JP2008239760A - 樹脂組成物およびそれからなる成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】
生分解性ポリマーを含有し、成形時の低バリ化、成形サイクルの短縮、モールドデポジットの低減を可能とし、かつ機械特性に優れた樹脂組成物およびそれからなる成形品を提供する。
【解決手段】
ポリ乳酸樹脂およびポリアセタール樹脂の合計が100重量部である樹脂組成物に対して、さらに結晶核剤の量が0.01〜10重量部および可塑剤の量が0.01〜1重量部を配合してなる樹脂組成物。ポリ乳酸樹脂およびポリアセタール樹脂の合計を100重量部としたときに、前記ポリ乳酸樹脂の含有量が99重量部以下1重量部以上が好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、生分解性ポリマーを含有し、成形時の低バリ化、成形サイクルの短縮、モールドデポジットの低減を可能とし、かつ機械特性に優れた樹脂組成物ならびにそれからなる成形品に関するものである。
ポリ乳酸樹脂は、高い融点を持ち、また溶融成形可能であることから、実用上優れた生分解性ポリマーとして期待されている。また、将来的にバイオ原料から作られる汎用ポリマーとしての利用も期待されている。しかしながら、ポリ乳酸樹脂は、剛性が高いものの靭性、特に衝撃強度が低いため、成形品として用いるには脆いポリマーであり、その用途展開には限界があった。また、ポリ乳酸樹脂は結晶化速度が遅いため、結晶化させて成形品として用いるには限界があった。例えばポリ乳酸樹脂を射出成形する場合には、長い成形サイクル時間や成形後の熱処理を必要とすること、および成形時や熱処理時の変形が大きいことなどの実用上大きな問題があった。
これらの問題を解決するため、特許文献1ではポリ乳酸樹脂とポリアセタール樹脂の混合物に耐衝撃改良剤を配合することで、成形性改良と衝撃強度を向上させる方法が開示されているが、この方法では成形サイクルの短縮には不十分であった。
成形サイクルをさらに短縮させる方法として、特許文献2ではポリ乳酸樹脂とポリアセタール樹脂の混合物に、結晶化促進剤としてタルク、有機カルボン酸金属塩および有機カルボン酸アミドから選択された少なくとも一種の結晶核剤および/またはポリエステル系可塑剤およびポリアルキレングリコール系可塑剤から選択された少なくとも一種の可塑剤を添加する方法が開示されている。この方法では、成形サイクルが短縮されるが、添加剤のブリードアウトにより金型にモールドデポジットが付着するという問題があった。
特開2003−286400号公報 特開2003−301097号公報
本発明の目的は、生分解性ポリマーを含有し、成形時の低バリ化、成形サイクルの短縮、モールドデポジットの低減を可能とし、且つ機械特性に優れた樹脂組成物ならびにそれからなる成形品の提供にある。
上記目的を達成するため、本発明の樹脂組成物は、ポリ乳酸樹脂およびポリアセタール樹脂の合計が100重量部である樹脂組成物に対して、さらに結晶核剤の量が0.01〜10重量部および可塑剤の量が0.01〜1重量部を配合することを特徴とするものである。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)ポリ乳酸樹脂およびポリアセタール樹脂の合計が100重量部である樹脂組成物に対して、さらに結晶核剤の量が0.01〜10重量部および可塑剤の量が0.01〜1重量部配合してなる樹脂組成物、
(2)ポリ乳酸樹脂の配合量が、ポリ乳酸樹脂およびポリアセタール樹脂の合計100重量部に対して、99重量部以下1重量部以上であることを特徴とする(1)に記載の樹脂組成物、
(3)前記結晶核剤が、タルク、有機カルボン酸金属塩および有機カルボン酸アミドから選択された少なくとも一種の結晶核剤であることを特徴とする(1)または(2)のいずれかに記載の樹脂組成物、
(4)前記可塑剤が、ポリエステル系可塑剤およびポリアルキレングリコール系可塑剤から選択された少なくとも一種の可塑剤であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の樹脂組成物、
(5)前記可塑剤が、ポリ乳酸成分と脂肪族ポリエステル成分を含む共重合体またはポリ乳酸成分とポリアルキレングリコール成分を含む共重合体から選択された少なくとも一種の可塑剤であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の樹脂組成物、および
(6)(1)〜(5)のいずれか記載の樹脂組成物からなる成形品。
本発明によれば、以下に説明するとおり、成形時の低バリ化、成形サイクルの短縮、モールドデポジットの低減を可能とし、且つ機械特性に優れた樹脂組成物を得ることができる。
本発明に用いられるポリ乳酸樹脂とは、L−乳酸および/またはD−乳酸を主たる構成成分とするポリマーであるが、乳酸以外の他の共重合成分を含んでいてもよい。他の共重合成分としては、エチレングリコール、ブロピレングリコール、ブタンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオ−ル、デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ビスフェノ−ルA、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリテトラメチレングリコールなどのグリコール化合物、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マロン酸、グルタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムイソフタル酸などのジカルボン酸、グリコール酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸、およびカプロラクトン、バレロラクトン、プロピオラクトン、ウンデカラクトン、1,5−オキセパン−2−オンなどのラクトン類を挙げることができる。このような共重合成分としては、全単量体成分中通常30モル%以下の含有量とするのが好ましく、10モル%以下であることが好ましい。
本発明においては、相溶性の点から、乳酸成分の光学純度が高いポリ乳酸樹脂を用いることが好ましい。すなわち、ポリ乳酸樹脂の総乳酸成分の内、L体が70%以上含まれるかあるいはD体が70%以上含まれることが好ましく、L体が80%以上含まれるかあるいはD体が80%以上含まれることがより好ましく、L体が90%以上含まれるかあるいはD体が90%以上含まれることが更に好ましく、L体が95%以上含まれるかあるいはD体が95%以上含まれることが特に好ましく、L体が98%以上含まれるかあるいはD体が98%以上含まれることがとりわけ好ましい。また、L体またはD体の含有量の上限は通常100%以下である。
ポリ乳酸樹脂の分子量や分子量分布については、実質的に成形加工が可能であれば、特に制限されるものではないが、重量平均分子量としては、通常1万以上、好ましくは4万以上、さらに8万以上であることが望ましい。ここでいう重量平均分子量とは、ゲルパーミテーションクロマトグラフィーで測定したポリメチルメタクリレート(PMMA)換算の分子量をいう。
ポリ乳酸樹脂の融点は、特に制限されるものではないが、120℃以上であることが好ましく、さらに150℃以上であることが好ましく、特に160℃以上であることが好ましい。ポリ乳酸樹脂の融点は、通常乳酸成分の光学純度を高くすることにより高くなり、融点が120℃以上のポリ乳酸樹脂は、L体が90%以上含まれるかあるいはD体が90%以上含まれることにより、また融点が150℃以上のポリ乳酸樹脂は、L体が95%以上含まれるかあるいはD体が95%以上含まれることにより、融点が160℃以上のポリ乳酸は、L体が98%以上含まれるかあるいはD体が98%以上含まれることにより得ることができる。
かかるポリ乳酸樹脂の製造方法としては、公知の重合方法を用いることができ、乳酸からの直接重合法、およびラクチドを介する開環重合法などを挙げることができる。
本発明で使用するポリアセタール樹脂は、オキシメチレン単位を有するホモポリマー、またはコポリマーであるが、本発明では主としてオキシメチレン単位からなり、主鎖中に2〜8個の隣接する炭素原子を有するオキシアルキレン単位を15重量%以下含有する、アセタールコポリマーを使用することが好ましい。
代表的なアセタールコポリマーの製造方法の例としては、高純度のトリオキサンおよびエチレンオキシドや1,3−ジオキソラン等の共重合成分を、シクロヘキサンのような有機溶媒中に導入し、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体のようなルイス酸触媒を用いてカチオン重合した後、触媒の失活と末端基の安定化を行うことにより製造する方法、あるいは溶媒を全く使用せずに、セルフクリーニング型撹拌機の中へ、トリオキサン、共重合成分および触媒を導入して塊状重合した後、さらに不安定末端を分解除去することにより製造する方法等が挙げられる。
これらポリマーの粘度は、成形材料として使用できる程度のものであれば特に制限はないが、ASTM D1238法によるメルトフローレート(MFR)が測定可能であり、温度190℃、測定荷重2.16kgの条件下において測定したMFRが0.1〜100g/10分の範囲のものであることが好ましく、1.0〜50g/10分のものであることが特に好ましい。
また、ポリアセタール樹脂としては、あらかじめ熱安定剤や発生ガス捕捉剤を含有しているものを用いることが好ましく、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、カルシウムリシノレート、シアノグアナジン、ヘキサメチレンビス(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシアナメート)、メラミン、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ナイロン6/66、ナイロン66/610/6、ナイロン612/6、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシアナメート)]メタン、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール[3−(3,5−ジ−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、モノカルボン酸ヒドラジド、ジカルボン酸モノヒドラジド、ジカルボン酸ジヒドラジド、およびポリカルボン酸ポリヒドラジド等のヒドラジド化合物の少なくとも1種が含有されていることが好ましい。
なお、ポリアセタール樹脂の分解が促進されることにより組成物の耐久性や相溶性を損なうなど、組成物自体の特性に強い影響を与える可能性の高いホルムアルデヒドは配合しないことが好ましく、ポリアセタール樹脂に含まれるホルムアルデヒド量を考慮しても、多くともポリアセタール樹脂に対して、500ppm未満にとどめておくのが好ましく、250ppm以下にとどめておくのがより好ましく、100ppm以下にとどめておくのがさらに好ましく、含有しないことがより好ましい。このようなホルムアルデヒド含有量を達成するには、前述したようにポリアセタールホモポリマーの重合後、ポリマー末端をアセチル化したり、ポリアセタールコポリマーの重合後、不安定末端を分解除去するなどの方法により安定化処理を行ったポリアセタール樹脂を用いることが好ましい。上記樹脂組成物中のホルムアルデヒド含有量は、樹脂組成物を粉砕して得られる粉体1gを、水100ml中、50℃で6時間撹拌して、ホルムアルデヒドを抽出し、アセチルアセトン法で定量することにより測定することができる。
本発明で使用する結晶核剤としては、一般にポリマーの結晶核剤として用いられるものを特に制限なく用いることができ、無機系結晶核剤および有機系結晶核剤のいずれをも使用することができる。結晶核剤として使用できる無機系結晶核剤としては、タルク、カオリナイト、モンモリロナイト、合成マイカ、クレー、ゼオライト、シリカ、グラファイト、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、硫化カルシウム、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ネオジウムおよびフェニルホスホネートの金属塩が好ましい。これらの無機系結晶核剤は、組成物中での分散性を高めるために、有機物で修飾されていることが好ましい。無機系結晶核剤の平均粒径は10μm以下が好ましく、5μm以下がさらに好ましく、3μm以下が特に好ましい。ここで、無機系結晶核剤の平均粒径としては、レーザー回折散乱法にて測定することができ、島津レーザー回折式粒度分布測定装置SAL−3000を用いて測定された粒度分布より数平均粒径(D50μm)を求めたものである。
また、有機系結晶核剤の具体例としては、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、安息香酸カルシウム、安息香酸マグネシウム、安息香酸バリウム、テレフタル酸リチウム、テレフタル酸ナトリウム、テレフタル酸カリウム、シュウ酸カルシウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸カリウム、ミリスチン酸カルシウム、オクタコサン酸ナトリウム、オクタコサン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウム、トルイル酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム、サリチル酸亜鉛、アルミニウムジベンゾエート、カリウムジベンゾエート、リチウムジベンゾエート、ナトリウムβ−ナフタレート、ナトリウムシクロヘキサンカルボキシレートなどの有機カルボン酸金属塩、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、スルホイソフタル酸ナトリウムなどの有機スルホン酸塩、ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、パルチミン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、トリメシン酸トリス(t−ブチルアミド)、テレフタル酸ジアニリドなどの有機カルボン酸アミド、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプロピレン、ポリブテン、ポリ−4−メチルペンテン、ポリ−3−メチルブテン−1、ポリビニルシクロアルカン、ポリビニルトリアルキルシラン、高融点ポリ乳酸などのポリマー、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸コポリマーのナトリウム塩、スチレン−無水マレイン酸コポリマーのナトリウム塩などのカルボキシル基を有する重合体のナトリウム塩またはカリウム塩(いわゆるアイオノマー)、ベンジリデンソルビトールおよびその誘導体、ナトリウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェートなどのリン化合物金属塩、および2,2−メチルビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウムなどを挙げることができる。
本発明で使用する結晶核剤としては、上記に例示したもののなかでも、特にタルク、有機カルボン酸金属塩および有機カルボン酸アミドから選択された少なくとも1種が好ましい。好ましいタルクとしては、平均粒径0.5〜7μmであり、かつ燃焼時の重量損失分を除いた成分中のSiOとMgOの割合が93重量%以上であるタルクを挙げることができる。本発明で使用する結晶核剤は、1種のみでもよくまた2種以上の併用を行ってもよい。
また、結晶核剤の配合量は、ポリ乳酸樹脂とポリアセタール樹脂の合計100重量部に対して、0.01〜10重量部の範囲が好ましく、0.1〜5重量部の範囲がより好ましく、0.2〜5重量部の範囲がさらに好ましい。上記の範囲を超えると成形品外観が悪くなるため好ましくない。
本発明で使用する可塑剤としては特に制限されないが、例えばポリエステル系可塑剤、グリセリン系可塑剤、多価カルボン酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、ポリアルキレングリコール系可塑剤およびエポキシ系可塑剤などを挙げることができる。
ポリエステル系可塑剤の具体例としては、アジピン酸、セバチン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸などの酸成分と、プロピレングリコール、1,3 −ブタンジオール、1,4 −ブタンジオール、1,6 −ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのジオール成分からなるポリエステルや、ポリカプロラクトンなどのヒドロキシカルボン酸からなるポリエステルなどを挙げることができる。これらのポリエステルは単官能カルボン酸もしくは単官能アルコールで末端封鎖されていてもよく、またエポキシ化合物などで末端封鎖されていてもよい。
グリセリン系可塑剤の具体例としては、グリセリンモノアセトモノラウレート、グリセリンジアセトモノラウレート、グリセリンモノアセトモノステアレート、グリセリンジアセトモノオレートおよびグリセリンモノアセトモノモンタネートなどを挙げることができる。
多価カルボン酸系可塑剤の具体例としては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジベンジル、フタル酸ブチルベンジルなどのフタル酸エステル、トリメリット酸トリブチル、トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリヘキシルなどのトリメリット酸エステル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸n−オクチル−n−デシルアジピン酸エステルなどのセバシン酸エステル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチルなどのクエン酸エステル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシルなどのアゼライン酸エステル、セバシン酸ジブチル、およびセバシン酸ジ−2−エチルヘキシルなどのセバシン酸エステルなどを挙げることができる。
リン酸エステル系可塑剤の具体例としては、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリオクチル、リン酸トリフェニル、リン酸ジフェニル−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレシルなどのリン酸エステルや脂肪族や芳香族の縮合リン酸エステルを挙げることができる。
ポリアルキレングリコール系可塑剤の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド)ブロックおよび/又はランダム共重合体、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノール類のエチレンオキシド付加重合体、ビスフェノール類のプロピレンオキシド付加重合体、ビスフェノール類のテトラヒドロフラン付加重合体などのポリアルキレングリコールあるいはその末端エポキシ変性化合物、末端エステル変性化合物、および末端エーテル変性化合物などの末端封鎖化合物などを挙げることができる。
エポキシ系可塑剤とは、一般にはエポキシステアリン酸アルキルと大豆油とからなるエポキシトリグリセリドなどを指すが、その他にも、主にビスフェノールAとエピクロロヒドリンを原料とするような、いわゆるエポキシ樹脂も使用することができる。
その他の可塑剤の具体例としては、ネオペンチルグリコールジベンゾエート、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレートなどの脂肪族ポリオールの安息香酸エステル、ステアリン酸アミドなどの脂肪酸アミド、オレイン酸ブチルなどの脂肪族カルボン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチルなどのオキシ酸エステル、ペンタエリスリトール、各種ソルビトール、ポリアクリル酸エステル、ポリカルボン酸ビニルエステル、シリコーンオイル、およびパラフィン類などを挙げることができる。
本発明で使用する可塑剤の数平均分子量は、100以上3万以下であることが好ましく、500以上2万以下であることがさらに好ましく、1000以上1万以下であることが特に好ましい。ここでいう数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリメチルメタクリレート(PMMA)換算の分子量をいう。
また、上記の可塑剤にポリ乳酸またはポリアセタールをブロックまたはグラフト共重合したものも、可塑剤として有用に使用できる。
本発明で使用する可塑剤としては、上記に例示したもののなかでも、特にポリエステル系可塑剤およびポリアルキレングリコール系可塑剤から選択した少なくとも1種が好ましい。また、ポリ乳酸成分と脂肪族ポリエステル成分が共重合された共重合体またはポリ乳酸成分とポリアルキレングリコール成分が共重合された共重合体から選択された少なくとも1種も好ましく使用できる。本発明に使用する可塑剤は、1種のみでもよくまた2種以上の併用を行ってもよい。
また、可塑剤の配合量は、ポリ乳酸樹脂とポリアセタール樹脂の合計100重量部に対して、0.01〜1重量部の範囲が好ましく、0.1〜1重量部の範囲がより好ましく、0.2〜1重量部の範囲がさらに好ましい。可塑剤の配合量が上記の範囲未満では成形サイクル短縮効果が不十分であり、上記の範囲を超えると成形時にバリが発生し易く、またブリードアウトによりモールドデポジットとして金型に付着するため好ましくない。
本発明の樹脂組成物に対しては、本発明の目的を損なわない範囲で、充填剤(ガラス繊維、炭素繊維、天然繊維、有機繊維、セラミックスファイバー、セラミックビーズ、木粉、紙粉および白土など)、安定剤(末端封鎖剤、酸化防止剤、光安定剤など)、金属不活性化剤、難燃剤(臭素系難燃剤、燐系難燃剤、アンチモン化合物、メラミン化合物など)、滑剤、離形剤、染料や顔料を含む着色剤などを添加することができる。
また、本発明の樹脂組成物に対しては、本発明の目的を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリエーテルイミドなど)および熱硬化性樹脂(例えばフェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂など)及び軟質熱可塑性樹脂(例えばエチレン/グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン/プロピレンターポリマー、エチレン/ブテン−1共重合体などの軟質ポリオレフィン系ポリマー、各種コアシェル型エラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマーなど)などの1種以上をさらに含有させることができる。
本発明の樹脂組成物においては、ポリ乳酸樹脂およびポリアセタール樹脂の合計量を100重量部としたときに、ポリアセタール樹脂の配合量が1〜99重量部であることが好ましく、30〜99重量部であることがより好ましく、50〜99重量部であることが一層好ましい。このような範囲のものとすることによって、成形性、機械特性に一層優れた効果を発現させることができる。
本発明の樹脂組成物の製造方法については特に限定されるものではないが、例えばポリ乳酸樹脂、ポリアセタール樹脂、結晶核剤、可塑剤および必要に応じてその他の添加剤を予めブレンドした後、樹脂の融点以上において、1軸または2軸押出機を用いて均一に溶融混練する方法を好ましくあげることができる。
本発明の樹脂組成物は、生分解性ポリマーを含有し、成形時の低バリ化、成形サイクルの短縮、モールドデポジットの低減を可能とし、且つ機械特性に優れた特性を持つ組成物であり、射出成形や押出成形、ブロー成形等の方法によって、各種成形品に加工し利用することができる。射出成形する場合の金型温度としては、結晶化の観点から、40℃以上が好ましく、60℃以上がさらに好ましく、80℃以上がより一層好ましい。一方、成形品の変形抑止の観点から、120℃以下が好ましく、100℃以下がさらに好ましく、90℃以下がより一層好ましい。
また、本発明の樹脂組成物からなる成形品としては、射出成形品、押出成形品、およびブロー成形品等が挙げられる。また、これらの成形品は、電気・電子部品、建築部材、自動車部品、および日用品等各種用途に利用することができる。
次に、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
[実施例1〜9、比較例1〜7]
D体の含有量が1.2%であり、ヘキサフルオロイソプロパオールを溶媒に、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したPMMA換算の重量平均分子量が16万であるポリL乳酸樹脂、ASTMD1238法に従い190℃、2.16kg荷重で測定したメルトインデックス値が9g/10分であり融点が165℃であるポリアセタールコポリマー(KTP社製“コセタール”K300)および下記に示した各種結晶核剤、可塑剤を、それぞれ表1、表2に示した割合で混合し、35mm径の2軸押出機により、シリンダー温度190℃、回転数200rpmの条件で溶融混練を行い、樹脂組成物を得た。
なお、表1、表2における結晶核剤(A)、可塑剤(B)の符号は、次の内容を示すものである。
A−1:タルク(富士タルク社製、LMS300、平均粒径1.4μm)
A−2:合成マイカ(コープケミカル社製、ME−100、平均粒径6μm)
A−3:ステアリン酸バリウム(片山化学社製)
B−1:ポリエチレングリコール(片山化学社製、分子量2000)
B−2:ポリブチレンアジペート(三洋化成社製、分子量1000)
B−3:ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロック共重合体(ADEKA社製、プルロニックF68)
B−4:ポリエチレングリコール−ポリ乳酸ブロック共重合体。
(ポリエチレングリコール−ポリ乳酸ブロック共重合体の製造方法)
数平均分子量10000のポリエチレングリコール71重量部とL−ラクチド29重量部に対し、オクチル酸錫0.025重量部を混合し、撹拌装置付きの反応容器中で窒素雰囲気中140℃で30分間、180℃で60分間重合し、数平均分子量2000のポリ乳酸セグメントを有するポリエチレングリコールとポリ乳酸のブロック共重合物を得た。
また、樹脂組成物の特性は次に示す方法に従って求めた。
(1)ハイサイクル性
型締圧力が80トンである射出成形機(小松製作所製FKS−80HG)を用いて、シリンダー温度190℃、金型温度80℃にて、内径19.0mm×外径25.6mm×高さ30mmの円筒状試験片を成形した。冷却時間を1秒単位で縮めていき、離型時に試験片が変形しない限界の冷却時間を測定した。
(2)低バリ性
型締圧力が80トンである射出成形機(小松製作所製FKS−80HG)を用いて、シリンダー温度190℃、金型温度80℃にて、縦80mm×横80mm×2mm厚の角板を成形したときのバリの発生し易さを3段階で評価した。また、併せて成形品外観を評価した。
バリ評価基準(○:バリ発生なし、△:僅かにバリが発生する、×:大きくバリが発生する)
外観評価基準(○:外観良好、×:外観悪)
(3)モールドデポジット性
型締圧力が80トンである射出成形機(小松製作所製FKS−80HG)を用いて、シリンダー温度190℃、金型温度80℃、成形サイクル12秒にて、1mm厚の円板状成形品をモールドデポジットが付着するまで連続成形した。100ショット毎にモールドデポジットの付着状況を確認し、金型キャビティ内への付着が確認されたショット数をモールドデポジット性とした。なお、評価基準は1000ショット以上で量産性があると判断した。
(4)熱変形温度
型締圧力が80トンである射出成形機(小松製作所製FKS−80HG)を用いて、シリンダー温度190℃、金型温度80℃、成形サイクル40秒の成形条件にて、6.4mm厚みの曲げ試験片を作成した。得られた試験片を23℃、50%RHの環境下に24時間放置後、ASTM D648に準じて荷重たわみ温度(荷重:0.45MPa)を測定した。
[実施例1〜9]
表1に示す実施例1〜9では、ポリ乳酸樹脂とポリアセタール樹脂の合計が100重量部である樹脂組成物に対して、結晶核剤および可塑剤を適量配合することで、ハイサイクル性および熱変形温度に優れ、かつ低バリ性やモールドデポジット性も優れていることが分かる。
Figure 2008239760
[比較例1〜5]
表2に示す比較例1では、ポリ乳酸樹脂100重量部に対し、結晶核剤および可塑剤を配合しても、成形サイクルが長く、熱変形温度も低い。比較例2〜3では、ポリ乳酸樹脂とポリアセタール樹脂の合計100重量部に対して、結晶核剤または可塑剤のいずれか一方を配合しているが、ハイサイクル性への効果が低いことが分かる。比較例4〜5では、結晶核剤および可塑剤のいずれか一方の配合量が多すぎるため、低バリ性またはモールドデポジット性が損なわれる。
Figure 2008239760
本発明の樹脂組成物は、成形時の低バリ性、成形サイクルおよびモールドデポジット性に優れているため、生産効率が良く、且つ植物資源由来の生分解性ポリマーを含有するため、石油枯渇までの年月を延ばすことができる。さらに、機械特性にも優れることから、電気・電子機器部品、一般機能部品等の用途に極めて実用的かつ有効に用いることができる。

Claims (6)

  1. ポリ乳酸樹脂およびポリアセタール樹脂の合計を100重量部としたときに、結晶核剤を0.01〜10重量部、可塑剤を0.01〜1重量部を配合してなる樹脂組成物。
  2. 前記ポリ乳酸樹脂およびポリアセタール樹脂の合計を100重量部としたときに、前記ポリ乳酸樹脂の含有量が99重量部以下1重量部以上であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記結晶核剤が、タルク、有機カルボン酸金属塩および有機カルボン酸アミドから選択された少なくとも一種の結晶核剤であることを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  4. 前記可塑剤が、ポリエステル系可塑剤およびポリアルキレングリコール系可塑剤から選択された少なくとも一種の可塑剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記可塑剤が、ポリ乳酸成分と脂肪族ポリエステル成分を含む共重合体またはポリ乳酸成分とポリアルキレングリコール成分を含む共重合体から選択された少なくとも一種の可塑剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物からなる成形品。
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