JP5790118B2 - 四輪駆動車 - Google Patents

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Description

本発明は、トルク配分装置により主駆動輪と従駆動輪とに伝達されるトルク配分を制御している四輪駆動車に関する。
自動変速機を備える四輪駆動車において従駆動輪へのトルク配分がアクセル開度が大きいほど大きくなるようにトルク配分装置に与えるトルク指令値を制御するものがある(特許文献1参照)。
特開2000−335272号公報
ところで、上記特許文献1の技術を、手動変速機を備える四輪駆動車にそのまま適用したとき、クラッチを急接続しての車両発進時に問題が生じることが判明している。すなわち、手動変速機を備える四輪駆動車では、エンジン出力軸と手動変速機入力軸との間にドライバが断接し得るクラッチを有している。このクラッチが半クラッチ状態にあるとき、アクセル開度は小さい。この状態からドライバが四輪駆動車を発進させようとして、クラッチを急接続してアクセルペダルを踏み増ししたとき、従駆動輪へのトルク配分を増量させようとする応答性に対して、クラッチの急接続による衝撃トルクの伝達応答性が勝ることとなる。このため、クラッチの急接続により生じる衝撃トルクのほとんどが従駆動輪に配分されず主駆動輪に配分されてしまう。これによって、四輪駆動傾向のトルク配分とならず、手動変速機を備える四輪駆動車の発進加速性が悪くなる。
そこで本発明は、手動変速機を備える四輪駆動車においても良好な車両発進性を得ることを目的とする。
本発明の手動変速機を備える四輪駆動車では、エンジンと手動変速機とを断接するクラッチと、手動変速機の出力トルクを主駆動輪と従駆動輪とに配分するトルク配分装置と、アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段とを備える。そして、前記クラッチ前後の回転速度差が所定値以下のときには前記アクセル開度検出手段により検出されるアクセル開度が大きいほど前記従駆動輪へのトルク配分が大きくなるように前記トルク配分装置に与えるトルク指令値を制御し、前記クラッチ前後の回転速度差が所定値より大きくクラッチ接続による衝撃トルクの伝達応答性が前記従駆動輪へのトルク配分の応答性に勝るときには同一のアクセル開度に対する前記従駆動輪へのトルク配分を、前記クラッチ前後の回転速度差が所定値以下のときに比して増量させたトルク指令値で前記トルク配分装置を制御する。
本発明によれば、クラッチを急接続してアクセルペダルを踏み増しする車両発進時に、主駆動輪へ伝達されるトルクを低減させて従駆動輪でも発進させ得る4輪駆動傾向のトルク配分となるので、手動変速機を備える四輪駆動車においても良好な発進加速性を得ることができる。
本発明の第1実施形態の四輪駆動車の概略全体図である。 第1実施形態のトランスファ装置を模式的に示すシステム図である。 第1実施形態の従駆動輪へのトルク配分の設定を説明するためのフローチャートである。 第1実施形態の従駆動輪へのトルク配分基本値の特性図である。
(第1実施形態)
図1は第1実施形態の後輪駆動ベースの四輪駆動車1の全体図である。図1において2はエンジン、3は手動変速機、5はリヤディファレンシャルギヤ、6はリヤプロペラシャフト、7はフロントディファレンシャルギヤ、8はフロントプロペラシャフト、9はトランスファ装置である。11は右前輪、12は左前輪、13は右後輪、14は左後輪である。ここで、手動変速機3はクラッチ4を介してエンジン2に連結され、クラッチ4はクラッチペダル15によって断続操作される。手動変速機3ではシフトレバーなどのシフト装置16によって変速比(変速段)を設定する。
後輪駆動ベースの四輪駆動車1では、主駆動輪(左右の後輪11、12)にエンジン2の駆動力を直接伝達し、従駆動輪(左右の前輪11、12)にトランスファ装置9(トルク配分装置)を介してエンジン2の駆動力を伝達する。すなわち、トランスファ装置9が締結を解放している状態であれば、主駆動輪:従駆動輪=100:0のトルク配分となり、トランスファ装置9がエンジントルクの1/2トルク以上にて締結されていれば、主駆動輪:従駆動輪=50:50の等トルク配分となる。トルク配分コントローラ51からトランスファ装置9に与えるトルク指令値(制御指令)により、主駆動輪10、11と従駆動輪8、9に伝達されるトルク配分が、主駆動輪:従駆動輪=100:0〜50:50の範囲において可変に制御される。
ここで、「従駆動輪へのトルク配分」を定義する。すなわち、トランスファ装置9が締結を解放して主駆動輪:従駆動輪=100:0のトルク配分となっているとき従駆動輪へのトルク配分を0%であるとする。これは、主駆動輪:従駆動輪=100:0のトルク配分となっているとき従駆動輪へはトルク配分は全くないためである。一方、トランスファ装置9が締結して主駆動輪:従駆動輪=50:50の等トルク配分となっているとき、従駆動輪へのトルク配分を50%とする。これは、主駆動輪:従駆動輪=50:50の等トルク配分となっているとき、従駆動輪に最大のトルク配分を行っているためである。
このように、従駆動輪へのトルク配分を定義したとき、トランスファ装置9に与えるトルク指令値によって、従駆動輪へのトルク配分を0〜50%の間で制御し得る。
次に、上記のトランスファ装置9を図2を参照して説明する。図2はトランスファ装置9を模式的に示すシステム図である。
図2において、エンジン2からの駆動力が手動変速機3を経て入力される入力軸21を備える。入力軸21には主駆動輪用出力軸22を一体に連結し、この主駆動輪用出力軸22が入力軸21と一体で回転し得るように、トランスファケース20内のベアリング23、24によって支持している。主駆動輪用出力軸22の後端(図2で右端)はリヤプロペラシャフト6(図1参照)と連結されている。
主駆動輪用出力軸22の外周には湿式多板式のドラムクラッチ25を構成している。すなわち、ドラムクラッチ25は、クラッチドラム26、クラッチハブ27、クラッチピストン30などからなる。
主駆動輪用出力軸22の外周に設けられるクラッチドラム26は、主駆動輪用出力軸22に固定している。入力軸21の外周に設けられるクラッチハブ27は、入力軸21に対して回転可能に支持している。クラッチドラム26、クラッチハブ27には軸方向に複数の駆動側プレート28、複数の従動側プレート29を設け、これら駆動側プレート28及び従動側プレート29を互い違いに配置することでクラッチドラム26とクラッチハブ27とを関連付けている。
クラッチピストン30は、クラッチドラム26を介して主駆動輪用出力軸22上を軸方向に移動することにより、ドラムクラッチ25の締結及び解放を司るものである。すなわち、クラッチピストン30がスプリング32に抗して軸方向の一方(図2で左側)に移動して駆動側プレート28を従動側プレート29に押圧することでドラムクラッチ25を締結する。一方、クラッチピストン30がスプリング32の付勢力で軸方向の他方(図2で右側)に移動して従動側プレート29への押圧を解除することでドラムクラッチ25を解放する。
入力軸21と平行に、従駆動輪用出力軸33を備える。従駆動輪用出力軸33はトランスファケース20内のベアリング34、35によって回転可能に支持されている。従駆動輪用出力軸33の後端(図2で左端)はフロントプロペラシャフト8(図1参照)と連結されている。
入力軸21のトルクを従駆動輪用出力軸33に伝達するため、駆動側スプロケット31、従動側スプロケット36、ベルト部材37を備える。すなわち、クラッチハブ27の外周には駆動側スプロケット31を設け、この駆動側スプロケット31をクラッチハブ27に固定している。従駆動輪用出力軸33の外周には従動側スプロケット36を設け、この従動側スプロケット36を従駆動輪用出力軸33に固定している。これら2つのスプロケット31、36に、例えば複数のチェーンからなるベルト部材37を掛け回している。
クラッチピストン30を主駆動輪用出力軸22の軸方向に駆動可能とするため、アクチュエータ41を備える。アクチュエータ41はモータ42、一対の減速ギヤ43、44、シャフト45、スライダ46、ガイド部材47からなる。
モータ42は、一対の減速ギア43、44を介してシャフト45と連結している。一対の減速ギヤ43、44はモータの回転量を一対の減速ギア43、44の減速比(1未満の値)に対応して減少させるためのものである。このため、モータ42の回転量を減速比倍した回転量だけシャフト45が回転する。
シャフト45にはスライダ46が螺合している。スライダ46は、シャフト45の回転運動を主駆動輪用出力軸22方向の直線運動に変換するものである。トランスファケース20に固定されたガイド部材47の内側に主駆動輪用出力軸22方向にレール(図示しない)が形成されており、スライダ46がこのレールに案内されることで、シャフト45の回転量に応じてスライダ46が主駆動輪用出力軸22方向に移動する。すなわち、シャフト45の回転量によってスライダ46の主駆動輪用出力軸22方向の移動量が定まる。
スライダ46にはクラッチピストン30を連結している。このため、クラッチピストンは30はスライダ46の移動量と同じだけ主駆動輪用出力軸22方向に移動する。
ドラムクラッチ25を開放しているときのクラッチピストン30の位置を基準位置として、ドラムクラッチ25を完全に締結するためにクラッチピストン30及びスライダ46をどれくらい図2で左方向に移動すればよいかは予め定まっている。このドラムクラッチ25を完全に締結するためのクラッチピストン30の移動量から、ドラムクラッチ25を完全に締結するためのモータ42の一方向への最大回転量が定まる。このときの一方向へのモータ最大回転量を最大制御量として、最大制御量をモータ42に与えたとき、ドラムクラッチ25が完全に締結され、従駆動輪11、12へのトルク配分は100%となる。一方、一方向へのモータ最大回転量を他方向へのモータ回転量としてモータ42に与えたとき、ドラムクラッチ25が完全に解除され、従駆動輪11、12へのトルク配分は0%となる。従って、ゼロから最大制御量までの任意の制御量をモータ42に与えることで、従駆動輪11、12へのトルク配分を任意に制御できる。
CPU等を搭載したトルク配分コントローラ51には、エンジン回転速度センサ52、変速機入力軸回転速度センサ53、アクセル開度センサ54、車速センサ55、操舵角センサ56、手動変速機3のシフト位置センサ57からの各信号が入力されている。トルク配分コントローラ51では、これら信号に基づいて従駆動輪11、12へのトルク配分を定め、この従駆動輪11、12へのトルク配分をモータ42への制御量に変換してモータ42に出力する。
さて、図1において手動変速機3に代えて自動変速機を備える四輪駆動車では、アクセル開度ACCが大きいほど従駆動輪へのトルク配分が大きくなるようにモータ42に与える制御量(トランスファ装置9に与えるトルク指令値)を制御する従来装置がある。この従来装置では、アクセル開度ACCが所定値(例えば1/8)未満のとき、従駆動輪11、12へのトルク配分を低下させて2輪駆動傾向とすることで、旋回発進開始時や低アクセル開度での旋回時において、タイトコーナブレーキング現象を防止している。ここで、タイトコーナブレーキング現象とは、旋回時、前後輪の平均旋回半径差を原因として直結駆動系に制動トルクが生じる現象のことである。一方、アクセル開度ACCが所定値(1/8)以上のときには従駆動輪11、12へのトルク配分を大きくして四輪駆動傾向とすることで駆動スリップを抑えて発進加速性を向上させている。
しかしながら、このアクセル開度が大きいほど従駆動輪11、12へのトルク配分が大きくなるようにする制御を、変速機が手動変速機3である四輪駆動車にそのまま適用したとき、クラッチを急接続しての車両発進時に問題が生じることがわかった。
これについて説明する。エンジン2出力軸と手動変速機3入力軸との間にこれらエンジン2出力軸と手動変速機3入力軸とをドライバが断接し得るクラッチ4を有している。このクラッチ4をドライバが半クラッチ状態としているとき、アクセル開度ACCは小さい。この状態からドライバが四輪駆動車1を発進させようとして、クラッチ4を急激に接続してアクセルペダル17を踏み増したとき、トルク配分コントローラ51は、アクセルペダル17の踏み増しに応じて従駆動輪11、12へのトルク配分を増量させようとする。しかしながら、従駆動輪11、12へのトルク配分を増量させようとする応答性よりも、クラッチ4を急激に接続したことによる衝撃トルクの伝達応答性のほうが勝ることが判明している。このため、クラッチ4急接続により生じる衝撃トルクのほとんどが従駆動輪11、12に配分されず主駆動輪13、14に配分されてしまう。四輪駆動傾向のトルク配分とならず、手動変速機3を備える四輪駆動車1の発進加速性が悪くなるのである。
従駆動輪11、12へのトルク配分を増量させようとする応答に遅れが生じるのは次の理由による。従駆動輪11、12へのトルク配分を踏み増しされたアクセル開度に従って増量させるには次の手順を経る。すなわち、アクセル開度センサ54から信号のコントローラ51への入力、コントローラ51での制御信号の演算、制御信号のモータ42への出力、モータ42出力のクラッチピストン30への伝達という手順を経る。この一連の手順に応答遅れが生じることを避けることができないのである。
そこで本発明の第1実施形態では、クラッチ4前後の回転速度差が所定値以下のときには、アクセル開度ACCが大きいほど従駆動輪11、12へのトルク配分が大きくなるようにモータ42に与える制御量(トランスファ装置に与えるトルク指令値)制御する。一方、クラッチ4前後の回転速度差が所定値より大きいときには、同一のアクセル開度に対する従駆動輪へのトルク配分を、クラッチ4前後の回転速度差が所定値以下のときに比して増量させた制御量(トルク指令値)でモータ42(トランスファ装置9)を制御する。
ここで、クラッチ4前後の回転速度差ΔNと所定値ΔN1とを比較させているのは、手動変速機3を備える四輪駆動車1の車両発進時であるか否かを知るためである。すなわち、クラッチ4は上流側がエンジン2出力軸と、下流側が手動変速機3入力軸と連結されている。駆動輪が全て静止している状態からクラッチ4を急接続してアクセルペダル17を踏み増しする車両発進時には、アクセル開度の急増大に応じてスロットル弁が開かれエンジン2出力軸の回転速度Neが急上昇する。これに対して手動変速機3入力軸の回転速度Ninprevはゼロであるので、クラッチ4前後の回転速度差ΔN(=Ne−Ninprev)は相対的に大きい。
一方、クラッチ4によりエンジン2出力軸と手動変速機3入力軸とが接続されている車両走行時には、クラッチ4前後の回転速度差ΔNは相対的に小さい。
これより、クラッチ4前後の回転速度差ΔNが所定値ΔN1より大きいときに車両発進時であると、またクラッチ4前後の回転速度差ΔNが所定値ΔN1以下のときに車両発進時以外(車両走行時)であると判定させることができる。車両発進時であるか否かを判定するための所定値ΔN1は、適合により予め定めておく。
車両発進時以外(車両走行時)のときに、従駆動輪11、12へのトルク配分がアクセル開度ACCが大きいほど大きくなるようにモータ42に与える制御量を制御する点は、自動変速機を備える四輪駆動車に対するのと同じである。
一方、車両発進時に、同一のアクセル開度ACCに対する従駆動輪11、12へのトルク配分を、車両発進時以外(車両走行時)のときに比して増量させるとする点が自動変速機を備える四輪駆動車に対するのと相違する。車両発進時に従駆動輪へのトルク配分を車両発進時以外のときより増量させることで、車両発進時に主駆動輪へ伝達されるトルクを低減し従駆動輪でも発進させ得る。これによって、手動変速機3を備える四輪駆動車1においても良好な発進加速性を得ることができる。
コントローラ51で行われるこの制御の内容を図3のフローチャートに基づいて詳述する。図3のフローは一定周期毎(例えば10ms毎)に繰り返し実行する。
図3においてステップ1ではアクセル開度センサ54により検出されるアクセル開度ACCから図4を内容とするテーブルを検索することにより、従駆動輪11、12へのトルク配分基本値[%]を設定する。図4に示したように、従駆動輪11、12へのトルク配分基本値はアクセル開度ACCが大きくなるほど大きくなりアクセル開度ACCが所定値ACC1のとき最大値の50%に到達する。アクセル開度ACCが第2所定値ACC1を超えると従駆動輪11、12へのトルク配分基本値は最大値の50%を維持する。
上記の所定値ACC1は、車両発進時であるか否かを判定するための値で、従来装置と同じに1/8としてよい。ここで、「1/8」とは、アクセル開度ACCが最大のとき(アクセルペダル17を一杯に踏み込んだとき)を1とする相対値(1以下の値)である。アクセル開度ACCが所定値ACC1以下の範囲でアクセル開度が小さくなるほどトルク配分基本値を小さくしているのは、旋回発進開始時や低アクセル開度での旋回時においてタイトコーナブレーキング現象を未然に防止するためである。
ステップ2ではクラッチ4前後の回転速度差ΔNを計算する。クラッチ4上流側の回転速度は、エンジン2出力軸の回転速度、つまりエンジン回転速度Neであるので、エンジン回転速度センサ52によりクラッチ4上流側の回転速度Neを検出する。クラッチ4下流側の回転速度は、変速機入力軸回転速度Ninprevである。この変速機入力軸回転速度Ninprevは、変速機入力軸回転速度センサ53を設けて直接検出してもよいし、車速センサ55により検出される車速VSPと、手動変速機3のシフト位置センサ57により検出される手動変速機3のシフト位置とから推定してもかまわない。そして、エンジン回転速度Neから変速機入力軸回転速度Ninprevを差し引いた値をクラッチ4前後の回転速度差ΔN(=Ne−Ninprev)として計算する。
ステップ3ではクラッチ4前後の回転速度差ΔNと所定値ΔN1を比較する。所定値ΔN1は車両発進時であるか否かを判定するための値である。このΔN1の値は適合により予め定めておく。クラッチ4前後の回転速度差ΔNが所定値ΔN1以下であるときには車両発進時でないと判断してステップ4に進み、従駆動輪11、12へのトルク配分基本値をそのまま従駆動輪へのトルク配分とする。
ステップ3でクラッチ4前後の回転速度差ΔNが所定値ΔN1より大きいときにはステップ5に進み、前回はクラッチ4前後の回転速度差ΔNが所定値ΔN1より大きかったか否かをみる。前回はクラッチ4前後の回転速度差ΔNが所定値ΔN1以下であった、つまり今回初めてクラッチ4前後の回転速度差ΔNが所定値ΔN1より大きくなったときには今回初めて車両発進時になったと判断する。このときにはステップ8に進んで従駆動輪11、12へのトルク配分基本値に増分を加算した値を従駆動輪11、12へのトルク配分(=トルク配分基本値+増分)とする。増分は簡単には一定値でよい。
ただし、ステップ8に進む前に、ステップ6で車速センサ55により検出される車速VSPが所定値VSP1未満であるか否か、ステップ7で操舵角センサ56により検出される操舵角が所定値VSP1未満であるか否かをみる。そして、車速VSPが所定値VSP1未満であるとき、操舵角θが所定値θ1未満であるときに限って、ステップ8に進ませる。
ステップ6、7は従駆動輪11、12へのトルク配分を増加させる条件を定めるものである。車速から述べると、車速VSPが所定値VSP1未満であるときとは車両発進時のことである。車両発進時にはクラッチ4を急激に接続してアクセルペダル17を踏み増しする機会が多いので、車両発進時の車速VSPは相対的に小さくなる。これは、基本的にクラッチ4前後の回転速度差ΔNに基づいて車両発進時であるか否かを判定しているのであるが、さらに車速VSPに基づいても車両発進時であるか否かを判定するようにしたものである。すなわち、車速VSPが所定値VSP1未満であるときには車両発進時であると判断し、ステップ8に進んで従駆動輪11、12へのトルク配分を増加させる。車両発進時であるか否かを判定するための所定値VSP1は予め設定しておく。
ステップ6で車速VSPが所定値VSP1以上のときには車両発進時以外であると判断し、ステップ7で操舵角θと所定値θ1を比較し操舵角θが所定値θ1以上であればステップ4に進んで従駆動輪へのトルク配分を増加させない。これは、操舵角θが所定値θ1以上となる相対的に大きな操舵時にも、従駆動輪へのトルク配分を増加させるとタイトコーナブレーキング現象が生じるので、これを回避するためである。上記の所定値θ1は相対的に大きな操舵時であるか否かを判定するための値で、予め設定しておく。ステップ7で転舵角θが所定値θ1未満のときにはステップ8に進んで従駆動輪11、12へのトルク配分を増加させる。
一方、ステップ5で前回はクラッチ4前後の回転速度差ΔNが所定値ΔN1より大きかった、つまり前回、今回と続けてクラッチ4前後の回転速度差ΔNが所定値ΔN1より大きいときには車両発進時を継続していると判断しステップ9に進む。ステップ9では従駆動輪11、12へのトルク配分の増加を開始してから所定時間が経過したか否かをみる。所定時間は、車両発進時が終了するタイミングを定めるもので、予め設定しておく。従駆動輪11、12へのトルク配分の増加を開始してからの経過時間は、コントローラ51内部に有するタイマにより計測すればよい。
ステップ9で従駆動輪11、12へのトルク配分の増加を開始してから所定時間が経過していなければ車両発進時が終了していないと判断しステップ10に進み、再びクラッチ4前後の回転速度差ΔNと所定値ΔN1を比較する。クラッチ4前後の回転速度差ΔNが所定値ΔN1より大きいときにはステップ8に進んで、従駆動輪11、12へのトルク配分の増加を継続する。
一方、ステップ10でクラッチ4前後の回転速度差ΔNが所定値ΔN1以下となっていればステップ11に進んで従駆動輪11、12へのトルク配分から、ステップ8で加えている増分を差し引いた値を改めて従駆動輪11、12へのトルク配分とする。つまり、従駆動輪11、12へのトルク配分の増加を中止してトルク配分基本値に戻す。これは、車両発進時が終了する前に、クラッチ4前後の回転速度差ΔNが所定値ΔN1以下となることがあるかもしれないことを考慮し、このときには、従駆動輪11、12へのトルク配分の増加を中止するものである。
ステップ9で従駆動輪11、12へのトルク配分の増加を開始してから所定時間が経過したときには、車両発進時が終了したと判断する。このときには従駆動輪11、12へのトルク配分の増加を中止するためステップ12に進み、従駆動輪11、12へのトルク配分基本値をそのまま従駆動輪11、12へのトルク配分とする。
ステップ13では、ステップ4、8、11、12で求めた従駆動輪11、12へのトルク配分をモータ42に与える制御量に変換する。図示しないフローでは、このようにして得た制御量をモータ42に与える。
ここで本実施形態の作用効果を説明する。
本実施形態によれば、クラッチ4前後の回転速度差ΔNが所定値ΔN1以下のときにはアクセル開度ACCが大きいほど従駆動輪11、12へのトルク配分が大きくなるようにモータ42に与える制御量(トランスファ装置9に与えるトルク指令値)を制御し、クラッチ4前後の回転速度差ΔNが所定値ΔN1より大きいときには同一のアクセル開度ACCに対する従駆動輪11、12へのトルク配分を、クラッチ4前後の回転速度差ΔNが所定値ΔN1以下のときに比して増量させたトルク指令値でトランスファ装置9を制御するので、クラッチ4を急接続してアクセルペダルを踏み増しする車両発進時に主駆動輪13、14へ伝達されるトルクを低減させて従駆動輪11、12でも発進させ得る4輪駆動傾向のトルク配分となり、手動変速機3を備える四輪駆動車1においても良好な発進加速性を得ることができる。
従駆動輪11、12へのトルク配分を増量させているときにクラッチ4前後の回転速度差ΔNが所定値ΔN1以下となったときには同一のアクセル開度ACCに対する従駆動輪11、12へのトルク配分を、クラッチ4前後の回転速度差ΔNが所定値ΔN1以下のときに比して増量させることは不要である。それにも拘わらず、不要な制御を継続し4輪駆動傾向のトルク配分としたのでは、旋回発進開始時や低アクセル開度での旋回時において、タイトコーナブレーキング現象を防止し得なくなる。本実施形態によれば、従駆動輪11、12へのトルク配分を増量させているときにクラッチ4前後の回転速度差ΔNが所定値ΔN1以下となったときには、クラッチ4前後の回転速度差ΔNが所定値ΔN1以下のときのトルク指令値に戻すので、2輪駆動傾向のトルク配分となる。これによって、旋回発進開始時や低アクセル開度での旋回時におけるタイトコーナブレーキング現象防止への影響を抑えることができる。
本実施形態によれば、車速センサ55(車速検出手段)により検出される車速VSPが所定値VSP1以上となる車両発進時以外のときには、同一のアクセル開度ACCに対する従駆動輪11、12へのトルク配分を、クラッチ4前後の回転速度差ΔNが所定値ΔN1以下のときに比して増量させないので、2輪駆動傾向のトルク配分となる。これによって車両発進時以外での四輪駆動性能への影響を抑えることができる。
本実施形態によれば、操舵角センサ56(操舵角検出手段)により検出される操舵角θが所定値θ1以上となる、相対的に大きな操舵時のときには、同一のアクセル開度に対する従駆動輪へのトルク配分を、クラッチ4前後の回転速度差ΔNが所定値ΔN1以下のときに比して増量させないので、2輪駆動傾向のトルク配分となる。これによって、相対的に大きな操舵時における従駆動輪11、12へのトルク増加によるタイトコーナブレーキング現象を回避できる。
実施形態では、後輪駆動ベースの四輪駆動車への適用例を示したが、前輪駆動ベースの四輪駆動車にも本発明を適用することができる。
実施形態では、アクセル開度AACと比較する所定値ACC1として1/8としたが、これは異なる性能のエンジンを搭載しているかどうかや、タイトコーナブレーキング防止と発進加速性のどちらを重視するか等によって多少の値の変更は許容される。
1 四輪駆動車
2 エンジン
3 手動変速機
4 クラッチ
9 トランスファ装置(トルク配分装置)
11、12 従駆動輪
13、14 主駆動輪
51 トルク配分コントローラ(トルク配分装置制御手段)
54 アクセル開度センサ(アクセル開度検出手段)
56 操舵角センサ(操舵角検出手段)

Claims (5)

  1. エンジンと手動変速機とを断接するクラッチと、
    手動変速機の出力トルクを主駆動輪と従駆動輪とに配分するトルク配分装置と、
    アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、
    前記クラッチ前後の回転速度差が所定値以下のときには前記アクセル開度検出手段により検出されるアクセル開度が大きいほど前記従駆動輪へのトルク配分が大きくなるように前記トルク配分装置に与えるトルク指令値を制御し、
    前記クラッチ前後の回転速度差が所定値より大きくクラッチ接続による衝撃トルクの伝達応答性が前記従駆動輪へのトルク配分の応答性に勝るときには同一のアクセル開度に対する前記従駆動輪へのトルク配分を、前記クラッチ前後の回転速度差が所定値以下のときに比して増量させたトルク指令値で前記トルク配分装置を制御するトルク配分装置制御手段と
    を備えることを特徴とする四輪駆動車。
  2. 車速を検出する車速検出手段を備え、
    前記従駆動輪への配分トルクを増量させるのは、前記車速検出手段により検出される車速が所定値以下のときであることを特徴とする請求項1に記載の四輪駆動車。
  3. 前記車速検出手段により検出される車速が前記所定値以上のときには、同一のアクセル開度に対する前記従駆動輪へのトルク配分を、前記クラッチ前後の回転速度差が所定値以下のときに比して増量させないことを特徴とする請求項2に記載の四輪駆動車。
  4. 操舵角を検出する操舵角検出手段を備え、
    前記従駆動輪への配分トルクを増量させるのは、前記操舵角検出手段により検出される操舵角が所定値以下のときであることを特徴とする請求項1または2に記載の四輪駆動車。
  5. 前記操舵角検出手段により検出される操舵角が所定値以上のときには、同一のアクセル開度に対する前記従駆動輪へのトルク配分を、前記クラッチ前後の回転速度差が所定値以下のときに比して増量させないことを特徴とする請求項4に記載の四輪駆動車。
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