JP5794498B2 - ポリ乳酸樹脂組成物 - Google Patents
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Description
項1 以下の(1)と(2)の成分を含むポリ乳酸樹脂組成物:
(1)高分子量ポリ乳酸50〜99重量%;
(2)末端に乳酸のCOOH基もしくはエステル残基を含む低分子量ポリ乳酸誘導体1〜50重量%。
項2 前記の高分子量ポリ乳酸が70〜99重量%、前記の低分子量ポリ乳酸誘導体が1〜30重量%であることを特徴とする、項1に記載のポリ乳酸樹脂組成物。
項3 乳酸のエステル残基が、乳酸と1価アルコール化合物もしくはポリオール化合物のモノエステルである、項1または2に記載のポリ乳酸樹脂組成物。
項4 ポリオール化合物が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ジブチレングリコール、トリブチレングリコール、テトラブチレングリコール、ポリブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリンからなる群より選ばれる、項3に記載のポリ乳酸樹脂組成物。
項5 アルコール化合物が、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、オクタノール、ドデカノールおよびベンジルアルコールからなる群より選ばれる、項3に記載のポリ乳酸樹脂組成物。
項6 末端に乳酸のCOOH基もしくはエステル残基を含む低分子量ポリ乳酸誘導体からなる核剤。
項7 乳酸のエステル残基が、乳酸と1価アルコール化合物もしくはポリオール化合物のモノエステルである項6に記載の核剤。
項8 ポリオール化合物が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ジブチレングリコール、トリブチレングリコール、テトラブチレングリコール、ポリブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリンからなる群より選ばれる、項7に記載の核剤。
項9 アルコール化合物が、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、オクタノール、ドデカノールおよびベンジルアルコールからなる群より選ばれる、項7に記載の核剤。
項10 項7〜9のいずれか1項に記載のポリ乳酸樹脂組成物用の核剤。
項11 項1〜5のいずれか1項に記載のポリ乳酸樹脂組成物を用いて成形してなる成形体。
(1)分子量測定
クロロホルムを溶離液とするGPC測定によるポリスチレン換算値で求めた。
(2)DSC測定
示差走査熱量計(DSC)として(株)マックサイエンスを用い、窒素ガス流入量50mL/分の雰囲気下で10℃/分で室温から220℃まで昇温し、10℃/分で220℃から50℃まで降温し、さらに10℃/分で50℃から220℃まで昇温した。得られた降温時の結晶化ピークの温度およびエンタルピーで評価した。
(3)結晶化度
ポリ乳酸が完全に結晶化したときのエンタルピーを用い、ΔHc/93(J/g)×100で求めた。
ポリ乳酸:L−乳酸単位/D−乳酸単位=98.6重量%/1.4重量%、重量平均分子量 20万、Tg65℃(商品名:NatureWorks3001D/ネイチャーワー
クス社製)(以下、PLAと略す)。
フラスコにPLA 10gとエチレングリコール(和光純薬工業株式会社製)10gを入れ150℃で24時間攪拌反応させた。得られた反応物をクロロホルムで溶解しメタノール中に再結晶化させることで精製した。得られた反応物LP−1をGPC測定した結果、分子量はMn4.2×103、Mw7.1×103であった。
合成例2 フラスコにPLA 10gとテトラエチレングリコール(和光純薬工業株式会社製)1gを入れ200℃で8時間攪拌反応させた。得られた反応物をクロロホルムで溶解しメタノール中に再結晶化させることで精製した。得られた反応物LP−2をGPC測定した結果、分子量はMn6.0×103、Mw8.5×103であった。
フラスコにPLA 10gとテトラエチレングリコール(和光純薬工業株式会社製)10gを入れ110℃で40時間攪拌反応させた。得られた反応物を蒸留水で洗浄した。得られた反応物LP−3をGPC測定した結果、分子量はMn2.5×104、Mw4.4×104であった。
フラスコにPLA 10gとポリエチレングリコール400(和光純薬工業株式会社製)1gを入れ200℃で8時間攪拌反応させた。得られた反応物をクロロホルムで溶解しメタノール中に再結晶化させることで精製した。得られた反応物LP−4をGPC測定した結果、分子量はMn7.8×103、Mw1.1×104であった。
フラスコにPLA 10gとポリエチレングリコール2000(和光純薬工業株式会社製)1gを入れ200℃で8時間攪拌反応させた。得られた反応物をクロロホルムで溶解しメタノール中に再結晶化させることで精製した。得られた反応物LP−5をGPC測定した結果、分子量はMn9.8×103、Mw1.8×104であった。
フラスコにPLA 10gと1.4−ブタンジオール(和光純薬工業株式会社製)1gを入れ200℃で5時間攪拌反応させた。得られた反応物をクロロホルムで溶解しメタノール中に再結晶化させることで精製した。得られた反応物LP−6をGPC測定した結果、分子量はMn4.7×103、Mw6.7×103であった。
フラスコにPLA 10gとポリテトラメチレンオキシド650(和光純薬工業株式会社製)1gを入れ200℃で8時間攪拌反応させた。得られた反応物をクロロホルムで溶解しメタノール中に再結晶化させることで精製した。得られた反応物LP−7をGPC測定した結果、分子量はMn9.8×103、Mw1.6×104であった。
フラスコにPLA 10gとポリテトラメチレンオキシド1000(和光純薬工業株式会社製)1gを入れ200℃で8時間攪拌反応させた。得られた反応物をクロロホルムで溶解しメタノール中に再結晶化させることで精製した。得られた反応物LP−8をGPC測定した結果、分子量はMn9.1×103、Mw1.3×104であった。
フラスコにPLA 10gとグリセリン(和光純薬工業株式会社製)1gを入れ200℃で5時間攪拌反応させた。得られた反応物をクロロホルムで溶解しメタノール中に再結晶化させることで精製した。得られた反応物LP−9をGPC測定した結果、分子量はMn3.8×103、Mw5.2×103であった。
フラスコにPLA 1kgとベンジルアルコール(和光純薬工業株式会社製)100gを入れ185℃で1時間攪拌反応させた。得られた反応物をクロロホルムで溶解しメタノール中に再結晶化させることで精製した。得られた反応物LP−10をGPC測定した結果、分子量はMn6.4×103、Mw1.1×104であった。
フラスコにPLA 10gと1−ペンタノール(和光純薬工業株式会社製)10gを入れ130℃で15時間攪拌反応させた。得られた反応物をクロロホルムで溶解しメタノール中に再結晶化させることで精製した。得られた反応物LP−11をGPC測定した結果、分子量はMn1.2×104、Mw2.0×104であった。
フラスコにPLA 10gと1−ドデカノール(和光純薬工業株式会社製)1gを入れ200℃で8時間攪拌反応させた。得られた反応物をクロロホルムで溶解しメタノール中に再結晶化させることで精製した。得られた反応物LP−12をGPC測定した結果、分子量はMn5.8×103、Mw9.4×103であった。
フラスコにPLA 1kgと蒸留水10Lを入れ80℃で40時間攪拌反応させた。得られた反応物を蒸留水で洗浄した。得られた反応物LP−13は、末端に乳酸のCOOH基を含む低分子量ポリ乳酸であり、その分子量はMn7.8×103、Mw1.5×104であった。
PLAと上記合成例にて得られた各種反応物(LP−1〜LP−13)を核剤としてフラスコにいれ、200℃で30分溶融混合し、サンプリングした。混合割合との記載は、全体に対して混合させた各種反応物の重量%を表す。比較例はPLAのみを200℃で30分溶融し、サンプリングした。これをDSC分析し結晶化速度(Tc)、結晶化エンタルピー(ΔHc)、および結晶化度を求めた。その結果を表1に示す。
Claims (4)
- 以下の(1)と(2)の成分を含むポリ乳酸樹脂組成物:
(1)分子量が5〜50万のポリ乳酸50〜99重量%;
(2)末端に乳酸のエステル残基を含む分子量が1000〜45000のポリ乳酸誘導体1〜50重量%;
前記乳酸のエステル残基が、乳酸とベンジルアルコールのモノエステルである。 - 分子量が5〜50万のポリ乳酸が70〜99重量%、分子量が1000〜45000のポリ乳酸誘導体が1〜30重量%であることを特徴とする、請求項1に記載のポリ乳酸樹脂組成物。
- 末端に乳酸のエステル残基を含む分子量が1000〜45000のポリ乳酸誘導体からなるポリ乳酸樹脂組成物用の核剤であって、
前記乳酸のエステル残基が、乳酸とベンジルアルコールのモノエステルである、
核剤。 - 請求項1又は2に記載のポリ乳酸樹脂組成物を用いて成形してなる成形体。
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