JP5786697B2 - スライダリンク機構を用いて変速比を調整した無段変速装置 - Google Patents
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Description
図1は、特許文献1の無段変速機の縦断面図である。図2は、特許文献1の無段変速機の一部カットして示す斜視図であり、(b)は、クランクシャフト41とクランクアーム41aの斜視図である。図3(a)、(b)は、特許文献1の無段変速機の作動説明図であり、(a)は、出力軸がゼロ回転の場合で、内側偏心カム29と外側偏心カム30との結合位相が、入力軸18の中心O1と同心円となった場合であり、(b)は、(a)の場合に比べて外側偏心カム30が約90°回動した場合である。
入力軸18は、ウオームギヤ用ケース9、偏心カム用ケース7、ケース本体1の軸筒部1b(不動)、円形プレート2を貫通して、軸筒部14a(回転)の途中まで回転自在に挿入されている。19、20、21、22は、入力軸18を回転自在に支持するベアリングである。23は、この入力軸18と対向して同心に増速ギヤ用ケース11内から外方に突出するように設けた出力軸で、24、25は、この出力軸23を回転自在に支持するベアリングである。
ケース7内の入力軸18にキー26を介して第1作動歯車27を設ける。この第1差動歯車27に対して、同径の第2差動歯車28を回転自在に嵌装し、その出力側に内側偏心カム29を、キー26を介して入力軸18に固定して設ける。この内側偏心カム29の外周部に外側偏心カム30を回転自在に設ける。ここで、入力軸18にキー26を介して固定されているのは、この第1差動歯車27と内側偏心カム29である。第2差動歯車28は、第1差動歯車27に対して回転自在であり、外側偏心カム30は、内側偏心カム29に対して回転自在である。
上記複列の各遊星歯車47と、それぞれ噛合する内歯歯車48aを有する2列の入力側と出力側のリングギヤ48を、それぞれインナーケース13に対してボールベアリング49を介して回転自在に設ける。これら2列のリングギヤ48間に、ボールベアリング50を介挿してリングギヤ48相互も回転自在にする。さらに、これら2個のリングギヤ48の対向する側面に、それぞれ放射状に歯を並設した側歯歯車48bを形成し、これら両側の側歯歯車48bと、それぞれ噛み合う複数のピニオン51を、ベアリング52を介して、軸53によりインナーケース13に枢支して設ける。54は、軸53をインナーケース13に固定するナットである。
1.出力軸がゼロ回転の場合
入力軸18が、図3(a)において矢印Eのように反時計方向に回転すると、内側偏心カム29および外側偏心カム30も入力軸18と共に回転する。この場合、外側偏心カム30が図3(a)のように入力軸18と同心であれば、カム溝30bも入力軸18に対して同心円となる。したがって、各クランクシャフト41は入力軸18に対して同心円上に配置してあるから、入力軸18の中心O1と、クランクシャフト41の中心O2と、クランクピン41bの中心O3とのなす角θは、すべて不変である。このため、入力軸18と共にカム溝30bが回転しても各クランクシャフト41は全く回転しない。そして、クランクシャフト41以降の伝動系もすべて停止したままであるから、出力軸23は全く回転しない。
ハンドル34を回転させると、図3(b)に示したように、内側偏心カム29と外側偏心カム30との結合位相を変化させることができ、図3(b)は、(a)の場合に比べて外側偏心カム30が約90°回動した場合である。図2(b)に示すクランクピン41bには、角形の滑り子45が嵌合し、図2(a)に示すように、角形の滑り子45が、外側偏心カム30のカム溝30b内にそれぞれ摺動自在に嵌入している。
図3(b)において、入力軸11が矢印Eの方向に回転すると、カム溝30bも矢印Eの方向に回転するため、各クランクシャフト41のクランクピン41bは滑り子45(を介してカム溝30bによって案内され、時々刻々その位置が変化する。
これにより、偏心量可変軸の回転運動を、クランクアームの揺動運動に変換することができる。
図4において、入力軸18は、ベルト伝動用プーリーである。まず、図5を参照して、入力プーリー(以下、入力軸)18、スライダリンク103、クランクアーム111、114と連接棒112、113(2セット分)の概略構造を説明する。これらは、入力軸18からの回転を、ケースに回転自在に固定支持された少なくとも1本のクランクシャフト41(揺動シャフトともいう)の揺動運動に変換し、かつ、揺動角度を調整する変速比調整機構を構成する。ここで、本発明における変速比とは、入力軸の回転数に対する出力軸の回転数の比率(変速比=出力軸回転数/入力軸回転数)を指している。
ここで、偏心量可変軸105にはカム105’が設置されている。ここでは、一例として、偏心量可変軸105の径を太くして同心円筒面のカム105’としているが、その他所望外形形状のカムとしても良い。
(1)クランクアーム111、114、及び、クランクピン115、116と偏心量可変軸105とを連結する連接棒112、113により構成されるリンク機構。
(2)偏心量可変軸105に設けられたカム部105’と、カム部105’に弾圧当接する揺動アーム部111’、114’を具備する機構。
これ以外に、偏心量可変軸105を、遊び穴を介してダイレクトに揺動シャフト41、41’に連結することも可能であり、連結機構としては、その他様々な実施形態が存在する。
23 出力軸
41 クランクシャフト(揺動シャフト)
41’ 揺動シャフト
47 遊星歯車
101 回り対偶軸
102 スライダ、スライドピン
103 スライダリンク
104 リニアガイド
105 偏心量可変軸
Claims (7)
- 入力軸(18)からの回転を、ケースに回転自在に固定支持された少なくとも1本の揺動シャフト(41、41’)の揺動運動に変換し、かつ、揺動角度を調整する変速比調整機構、及び、前記揺動シャフト(41、41’)の揺動運動を回転運動に変換する揺動・回転変換機構を具備する無段変速機であって、前記変速比調整機構は、
前記入力軸(18)に対して偏心した回り対偶軸(101)で連結したスライダリンク(103)であって、リニアガイド(104)に沿ってスライド可能なスライダ(102)、及び、スライダリンク(103)に固着された偏心量可変軸(105)を有するスライダリンク(103)と、
前記偏心量可変軸(105)の運動を前記揺動シャフト(41、41’)に伝動する連結機構と、を具備し、
前記スライダ(102)は位置調整自在に外部に固定されており、前記スライダ(102)の前記リニアガイド(104)におけるスライド位置が前記回り対偶軸(101)に対して変更されることにより、前記偏心量可変軸(105)の回転半径が調整されて、前記揺動シャフト(41、41’)の揺動角度範囲が調整されるようにした無段変速機。 - 前記揺動シャフト(41)は、クランクアーム(111、114)、及び、クランクピン(115、116)を有するクランクシャフト(41)であって、
前記連結機構は、前記クランクアーム(111、114)、及び、前記クランクピン(115、116)と前記偏心量可変軸(105)とを連結する連接棒(112、113)により構成されるリンク機構であることを特徴とする請求項1に記載の無段変速機。 - 前記揺動シャフト(41’)には、揺動アーム部(111’、114’)が設けられており、
前記連結機構は、前記偏心量可変軸(105)に設けられたカム部(105’)と、前記カム部に弾圧当接する揺動アーム部(111’、114’)を具備することを特徴とする請求項1に記載の無段変速機。 - 前記揺動・回転変換機構は、前記揺動シャフト(41、41’)に一方向クラッチ(46)を介して回転自在に支持された遊星歯車(47)、及び、出力軸(23)を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の無段変速機。
- 前記揺動シャフト(41、41’)は、複数本存在することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の無段変速機。
- 前記スライダ(102)は、前記回り対偶軸(101)の回転半径内側にあることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の無段変速機。
- 前記リニアガイド(104)は、前記スライダリンク(103)に設けられた溝であり、スライダ(102)がスライダピンであることを特徴とする請求項1から6にいずれか1項に記載の無段変速機。
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