JP5793483B2 - 磁気記録ヘッド、およびこれを備えたディスク装置 - Google Patents

磁気記録ヘッド、およびこれを備えたディスク装置 Download PDF

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Description

ここで述べる実施形態は、ディスク装置に用いる磁気記録ヘッド、およびこの磁気記録ヘッドを備えたディスク装置に関する。
ディスク装置として、例えば、磁気ディスク装置は、ケース内に配設された磁気ディスクと、磁気ディスクを支持および回転駆動するスピンドルモータと、磁気ディスクに対して情報のリード/ライトを行う磁気ヘッドと、を備えている。磁気ヘッドは、サスペンションに取り付けられたスライダ、およびスライダに設けられたヘッド部を有し、このヘッド部は、ライト用の記録ヘッドとリード用の再生ヘッドとを含んで構成されている。
近年、磁気ディスク装置の高記録密度化、大容量化あるいは小型化を図るため、垂直磁気記録用の磁気ヘッドが提案されている。このような磁気ヘッドにおいて、記録ヘッドは、垂直方向磁界を発生させる主磁極と、その主磁極のトレーリング側にライトギャップを挟んで配置されて磁気ディスクとの間で磁路を閉じるライトシールド磁極と、主磁極に磁束を流すためのコイルとを有している。更に、ライトシールド磁極の媒体側端部と主磁極との間に高周波発振子、例えば、スピントルク発振子、を設け、主磁極およびライトシールド磁極を通して高周波発振子に電流を流す高周波アシストヘッドが提案されている。
特開2009−70541号公報 特開2010−70541号公報
従来の磁気ヘッドにおいては、ヘッドスライダのABS(エアベアリングサーフェース)における主磁極とライトシールド磁極との間の距離(=ライトギャップ長)を短くすることで、主磁極から発生する磁界の勾配を上げ、記録媒体上の磁化転移幅を短くし、記録信号品質を向上してきた。
高周波アシストヘッドにおいても、従来の磁気ヘッドと同様にライトギャップ長を短くすることは必要不可欠となる。しかし、ライトギャップ長が短くなることにより主磁極とライトシールド磁極との間での磁気的な結合が強くなるため、ギャップ磁界は増大する。その結果、主磁極からのヘッド磁界勾配をあげようと試みると、記録媒体に印加される高周波磁界の周波数が、記録媒体の共鳴周波数より大きくなってしまい、記録信号品質が劣化するという問題がある。
この発明が解決しようとする課題は、記録媒体に記録される信号品質が向上し、高記録密度化を可能とする磁気記録ヘッドおよびこれを備えたディスク装置を提供することにある。
実施形態によれば、磁気記録ヘッドは、記録媒体に対向する空気支持面と、前記空気支持面から記録磁界を発生する主磁極と、前記主磁極のトレーリング側にギャップを置いて対向するライトシールド磁極と、スピン注入層および発振層を有し、前記主磁極の前記空気支持面側の先端部と前記ライトシールド磁極との間に設けられ高周波磁界を発生するスピントルク発振子と、を備え、前記ライトシールド磁極は、前記スピントルク発振子を挟んで前記主磁極の先端部に対向する端面を有し、前記端面は、前記空気支持面に垂直な方向に対し、前記空気支持面に近い部位より遠い部位で前記主磁極との間隔が広くなるよう、前記主磁極からトレーリング側へ傾斜している
図1は、第1の実施形態に係るハードディスクドライブ(以下、HDD)を示す斜視図。 図2は、前記HDDにおける磁気ヘッドおよびサスペンションを示す側面図。 図3は、前記磁気ヘッドのヘッド部を拡大して示す断面図。 図4は、前記磁気ヘッドの記録ヘッドを模式的に示す斜視図。 図5は、前記記録ヘッドの空気支持面側端部を拡大して示す断面図。 図6は、前記記録ヘッドの空気支持面側端部をスライダのリーディング端側から見た側面図。 図7は、前記記録ヘッドを空気支持面側から見た平面図。 図8は、記録ヘッドの製造プロセスを示すフローチャート。 図9は、記録ヘッドの製造プロセスを示すフローチャート。 図10は、記録ヘッドの各製造プロセスにおける記録ヘッドを空気支持面側から見た平面図、記録ヘッドの縦断面図、記録ヘッドをトレーリング側から見た側面図。 図11は、記録ヘッドの各製造プロセスにおける記録ヘッドを空気支持面側から見た平面図、記録ヘッドの縦断面図、記録ヘッドをトレーリング側から見た側面図。 図12は、記録ヘッドの各製造プロセスにおける記録ヘッドを空気支持面側から見た平面図、記録ヘッドの縦断面図、記録ヘッドをトレーリング側から見た側面図。 図13は、記録ヘッドの各製造プロセスにおける記録ヘッドを空気支持面側から見た平面図、記録ヘッドの縦断面図、記録ヘッドをトレーリング側から見た側面図。 図14は、記録ヘッドの各製造プロセスにおける記録ヘッドを空気支持面側から見た平面図、記録ヘッドの縦断面図、記録ヘッドをトレーリング側から見た側面図。 図15は、本実施形態、比較例1、比較例2に係る磁気記録ヘッドについて、スピントルク発振子に印加されるギャップ磁界と主磁極から発生する最大有効磁界との関係を比較して示す図。 図16Aは、本実施形態、比較例1、比較例2に係る磁気記録ヘッドについて、フリンジ磁界と主磁極から発生する最大有効磁界との関係を比較して示す図。 図16Bは、本実施形態、比較例1、比較例2に係る磁気記録ヘッドにおいて、主磁極から発生する最大有効磁界が同等となるように、本実施形態の磁気記録ヘッドではコイル電流20mA、比較例1の磁気記録ヘッドでは40mA、比較例2の磁気記録ヘッドでは120mAの場合の、最大有効磁界をトラック幅に対してプロットして示す図。 図17は、本実施形態、比較例1、比較例2において、駆動端子電極63によってスピントルク発振子に通電した状態で、磁気ディスクに書き込んだ記録パターンの磁化転移幅をそれぞれ計算した結果を示す図。 図18は、スピントルク発振子の発振周波数を0〜36GHzの範囲で変化させた場合に、磁気ディスクに書き込んだ記録パターンの磁化転移幅の変化を計算した結果を示す図。 図19は、スピントルク発振子の発振周波数を0〜36GHzの範囲で変化させた場合の磁気ディスクに書き込んだ記録パターンの磁化転移幅を計算した結果を示す図。 図20は、前記磁気記録ヘッドのリーディング側端面の傾き角θと、ギャップ磁界および発振周波数と、の関係を示す図。 図21は、ギャップ磁界に対するスピントルク発振子の電気抵抗の変化を示す図。 図22は、第1変形例に係る磁気記録ヘッドの先端部を示す断面図。 図23は、第2変形例に係る磁気記録ヘッドの先端部を示す断面図。 図24は、第2の実施形態に係るHDDの磁気ヘッドの記録ヘッドを示す断面図。 図25は、第2の実施形態に係るHDDの磁気ヘッドの記録ヘッドを模式的に示す斜視図。 図26は、第2の実施形態に係る記録ヘッドを空気支持面側から見た平面図。 図27は、第3の実施形態に係るHDDの磁気ヘッドの記録ヘッドを示す断面図。 図28は、第3の実施形態に係るHDDの磁気ヘッドの記録ヘッドを模式的に示す斜視図。 図29は、第3の実施形態に係る記録ヘッドを空気支持面側から見た平面図。 図30は、第4の実施形態に係るHDDの磁気ヘッドの記録ヘッドを示す断面図。 図31は、第4の実施形態に係るHDDの磁気ヘッドの記録ヘッドを模式的に示す斜視図。 図32は、第4の実施形態に係る記録ヘッドを空気支持面側から見た平面図。
以下図面を参照しながら、種々の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るHDDのトップカバーを取り外した内部構造を示し、図2は、浮上状態の磁気ヘッドを示している。図1に示すように、HDDは筐体10を備えている。この筐体10は、上面の開口した矩形箱状のベース10aと、図示しない矩形板状のトップカバーとを備えている。トップカバーは、複数のねじによりベース10aにねじ止めされ、ベース10aの上端開口を閉塞している。これにより、筐体10内部は気密に保持され、呼吸フィルター26を通してのみ、外部と通気可能となっている。
ベース10a上には、記録媒体としての磁気ディスク12および機構部が設けられている。機構部は、磁気ディスク12を支持および回転させるスピンドルモータ13、磁気ディスクに対して情報の記録、再生を行なう複数、例えば、2つの磁気ヘッド33、これらの磁気ヘッド33を磁気ディスク12の表面に対して移動自在に支持したヘッドアクチュエータ14、ヘッドアクチュエータを回動および位置決めするボイスコイルモータ(以下VCMと称する)16を備えている。また、ベース10a上には、磁気ヘッド33が磁気ディスク12の最外周に移動した際、磁気ヘッド33を磁気ディスク12から離間した位置に保持するランプロード機構18、HDDに衝撃等が作用した際、ヘッドアクチュエータ14を退避位置に保持するラッチ機構20、およびプリアンプ、ヘッドIC等の電子部品が実装された基板ユニット17が設けられている。
ベース10aの外面には、制御回路基板25がねじ止めされ、ベース10aの底壁と対向して位置している。制御回路基板25は、基板ユニット17を介してスピンドルモータ13、VCM16、および磁気ヘッド33の動作を制御する。
図1に示すように、磁気ディスク12は、スピンドルモータ13のハブに互いに同軸的に嵌合されているとともにハブの上端にねじ止めされたクランプばね15によりクランプされ、ハブに固定されている。磁気ディスク12は、駆動モータとしてのスピンドルモータ13により所定の速度で矢印B方向に回転される。
ヘッドアクチュエータ14は、ベース10aの底壁上に固定された軸受部21と、軸受部21から延出した複数のアーム27と、を備えている。これらのアーム27は、磁気ディスク12の表面と平行に、かつ、互いに所定の間隔を置いて位置しているとともに、軸受部21から同一の方向へ延出している。ヘッドアクチュエータ14は、弾性変形可能な細長い板状のサスペンション30を備えている。サスペンション30は、板ばねにより構成され、その基端がスポット溶接あるいは接着によりアーム27の先端に固定され、アーム27から延出している。各サスペンション30は対応するアーム27と一体に形成されていてもよい。各サスペンション30の延出端に磁気ヘッド33が支持されている。アーム27およびサスペンション30によりヘッドサスペンションを構成し、このヘッドサスペンションと磁気ヘッド33とによりヘッドサスペンションアッセンブリを構成している。
図2に示すように、各磁気ヘッド33は、ほぼ直方体形状のスライダ42と、このスライダの流出端(トレーリング端)に設けられた記録再生用のヘッド部44と、を有している。磁気ヘッド33は、サスペンション30の先端部に設けられたジンバルばね41に固定されている。各磁気ヘッド33は、サスペンション30の弾性により、磁気ディスク12の表面に向かうヘッド荷重Lが印加されている。2本のアーム27は所定の間隔を置いて互いに平行に位置し、これらのアームに取り付けられたサスペンション30および磁気ヘッド33は、磁気ディスク12を間に挟んで互いに向かい合っている。
各磁気ヘッド33は、サスペンション30およびアーム27上に固定された中継フレキシブルプリント回路基板(以下、中継FPCと称する)35を介して後述するメインFPC38に電気的に接続されている。
図1に示すように、基板ユニット17は、フレキシブルプリント回路基板により形成されたFPC本体36と、このFPC本体から延出したメインFPC38とを有している。FPC本体36は、ベース10aの底面上に固定されている。FPC本体36上には、プリアンプ37、ヘッドICを含む電子部品が実装されている。メインFPC38の延出端は、ヘッドアクチュエータ14に接続され、各中継FPC35を介して磁気ヘッド33に接続されている。
VCM16は、軸受部21からアーム27と反対方向に延出した図示しない支持フレーム、および支持フレームに支持されたボイスコイルを有している。ヘッドアクチュエータ14をベース10aに組み込んだ状態において、ボイスコイルは、ベース10a上に固定された一対のヨーク34間に位置し、これらのヨークおよびヨークに固定された磁石とともにVCM16を構成している。
磁気ディスク12が回転した状態でVCM16のボイスコイルに通電することにより、ヘッドアクチュエータ14が回動し、磁気ヘッド33は磁気ディスク12の所望のトラック上に移動および位置決めされる。この際、磁気ヘッド33は、磁気ディスク12の径方向に沿って、磁気ディスクの内周縁部と外周縁部との間を移動される。
次に、磁気ディスク12および磁気ヘッド33の構成について詳細に説明する。図3は、磁気ヘッド33のヘッド部44および磁気ディスク12を拡大して示す断面図である。
図1ないし図3に示すように、磁気ディスク12は、例えば、直径約2.5インチの円盤状に形成された非磁性体からなる基板101を有している。基板101の各表面には、下地層として軟磁気特性を示す材料からなる軟磁性層102と、その上層部に、ディスク面に対して垂直方向に磁気異方性を有する磁気記録層103と、その上層部に保護膜層104が順に積層されている。
図2および図3に示すように、磁気ヘッド33は浮上型のヘッドとして構成され、ほぼ直方体状に形成されたスライダ42と、スライダの流出端(トレーリング)側の端部に形成されたヘッド部44とを有している。スライダ42は、例えば、アルミナとチタンカーバイドの焼結体(アルチック)で形成され、ヘッド部44は薄膜を積層することにより形成されている。
スライダ42は、磁気ディスク12の表面に対向する矩形状の空気支持面(ABS(エアベアリングサーフェース))43を有している。スライダ42は、磁気ディスク12の回転によってディスク表面と空気支持面43との間に生じる空気流Cにより浮上する。空気流Cの方向は、磁気ディスク12の回転方向Bと一致している。スライダ42は、磁気ディスク12表面に対し、空気支持面43の長手方向が空気流Cの方向とほぼ一致するように配置されている。
スライダ42は、空気流Cの流入側に位置するリーディング端42aおよび空気流Cの流出側に位置するトレーリング端42bを有している。スライダ42の空気支持面43には、図示しないリーディングステップ、トレーリングステップ、サイドステップ、負圧キャビティ等が形成されている。
図3に示すように、ヘッド部44は、スライダ42のトレーリング端42bに薄膜プロセスで形成された再生ヘッド54および記録ヘッド(磁気記録ヘッド)58を有し、分離型の磁気ヘッドとして形成されている。
再生ヘッド54は、磁気抵抗効果を示す磁性膜55と、この磁性膜のトレーリング側およびリーディング側に磁性膜55を挟むように配置されたシールド膜56、57と、で構成されている。これら磁性膜55、シールド膜56、57の下端は、スライダ42の空気支持面43に露出している。
記録ヘッド58は、再生ヘッド54に対して、スライダ42のトレーリング端42b側に設けられている。図4は、記録ヘッド58および磁気ディスク12を模式的に示す斜視図、図5は、記録ヘッド部分の主磁極先端部およびライトシールド磁極先端部を拡大して示す断面図、図6は、記録ヘッドの空気支持面側端部をスライダのリーディング端側から見た側面図、図7は、記録ヘッド部分を空気支持面側から見た平面図である。
図3および図4に示すように、記録ヘッド58は、磁気ディスク12の表面に対して(記録層に対して)垂直方向の記録磁界を発生させる高透磁率、高飽和磁束密度を有する軟磁性材料からなる主磁極60と、主磁極60のトレーリング側にライトギャップWGを置いて配置され、主磁極直下の軟磁性層102を介して効率的に磁路を閉じるために設けられた軟磁性材料からなるライトシールド磁極(トレーリングシールド磁極)62と、主磁極60の上部をライトシールド磁極62に物理的に接合する接合部67と、主磁極60の先端部60aとライトシールド磁極62との間で、かつ、空気支持面43に面する部分に配置された非磁性導電体からなる高周波発振素子、例えば、スピントルク発振子65と、磁気ディスク12に信号を書き込む際、主磁極60に磁束を流すために主磁極60およびライトシールド磁極62を含む磁路に巻きつくように配置された記録コイル70と、を有している。記録コイル70に供給する電流は、HDDの制御回路基板(制御部)25によって制御される。
主磁極60とライトシールド磁極62の接合部67には電気的な絶縁層61が配置され、主磁極とライトシールド磁極とは互いに絶縁されている。主磁極60およびライトシールド磁極62はそれぞれ駆動端子電極63に電気的に接続されている。これらの駆動端子電極63から主磁極60、スピントルク発振子65、ライトシールド磁極62を通して電流を直列に通電できるように電流回路が構成されている。これによりライトシールド磁極62および主磁極60はスピントルク発振子65に垂直通電する電極としても働くことになる。
記録コイル70は、例えば、主磁極60とライトシールド磁極62との間で、接合部67の回りに巻付けられている。図示しない電源から記録コイル70に供給する電流は、HDDの制御回路基板(制御部)25によって制御される。磁気ディスク12に信号を書き込む際、電源から記録コイル70に所定の電流が供給され、主磁極60に磁束を流し磁界を発生させる。
図3、図4、図6、図7に示すように、主磁極60は、磁気ディスク12の表面に対してほぼ垂直に延びている。主磁極60の磁気ディスク12側の先端部60aは、空気支持面43および磁気ディスク表面に向かって先細に絞り込まれ、他の部分に対して幅の狭い柱状に形成されている。主磁極60の先端面は、スライダ42の空気支持面43に露出している。主磁極60の先端部60aの幅は、磁気ディスク12におけるトラックの幅にほぼ対応している。
ライトシールド磁極62は、ほぼL字形状に形成され、その先端部62aは、細長い矩形状に形成されている。ライトシールド磁極62の先端面は、スライダ42の空気支持面43に露出している。ライトシールド磁極62の先端部62aは、主磁極60の先端部60aに対向するリーディング側端面(磁極端面)62bを有している。このリーディング側端面62bは、主磁極60の先端部60aの幅、および、磁気ディスク12のトラック幅、よりも充分に長く、磁気ディスク12のトラックの幅方向に沿って延びている。空気支持面43において、リーディング側端面62bの下端縁あるいは下端縁部は、主磁極60のトレーリング側端面60bとライトギャップWGを置いて平行に対向している。
図3、図5、図6、図7に示すように、スピントルク発振子65は、主磁極60の先端部60aのトレーリング側端面60bと、ライトシールド磁極62の先端部62aのリーディング側端面62bとの間に配置され、ライトギャップWG内に位置している。
スピントルク発振子65は、下地層、スピン注入層(第2磁性体層)65a、中間層、発振層(第1磁性体層)65b、キャップ層を、主磁極60側からライトシールド磁極62側に順に積層して構成されている。スピントルク発振子65の幅(トラック幅方向の幅)は、主磁極60の先端部60aの幅とほぼ等しく、あるいは、僅かに小さく形成されている。そして、スピントルク発振子65は、主磁極の先端部60aの全体と対向するように主磁極に整列して設けられている。
主磁極60の先端部60aのトレーリング側端面60bは、磁気ディスク12の記録層およびスライダの空気支持面43に対してほぼ垂直に延びている。スピントルク発振子65は、トレーリング側端面60bに対向し、このトレーリング側端面60bと平行に配置されている。これにより、スピントルク発振子65のスピン注入層65a、発振層65bおよび他の層は、空気支持面43および磁気ディスク12の記録層に対して、ほぼ垂直に延びている。なお、スピントルク発振子65の空気支持面43側の端は、空気支持面43に露出し、空気支持面43と平行かつ面一に形成されている。
図6に示すように、スピントルク発振子65の高さSH(空気支持面43からの高さ)は、主磁極60の絞り込まれた先端部60aの高さNHと同一か、あるいは、NHよりも小さく形成されている。
ライトシールド磁極62は、スピントルク発振子65に対向するリーディング側端面62bを有し、このリーディング側端面62bは、磁気ディスク12の記録層およびスライダの空気支持面43に垂直な方向に対し、磁気ディスク12の記録層(あるいは空気支持面43)から離れるに従ってヘッドトレーリング側へ傾斜して延びている。すなわち、トレーリング側端面60bは、空気支持面43から高さ方向奥側(空気支持面から離れる方向)に向かうに従い、空気支持面43に垂直な方向に対してヘッドトレーリング側に角度(傾き角)θだけ傾斜している。角度θは、例えば、35度に形成されている。これにより、リーディング側端面62bは、主磁極60およびスピントルク発振子65に対して、傾斜して延び、空気支持面43から高さ方向奥側に向かうに従い、すなわち、磁気ディスクに近い部位より遠い部位で、主磁極60との間隔が広くなっている。
なお、リーディング側端面62bは、空気支持面43の位置から傾斜しているが、少なくとも、スピントルク発振子65の高さSH(空気支持面43からの高さ)よりも低い位置、すなわち、スピントルク発振子65の上端よりも空気支持面43側の位置、からトレーリング側へ傾斜していればよい。また、本実施形態では、リーディング側端面62b全体が傾斜する構成としているが、これに限らず、リーディング側端面62bの内、少なくとも、スピントルク発振子65と対向し、かつ、トラック幅よりも広い領域が角度θだけ傾斜して形成されていてもよい。
図3および図4に示すように、本実施形態において、主磁極60の先端部60aは、トレーリング側端面60bの反対側に位置するリーディング側端面60cを有し、このリーディング側端面60cは、磁気ディスク12の記録層に垂直な方向に対し、磁気ディスク12から離れるに従ってヘッドリーディング側へ傾斜している。すなわち、リーディング側端面60cは、空気支持面43から高さ方向奥側(空気支持面から離れる方向)に向かうに従い、空気支持面43に垂直な方向に対してヘッドリーディング側に傾斜している。
磁気ディスク装置に磁気ヘッドを搭載する場合、スキュー角によって、隣接トラックの記録を劣化させるフリンジ磁界を低減するため、主磁極60の空気支持面43におけるヘッド走行方向の長さであるポール長は、50から100nmに設計されている。また、磁気ディスク12における記録層の記録状態を良好にする磁界強度を確保するためには、主磁極60奥側(高さ方向で空気支持面から離れる側)での厚さを増大させることが好ましい。そのため、主磁極60は、主磁極の厚さを空気支持面43に向かって絞り込むように、ヘッドリーディング側端面60cにテーパーを設けた構成とすることが好ましい。
図3に示すように、再生ヘッド54および記録ヘッド58は、スライダ42の空気支持面43に露出する部分を除いて、非磁性の保護絶縁膜81により覆われている。保護絶縁膜81は、ヘッド部44の外形を構成している。
上記のように構成された記録ヘッド58の製造プロセスについて説明する。図8および図9は、製造プロセスを示すフローチャート、図10、図11、図12、図13、図14は、各工程における空気支持面側から見た記録ヘッドの平面図、記録ヘッドの縦断面図、記録ヘッドをトレーリング側から見た正面図を示している。
図8および図10(a−1)、(b−1)、(c−1)に示すように、下地としてのアルミナ膜201を成膜し、その上にレジストパターン220を形成する。この状態で、斜めからIBE(イオン・ビーム・エッチング)によりアルミナ膜201をエッチングし、主磁極のリーディング側先端部の形状を形成する(ステップ1)。
図10(a−2)、(b−2)、(c−2)に示すように、レジストパターン220を除去した後、アルミナ膜201上にスパッタ層203を成膜する。更に、スパッタ層203上をアルミナ膜201で埋め戻し、CMP(化学機械研磨)により平坦化し、その上に、メタルマスク202を成膜する(ステップ2)。
図10(a−3)、(b−3)、(c−3)に示すように、メタルマスク202上に、主磁極60のリーディング側先端部の形状に対応する形状のレジストパターン204を成膜する(ステップ3)。図10(a−4)、(b−4)、(c−4)に示すように、IBEにより、レジストパターン204を通してメタルマスク202をエッチングした後(ステップ4)、図10(a−5)、(b−5)、(c−5)に示すように、レジストパターン204を除去する(ステップ5)。
図11(a−6)、(b−6)、(c−6)に示すように、IBEにより、メタルマスク202を通してアルミナ膜201をエッチングして主磁極60のリーディング側先端部の形状を形成する(ステップ6)。続いて、図11(a−7)、(b−7)、(c−7)に示すように、エッチングにより形成されたリーディング側先端部領域およびメタルマスク202上に磁性体層205をメッキにより形成した後(ステップ7)、図11(a−8)、(b−8)、(c−8)に示すように、CMPにより磁性体層205をリーディング側先端部領域まで平坦化する(ステップ8)。
図11(a−9)、(b−9)、(c−9)に示すように、スパッタにより、スピントルク発振子を構成するスピン注入層、発振層、中間層、ギャップ層を含む成膜207を磁性体層205上およびメタルマスク202上に順次、形成する(ステップ9)。
図12(a−10)、(b−10)、(c−10)に示すように、主磁極60のトレーリング側先端部の形状に対応する形状のレジストパターン208を成膜207上に形成する(ステップ10)。次いで、図9および図12(a−11)、(b−11)、(c−11)に示すように、IBEにより、レジストパターン208側から成膜207をエッチングし、成膜207を主磁極60のトレーリング側先端部に対応する形状に形成する(ステップ11)。
図12(a−12)、(b−12)、(c−12)に示すように、レジストパターン208およびアルミナ膜201を覆う酸化シリコン膜209を形成した後(ステップ12)、図12(a−13)、(b−13)、(c−13)に示すように、リフトオフにより、レジストパターン208およびその上に形成された酸化シリコン膜209の部分を除去する(ステップ13)。
次いで、図12(a−14)、(b−14)、(c−14)に示すように、成膜207上において、スピントルク発振子の形成位置に対応する部分に、スピントルク発振の高さに相当する幅のレジストパターン210を形成する(ステップ14)。図13(a−15)、(b−15)、(c−15)に示すように、IBEにより、レジストパターン210を通して成膜207および酸化シリコン膜209をエッチングし、主磁極の上部に重なる部分を除去する(ステップ15)。
図13(a−16)、(b−16)、(c−16)に示すように、レジストパターン210にて非磁性体層211を埋め戻し(ステップ16)、次いで、図13(a−17)、(b−17)、(c−17)に示すように、レジストパターン210およびこのレジストパターン210上に位置する非磁性体層211の部分をリフトオフする(ステップ17)。
図14(a−18)、(b−18)、(c−18)に示すように、成膜207および非磁性体層211上にルテニウム212を成膜して下地を形成した後(ステップ18)、図14(a−19)、(b−19)、(c−19)に示すように、ルテニウム212のABS面と反対側の端部上にレジストパターン213を形成する(ステップ19)。この状態で、図14(a−20)、(b−20)、(c−20)に示すように、斜めからIBEによりルテニウム212をエッチングし、ライトシールド磁極のリーディング側端面の形状を形成する(ステップ20)。
その後、図14(a−21)、(b−21)、(c−21)に示すように、メッキフレームとなるレジストパターン214を形成し、更に、成膜207および非磁性体層211にライトシールドを構成する磁性体215をメッキにより形成する(ステップ20)。その後、空気支持面まで、主磁極、スピントルク発振子、およびライトシールド磁極をCMPにて平坦化する。以上の工程により、前述した構成を有する主磁極60、スピントルク発振子65、ライトシールド磁極62が形成される。
以上のように構成されたHDDによれば、VCM16を駆動することにより、ヘッドアクチュエータ14が回動し、磁気ヘッド33は、磁気ディスク12の所望のトラック上に移動され、位置決めされる。また、磁気ヘッド33は、磁気ディスク12の回転によってディスク表面と空気支持面43との間に生じる空気流Cにより浮上する。HDDの動作時、スライダ42の空気支持面43はディスク表面に対し隙間を保って対向している。図2に示すように、磁気ヘッド33は、ヘッド部44の記録ヘッド58部分が最も磁気ディスク12表面に接近した傾斜姿勢をとって浮上する。この状態で、磁気ディスク12に対して、再生ヘッド54により記録情報の読み出しを行うとともに、記録ヘッド58により情報の書き込みを行う。
情報の書き込みにおいては、記録コイル70により主磁極60を励磁し、この主磁極から直下の磁気ディスク12の記録層103に垂直方向の記録磁界を印加することにより、所望のトラック幅にて情報を記録する。
図15、図16A、図16Bは、上述した本実施形態に係る磁気記録ヘッド58の特性を比較例1、2に係る磁気記録ヘッドの特性と比較して示している。比較例1に係る磁気記録ヘッドは、スピントルク発振子を有し、主磁極とライトシールド磁極の対向面(リーディング側端面)とが平行な記録ヘッドである。比較例2に係る磁気記録ヘッドは、スピントルク発振子を有し、ライトシールド磁極の対向面(リーディング側端面)に対向する主磁極のトレーリング側端面が空気支持面に垂直な方向に対してリーディング側に傾斜している記録ヘッドである。
図15は、比較例1、2と本実施形態に係る磁気記録ヘッドについて、スピントルク発振子に印加されるギャップ磁界と主磁極から発生する最大有効磁界との関係を比較して示している。なお、この比較では、駆動端子電極63によるスピントルク発振子への通電はしていない。
本実施形態に係る磁気記録ヘッド(■のプロットで示される)、比較例1に係る磁気記録ヘッド(□のプロットで示される)、比較例2に係る磁気記録ヘッド(△のプロットで示される)について、記録コイル70に流す電流を本実施形態では20、40、60、80、100mAの5点、比較例1では、10、20、40、60、80、100mAの6点、比較例2では、20、40、60、80、100、120mAの6点と変えたときの、ギャップ磁界と主磁極から発生する最大有効磁界との関係を示している。電流の範囲が異なるのは、図18の説明で記録能力を合わせるため、比較例2に電流を大きく印加している。また、図19の説明でギャップ磁界を合わせるため、比較例1に印加する電流を小さくしている。
図15から、比較例1の磁気記録ヘッドのギャップ磁界と最大有効磁界の関係に比べて、本実施形態の磁気記録ヘッドでは、最大有効磁界に対して、ギャップ磁界が小さい方向へシフトしていることが分かる。例えば、比較例1の40mAにおける最大有効磁界が1.12T、ギャップ磁界は12500(Oe)であり、比較例2の120mAにおける最大有効磁界が1.12T、ギャップ磁界は10700(Oe)であるのに対して、本実施形態では、20mAにおける最大有効磁界が1.15T、ギャップ磁界が7400(Oe)であり、最大有効磁界に対してギャップ磁界が5000(Oe)程度減少している。すなわち、本実施形態に係る磁気記録ヘッドでは、ギャップ磁界が大きく緩和できていることがわかる。
比較例2に係る磁気記録ヘッドにおいては、ギャップ磁界が減少しているが、同時に最大有効磁界も大きく劣化しているため、比較例1に係る磁気記録ヘッドのギャップ磁界と最大有効磁界との関係とほとんど変わらない。
図16Aは、本実施形態、比較例1、比較例2に係る磁気記録ヘッドについて、図16Bで定義されるフリンジ磁界と主磁極から発生する最大有効磁界との関係を比較して示している。なお、この比較では駆動端子電極63によるスピントルク発振子への通電はしていない。
本実施例では主磁極から発生する最大有効磁界をトラック幅方向に対してプロットしたものである。記録トラックピッチを64nmとして、図16Bに示すように、トラックセンター位置を0nmとしたときの隣接トラック位置32〜96nmの範囲における最大有効磁界を平均した磁界をフリンジ磁界として算出し、隣接トラックに影響する磁界の指標としている。
図16A、図16Bでは、本実施形態に係る磁気記録ヘッド(■のプロットで示される)、比較例1に係る磁気記録ヘッド(□のプロットで示される)、比較例2に係る磁気記録ヘッド(△のプロットで示される)について、記録コイル70に流す電流を本実施形態では20、40、60、80、100mAの5点、比較例1では、10、20、40、60、80、100mAの6点、比較例2では、20、40、60、80、100、120mAの6点と変えたときの、フリンジ磁界と主磁極から発生する最大有効磁界の関係を示している。
これらの図から、比較例1に係る磁気記録ヘッドのフリンジ磁界と最大有効磁界との関係に比べて、本実施形態に係る磁気記録ヘッドでは、最大有効磁界に対して、フリンジ磁界が小さい方向へシフトしていることが分かる。本実施形態に係る磁気記録ヘッドでは、主磁極とライトシールド磁極との間の磁気的結合が弱められるため、効率よく磁極先端に磁束が集中する。これにより、主磁極から発生する最大有効磁界に対して、フリンジ磁界の影響が緩和している。
比較例2に係る磁気記録ヘッドは、本実施形態および比較例1に係る磁気記録ヘッドよりも主磁極から発生する最大有効磁界に対して、フリンジ磁界が大きい方向へシフトしている。主磁極がヘッドリーディング側へ傾斜することにより、主磁極の磁束の流れがヘッドリーディング側に向かい、主磁極先端へ流れる磁束量が減少する。更に、ヘッドリーディング側からの漏れ磁界によってフリンジ磁界が増大していることが分かる。
図16Bは、3つの磁気記録ヘッドにおいて、主磁極から発生する最大有効磁界が同等となるように、本実施形態の磁気記録ヘッドではコイル電流20mA、比較例1の磁気記録ヘッドでは40mA、比較例2の磁気記録ヘッドでは120mAの場合の、最大有効磁界をトラック幅に対してプロットしている。本実施形態は■、比較例1は□、比較例2は△でそれぞれプロットしている。図16Bに示すプロファイルを見ても、本実施形態に係る磁気記録ヘッドが比較例1、比較例2よりも、最大有効磁界のトラック幅方向の広がりが抑制されていることがわかる。
図15、図16A、図16Bから、主磁極から発生する最大有効磁界を維持したまま、記録媒体に印加されるギャップ磁界を緩和するには、比較例2のようにライトシールド磁極に対向する主磁極対向面をリーディング側へ傾斜するのではなく、主磁極に対向するライトシールド磁極の対向面(リーディング側端面、磁極端面)をトレーリング側へ傾斜する本実施形態が有効であることがわかる。
図17は、本実施形態、比較例1、比較例2において、駆動端子電極63によってスピントルク発振子に通電した状態で、磁気ディスクに書き込んだ記録パターンの磁化転移幅をそれぞれ計算した結果を示している。磁化転移幅は狭くなるほど、ビット間隔が詰まっても、隣接ビットに対してビットシフトや波形干渉の影響が軽減されるため、記録密度を向上させることができる。
スピントルク発振子に通電しない状態での記録能力が同等となるように、実施形態の磁気記録ヘッドでは、コイル電流20mA、比較例1ではコイル電流40mA、比較例2ではコイル電流120mAを流した状態で記録している。記録が行われる記録層の異方性磁界Hkは16kOeとした。
比較例1では、スピントルク発振子へ通電なしの場合の磁化転移幅10.2nmに対して、通電ありの場合の磁化転移幅は10nmとなり、0.2nmの改善しか得られなかった。比較例2では、スピントルク発振子へ通電なしの場合の磁化転移幅10.4nmに対して、通電ありの場合の磁化転移幅は10.2nmとなり、こちらも0.2nmの改善しか得られなかった。一方、本実施形態の磁気記録ヘッドでは、スピントルク発振子へ通電なしの場合の磁化転移幅10nmに対して、通電ありの場合の磁化転移幅は4.5nmであり、5.5nmと大きく改善している。このことから、本実施形態の磁気記録ヘッドでは、スピントルク素子の発振により、記録密度の向上が可能であることが分かる。
図18および図19は、上述の図17に示す計算結果を説明する発振周波数と磁化転移幅との関係を示している。図18は、スピントルク発振子の発振周波数を0〜36GHzの範囲で変化させた場合に、磁気ディスクに書き込んだ記録パターンの磁化転移幅の変化を計算した結果である。スピントルク発振子に通電しない状態での記録能力が同等となるように、実施形態ではコイル電流20mA、比較例1では40mA、比較例2では120mA、を流した状態で記録している。実施形態は■、比較例1は□、比較例2は△で、それぞれ計算値をプロットしている。
図18に示すように、実施形態に係る磁気記録ヘッドも、比較例1、比較例2に係る磁気記録ヘッドも、発振周波数20GHzで記録磁化転移幅が最小値となり、記録媒体の記録層の垂直磁化を最も反転させやすい周波数(=媒体共鳴周波数)に相当することが分かる。しかし、ギャップ磁界が12500(Oe)である比較例1と、ギャップ磁界が10700(Oe)である比較例2の磁気記録ヘッドでは、それぞれスピントルク発振子の発振周波数は、30GHz以上を示しており、記録媒体の共鳴周波数からおおきくずれている。この発振周波数の範囲では磁化転移幅が改善しないことが分かる。一方、ギャップ磁界が7400(Oe)である本実施形態の磁気記録ヘッドでは、スピントルク発振子の発振周波数は20GHzを示し、媒体の共鳴周波数と一致しているため、磁化転移幅が最も大きく改善されている。
図19は、スピントルク発振子の発振周波数を0〜36GHzの範囲で変化させた場合の磁気ディスクに書き込んだ記録パターンの磁化転移幅を計算した結果を示している。図18と異なる点は、スピントルク発振子に印加されるギャップ磁界が同等となるように、実施形態はコイル電流20mA、比較例1ではコイル電流10mA、比較例2ではコイル電流60mA流した状態で記録している。実施形態は■、比較例1は□、比較例2は△でそれぞれ計算値をプロットしている。
本実施形態に係る磁気記録ヘッド、比較例1、比較例2の磁気記録ヘッドのいずれも、ギャップ磁界が7500(Oe)程度であり、スピントルク発振子の発振周波数は20GHzを示している。しかし、主磁極から発生する最大有効磁界が0.8T程度である比較例1、比較例2の磁気記録ヘッドは、スピントルク発振子に通電しない状態で記録能力が大きく劣化している。そのため、通電により磁化転移幅が改善したとしても9nmと広く、高密度化できない。
以上の結果から、スピントルク発振子を備える磁気記録ヘッドにおいて、本実施形態に係る磁気記録ヘッドは、主磁極から発生する最大有効磁界、傾度を維持したまま、スピントルク発振子の発振周波数と媒体共鳴周波数のマッチングをとることができ、高記録密度を達成する上で有効であることが分かる。
本実施形態に係る磁気記録ヘッド58において、ライトシールド磁極62のリーディング側端面(磁極端面)62bの傾き角θは、10°≦θ≦60°であることが好ましい。図20は、傾き角θとギャップ磁界、およびスピントルク発振子の発振周波数との関係を示したものである。前述した図18の条件と同様に、スピントルク発振子に通電しない状態での記録能力が同等となるようにコイル電流を調節している。図20から、傾き角θを大きくするに従い、ギャップ磁界が減少し、それに伴いスピントルク発振子の発振周波数も低くなることが分かる。
図18で説明したように、媒体共鳴周波数に対してスピントルク発振子の発振周波数が大きくずれると磁化転移幅は改善しない。図20に示すように、傾き角θ>60°の場合、発振周波数が16GHzよりも小さく、傾き角θ<10°の場合、発振周波数は28GHzより大きくなる。そのため、傾き角θがこの範囲にある場合、磁化転移幅の改善は見られないことが図18から分かる。よって、本実施形態のように、ライトシールド磁極62のリーディング側端面(磁極端面)62bの傾き角θを10°≦θ≦60°にすることにより、高記録密度化を達成することができる。
また、図6に示すように、スピントルク発振子65の空気支持面43からの高さSHと主磁極60の空気支持面43から先端絞り込み部までの高さNHとの関係は、NH≧SHであることが好ましい。主磁極60とスピントルク発振子65のトラック幅規定の加工プロセスでは、主磁極60とスピントルク発振子65を同時にミリングするため、NH<SHの場合、スピントルク発振子65の上部左右に角形状が形成されてしまう。この角形状は、スピントルク発振子65の磁化回転において、磁化のピン止めを引き起こす要因となり、発振が抑制されてしまう。発振の有無に関しては外部磁場によって電気抵抗が変化する磁気抵抗効果を利用して抵抗上昇を測定する方法がある。
図21は、ギャップ磁界に対するスピントルク発振子65(スピン注入層65a、発振層65b)の電気抵抗の変化を示している。図21は、駆動端子電極63によりスピントルク発振子65に垂直通電した状態で、スピントルク発振子に印加されるギャップ磁界の大きさを変化させた場合の電気抵抗を測定し、ギャップ磁界=0の場合の抵抗値をdR=0(基準値)とし、抵抗値の変化をプロットしたものである。
スピントルク発振子65に印加されるギャップ磁界の向きは、主磁極60からライトシールド磁極62へ流れ込む向きである。ギャップ磁界=0の場合、フリー層として働くスピントルク発振子65の発振層65bは、膜面方向に磁化が向いているが、ギャップ磁界を印加していくとギャップ磁界と同じ向きに磁化される。一方、ピン層として働くスピン注入層65aは、ギャップ磁界=4000(Oe)までは反転されないため、この際、発振層65bとスピン注入層65aの磁化は反平行となり、抵抗値は大きくなる。
4000(Oe)よりも大きいギャップ磁界が印加されると、スピン注入層65aの磁化も反転されるため、発振層65bとスピン注入層65aの磁化は平行となり、抵抗値は低くなる。更にギャップ磁界を印加すると、発振層65bの膜面に印加されるスピン注入力とギャップ磁界が釣合うことで、スピントルク発振子内で磁化の回転が起こる。このとき、発振層65bとスピン注入層65aの磁化は概垂直の関係となるため、抵抗値は大きくなる。
NH≧SHの場合、ギャップ磁界>6000(Oe)の範囲で、図21に破線の丸枠で示すように、抵抗値の増大が確認され、発振が起きていることがわかる。一方、NH<SHの場合、ギャップ磁界=4000(Oe)で抵抗値が減少したまま、ギャップ磁界を増大させても抵抗値に変化は見られず、発振が起きていないことがわかる。
上記の結果から、本実施形態の磁気記録ヘッド58では、NH≧SHにすることで、スピントルク発振子65を安定に発振させることができるため、記録媒体に印加される高周波磁界により、記録媒体に記録される信号品質が向上し、高記録密度化を達成することができる。
以上のように、本実施形態に係る磁気ディスク装置に用いる、スピントルク発振子を備えた磁気記録ヘッドは、スピントルク発振子と対向するライトシールド磁極の磁極端面をスライダの空気支持面からハイト方向奥側に向うに従い、主磁極から遠ざかるように、すなわち、主磁極との間隔が広がるように、形成した構成であり、この構成により、スピントルク発振子へ印加される磁界(=ギャップ磁界)を、スピントルク発振子から発生する高周波磁界(Hac)の周波数を記録媒体の共鳴周波数にマッチングさせることができ、記録媒体の記録層の垂直磁化を反転させやすくさせることができる。磁気ディスク装置において記録媒体に記録される媒体磁化反転能力が増大した結果、信号強度が増大し、また、既記録信号の信号劣化を抑制できる。これにより、磁気ディスク上に記録保存される信号品質が向上し、その結果、記録密度を向上させることができ、また、信号の信頼性が向上する。以上のことから、記録媒体に記録される信号品質が向上し、高記録密度化を可能とする磁気記録ヘッドおよびこれを備えたディスク装置が得られる。
なお、第1の実施形態において、ライトシールド磁極62のリーディング側端面62bは、直線的に傾斜する構成としたが、図22に示す第1変形例に係る磁気記録ヘッドのように、リーディング側端面62bは、階段状に形成され、スライダの空気支持面43からハイト方向奥側に向うに従い、スピントルク発振子65、主磁極60のトレーリング側端面60bから遠ざかるように形成してもよい。この場合、リーディング側端面62bは、全体の平均の傾きが角度θとなるように形成される。
また、図23に示す第2変形例に係る磁気記録ヘッドのように、リーディング側端面62bは、円弧状に湾曲して形成され、スライダの空気支持面43からハイト方向奥側に向うに従い、スピントルク発振子65、主磁極60のトレーリング側端面60bから遠ざかるように形成してもよい。この場合、リーディング側端面62bは、全体の平均の傾きが角度θとなるように形成される。
次に、他の実施形態に係るHDDおよび磁気ヘッドについて説明する。なお、以下に述べる種々の実施形態において、前述した第1の実施形態と同一の部分には、第1の実施形態と同一の参照符号を付して、その詳細な説明を省略する。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係るHDDの記録ヘッドについて説明する。
図24は、第2の実施形態に係るHDDの磁気ヘッドのヘッド部、特に、記録ヘッドを拡大して示す断面図、図25は、記録ヘッドを模式的に示す斜視図、図26は、記録ヘッドを空気支持面側から見た平面図である。
第2の実施形態に係るHDDの記録ヘッド(磁気記録ヘッド)58は、主に、リーディングシールド磁極を更に備えている点で第1の実施形態と構成が相違し、他の構成は、第1の実施形態に係る記録ヘッドと同一である。第1の実施形態と同一の部分には、第1の実施形態と同一の参照符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図24ないし図26に示すように、第2の実施形態によれば、HDDの記録ヘッド58は、磁気ディスク12の表面に対して(記録層103に対して)垂直方向の記録磁界を発生させる高透磁率、高飽和磁束密度を有する軟磁性材料からなる主磁極60と、主磁極60のトレーリング側にライトギャップWGを置いて配置され、主磁極直下の軟磁性層102を介して効率的に磁路を閉じるために設けられた軟磁性材料からなるライトシールド磁極(トレーリングシールド磁極)62と、主磁極60の上部をライトシールド磁極62に接合する接合部67と、主磁極60の先端部60aとライトシールド磁極62との間で、かつ、空気支持面に面する部分に配置された非磁性導電体からなる高周波発振素子、例えば、スピントルク発振子65と、磁気ディスク12に信号を書き込む際、主磁極60に磁束を流すために主磁極60およびライトシールド磁極62を含む磁路(磁気回路)に巻きつくように配置された記録コイル70と、を有している。記録ヘッド58は、更に、主磁極60のリーディング側に配置され、主磁極直下の軟磁性層を介して効率的に磁路を閉じるために設けられたリーディングシールド磁極72と、主磁極60に磁束を流すために主磁極60及びリーディングシールド磁極72を含む磁路(磁気回路)に巻きつくように配置された記録コイル71と、を有している。
主磁極60の先端部60aとライトシールド磁極62の先端部との間にスピントルク発振子65が配置され、これらは、前述した第1の実施形態と同様に構成されている。スピントルク発振子65および主磁極60の先端部60aと対向するライトシールド磁極62のリーディング側端面62bは、スライダの空気支持面43からハイト方向奥側に向うに従い、主磁極60(スピントルク発振子)から遠ざかるように、すなわち、主磁極との間隔が広がるように、傾き角θだけ傾斜して、あるいは、階段状に形成されている。
リーディングシールド磁極72は、ほぼL字形状に形成され、その先端部72aは、細長い矩形状に形成されている。リーディングシールド磁極72の先端面は、スライダ42の空気支持面43に露出している。先端部72aのトレーリング側端面72bは、主磁極60のリーディング側端面60cと隙間をおいて対向している。
主磁極60とライトシールド磁極62との接合部67、および主磁極60とリーディングシールド磁極72との接合部73には、それぞれ電気的な絶縁層61、75が配置され、互いに電気的に絶縁されている。主磁極60とライトシールド磁極62はそれぞれ駆動端子電極63に電気的に接続されている。
上記のように構成された第2の実施形態においても、スピントルク発振子を備えた磁気記録ヘッドは、スピントルク発振子と対向するライトシールド磁極の磁極端面をスライダの空気支持面からハイト方向奥側に向うに従い、主磁極から遠ざかるように形成した構成であり、この構成により、スピントルク発振子へ印加される磁界(=ギャップ磁界)の大きさを緩和させることで、スピントルク発振子から発生する高周波磁界(Hac)の周波数を記録媒体の共鳴周波数にマッチングさせることができ、記録媒体の記録層の垂直磁化を反転させやすくさせることができる。磁気ディスク装置において記録媒体に記録される媒体磁化反転能力が増大した結果、信号強度が増大し、また、既記録信号の信号劣化を抑制できる。これにより、磁気ディスク上に記録保存される信号品質が向上し、その結果、記録密度を向上させることができ、また、信号の信頼性が向上する。以上のことから、記録媒体に記録される信号品質が向上し、高記録密度化を可能とする磁気記録ヘッドおよびこれを備えたディスク装置が得られる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係るHDDの記録ヘッドについて説明する。
図27は、第3の実施形態に係るHDDの磁気ヘッドのヘッド部、特に、記録ヘッドを拡大して示す断面図、図28は、記録ヘッドを模式的に示す斜視図、図29は、記録ヘッドを空気支持面側から見た平面図である。
第3の実施形態に係るHDDの記録ヘッド(磁気記録ヘッド)58は、主に、サイドシールドを更に備えている点で第1の実施形態と構成が相違し、他の構成は、第1の実施形態に係る記録ヘッドと同一である。第1の実施形態と同一の部分には、第1の実施形態と同一の参照符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図27ないし図29に示すように、第3の実施形態によれば、HDDの記録ヘッド58は、磁気ディスク12の表面に対して(記録層に対して)垂直方向の記録磁界を発生させる高透磁率、高飽和磁束密度を有する軟磁性材料からなる主磁極60と、主磁極60のトレーリング側にライトギャップWGを置いて配置され、主磁極直下の軟磁性層102を介して効率的に磁路を閉じるために設けられた軟磁性材料からなるライトシールド磁極(トレーリングシールド磁極)62と、主磁極60の上部をライトシールド磁極62に接合する接合部67と、主磁極60の先端部60aとライトシールド磁極62との間で、かつ、空気支持面43に面する部分に配置された非磁性導電体からなる高周波発振素子、例えば、スピントルク発振子65と、磁気ディスク12に信号を書き込む際、主磁極60に磁束を流すために主磁極60およびライトシールド磁極62を含む磁路(磁気回路)に巻きつくように配置された記録コイル70と、を有している。記録ヘッド58は、更に、主磁極60のトラック幅方向両側に主磁極60と空気支持面43上では磁気的に分断されて配置された軟磁性材料からなる一対のサイドシールド74を有している。
一対のサイドシールド74は、高透磁率材料により、ライトシールド磁極62の先端部62aと一体に形成され、先端部62aのリーディング側端面62bからスライダ42のリーディング端側に向かって突出している。各サイドシールド74は、ライトシールド磁極62のリーディング側端面62bから、主磁極60のリーディング側端面60cを越えるレベル位置まで延びている。
主磁極60の先端部とライトシールド磁極62の先端部との間にスピントルク発振子65が配置され、これらは、前述した第1の実施形態と同様に構成されている。スピントルク発振子65および主磁極60の先端部60aと対向するライトシールド磁極62のリーディング側端面62bは、スライダの空気支持面43からハイト方向奥側に向うに従い、主磁極60(スピントルク発振子)から遠ざかるように、すなわち、主磁極との間隔が広がるように、傾き角θだけ傾斜して、あるいは、階段状に形成されている。
上記のように構成された第3の実施形態においても、スピントルク発振子へ印加される磁界(=ギャップ磁界)を、スピントルク発振子から発生する高周波磁界(Hac)の周波数を記録媒体の共鳴周波数にマッチングさせることができ、記録媒体の記録層の垂直磁化を反転させやすくさせることができる。磁気ディスク装置において記録媒体に記録される媒体磁化反転能力が増大した結果、信号強度が増大し、また、既記録信号の信号劣化を抑制できる。これにより、磁気ディスク上に記録保存される信号品質が向上し、その結果、記録密度を向上させることができ、また、信号の信頼性が向上する。以上のことから、記録媒体に記録される信号品質が向上し、高記録密度化を可能とする磁気記録ヘッドおよびこれを備えたディスク装置が得られる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態に係るHDDの記録ヘッドについて説明する。
図30は、第4の実施形態に係るHDDの磁気ヘッドのヘッド部、特に、記録ヘッドを拡大して示す断面図、図31は、記録ヘッドを模式的に示す斜視図、図32は、記録ヘッドを空気支持面側から見た平面図である。
第4の実施形態に係るHDDの記録ヘッド58は、主に、リーディングシールド磁極、およびサイドシールドを更に備えている点で第1の実施形態と構成が相違し、他の構成は、第1の実施形態に係る記録ヘッドと同一である。第1の実施形態と同一の部分には、第1の実施形態と同一の参照符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図30ないし図32に示すように、第4の実施形態によれば、HDDの記録ヘッド(磁気記録ヘッド)58は、磁気ディスク12の表面に対して(記録層に対して)垂直方向の記録磁界を発生させる高透磁率、高飽和磁束密度を有する軟磁性材料からなる主磁極60と、主磁極60のトレーリング側にライトギャップWGを置いて配置され、主磁極直下の軟磁性層102を介して効率的に磁路を閉じるために設けられた軟磁性材料からなるライトシールド磁極(トレーリングシールド磁極)62と、主磁極60の上部をライトシールド磁極62に接合する接合部67と、主磁極60の先端部60aとライトシールド磁極62との間で、かつ、空気支持面に面する部分に配置された非磁性導電体からなる高周波発振素子、例えば、スピントルク発振子65と、磁気ディスク12に信号を書き込む際、主磁極60に磁束を流すために主磁極60およびライトシールド磁極62を含む磁路(磁気回路)に巻きつくように配置された記録コイル70と、を有している。記録ヘッド58は、更に、主磁極60のリーディング側に配置され、主磁極直下の軟磁性層を介して効率的に磁路を閉じるために設けられたリーディングシールド磁極72と、主磁極60に磁束を流すために主磁極及びリーディングシールド磁極を含む磁路(磁気回路)に巻きつくように配置された記録コイル71と、主磁極60のトラック幅方向両側に主磁極60と空気支持面43上では磁気的に分断されて配置された軟磁性材料からなる一対のサイドシールド74と、を有している。
一対のサイドシールド74は、高透磁率材料により、ライトシールド磁極62の先端部62aと一体に形成され、先端部62aのリーディング側端面62bからスライダ42のリーディング端側に向かって突出している。各サイドシールド74は、ライトシールド磁極62のリーディング側端面から、主磁極60のリーディング側端面60cを越えるレベル位置まで延びている。
リーディングシールド磁極72は、ほぼL字形状に形成され、その先端部72aは、細長い矩形状に形成されている。リーディングシールド磁極72の先端面は、スライダ42の空気支持面43に露出している。先端部72aのトレーリング側端面72bは、主磁極60のリーディング側端面60cと隙間をおいて対向し、更に、一対のサイドシールド74の先端面に接合している。本実施形態では、リーディングシールド磁極72は、軟磁性材料により、ライトシールド磁極62およびサイドシールド74と一体に形成されている。
主磁極60とライトシールド磁極62との接合部67、および主磁極60とリーディングシールド磁極72との接合部73には、それぞれ電気的な絶縁層61、75が配置され、互いに電気的に絶縁されている。主磁極60とライトシールド磁極62部分はそれぞれ駆動端子電極63に電気的に接続されている。
主磁極60の先端部とライトシールド磁極62の先端部との間にスピントルク発振子65が配置され、これらは、前述した第1の実施形態と同様に構成されている。スピントルク発振子65および主磁極60の先端部60aと対向するライトシールド磁極62のリーディング側端面62bは、スライダの空気支持面43からハイト方向奥側に向うに従い、主磁極60、スピントルク発振子65から遠ざかるように、すなわち、主磁極との間隔が広がるように、傾き角θだけ傾斜して、あるいは、階段状に形成されている。
上記のように構成された第4の実施形態においても、スピントルク発振子へ印加される磁界(=ギャップ磁界)を、スピントルク発振子から発生する高周波磁界(Hac)の周波数を記録媒体の共鳴周波数にマッチングさせることができ、記録媒体の記録層の垂直磁化を反転させやすくさせることができる。磁気ディスク装置において記録媒体に記録される媒体磁化反転能力が増大した結果、信号強度が増大し、また、既記録信号の信号劣化を抑制できる。これにより、磁気ディスク上に記録保存される信号品質が向上し、その結果、記録密度を向上させることができ、また、信号の信頼性が向上する。以上のことから、記録媒体に記録される信号品質が向上し、高記録密度化を可能とする磁気記録ヘッドおよびこれを備えたディスク装置が得られる。
本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、ヘッド部を構成する要素の材料、形状、大きさ等は、必要に応じて変更可能である。また、磁気ディスク装置において、磁気ディスクおよび磁気ヘッドの数は、必要に応じて増加可能であり、磁気ディスクのサイズも種々選択可能である。また、前述した第1および第2変形例は、前述した第2ないし第4の実施形態に適用してもよい。
10…筺体、11…ベース、12…磁気ディスク、13…スピンドルモータ、
14…ヘッドアクチュエータ、25…制御回路基板、42…スライダ、
43…空気支持面(ABS)、44…ヘッド部、54…再生ヘッド、
58…記録ヘッド、60…主磁極、60a…先端部、60b…トレーリング側端面、
60c…リーディング側端面、62…ライトシールド磁極、62a…先端部、
62b…リーディング側端面(磁極端面)、65…スピントルク発振子、
65a…スピン注入層、65b…発振層、70、71…記録コイル、
72…リーディングシールド磁極、74…サイドシールド

Claims (9)

  1. 記録媒体に対向する空気支持面と、
    前記空気支持面から記録磁界を発生する主磁極と、
    前記主磁極のトレーリング側にギャップを置いて対向するライトシールド磁極と、
    スピン注入層および発振層を有し、前記主磁極の前記空気支持面側の先端部と前記ライトシールド磁極との間に設けられ高周波磁界を発生するスピントルク発振子と、を備え、
    前記ライトシールド磁極は、前記スピントルク発振子を挟んで前記主磁極の先端部に対向する端面を有し、前記端面は、前記空気支持面に垂直な方向に対し、前記空気支持面に近い部位より遠い部位で前記主磁極との間隔が広くなるよう、前記主磁極からトレーリング側へ傾斜している磁気記録ヘッド。
  2. 前記ライトシールド磁極の端面は、前記空気支持面に近い部位より遠い部位で前記主磁極との間隔が広くなるように前記空気支持面から離れるに従って前記主磁極からトレーリング側へ階段状に傾斜している請求項に記載の磁気記録ヘッド。
  3. 前記ライトシールド磁極の端面は、前記スピントルク発振子の高さよりも前記空気支持面側に近い位置からトレーリング側へ傾斜している請求項1又は2に記載の磁気記録ヘッド。
  4. 前記主磁極は、前記スピントルク発振子を挟んで前記ライトシールド磁極に対向するトレーリング側端面を有し、前記トレーリング側端面は前記空気支持面に対して垂直に延びている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の磁気記録ヘッド。
  5. 前記空気支持面から離れた位置で前記主磁極とライトシールド磁極とを物理的に接合する接合部を備え、前記接合部は、前記主磁極とライトシールド磁極とを電気的に絶縁する絶縁層を有する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の磁気記録ヘッド。
  6. 前記主磁極のトラック幅方向両側に主磁極とはギャップを置いて配置されたサイドシールドを備えている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の磁気記録ヘッド。
  7. 前記主磁極のリーディング側にギャップを置いて配置され、前記主磁極とともに磁気回路を形成するリーディングシールド磁極を備えている請求項1ないし6のいずれか1項に記載の磁気記録ヘッド。
  8. 前記主磁極のリーディング側にギャップを置いて配置され、前記主磁極とともに磁気回路を形成するリーディングシールド磁極を備え、前記リーディングシールド磁極は前記サイドシールドと一体に形成されている請求項6に記載の磁気記録ヘッド。
  9. 媒体面に対して垂直方向に磁気異方性を有する磁気記録層を有する記録媒体と、
    前記記録媒体を回転する駆動部と、
    前記記録媒体に対し情報処理を行う請求項1ないし8のいずれか1項に記載の磁気記録ヘッドと、
    を備えるディスク装置。
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