JP5791425B2 - 冷凍冷蔵庫 - Google Patents

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本発明は冷凍冷蔵庫に係り、より詳しくは、省エネルギー性、冷却性能を向上させることのできる冷凍冷蔵庫に関するものである。
従来の冷蔵庫に、最下部に設けた冷凍室の仕切り部材の後方に傾斜した送風機を設置し、この送風機の吸込み空間を確保するために内箱に凹部を設けたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−183892号公報(第4−6頁、図1−3)
家庭用の冷凍冷蔵庫においては、従来、最下段に冷凍室を配したものが一般的であったが、近年、中段に冷凍室を配して最下段を野菜室としたミドルフリーザタイプのものが供されるようになった。この場合、冷却器やその周辺の構造部品(送風機、冷気供給ダクト、ダンパーユニットからなる冷気流通機構など)を冷凍室の背面側に配設することが行われており、送風機の前面側に冷凍室の保存ケースが設置されたものもある。
また、省エネルギー性が求められている近年の冷蔵庫においては、省エネルギー性を向上させるためにも冷凍室の背面側、つまり冷却器室背面の断熱が重要視されている。このような冷却器室の背面側の断熱性能を向上させるためには、外箱と内箱との間に充填された断熱材の厚さを厚くするか、断熱材内に真空断熱材などの熱伝達係数の低い部材を埋設することが必要である。
特許文献1の冷蔵庫においては、送風機の上流側に吸込み風量を確保するための凹部を設けたので、送風機は所定の風量を得ることができる。しかしながら、送風機の後方において内箱に断面円弧状の大きな凹部(したがって、内箱と外箱の間では凸部となる)を設けたので、熱漏洩量の最も大きい場所における断熱材の厚さが薄くなり、また、断熱材内に埋設する真空断熱材の厚さも制約されるため、断熱性能を十分に確保することができず、このため冷却性能が低く、省エネルギー性が得られないという問題点があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、冷却性能に優れ、省エネルギー性を向上することのできる冷凍冷蔵庫を提供することを目的としたものである。
本発明に係る冷凍冷蔵庫は、前面が開口され外箱と内箱との間に断熱材が充填された断熱箱体内が仕切り部材により上部から下部に向って仕切られて背面側に後壁が設けられた冷蔵室、冷凍室及び野菜室が設けられた冷蔵庫本体を有し、
前記冷凍室の上部の仕切り部材から前記冷凍室にかけて前記後壁と前記断熱箱体の内箱との間に形成された冷却器室に冷却器を設置すると共に、該冷却器室の上方に前記冷却器を覆うように傾斜して送風機を設け、
前記断熱箱体の内箱の前記送風機の背面側を垂直かつ平坦に形成し、
前記冷凍室の後壁に前記送風機の下流側の第1の風路と前記冷凍室を連通する冷気の吹出し口を設けると共に、前記第1の風路の下流側に前記冷蔵室、製氷室、切替室及び野菜室へ冷気を送る第2の風路を設け
前記冷却器室の上部において、前記断熱箱体の内箱に前記送風機の翼の接触を防止するために、底面が垂直かつ平坦な凹部を設けたものである。
本発明によれば、送風機を傾斜して設けても断熱箱体の外箱と内箱との間に充填した断熱材の充填量にほとんど影響を与えることがなく、また、断熱材内に埋設する真空断熱材の形状や厚さに影響を及ぼすこともないので、冷凍室背面の断熱性能を損うことなく省エネルギー性を実現することができる。
また、送風機を傾斜して配置したことにより圧力損失の最も高い吹出し側の空間を十分確保したので、冷凍室や冷蔵室などに確実に冷気を供給することができ、風路効率に影響を与えることなく冷却性能を高めることができる。
本発明の実施の形態1に係る冷凍冷蔵庫の正面図である。 図1の縦断面図である。 図2の要部の拡大説明図である。 本発明の実施の形態2に係る冷凍冷蔵庫の要部の説明図である。
[実施の形態1]
本発明の実施の形態1に係る冷凍冷蔵庫を示す図1〜図3において、1は冷蔵庫本体、2は前面が開口された冷蔵庫本体1を構成する断熱箱体で、外箱3、内箱4及び外箱3と内箱4との間に充填された断熱材5とからなっている。
冷蔵庫本体1の最上段には冷蔵室6が設けられており、冷蔵室6の下には仕切り部材6aを介して、製氷室7及び0℃以下にて温度制御が可能な切替室8が並設されている。7aは製氷室7及び切替室8と後述の冷凍室9を仕切る仕切り部材である。また、最下段には野菜室10が設けられており、野菜室10の上には仕切り部材10aを介して冷凍室9が設けられている。なお、9aは冷凍室9の下部に設置された冷凍室下ケース、9bは冷凍室9の上部に設置された冷凍室上ケースである。
11a,11bは冷蔵室6の前面開口部を開閉する観音式扉であるが、1枚の開閉扉であってもよい。12は製氷室7の前面開口部を開閉する引出し式扉、13は同じく切替室8の引出し式扉である。14は冷凍室9の前面開口部を開閉する引出し式扉、15は同じく野菜室10の引出し式扉である。なお、16は野菜室10の背面側下部に設置された冷凍サイクルを構成する圧縮機である。
前記各室の背面側には後壁17が設けられており、仕切り部材7aの背面側から冷凍室9の背面側にかけて、後壁17と断熱箱体2の内箱4との間に冷却器室20が形成され、冷却器室20内には冷凍サイクルを構成する冷却器21がほぼ垂直に設置されている。なお、後壁17は冷凍室上ケース9bの背面側において背面側に向って斜め上方に分岐し、冷却器室20の上方を閉塞して、前面側に広い空間部が形成されている(以下、この分岐した後壁を分岐後壁17aという)。
22は分岐後壁17aの前面側と後壁17との間に形成された広い空間部からなる第1の風路、22aは後壁17と断熱箱体2の内箱4との間に形成されて、第1の風路22の下流側と連通する第2の風路である。
23は第1の風路22内に配設されて、分岐後壁17aに傾斜して取付けられて冷却器室20側を吸込み口とする送風機で、実施例では、この送風機23の垂直線に対する傾斜角度θは15°であった。なお、冷却器21は傾斜した送風機23の下部投影面積内に収められている。
ところで、送風機23を傾斜して設置することにより、送風機23の翼と断熱箱体2の内箱4との間が狭くなって、翼が内箱に接触するおそれがある。そのため、翼が接触しない程度に僅かに内箱4を凹ませて、底面が垂直で平坦な凹部4aを設けた。
このように凹部4aを設けても、凹部4aの凹み量がごく僅かであるため、外箱3と内箱4との間に充填する断熱材5の充填量(厚さ)はほとんど変化がなく、また、断熱材5内に埋設する真空断熱材の形状、厚さなどに影響を与えることもない。なお、送風機23の翼が内箱4に接触するおそれのない場合は、凹部4aを設ける必要がない。
24は送風機23の下流側において第2の風路22aに設けた風量調節弁で、送風機23の上方投影面積内に収められている。
25は冷凍室9の後壁17に設けられて、第1の風路22と冷凍室下ケース9aとを連通する下部吹出し口、26は同じく冷凍室9の後壁17に設けられて、第1の風路22と冷凍室上ケース9bとを連通する上部吹出し口である。
上記のように構成した冷蔵庫において、冷凍サイクルを構成する圧縮機16で圧縮された冷媒は、凝縮器(図示せず)により凝縮され、凝縮された冷媒は絞り装置(図示せず)により減圧されて冷却器21に送られ、冷却器21において蒸発する。この蒸発時の吸熱作用により冷却器21の周辺(冷却器室21)は冷却される。
冷却器21で生成された冷気は送風機23により第1の風路22に導かれ、第1の風路22から下部吹出し口25及び上部吹出し口26を介して冷凍室9へ供給され、冷凍室下ケース9a及び冷凍室上ケース9b内を、収納された食品を長期間保存可能な温度(例えば、−18℃)に制御する。
一方、第1の風路22から風量調節弁24を介して第2の風路22aに送られた冷気は、冷蔵室6、製氷室7、切替室8及び野菜室10へ送られ、風量調節弁24により風量が調節されてこれら各室を適切な温度に制御する。
上記のように構成した本実施の形態によれば、傾斜して設置された送風機23の翼に対応する内箱4の位置に、必要に応じて、僅かに凹んで底面が垂直かつ平坦な凹部4aを設けたので、外箱3と内箱4との間への断熱材5の充填量(厚さ)にほとんど影響を与えることがなく、また、断熱材5内に埋設する真空断熱材の形状や厚みに変化を及ぼすこともないので、冷凍室9の背面の断熱性能を損うことがなく、省エネルギー性を実現することができる。
また、吹出し側に十分な空間を確保するために、送風機23を傾斜して設置し、圧力損失の最も高い吹出し側の空間(第1の風路)を十分確保したので、第1の風路22及び第2の風路22aを介して冷凍室9や冷蔵室6などに、確実に冷気を供給することができ、これらにより、風路効率に影響を与えることなく冷却性能を向上することができる。
[実施の形態2]
図4は本発明の実施の形態2に係る冷凍冷蔵庫の要部の説明図である。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付してある。
本実施の形態においては、送風機23の翼面の半径をd、第1の風路22から冷凍室9の冷凍室上ケース9bへ冷気を送る上部吹出し口26の開口面積をAとした場合の、送風機23の傾斜角度θを、
1.1×A<dsinθ<0.9×A
に設定したものである。
送風機23の傾斜角度θを上記のように設定することにより、冷凍室9の上部に設けた切替室8からの熱漏洩によって冷却効率が低下するのを防止し冷凍室上ケース9bの冷却効率を向上することができる。
1 冷蔵庫本体、2 断熱箱体、3 外箱、4 内箱、5 断熱材、6 冷蔵室、7 製氷室、8 切替室、9 冷凍室、9a 冷凍室下ケース、9b 冷凍室上ケース、10 野菜室、6a,7a,10a 仕切り部材、16 圧縮機、17 後壁、17a 分岐後壁、20 冷却器室、21 冷却器、22 第1の風路、22a 第2の風路、23 送風機、24 風量調節弁、25 下部吹出し口、26 上部吹出し口。

Claims (4)

  1. 前面が開口され外箱と内箱との間に断熱材が充填された断熱箱体内が仕切り部材により上部から下部に向って仕切られて背面側に後壁が設けられた冷蔵室、冷凍室及び野菜室が設けられた冷蔵庫本体を有し、
    前記冷凍室の上部の仕切り部材から前記冷凍室にかけて前記後壁と前記断熱箱体の内箱との間に形成された冷却器室に冷却器を設置すると共に、該冷却器室の上方に前記冷却器を覆うように傾斜して送風機を設け、
    前記断熱箱体の内箱の前記送風機の背面側を垂直かつ平坦に形成し、
    前記冷凍室の後壁に前記送風機の下流側の第1の風路と前記冷凍室を連通する冷気の吹出し口を設けると共に、前記第1の風路の下流側に前記冷蔵室、製氷室、切替室及び野菜室へ冷気を送る第2の風路を設け
    前記冷却器室の上部において、前記断熱箱体の内箱に前記送風機の翼の接触を防止するために、底面が垂直かつ平坦な凹部を設けたことを特徴とする冷凍冷蔵庫。
  2. 前記冷凍室に冷凍室下部ケース及び冷凍室上部ケースを設け、前記第1の風路と前記冷凍室下部ケース及び冷凍室上部ケースとをそれぞれ連通する冷気の下部吹出し口及び上部吹出し口を設けたことを特徴とする請求項1に記載の冷凍冷蔵庫。
  3. 前記第2の風路に、前記冷蔵室、製氷室、切替室及び野菜室へ送る冷気の風量を制御する風量調整弁を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の冷凍冷蔵庫。
  4. 前記送風機の翼面の半径をd、前記冷凍室の上部吹出し口の開口部面積をAとした場合、前記送風機の垂直線に対する傾斜角度θを次式により設定したことを特徴とする請求項2又は3に記載の冷凍冷蔵庫。
    1.1×A<dsinθ<0.9×A
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