JP5788667B2 - 可逆性感熱記録媒体及び可逆性感熱記録部材 - Google Patents
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Description
<1> 支持体と、電子供与性呈色性化合物及び電子受容性化合物を含む可逆性感熱組成物による可逆性感熱記録層と、ポリビニルアルコール系重合体及びエチレン−ビニルアルコール系共重合体からなる群から選択される少なくとも1種を含む樹脂、有機チタン化合物及び有機ジルコニウム化合物の少なくともいずれかを含む有機金属化合物、及び無機層状化合物を含む金属化合物含有層と、前記金属化合物含有層を保護する保護層と、が順次積層されたことを特徴とする可逆性感熱記録媒体である。
<2> 金属化合物含有層における金属含有量が、0.1質量%〜15質量%である前記<1>に記載の可逆性感熱記録媒体である。
<3> 金属化合物含有層の厚みが、0.1μm〜10μmである前記<1>から<2>のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体である。
<4> 有機金属化合物が、キレート化合物及びアシレート化合物の少なくともいずれかを含む前記<1>から<3>のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体である。
<5> 金属化合物含有層と保護層との間に、熱硬化性樹脂組成物の硬化物を含む熱硬化性樹脂含有層を更に有する前記<1>から<4>のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体である。
<6> 支持体と可逆性感熱記録層との間に、アンダーコート層を更に有する前記<1>から<5>のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体である。
<7> 情報記憶部と可逆表示部とを有し、前記可逆表示部が前記<1>から<6>のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体を有することを特徴とする可逆性感熱記録部材である。
<8> 情報記憶部が、磁気感熱記録層、磁気ストライプ、ICメモリ、光メモリ、ホログラム、RF−IDタグカード、ディスク、ディスクカートリッジ及びテープカセットから選択される少なくとも1種を有する前記<7>に記載の可逆性感熱記録部材である。
本発明の可逆性感熱記録媒体は、少なくとも、支持体と、可逆性感熱記録層と、金属化合物含有層(ガスバリア層)と、保護層と、を有してなり、熱硬化性樹脂含有層(プライマー層)、アンカー層、アンダーコート層、紫外線吸収層、さらに必要に応じて、その他の層を有してなる。
前記支持体としては、後述する可逆性感熱記録層を支持することが可能である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紙、樹脂フィルム、PETフィルム等の樹脂製のシートやフィルム、合成紙、金属箔、ガラス、これらの複合体、などが挙げられる。
前記支持体の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、可逆性感熱記録層を酸素や水分から保護できる厚み(数μm程度〜数mm程度の任意の厚み)が好ましい。例えば、PETフィルムであれば、10μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましく、50μm以上が特に好ましい。
前記支持体としては、必要に応じた厚みの支持体を単独あるいは貼り合わせてもよく、可逆性感熱記録層と同一面、反対面、内部などに、磁気記録層、ICチップを有していてもよく、可逆性感熱記録層が自己支持性である場合には、支持体の使用を省略することができる。
また、前記支持体は、酸素バリア性及び水分バリア性を有することが好ましい。ここで、前記支持体の酸素バリア性及び水分バリア性が不十分な場合は、支持体を後述する金属化合物含有層(ガスバリア層)で被覆すればよい。
なお、一般に、支持体は、比較的厚手のフィルムやシートなどであるので、酸素遮断機能や水分遮断機能は十分に備わっている。支持体に酸素遮断機能や水分遮断機能が備わっていないときには、支持体側を後述するガスバリア層で被覆してもよい。
前記可逆性感熱記録層(「感熱記録層」と略称することがある。)としては、電子供与性呈色性化合物及び電子受容性化合物を含む可逆性感熱組成物によるものである限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記電子供与性呈色性化合物(発色剤)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無色又は淡色の染料前駆体(ロイコ染料)、フルオラン系化合物、トリフェニルメタンフタリド系化合物、アザフタリド系化合物、フェノチアジン系化合物、ロイコオーラミン系化合物、インドリノフタリド系化合物、などが挙げられる。
前記電子受容性化合物(顕色剤)としては、前記電子供与性呈色性化合物(発色剤)を発色させる作用を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物、フェノール化合物、メルカプト酢酸の金属塩、リン酸エステル、などが挙げられる。これらは、融点、顕色性能などを考慮して、前記電子供与性呈色性化合物(発色剤)との組み合わせで選択すればよい。
前記一般式(1)において、脂肪族炭化水素基は、直鎖でもよいし、分枝していてもよく、不飽和結合を有していてもよい。脂肪族炭化水素基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基、などが挙げられる。R1、及びR2の炭素数の和が7以下では発色の安定性や消色性が低下することがあるため、R1、及びR2の炭素数の和としては、8以上が好ましく、11以上がより好ましい。
前記可逆性感熱記録層中の発色成分と樹脂とのモル比は、1:0.1〜1:10が好ましく、前記樹脂が少ないと可逆性感熱記録層の熱強度が不足し、前記樹脂が多い場合には発色濃度が低下してしまう。
なお、前記電子受容性化合物(顕色剤)の平均粒子径は、レーザ解析・散乱法(例えば、マイクロトラックHRA9320−X100型、堀場製作所製LA920型、レーゼンテックFBRM装置等)で測定した数平均粒子径である。
前記可逆性感熱組成物としては、電子供与性呈色性化合物及び電子受容性化合物を含むものである限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子供与性呈色性化合物及び電子受容性化合物がバインダ樹脂中に分散した組成物であり、必要に応じて、感熱記録層の塗布特性及び発色消色特性を改善したり、制御したりするための添加剤を用いることができる。これらの添加剤には、例えば、制御剤、界面活性剤、導電剤、充填剤、酸化防止剤、光安定化剤、発色安定化剤、などがある。
前記バインダ樹脂は、前記可逆性感熱組成物における各材料が、記録消去の熱印加によっても片寄ることなく、均一に分散した状態を保つ機能を有する。
前記バインダ樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、エチルセルロース、ポリスチレン、スチレン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、アクリル酸系共重合体、マレイン酸系共重合体、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン類、などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性の高いバインダ樹脂、例えば、熱、紫外線、電子線、架橋剤などで架橋させたバインダ樹脂が好ましい。
前記イソシアネート系化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、公知のイソシアネート単量体のウレタン変性体、アロファネート変性体、イソシアヌレート変性体、ビュレット変性体、カルボジイミド変性体、ブロックドイソシアネートなどの変性体、などが挙げられる。前記変性体を形成するイソシアネート単量体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、リジンジイソシアネート(LDI)、イソプロピリデンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)(IPC)、シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、などが挙げられる。
前記ゲル分率の計算は、下記式によって行なう。
ゲル分率(%)=[乾燥後重量(g)/初期重量(g)]×100
前記制御剤(消色促進剤)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、発色濃度及び消去特性の点から、アミド基、ウレタン基、尿素基、ケトン基、ジアシルヒドラジド基等を部分構造として含有する化合物が好ましい。これらの中でも、アミド基、2級アミド基、ウレタン基を有する化合物がより好ましく、具体的な例として、以下のものが挙げられる。
CC17H35、(CH3)2CHC14H35CONHC2H4HNOCC14H35(CH3)2、C21H43CONHC2H4HNOCC21H43、C17H35CONHC6H12HNOCC17H35、C21H43CONHC6H12HNOCC21H43、C17H33CONHCH2HNOCC17H33、C17H33CONHC2H4HNOCC17H33、C21H41CONHC2H4HNOCC21H41、C17H33CONHC6H12HNOCC17H33、C8H17NHCOC2H4CONHC18H37、C10H21NHCOC2H4CONHC10H21、C12H25NHCOC2H4CONHC12H25、C18H37NHCOC2H4CONHC18H37、C21H43NHOCC2H4CONHC21H43、C18H37NHOCC6H12CONHC18H37、C18H35NHCOC4H8CONHC18H35、C18H35NHCOC8H16CONHC18H35、C12H25OCONHC18H37、C13H27OCONHC18H37、C16H33OCONHC18H37、C18H37OCONHC18H37、C21H43OCONHC18H37、C12H25OCONHC16H33、C13H27OCONHC16H33、C16H33OCONHC16H33、C18H37OCONHC16H33、C21H43OCONHC16H33、C12H25OCONHC14H29、C13H27OCONHC14H29、C16H33OCONHC14H29、C18H37OCONHC14H29、C22H45OCONHC14H29、C12H25OCONHC12H37、C13H27OCONHC12H37、C16H33OCONHC12H37、C18H37OCONHC12H37、C21H43OCONHC12H37、C22H45OCONHC18H37、C18H37NHCOOC2H4OCONHC18H37、C18H37NHCOOC3H6OCONHC18H37、C18H37NHCOOC4H8OCONHC18H37、C18H37NHCOOC6H12OCONHC18H37、C18H37NHCOOC8H16OCONHC18H37、C18H37NHCOOC2H4OC2H4OCONHC18H37、C18H37NHCOOC3H6OC3H6OCONHC18H37、C18H37NHCOOC12H24OCONHC18H37、C18H37NHCOOC2H4OC2H4OC2H4OCONHC18H37、C16H33NHCOOC2H4OCONHC16H33、C16H33NHCOOC3H6OCONHC16H33、C16H33NHCOOC4H8OCONHC16H33、C16H33NHCOOC6H12OCONHC16H33、C16H33NHCOOC8H16OCONHC16H33、C18H37OCOHNC6H12NHCOOC18H37、C16H33OCOHNC6H12NHCOOC16H33、C14H29OCOHNC6H12NHCOOC14H29、C12H25OCOHNC6H12NHCOOC12H25、C10H21OCOHNC6H12NHCOOC10H21、C8H17OCOHNC6H12NHCOOC8H17
塗液調製に用いられる溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール,n−ブタノール、メチルイソカルビノール等のアルコール類;アセトン、2−ブタノン、エチルアミルケトン、ジアセトンアルコール、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン等のエーテル類;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル類;2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート等のグリコールエーテルアセテート類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、乳酸エチル、エチレンカーボネート等のエステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、iso−オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;塩化メチレン、1,2−ジクロルエタン、ジクロロプロパン、クロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;N−メチル−2−ピロリドン、N−オクチル−2−ピロリドン等のピロリドン類;などが挙げられる。
前記可逆性感熱記記録層を支持体上に形成するには、従来公知の方法を用いればよく、例えば、前記可逆性感熱組成物の塗布液を支持体上に塗布して乾燥させればよい。前記可逆性感熱組成物の塗布液の塗工方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ブレード塗工、ワイヤーバー塗工、スプレー塗工、エアナイフ塗工、ビード塗工、カーテン塗工、グラビア塗工、キス塗工、リバースロール塗工、ディップ塗工、ダイ塗工、などが挙げられる。
前記金属化合物含有層(ガスバリア層)は、少なくとも、樹脂、有機金属化合物、及び無機層状化合物を含んでなり、さらに必要に応じて、その他の成分を含んでなる。
前記金属化合物含有層(ガスバリア層)は、前記可逆性感熱記録層を被覆することにより、前記可逆性感熱記録層に酸素が侵入して、前記電子供与性呈色性化合物(発色剤)と前記電子受容性化合物(顕色剤)との反応により、前記可逆性感熱記録層が褪色したり、変色したりするのを防ぐ機能を有している。特に、可逆性感熱記録媒体の使用期間の長期化に伴って、前記金属化合物含有層(ガスバリア層)のガスバリア性をさらに向上させる必要がある。前記可逆性感熱記記録層への酸素の進入を防ぐことにより、可逆性感熱記録媒体は、耐光性に優れ、長期間褪色及び変色を防止することができる。
前記金属化合物含有層(ガスバリア層)としては、単層であってもよいし、複層であってもよい。前記金属化合物含有層(ガスバリア層)が複層であると、ガスバリア信頼性の点で有利である。
前記樹脂としては、ポリビニルアルコール系重合体及びエチレン−ビニルアルコール系共重合体からなる群から選択される少なくとも1種を含む限り、特に制限はなく、目的に応じて(その用途、酸素透過性、透明性、無機層状化合物との混合特性、感熱記録層との接着性、耐湿性、塗工のしやすさ等によって)適宜選択することができるが、可視光の透過率が大きい樹脂が好ましい。
前記樹脂は、ガスバリア性を有するポリビニルアルコール系重合体でもよいが、ガスバリア性だけでなく耐湿性も有するエチレン−ビニルアルコール系共重合体、又はこれらを含むガスバリア性樹脂の組成物としてもよい。
前記ポリビニルアルコールの誘導体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、水酸基の40モル%程度までがアセタール化されているポリビニルアルコール誘導体、などを挙げることができる。
前記ポリビニルアルコールの変性物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、カルボキシル基含有単量体、アミノ基含有単量体等を共重合して得られるポリビニルアルコール変性物、などを挙げることができる。
前記ポリビニルアルコール系重合体の重合度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100〜5,000が好ましく、500〜3,000がより好ましい。
前記ポリビニルアルコール系重合体のケン化度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60モル%以上が好ましく、75モル%以上がより好ましい。
前記エチレン−酢酸ビニル系共重合体の共重合前の単量体におけるエチレン比率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20モル%〜60モル%であることが好ましい。エチレン比率が20モル%未満であると、高湿度下におけるガスバリア性が低下し、一方、エチレン比率が60モル%を超えるとガスバリア性が低下する傾向がある。
前記エチレン−ビニルアルコール系共重合体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、酢酸ビニル成分のケン化度が95モル%以上の樹脂が好ましい。
前記酢酸ビニル成分のケン化度が95モル%未満であると、ガスバリア性や耐油性が不充分になることがある。前記エチレン−ビニルアルコール系共重合体としては、溶剤中での溶解安定性が良好となるという点で、過酸化物等により処理して低分子量化した樹脂が好ましい。
前記金属化合物含有層における金属含有量が、0.1質量%未満であると、接着性が十分でないことがあり、15質量%を超えると、酸素バリア性が低下することがある。一方、前記金属化合物含有層における金属含有量が前記特に好ましい範囲内であると、接着性と酸素バリア性の両面から有利である。
前記有機金属化合物が添加されることにより、前記金属化合物含有層の凝集破壊を改善して、ピンホールの発生を防止することができる。
前記無機層状化合物としては、天然物であっても膨潤性粘度鉱物の合成品であってもよく、耐湿性を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、分散媒に膨潤・へき開する無機層状化合物が好ましい。前記分散媒に膨潤・へき開する無機層状化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フィロケイ酸塩の1:1構造をもつカオリナイト族、ジャモン石群に属するアンチゴライト族、層間カチオンの数によってスメクタイト族、含水ケイ酸塩鉱物であるバーミキュライト族、マイカ族、などが挙げられる。前記分散媒に膨潤・へき開する無機層状化合物の具体例としては、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイト、加水ハロイサイト、アンチゴライト、クリソタイル、パイロフィライト、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチーブンサイト、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオライト、白雲母、マーガライト、タルク、バーミキュライト、金雲母、ザンソフィライト、緑泥石、鱗片状シリカ、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ガスバリア層として使用した場合のガスバリア性能からモンモリロナイト、雲母が好ましい。
前記合成品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、合成雲母、天然の雲母物理的又は化学的処理をした雲母、などが挙げられる。
前記無機層状化合物の長さ及び幅のいずれかが5,000nmを超えると、前記金属化合物含有層(ガスバリア層)での混合むらが起こりやすく、均一に混合することが難しく、薄膜が形成し難いことがあり、前記無機層状化合物の長さ及び幅のいずれかが5nm未満であると、前記無機層状化合物が前記金属化合物含有層(ガスバリア層)中で前記金属化合物含有層(ガスバリア層)に平行に並んで分散しにくくなり、ガスバリア性が劣ってくることがある。前記無機層状化合物の厚みが長さの1/10を超えると、前記無機層状化合物が前記金属化合物含有層(ガスバリア層)中で前記金属化合物含有層(ガスバリア層)に平行に並んで分散しにくくなり、ガスバリア性が劣ってくることがある。
前記金属化合物含有層(ガスバリア層)は、無機層状化合物を含有しているため、感熱記録層や保護層などの隣接層との接着性を向上させるための接着性向上剤を添加してもよい。前記可逆性感熱記録媒体の基本特性である多数回にわたる記録画像の形成と消去、すなわち加熱冷却の繰り返しに耐えうるように、必要に応じて、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、イソシアネート化合物、アジリジン化合物、カルボジイミド化合物等の隣接層に対する接着性向上剤を1種又は2種以上加えることができる。
前記金属化合物含有層(ガスバリア層)の形成方法としては、前記可逆性感熱組成物を塗工できる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記可逆性感熱組成物を塗工し、加熱乾燥する方法、などが挙げられる。
前記可逆性感熱組成物の塗工方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グラビアシリンダー等を用いたロールコーティング法、ドクターナイフ法、エアーナイフ・ノズルコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、ディップコーティング法、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記金属化合物含有層(ガスバリア層)においては、前記無機層状化合物が前記金属化合物含有層(ガスバリア層)に沿って平行に並んで分散していることが好ましい。その点、前記可逆性感熱組成物の塗工方法によって前記金属化合物含有層(ガスバリア層)を形成すると、前記無機層状化合物が前記金属化合物含有層(ガスバリア層)に沿って平行に並んで分散しやすい。
(1)樹脂(ガスバリア性樹脂)と有機金属化合物とを溶剤に溶解させた溶液に、無機層状化合物(水等の分散媒に予め膨潤・へき開させておいてもよい。)を添加混合し、攪拌装置や分散装置を利用して無機層状化合物を分散させる方法、
(2)無機層状化合物を、水等の分散媒に膨潤・へき開させた後、攪拌装置や分散装置を利用し、更に、無機層状化合物をへき開、分散した分散液(分散溶液)に、ガスバリア性樹脂と有機金属化合物とを溶剤に溶解させた溶液を添加混合する方法
等を挙げることができる。また、無機層状化合物が天然物である場合には、これら混合液中に、例えば水酸化マグネシウムや水酸化カルシウム等のアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンを含有する化合物を添加しておくことが好ましい。
前記炭素数2〜4の低級アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコールが好ましい。
前記保護層は、前記可逆性感熱記録媒体の最外表面、即ち前記金属化合物含有層(ガスバリア層)の外側に設けられた層である。前記保護層は、強度、耐摩耗性、耐熱変形性などを備えている。
前記保護層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1μm〜10μmであることが好ましい。
前記保護層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、熱、紫外線、電子線(特開平02−566号公報に記載)などによって硬化可能な樹脂が好ましい。
これらの中でも、紫外線により硬化可能な樹脂を用いることが好ましい。紫外線及び電子線で硬化させる樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ビニル系、不飽和ポリエステル系のオリゴマーや各種単官能、多官能のアクリレート、メタクリレート、ビニルエステル、エチレン誘導体、アリル化合物等のモノマーが挙げられる。紫外線を用いて架橋させる場合には、光重合開始剤、光重合促進剤を用いればよい。また、熱によって架橋する場合には、イソシアネート系化合物などを架橋剤として用いた熱硬化型の樹脂、例えば、アクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなど架橋剤と反応する基を持つ樹脂、または架橋剤と反応する基を持つモノマーとそれ以外のモノマーを共重合した樹脂などを用いればよい。
前記有機フィラーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコーン樹脂、セルロース樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ホルムアルデヒド系樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、などが挙げられる。
前記無機フィラーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭酸塩、ケイ酸塩、金属酸化物、硫酸化合物、などが挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サリシレート構造を有する化合物、シアノアクリレート構造を有する化合物、ベンゾトリアゾール構造を有する化合物、ベンゾフェノン構造を有する化合物、などが挙げられる。
前記滑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、合成ワックス類、植物性ワックス類、動物性ワックス類、高級アルコール類、高級脂肪酸類、高級脂肪酸エステル類、アミド類、などが挙げられる。
前記熱硬化性樹脂含有層(プライマー層)は、前記金属化合物含有層(ガスバリア層)と前記保護層との接着性、密着性を向上させるための層であり、前記金属化合物含有層(ガスバリア層)及び前記保護層と親和性の強い熱硬化性樹脂組成物の硬化物を含有する層である。前記熱硬化性樹脂含有層は、例えば、熱硬化性樹脂と硬化剤(架橋剤)の混合組成物(熱硬化性樹脂組成物)を前記金属化合物含有層(ガスバリア層)に塗布してから硬化させて得られる。
前記アンカー層は、前記可逆性感熱記録層と前記金属化合物含有層(ガスバリア層)との結合を強力にすることが第1の目的であり、塗工時あるいは可逆性感熱記録媒体の使用中や保存中等に可逆性感熱記録媒体の特性を変化させない材料のなかから選択する。
前記アンカー層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1μm〜10μmが好ましく、0.1μm〜3μmがより好ましい。
前記アンカー層の厚みが、0.1μm未満であると、接着性が不十分なことがあり、10μmを超えると、記録層の熱感度が低下することがある。
前記接着剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソシアネート系、ウレタン系、アクリル系の各種ラミネート用接着剤、などが挙げられる。
前記狭義のアンカー剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、チタン系、イソシアネート系、イミン系、ポリブタジエン系等の各種ラミネート用アンカーコート剤、などが挙げられる。
なお、これらの接着剤や狭義のアンカー剤は、架橋剤等の接着性改質材料を含んでいてもよい。
前記アンダーコート層は、前記可逆性感熱記録層に熱を加えて、前記電子供与性呈色性化合物(発色剤)や前記電子受容性化合物(顕色剤)を溶融させる際に、前記支持体側への熱の伝達を防ぎ、前記可逆性感熱記録層の加熱効率を高めるとともに、前記支持体の温度上昇による材料などへの悪影響を避けることができる。前記可逆性感熱記録層の加熱効率が高まれば、前記電子供与性呈色性化合物(発色剤)や前記電子受容性化合物(顕色剤)の溶融のための加熱熱量が少しで済み、溶融時間も短くなるので、小さな加熱ヘッドや加熱ローラで短時間に発色や消色が可能となる。また、前記支持体が高温にならなければ、前記支持体の材料選択の幅が広がり、前記支持体に装着されることのある磁気記録材料やICなどの電子部品の高温対策も必要がなくなる。さらに、前記可逆性感熱記録媒体の製造時や使用時に前記支持体の裏側が高温になっても、前記可逆性感熱記録層側への熱の影響を軽減することができる。
また、前記アンダーコート層は、断熱効果を高めるため発泡層であることが好ましい。前記発泡層の形成においては、ウレタン系の材料のように支持体上にアンダーコート層前駆体を形成して、これを発泡させてアンダーコート層としてもよい。また、アンダーコート層原料として、無機や有機の発泡ビーズなどの中空粒子とバインダ樹脂等とを混合して前記支持体上にアンダーコート層を形成してもよい。前記中空粒子を含む層は、前記可逆性感熱記録層と前記支持体の間にアンダーコート層として設けることにより、高い断熱性が得られ、ヘッドとの密着性を向上させ発色感度や感応速度が向上する。
前記中空粒子の平均粒子径(粒子外径)tとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.4μm以上10μm以下が好ましい。前記中空粒子の平均粒子径(粒子外径)tが0.4μmより小さいと、所望の中空率にすることが難しい等の生産上の問題が生じることがあり、10μmより大きいと、前記支持体上に塗布する際、スクラッチ状のすじを形成し易く、塗布乾燥後の感熱記録媒体の表面の平滑性が低下するため、画像形成時にサーマルヘッドとの密着性が低下し、感度向上効果が低下することがある。同じ理由で、前記中空粒子は、粒子径が前記範囲内にあるとともに、粒径分布の広がりの少ないものが好ましい。
前記中空粒子の中空率が高くなると、壁材の厚みが薄くなり、壁材が薄くなると圧力等に対する強度が弱くなり破壊されやすくなってしまう。単に、壁材を固くして強度を持たせようとした場合、脆くなる傾向があり屈曲により破壊されやすくなってしまう。従って、中空粒子の壁材には固さと柔軟性のバランスが必要であり、アクリロニトリル樹脂、メタアクリロニトリル樹脂は固さと柔軟性を併せ持つ好ましい壁材として挙げられる。なお、前記中空粒子の具体的な例は、特開2005−199704号公報に記載されている。
中空率(%)=[(中空粒子の内径)/(中空粒子の外径)]×100
前記中空率の測定において、少なくとも100ミクロン四方以上の面積上に敷きつめたように分散している中空粒子の中空率の数平均として算出する。なお、前記中空粒子の粒子径の測定方法は、上述のロイコ染料の測定方法と同様にレーザ法によっている。
前記紫外線吸収層は、前記可逆性感熱記録層が紫外線に曝されないように保護する層である。前記可逆性感熱記録層における材料、特に、前記電子供与性呈色性化合物(発色剤)や前記電子受容性化合物(顕色剤)は、長期間紫外線に曝されると、劣化して変色したり、退色したり、十分な発色反応をしなくなったりする。この為、感熱記録層は不必要な紫外線に曝されないように保護しておくことが好ましい。例えば、可逆性感熱記録媒体において、可逆性感熱記録層とアンカー層との間に紫外線吸収層が設けられる。
前記紫外線吸収層の材料としては、紫外線を吸収するものである限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紫外線吸収性能を有するフィラーを添加したアンカー層用の樹脂、などが挙げられる。
前記フィラーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機フィラー、有機フィラー、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機フィラーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸、含水ケイ酸、含水ケイ酸アルミニウム、含水ケイ酸カルシウム、アルミナ、酸化鉄、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化マンガン、シリカ、タルク、マイカ、などが挙げられる。
前記有機フィラーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコーン樹脂、セルロース樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン、ポリスチレン、ポリスチレン・イソプレン、スチレンビニルベンゼンなどのスチレン系樹脂、塩化ビニリデンアクリル、アクリルウレタン、エチレンアクリルなどのアクリル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒドなどのホルムアルデヒド系樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、塩化ビニル樹脂、などが挙げられる。
前記フィラーの形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、球状、粒状、板状、針状、などが挙げられる。
前記紫外線吸収層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1μm〜20μmが好ましい。前記紫外線吸収層の厚みが0.1μm未満であると、紫外線吸収が不十分になることがあり、20μmを超えると、紫外線吸収が熱伝導性が低下することがある。
前記フィラーの形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、球状、粒状、板状、針状、などが挙げられる。
前記金属化合物含有層(ガスバリア層)中のフィラーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、体積分率で5体積%〜50体積%が好ましい。
前記滑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エステルワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス等の合成ワックス類:硬化ひまし油等の植物性ワックス類:牛脂硬化油等の動物性ワックス類:ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類:マルガリン酸、ラウリン酸、ミスチレン酸、パルミチル酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、フロメン酸等の高級脂肪酸類:ソルビタンの脂肪酸エステルなどの高級脂肪酸エステル類:ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、メチロールステアリン酸アミド等のアミド類:などが挙げられる。
各層中の滑剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、体積分率で0.1体積%〜95体積%が好ましく、1体積%〜75体積%がより好ましい。
本発明の第1の実施形態の可逆性感熱記録媒体の構成を図1に示す。図1は、本発明の可逆性感熱記録媒体を模式的に示した部分断面図である。図1において、可逆性感熱記録媒体1においては、シート状の支持体2の表面に、感熱記録層3、ガスバリア層4、プライマー層8、保護層5がこの順に積層されている。
本発明の第2の実施形態の可逆性感熱記録媒体の構成を図2に示す。図2は、本発明の可逆性感熱記録媒体を模式的に示した部分断面図である。図2において、第2の実施形態の可逆性感熱記録媒体1と、第1の実施形態の可逆性感熱記録媒体1との相違点は、感熱記録層3とガスバリア層4の間に、感熱記録層3とガスバリア層4の接着性を向上させ、発色、消色の繰り返し性をより向上させる目的でアンカー層(中間層)6を設けた点である。第2の実施形態の可逆性感熱記録媒体1については、この相違点のみ説明する。その他は、第1の実施形態の可逆性感熱記録媒体1と同様である。
本発明の第3の実施形態の可逆性感熱記録媒体の構成を図3に示す。図3は、本発明の可逆性感熱記録媒体を模式的に示した部分断面図である。図3の第3の実施形態の可逆性感熱記録媒体1においては、図2に示す可逆性感熱記録媒体1の感熱記録層3と支持体2との中間に断熱性の高いアンダーコート層7が積層されている。
本発明の第4の実施形態の可逆性感熱記録媒体の構成を図4に示す。図4は、本発明の可逆性感熱記録媒体を模式的に示した部分断面図である。図4の第4の実施形態の可逆性感熱記録媒体1においては、図3に示す第3の実施形態の可逆性感熱記録媒体1の感熱記録層3とアンカー層6との中間に感熱記録層3を紫外線から保護する紫外線吸収層9が積層されている。
本発明の可逆性感熱記録媒体は、粘着層等を介して、他の媒体へ貼り付けてもよい。あるいは、PETフィルムなどの支持体の片面(裏面)にバックコート層を設け、該バックコート層の反対面に熱転写リボンに用いられる剥離層、剥離層上に可逆性感熱記録層、更に表面上に紙、樹脂フィルム、PETフィルムなどに転写できる樹脂層を設け熱転写プリンタを用いて転写させてもよい。本発明の可逆性感熱記録媒体は、シート状あるいはカード状に加工されていてもよく、その形状は任意の形状に加工することができ、また、可逆性感熱記録媒体の表面又は裏面への印刷加工を施すことができる。カード状に加工された可逆性感熱記録媒体は、磁気層やICチップを搭載して磁気カードやICカードとすることもできる。また、本発明の可逆性感熱記録媒体は、両面を可逆性感熱記録媒体としたり、非可逆の感熱記録層を併用してもよく、このとき、それぞれの記録層の発色色調は同じでも異なってもよい。
本発明の可逆性感熱記録媒体への画像形成、消去方法としては、使用目的によって熱ペン、サーマルヘッド、レーザ加熱等の従来の可逆性感熱記録媒体への発色方法及び消色方法による画像形成方法が利用できる。
図7を用いて、本発明の可逆性感熱記録媒体の発色方法を説明する。
まず、発色していない可逆性感熱記録媒体1の表面にドットプリンタのサーマルヘッドのような小面積の加熱ヘッド15を押し当てる。可逆性感熱記録層3、バリア層4及び保護層5は薄いので、可逆性感熱記録層3の被加熱部分13はすぐに加熱され、感熱記録層3を構成する発色剤等の融点に達する。そして、可逆性感熱記録層3の加熱ヘッド15に面している被加熱部分13の発色剤と顕色剤が溶融し反応して発色する。そこで、加熱ヘッド15を可逆性感熱記録媒体1の表面から取り除けば、可逆性感熱記録媒体1の被加熱部分13は十分に小領域なのですぐに冷える。そして、被加熱部分13は発色したまま凍結状態にされる。
まず、可逆性感熱記録媒体1の表面を加熱して可逆性感熱記録層3の被加熱領域を溶融する。但し、上述のサーマルヘッドのように小領域を加熱するのではなく、例えば、図8に示すように加熱ローラ18で比較的広い領域を加熱することが好ましい。そして、可逆性感熱記録層3の被加熱領域が溶融したら、加熱ローラ18を転がして被加熱領域を移動させていく。そうすると、一旦溶融して発色した被加熱領域は比較的ゆっくり冷えていく。その間に可逆性感熱記録層3中の発色剤と顕色剤とが解離してそれぞれ凝集又は結晶化する。この為、可逆性感熱記録層3は消色され、その後常温まで冷却されて凍結状態となる。この消色方法は、発色していない部分も加熱することになるが、通常、消色は可逆性感熱記録媒体全体を消色すればよいので、このような方法が便利である。図8において、加熱ローラ19が図の矢印方向に沿って左側に転がったとすれば、感熱記録層3の発色していた未加熱部分16は、加熱ローラ18の動きに伴い加熱され除冷されることにより消色領域17となる。
本発明の可逆性感熱記録部材は、情報記憶部と可逆表示部とを有し、該可逆表示部が本発明の前記可逆性感熱記録媒体を有してなり、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。
(1)情報記録部を有する部材の一部を可逆性感熱記録材料の支持体として、感熱記録層を直接形成したもの。
(2)情報記録部を有する部材に、別途形成された、支持体上に感熱記録層を有する可逆性感熱記録部材の支持体面を接着したもの。
これら(1)及び(2)の場合、情報記憶部と可逆表示部のそれぞれの機能が発揮できるよう設定されることが必要であり、そうであれば、情報記憶部の設定位置は、可逆性感熱記録部材における支持体の感熱記録層を設けた面と反対側の面に設けることも、支持体と感熱記録層との間でも、あるいは感熱記録層上の一部に設けることもできる。
以下に示す部及び%は、特に断らない限り、いずれも質量基準である。
<可逆性感熱記録媒体の作製>
−支持体−
支持体として、厚み125μmの白濁ポリエステルフィルム(帝人デュポン株式会社製、テトロンフィルムU2L98W)を用いた。
スチレン−ブタジエン系共重合体(日本エイアンドエル株式会社製、PA−9159)30質量部、ポリビニルアルコール樹脂(株式会社クラレ製、ポバールPVA103)12質量部、中空粒子(松本油脂株式会社製、マイクロスフェアーR−300)20質量部、及び水40質量部を添加し、均一状態になるまで約1時間撹拌して、アンダーコート層塗布液を調製した。得られたアンダーコート層塗布液を、前記支持体上に、ワイヤーバーにて塗布し、80℃にて2分間加熱乾燥して、厚み20μmのアンダーコート層を形成した。
下記構造式で表される電子受容性化合物(顕色剤)3質量部、ジアルキル尿素(日本化成株式会社製、ハクリーンSB)1質量部、アクリルポリオール50質量%メチルエチルケトン溶液(三菱レイヨン株式会社製、LR327)9質量部、及びメチルエチルケトン70質量部を、ボールミルを用いて平均粒径が1μmまでなるように粉砕し分散液を作製した。
紫外線吸収性ポリマー40質量%溶液(日本触媒株式会社製、UV−A11、水酸基価:39)20質量部、イソシアネート化合物(三井武田ポリウレタン株式会社製、D−110N)2質量部、及びメチルエチルケトン(MEK)18質量部からなる組成物をボールミルにて十分に撹拌して、紫外線吸収機能を有する紫外線吸収層用塗布液を調製した。得られた紫外線吸収層用塗布液を前記可逆性感熱記録層上に、ワイヤーバーを用いて塗布し、90℃にて1分間乾燥した後、室温にて24時間放置して、2μmの紫外線吸収層を形成した。
酢酸エチル125質量部に、ポリエステルポリオール樹脂(三井化学ポリウレタン株式会社製、タケラックA−3210)15質量部、及びイソシアネート化合物(三井化学ポリウレタン株式会社社製、タケネートA−3070)10質量部を混合し、アンカー層用塗布液を得た。得られたアンカー層用塗布液を前記紫外線吸収層上にワイヤーバーを用いて塗布し、80℃にて1分間乾燥し、厚み0.7μmのアンカー層を形成した。
(1)エチレン−ビニルアルコール共重合体溶液の調製
精製水50%、iso−プロピルアルコール(IPA)50%を含む混合溶剤60質量部に、エチレン−ビニルアルコール共重合体(日本合成化学工業株式会社製、ソアノールD−2908、以下、EVOHと略記することがある。)30質量部を加え、更に濃度が30質量%の過酸化水素水10質量部を添加して攪拌下で80℃に加温し、約2時間反応させた。その後冷却してカタラーゼを3,000ppmになるように添加し、残存過酸化水素を除去し、固形分30質量%のほぼ透明なエチレン−ビニルアルコール共重合体溶液を得た。
無機層状化合物である天然品モンモリロナイト(クニミネ工業株式会社製、クニピアF)5質量部を精製水95質量部中に攪拌しながら添加し、高速攪拌機にて充分に分散した。その後、40℃にて1日間保温し固形分5%の無機層状化合物分散液を得た。
精製水50%、NPA50%の混合溶剤60.7質量部に、(1)で調製したエチレン−ビニルアルコール共重合体溶液を15.7部質量添加し、充分に攪拌混合した。更にこの溶液を高速で攪拌しながら、(2)で調製した無機層状化合物分散液23.6部を添加した。この混合溶液100質量部に対して、3質量部の陽イオン交換樹脂粒子を添加し、イオン交換樹脂粒子の破砕が起きない程度の攪拌速度で1時間攪拌して、陽イオンの除去を行った後、陽イオン交換樹脂のみをストレーナで濾別した。得られた混合溶液に、水酸化マグネシウム0.06質量部を添加し、更に高圧分散装置にて圧力50MPaの設定で分散処理した後、300メッシュのフィルターにて濾過し固形分5.9%のエチレン−ビニルアルコール共重合体溶液と無機層状化合物分散液の混合溶液(EVOH/無機層状化合物=80部/20部)を得た。得られた混合溶液10質量部を攪拌しながら、有機金属化合物として、チタンラクテート44%溶液(松本ファインケミカル社製、TC−310)を0.015質量部添加し、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液を得た。得られた金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液を前記アンカー層上にワイヤーバーを用いて塗布し、80℃にて1分間で乾燥し、厚み0.5μmの金属化合物含有層(ガスバリア層)を形成した。
なお、前記形成された金属化合物含有層(ガスバリア層)におけるTi含有量は、0.2質量%であった。
なお、前記金属化合物含有層(ガスバリア層)の同定は、走査型電子顕微鏡(SEM)(ULTRA55、Carl Zeiss製)を用いて行い、前記金属化合物含有層(ガスバリア層)中の有機金属化合物の同定は、X線分析装置(EMAX ENERGY、堀場製作所社製)により行った。
メチルエチルケトン30質量%、イソプロピルアルコール20質量%、酢酸エチル50質量%の混合液50質量部に、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学株式会社製、エスレックBL−1)50質量部を溶解し、イソシアネート化合物(サカタインクス株式会社製、ラミオールR硬化剤)3質量部を混合し、熱硬化性樹脂含有層(プライマー層)用塗布液を得た。得られた熱硬化性樹脂含有層(プライマー層)用塗布液を前記金属化合物含有層(ガスバリア層)上にワイヤーバーを用いて塗布し、80℃にて1分間で乾燥し、厚み0.8μmの前記熱硬化性樹脂含有層(プライマー層)を形成した。
なお、前記熱硬化性樹脂含有層(プライマー層)の同定は、走査型電子顕微鏡(SEM)(ULTRA55、Carl Zeiss製)を用いて行った。
ペンタエリスルトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製、KAYARAD DPHA)3質量部、ウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業株式会社製、アートレジンUN−3320HA)3質量部、ジペンタエリスリトールカプロラクトンのアクリル酸エステル(日本化薬株式会社製、KAYARAD DPCA−120)3質量部、シリカ(水澤化学工業社製、P−526)1部、光重合開始剤(日本チバガイギー株式会社製、イルガキュア184)0.5質量部、滑剤(東レダウ社製 ST102PA)0.001部、及びイソプロピルアルコール11質量部を加え、ボールミルにて良く攪拌して平均粒径3μmまでなるように分散し、保護層用塗布液を調製した。得られた保護層用塗布液をワイヤーバーにて塗布し90℃にて1分間加熱乾燥後、80W/cmの紫外線ランプで光照射し架橋させて、70℃、24時間キュアを行い、厚み4μmの保護層を形成した。
図4に示した第4の実施形態の可逆性感熱記録媒体に相当する。
実施例1の金属化合物含有層(ガスバリア層)形成において、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にチタンラクテート溶液を0.015質量部添加することに代えて、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にチタンラクテート溶液を0.15質量部添加したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2の可逆性感熱記録媒体を作製した。
なお、前記形成された金属化合物含有層(ガスバリア層)におけるTi含有量は、2.0質量%であった。
実施例1の金属化合物含有層(ガスバリア層)形成において、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にチタンラクテート溶液を0.015質量部添加することに代えて、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にチタンラクテート溶液を0.3質量部添加したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の可逆性感熱記録媒体を作製した。
なお、前記形成された金属化合物含有層(ガスバリア層)におけるTi含有量は、4.2質量%であった。
実施例1の金属化合物含有層(ガスバリア層)形成において、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にチタンラクテート溶液を0.015質量部添加することに代えて、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にチタンラクテート溶液を0.45質量部添加したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4の可逆性感熱記録媒体を作製した。
なお、前記形成された金属化合物含有層(ガスバリア層)におけるTi含有量は、6.3質量%であった。
実施例1の金属化合物含有層(ガスバリア層)形成において、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にチタンラクテート溶液を0.015質量部添加することに代えて、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にチタンラクテート溶液を0.6質量部添加したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例5の可逆性感熱記録媒体を作製した。
なお、前記形成された金属化合物含有層(ガスバリア層)におけるTi含有量は、8.3質量%であった。
実施例1の金属化合物含有層(ガスバリア層)形成において、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にチタンラクテート溶液を0.015質量部添加することに代えて、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にチタンラクテート溶液を0.75質量部添加したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例6の可逆性感熱記録媒体を作製した。
なお、前記形成された金属化合物含有層(ガスバリア層)におけるTi含有量は、10.4質量%であった。
実施例1の金属化合物含有層(ガスバリア層)形成において、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にチタンラクテート溶液を0.015質量部添加することに代えて、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にジルコニウムアシレート溶液(ジルコニウムアシレート30%溶液 松本ファインケミカル株式会社製、ZB−126)を0.01質量部添加したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例7の可逆性感熱記録媒体を作製した。
なお、前記形成された金属化合物含有層(ガスバリア層)におけるZr含有量は、0.2質量%であった。
実施例1の金属化合物含有層(ガスバリア層)形成において、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にチタンラクテート溶液を0.015質量部添加することに代えて、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にジルコニウムアシレート溶液を0.03質量部添加したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例8の可逆性感熱記録媒体を作製した。
なお、前記形成された金属化合物含有層(ガスバリア層)におけるZr含有量は、0.9質量%であった。
実施例1の金属化合物含有層(ガスバリア層)形成において、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にチタンラクテート溶液を0.015質量部添加することに代えて、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にジルコニウムアシレート溶液を0.1質量部添加したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例9の可逆性感熱記録媒体を作製した。
なお、前記形成された金属化合物含有層(ガスバリア層)におけるZr含有量は、1.9質量%であった。
実施例1の金属化合物含有層(ガスバリア層)形成において、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にチタンラクテート溶液を0.015質量部添加することに代えて、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にジルコニウムアシレート溶液を0.2質量部添加したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例10の可逆性感熱記録媒体を作製した。
なお、前記形成された金属化合物含有層(ガスバリア層)におけるZr含有量は、3.8質量%であった。
実施例1の金属化合物含有層(ガスバリア層)形成において、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にチタンラクテート溶液を0.015質量部添加することに代えて、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にジルコニウムアシレート溶液を0.4質量部添加したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例11の可逆性感熱記録媒体を作製した。
なお、前記形成された金属化合物含有層(ガスバリア層)におけるZr含有量は、7.5質量%であった。
実施例1の金属化合物含有層(ガスバリア層)形成において、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にチタンラクテート溶液を0.015質量部添加することに代えて、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にジルコニウムアシレート溶液を0.5質量部添加したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例12の可逆性感熱記録媒体を作製した。
なお、前記形成された金属化合物含有層(ガスバリア層)におけるZr含有量は、9.4質量%であった。
実施例1の金属化合物含有層(ガスバリア層)形成において、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にチタンラクテート溶液を0.015質量部添加することに代えて、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にチタンジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)80%溶液(松本ファインケミカル社製、TC−400)を0.45質量部添加したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例13の可逆性感熱記録媒体を作製した。
なお、前記形成された金属化合物含有層(ガスバリア層)におけるTi含有量は、6質量%であった。
実施例1の金属化合物含有層(ガスバリア層)形成において、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にチタンラクテート溶液を0.015質量部添加することに代えて、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にジルコニウムアセテート30%溶液(第一稀元素化学工業社製、ZA-30)を0.20質量部添加したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例14の可逆性感熱記録媒体を作製した。
なお、前記形成された金属化合物含有層(ガスバリア層)におけるZr含有量は、6.5質量%であった。
実施例1の金属化合物含有層(ガスバリア層)形成において、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にチタンラクテート溶液を0.015質量部添加することに代えて、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にチタンラクテート溶液(松本ファインケミカル社製、TC−310)を0.2質量部添加し、さらに、ジルコニウムアシレート溶液(松本ファインケミカル株式会社製、ZB−126)を0.15質量部添加したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例15の可逆性感熱記録媒体を作製した。
なお、前記形成された金属化合物含有層(ガスバリア層)におけるTi含有量は、2.8質量%であり、前記形成された金属化合物含有層(ガスバリア層)におけるZr含有量は、2.8質量%であった。
実施例4の金属化合物含有層(ガスバリア層)形成において、金属化合物含有層(ガスバリア層)の厚みを、0.5μmから0.05μmに変更した以外は実施例1と同様にして、実施例16の可逆性感熱記録媒体を作製した。
実施例4の金属化合物含有層(ガスバリア層)形成において、金属化合物含有層(ガスバリア層)の厚みを、0.5μmから0.1μmに変更した以外は実施例1と同様にして、実施例17の可逆性感熱記録媒体を作製した。
実施例4の金属化合物含有層(ガスバリア層)形成において、金属化合物含有層(ガスバリア層)の厚みを、0.5μmから0.3μmに変更した以外は実施例1と同様にして、実施例18の可逆性感熱記録媒体を作製した。
実施例4の金属化合物含有層(ガスバリア層)形成において、金属化合物含有層(ガスバリア層)の厚みを、0.5μmから1.0μmに変更した以外は実施例1と同様にして、実施例19の可逆性感熱記録媒体を作製した。
実施例4の金属化合物含有層(ガスバリア層)形成において、金属化合物含有層(ガスバリア層)の厚みを、0.5μmから3.0μmに変更した以外は実施例1と同様にして、実施例20の可逆性感熱記録媒体を作製した。
実施例4の金属化合物含有層(ガスバリア層)形成において、金属化合物含有層(ガスバリア層)の厚みを、0.5μmから5.0μmに変更した以外は実施例1と同様にして、実施例21の可逆性感熱記録媒体を作製した。
実施例4の金属化合物含有層(ガスバリア層)形成において、金属化合物含有層(ガスバリア層)の厚みを、0.5μmから10μmに変更した以外は実施例1と同様にして、実施例22の可逆性感熱記録媒体を作製した。
実施例4の金属化合物含有層(ガスバリア層)形成において、金属化合物含有層(ガスバリア層)の厚みを、0.5μmから15μmに変更した以外は実施例1と同様にして、実施例23の可逆性感熱記録媒体を作製した。
実施例1の金属化合物含有層(ガスバリア層)形成において、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にチタンラクテート溶液を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の可逆性感熱記録媒体を作製した。
実施例1の金属化合物含有層(ガスバリア層)形成において、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にチタンラクテート溶液を0.015質量部添加することに代えて、ガスバリア層用塗布液にカルボジイミド溶液(カルボジイミド40%溶液、カルボジライトV04、日清紡)を0.015質量部添加したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例2の可逆性感熱記録媒体を作製した。
なお、前記形成されたガスバリア層におけるカルボジイミドの含有量は、1.0質量%であった。
実施例1の金属化合物含有層(ガスバリア層)形成において、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にチタンラクテート溶液を0.015質量部添加することに代えて、ガスバリア層用塗布液にカルボジイミド溶液(カルボジイミド40%溶液、カルボジライトV04、日清紡)を0.045質量部添加したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例3の可逆性感熱記録媒体を作製した。
なお、前記形成されたガスバリア層におけるカルボジイミドの含有量は、3.0質量%であった。
実施例1の金属化合物含有層(ガスバリア層)形成において、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にチタンラクテート溶液を0.015質量部添加することに代えて、ガスバリア層用塗布液にカルボジイミド溶液(カルボジイミド40%溶液、カルボジライトV04、日清紡)を0.15質量部添加したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例4の可逆性感熱記録媒体を作製した。
なお、前記形成されたガスバリア層におけるカルボジイミドの含有量は、10質量%であった。
実施例1の金属化合物含有層(ガスバリア層)形成において、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にチタンラクテート溶液を0.015質量部添加することに代えて、ガスバリア層用塗布液にカルボジイミド溶液(カルボジイミド40%溶液、カルボジライトV04、日清紡)を0.30質量部添加したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例5の可逆性感熱記録媒体を作製した。
なお、前記形成されたガスバリア層におけるカルボジイミドの含有量は、20質量%であった。
実施例1の金属化合物含有層(ガスバリア層)形成において、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にチタンラクテート溶液を0.015質量部添加することに代えて、ガスバリア層用塗布液にカルボジイミド溶液(カルボジイミド40%溶液、カルボジライトV04、日清紡)を0.60質量部添加したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例6の可逆性感熱記録媒体を作製した。
なお、前記形成されたガスバリア層におけるカルボジイミドの含有量は、40質量%であった。
実施例1の金属化合物含有層(ガスバリア層)形成において、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にチタンラクテート溶液を0.015質量部添加することに代えて、ガスバリア層用塗布液にカルボジイミド溶液(カルボジイミド40%溶液、カルボジライトV04、日清紡)を0.75質量部添加したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例7の可逆性感熱記録媒体を作製した。
なお、前記形成されたガスバリア層におけるカルボジイミドの含有量は、50質量%であった。
実施例1の金属化合物含有層(ガスバリア層)形成において、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にチタンラクテート溶液を0.015質量部添加することに代えて、ガスバリア層用塗布液にオキサゾリン系化合物溶液(オキサゾリン系化合物40質量%溶液、日本触媒株式会社社製、エポクロスWS−500)を0.015質量部添加した以外は、実施例1と同様にして、比較例8の可逆性感熱記録媒体を作製した。
なお、前記形成されたガスバリア層におけるオキサゾリン系化合物の含有量は、1.0質量%であった。
実施例1の金属化合物含有層(ガスバリア層)形成において、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にチタンラクテート溶液を0.015質量部添加することに代えて、ガスバリア層用塗布液にオキサゾリン系化合物溶液(オキサゾリン系化合物40質量%溶液、日本触媒株式会社社製、エポクロスWS−500)を0.045質量部添加した以外は、実施例1と同様にして、比較例9の可逆性感熱記録媒体を作製した。
なお、前記形成されたガスバリア層におけるオキサゾリン系化合物の含有量は、3.0質量%であった。
実施例1の金属化合物含有層(ガスバリア層)形成において、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にチタンラクテート溶液を0.015質量部添加することに代えて、ガスバリア層用塗布液にオキサゾリン系化合物溶液(オキサゾリン系化合物40質量%溶液、日本触媒株式会社社製、エポクロスWS−500)を0.15質量部添加した以外は、実施例1と同様にして、比較例10の可逆性感熱記録媒体を作製した。
なお、前記形成されたガスバリア層におけるオキサゾリン系化合物の含有量は、10質量%であった。
実施例1の金属化合物含有層(ガスバリア層)形成において、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にチタンラクテート溶液を0.015質量部添加することに代えて、ガスバリア層用塗布液にオキサゾリン系化合物溶液(オキサゾリン系化合物40質量%溶液、日本触媒株式会社社製、エポクロスWS−500)を0.3質量部添加した以外は、実施例1と同様にして、比較例11の可逆性感熱記録媒体を作製した。
なお、前記形成されたガスバリア層におけるオキサゾリン系化合物の含有量は、20質量%であった。
実施例1の金属化合物含有層(ガスバリア層)形成において、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にチタンラクテート溶液を0.015質量部添加することに代えて、ガスバリア層用塗布液にオキサゾリン系化合物溶液(オキサゾリン系化合物40質量%溶液、日本触媒株式会社社製、エポクロスWS−500)を0.60質量部添加した以外は、実施例1と同様にして、比較例12の可逆性感熱記録媒体を作製した。
なお、前記形成されたガスバリア層におけるオキサゾリン系化合物の含有量は、40質量%であった。
実施例1の金属化合物含有層(ガスバリア層)形成において、金属化合物含有層(ガスバリア層)用塗布液にチタンラクテート溶液を0.015質量部添加することに代えて、ガスバリア層用塗布液にオキサゾリン系化合物溶液(オキサゾリン系化合物40質量%溶液、日本触媒株式会社社製、エポクロスWS−500)を0.75質量部添加した以外は、実施例1と同様にして、比較例13の可逆性感熱記録媒体を作製した。
なお、前記形成されたガスバリア層におけるオキサゾリン系化合物の含有量は、50質量%であった。
作製した実施例1〜23及び比較例1〜13の可逆性感熱記録媒体について以下のようにして、耐久性テスト、耐光性テスト、耐水性テスト及び経時剥離テストを行った。
可逆性感熱記録媒体をカードプリンタ(パナソニックコミュニケーションズ社製 R−28000)にて印字及び消去を300回繰り返した。印字、消去条件としては、印字エネルギーを0.57mJ/dot、消去温度を130℃、搬送速度を56mm/secとした。1回、100回、300回繰り返し時に可逆性感熱記録媒体の表面の印字状態を目視で観察し、下記の評価基準に基づき評価した。評価結果を表1〜表3に示す。
−−評価基準−−
◎:画像部の発色状態及び消去部の消色状態が良好で、塗膜剥離が観察されないレベル
〇:発色及び消色状態は良好であるが、塗膜剥離がわずかに観察されるレベル
△:発色画像が隠蔽されてわずかに白化し、かつ塗膜剥離が観察されるレベル
×:塗膜剥離が激しく、繰り返し耐久性評価が継続できないレベル
なお、塗膜剥離とは、ガスバリア層の層内剥離、及び、ガスバリア層とガスバリア層と隣接する層との層間剥離の少なくともいずれかを示す。
可逆性感熱記録媒体にカードプリンタ(パナソニックコミュニケーションズ社製 R−28000)で印字(印字エネルギーを0.57mJ/dot、搬送速度を56mm/sec)後、キセノンランプによる光照射(照射度12万Lx、時間48h、温度35℃、湿度80%、セリック社製人工太陽光装置)による曝露試験を行った。曝露後、同じカードプリンタで消去、印字(書き換え)テストを行った。印字条件としては、消去温度130℃、搬送速度を56mm/sec、印字エネルギーを0.57mJ/dotとした。可逆性感熱記録媒体上の地肌濃度、消去濃度をX−RITE918にて測定し、以下の評価基準に基づき判定した。評価結果を表1〜表3に示す。
−−評価基準−−
◎:消去部と地肌部の濃度差 0.05以下
○:消去部と地肌部の濃度差 0.05を超え0.20以下
△:消去部と地肌部の濃度差 0.20を超え0.50以下
×:消去部と地肌部の濃度差 0.50を超える
可逆性感熱記録媒体にカードプリンタ(パナソニックコミュニケーションズ社製 R−28000)で印字(印字エネルギーを0.57mJ/dot、搬送速度を56mm/sec)後、22℃に調整した水中下にて24時間保存した。保存後、別の画像に書き換える(印字された画像を消去温度130℃で消去し、再度、前記カードプリンタで印字(印字エネルギーを0.57mJ/dot、搬送速度を56mm/sec)する)ことで表面の印字状態を目視で観察し、下記の評価基準に基づき評価した。評価結果を表1〜表3に示す。
−−評価基準−−
◎:画像部の発色状態及び消去部の消色状態が良好で、塗膜剥離が観察されないレベル
〇:発色及び消色状態は良好であるが、塗膜剥離がわずかに観察されるレベル
△:発色画像が隠蔽されてわずかに白化し、かつ塗膜剥離が観察されるレベル
×:塗膜剥離が激しく、繰り返し耐久性評価が継続できないレベル
なお、塗膜剥離とは、ガスバリア層の層内剥離、及び、ガスバリア層とガスバリア層と隣接する層との層間剥離の少なくともいずれかを示す。
可逆性感熱記録媒体にカードプリンタ(パナソニックコミュニケーションズ社製 R−28000)で印字(印字エネルギーを0.57mJ/dot、搬送速度を56mm/sec)後、常温、湿度50%で1日、1週間、1ヵ月で保存。保存後、別の画像に書き換える(印字された画像を消去温度130℃で消去し、再度、前記カードプリンタで印字(印字エネルギーを0.57mJ/dot、搬送速度を56mm/sec)する)ことで表面の印字状態を目視で観察し、下記の評価基準に基づき評価した。
−−評価基準−−
◎:画像部の発色状態及び消去部の消色状態が良好で、塗膜剥離が観察されないレベル
〇:発色及び消色状態は良好であるが、塗膜剥離がわずかに観察されるレベル
△:発色画像が隠蔽されてわずかに白化し、かつ塗膜剥離が観察されるレベル
×:塗膜剥離が激しく、繰り返し耐久性評価が継続できないレベル
なお、塗膜剥離とは、ガスバリア層の層内剥離、及び、ガスバリア層とガスバリア層と隣接する層との層間剥離の少なくともいずれかを示す。
可逆性感熱記録媒体にカードプリンタ(パナソニックコミュニケーションズ社製 R−28000)で印字(印字エネルギーを0.57mJ/dot、搬送速度を56mm/sec)後、温度40℃、湿度90%で1日、1週間、1ヵ月で保存。保存後、別の画像に書き換える(印字された画像を消去温度130℃で消去し、再度、前記カードプリンタで印字(印字エネルギーを0.57mJ/dot、搬送速度を56mm/sec)する)ことで表面の印字状態を目視で観察し、下記の評価基準に基づき評価した。
−−評価基準−−
◎:画像部の発色状態及び消去部の消色状態が良好で、塗膜剥離が観察されないレベル
〇:発色及び消色状態は良好であるが、塗膜剥離がわずかに観察されるレベル
△:発色画像が隠蔽されてわずかに白化し、かつ塗膜剥離が観察されるレベル
×:塗膜剥離が激しく、繰り返し耐久性評価が継続できないレベル
2 支持体
3 可逆性感熱記録層(感熱記録層)
4 金属化合物含有層(ガスバリア層)
5 保護層
6 アンカー層
7 アンダーコート層
8 プライマー層
9 紫外線吸収層
10 ガスバリア性樹脂
11 無機層状化合物
13 被加熱部分
15 加熱ヘッド
16 未加熱部分
17 消色部
18 加熱ローラ
Claims (8)
- 支持体と、
電子供与性呈色性化合物及び電子受容性化合物を含む可逆性感熱組成物による可逆性感熱記録層と、
ポリビニルアルコール系重合体及びエチレン−ビニルアルコール系共重合体からなる群から選択される少なくとも1種を含む樹脂、有機チタン化合物及び有機ジルコニウム化合物の少なくともいずれかを含む有機金属化合物、及び無機層状化合物を含む金属化合物含有層と、
前記金属化合物含有層を保護する保護層と、が順次積層され、
前記有機金属化合物が、キレート化合物及びアシレート化合物の少なくともいずれかを含むことを特徴とする可逆性感熱記録媒体。 - 金属化合物含有層における金属含有量が、0.1質量%〜15質量%である請求項1に記載の可逆性感熱記録媒体。
- 金属化合物含有層の厚みが、0.1μm〜10μmである請求項1から2のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
- キレート化合物が、下記一般式(1)で表されるチタンキレート、及び下記一般式(2)で表されるジルコニウムキレートの少なくともいずれかであり、
アシレート化合物が、下記一般式(3)で表されるチタンアシレート、及び下記一般式(4)で表されるジルコニウムアシレートの少なくともいずれかである請求項1から3のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
Ti(OR) n (X) 4-n ・・・一般式(1)
(ただし、一般式(1)中、Rは有機基を表し、Xは配位子を表し、nは0〜3の整数を表す)
Zr(OR) n (X) 4-n ・・・一般式(2)
(ただし、一般式(2)中、Rは有機基を表し、Xは配位子を表し、nは0〜3の整数を表す)
Ti(OR 1 ) n (OCOR 2 ) 4-n ・・・一般式(3)
(ただし、一般式(3)中、R 1 及びR 2 は有機基を表し、nは0〜3の整数を表す)
Zr(OR 1 ) n (OCOR 2 ) 4-n ・・・一般式(4)
(ただし、一般式(4)中、R 1 及びR 2 は有機基を表し、nは0〜3の整数を表す) - 金属化合物含有層と保護層との間に、熱硬化性樹脂組成物の硬化物を含む熱硬化性樹脂含有層を更に有する請求項1から4のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
- 支持体と可逆性感熱記録層との間に、アンダーコート層を更に有する請求項1から5のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
- 情報記憶部と可逆表示部とを有し、前記可逆表示部が請求項1から6のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体を有することを特徴とする可逆性感熱記録部材。
- 情報記憶部が、磁気感熱記録層、磁気ストライプ、ICメモリ、光メモリ、ホログラム、RF−IDタグカード、ディスク、ディスクカートリッジ及びテープカセットから選択される少なくとも1種を有する請求項7に記載の可逆性感熱記録部材。
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