JP2017199143A - 貨幣処理装置 - Google Patents

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Takahiro Oe
隆弘 大江
孝一 西田
Koichi Nishida
孝一 西田
清晃 小林
Kiyoaki Kobayashi
清晃 小林
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Abstract

【課題】一時保留部を様々な利用態様に対応可能な貨幣処理装置を提供する。
【解決手段】貨幣を入金する貨幣処理装置1を、入金処理時に貨幣が投入される入金部60と、貨幣の収納、及び収納した貨幣の繰り出しを行う複数の収納繰出部11、21,22,31,32、41と、複数の収納繰出部の中から選択された少なくとも1つの収納繰出部を一時保留部に設定し、入金部に投入された貨幣を一時保留部に設定された収納繰出部に一時保留する入金処理を実行する。
【選択図】図1

Description

この発明は、入金処理を行う貨幣処理装置に関し、特に、入金処理時に入金処理が確定するまで貨幣を一時保留する貨幣処理装置に関する。
従来、入金部に受けた貨幣を識別計数して収納部に収納する入金処理を行う貨幣処理装置が利用されている。貨幣処理装置では、収納部に収納している貨幣を繰り出して出金部へ投出する出金処理を行うこともできる。貨幣処理装置の中には一時保留部を有するものがある。
例えば、一時保留部を利用する紙幣処理装置では、入金処理時に、識別計数した紙幣を一時保留部に一時保留して、入金処理がキャンセルされた場合には、一時保留部に一時保留していた紙幣を出金部へ投出することができる。例えば、金融機関や店舗等で顧客から預かった紙幣の入金処理を行っている間に、顧客が入金処理をキャンセルすると、顧客から預かった紙幣現物をそのまま顧客へ返却することができる。
特許文献1に記載された紙幣処理装置には一時保留部が設けられていない。この装置では、入金された紙幣が識別計数後に直接収納部へ収納されるので、入金処理がキャンセルされた場合は、収納部から紙幣を繰り出して返却することになる。ところが、入金された紙幣の金種によっては、紙幣を回収するための回収カセット等、紙幣を収納するだけで収納済紙幣を繰り出すことができない収納部に収納される場合がある。紙幣を回収カセットに直接収納した後で入金処理がキャンセルされると、この紙幣を返却することはできず、紙幣を繰出可能な別の収納部から、代わりの紙幣を繰り出して返却することになる。具体的には、例えば、一万円札の入金処理をキャンセルした顧客に、代わりの紙幣として10枚の千円札を返却するような場合が生じて顧客が不満を持つ可能性がある。
一時保留部を利用すれば、入金処理のキャンセル時に、入金しようとした紙幣現物を返却できるが、入金処理がキャンセルされずに確定した場合には、一時保留部に一時保留した全ての紙幣を収納部へ搬送して収納する処理が必要となる。この処理を終了するまで次の入金処理や出金処理を行うことができない。このように、一時保留部の利用には有利な点と不利な点とがあり、紙幣処理装置の利用者の中には、一時保留部の利用を望む利用者と望まない利用者がいる。このため、例えば特許文献2に記載された紙幣処理装置では、一時保留部を有する装置構成として、一時保留部を利用するか否かを設定により変更できるようになっている。
特開2014−10672号公報 特許第5616075号公報
しかしながら、上記従来技術によれば、一時保留部を有効活用できない場合があった。具体的には、例えば一時保留部を備える紙幣処理装置を、一時保留部を利用しない設定で利用すると、一時保留部が無駄になる。また、様々な利用者に対応するため、大量の紙幣を同時に一時保留可能な一時保留部を設けても、1回の入金処理で入金される紙幣枚数が少ないと、一時保留部を有効活用できない。このため、利用者は、不要な一時保留部があるために、又は必要以上に大容量の一時保留部があるために、紙幣処理装置の購入価格が高くなっている、装置が大型化している等の不満を抱くことがある。
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたもので、一時保留部の様々な利用態様に柔軟に対応できる貨幣処理装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、貨幣を入金する貨幣処理装置であって、入金処理時に貨幣が投入される入金部と、貨幣の収納、及び収納した貨幣の繰り出しを行う複数の収納繰出部と、前記複数の収納繰出部の中から選択された少なくとも1つの収納繰出部を一時保留部に設定し、前記入金部に投入された貨幣を前記一時保留部に設定された収納繰出部に一時保留する入金処理を実行する制御部とを備えることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記複数の収納繰出部は、収納可能な貨幣枚数が異なる複数種類の収納繰出部を含み、前記制御部は、1回の入金処理で処理される貨幣の最大枚数に基づいて、少なくとも1つの収納繰出部を一時保留部に設定することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記制御部は、収納繰出部を一時保留部に設定して入金処理を行う際には、前記入金部に投入された貨幣のうち、一時保留部に設定された収納繰出部以外の収納繰出部に金種が割り当てられている貨幣は、対応する収納繰出部に一時保留して、一時保留部に設定された収納繰出部以外の収納繰出部に金種が割り当てられていない貨幣は、一時保留部に設定された収納繰出部に一時保留することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、貨幣を繰り出すことなく収納のみを行う収納部をさらに備え、前記制御部は、一時保留部に設定された前記収納繰出部に貨幣を一時保留した状態で前記入金処理が確定されると、一時保留部に設定された前記収納繰出部から、一時保留されている貨幣を繰り出して前記収納部に収納することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、貨幣が投出される出金部をさらに備え、前記制御部は、前記収納繰出部から繰り出した貨幣を前記出金部に投出する出金処理を行うとともに、前記入金処理の確定後に続けて前記出金処理を行う場合には、一時保留部に設定された前記収納繰出部から、一時保留されている貨幣を繰り出して前記収納部に収納する収納処理と、前記出金処理とのいずれを先に実行するかを決定することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、貨幣が投出される出金部をさらに備え、前記制御部は、前記収納繰出部に貨幣を一時保留した状態で前記入金処理がキャンセルされると、一時保留部に設定された収納繰出部を含む全ての前記収納繰出部から、一時保留されている貨幣を繰り出して前記出金部へ返却することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記制御部は、貨幣が収納されていない空の収納繰出部を一時保留部に設定して、一時保留部に設定した前記収納繰出部には、入金処理時に一時保留する貨幣のみを収納することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、貨幣が収納されている収納繰出部を一時保留部に設定して、入金処理時には、収納済貨幣に続けて貨幣を収納することにより該貨幣を一時保留することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記制御部は、予め設定された所定条件を満たす収納繰出部を一時保留部に設定することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記制御部は、所定条件を満たす収納繰出部が複数ある場合には、予め設定された優先順位判定条件に基づいて優先順位を判定して、一時保留部に設定する収納繰出部を決定することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記制御部は、収納繰出部に収納されている貨幣の金種、収納繰出部に収納されている貨幣の枚数、及び収納繰出部に収納可能な貨幣の最大枚数のうち少なくともいずれか1つについて設定された優先順位判定条件に基づいて優先順位を判定することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、各収納繰出部は、回転体の外周に巻き取るテープの間に貨幣を挟み込んで収納すると共に、前記回転体を収納時と逆方向に回転して前記貨幣を繰り出すテープ式収納繰出部であることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、全ての収納繰出部が金庫内に設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、複数の収納繰出部が1つの収納ユニット内に設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記収納ユニットは、装置に対して着脱可能に設けられていることを特徴とする。
本発明に係る貨幣処理装置によれば、例えば、入金処理時に入金された貨幣を収納すると共に、出金処理時には、収納した貨幣を出金貨幣として繰り出して循環使用する収納繰出部を複数設けることにより、一時保留部を必要としない場合は、全ての収納繰出部を、循環使用する出金紙幣の収納部として利用することができる。一方、一時保留部を必要とする場合には、複数の収納繰出部の中から一時保留部として利用する収納繰出部を選択して、入金紙幣を一時保留する動作を実現することができる。
図1は、本実施形態に係る紙幣処理装置の内部構造概略を示す側面図である。 図2は、紙幣処理装置の機能構成概略を示すブロック図である。 図3は、紙幣を一時保留せずに行う入金処理、及び出金処理について、紙幣の動きを説明するための図である。 図4は、紙幣を一時保留して行う入金処理を説明するための図である。 図5は、紙幣を一時保留して行う入金処理で入金処理がキャンセルされた際及び入金処理が確定された際の紙幣の動きを説明するための図である。 図6は、紙幣を一時保留して行う入金処理の流れを示すフローチャートである。 図7は、スイッチバック搬送を説明するための図である。 図8は、一時保留した紙幣を、対応する収納部に搬送する別の例を説明するための図である。 図9は、一時保留部の動的設定の方法を説明するフローチャートである。 図10は、動的設定における収納繰出部の決定方法を説明するための図である。 図11は、入金部で紙幣を整列状態に揃える方法を説明するための図である。
以下に、添付図面を参照して、本発明に係る貨幣処理装置について詳細に説明する。本発明に係る貨幣処理装置は、例えば、店舗において、商品を購入する顧客が商品代金を支払うエリアに設置され、商品代金の入金を行う現金精算装置として利用される。通常、店舗の現金精算装置は、紙幣処理装置及び硬貨処理装置を含んで構成され、商品取引時には、紙幣及び硬貨の両方を処理対象として、入金処理に加えて、釣銭金を払い出す出金処理等の貨幣処理も実行する。硬貨の処理は紙幣と同様に行われるため、本実施形態では、現金精算装置として利用される貨幣処理装置について、バラ紙幣(以下、単に「紙幣」と記載する)を処理する紙幣処理装置を例に詳細を説明する。
紙幣処理装置は、店員が操作するPOSレジスタ等、操作表示部を備える上位装置(図示せず)と通信可能に接続され、商品取引を行う際に、上位装置から商品代金等の情報を取得する。そして、顧客が支払った紙幣を入金する入金処理と、顧客が支払った金額から商品代金を差し引いた差額分を釣銭金として出金する出金処理とを実行する。具体的には、入金処理では、顧客から受け取った紙幣を識別計数して装置内の収納部に金種別に収納し、出金処理では、紙幣が金種別に収納されている収納部から、釣銭金を構成する紙幣を繰り出して装置外へ払い出す。なお、本実施形態では釣銭金を例に出金処理を説明するが、紙幣処理装置で行われる出金処理には、装置内から装置外へ紙幣を投出する処理が含まれる。具体的には、例えば銀行口座からの引き出し処理を行って、引き出した金額分の紙幣を装置外へ投出する処理や、入金処理のキャンセルを行って、返却する入金紙幣を装置外へ投出する処理も出金処理に含まれる。
本実施形態に係る紙幣処理装置は、紙幣の一時保留だけを行うために設けられた一時保留専用の一時保留部を有さず、入金処理で入金された紙幣を収納すると共に、出金処理時には、収納した紙幣を出金紙幣として繰り出して循環使用することができる複数の収納繰出部を有している。そして、一時保留部がない状態で入金処理を行うこともできるし、複数の収納繰出部の中から1又は複数の収納繰出部を選択して一時保留部に設定し、一時保留部を利用する入金処理を行うこともできる。紙幣処理装置は、収納可能な紙幣枚数が異なる複数種類の収納繰出部を含んでいるので、一時保留部を設定する際には、入金処理時の最大処理枚数に応じて適切な収納繰出部を選択することができる。また、同じ収納繰出部を常に一時保留部に固定して利用する固定設定の他、各収納繰出部に収納されている紙幣の種類や収納量等の所定条件に応じて一時保留部として利用する収納繰出部を動的に変更する動的設定で一時保留部を設定することも可能となっている。以下では、紙幣処理装置の構成、一時保留部を設定せずに行う入金処理、及び出金処理について説明した後、一時保留部を設定して行う入金処理と、一時保留部の設定方法について説明する。
まず、図1及び図2を参照しながら紙幣処理装置の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る紙幣処理装置1の内部構造概略を示す側面図である。紙幣処理装置1は、上部ユニット2と下部ユニット3とに分かれている。大量の紙幣を収納する下部ユニット3は金庫になっており、下部ユニット3の紙幣処理装置前面側(図1右側)には、金庫の扉が設けられている。金庫の扉は通常施錠されており、解錠して扉を開かなければ、下部ユニット3内部に収納されている紙幣を装置外に取り出せないようになっている。
上部ユニット2には、入金部60、識別部80、出金リジェクト部90及び出金部100が設けられている。また、下部ユニット3には、第1収納ユニット110、第2収納ユニット120、第3収納ユニット130及び第4収納ユニット140と、回収カセット50(回収収納部)とが設けられている。上部ユニット2内の各構成部と下部ユニット3内の各構成部とは搬送部70によって接続されており、各部の間で紙幣を搬送できるようになっている。
搬送部70は、装置内で紙幣を1枚ずつ搬送する搬送路と、搬送路の複数箇所に設けられた紙幣検知用の紙幣検知センサと、搬送路の分岐箇所に設けられた分岐部材とを含み、搬送路を搬送される紙幣の搬送位置を検知して、分岐部材を制御することにより紙幣の搬送先を制御する機能を有する。搬送部70は、入金処理時には、上部ユニット2の入金部60に受け付けた入金紙幣を下部ユニット3に向けて搬送し、出金処理時には、下部ユニット3内に収納されている出金紙幣を上部ユニット2の出金部100に向けて搬送する。
入金部60は、入金処理時に複数枚の紙幣を受け付けて、紙幣を1枚ずつ装置内の搬送路に繰り出す機能を有する。入金部60では、紙幣が斜行状態で搬送路に繰り出されることがないように紙幣を整列状態に揃えてから繰り出すようになっているが詳細は後述する。
識別部80は、搬送路に設けられ、搬送部70によって搬送される紙幣の金種、真偽、正損、新旧等を識別する機能を有する。入金処理時には、識別部80が、入金部60から搬送路に繰り出された各紙幣を識別して、紙幣の搬送先が決定され、この決定に基づいて搬送部70が紙幣を搬送する。
出金リジェクト部90は、出金処理時に、出金できない紙幣を出金リジェクト紙幣として収納するために利用される。出金部100は、複数枚の紙幣を投出する機能を有する。また、出金部100は、入金処理時に識別部80で識別できなかった紙幣を、入金リジェクト紙幣として返却するためにも利用される。出金部100は、通常、シャッタによって閉塞されているが、出金リジェクト紙幣や出金紙幣が出金部100に排出された際にシャッタが開き、出金部100に集積された紙幣を取り出せるようになっている。
図1に示す第1収納ユニット110及び第4収納ユニット140は、それぞれ内部に1つのドラム(回転体)11、41を有するシングルドラム式のテープ式収納部である。一方、第2収納ユニット120及び第3収納ユニット130は、それぞれ内部に2つのドラム(21及び22と31及び32)を有するデュアルドラム式のテープ式収納部である。
テープ式収納部では、ドラムを回転させて、テープと一緒に紙幣をドラムの外周に巻き取りながら収納する。例えば、搬送路の紙幣を一対のテープの間に取り込み、間に紙幣を挟み込んだ一対のテープをドラムの外周に巻き取りながら収納する。また、収納時と逆方向にドラムを回転させて、一対のテープの間に挟み込んで巻き取った紙幣を搬送路へ繰り出せるようになっている。
第1収納ユニット110のドラム11は、最大300枚の紙幣を1枚ずつ収納すると共に、収納した紙幣を1枚ずつ繰り出す第1収納繰出部11として機能する。第2収納ユニット120は、小径ドラム21及び大径ドラム22の2つのドラムを有し、小径ドラム21は、最大100枚の紙幣を1枚ずつ収納すると共に、収納した紙幣を1枚ずつ繰り出す第2A収納繰出部21として機能する。また、大径ドラム22は、最大200枚の紙幣を1枚ずつ収納すると共に、収納した紙幣を1枚ずつ繰り出す第2B収納繰出部22として機能する。同様に、第3収納ユニット130は、小径ドラム31及び大径ドラム32の2つのドラムを有し、小径ドラム21と同じ構造を有する最大収納枚数100枚の小径ドラム31が第3A収納繰出部31として機能し、大径ドラム22と同じ構造を有する最大収納枚数200枚の大径ドラム32が第3B収納繰出部32として機能する。また、第4収納ユニット140のドラム41は、ドラム11と同じ構造を有し、最大収納枚数300枚の第4収納繰出部41として機能する。
すなわち、紙幣処理装置1では、入金処理で入金される入金紙幣及び出金処理で出金される出金紙幣を収納するために、4つの収納ユニット110〜140によって、6つの収納繰出部11〜41を実現している。6つ収納繰出部11〜41では、金種等、収納する紙幣の種類を予め設定できるようになっており、入金処理時には、入金部60に投入された各紙幣が、識別部80による識別結果に基づいて、対応する収納繰出部に種類別に収納される。また、出金処理時には、出金紙幣が決定されると、出金紙幣を構成する各紙幣が、対応する収納繰出部から搬送路へ繰り出されて出金部100に投出される。
なお、1つの収納ユニット内に設ける収納繰出部の数が1つ又は2つに限定されるものではなく3つ以上であってもよい。また、各収納繰出部の最大収納枚数は特に限定されず、例えば、第2収納ユニット120の各収納繰出部21、22の最大収納枚数を50枚と150枚とする態様であってもよい。収納ユニット110〜140は、それぞれ紙幣処理装置1に対して着脱可能に設けられており、紙幣処理装置1の利用態様に応じて、装着する収納ユニットの種類の変更や、収納ユニットの位置の変更を行うことも可能となっている。
回収カセット50は、紙幣処理装置1に対して着脱可能に設けられており、搬送部70によって搬送された紙幣を収納する機能を有する。装置前面の金庫扉を開いて回収カセット50を取り外すことにより、回収カセット50に収納されている紙幣を回収カセット50ごと回収できるようになっている。入金処理時には、収納する紙幣の種類が予め設定されている6つの収納繰出部11〜41に収納されない紙幣が、回収カセット50に収納される。具体的には、例えば、6つの収納繰出部に割り当てられている金種とは異なる金種の紙幣が回収カセット50に収納される。また、収納繰出部11〜41のいずれかが満杯状態の場合も、満杯状態の収納繰出部11〜41に割り当てられている金種の紙幣が回収カセット50に収納される。なお、回収カセット50は、収納した紙幣を再び搬送路へ繰り出すことはできず、回収カセット50に収納された紙幣を出金処理時に出金紙幣として循環使用することはできない構造になっている。
図2は、紙幣処理装置1の機能構成概略を示すブロック図である。図1を参照しながら説明した構成部の他に、制御部200、記憶部210及び通信部220を有している。制御部200は、各構成部を制御して、後述する紙幣処理装置1の各機能及び動作を実現する機能を有する。記憶部210は、ハードディスクや半導体メモリ等の不揮発性の記憶装置から成り、紙幣処理を行うための設定や、紙幣処理時に得られた識別計数結果等の情報を保存するために利用される。通信部220は、POSレジスタ等の上位装置との間でデータの送受信を行う機能を有し、紙幣処理装置1の利用者が上位装置で行う操作に応じて、紙幣処理装置1が入金処理や出金処理を実行するようになっている。
次に、図3を参照しながら、一時保留部を設定せずに行う入金処理と、出金処理とについて説明する。図3は、紙幣を一時保留せずに行う入金処理、及び出金処理について、紙幣の動きを説明するための図である。図3(a)は、入金部60に投入された入金紙幣を一時保留せずに、対応する収納繰出部に直接収納する入金処理の紙幣の動きを示している。また、図3(b)は、出金する紙幣を、対応する収納繰出部から繰り出して、出金部100に投出する出金処理の紙幣の動きを示している。
一時保留部を必要としない利用者は、一時保留部を設定せず、入金処理時に一時保留部を利用しない設定で紙幣処理装置1を利用する。この設定で入金処理を実行すると、図3(a)に矢印で示すように紙幣が搬送される。具体的には、入金部60に投入された紙幣は1枚ずつ装置内に繰り出され、搬送部70によって搬送される。そして、識別部80が紙幣の金種等を識別すると、制御部200が紙幣の搬送先を決定する。例えば、識別部80が金種を識別できない紙幣は下部ユニット3内へは搬送されず、入金リジェクト紙幣として上部ユニット2の出金部100に搬送される。一方、識別部80が金種等を識別した、下部ユニット3内に収納可能な紙幣の搬送先は、識別結果に基づいて決定される。
6つの収納繰出部11〜41には、収納する紙幣の金種が予め設定されているので、下部ユニット3内へ搬送された紙幣は、該紙幣の金種が割り当てられている収納繰出部に収納される。一方、紙幣の金種が収納繰出部に割り当てられていない場合は、この紙幣は回収カセット50に収納される。なお、収納繰出部11〜41のいずれかが満杯状態の場合も、満杯状態の収納繰出部11〜41に割り当てられている金種の紙幣が回収カセット50に収納される。全ての入金紙幣を識別部80で識別して、収納繰出部11〜41又は回収カセット50へ収納した後、入金紙幣の識別計数結果等を確認した紙幣処理装置1の利用者が入金処理を確定する操作を行うと入金処理を完了する。一方、利用者が入金処理をキャンセルした場合は、6つの収納繰出部11〜41に収納された入金紙幣は搬送路に繰り出され、出金部100から返却される。また、回収カセット50に収納された入金紙幣がある場合は、回収カセット50に収納された紙幣現物を搬送路へ繰り出すことができないため、収納繰出部から代わりの紙幣が繰り出されて、出金部100から返却されることになる。なお、返却処理時の紙幣の動きは、後述する出金処理の紙幣の動きと同じである。
紙幣処理装置1で出金処理を行う場合、制御部200は、通信部220を介して、上位装置から出金紙幣の金種及び枚数を含む情報を取得する。そして、出金紙幣の金種が割り当てられている収納繰出部から1枚ずつ順に搬送路に紙幣を繰り出すと、図3(b)に矢印で示すように、搬送部70が、繰り出された紙幣を上部ユニット2に向けて搬送する。上部ユニット2では、出金可能な紙幣は出金部100へ搬送されて投出される。一方、複数枚の紙幣の一部又は全部が重なった状態で搬送される重送等の搬送異常により出金できないと判定された紙幣は、出金リジェクト部90へ搬送されて収納される。全ての出金紙幣を出金部100へ投出すると出金処理を完了する。
次に、図4〜図6を参照しながら、一時保留部を設定して行う入金処理について説明する。図4は、紙幣を一時保留して行う入金処理を説明するための図である。図4(a)は、6つの収納繰出部11〜41のうち1つを一時保留部に設定して、他の収納繰出部には、収納する紙幣の金種を設定した例を示している。また、図4(b)は、入金紙幣の一時保留動作を示している。
一時保留部を必要とする利用者は、入金処理時に一時保留部を利用する設定にして紙幣処理装置1を利用する。ただし、常に一時保留部を利用して入金処理を行う設定の他、紙幣処理装置1の利用者が所定操作を行った場合にのみ、一時保留部を利用して入金処理を行うように設定することもできる。具体的には、例えば、紙幣処理を選択するメニュー画面に、一時保留部を利用せずに入金処理を実行する入金ボタンと、一時保留部を利用して入金処理を実行する一保入金ボタンとを表示して、利用者が選択したボタンに応じて各入金処理を実行する。
一時保留部を利用する入金処理では、6つの収納繰出部11〜41の中から、1又は複数の収納繰出部を選択して、一時保留部として設定することができる。例えば、1回の入金処理で入金される紙幣の最大枚数を考慮して、一時保留部として利用する収納繰出部を選択する。具体的には、例えば1回の入金処理で入金する紙幣の最大枚数が100枚に達することがなければ、最大100枚の紙幣を収納できる第2A収納繰出部21又は第3A収納繰出部31を一時保留部に設定する。また、例えば、1回の入金処理で入金する紙幣の最大枚数が100枚を超えることがあるが200枚に達することはないという場合は、最大200枚の紙幣を収納できる第2B収納繰出部22又は第3B収納繰出部32を一時保留部に設定する。また、最大400枚の紙幣を入金することがある場合は、例えば第1収納繰出部11及び第2A収納繰出部21の2つを一時保留部に設定する。
一時保留部として利用する収納繰出部を固定する固定設定にすると、一時保留部を利用する入金処理では、常に同じ収納繰出部が一時保留部として利用される。なお、一時保留部として利用する収納繰出部を固定する固定設定の他、各収納繰出部に収納されている紙幣の金種や枚数等の状況に応じて一時保留部として利用する収納繰出部を変更する動的設定を選択することもできるが、動的設定については後述する。
以下では、紙幣処理装置1が、ユーロ紙幣と、デンマーククローナ紙幣等、所定国で流通する外貨紙幣とを処理対象とし、図4(a)に示すように、予め、第1収納繰出部11には5ユーロ紙幣を収納し、第2B収納繰出部22には10ユーロ紙幣を収納し、第3A収納繰出部31及び第3B収納繰出部32には20ユーロ紙幣を収納し、第4収納繰出部41には50ユーロ紙幣を収納するように設定され、第2A収納繰出部21が一時保留部に設定されたものとして説明する。なお、図4〜図7では、各収納繰出部11〜41に割り当てられている金種を四角形の中に示し、一時保留部に設定された第2A収納繰出部21を黒塗りして示している。
図4(a)に示すように設定されている場合、収納繰出部に収納する金種として設定されていない100ユーロ紙幣、200ユーロ紙幣、500ユーロ紙幣が入金されると、これらの紙幣は、入金確定後には回収カセット50に収納される。また、デンマーククローナ紙幣等の外貨紙幣が入金された場合も入金確定後に回収カセット50に収納されることになる。
図4(a)に示すように、第2A収納繰出部21を一時保留部に設定して、第2A収納繰出部21を除く他の5つの収納繰出部に金種を割り当てた状態で、一時保留部を利用する入金処理が開始されると、入金部60に投入された紙幣が識別部80によって識別され、入金可能な紙幣が下部ユニット3へ搬送されて収納又は一時保留される。
具体的には、図4(b)に示すように、入金紙幣が5ユーロ紙幣である場合は第1収納繰出部11に収納され、10ユーロ紙幣である場合は第2B収納繰出部22へ収納される。また、入金紙幣が20ユーロ紙幣である場合は第3A収納繰出部31又は第3B収納繰出部32に収納され、50ユーロ紙幣である場合は第4収納繰出部41に収納される。すなわち、入金紙幣の金種が、一時保留部に設定された第2A収納繰出部21以外の収納繰出部に割り当てられている場合は、対応する金種の収納繰出部に直接収納される。
また、図4(b)に示すように、入金紙幣が、100ユーロ紙幣、200ユーロ紙幣、500ユーロ紙幣、又はデンマーククローナ紙幣等の外貨紙幣である場合、これらの紙幣は、一時保留部に設定された第2A収納繰出部21に一時保留される。なお、一時保留部に設定された第2A収納繰出部21以外の収納繰出部のいずれかが満杯状態の場合も、満杯状態の収納繰出部に割り当てられている金種の紙幣は、一時保留部に設定された第2A収納繰出部21に一時保留されることになる。すなわち、第2A収納繰出部21以外の収納繰出部に収納できない紙幣が、一時保留部に設定された第2A収納繰出部21に収納される。言い換えれば、入金確定時に回収カセット50に収納される紙幣が、一時保留部に設定された第2A収納繰出部21に一時保留される。
紙幣を一時保留せずに行う入金処理では、図3(a)に示すように、入金可能な紙幣のうち、収納繰出部に金種が割り当てられていない金種の紙幣は、回収カセット50に直接収納されるが、一時保留部を利用する入金処理では、入金確定後に回収カセット50に収納されることになる紙幣が、一旦、一時保留部に設定された第2A収納繰出部21に収納される。
全ての入金紙幣を、一時保留部に設定された第2A収納繰出部21を含む6つの収納繰出部11〜41のいずれかに収納した状態で、紙幣処理装置1の利用者は、識別部80による識別計数結果の確認等を行う。そして、利用者は、入金処理をキャンセルする操作又は入金処理を確定する操作を行う。
図5は、紙幣を一時保留して行う入金処理で入金処理がキャンセルされた際及び入金処理が確定された際の紙幣の動きを説明するための図である。図5(a)は入金処理がキャンセルされた場合を示し、同図(b)は入金処理が確定された場合を示している。
入金処理がキャンセルされると、図5(a)に矢印で示すように、一時保留部に設定された第2A収納繰出部21を含む6つの収納繰出部11〜41から、収納されていた紙幣及び一時保留されていた紙幣が、順に搬送路に繰り出されて出金部100から返却される返却処理が行われる。一時保留部に設定された第2A収納繰出部21以外の各収納繰出部については、入金処理時に各収納繰出部に収納された入金紙幣の枚数を記憶しておいて、入金処理がキャンセルされた場合には、それぞれの収納繰出部から、記憶した枚数分の紙幣を繰り出すことによって、返却処理を実行することができる。
一方、入金処理が確定すると、図5(b)に矢印で示すように、一時保留部に設定された第2A収納繰出部21に一時保留されていた入金紙幣が1枚ずつ順に搬送路へ繰り出されて、対応する収納部に収納される。第2A収納繰出部21には、図4(b)に示すように、収納繰出部に金種が割り当てられていない金種の紙幣や外貨紙幣等が一時保留されるので、これらの紙幣は、図5(b)に示すように、回収カセット50に収納されることになる。
このように、紙幣を一時保留して行う入金処理では、全ての入金紙幣が、一時保留部に設定された第2A収納繰出部21を含む6つの収納繰出部11〜41のいずれかに一旦収納されるので、入金処理がキャンセルされた場合には、図5(a)に示すように、全ての入金紙幣現物をそのまま出金部100から返却することができる。また、紙幣を一時保留する入金処理で、入金処理が確定した場合は、一時保留部に設定された第2A収納繰出部21に一時保留していた紙幣を回収カセット50へ移動させるだけで、第2A収納繰出部21以外の収納繰出部に収納した入金紙幣を移動させる必要がない。これにより、金種によらず全ての入金紙幣を1つの一時保留部に収納して、入金確定後に全ての一時保留紙幣を繰り出して対応する収納部に移動する場合に比べて、短時間で入金処理を終了することができる。
図6は、紙幣を一時保留して行う入金処理の流れを示すフローチャートである。入金部60に紙幣を投入して入金処理を開始すると、入金部60の紙幣が1枚ずつ装置内に繰り出される(ステップS1)。装置内に繰り出された紙幣は、搬送部70によって搬送されて識別部80によって識別される(ステップS2)。
制御部200は、識別部80で識別された紙幣の金種が、一時保留部に設定されている収納繰出部以外の収納繰出部に割り当てられているか否かを判定する(ステップS3)。紙幣の金種が、一時保留部に設定されている収納繰出部以外の収納繰出部に割り当てられている場合(ステップS3;Yes)、この紙幣は、金種が割り当てられている収納繰出部に収納される(ステップS4)。一方、紙幣の金種が、一時保留部に設定されている収納繰出部以外の収納繰出部に割り当てられていない場合(ステップS3;Yes)、この紙幣は、一時保留部に設定されている収納繰出部に収納されて一時保留状態となる(ステップS5)。なお、一時保留部に設定された収納繰出部以外の収納繰出部のいずれかが満杯状態の場合も、満杯状態の収納繰出部に割り当てられている金種の紙幣は、一時保留部に設定された収納繰出部に一時保留されることになる。すなわち、一時保留部以外の収納繰出部に収納可能な紙幣は、この収納繰出部に直接収納し、一時保留部以外の収納繰出部に収納できない紙幣だけを、一時保留部に設定された収納繰出部に収納することにより一時保留状態とする。
続いて制御部200は、入金部60に投入された全ての紙幣を、いずれかの収納繰出部に収納したか否かを判定する(ステップS6)。入金部60に紙幣が残っている間は(ステップS6;No)、入金部60から装置内に紙幣を繰り出して識別計数し、識別結果に応じて対応する収納繰出部に一時保留する処理(ステップS1〜S5)を繰り返す。
全ての紙幣がいずれかの収納繰出部に収納されると(ステップS6;Yes)、制御部200は、紙幣処理装置1の利用者が、入金処理を確定する操作を行ったか否かを判定する(ステップS7)。
入金処理を確定する操作が行われた場合(ステップS7;Yes)、制御部200は、一時保留部に設定された収納繰出部から、全ての紙幣を順に搬送路に繰り出し、対応する収納先へ搬送して(ステップS8)、入金処理を終了する。具体的には、繰り出された紙幣の金種が収納繰出部に割り当てられていない場合は、図5(b)に示すように、回収カセット50に収納される。
一方、入金処理をキャンセルする操作が行われた場合(ステップS7;No)、制御部200は、入金紙幣が収納されている全ての収納繰出部、及び入金紙幣が一時保留されている収納繰出部から、全ての入金紙幣を順に繰り出す。そして、制御部200は、繰り出した各紙幣を出金部100へ搬送し、全ての入金紙幣を出金部100から返却して(ステップS9)、入金処理を終了する。具体的には、一時保留部に設定された収納繰出部と、一時保留部に設定されていない収納繰出部との両方から、入金紙幣が順に繰り出されて図5(a)に示すように出金部100から返却される。
店舗で現金精算装置として利用される紙幣処理装置1では、顧客から受け取った紙幣を入金する入金処理を行った後、必要に応じて釣銭金の出金処理が行われる。紙幣処理装置1では、顧客から受け取った紙幣の入金処理を確定する操作が行われた後、一時保留部に設定された収納繰出部から紙幣を繰り出して回収カセット50に収納する収納処理(ステップS8)と、釣銭出金処理とのいずれを先に実行するかを設定できるようになっている。具体的には、常に、釣銭出金処理より収納処理を先に行うよう設定することもできるし、常に、収納処理より釣銭出金処理を先に行うよう設定することもできる。また、通常は釣銭出金処理よりも収納処理を先に行うが、顧客を長時間待たせることを避けるため、収納処理を完了するまでにかかる処理時間が予め設定した所定時間を超える場合には、収納処理より先に釣銭出金処理を行うように設定することもできる。この設定では、制御部200が、収納処理に続いて釣銭出金処理を行う必要があるか否かを判定すると共に、釣銭出金処理を行う必要がある場合には、収納処理にかかる時間を算出して、算出結果に基づいて、収納処理と釣銭出金処理のいずれを先に行うかを決定する。そして、制御部200は、決定した順序で収納処理及び釣銭出金処理を実行する。
図4及び図5では、一時保留部に設定された第2A収納繰出部21を除く、第1収納繰出部11、第2B収納繰出部22、第3A収納繰出部31、第3B収納繰出部32及び第4収納繰出部41の5つの収納繰出部に金種が割り当てられている紙幣は、対応する収納繰出部に収納して、これら5つの収納繰出部に金種が割り当てられていない紙幣のみを、一時保留部として機能する第2A収納繰出部21に一時保留する態様を示したが、紙幣処理装置1では、一時保留する紙幣の金種を予め設定することも可能となっている。
具体的には、例えば、全ての入金紙幣を、一時保留部に設定された第2A収納繰出部21に一時保留する設定とすることもできる。また、例えば、5つの収納繰出部に金種が割り当てられていない紙幣、すなわち入金確定後に回収カセット50に収納される紙幣に加えて、50ユーロ紙幣は、第4収納繰出部41に収納せずに第2A収納部繰出部21に一時保留するというように、一時保留部として機能する第2A収納繰出部21に一時保留する金種を予め設定することもできる。この場合、紙幣を一時保留した状態で入金処理が確定されると、第2A収納繰出部21に一時保留されている紙幣を繰り出して、各紙幣を、対応する収納先へ分類して収納する処理が行われる。このとき、必要に応じて、紙幣をスイッチバックする搬送が行われる。
図7は、スイッチバック搬送を説明するための図である。例えば、第4収納繰出部41に割り当てられた50ユーロ紙幣が第2A収納繰出部21に一時保留された状態で入金処理が確定されると、この50ユーロ紙幣が、図7(a)に矢印で示すように、搬送路上に繰り出されて上方に向けて所定距離搬送された後、搬送路上で停止する。そして、搬送方向を下方に変更するスイッチバック搬送を行って、図7(b)に示すように、50ユーロ紙幣を収納するよう設定されている第4収納繰出部41に収納される。このように、一時保留部に設定された収納繰出部から繰り出されて上方に向けて搬送される紙幣の金種が、この収納繰出部より下方の収納繰出部に割り当てられている場合は、スイッチバック搬送を行って、この紙幣を対応する収納繰出部に収納できるようになっている。
なお、紙幣処理装置1における搬送部70の構成が、図7に示すようにスイッチバック搬送を必要とする構成に限定されるものではなく、一時保留部に設定された収納繰出部から繰り出した紙幣を、スイッチバック搬送を行うことなく、別の収納繰出部に収納可能な構成であってもよい。図8は、一時保留した紙幣を、対応する収納部に搬送する別の例を説明するための図である。紙幣処理装置1の下部ユニット3内で上下方向に設けられた搬送路と、収納繰出部11〜32とを接続する搬送路を、図8(a)に示すように設ければ、これらの収納繰出部11〜32では、紙幣を上方に向けて繰り出すこともできるし、下方に向けて繰り出すこともできる。また、これらの収納繰出部11〜32では、上方から搬送されてきた紙幣を収納することもできるし、下方から搬送されてきた紙幣を収納することもできる。これにより、第4収納繰出部41に割り当てられた50ユーロ紙幣が第2A収納繰出部21に一時保留された状態で入金処理が確定された場合も、図8(b)に矢印で示すように、この50ユーロ紙幣を下方に向けて繰り出して、50ユーロ紙幣を収納するよう設定されている第4収納繰出部41に収納することができる。
次に、常に同じ収納繰出部を一時保留部に固定して利用するのではなく、一時保留部を利用する入金処理を行う際に、所定条件を満たす収納繰出部を自動的に選択して一時保留部に設定する動的設定について、図9及び図10を参照しながら説明する。動的設定では、予め設定された判定条件を満たす収納繰出部を一時保留部に設定する。また、判定条件を満たす収納繰出部が複数ある場合には、優先度を判定して、一時保留部に設定する収納繰出部を決定する。
図9は、動的設定による入金処理を説明するフローチャートである。例えば、一時保留部を利用して入金処理を行う設定、かつ、動的設定により一時保留部とする収納繰出部を決定する設定として、入金処理を開始すると、図9に示す処理が開始される。
ただし、常に一時保留部を利用して入金処理を行う設定の他、紙幣処理装置1の利用者が所定操作を行った場合にのみ、動的設定によって設定した一時保留部を利用して入金処理を行うように設定することもできる。具体的には、例えば、紙幣処理を選択するメニュー画面に、一時保留部を利用せずに入金処理を実行する入金ボタンと、一時保留部を利用して入金処理を実行する一保入金ボタンとを表示して、利用者が選択したボタンに応じて各入金処理を実行する。この場合、一保入金ボタンを押して入金処理を開始すると、図9に示す処理が開始される。
なお、既に紙幣が収納されている収納繰出部を一時保留部として利用する場合には、一時保留する紙幣が、収納済紙幣の後に続けて収納されることになるが、テープ式収納部から成る収納繰出部を一時保留部として利用することで、紙幣を一時保留する動作、及び一時保留した紙幣を繰り出す動作を確実に行うことができる。
動的設定で一時保留部を利用する入金処理を開始すると、図9に示すように、制御部200は、各収納繰出部11〜41の空き容量を確認する(ステップS11)。制御部200は、予め設定された所定枚数の空き容量を有する収納繰出部があるか否かを確認する(ステップS12)。
そして、空き容量が所定枚数以上の収納繰出部がある場合(ステップS11;Yes)、制御部200は、一時保留部として利用する収納繰出部を決定する(ステップS12)。そして、制御部200は、決定した収納繰出部を一時保留部として利用しながら入金処理を実行して(ステップS13)、図9に示す処理を終了する。なお、一時保留部として利用可能な収納繰出部が複数ある場合には、制御部200が、予め設定された優先順位判定条件に基づいて優先順位を判定し、優先順位に基づいて一時保留部に設定する収納繰出部を決定するが、詳細は後述する。
一方、空き容量が所定枚数以上の収納繰出部がない場合(ステップS11;No)、制御部200は、一時保留部として利用可能な収納繰出部が存在せず、一時保留部を利用する入金処理は実行できないと判定する。続いて、制御部200は、一時保留部を設定せずに入金処理を行うか否かを判定する(ステップS14)。具体的には、制御部200は、一時保留部として利用可能な収納繰出部が存在しないために一時保留部を利用する入金処理を実行できないことを示す情報と、代わりに一時保留部を利用しない入金処理を行うか、入金処理を中止するか、いずれかを選択するよう指示する情報とを、上位装置の操作表示部に表示する。
一時保留部を利用する入金処理は実行できないことを確認した紙幣処理装置1の利用者が、一時保留部を設定せずに入金処理を行うことを選択した場合(ステップS14;Yes)、制御部200は、図3を参照しながら説明したように、一時保留部を利用することなく入金処理を実行して(ステップS15)、図9に示す処理を終了する。一方、利用者が、入金処理を中止することを選択した場合(ステップS14;No)、制御部200は、入金処理を行うことなく図9に示す処理を終了する。
このように、動的設定で一時保留部を設定する場合には、所定条件を満たす収納繰出部があれば、この収納繰出部を一時保留部に設定して入金処理を行う。また、所定条件を満たす収納繰出部がない場合には、一時保留部を設定せずに入金処理を行うか、入金処理を中止するかを選択できるようになっている。
次に、具体例を示しながら、図9のステップS11及びS12に示す収納繰出部の決定方法について説明する。図10は、動的設定における収納繰出部の決定方法を説明するための図である。図10(a)は、複数の収納繰出部11〜41の中から一時保留部として利用する収納繰出部の優先順位を判定するための優先順位判定条件である。また、図10(b)は、同図(a)に示す優先順位判定条件に基づいて、一時保留部として利用する収納繰出部を決定する例を示す図である。
なお、ここでは、収納繰出部が50枚以上の空き容量を有する場合に一時保留部として設定可能と判定するものとする。また、図10(b)に示すように、5ユーロ紙幣を収納するよう設定された最大収納枚数300枚の第1収納繰出部11には260枚の紙幣が収納されており、10ユーロ紙幣を収納するよう設定された最大収納枚数100枚の第2A収納繰出部21及び最大収納枚数200枚の第2B収納繰出部22にはそれぞれ50枚の紙幣が収納されており、10ユーロ紙幣を収納するよう設定された最大収納枚数100枚の第3A収納繰出部31には80枚の紙幣が収納されており、100ユーロ紙幣を収納するよう設定された最大収納枚数200枚の第3B収納繰出部32には180枚の紙幣が収納されており、20ユーロ紙幣を収納するよう設定された最大収納枚数300枚の第4収納繰出部41には123枚の紙幣が収納されているものとする。
この場合、第2A収納繰出部21、第2B収納繰出部22、第3A収納繰出部31、第4収納繰出部41の空き容量が50枚以上であるため、制御部200は、空き容量が所定枚数以上の収納繰出部があると判定する。図10(b)で「空き容量≧50」として示した行で、丸を付けた収納繰出部が、一時保留部として設定可能な収納繰出部である。
一時保留部として利用可能な収納繰出部が複数あるため、続いて、制御部200は、図10(a)に示す優先順位判定条件に基づいて優先順位を判定して、一時保留部として利用する収納繰出部を決定する。
制御部200は、まず第1判定条件に基づいて、6つの収納繰出部11〜41の優先順位を判定する。図10(a)に示すように、第1判定条件は、収納繰出部11〜41に収納するよう設定されている紙幣の金種が低額金種であるほど優先順位が高いと判定する判定条件である。第1判定条件では、図10(b)の第1判定条件の行に示したように、5ユーロ紙幣を収納するよう設定された第1収納繰出部11の優先順位が1位、10ユーロ紙幣を収納するよう設定された第2A収納繰出部21、第2B収納繰出部22、第3A収納繰出部31の優先順位が2位、20ユーロ紙幣を収納するよう設定された第4収納繰出部41の優先順位が5位、100ユーロ紙幣を収納するよう設定された第3B収納繰出部32の優先順位が6位となる。
この結果、一時保留部として利用可能な4つの収納繰出部の優先順位は、図10(b)の第1判定条件の下に優先順位として示したように、第2A収納繰出部21、第2B収納繰出部22、第3A収納繰出部31の3つの優先順位が1位となり、第4収納繰出部41の優先順位が4位となる。なお、図10(b)では、一時保留部として利用可能な収納繰出部の優先順位が同じになった場合は、この順位を括弧で示している。
第1判定条件による判定で優先順位が決まると、制御部200は、優先順位が1位の収納繰出部を一時保留部として利用すると決定するが、図10(b)に示すように、優先順位が1位となる収納繰出部が複数ある場合には、一時保留部として利用する収納繰出部を決定できない。このため、制御部200は、続いて第2判定条件に基づく判定を行う。
制御部200は、第2判定条件に基づいて、6つの収納繰出部11〜41の優先順位を判定する。図10(a)に示すように、第2判定条件は、収納繰出部11〜41に収納中の紙幣の枚数が少ないほど優先順位が高いと判定する判定条件である。第2判定条件では、図10(b)の第2判定条件の行に示したように、50枚の紙幣が収納されている第2A収納繰出部21及び第2B収納繰出部22の優先順位が1位、80枚の紙幣が収納されている第3A収納繰出部31の優先順位が3位、123枚の紙幣が収納されている第4収納繰出部41の優先順位が4位、180枚の紙幣が収納されている第3B収納繰出部32の優先順位が5位、260枚の紙幣が収納されている第1収納繰出部11の優先順位が6位となる。
第1判定条件による判定で1位となった第2A収納繰出部21、第2B収納繰出部22、第3A収納繰出部31について見ると、第2判定条件による判定では、第3A収納繰出部31の順位が低くなる。この結果、一時保留部として利用可能な4つの収納繰出部の優先順位は、図10(b)の第2判定条件の下に優先順位として示したように、第2A収納繰出部21及び第2B収納繰出部22の2つの優先順位が1位、第3A収納繰出部31の優先順位が3位、第4収納繰出部41の優先順位が4位となる。
第2判定条件による判定で優先順位が決まると、制御部200は、優先順位が1位の収納繰出部を一時保留部として利用すると決定するが、図10(b)に示すように、優先順位が1位となる収納繰出部が複数ある場合には、一時保留部として利用する収納繰出部を決定できない。このため、制御部200は、続いて第3判定条件に基づく判定を行う。
制御部200は、第3判定条件に基づいて、6つの収納繰出部11〜41の優先順位を判定する。図10(a)に示すように、第3判定条件は、収納繰出部11〜41の最大収納枚数が少ないほど優先順位が高いと判定する判定条件である。第3判定条件では、図10(b)の第3判定条件の行に示したように、最大収納枚数が100枚の第2A収納繰出部21及び第3A収納繰出部31の優先順位が1位、最大収納枚数が200枚の第2B収納繰出部22及び第3B収納繰出部32の優先順位が3位、最大収納枚数が300枚の第1収納繰出部11及び第4収納繰出部41の優先順位が5位となる。
第2判定条件による判定で1位となった第2A収納繰出部21及び第2B収納繰出部22について見ると、第3判定条件による判定では、第2B収納繰出部22の順位が低くなる。この結果、一時保留部として利用可能な4つの収納繰出部の優先順位は、図10(b)の第3判定条件の下に優先順位として示したように、第2A収納繰出部21の優先順位が1位、第2B収納繰出部22の優先順位が2位、第3A収納繰出部31の優先順位が3位、第4収納繰出部41の優先順位が4位となる。
第3判定条件による判定で優先順位が決まると、制御部200は、優先順位が1位の収納繰出部を一時保留部として利用すると決定する。第3判定条件で判定を行った結果、図10(b)に示すように、第2A収納繰出部21の優先順位が1位で、他に1位となる収納繰出部は存在しないので、制御部200は、第2A収納繰出部21を一時保留部に設定することを決定する。
このように、制御部200は、収納繰出部11〜41の空き容量に基づいて一時保留部として利用可能な収納繰出部を決定した後、一時保留部として利用可能な収納繰出部が複数ある場合には、図10(a)に示すように予め設定されている優先順位判定条件に基づいて優先順位を決定して、優先順位が1位の収納繰出部を一時保留部として利用すると決定する。なお、複数の収納繰出部を一時保留部に設定する場合には、優先順位に基づいて、上位の収納繰出部から順に一時保留に設定される。
図10(b)では、第1判定条件〜第3判定条件によって、一時保留部に設定する収納繰出部を決定できる例を示したが、第3判定条件による判定を行っても同じ優先順位となる収納繰出部が複数ある場合には、さらに別の優先順位判定条件で優先順位を判定することになる。
優先順位判定条件の数、内容、判定順序等は、利用者の利用態様に応じて変更できるようになっている。例えば、図10(a)に示す第1判定条件〜第3判定条件のように紙幣の種類や紙幣枚数を優先順位判定条件として設定する他、入金部60から各収納繰出部までの搬送距離、各収納繰出部から回収カセット50までの搬送距離、各収納繰出部の休止率、各収納繰出部の故障率を、優先順位判定条件とすることもできる。また、例えば、直近の所定回数の出金処理で出金された紙幣枚数や、判定前の所定時間内に行われた出金処理で出金された紙幣枚数を、優先順位判定条件とすることもできる。
例えば、入金紙幣を一時保留する際の搬送や、一時保留した入金紙幣を繰り出して対応する収納繰出部や回収カセット50に収納する際の搬送で、搬送距離が短い収納繰出部の優先順位が高くなるように条件設定すれば、搬送路での紙幣詰まり等、搬送異常の発生確率を抑えることができる。また、例えば、故障率が低い収納繰出部の優先順位が高くなるように条件設定すれば、入金処理中の故障の発生確率を抑えることができる。また、休止率や紙幣の出金枚数に基づいて、各収納繰出部の間で紙幣の収納及び繰出を行った回数がなるべく等しくなるように、紙幣の収納及び繰出を行った回数が少ない収納繰出部の優先順位が高くなるように条件設定すれば、1つの収納繰出部で他に比べて異常に早く部品が摩耗するといった事態を回避することができる。
また、判定順序についても、例えば、図10(a)に示す第1判定条件と第2判定条件の判定順序を入れ替えて、収納中の紙幣枚数が少ないことを最優先する設定とすることもできる。また、図10(a)に示す判定順序のまま、第2判定条件に係る判定処理時に、紙幣が収納されていない空の収納繰出部があった場合には、他の判定条件に基づく優先順位によらず、空の収納繰出部を一時保留部とするように設定することもできる。また、各収納繰出部の優先順位を固定して、一時保留部として利用可能な収納繰出部が複数ある場合には、固定された優先順位に基づいて一時保留部を決定するように設定することもできる。
次に、入金部60で紙幣を整列状態にする方法について説明する。紙幣処理装置1では、一時保留部を利用するか否かを選択して、大量の紙幣の入金処理を行うことができる。入金部60から装置内の搬送路に繰り出される紙幣が傾いた状態で繰り出されて、斜行状態で搬送されると、搬送路での紙幣詰まり等の原因になるため、入金部60では、紙幣を整列状態に揃えてから装置内に繰り出すようになっている。
図11は、入金部60で紙幣を整列状態に揃える方法を説明するための図である。図11(a)は入金部60を上方から見た図を示し、同図(b)は入金部60を側方から見た図を示している。なお、図11(b)では、入金部60のステージ310上の紙幣400(400a、400b)を斜線で示している。
図11に示すように、入金部60は、紙幣400が載置されるステージ310と、ステージ310上に残っている紙幣400を検知するための紙幣検知センサ160と、ステージ310の紙幣400を1枚ずつに分離して、一番下から順に1枚ずつ装置内に繰り出すための逆転ローラ330及び繰出ベルト340と、ステージ310上の紙幣400aを左右両側(図11(a)の上下両側)から叩いて揃えるための左右一対の紙幣揃レバー300とを有している。
図11(b)に示すソレノイド260が、ラック、ピニオン、バネ等から成る駆動機構270を駆動することにより、紙幣の左右幅に合わせて配置されている左右一対の紙幣揃レバー300が一旦左右の両外側へ移動した後、元の配置位置へ戻る叩き動作を行うようになっている。叩き動作を行うことにより、ステージ310上の紙幣400aを、紙幣揃レバー300で左右両外側から叩いて揃えることができる。
図11(b)に示すように、ステージ310上に、紙幣揃レバー300の上端を超えて大量の紙幣400が載置されると、紙幣揃レバー300による叩き動作を行った際に、紙幣揃レバー300の上端より下側にある紙幣400aのみが揃えられて、上側にある紙幣400bを揃えることができない。このため、紙幣処理装置1では、紙幣検知センサ160によってステージ310上の紙幣400が検知されている間、紙幣揃レバー300による叩き動作を繰り返し行うようになっている。具体的には、所定の時間間隔、又は所定枚数の紙幣400が装置内に繰り出される度に、叩き動作が繰り返し行われる。
ステージ310上の紙幣400aが一番下の紙幣から1枚ずつ順に装置内に繰り出されると、上側にある紙幣400bが徐々に下方へおりてくる。紙幣揃レバー300による叩き動作を繰り返し行えば、図11(b)に示すように紙幣揃レバー300の上端よりも上側にあった紙幣400bが、徐々に下方へおりてくるので、装置内に繰り出される前に、紙幣揃レバー300で左右両外側から叩く叩き動作を行って揃えることが可能となる。
本実施形態では、入金処理及び出金処理を実行する紙幣処理装置1を例に説明したが、入金処理を実行可能であれば、紙幣処理装置1で行われる他の紙幣処理については特に限定されない。例えば、紙幣処理装置1が、入金処理のみを受け付ける入金専用機である場合も、上述した各機能及び動作を実現することにより、一時保留部に係る様々な利用態様に対応することができる。なお、紙幣処理装置1が入金専用機である場合も、入金処理がキャンセルされたために入金紙幣を出金部100へ投出して返却したり、紙幣処理装置1から紙幣を回収する際に収納繰出部11〜41から出金部100へ紙幣を投出したりする出金処理動作が行われる。
また、紙幣処理装置1の構成について、紙幣処理装置1が入金部60及び出金部100を有する態様を示したが、紙幣処理装置1が入金部60のみを有し、入金部60が出金部100の機能を兼ねる態様であってもよい。また、収納繰出部11〜41がテープ式収納部に限定されるものではなく、紙幣を順に積み重ねて集積するスタック式収納部であってもよい。
また、紙幣を一時保留するために設けられた専用の一時保留部と、複数の収納繰出部とを有する紙幣処理装置において、収納繰出部を対象として、上述した紙幣処理装置1の各機能及び動作を実現する態様であってもよい。例えば、1回の入金処理で入金される紙幣の枚数が、一時保留専用の一時保留部の最大収納枚数を超える場合に、収納繰出部を対象として、上述したように一時保留部を設定すれば、全ての入金紙幣を一時保留して入金処理を行うことができる。
また、全ての紙幣を、一時保留せずに、予め金種が割り当てられた各収納繰出部へ直接収納する入金処理と、少なくとも一部の紙幣を、一時保留部に設定された収納繰出部に一時保留して行う入金処理とのいずれの入金処理を実行するかについては、いずれかの入金処理のみを実行するように固定する態様や、実行する入金処理の種類をメニュー画面で手動選択する態様に限定されるものではない。
例えば、下部ユニット3へ収納することが決まった最初の入金紙幣の識別結果に基づいて、実行する入金処理の種類を自動的に選択する態様であってもよい。具体的には、例えば、6つの収納繰出部11〜41に予め金種を割り当てて、6金種の紙幣を各収納繰出部11〜41に収納可能な状態で入金処理を開始する。そして、識別部80で識別した結果、下部ユニット3内へ収納することが決まった最初の入金紙幣が、予め収納繰出部11〜41に割り当てられている金種の紙幣であれば、一時保留せずに行う入金処理を実行する。一方、最初の入金紙幣が、予め収納繰出部11〜41に割り当てられている金種の紙幣ではなく、収納繰出部11〜41に収納できない紙幣、すなわち回収カセット50に収納される種類の紙幣であれば、複数の収納繰出部11〜41の中から選択した少なくとも1つの収納繰出部を一時保留部に設定して、上述したように、紙幣を一時保留して行う入金処理を実行する。
また、例えば、識別部80による各紙幣の識別結果に基づいて、実行する入金処理の種類を自動的に選択する態様であっても構わない。具体的には、例えば、6つの収納繰出部11〜41に予め金種を割り当てて、6金種の紙幣を各収納繰出部11〜41に収納可能な状態で入金処理を開始する。そして、識別部80で識別した結果、入金部60に投入された全ての入金紙幣が、収納繰出部11〜41に割り当てられた6金種のいずれかの金種であれば、全ての入金紙幣を金種別に収納繰出部11〜41に収納して、一時保留せずに行う入金処理を実行する。一方、入金紙幣を識別部80で識別している間に、収納繰出部11〜41に割り当てられた6金種以外の金種の入金紙幣が得られた場合には、複数の収納繰出部11〜41の中から選択した少なくとも1つの収納繰出部を一時保留部に設定する。そして、得られた入金紙幣を、一時保留に設定した収納繰出部に一時保留して、上述したように、紙幣を一時保留して行う入金処理を実行する。一時保留して行う入金処理を開始した後は、一時保留部に設定された収納繰出部に金種が割り当てられている紙幣も、この収納繰出部に一時保留されることになる。
なお、本実施形態では紙幣処理装置1で紙幣を処理する場合を例に説明したが、硬貨の収納及び収納した硬貨の繰出を実行可能な複数の収納繰出部を有する硬貨処理装置においても、硬貨の収納繰出部を対象として、紙幣処理装置1について説明した各機能及び動作を実現して同様の効果を得ることができる。
上述してきたように、本実施形態に係る紙幣処理装置1は、入金紙幣を一時保留するためだけに設けられた専用の一時保留部を有さず、循環使用する紙幣の収納及び繰出を行う収納繰出部11〜41と、循環使用しない紙幣を回収するための回収カセット50とを有している。これにより、一時保留専用の一時保留部を設けることによる紙幣処理装置1の価格の上昇や大型化を回避することができる。一時保留部を必要としない利用者は、収納繰出部11〜41及び回収カセット50の全てを有効に利用して、入金処理及び出金処理を行うことができる。
また、一時保留部を必要とする利用者は、複数の収納繰出部11〜41の中から1又は複数の収納繰出部を選択して一時保留部として利用することができる。収納可能な紙幣枚数が異なる複数種類の収納繰出部11〜22が設けられているので、利用者は、例えば1回の入金処理で入金される紙幣の最大枚数に応じて収納繰出部を選択して一時保留部として利用することができる。
また、紙幣処理装置1の利用者が、一時保留部として利用する収納繰出部を固定する固定設定の他、一時保留部として利用する収納繰出部を動的に変更する動的設定とすることも可能となっている。動的設定では、一時保留部に設定する収納繰出部を選択するための条件を予め設定することで、収納繰出部を選択して一時保留部に設定する動作が自動的に行われる。様々な条件を設定することができるので紙幣処理装置1の利用者の利用態様に柔軟に対応することができる。
以上のように、本発明に係る貨幣処理装置は、一時保留部の様々な利用態様に柔軟に対応するために有用である。
1 紙幣処理装置
2 上部ユニット
3 下部ユニット
11、21、22、31、32、41 収納繰出部(ドラム)
50 回収カセット
60 入金部
70 搬送部
80 識別部
90 出金リジェクト部
100 出金部
110、120、130、140 収納ユニット
160 紙幣検知センサ
200 制御部
210 記憶部
220 通信部
260 ソレノイド
270 駆動機構
300 紙幣揃レバー
310 ステージ
330 逆転ローラ
340 繰出ベルト

Claims (15)

  1. 貨幣を入金する貨幣処理装置であって、
    入金処理時に貨幣が投入される入金部と、
    貨幣の収納、及び収納した貨幣の繰り出しを行う複数の収納繰出部と、
    前記複数の収納繰出部の中から選択された少なくとも1つの収納繰出部を一時保留部に設定し、前記入金部に投入された貨幣を前記一時保留部に設定された収納繰出部に一時保留する入金処理を実行する制御部と
    を備えることを特徴とする貨幣処理装置。
  2. 前記複数の収納繰出部は、収納可能な貨幣枚数が異なる複数種類の収納繰出部を含み、
    前記制御部は、1回の入金処理で処理される貨幣の最大枚数に基づいて、少なくとも1つの収納繰出部を一時保留部に設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の貨幣処理装置。
  3. 前記制御部は、
    収納繰出部を一時保留部に設定して入金処理を行う際には、
    前記入金部に投入された貨幣のうち、
    一時保留部に設定された収納繰出部以外の収納繰出部に金種が割り当てられている貨幣は、対応する収納繰出部に一時保留して、
    一時保留部に設定された収納繰出部以外の収納繰出部に金種が割り当てられていない貨幣は、一時保留部に設定された収納繰出部に一時保留する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の貨幣処理装置。
  4. 貨幣を繰り出すことなく収納のみを行う収納部
    をさらに備え、
    前記制御部は、一時保留部に設定された前記収納繰出部に貨幣を一時保留した状態で前記入金処理が確定されると、一時保留部に設定された前記収納繰出部から、一時保留されている貨幣を繰り出して前記収納部に収納する
    ことを特徴とする請求項3に記載の貨幣処理装置。
  5. 貨幣が投出される出金部
    をさらに備え、
    前記制御部は、
    前記収納繰出部から繰り出した貨幣を前記出金部に投出する出金処理を行うとともに、
    前記入金処理の確定後に続けて前記出金処理を行う場合には、一時保留部に設定された前記収納繰出部から、一時保留されている貨幣を繰り出して前記収納部に収納する収納処理と、前記出金処理とのいずれを先に実行するかを決定する
    ことを特徴とする請求項4に記載の貨幣処理装置。
  6. 貨幣が投出される出金部
    をさらに備え、
    前記制御部は、前記収納繰出部に貨幣を一時保留した状態で前記入金処理がキャンセルされると、一時保留部に設定された収納繰出部を含む全ての前記収納繰出部から、一時保留されている貨幣を繰り出して前記出金部へ返却する
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載の貨幣処理装置。
  7. 前記制御部は、貨幣が収納されていない空の収納繰出部を一時保留部に設定して、一時保留部に設定した前記収納繰出部には、入金処理時に一時保留する貨幣のみを収納することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の貨幣処理装置。
  8. 貨幣が収納されている収納繰出部を一時保留部に設定して、入金処理時には、収納済貨幣に続けて貨幣を収納することにより該貨幣を一時保留することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の貨幣処理装置。
  9. 前記制御部は、予め設定された所定条件を満たす収納繰出部を一時保留部に設定することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の貨幣処理装置。
  10. 前記制御部は、所定条件を満たす収納繰出部が複数ある場合には、予め設定された優先順位判定条件に基づいて優先順位を判定して、一時保留部に設定する収納繰出部を決定することを特徴とする請求項9に記載の貨幣処理装置。
  11. 前記制御部は、収納繰出部に収納されている貨幣の金種、収納繰出部に収納されている貨幣の枚数、及び収納繰出部に収納可能な貨幣の最大枚数のうち少なくともいずれか1つについて設定された優先順位判定条件に基づいて優先順位を判定することを特徴とする請求項10に記載の貨幣処理装置。
  12. 各収納繰出部は、回転体の外周に巻き取るテープの間に貨幣を挟み込んで収納すると共に、前記回転体を収納時と逆方向に回転して前記貨幣を繰り出すテープ式収納繰出部であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の貨幣処理装置。
  13. 全ての収納繰出部が金庫内に設けられていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の貨幣処理装置。
  14. 複数の収納繰出部が1つの収納ユニット内に設けられていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の貨幣処理装置。
  15. 前記収納ユニットは、装置に対して着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項14に記載の貨幣処理装置。
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