JP5143100B2 - 車両制御装置 - Google Patents

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本発明は、車両制御装置に関する。
特許文献1には、登坂路での車両発進時にドライバがブレーキペダルからアクセルペダルに足を踏み替えた際、ブレーキ液圧を自動的に保持制御して車両の後退を防止する、いわゆるヒルスタートアシスト(ヒルスタートエイドともいう。)制御において、登坂路の路面勾配に応じて目標エンジントルクを決定する技術が開示されている。
特開2007−55536号公報
しかしながら、上記従来技術にあっては、急勾配や低μ路ではホイルスピンが発生しやすいため、車輪の空転により駆動力を確保できず、スムーズに発進できないという問題があった。
本発明の目的は、スムーズな発進を行うことができる車両制御装置を提供することにある。
本発明では、駆動源の駆動力の下限値を設定し、設定した下限値を駆動源へ要求し、ブレーキ制御手段によりホイルシリンダ液圧を減圧する際、副駆動輪への駆動力配分量を増加させる。

本発明によれば、スムーズな発進を行うことができる。
実施例1の車両制御装置を適用した車両の制駆動系を示す構成図である。 実施例1の油圧ユニット31の油圧回路図である。 実施例1の駆動力配分変更部33cで実行される駆動トルク要求信号作成処理の流れを示すフローチャートである。 路面μ推定部33bによるμ推定値算出処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の駆動トルク要求信号作成作用を示すタイムチャートである。 実施例2の駆動力配分変更部33cで実行される駆動トルク要求信号作成処理の流れを示すフローチャートである。 旋回半径算出処理の流れを示すフローチャートである。 実施例2の駆動トルク要求信号作成作用を示すタイムチャートである。
以下、本発明の車両制御装置を実施するための形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
(実施例1)
まず、構成を説明する。
〔全体構成〕
図1は実施例1の車両制御装置を適用した車両の制駆動系を示す構成図、図2は実施例1の油圧ユニット(以下、HU)31の油圧回路図である。
実施例1の車両は、駆動源としてエンジン32を備え、エンジン32の駆動力を主駆動輪である前輪FL,FRに伝達しながら走行する2WD走行モードと、エンジン32の駆動力を前輪FL,FRおよび副駆動輪である後輪RL,RRに伝達しながら4WD走行モードとを切り替え可能なパートタイム4WD車両である。
HU31は、ブレーキコントロールユニット(ブレーキ制御手段であって、以下、ブレーキCU)33からの指令に基づいて左前輪FLのホイルシリンダW/C(FL)、右後輪RRのホイルシリンダW/C(RR)、右前輪FRのホイルシリンダW/C(FR)、左後輪RLのホイルシリンダW/C(RL)の各液圧の保持、増圧または減圧を行う。
ブレーキCU33は、各車輪速センサ34FL,34FR,34RL,34RRからの各情報と、エンジンコントロールユニット(以下、エンジンCU)35からCAN通信線36を通して得られる情報等に基づいて、制動制御実施の判断を行う。制動制御中は、ホイルシリンダ液圧の保持、増減圧指令を生成する。ブレーキCU33は、各センサの入力信号およびドライバのブレーキペダル操作状態等に基づいてドライバの操作に従う通常ブレーキ制御の演算と、アンチスキッドブレーキ制御(ABS)、車両挙動安定化制御(VDC)、車間距離制御および障害物回避制御等車両の情報を用いてタイヤのスリップや車両挙動を制御するための演算を行い、車両として必要な制動力(全ての輪)を算出し、各車輪に必要な制動力目標値を演算する。
ブレーキペダルBPは、ドライバが制動を行う場合に操作され、操作量に応じてHU31により各ホイルシリンダW/Cへブレーキ液が供給される。ストップランプスイッチSLSは、ドライバがブレーキペダルBPを一定の遊び量以上踏み込むことでONとなり、ストップランプ(不図示)を点灯する。ここで、一定の遊び量とは、マスタシリンダ液圧が立ち上がらないブレーキペダルBPの踏み込み量をいう。
各ホイルシリンダW/Cは、HU31から供給されるブレーキ液に応じて対応する各車輪に制動力を付与する。
エンジンCU35は、ドライバのアクセルペダルAPの操作量(アクセル開度)をアクセル開度センサ37で検出し、アクセル開度に応じてエンジン32のコントロールを行う。アクセルペダルAPは、ドライバの操作により車両の加減速コントロールを行う。
4WDコントロールユニット(以下、4WDCU)38は、ブレーキCU33からCAN通信線36を通して得られる前輪FL,FRの車輪速平均値と、後輪RL,RRの車輪速平均値(擬似車体速)との差、すなわち前輪FL,FRのスリップ量に応じて4WDカップリング(前後輪駆動力配分装置)39の4WD前後締結力を制御することで、前後輪のトルク配分を前輪駆動状態(100:0)から直結4WD(50:50)の間で連続的に可変する。
4WDカップリング39は、図外のトランスファーとリアディファレンシャルとの間に介装された、電磁クラッチを用いた電子制御式のカップリングであり、ソレノイド電流を変更することで後輪RL,RRへの駆動力伝達量を無段階にコントロールできる。
加速度センサ40は、車両前後方向の加速度を検出し、検出信号をブレーキCU33へ出力する。ここで、加速度センサ40は、路面勾配に応じた前後方向加速度を検出できるため、実施例1では、これを利用して勾配推定値の算出を行う。
舵角センサ(舵角検出手段)41は、ドライバにより操作されるハンドル(不図示)の操舵角を検出し、検出信号をブレーキCU33へ出力する。
〔油圧ユニットの回路構成〕
HU31は、P系統とS系統の2系統からなる、X配管と呼ばれる配管構造を有する。HU31のP系統には、左前輪のホイルシリンダW/C(FL)、右後輪のホイルシリンダW/C(RR)が接続され、S系統には、右前輪のホイルシリンダW/C(FR)、左後輪のホイルシリンダW/C(RL)が接続されている。また、P系統、S系統それぞれに、ポンプPPとポンプPSとが設けられ、このポンプPPとポンプPSは、1つのモータMによって駆動される。
マスタシリンダM/CとポンプPP,PS(以下、ポンプP)の吸入側とは、管路11P,11S(以下、管路11)によって接続されている。この各管路11上には、常閉型の電磁弁であるゲートインバルブ2P,2Sが設けられている。また、管路11上であって、ゲートインバルブ2P,2S(以下、ゲートインバルブ2)とポンプPとの間にはチェックバルブ6P,6S(以下、チェックバルブ6)が設けられ、この各チェックバルブ6は、ゲートインバルブ2からポンプPへ向かう方向へのブレーキ液の流れを許容し、反対方向の流れを禁止する。
各ポンプPの吐出側と各ホイルシリンダW/Cとは、管路12P,12S(以下、管路12)によって接続されている。この各管路12上には、各ホイルシリンダW/Cに対応する常開型の電磁弁であるソレノイドインバルブ4FL,4RR,4FR,4RL(以下、ソレノイドインバルブ4)が設けられている。また、各管路12上であって、各ソレノイドインバルブ4とポンプPとの間にはチェックバルブ7P,7S(以下、チェックバルブ7)が設けられて、この各チェックバルブ7は、ポンプPからソレノイドインバルブ4へ向かう方向へのブレーキ液の流れを許容し、反対方向の流れを禁止する。さらに、各管路12には、各ソレノイドインバルブ4を迂回する管路17FL,17RR,17FR,17RL(以下、管路17)が設けられ、この管路17には、チェックバルブ10FL,10RR,10FR,10RL(以下、チェックバルブ10)が設けられている。この各チェックバルブ10は、ホイルシリンダW/CからポンプPへ向かう方向へのブレーキ液の流れを許容し、反対方向の流れを禁止する。
マスタシリンダM/Cと管路12とは管路13P,13S(以下、管路13)によって接続され、管路12と管路13とはポンプPとソレノイドインバルブ4との間において合流する。この各管路13上には、常開型の電磁弁であるゲートアウトバルブ3P,3S(以下、ゲートアウトバルブ3)が設けられている。また各管路13には、各ゲートアウトバルブ3を迂回する管路18P,18S(以下、管路18)が設けられ、この管路18には、チェックバルブ9P,9S(以下、チェックバルブ9)が設けられている。この各チェックバルブ9は、マスタシリンダM/C側からホイルシリンダW/Cへ向かう方向のブレーキ液の流れを許容し、反対方向の流れを禁止する。
ポンプPの吸入側にはリザーバ16P,16S(以下、リザーバ16)が設けられ、このリザーバ16とポンプPとは管路15P,15S(以下、管路15)によって接続されている。リザーバ16とポンプPとの間にはチェックバルブ8P,8S(以下、チェックバルブ8)が設けられて、この各チェックバルブ8は、リザーバ16からポンプPへ向かう方向のブレーキ液の流れを許容し、反対方向の流れを禁止する。
ホイルシリンダW/Cと管路15とは管路14P,14S(以下、管路14)によって接続され、管路14と管路15とはチェックバルブ8とリザーバ16との間において合流する。この各管路14には、それぞれ常閉型の電磁弁であるソレノイドアウトバルブ5FL,5RR,5FR,5RL(以下、ソレノイドアウトバルブ5)が設けられている。
〔HSA制御〕
ブレーキCU33は、登坂路での発進時、ドライバがブレーキペダルBPからアクセルペダルAPに足を踏み替えた際に、各ホイルシリンダW/Cのブレーキ液圧を自動的に保持制御して車両のずり下がり(後退)を防止する、いわゆるヒルスタートエイド(HSA)制御を実施する。HSA制御は、所定のHSA開始条件の成立時、例えば、登坂路での停止時にドライバがブレーキペダルBPから足を話したときに開始し、所定のHSA終了条件の成立時、例えば、車両の発進が検出された場合に解除される。ブレーキCU33は、HSA制御の解除時、エンジンCU35に対し車両をスムーズに発進させるための駆動トルク要求信号を送り、エンジン32の出力トルクをコントロールする。
ブレーキCU33は、路面勾配推定部(路面勾配検出手段)33aと、路面μ推定部(路面μ検出手段)33bと、駆動力配分変更部(駆動力配分変更手段)33cと、を有する。路面勾配推定部33aは、加速度センサ40により検出された前後方向加速度に基づいて、路面勾配の推定値である勾配推定値を算出する。路面μ推定部33bは、前輪FL,FRの車輪速平均値の変化量(車輪速加速度)と、エンジン32の駆動力との関係に基づいて路面μの推定値であるμ推定値を算出する。μ推定値の算出方法については後述する。駆動力配分変更部33cは、HSA制御の解除時、勾配推定値またはμ推定値に応じた4WD前後締結力を算出し、4WDCU38に対し算出した4WD前後締結力となるように4WD前後締結力要求信号を送り、4WDカップリング39のクラッチ締結力をコントロールする。
〔駆動トルク要求信号作成処理〕
図3は、実施例1の駆動力配分変更部33cで実行される駆動トルク要求信号作成処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
ステップS1では、HSA制御中であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS2へ移行し、NOの場合にはステップS7へ移行する。
ステップS2では、ストップランプスイッチSLSがOFFであるか否かを判定する。YESの場合にはステップS3へ移行し、NOの場合にはステップS7へ移行する。
ステップS3では、アクセル開度が5%以上であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS4へ移行し、NOの場合にはステップS7へ移行する。
ステップS4では、車体速(擬似車体速)VIが2km/hよりも低いか否かを判定する。YESの場合にはステップS5へ移行し、NOの場合にはステップS7へ移行する。YESの場合にはステップS5へ移行し、NOの場合にはステップS7へ移行する。ここで、車体速VIは、後輪RL,RRの車輪速平均値としてもよいし、両車輪速のセレクトローとしてもよい。
ステップS5では、駆動トルクの下限値を決める最低駆動トルクリミッタ要求値を下記の式(1)を参照して算出し、ステップS6へ移行する。
最低駆動トルクリミッタ要求値
=(K1×勾配推定値×ギヤ比×タイヤ径)+XNm …(1)
ここで、K1は所定のゲイン、ギヤ比はエンジン32から前輪FL,FRまでの総ギヤ比、タイヤ径は前輪FL,FRのタイヤ径、XNmは所定のオフセット量である。
ステップS6では、4WD前後締結力を算出し、リターンへ移行する。ここで、4WD前後締結力は、下記の3つの算出方法のいずれかを用いることができる。
1 勾配推定値を用いる方法
勾配推定値に基づき、下記の式(2)を参照して4WD前後締結力を算出する。
4WD前後締結力=K2×勾配推定値 …(2)
ここで、K2は所定のゲインである。
2. 路面μ推定値を用いる方法
μ推定値に基づき、下記の式(3)を参照して4WD前後締結力を算出する。
4WD前後締結力=K3/μ推定値 …(3)
ここで、K3は、所定のゲインである。
図4は、路面μ推定部33bによるμ推定値算出処理の流れを示すフローチャートであり、ステップS11では、各車輪速の最大値が、車体速VIを10%増しした値に10km/hを加算した値よりも小さいか否かを判定する。YESの場合にはステップS12へ移行し、NOの場合にはリターンへ移行する。このステップでは、擬似車体速に対して10%+10km/h以上のスリップが発生する過スリップ状態であるか否かを確認し、過スリップ状態で無い場合にのみμ推定を行う。
ステップS12では、μ推定値を下記の式(4)を参照して算出し、リターンへ移行する。
μ推定値=max[0.1 , {(TENG×ギヤ比/タイヤ径)
−(タイヤイナーシャ×VWD30AVE×Kw)}/(車両重量×タイヤ径)] …(4)
ここで、TENGはエンジン32の出力トルク、VWD30AVEは4輪の車輪加速度平均値、Kwは所定のトルク比較変換係数である。
3. μ−4WD前後締結力テーブルを用いる方法
μ推定値に基づき、あらかじめ設定したμ−4WD前後締結力テーブルを参照して4WD前後締結力を算出する。テーブルは、例えば、μ推定値が低いほど4WD前後締結力が小さくなる特性とする。この方法では、μ推定値に対する4WD前後締結力を非線形特性とすることができる。
ステップS7では、最低駆動トルクリミッタ要求値を、前回値から所定値β1を減算した値とゼロとのセレクトハイにより設定し、ステップS8へ移行する。
ステップS8では、4WD前後締結力を0[Nm]とし、リターンへ移行する。
次に、作用を説明する。
〔前後輪駆動力配分による空転抑制作用〕
従来のHSA制御では、車輪の回転やアクセル開度、エンジントルク信号の検知によりドライバの発進意図を判断してブレーキ液圧などの制動力解除を行っている。ところが、運転スキルの低いドライバでは適度なアクセル操作やクラッチ操作を行うことができないため、制動力解除後のアクセル開度不足や急激なクラッチ操作によるエンスト、アクセル開度過大によるホイルスピンや急発進などのモードが発生するおそれがあった。
これに対し、実施例1のブレーキCU33は、登坂路での発進時、路面勾配、車両諸元、路面状況および運転操作に合わせて過不足なくスムーズに発進できる適当な駆動トルク(最低駆動トルクリミッタ要求値)をエンジンCU35に要求する。同時に、路面勾配や路面μに応じて4WDカップリング39の4WD前後締結力を変化させることにより、ドライバの操作負荷を軽減しつつ、急勾配や低μ路におけるスムーズな発進、加速を実現している。
図3の駆動トルク要求信号作成処理では、ステップS1でHSA制御中であると判定した場合、ステップS2,S3でストップランプスイッチ信号、アクセル開度信号をそれぞれ確認し、ブレーキ解除後にアクセルONである場合、ドライバに加速意思があると判断し、ステップS4へ進む。ブレーキが解除されていない場合またはアクセルOFFの場合はドライバに加速意思が無いと判断してステップS7へ進み、ステップS7で最低駆動トルクリミッタ要求値をゼロ、ステップS8で4WD前後締結力をゼロとする。
ドライバに加速意思があると判断した場合、ステップS4で車体速信号を確認し、車体速VIが2km/h以上である場合には発進直後と判断してステップS7へと進み、最低駆動トルクリミッタ要求値および4WD前後締結力を共にゼロとする。車体速VIが2km/h未満である場合は発進時と判断してステップS5へ進み、勾配推定値、車両重量、ギヤ比、タイヤ径などより加速可能駆動トルクを求め、加速可能駆動トルクにオフセット量としてXNmの余裕を付与し、最低駆動トルクリミッタ要求値とする。続くステップS6では、4WD前後締結力を、勾配推定値またはμ推定値に応じた値となるように設定し、エンジンCU35および4WDCU38に対しCAN通信線36を介して要求を行う。
図5は、実施例1の駆動トルク要求信号作成作用を示すタイムチャートである。この例は、発進時に急勾配で前輪荷重が小さい、または圧雪や氷結の路面で主駆動輪(前輪)がホイルスピンしやすい場面での動作であり、実線は実施例1の動作、破線は実施例1の駆動トルク要求信号作成処理を適用しない場合の動作を示す。
時点t1では、HSAが作動し、時点t2では、ストップランプスイッチOFF、アクセル開度≧5%、車体速<2km/hから車両発進を検出してHSAのブレーキ液圧の解除と同時にエンジンCU35に対しCAN信号により最低駆動トルクリミッタ要求信号を送信することにより、不足している駆動トルクを確保する。同時に、4WDCU38に対しCAN信号により路面勾配やμ推定値に応じた4WD前後締結力要求信号を送信する。4WD前後締結力は、路面勾配が大きいほど、または路面μが低いほど大きくなるように設定する。ここで、実施例1の駆動トルク要求信号作成処理を適用しない場合、前輪FL,FRの空転による発進、加速不良が発生する。一方、前輪FL,FRの空転を抑えるために、エンジントルクを絞ると、発進時にもたつき感が発生するおそれがある。これに対し、実施例1の駆動トルク要求信号作成処理を適用した場合、μ推定値に応じた駆動力が後輪RL,RRに配分されるため、前輪FL,FRの空転による発進、加速不良を抑制できる。よって、急勾配や低μ路であってもスムーズな発進、加速を実現できる。
次に、効果を説明する。
実施例1の車両制御装置では、以下に列挙する効果を奏する。
(1) ドライバのブレーキペダル操作無しでもホイルシリンダ液圧を保持し所定のHSA終了条件が成立したときに液圧を減圧するブレーキCUと、エンジン32の駆動力を前輪FL,FRと後輪RL,RRとに対して任意の割合で配分可能な4WDカップリング39と、HSA終了条件が成立したとき、後輪RL,RRへの駆動力配分量を増加させる駆動力配分変更部33cと、を備えた。これにより、急勾配や低μ路等において、主駆動輪である前輪FL,FRの空転を抑制し、スムーズな発進、加速を実現できる。
(2) 勾配推定値を算出する路面勾配推定部33aおよびμ推定値を算出する路面μ推定部33bを備え、駆動力配分変更部33cは、算出された勾配推定値が大きいほど、または算出されたμ推定値が小さいほど、左右後輪RL,RRへの駆動力配分量を増加させる。これにより、勾配や路面μに応じたスムーズな加速を実現できる。
(実施例2)
実施例2の車両制御装置は、タイトコーナーブレーキング現象の抑制を目的とし、旋回半径に応じて4WD前後締結力の上限を制限する例である。
以下、実施例1と異なる構成について説明する。
〔駆動トルク要求信号作成処理〕
図6は、実施例2の駆動力配分変更部33cで実行される駆動トルク要求信号作成処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、図3に示した実施例1と同じ処理を行うステップには、同じステップ番号を付して説明を省略する。
ステップS21では、旋回半径に応じた4WD前後締結力の上限値である4WD前後締結力リミッタTRLIMを設定し、ステップS22へ移行する。4WD前後締結力リミッタTRLIMは、旋回半径が所定値R1以下の場合にはゼロ、旋回半径がR1とR2(>R1)の間にある場合には旋回半径が大きくなるほど大きくし、旋回半径がR2以上の場合には一定の最大値とする。ここで、R2は、タイトコーナーブレーキング現象の影響がほとんど無い旋回半径とする。
図7は、旋回半径算出処理の流れを示すフローチャートで、ステップS31では、図4のステップS11と同様、各車輪速の最大値が、車体速VIを10%増しした値に10km/hを加算した値よりも小さいか否かを判定する。YESの場合にはステップS32へ移行し、NOの場合にはリターンへ移行する。
ステップS32では、旋回半径を下記の式(5)を参照して算出し、リターンへ移行する。
旋回半径=max[655m , KR×操舵角 , {トレッド長×(min(VWRR,VWRL)/(|VWRR−VWRL|))}] …(5)
ここで、KRは所定の操舵角−旋回半径変換係数、VWRRは右後輪RRの車輪速、VWRLは左後輪RLの車輪速である。
つまり、ステップS32では、所定の旋回半径(655m)と、トレッド長と左右車輪速差(|VWRR−VWRL|)から求めた旋回半径と、操舵角から求めた旋回半径とのセレクトローにより旋回半径を決めている。
ステップS22では、4WD前後締結力を算出し、リターンへ移行する。ここで、4WD前後締結力は実施例1で述べた3つの方法のいずれかで求めた値と、ステップS11で算出した4WD前後締結力リミッタTRLIMとのセレクトローにより設定する。
次に、作用を説明する。
〔後輪駆動力配分制限によるタイトコーナーブレーキング現象抑制作用〕
実施例1の車両は、パートタイム4WD車両であり、センターデフを有していない。センターデフの無い車両が4WD走行モードで走行する際、雪道や未舗装路などで、タイヤにスリップが発生しないと、旋回時、特に急旋回時において、前輪と後輪の間に回転差が生じ、旋回距離が短くなる後輪が前輪を押してしまう形で抵抗となり、その結果として、ギクシャクした挙動があらわれる、いわゆる「タイトコーナーブレーキング現象」が発生する。この現象は、加速不良や乗り心地の悪化を招くだけでなく、タイヤの偏摩耗、駆動系のトラブル等の原因となる。
この対策として、実施例2では、旋回半径に応じて4WD前後締結力の上限を制限する4WD前後締結力リミッタTRLIMを小さくする。図6の駆動トルク要求信号作成処理では、ステップS5で最低駆動トルクリミッタ要求値を算出した後、ステップS21で旋回半径に応じた4WD前後締結力リミッタTRLIMを設定し、ステップS22で算出する4WD前後締結力を、4WD前後締結力リミッタTRLIMで制限している。
図8は、実施例2の駆動トルク要求信号作成作用を示すタイムチャートであり、実線は実施例2の動作、破線は実施例2の駆動トルク要求信号作成処理を適用しない場合の動作を示す。
時点t1および時点t2は、図5に示した実施例1と同様であるため、説明を省略する。
時点t3では、ドライバがハンドルの切り増しを開始したため、時点t3以降では、旋回半径が大きくなるに従って4WD前後締結力を減少させる。ここで、実施例2の駆動トルク要求信号作成処理を適用しない場合、タイトコーナーブレーキング現象の影響による加速不良が発生する。これに対し、実施例2の駆動トルク要求信号作成処理では、旋回半径が小さいほど後輪RL,RRへの駆動力配分量を減少させることで、前輪FL,FRと後輪RL,RRの間の回転差を小さくする。このため、旋回半径にかかわらず、タイトコーナーブレーキング現象の発生を抑制できる。
次に、効果を説明する。
実施例2の車両制御装置では、実施例1の効果(1),(2)に加え、以下の効果を奏する。
(3) ハンドルの操舵角を検出する舵角センサ41を備え、駆動力配分変更部33cは、操舵角から算出した旋回半径が小さいほど、後輪RL,RRへの駆動力配分量を減少させる。これにより、タイトコーナーブレーキング現象の発生を抑えることができ、乗り心地の悪化やタイヤの偏摩耗等のトラブルを抑制できる。
(他の実施例)
以上、本発明を実施するための形態を、実施例に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例に示した構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、実施例1では、勾配推定値を算出する路面勾配検出手段としての路面勾配推定部33aと、μ推定値を算出する路面μ検出手段としての路面μ推定部33bを共に設けた例を示したが、路面勾配検出手段と路面μ検出手段の一方のみを設けた構成としてもよい。
実施例2では、舵角検出手段としてハンドルの操舵角から旋回半径を算出する舵角センサ41を設けた例を示したが、舵角検出手段としては、操向輪(前輪)の転舵角を検出する転舵角センサを設け、転舵角に所定の係数を乗算して旋回半径を求めてもよい。
各実施例では、駆動源としてエンジン32を有する車両について説明したが、本発明は、駆動源として電動モータを有する電気自動車およびハイブリッド車両にも適用でき、急勾配や低μ路であってもスムーズな発進、加速を実現できる。
BP ブレーキペダル
32 エンジン(駆動源)
33 ブレーキCU(ブレーキ制御手段)
33c 駆動力配分変更部(駆動力配分変更手段)
39 4WDカップリング(前後輪駆動力配分装置)

Claims (3)

  1. ドライバのブレーキペダル操作無しでもホイルシリンダ液圧を保持し所定の条件が成立したときに前記液圧を減圧するブレーキ制御手段と、
    駆動源の駆動力を主駆動輪と副駆動輪とに対して任意の割合で配分可能な前後輪駆動力配分装置と、
    前記駆動源の駆動力の下限値を設定し、設定した下限値を駆動源へ要求する最低駆動力要求手段と、
    前記所定の条件が成立したとき、前記副駆動輪への駆動力配分量を増加させる駆動力配分変更手段と、
    を備えたことを特徴とする車両制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両制御装置において、
    車両の走行中の路面勾配を検出する路面勾配検出手段および/または走行中の路面μを検出する路面μ検出手段を備え、
    前記駆動力配分変更手段は、検出された勾配が所定の勾配よりも大きい場合および/または検出された路面μが所定の路面μよりも低い場合には、それ以外の場合よりも前記副駆動輪への駆動力配分量を増加させることを特徴とする車両制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両制御装置において、
    操向輪またはハンドルの舵角を検出する舵角検出手段を備え、
    前記駆動力配分変更手段は、前記副駆動輪への駆動力配分量を増加させた場合に検出された舵角が所定の舵角よりも大きくなったときは、それ以外の場合よりも前記副駆動輪への駆動力配分量を減少させることを特徴とする車両制御装置。
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