JP5138624B2 - 車両挙動制御装置 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、運転者の意図する旋回挙動を実現できる車両挙動制御装置を提供することにある。
図1は、実施例1の車両の構成図である。
ブレーキユニット101は、ブレーキECU102の指令により、各車輪FL,FR,RL,RRに設けられたホイルシリンダ103FL,103FR,103RL,103RRのブレーキ液圧をコントロールする。ブレーキユニット101とブレーキECU102により、各輪に対し独立して制動力を付与可能なブレーキ制御装置を構成する。
エンジンCU104は、アクセル開度センサ105により検出された運転者のアクセルペダルAPの操作量に応じたエンジントルクを発生させるように、エンジン106をコントロールする。
エンジン106の出力トルクは、図外のトランスファにより左右前輪(主駆動輪)FL,FRの駆動軸107とプロペラシャフト108とに分配する。プロペラシャフト108と左右後輪(副駆動輪)RL,RRとの間には、4WDカップリング109を介装する。この4WDカップリング109は、プロペラシャフト108と左右駆動軸110L,110Rとを断接する左右クラッチ(不図示)を有し、4WDECU111の指令に応じてクラッチを締結または解放することで、左右後輪へ独立して動力を伝達可能である。トランスファとプロペラシャフト108と4WDカップリング109と4WDECU111により、駆動力を車両の左右前輪または左右後輪の一方の主駆動輪と他方の副駆動輪へトルク配分制御を行い、副駆動輪に対しては左右輪に対し独立して駆動力を付与可能な駆動力配分制御装置を構成する。
ITSCU117は、レーダ118、カメラやナビゲーションシステム等から得られる情報(例えば、先行車、障害物等の情報)を入力し、運転者の運転支援を行うべく、車内通信線119を介してブレーキECU102、エンジンCU104等に情報や指令を出力する。
CVTCU120は、エンジンCU104やブレーキECU102からの指令に応じて図外のベルト式無段変速機を制御する。
ブレーキECU102は、各センサ信号に基づいて、アンチスキッドブレーキ制御(ABS)、車間距離制御(ACC)、車線逸脱防止制御(LDP)、自動ブレーキ制御等の制御目標値を演算し、ブレーキユニット101を制御し、必要に応じてエンジンCU104や4WDECU111等に対し指令を出力する。
図2は、実施例1のブレーキユニット101の油圧回路図であり、実施例1の油圧回路は、P系統とS系統の2系統からなる、X配管と呼ばれる配管構造を有する。
P系統には、左前輪のホイルシリンダ103FL、右後輪のホイルシリンダ103RRを接続し、S系統には、右前輪のホイルシリンダ103FR、左後輪のホイルシリンダ103RLを接続する。また、P系統、S系統それぞれに、ポンプPPとポンプPSとを設け、これらポンプPP,PSは、1つの電動モータMにより駆動する。実施例1では、モータMとして、DCブラシモータを用いる。以下、各ホイルシリンダ103FL,103FR,103RL,103RRをまとめてホイルシリンダ103ともいう。
マスタシリンダM/CとポンプPP,PS(以下、ポンプP)の吸入側とは、管路11P,11S(以下、管路11)により接続する。この各管路11上には、常閉型の電磁弁であるゲートインバルブ2P,2Sを設ける。マスタシリンダM/Cとゲートインバルブ2Pとの間には、上記マスタシリンダ圧センサ126を配置する。
また、管路11上であって、ゲートインバルブ2P,2S(以下、ゲートインバルブ2)とポンプPとの間にはチェックバルブ6P,6S(以下、チェックバルブ6)を設け、この各チェックバルブ6は、ゲートインバルブ2からポンプPへ向かう方向へのブレーキ液の流れを許容し、反対方向の流れを禁止する。
また、各管路12上であって、各ソレノイドインバルブ4とポンプPとの間にはチェックバルブ7P,7S(以下、チェックバルブ7)を設け、この各チェックバルブ7は、ポンプPからソレノイドインバルブ4へ向かう方向へのブレーキ液の流れを許容し、反対方向の流れを禁止する。
さらに、各管路12には、各ソレノイドインバルブ4を迂回する管路17FL,17RR,17FR,17RL(以下、管路17)を設け、この管路17には、チェックバルブ10FL,10RR,10FR,10RL(以下、チェックバルブ10)を設ける。この各チェックバルブ10は、ホイルシリンダ103からポンプPへ向かう方向へのブレーキ液の流れを許容し、反対方向の流れを禁止する。
また各管路13には、各ゲートアウトバルブ3を迂回する管路18P,18S(以下、管路18)を設け、この管路18には、チェックバルブ9P,9S(以下、チェックバルブ9)を設ける。この各チェックバルブ9は、マスタシリンダM/C側からホイルシリンダ103へ向かう方向のブレーキ液の流れを許容し、反対方向の流れを禁止する。
ポンプPの吸入側にはリザーバ16P,16S(以下、リザーバ16)を設け、このリザーバ16とポンプPとは管路15P,15S(以下、管路15)により接続する。リザーバ16とポンプPとの間にはチェックバルブ8P,8S(以下、チェックバルブ8)を設け、この各チェックバルブ8は、リザーバ16からポンプPへ向かう方向のブレーキ液の流れを許容し、反対方向の流れを禁止する。
ホイルシリンダ103と管路15とは管路14P,14S(以下、管路14)により接続し、管路14と管路15とはチェックバルブ8とリザーバ16との間において合流する。この各管路14には、それぞれ常閉型の電磁弁であるソレノイドアウトバルブ5FL,5RR,5FR,5RLを設ける。
ブレーキECU102は、ゲートインバルブ2、ゲートアウトバルブ3、ソレノイドインバルブ4、ソレノイドアウトバルブ5およびモータMの作動を制御することで、各輪FL,FR,RL,RRに付与する制動力をそれぞれ独立に調整できる。
図3は、実施例1のブレーキECU102の車両挙動制御ブロック図である。
ヨーレイト・ヨーレイト変化量算出部(ヨー検出部,車両挙動検出部)301は、ヨーレイトセンサ122の出力からヨーレイトおよびヨーレイト変化量を算出する。
舵角・舵角速度算出部302は、操舵角センサ121の出力から舵角(操舵角)および舵角速度を算出する。
横加速度算出部303は、横加速度センサ123の出力から横加速度を算出する。
車体速算出部305は、各車輪速センサ124FL,124FR,124RL,124RRの出力から車体速を算出する。
ギア位置算出部306は、車体速、エンジン回転数およびギア位置信号からギア位置およびギア比を算出する。
目標ヨーレイト算出部(目標ヨー演算部)307は、車体速、舵角、舵角速度、横加速度およびヨーレイト変化量から目標ヨーレイトを生成する。詳細については後述する。
ヨーレイト偏差算出部309は、目標ヨーレイトとヨーレイト・ヨーレイト変化量算出部301により算出されたヨーレイト(以下、実ヨーレイト)との偏差を算出する。
車両挙動状態判断部(車両状態判断部)310は、車両挙動状態判断閾値算出部308で算出した閾値とヨーレイト偏差算出部309で算出した目標ヨーレイトと実ヨーレイトとの偏差の絶対値とを比較し、車両の挙動を判断する。実施例1では、挙動判断として、車両の旋回挙動を、ニュートラルステア(NS)、弱US(第1のアンダーステア)、US(第2のアンダーステア、第1の車両挙動)、強US(第3のアンダーステア、第2の車両挙動)、弱OS(第1のオーバーステア)、OS(第2のオーバーステア、第1の車両挙動)、強OS(第3のオーバーステア、第2の車両挙動)のいずれかに分類する。詳細については後述する。
目標制動力算出部(ブレーキ制御部)312は、車両挙動状態判断部310の判断結果等に応じてブレーキユニット101に対し各車輪の目標制動力を出力する。詳細については後述する。
目標エンジントルク算出部313は、車両挙動状態判断部310の判断結果等に応じてエンジンCU104に対し目標エンジントルクを出力する。詳細については後述する。
図4は、目標ヨーレイト算出部307の制御ブロック図である。
目標ヨーレイト生値算出部401は、舵角、車体速、横加速度に基づいて、目標ヨーレイト生値を生成する。目標ヨーレイト生値は、運転者がどの程度の挙動を要求しているかを示す値であるため、同一車体速で舵角または横加速度が大きいときに目標ヨーレイトが大きくなるような値とする。また、同一舵角または横加速度の際、車体速が高くなるに従い、目標ヨーレイトが大きくなるような値とする。また、目標ヨーレイト生値は、完全にグリップ状態で走行した際の実ヨーレイトと同一値となることが望ましいが、車両特性に合わせて変更することができるものとする。
舵角速度ゲイン設定部402は、舵角速度に応じた目標ヨーレイトを設定するためのゲインを設定する。舵角速度が高い場合には、運転者が早い挙動を要求していると判断できるため、舵角速度の絶対値(右転舵時の舵角速度を正としたとき、左転舵時の舵角速度は負となるため)が大きいほど、ゲインを大きな値とする。なお、ゲインには上限値を設ける。
目標ヨーレイトリミッタ前値1算出部403は、目標ヨーレイト生値算出部401で算出された目標ヨーレイト生値と、舵角速度ゲイン設定部402で設定されたゲインとを乗算して目標ヨーレイトリミッタ前値1を算出する。
目標ヨーレイト変化量リミッタ算出部405は、横加速度に応じた目標ヨーレイト変化量リミッタを設定する。これは、目標ヨーレイトの変化量が大きくなった場合、車両挙動を乱すおそれがあるため、その路面状況に合わせた変化量を設定するためである。目標ヨーレイト変化量リミッタは、横加速度が所定値以下の場合は最小値とし、所定値を超えた場合は横加速度が高いほど大きな値とする。
目標ヨーレイト最大値算出部406は、横加速度に応じた目標ヨーレイト最大値を設定する。これは、その路面で得られる横加速度が最大となっていた場合、目標ヨーレイトを大きくしても運転者が要求するヨーレイトを実現できないおそれがあると共に、実ヨーレイトと目標ヨーレイトとの差が大きくなり過ぎることで、各ユニットに対する制御目標値が大きくなり、車両挙動を乱すおそれがあるためである。目標ヨーレイト最大値は、横加速度が大きいほど大きな値とする。
目標ヨーレイト変化量リミッタ処理部407は、目標ヨーレイト変化量リミッタ算出部405で設定された目標ヨーレイト変化量リミッタと、目標ヨーレイト偏差算出部404で算出された目標ヨーレイト偏差とのセレクトロー(値の小さな方を選択する)により目標ヨーレイト変化量を決定する。目標ヨーレイト変化量にリミッタを設定する理由は、リミッタを設定しないことにより各システムの制御量が増加し、横加速度に対して実ヨーレイト変化量が大きくなり過ぎ、運転者に不安感を与えたり、車両挙動が乱れたりするのを防止するためである。ただし、横加速度に対し、実ヨーレイトの変化量が大きいと判断された場合、車両の挙動が乱れる可能性が高いため、目標ヨーレイト変化量は、算出された値よりも小さい値または目標ヨーレイト変化量をゼロ以下となるように設定する。
目標ヨーレイトリミッタ処理部409は、目標ヨーレイトリミッタ前値2算出部408で算出された目標ヨーレイトリミッタ前値2と、目標ヨーレイト最大値算出部406で算出された目標ヨーレイト最大値とのセレクトローにより、目標ヨーレイトを決定する。これにより、横加速度で最適な目標ヨーレイトを設定することが可能となり、不要な車両挙動の乱れを防止できる。
図5は、目標エンジントルク算出部313の制御ブロック図である。
目標エンジントルク基準値算出部501は、ヨーレイト偏差から目標エンジントルクの基準値を求める。目標エンジントルクは、OS時とUS時では、その挙動を抑制するためのヨーモーメント量が異なるため、別の値を設定できるものとし、その切り替えは、挙動判断により実施する。
ギア比ゲイン設定部502は、ギア比に応じた目標エンジントルクのゲインを設定する。ギアにより車輪の駆動トルクが変化するからである。目標エンジントルク基準値算出部501と同様、車両挙動により、その値を切り替えることができるようにする。
アクセル開度ゲイン設定部503は、アクセル開度に応じた目標エンジントルクのゲインを設定する。アクセル開度が大きいときは、運転者が大きなトルクを要求していると判断できるため、ゲインを大きく設定することを基本とするが、車両特性に応じた変更してもよい。目標エンジントルク基準値算出部501と同様、車両挙動により、その値を切り替えることができるようにする。
目標エンジントルク生値算出部504は、目標エンジントルク基準値算出部501で算出された目標エンジントルクの基準値と、ギア比ゲイン設定部502で算出されたギア比に応じたゲインと、アクセル開度ゲイン設定部503で算出されたアクセル開度に応じたゲインとを乗算し、目標エンジントルク生値を算出する。
目標エンジントルクリミッタ前値算出部506は、目標エンジントルク生値算出部504で算出された目標エンジントルク生値と、目標エンジントルクリミッタ算出部505で算出されたリミッタ値とのセレクトローにより、目標エンジントルクリミッタ前値を決定する。
目標エンジントルクリミッタ値設定部507は、エンジン回転数により決定する目標エンジントルクリミッタ値を設定する。このリミッタ値は、エンジン特性により決定される、回転数毎の最大トルクを設定する。
目標エンジントルクリミッタ処理部508は、目標エンジントルクリミッタ前値算出部506で算出された目標エンジントルクリミッタ前値と、目標エンジントルクリミッタ値設定部507で算出された目標エンジントルクリミッタ値とのセレクトローにより、最終的な目標エンジントルクを決定する。
図6は、駆動力配分算出部311の制御ブロック図である。
目標締結力基準値算出部601は、目標締結力の基準値をヨーレイト偏差から求める。目標締結力は、OS時とUS時では、その挙動を抑制するためのヨーモーメント量が異なるため、別の値を設定できるものとし、その切り替えは、挙動判断により実施する。
横加速度ゲイン設定部602は、横加速度に応じた目標締結力のゲインを設定する。横加速度が小さい場合、締結力を強くしても、その効果が充分に発揮できないからである。ここでは、ゲインは横加速度が大きい場合に大きくすることを基本とするが、車両特性に応じて変更してもよい。目標締結力基準値算出部601と同様、車両の挙動によりその値を切り替えられるようにする。
アクセル開度ゲイン設定部603は、アクセル開度に応じた目標締結力のゲインを設定する。アクセル開度が大きいときは、運転者が大きな駆動トルクを要求していると判断できるため、ゲインを大きく設定することを基本とするが、車両特性に応じて変更してもよい。目標締結力基準値算出部601と同様、車両の挙動によりその値を切り替えられるようにする。
ギア比ゲイン設定部604は、ギア比に応じた目標締結力のゲインを設定する。ギア比により車輪に伝わる駆動トルクが変化するからである。目標締結力基準値算出部601と同様、車両の挙動によりその値を切り替えられるようにする。
目標締結力偏差算出部606は、目標締結力生値算出部605で算出された目標締結力生値と目標締結力現在値との偏差である目標締結力偏差を算出する。ここで算出された偏差が所定値よりも大きい場合は、所定値に固定される。実施例1では、偏差の最大値を所定値としたが、例えば、路面μや車体速等で変更できるようにしてもよい。
目標締結力リミッタ前値算出部607は、目標締結力偏差算出部606で算出された目標締結力偏差と目標締結力前回値とを加算し、目標締結力リミッタ前値を算出する。
締結力最大値設定部608は、車体速に基づいて4WDカップリング109の最大値を設定する。車体速が高くなるに従い、駆動トルクを伝達するために必要な締結力が小さくなるため、最大値は車体速が高くなるほど小さな値とする。
目標締結力リミッタ処理部609は、目標締結力リミッタ前値算出部607により算出された目標締結力リミッタ前値と、締結力最大値設定部608により算出された締結力最大値とのセレクトローにより、目標締結力を決定する。
図7,8は、実施例1の車両挙動状態判断部310で実行される車両挙動状態判断処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
ステップS101では、ヨーレイトに基づいて右旋回中であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS102へ移行し、NOの場合にはステップS109へ移行する。
ステップS102では、実ヨーレイトが目標ヨーレイトよりも小さいか否かを判定する。YESの場合にはステップS103へ移行し、NOの場合にはステップS106へ移行する。
ステップS103では、目標ヨーレイトと実ヨーレイトとの偏差の絶対値が弱US判断閾値よりも小さいか否かを判定する。YESの場合にはステップS116へ移行し、NOの場合にはステップS104へ移行する。なお、以下の説明では、目標ヨーレイトと実ヨーレイトとの偏差の絶対値を、単に偏差という。
ステップS104では、偏差がUS判断閾値よりも小さいか否かを判定する。YESの場合にはステップS117へ移行し、NOの場合にはステップS105へ移行する。
ステップS105では、偏差が強US判断閾値よりも小さいか否かを判定する。YESの場合にはステップS118へ移行し、NOの場合にはステップS119へ移行する。
ステップS106では、偏差が弱OS判断閾値よりも小さいか否かを判定する。YESの場合にはステップS120へ移行し、NOの場合にはステップS107へ移行する。
ステップS107では、偏差がOS判断閾値よりも小さいか否かを判定する。YESの場合にはステップS121へ移行し、NOの場合にはステップS108へ移行する。
ステップS108では、偏差が強OS判断閾値よりも小さいか否かを判定する。YESの場合にはステップS122へ移行し、NOの場合にはステップS123へ移行する。
ステップS110では、偏差が弱US判断閾値よりも小さいか否かを判定する。YESの場合にはステップS124へ移行し、NOの場合にはステップS111へ移行する。
ステップS111では、偏差がUS判断閾値よりも小さいか否かを判定する。YESの場合にはステップS125へ移行し、NOの場合にはステップS112へ移行する。
ステップS112では、偏差が強US判断閾値よりも小さいか否かを判定する。YESの場合にはステップS126へ移行し、NOの場合にはステップS127へ移行する。
ステップS113では、偏差が弱OS判断閾値よりも小さいか否かを判定する。YESの場合にはステップS128へ移行し、NOの場合にはステップS114へ移行する。
ステップS114では、偏差がOS判断閾値よりも小さいか否かを判定する。YESの場合にはステップS129へ移行し、NOの場合には、ステップS115へ移行する。
ステップS115では、偏差が強OS判断閾値よりも小さいか否かを判定する。YESの場合にはステップS130へ移行し、NOの場合にはステップS131へ移行する。
ステップS117では、車両挙動を「弱US」と判断し、リターンへ移行する。「弱US」と判断された場合の制御モードは、「弱USモード」となる。「弱USモード」では、駆動力配分算出部311において、4WDカップリング109の左駆動軸110L側のクラッチ締結力を高めて左後輪RLにエンジントルクを伝達する。
ステップS118(第1の挙動安定ステップ)では、車両挙動を「US」と判断し、リターンへ移行する。「US」と判断された場合の制御モードは、「USモード」となる。「USモード」では、目標制動力算出部312において、旋回内輪(右前輪FR,右後輪RR)の制動力を増加させると共に、目標エンジントルク算出部313において、エンジン106のトルクダウンを行う。
ステップS119(第2の挙動安定ステップ)では、車両挙動を「強US」と判断し、リターンへ移行する。「強US」と判断された場合の制御モードは、「強USモード」となる。「強USモード」では、駆動力配分算出部311において、4WDカップリング109の左駆動軸110L側のクラッチ締結力を高めて左後輪RLにエンジントルクを伝達すると共に、目標制動力算出部312において、旋回内輪(右前輪FR,右後輪RR)の制動力を増加させ、さらに目標エンジントルク算出部313において、エンジン106のトルクアップを行う。
ステップS121では、車両挙動を「弱OS」と判断し、リターンへ移行する。「弱OS」と判断された場合の制御モードは、「弱OSモード」となる。「弱OSモード」では、駆動力配分算出部311において、4WDカップリング109の右駆動軸110R側のクラッチ締結力を高めて右後輪RRにエンジントルクを伝達する。
ステップS122(第1の挙動安定ステップ)では、車両挙動を「OS」と判断し、リターンへ移行する。「OS」と判断された場合の制御モードは、「OSモード」となる。「OSモード」では、目標制動力算出部312において、旋回外輪(左前輪FL,左後輪RL)の制動力を増加させ。
ステップS123(第2の挙動安定ステップ)では、車両挙動を「強OS」と判断し、リターンへ移行する。「強OS」と判断された場合の制御モードは、「強OSモード」となる。「強OSモード」では、駆動力配分算出部311において、4WDカップリング109の右駆動軸110R側のクラッチ締結力を高めて右後輪RRにエンジントルクを伝達すると共に、目標制動力算出部312において、旋回外輪(左前輪FL,左後輪RL)の制動力を増加させ、さらに目標エンジントルク算出部313において、エンジン106のトルクアップを行う。
ステップS125では、車両挙動を「弱US」と判断し、リターンへ移行する。「弱US」と判断された場合の制御モードは、「弱USモード」となる。「弱USモード」では、駆動力配分算出部311において、4WDカップリング109の右駆動軸110R側のクラッチ締結力を高めて右後輪RRにエンジントルクを伝達する。
ステップS126(第1の挙動安定ステップ)では、車両挙動を「US」と判断し、リターンへ移行する。「US」と判断された場合の制御モードは、「USモード」となる。「USモード」では、目標制動力算出部312において、旋回内輪(左前輪FL,左後輪RL)の制動力を増加させると共に、目標エンジントルク算出部313において、エンジン106のトルクダウンを行う。
ステップS127(第2の挙動安定ステップ)では、車両挙動を「強US」と判断し、リターンへ移行する。「強US」と判断された場合の制御モードは、「強USモード」となる。「強USモード」では、駆動力配分算出部311において、4WDカップリング109の右駆動軸110R側のクラッチ締結力を高めて右後輪RRにエンジントルクを伝達すると共に、目標制動力算出部312において、旋回内輪(左前輪FL,左後輪RL)の制動力を増加させ、さらに目標エンジントルク算出部313において、エンジン106のトルクアップを行う。
ステップS129では、車両挙動を「弱OS」と判断し、リターンへ移行する。「弱OS」と判断された場合の制御モードは、「弱OSモード」となる。「弱OSモード」では、駆動力配分算出部311において、4WDカップリング109の左駆動軸110L側のクラッチ締結力を高めて左後輪RLにエンジントルクを伝達する。
ステップS130(第1の挙動安定ステップ)では、車両挙動を「OS」と判断し、リターンへ移行する。「OS」と判断された場合の制御モードは、「OSモード」となる。「OSモード」では、目標制動力算出部312において、旋回外輪(右前輪FR,右後輪RR)の制動力を増加させ。
ステップS131(第2の挙動安定ステップ)では、車両挙動を「強OS」と判断し、リターンへ移行する。「強OS」と判断された場合の制御モードは、「強OSモード」となる。「強OSモード」では、駆動力配分算出部311において、4WDカップリング109の左駆動軸110L側のクラッチ締結力を高めて左後輪RLにエンジントルクを伝達すると共に、目標制動力算出部312において、旋回外輪(右前輪FR,右後輪RR)の制動力を増加させ、さらに目標エンジントルク算出部313において、エンジン106のトルクアップを行う。
図9は、実施例1の車両挙動制御作用を示す、運転者が障害物回避操舵(右操舵)を行ったときの舵角、目標ヨーレイトおよび実ヨーレイトのタイムチャートである。
右転舵開始初期は、目標ヨーレイトに対して実ヨーレイトが小さい状態(US)となり、転舵角が大きくなるに従い、目標ヨーレイトと実ヨーレイトとの偏差が大きくなる。
時点t1以前では、実ヨーレイトが目標ヨーレイトよりも小さく、偏差が弱US判断閾値よりも小さいため、図7のフローチャートにおいて、ステップS101→ステップS102→ステップS103→ステップS116へと進む流れとなる。制御モードは、「NSモード」であるため、非制御とする(図10(a))。
時点t1では、偏差が弱US判断閾値以上、かつ、US判断閾値よりも小さいため、図7のフローチャートにおいて、ステップS101→ステップS102→ステップS103→ステップS104→ステップS117へと進む流れとなる。制御モードは、「NSモード」から「弱USモード」へと遷移するため、4WDカップリング109の左駆動軸110L側のクラッチ締結力を高めて左後輪RLにエンジントルクを伝達する(図10(b))。
車両挙動が「弱US」の場合、実ヨーレイトを目標ヨーレイトに一致させるために必要となるヨーモーメント量は小さい。そこで、「弱USモード」では、左右後輪RL,RRのうち旋回外輪(左後輪RL)にのみエンジントルクの一部を配分することで、車体速を変動させることなくヨーモーメント量を増加させ、必要なヨーモーメント量を確保できる。よって、運転者に車体速の変動に伴う違和感を与えることなく、旋回性能を高めることができる。
車両挙動が「US」の場合、必要となるヨーモーメント量が大きくなるため「弱USモード」による後輪の旋回外輪に駆動力を配分するだけでは、ヨーモーメント量が不足する。これに対し、「USモード」では、エンジントルクダウンにより左右前輪FL,FRの前後力が小さくなるため、左右前輪FL,FRが発生可能な横力を大きくでき、タイヤ横力の飽和を抑制できる。また、旋回内輪の制動力を増加させることで、左右制動力差によりヨーモーメント量を増加させ、必要なヨーモーメント量を確保できる。よって、旋回半径を小さくできるため、旋回性能を高めることができる。
車両挙動が「強US」の場合、「USモード」によるエンジントルクダウンと左右制動力差では、ヨーモーメント量が不足するため、「強USモード」では、左右制動力差に加え、旋回外輪(左後輪RL)に駆動力を発生させると共に、エンジントルクアップを行うことで、運転者の操舵量以上に旋回半径を小さくでき、旋回性能を高めることができる。
ここで、「強US」時には、前輪のタイヤ前後力とタイヤ横力との総和が摩擦円の外側へ飛び出すことで、前輪タイヤがグリップを失うドリフトアウトが発生するおそれがある。これに対し、「強USモード」では、エンジントルクアップを行いつつ左右駆動力差を発生させることで、車両の向きが進行方向に対して横向きとなり、ドリフトアウトを回避できる。進行方向に対し車両が横を向くことで、車両の減速度が大きくなるため、車両挙動が制御不能となる前に、車両を停止させることができる。
時点t4では、偏差が弱OS判断閾値以上、かつ、OS判断閾値よりも小さいため、図7のフローチャートにおいて、ステップS101→ステップS102→ステップS106→ステップS107→ステップS121へと進む流れとなる。制御モードは、「NSモード」から「弱OSモード」へと遷移するため、4WDカップリング109の右駆動軸110R側のクラッチ締結力を高めて右後輪RRにエンジントルクを伝達する(図11(a))。
車両挙動が「弱OS」の場合、実ヨーレイトを目標ヨーレイトに一致させるために必要となるヨーモーメント量は小さい。そこで、「弱OSモード」では、左右後輪RL,RRのうち旋回内輪(右後輪RR)にのみエンジントルクの一部を配分することで、車体速を変動させることなく車両の旋回方向と逆方向にヨーモーメントを発生させ、過剰なヨーモーメントを打ち消すことができる。よって、運転者に車体速の変動に伴う違和感を与えることなく、旋回性能を高めることができる。
車両挙動が「OS」の場合、必要となるヨーモーメント量が大きくなるため、「弱OSモード」による後輪の旋回内輪に駆動力を配分するだけでは、過剰なヨーモーメント量を打ち消すことができない。これに対し、「OSモード」では、旋回外輪の制動力を増加させることで、左右制動力差により旋回方向と逆方向のヨーモーメントを発生させ、過剰なヨーモーメントを打ち消すことができる。よって、旋回半径を大きくできるため、旋回性能を高めることができる。
車両挙動が「強OS」の場合、「OSモード」による」左右制動力では、過剰なヨーモーメント量を打ち消すことができない。これに対し、「強OSモード」では、左右制動力差に加え、旋回内輪に駆動力を発生させると共に、エンジントルクアップを行うことで、過剰なヨーモーメントを打ち消して車両の巻き込み挙動を抑制でき、旋回性能を高めることができる。
ここで、「強OS」時には、後輪のタイヤ前後力とタイヤ横力との総和が摩擦円の外側へ飛び出すことで、後輪タイヤがグリップを失うスピンが発生するおそれがある。これに対し、「強OSモード」では、エンジントルクアップを行いつつ左右駆動力差を発生させることで、車両が進行方向を向くため、スピンを回避できる。
(1) エンジントルクを左右前輪FL,FRと左右後輪RL,RRへトルク配分制御を行い、左右後輪RL,RRに対しては左右独立してエンジントルクの一部を付与可能な駆動力配分制御装置(トランスファ,プロペラシャフト108,4WDカップリング109,4WDECU111)と、各輪FL,FR,RL,RRの制動力を制御するブレーキ制御装置(ブレーキユニット101,ブレーキECU102)と、車両に発生したヨーレイトを検出するヨーレイト・ヨーレイト変化量算出部301と、運転者の操作状態に応じて目標ヨーレイトを演算する目標ヨーレイト算出部307と、ヨーレイト・ヨーレイト変化量算出部301により検出された実ヨーレイトが目標ヨーレイト算出部307により演算された目標ヨーレイトに収束するように、車輪に対しブレーキ制御装置を作動させて制動力を付与する制動力制御および/または駆動力の出力を増加し、駆動力配分制御装置を作動させて駆動力を付与する駆動力制御を行うモードと、を備えた。
このため、実ヨーレイトを目標ヨーレイトに収束させることができ、運転者の意図する旋回挙動を実現できる。
(2) 駆動力配分制御装置は、実ヨーレイトと目標ヨーレイトとに基づいて、車両が第1のアンダーステア(弱US)と判断されたとき、左右後輪RL,RRの旋回外輪に対し旋回内輪の駆動力よりも大きな駆動力を付与する。このため、運転者に車体速の変動に伴う違和感を与えることなく、左右駆動力差により必要なヨーモーメントを確保でき、旋回性能を高めることができる。
(3) ブレーキ制御装置は、第1のアンダーステアよりも強い第2のアンダーステア(US)と判断されたとき、左右前輪FL,FRおよび左右後輪RL,RRの旋回内輪に対し旋回外輪の制動力よりも大きな制動力を付与する。このため、左右制動力差により必要なヨーモーメントを確保でき、旋回性能を高めることができる。
(4) 駆動力配分制御装置は、第2のアンダーステアのときには駆動力を低減する。このため、タイヤ横力の飽和を抑制できる。
(6) 駆動力配分制御装置は、実ヨーレイトと目標ヨーレイトとに基づいて、車両がアンダーステアと判断されたとき、旋回内輪に対し制動力を付与し、旋回外輪に対し駆動力を付与する。このため、不足するヨーモーメントを左右制動力差と左右駆動力差とにより発生するヨーモーメントで補うことができる。
(7) 駆動力配分制御装置は、実ヨーレイトと目標ヨーレイトとに基づいて、車両が第1のオーバーステア(弱OS)と判断されたとき、左右後輪RL,RRの旋回内輪に対し旋回外輪の駆動力よりも大きな駆動力を付与する。このため、運転者に車体速の変動に伴う違和感を与えることなく、左右駆動力差により過剰なヨーモーメントを打ち消すことができ、旋回性能を高めることができる。
(8) ブレーキ制御装置は、第1のオーバーステアよりも強い第2のオーバーステア(OS)と判断されたとき、左右前輪FL,FRおよび左右後輪RL,RRの旋回外輪に対し旋回内輪の制動力よりも大きな制動力を付与する。このため、左右制動力差により過剰なヨーモーメントを打ち消すことができ、旋回性能を高めることができる。
(9) 駆動力配分制御装置は、第2のオーバーステアよりも強い第3のオーバーステア(強OS)と判断されたとき、旋回内輪に対し旋回外輪の駆動力よりも大きな駆動力を付与する。このため、左右制動力差と左右駆動力差とにより過剰なヨーモーメントを打ち消すことができ、旋回性能を高めることができる。また、スピンの発生を回避できる。
(11) 駆動力配分制御装置は、実ヨーレイトと目標ヨーレイトとに基づいて、車両がオーバーステアと判断されたとき、駆動力配分制御装置において少なくとも左右後輪RL,RRの旋回内輪に対し駆動力を付与する。このため、過剰なヨーモーメントを左右駆動力差により発生するヨーモーメントで打ち消すことができる。
(12) 駆動力配分制御装置は、実ヨーレイトと目標ヨーレイトとに基づいて、車両がアンダーステアと判断されたとき、駆動力配分制御装置において左右後輪RL,RRの旋回外輪に対し駆動力を付与する。このため、不足するヨーモーメントを左右駆動力差により発生するヨーモーメントで補うことができる。
このため、実ヨーレイトを目標ヨーレイトに収束させることができ、運転者の意図する旋回挙動を実現できる。
(14) 車両挙動状態判断部310のアンダーステア判断中、駆動力制御部は旋回外輪に対し駆動力を付与し、目標制動力算出部312は旋回内輪に対し制動力を付与する。このため、不足するヨーモーメントを左右制動力差と左右駆動力差とにより発生するヨーモーメントで補うことができる。
(15) 車両挙動状態判断部310のオーバーステア判断中、駆動力制御部は旋回内輪に対し駆動力を付与し、目標制動力算出部312は旋回外輪に対し制動力を付与する。このため、過剰なヨーモーメントを左右制動力差と左右駆動力差とにより発生するヨーモーメントで打ち消すことができる。
(17) 車両挙動状態判断部301により第3のアンダーステアと判断されたとき、駆動力制御部は第2のアンダーステアと判断されたときに比べ車両に対し大きなヨーモーメントが作用するように駆動力制御装置を作動させる。このため、アンダーステア傾向が強い場合には、旋回半径をより小さくしてドリフトアウトを回避できる。
(18) 車両挙動状態判断部310により第2のオーバーステア(OS)と判断されたとき、目標制動力算出部312は旋回外輪に制動力を付与し、第2のオーバーステアよりも大きな第3のオーバーステア(強OS)と判断されたとき、駆動力制御部は旋回内輪に対する駆動力を増加させる。このため、オーバーステア傾向の強さに応じて過剰なヨーモーメントを打ち消すことができ、旋回性能を高めることができる。
(19) 第3のオーバーステアと判断されたとき、駆動力制御部は、第2のオーバーステアと判断されたときに比べ車両に対し大きなヨーモーメントが作用するように駆動力制御装置を作動させる。このため、オーバーステア傾向が強い場合には、車両の巻き込み挙動をより小さくしてスピンの発生を回避できる。
(20) 検出された旋回中の車両挙動に応じて車両の左右輪に対し独立して駆動力および制動力を制御する車両挙動制御方法であって、検出された車両挙動が第1の車両挙動(US,OS)であるとき、左右輪の一方に制動力を付与して車両挙動を安定させる第1の挙動安定ステップを実行し、第1の挙動安定ステップ中に第2の車両挙動(強US,強OS)になったとき、駆動力を増加し他方の輪に対する駆動力を増加させる第2の挙動安定ステップを実行する。
このため、実ヨーレイトを目標ヨーレイトに収束させることができ、運転者の意図する旋回挙動を実現できる。
以上、本発明を実施するための形態を、実施例1に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例1に限定されるものではない。
例えば、実施例1では、目標ヨーレイトと実ヨーレイトとの偏差を各閾値と比較して車両挙動を判断する例を示したが、実ヨーレイトを、目標ヨーレイトや車速等に応じて設定した各閾値と比較することで車両挙動を判断してもよい。また、ヨーレイトに代えて車両の横滑り角を使用してもよい。
また、実施例1では、トランスファと4WDカップリング109と4WDECU111とからなる駆動力配分制御装置により1つの駆動源(エンジン)からのエンジントルクを配分する例を示したが、電動モータと左右駆動軸110L,110Rとの間に4WDカップリング109を介装した構成としてもよい。また、左右後輪RL,RRをインホイールモータで駆動する構成としてもよい。この場合、左右後輪RL,RRの外輪に駆動力を与えるときには、その分だけエンジントルクを小さくし、車両の総駆動力が変化しないようにする必要がある。
実施例1では、駆動源として内燃機関(エンジン)を使用する例を示したが、モータを使用してもよいし、エンジンおよびモータを使用した、いわゆるハイブリッドシステムとしてもよい。
実施例1では、車体速の算出を各車輪速センサ124FL,124FR,124RL,124RRの出力から算出する例を示したが、外部の車体速センサの出力や、カーナビゲーションシステム等から得られる情報を使用してもよい。
ヨーレイトセンサ122、横加速度センサ123はブレーキECU102に内蔵されていてもよい。
マスタシリンダ圧は、前後加速度センサやブレーキ踏力センサ、ストロークセンサ等の出力から算出されたマスタシリンダ圧相当の値を使用してもよい。
FR 右前輪(主駆動輪)
RL 左後輪(副駆動輪)
RR 右後輪(副駆動輪)
101 ブレーキユニット(ブレーキ制御装置)
102 ブレーキECU(ブレーキ制御装置)
108 プロペラシャフト(駆動力配分制御装置)
109 4WDカップリング(駆動力配分制御装置)
111 4WDECU
301 ヨーレイト・ヨーレイト変化量算出部(ヨー検出部,車両挙動検出部)
307 目標ヨーレイト算出部(目標ヨー演算部)
310 車両挙動状態判断部(車両状態判断部)
311 駆動力配分算出部(駆動力制御部)
312 目標制動力算出部(ブレーキ制御部)
313 目標エンジントルク算出部(駆動力制御部)
Claims (20)
- 駆動力を車両の左右前輪または左右後輪の一方の主駆動輪と他方の副駆動輪へトルク配分制御を行い、前記副駆動輪に対しては左右輪の一方の輪に駆動力を与えずに他方の輪に対してのみ前記駆動力を付与可能な駆動力配分制御装置と、
車両に発生したヨーを検出するヨー検出部と、
運転者の操作状態に応じて目標ヨーを演算する目標ヨー演算部と、
前記ヨー検出部により検出された実ヨーが前記目標ヨー演算部により演算された目標ヨーに収束するように、車輪に対し前記駆動力の出力を増加し、前記駆動力配分制御装置を作動させて前記他方の輪に駆動力を付与する駆動力制御を行うモードと、
を備えたことを特徴とする車両挙動制御装置。 - 請求項1に記載の車両挙動制御装置において、
前記各輪の制動力を制御するブレーキ制御装置と、
前記ブレーキ制御装置を作動させて制動力を付与する制動力制御を行う制動力制御モードと、
を備えたことを特徴とする車両挙動制御装置。 - 請求項2に記載の車両挙動制御装置において、
車両挙動を検出する車両挙動検出部と、
前記検出された車両挙動に基づいて車両のアンダーステアとオーバーステアを判断する車両状態判断部と、
前記車両状態判断部の判断結果に応じて駆動力を増加し、前記駆動力配分制御装置を制御する駆動力配分制御部および前記ブレーキ制御装置を制御するブレーキ制御部と、
を備えたことを特徴とする車両挙動制御装置。 - 請求項2に記載の車両挙動制御装置において、
前記駆動力配分制御装置は、前記実ヨーと前記目標ヨーとに基づいて、車両が第1のアンダーステアと判断されたとき、前記副駆動輪の旋回外輪に対してのみ駆動力を付与することを特徴とする車両挙動制御装置。 - 請求項4に記載の車両挙動制御装置において、
前記ブレーキ制御装置は、前記第1のアンダーステアよりも強い第2のアンダーステアと判断されたとき、前記主および副駆動輪の旋回内輪に対し旋回外輪の制動力よりも大きな制動力を付与することを特徴とする車両挙動制御装置。 - 請求項5に記載の車両挙動制御装置において、
前記駆動力配分制御装置は、前記第2のアンダーステアのときには駆動力を低減することを特徴とする車両挙動制御装置。 - 請求項5に記載の車両挙動制御装置において、
前記駆動力配分制御装置は、前記第2のアンダーステアよりも強い第3のアンダーステアと判断されたとき、旋回外輪に対してのみ駆動力を付与することを特徴とする車両挙動制御装置。 - 請求項2に記載の車両挙動制御装置において、
前記駆動力配分制御装置は、前記実ヨーと前記目標ヨーとに基づいて、車両がアンダーステアと判断されたとき、旋回内輪に対し制動力を付与し、旋回外輪に対してのみ駆動力を付与することを特徴とする車両挙動制御装置。 - 請求項1に記載の車両挙動制御装置において、
前記駆動力配分制御装置は、前記実ヨーと前記目標ヨーとに基づいて、車両が第1のオーバーステアと判断されたとき、前記副駆動輪の旋回内輪に対してのみ駆動力を付与することを特徴とする車両挙動制御装置。 - 請求項7に記載の車両挙動制御装置において、
前記ブレーキ制御装置は、前記第1のオーバーステアよりも強い第2のオーバーステアと判断されたとき、前記主および副駆動輪の旋回外輪に対し旋回内輪の制動力よりも大きな制動力を付与することを特徴とする車両挙動制御装置。 - 請求項9に記載の車両挙動制御装置において、
前記駆動力配分制御装置は、前記第2のオーバーステアよりも強い第3のオーバーステアと判断されたとき、旋回内輪に対してのみ駆動力を付与することを特徴とする車両挙動制御装置。 - 請求項2に記載の車両挙動制御装置において、
前記ブレーキ制御装置は、前記実ヨーと前記目標ヨーとに基づいて、車両がオーバーステアと判断されたとき、旋回内輪に対し駆動力を付与し、旋回外輪に対し制動力を付与することを特徴とする車両挙動制御装置。 - 請求項1に記載の車両挙動制御装置において、
前記駆動力配分制御装置は、前記実ヨーと前記目標ヨーとに基づいて、車両がオーバーステアと判断されたとき、前記駆動力配分制御装置において少なくとも副駆動輪の旋回内輪に対し駆動力を付与することを特徴とする車両挙動制御装置。 - 請求項1に記載の車両挙動制御装置において、
前記駆動力配分制御装置は、前記実ヨーと前記目標ヨーとに基づいて、車両がアンダーステアと判断されたとき、前記駆動力配分制御装置において副駆動輪の旋回外輪に対してのみ駆動力を付与することを特徴とする車両挙動制御装置。 - 請求項3に記載の車両挙動制御装置において、
前記車両状態判断部のアンダーステア判断中、前記駆動力配分制御部は旋回外輪に対し駆動力を付与し、前記ブレーキ制御部は旋回内輪に対し制動力を付与することを特徴とする車両挙動制御装置。 - 請求項3に記載の車両挙動制御装置において、
前記車両状態判断部のオーバーステア判断中、前記駆動力配分制御部は旋回内輪に対してのみ駆動力を付与し、前記ブレーキ制御部は旋回外輪に対し制動力を付与することを特徴とする車両挙動制御装置。 - 請求項15に記載の車両挙動制御装置において、
前記車両状態判断部により第2のアンダーステアと判断されたとき、前記ブレーキ制御部は旋回内輪に制動力を付与し、前記第2のアンダーステアよりも大きな第3のアンダーステアと判断されたとき、前記駆動力配分制御部は旋回外輪に対する駆動力を増加させることを特徴とする車両挙動制御装置。 - 請求項17に記載の車両挙動制御装置において、
前記車両状態判断部により前記第3のアンダーステアと判断されたとき、前記駆動力配分制御部は、前記第2のアンダーステアと判断されたときに比べ車両に対し大きなヨーモーメントが作用するように前記駆動力配分制御装置を作動させることを特徴とする車両挙動制御装置。 - 請求項16に記載の車両挙動制御装置において、
前記車両状態判断部により第2のオーバーステアと判断されたとき、前記ブレーキ制御装置は旋回外輪に制動力を付与し、前記第2のオーバーステアよりも大きな第3のオーバーステアと判断されたとき、前記駆動力配分制御部は旋回内輪に対する駆動力が増加するよう前記駆動力配分制御装置を作動させることを特徴とする車両挙動制御装置。 - 請求項19に記載の車両挙動制御装置において、
前記車両状態判断部により前記第3のオーバーステアと判断されたとき、前記駆動力配分制御部は、前記第2のオーバーステアと判断されたときに比べ車両に対し大きなヨーモーメントが作用するように前記駆動力配分制御装置を作動させることを特徴とする車両挙動制御装置。
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