う。
(ステップS503)指示受付部340がユーザから入金確定指示及び収納指示を受け付ける。制御部304は、入金確定指示に基づいて、ステップS501で指示された釣銭準備金の金額と、ステップS502における計数結果、すなわち売上金の紙幣の金額と、を演算制御部100に通知する。また、制御部304は、収納指示に基づいて、集積部306の紙幣を収納カセット309に搬送し、収納させる。また、演算制御部100は硬貨処理装置130から計数結果を取得する。
(ステップS504)ユーザがリジェクト部307から釣銭準備金となる紙幣を取り出す。
(ステップS505)演算制御部100が、制御部304から通知された売上金の紙幣の金額及び釣銭準備金の金額と、硬貨処理装置130の計数結果とを用いて、入出金データを作成する。この入出金データには、売上金情報、立替情報、及び回収金情報が含まれている。売上金情報は、店舗1の売上金を示す情報であり、ステップS502の計数結果に対応する。立替情報は、売上金を使って作成された釣銭準備金を示す情報であり、ステップS501においてユーザから指示された釣銭準備金の金額に対応する。回収金情報は、警備会社が回収する金額を示す情報であり、ステップS503で収納カセット309に収納された紙幣の金額、すなわちステップS502の計数結果からステップS501においてユーザから指示された釣銭準備金の金額を減じた値に、硬貨処理装置130の計数結果を加算した値に対応する。
ステップS506〜S509は図11のステップS409〜S412と同様の処理であるため、説明を省略する。
このように、売上金の計数と釣銭準備金の作成を並行して行うことで、売上金を効率良く使用して、釣銭準備金の作成に伴い店舗及び警備会社に生じるコストを削減するとともに、ユーザの手間を減らし、処理に要する時間を短縮することができる。
なお、ステップS501においてユーザから指示された釣銭準備金の金額が、ステップS502の計数結果(紙幣入金機300に投入された売上金の金額)より少なかった場合、演算制御部100は報知部(図示せず)からエラーを報知するようにしてもよい。また、釣銭準備金紙幣が搬送されるリジェクト部307にリジェクト紙幣が搬送された場合、リジェクト紙幣が含まれていることを表示部316に表示するようにしてもよい。
上述した紙幣入金機300を用いた釣銭準備金紙幣の作成に、図4に示す硬貨出金部250の棒金出金による釣銭準備金硬貨の作成を組み合わせてもよい。売上金の計数と釣銭準備金紙幣の作成を並行して行い、かつ釣銭準備金硬貨の作成を行う方法を図13に示すフローチャートを用いて説明する。
(ステップS601)店舗1において、紙幣入金機300の指示受付部315が、ユーザから入金処理の開始指示を受け付ける。さらに、指示受付部315は、釣銭準備金作成指示及び釣銭準備金の金種別枚数を受け付ける。続いて、紙幣入金機300に紙幣が投入される。また、硬貨処理装置130に硬貨が投入される。投入される貨幣は、店舗1における売上金である。
(ステップS602)紙幣入金機300が、投入された紙幣の識別・計数を行う。制御部304が、識別部303から計数結果を取得し、表示部316に表示する。識別・計数された紙幣は、ユーザから指示された釣銭準備金の金種別枚数の分だけリジェクト部307へ搬送され、残りは集積部306に搬送される。また、硬貨処理装置130が、投入された硬貨の識別・計数を行う。
(ステップS603)指示受付部340がユーザから入金確定指示及び収納指示を受け付ける。制御部304は、入金確定指示に基づいて、ステップS601で指示された釣銭準備金の金額と、ステップS602における計数結果、すなわち売上金の紙幣の金額と、を演算制御部100に通知する。また、制御部304は、収納指示に基づいて、集積部306の紙幣を収納カセット309に搬送し、収納させる。また、演算制御部100は硬貨処理装置130から計数結果を取得する。
(ステップS604)ユーザがリジェクト部307から釣銭準備金となる紙幣を取り出す。
(ステップS605)操作部140が棒金の出金額及び出金指示を受け付ける。出金指示に基づき、棒金取出部253のシャッタのロックが解除される。
(ステップS606)ユーザが棒金保管繰出部251A〜Kのトレーを引き出し、必要な数の棒金を取り出す。
(ステップS607)ユーザが棒金保管繰出部251A〜Kのトレーを戻す。棒金計数部252A〜Kが、出金された(取り出された)棒金の数を計数する。演算制御部100は、操作部140が受け付けた棒金の出金額と、棒金計数部252A〜Kによる計数結果とを照合する。演算制御部100は、照合結果が不一致の場合、図示しない報知部を用いてエラーを報知する。
(ステップS608)演算制御部100が、制御部304から通知された売上金の紙幣の金額、釣銭準備金(紙幣)の金額、硬貨処理装置130の計数結果、及び操作部140が受け付けた棒金の出金額を用いて、入出金データを作成する。この入出金データには、売上金情報、立替情報、及び回収金情報が含まれている。売上金情報は、店舗1の売上金を示す情報であり、ステップS602の計数結果に対応する。立替情報は、売上金を使って作成された釣銭準備金紙幣及び硬貨出金部250により出金された棒金を示す情報であり、ステップS601においてユーザから指示された釣銭準備金と、ステップS605においてユーザから指示された棒金の出金額とを加算した値に対応する。回収金情報は、警備会社が回収する金額を示す情報であり、ステップS603で収納カセット309に収納された紙幣の金額、すなわち紙幣入金機300のステップS602の計数結果からステップS601においてユーザから指示された釣銭準備金の金額を減じた値に、硬貨処理装置130の計数結果を加算した値に対応する。
ステップS609〜S612は図11のステップS409〜S412と同様の処理であるため、説明を省略する。
このように、売上金の計数と釣銭準備金紙幣の作成を並行して行うことで、売上金を効率良く使用して、釣銭準備金の作成に伴い店舗及び警備会社に生じるコストを削減するとともに、ユーザの手間を減らし、処理に要する時間を短縮することができる。さらに、硬貨出金部250による棒金出金処理を組み合わせることで、釣銭準備金硬貨も作成することができる。
図13の方法は、図12の方法に硬貨出金部250による棒金出金処理を組み合わせたものであるが、図11の方法に硬貨出金部250による棒金出金処理を組み合わせてもよい。
図9、図11〜図13に示すフローチャートを用いて説明した方法は、警備会社口座32に店舗1から振り込まれた預託金がある場合のものであるが、このような預託金が無い場合は、入出金データの立替情報に対応した金額を店舗1の別口座から警備会社口座32に振り込み、警備会社口座32から店舗口座31へ店舗1の売上金と同額の振り込みを行ってもよい。あるいはまた、入出金データの立替情報に対応した金額を店舗1の別口座から店舗口座31へ振り込み、警備会社口座32から店舗口座31へは入出金データの回収金情報に対応した金額の振り込みを行うようにしてもよい。ここで店舗1の別口座とは、例えば、店舗口座31を本部の口座とした場合の、フランチャイズ店の口座などである。
また、上記実施形態において、現金処理機10は、硬貨入金部230が省略され、棒金(包装硬貨)の出金を行う硬貨出金部250を有する硬貨処理装置130と、紙幣処理装置120又は紙幣入金機300とを備えた構成としてもよい。
この場合、売上金の紙幣は紙幣処理装置120又は紙幣入金機300で計数し、入金される。売上金の硬貨は、別途計数された計数値が操作部140から手入力されると、釣銭準備金として店舗に持ち帰られる。演算制御部100は、売上金情報、立替情報、及び回収金情報を含む入出金データを作成する。売上金情報は、紙幣処理装置120又は紙幣入金機300の計数結果に、手入力された硬貨の金額を加算した値に対応する。立替情報は、売上金を使って作成された釣銭準備金を示す情報であり、店舗に持ち帰られた硬貨の金額、すなわち手入力された硬貨の金額に対応する。回収金情報は、警備会社が回収する金額を示す情報であり、紙幣処理装置120又は紙幣入金機300の計数結果に対応する。
例えば、売上金が紙幣で250,000円、硬貨(バラ硬貨)で3,000円あった場合、3,000円が手入力される。そして、紙幣処理装置120又は紙幣入金機300の計数結果(250,000円)に、手入力された3,000円を加えた253,000円が売上金情報となる。また、店舗に持ち帰られた硬貨3,000円が立替情報となる。また、紙幣処理装置120又は紙幣入金機300の計数結果(250,000円)が回収金情報となる。
なお、釣銭準備金紙幣の出金処理が行われた場合、立替情報及び回収金情報は、出金した釣銭準備金紙幣の金額を加味したものとなる。
また、上記実施形態において、現金処理機10を、棒金(包装硬貨)の出金を行う硬貨出金部250を有する硬貨処理装置130と、紙幣処理装置120又は紙幣入金機300とを備え、両替処理を行って釣銭準備金硬貨を作成するような構成にしてもよい。
売上金の入金処理時に、売上金を利用して釣銭準備金紙幣が出金されると、操作部140を介して両替処理を指定し、出金された釣銭準備金紙幣の一部を紙幣処理装置120又は紙幣入金機300に投入する。硬貨出金部250は、両替処理が指定されて投入された紙幣と同金額の棒金を出金する。そして、演算制御部100が、売上金情報、立替情報、及び回収金情報を含む入出金データを作成する。立替情報は、出金された釣銭準備金紙幣の金額に対応する。また、回収金情報は、売上金の金額から、出金された釣銭準備金紙幣の金額を減じた値に対応する。両替処理は、両替データとして作成・記録されるが、立替情報には影響しない。
例えば、売上金の入金処理時に、売上金を利用して25,000円の釣銭準備金紙幣が出金される。出金された25,000円のうち、1,000円紙幣1枚を両替処理として紙幣処理装置120又は紙幣入金機300に投入すると、硬貨出金部250が、10円硬貨の棒金(1つの棒金は50枚の硬貨を包装したもの)を2本出金する。そして、24,000円分の紙幣と、10円硬貨の棒金2本が釣銭準備金として店舗に持ち帰られる。このとき、入出金データの立替情報は25,000円であり、両替処理を行っても変わらない。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。