以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.紙幣入出金装置の構成>
まず、図1および図2に基づいて、本発明の実施形態に係る紙幣入出金装置の構成について説明する。なお、図1は、本実施形態に係る紙幣入出金装置の構成を示すブロック図である。図2は、本実施形態に係る紙幣入出金装置での記番号管理を説明する説明図である。
本実施形態に係る紙幣入出金装置100は、顧客が投入した紙幣を受け入れ、紙幣の鑑別および枚数カウントをして収納カセットに収納するとともに、顧客からの支払い要求あるいは返却要求に応じて紙幣の枚数をカウントして要求された紙幣を支払う機能を有する。具体的には、紙幣入出金装置100は、図1に示すように、入出金部10と、鑑別部20と、リジェクト取込み部30と、紙幣収納庫40と、搬送部50と、制御部60と、トリガーセンサ70と、記憶部80とを備える。
入出金部10は、顧客から紙幣の入金を受け、また、顧客に対して紙幣を出金する接客ユニットである。入出金部10は、入金された紙幣を繰出す繰出機構および出金された紙幣を集積する集積機構を有する接客口を有しており、接客口には顧客からの紙幣の投入時および顧客への紙幣の引渡し時等に開閉するシャッタが設けられている。また、入出金部10は、接客口と他の機能部を接続する搬送路が設けられている。接客口に投入された紙幣は、搬送路を介してリジェクト取込み部30(リジェクト・取込みユニット)あるいは紙幣収納庫40(収納カセット)へ搬送され、また、リジェクト取込み部30あるいは紙幣収納庫40に収納された紙幣を接客口へ搬送する。
鑑別部20は、搬送路を搬送されている紙幣を鑑別する。鑑別部20は、例えば、紙幣の真偽や正損、金種等を識別したり、重送や連鎖、接近、スキュー等を検出したりする。また、鑑別部20は、OCR(Optical Character Recognition)等の文字認識手段を用いて、搬送路を搬送されている紙幣の記番号を認識検出する記番号取得部としても機能する。
リジェクト取込み部30は、リジェクトされた紙幣や取忘れられた紙幣が収納されるリジェクト・取込みユニットである。リジェクト取込み部30は、後述するように、出金処理時に繰出し異常により重送と識別された紙幣を収納するリジェクト媒体収納庫(図5の符号132)と、入金取引や出金取引時に顧客が接客口に忘れた紙幣を収納する取忘れ媒体収納庫(図5の符号134)とを備える。リジェクト媒体収納庫および取忘れ媒体収納庫は、搬送された紙幣を集積する集積機構をそれぞれ備えている。
紙幣収納庫40は、鑑別部20により正常紙幣を、例えば金種別に収納する収納カセットである。紙幣収納庫40は、複数の金種の紙幣をそれぞれ管理するため、各金種に対応する収納カセットから構成されている。各収納カセットには、紙幣を1枚毎に分離して繰出すと共に、搬送された紙幣を集積する分離集積機構を有している。
搬送部50は、紙幣入出金装置内において紙幣を搬送する機構であって、例えばベルトやローラ等で紙幣を挟持して送り出す搬送機構と、当該搬送機構や搬送路の各分岐部に設けられ、紙幣の搬送方向を切替える切替機構等を駆動する駆動機構とからなる。搬送部50が機能することにより、入出金部10とリジェクト取込み部30または紙幣収納庫40との間での紙幣の移動や、鑑別部20による紙幣の鑑別を行うことができる。
制御部60は、紙幣入出金装置100の上位装置からの指令を元に各部を制御して、紙幣の取込処理や収納処理、出金処理等の紙幣処理を実行する。例えば、制御部60は、入出金部10への紙幣の投入が検知されると、搬送部50を機能させて紙幣収納庫40へ搬送すると共に、鑑別部20に対して搬送路を搬送されている紙幣の鑑別を行わせる。また、制御部60は、入出金部10から紙幣収納庫40に収納された紙幣および紙幣収納庫40から出金された紙幣を管理し、紙幣の記番号と紙幣の収納先、収納順序を記憶部80に記憶する。
トリガーセンサ70は、搬送路を搬送されている紙幣の厚みを検出するセンサである。制御部60は、トリガーセンサ70に紙幣の厚みを検出させることにより、紙幣の搬送状況に異常がないか確認することができ、その確認結果に応じて紙幣の搬送先を変更させることができる。
記憶部80は、紙幣入出金装置100の機能を実現させるための各種プログラムを予め記憶すると共に紙幣の管理情報を記憶する。記憶部80には、例えば、上位装置からの指令によって出金取引における紙幣の出金処理、入金取引における紙幣の入金処理等の処理を実行する紙幣処理プログラムや、搬送路を搬送されている紙幣の管理を行い、鑑別部20により紙幣の重送や連鎖等の搬送異常を検知したときに異常を修正する紙幣管理プログラム等が記憶されている。
また、記憶部80は、鑑別部20で識別された紙幣の記番号、当該紙幣の収納先、および収納先での収納順序を管理情報として記憶する。管理情報の一管理例を図2に示す。図2に示すように、管理情報は、紙幣収納庫40の各収納ユニット(A〜D)に収納されている紙幣の記番号からなる。このとき、記番号は、収納ユニットに収納されている順に記録される。例えば、図2の「記番号1」の紙幣が収納カセットの最下部に収納された紙幣、すなわち最初に当該収納カセットに収納された紙幣であり、その後、収納された紙幣の記番号を順に「記番号2」、「記番号3」、・・・とする。紙幣を収納していない収納カセット(図2では収納カセットC)については、管理情報は記録されていない。記憶部80に記憶されたプログラムの実行や管理情報の書込/読出処理は、例えば制御部60によって行われる。
<2.紙幣入出金装置による管理情報補正方法>
次に、図3〜図7に基づいて、本実施形態に係る紙幣入出金装置100による管理情報補正処理について説明する。なお、図3は、収納カセット120内の現物と管理情報とにずれが発生してしまうパターンを説明する説明図である。図4は、本実施形態に係る紙幣入出金装置100による管理情報補正処理を示すフローチャートである。図5〜図7は、本実施形態に係る紙幣入出金装置100の一構成例を用いて管理情報補正処理時の動作を説明する説明図である。
[2−1.紙幣入出金装置の一構成例]
本実施形態に係る紙幣入出金装置100による第1の管理情報補正処理時の説明に先立ち、図5に基づいて、本実施形態に係る紙幣入出金装置100の一構成例を説明する。例えば、本実施形態に係る紙幣入出金装置100は、図5に示すように、接客ユニット110と、収納カセット120(120a〜120d)と、リジェクト・取込みユニット130とからなる。
接客ユニット110は、ユーザとの紙幣の受け渡しを行うユニットであり、入金された紙幣を繰出す繰出機構および出金された紙幣を集積する集積機構を有する接客口111と、接客口111と収納カセット120、リジェクト・取込みユニット130とを接続する搬送路112とを備える。また、接客ユニット110の搬送路112の路上には、切替機構113a、113b、113cと、紙幣の金種、真偽、厚み等を識別するための透過型イメージセンサ114、厚みセンサ115、反射型イメージセンサ116、磁気センサ117が設けられている。透過型イメージセンサ114、厚みセンサ115、反射型イメージセンサ116、磁気センサ117をまとめて鑑別部20ともいう。また、反射型イメージセンサ116は、紙幣5の記番号を取得する記番号取得部として機能する。
さらに、本実施形態に係る接客ユニット110は、隣接する収納カセット120aと切替機構113cとの間に、収納カセット120から出金された紙幣の厚みを識別する厚みセンサ118を備える。厚みセンサ118は、紙幣の搬送状態(重送、連鎖、接近、スキュー等)を検出する走行センサと同一のセンサ、あるいは、異なるセンサのいずれかで構成することとしても良い。これらのセンサは、例えば、光学センサ、超音波センサ、または磁気センサ等のセンサ部品、あるいはこれらのセンサ部品とローラ等の厚み検出機構との組合せで構成される。この厚みセンサ118により、各収納カセット120a〜120dから繰出された紙幣の厚みを識別することができるので、各収納カセット120a〜120dにそれぞれ厚みセンサを設ける必要がない。これにより、装置の部品数を削減することができ、より構成を簡略化できるとともに安価な装置を実現することができる。
接客ユニット110の搬送路112は、接客口111の紙幣繰出口から繰出される紙幣の搬送路と接客口111の紙幣繰出口へ繰入れられる紙幣の搬送路とがある。これらの搬送路は、接客ユニット110の搬送路112上に設けられた第1の切替機構113aにより、接客口111側で分岐し、収納カセット120側で合流している。接客ユニット110の搬送路112上には、第1の切替機構113aから収納カセット120側に向かって第2の切替機構113bと第3の切替機構113cとが設けられている。第2の切替機構113bは、接客ユニット110の鑑別部20または厚みセンサ118により異常が検知された異常紙幣がリジェクト・取込みユニット130のリジェクト媒体収納庫132へ搬送されるように搬送路112を切替える。第3の切替機構113cは、接客口111から取忘れられた紙幣がリジェクト・取込みユニット130の取忘れ媒体収納庫134へ搬送されるように搬送路112を切替える。
これらの切替機構113a〜113cによって紙幣の走行経路を切替えることができるので、搬送路112および搬送路112上に設けられる各センサの配置の自由度が増す。
接客ユニットの鑑別部20を構成する透過型イメージセンサ114は紙幣の真偽判定処理を行い、厚みセンサ115は紙幣の重送を識別する。また、反射型イメージセンサ116は例えば紙幣の番号チェックを行い、この検出結果より現物を管理することができる。なお、本実施形態に係る鑑別部20はこれらの4つのセンサから構成されるが、本発明はかかる例に限定されず、鑑別処理に応じて適宜変更することができる。鑑別部20を構成する各センサは、データ処理に時間を要するセンサほど接客口111側に配置される。本実施形態では、紙幣の真偽判定に用いる透過型イメージセンサ114が最も接客口111側に配置される。これは、優先度の高いデータから順に取得して、紙幣の分岐判定処理前に当該処理を完了させることができるので、装置全体として搬送路の短縮化(最適化)を図ることができる。
このように各センサを搬送路112上に配置することで、搬送処理に応じて必要なセンサを通過した時点で紙幣を所定の搬送経路に導くことができる。これにより、搬送路112を短縮し、簡素化することができる。また、本実施形態に係る接客ユニット110は紙幣を鑑別する機能を備えているため、従来のように別途鑑別部ユニットを設ける必要がない。これにより装置を構成するユニット数を削減することができ、搬送経路も短縮することができる。
収納カセット120は、紙幣を収納する収納部121と、紙幣を接客ユニット110や前後に配置されている収納カセット120との間で双方向の紙幣の受け渡しを可能にする第1の搬送路122と、収納部121から紙幣を繰出す繰出機構および収納部121へ紙幣を集積する集積機構を備える第2の搬送路123とを備える。また、収納カセット120は、紙幣の搬送先を切替えるための切替機構124と、第2の搬送路123に設けられ、収納カセット120への紙幣5の搬送確認をするためのカセット集積センサ125とを備える。
本実施形態に係る紙幣入出金装置100は、4つの収納カセット120a〜120dが水平方向に配列された状態で設けられており、各収納カセット120a〜120dは同一に構成されている。なお、紙幣入出金装置100に設けられる収納カセット120の数はかかる例に限定されず、例えば紙幣の種別数に応じて設置することができる。また、収納カセット120a〜120dのうち少なくとも1つは、当該収納カセット120の切替機構124を紙幣の走行を3方向に切替可能な切替機構としてもよい。
リジェクト・取込みユニット130は、出金処理時に繰出し異常により重送と識別された紙幣を収納するリジェクト媒体収納庫132と、ユーザが取忘れた紙幣を収納する取忘れ媒体収納庫134とを備える。接客ユニット110の切替機構113b、113cによる切替によりリジェクト・取込みユニット130にリジェクトされた紙幣や取忘れられた紙幣が収納される。
本実施形態に係る紙幣入出金装置100では、例えば接客ユニット110の下部にリジェクト・取込みユニット130が配置され、接客ユニット110の下部側の一側面と収納カセット120aの上部側の一側面とが対向するように収納カセット120aが配置される。収納カセット120a〜120dは、上述したように水平方向に隣接して配置される。このように接客ユニット110、収納カセット120a〜120dおよびリジェクト・取込みユニット130を配置することで、接客ユニット110内で紙幣を搬送する過程で異常が検知された紙幣やユーザが取忘れた紙幣をリジェクト・取込みユニット130へ搬送することができるとともに、収納カセット120に収納可能な紙幣のみを収納カセット120へ搬送することができる。また、各収納カセット120a〜120dの上部側にて各カセットの第1の搬送路122を連結することで、別途の搬送ユニットを設けることなく、搬送されている紙幣を対応する収納カセット120に搬送し収納することができる。
本実施形態に係る紙幣入出金装置100は、少ない構成ユニットで当該装置に要求される処理を実施することができる。装置を構成するユニット数を削減することで紙幣の搬送路長が短くなり、搬送モータや搬送ローラ、駆動伝達部品、搬送ガイド、走行センサ等の部品も削減することができるので、装置の構成が簡略化することができ安価な装置を実現することができる。また、ユニット数を削減することで、ユニットの開閉作業やジャム除去作業が必要となる箇所が少なくなり、操作性も向上させることができる。さらに、搬送路長を短くすることで、装置から発生する音も小さくすることができる。
また、収納カセット120の上方にユニットが存在しないように各ユニットを配置することで、収納カセット120の脱着操作性が向上するだけでなく、上部のユニットと下部のユニットとを別々に引き出す必要がなくなり、レール部材やロック機構部材をそれぞれ設ける必要もなくなる。さらに、上部のユニットの動作を制御する基板と下部のユニットの動作を制御する基板とが別々に設けられている場合には、基板を一体にすることが可能となる。このため、機能が重複する電子部品や基板間を接続するコードやコードガイド部材を削除することができるので、装置の構成を簡略化することができ安価な装置を実現することができる。ユーザの要求に合わせて収納カセットを増設する場合に、軽微な変更で対応できるという利点もある。
さらに、本実施形態に係る紙幣入出金装置100では、収納カセット120から出金される紙幣の厚みを識別する厚みセンサを接客ユニット110に1つにまとめる構成としたため、装置の部品数をより少なくすることができ、簡略化された安価な装置を実現することが可能となる。
[2−2.収納カセット内の現物と管理情報とのずれについて]
本実施形態に係る紙幣入出金装置100は、紙幣をリジェクト取込み部30(リジェクト・取込みユニット130)あるいは紙幣収納庫40(収納カセット120)に収納する際に、鑑別部20で鑑別された紙幣の記番号を読み取り、収納先における収納順序が特定できるように記憶部80に管理情報として記録する。これにより、顧客が投入した紙幣と同一の紙幣の収納先や搬送状況を特定することが可能となる。
具体的には、鑑別部20で鑑別された紙幣の記番号が読み取られ、収納先が特定されると、制御部80は、各収納カセット120に設けられたカセット集積センサ125の検知結果により実際に収納先の収納カセット120に収納されか否かを確認する。そして、実際に収納先の収納カセット120に紙幣が収納されたことが確認されると、制御部80は管理情報に当該紙幣の記番号を追加する。
ここで、カセット集積センサ125は、図3に示すように各収納カセット120の集積口に実装されるセンサであり、第2の搬送路123上の紙幣の通過を検知する。カセット集積センサ125には、例えば光を出射するLED等からなる発光部と、発光部から出射された光を受光するフォトダイオード等の受光部とからなる光学センサを用いることができる。カセット集積センサ125は、図3左に示すように、紙幣5が第2の搬送路123上のセンサ125の検知位置に存在しないときには発光部から出射された光を受光部により検出する(センサオフ状態)。一方、図3中央に示すように、紙幣5が第2の搬送路123上のセンサ125の検知位置に存在するときには発光部から出射された光が当該紙幣5によって遮蔽され、受光部は光を検出できなくなる(センサオン状態)。
このカセット集積センサ125のオンオフ状態の変化を用いて、紙幣5が収納カセット120に集積されたり収納カセット120から分離されたりしたことを確認できる。具体的には、収納カセット120内に収納されている紙幣の数を示すカウンタ値がnであるとき、図3左に示すように、カセット集積センサ125に対して収納カセット120と反対側に位置し、収納カセット120内へ搬送されようとしている第2の搬送路123上の紙幣5があるとする。このとき、カセット集積センサ125はオフ状態である。
この状態から当該紙幣5が収納カセット120側に搬送されると、図3中央に示すように、紙幣5はカセット集積センサ125の検知位置に到達する。このとき、カセット集積センサ125はオン状態となる。さらに紙幣5が収納カセット120側に搬送されると、図3右上に示すように、紙幣5はカセット集積センサ125による検知位置を通過し、収納カセット120に集積される。このように、カセット集積センサ125の検知状態がオフ状態→オン状態→オフ状態となったとき、紙幣5が実際に収納先の収納カセット120に紙幣が収納されたとされる。そして、カウンタ値が1増加される。
ここで、装置下流のセンサでジャム等が検出されると紙幣5を搬送するための搬送モータが停止される。この搬送モータの停止と同時に第2の搬送路123上の紙幣5がカセット集積センサ125に到達した場合、図3右下に示すように、モータ制動時にベルト等の反動によって収納カセット120側へ向かう搬送方向とは逆方向に紙幣5が戻されることがある。このとき、カセット集積センサ125の検知状態は、正常動作時と同じくオフ状態→オン状態→オフ状態となり、紙幣5が収納カセット120に収納されたと誤判定されてしまい、カウンタ値が1増加してしまう。
そこで、本実施形態に係る紙幣入出金装置100の制御部60は、搬送路上を搬送される紙幣5の記番号を管理情報として管理して、ジャム等の障害を自動復旧する際に、搬送路上に残留した紙幣5のみを鑑別部20により再鑑別する。そして、制御部60は、障害発生と同時に収納カセット120に集積したと判断した紙幣の記番号と一致する紙幣5が搬送路上で検出された場合には、収納カセット120にカウントした枚数を訂正して管理情報を更新することで、収納カセット120内の現物と管理情報とを一致させる。
[3−2.管理情報補正処理]
本実施形態に係る紙幣入出金装置100による管理情報補正処理について、以下、図4〜図7に基づき詳細に説明する。なお、図5〜図7において、図中の実線矢印は紙幣5を収納カセット120に収納させる通常時の紙幣の搬送経路を示しており、破線矢印は搬送モータを逆方向に駆動させて通常の搬送方向と反対方向に搬送させるときの紙幣の搬送経路を示している。
まず、当該管理情報補正処理を実行可能とするために、接客ユニット110の接客口111に投入された紙幣5を該当する金種の収納カセット120に収納する際に、制御部80は、鑑別部20を構成する反射型イメージセンサ116により当該センサ116を通過した紙幣5の記番号を読み取らせる。係る処理と並行して、制御部80は、各収納カセット120のカセット集積センサ125の出力を監視して、検知状態がオフ状態→オン状態→オフ状態となったときに、当該カセット集積センサ125が設けられている収納カセット120のカウンタ値を1増加する。合わせて、図2に示すように、各収納カセット120について、収納されている紙幣の記番号およびその順序を管理情報として記憶する。
管理情報補正処理は、紙幣入出金装置100において、ジャム等の障害が発生し、自動復旧を開始したときに行われる(S100)。例えば、図5に示すように、搬送路上を搬送されている記番号「A0101」の紙幣5を収納カセット120dのカセット集積センサ125で検知しているときにジャムが発生した状況を考える。このとき、制御部80が紙幣入出金装置100の搬送モータを停止させた際に、記番号「A0101」の紙幣5がモータ制動時のベルトの反動によって収納時の紙幣5の搬送方向と逆方向に戻ってしまったとする。
この場合、実際には記番号「A0101」の紙幣5は、収納カセット120dには収納されていないが、カセット集積センサ125の検知状態がオフ状態→オン状態→オフ状態となるため、記憶部80には、収納カセット120dに記番号「A0101」の紙幣5が収納されたことが管理情報として記憶される。すなわち、図2に示す収納カセットDの「記番号n+1」に記番号「A0101」が記憶される。また、収納カセット120dに収納されている紙幣7の枚数のカウント値が1増加されてn+1となる。
このような状態から紙幣入出金装置100が障害からの自動復旧を開始すると、まず、制御部60は、紙幣収納時と逆方向に搬送路を駆動する駆動モータを動作させて、搬送路上の紙幣5を接客ユニット110へ搬送する(S110)。例えば、図5に示すように、障害発生時に搬送路にある記番号「A0101」の紙幣5は、図6に示すように、接客ユニット110に搬送される。
搬送路上に残っていた全ての紙幣5が再鑑別されて接客ユニット110に搬送されると、制御部60は、接客ユニット110内の紙幣5を一枚ずつ繰出し、記番号を読み取る反射型イメージセンサ116によりその記番号を読み取る再鑑別処理を行う(S120)。そして、制御部60は、記憶部80に記憶されている管理情報を参照して、再鑑別により読み取られた記番号と一致する記番号が管理情報に有るか否かを確認する(S130)。例えば、図6に示す例では、いずれかの収納カセット120a〜120dに記番号「A0101」の紙幣5が収納されていることになっているかが確認される。
ステップS120の再鑑別により読み出された紙幣5の記番号が、管理情報として記憶されている記番号と一致するとき、制御部60は、管理情報から当該記番号を削除する(S140)。そして、誤ってカウントしたカウント値から1を減ずる(S150)。例えば、図6に示した例では、図2に示す収納カセットDの「記番号n+1」に記憶されていた記番号「A0101」が削除されるとともに、カウント値がn+1からnとなる。
その後、当該紙幣5は、図7に示すように、再鑑別の結果に基づいて該当する収納カセット120に搬送される(S160)。そして、当該紙幣5が収納カセット120に収納されたことがカセット集積センサ125により検知されると、記憶部80に管理情報として当該記番号が記録されるとともに、カウンタ値が1増加される。
なお、ステップS130にて、ステップS120の再鑑別により読み出された紙幣5の記番号と同一の記番号が管理情報に登録されていないと判定されたとき、管理情報およびカウンタ値は現物と一致していると考えられる。したがって、制御部60は管理情報およびカウント値の補正は行わない。この場合、制御部60は、ステップS130の処理の後、ステップS160の処理を実行し、当該紙幣5を再鑑別の結果に基づいて該当する収納カセット120に搬送させる。
そして、制御部60は、障害発生により接客ユニット110に集積された全ての紙幣5について、ステップS120〜S160の処理が行われたか否かを判定し、未処理の紙幣5が接客ユニット110に有る場合には、ステップS120からの処理を繰り返す。一方、全ての紙幣5についての判定を終えている場合には、図4に示す処理を終了する。このように紙幣入出金装置100に障害が発生しても、装置の自動復旧が開始されると図4に示す管理情報補正処理が実行されるので、収納カセット120内の現物と管理情報とが一致する。これにより、支払可能枚数等を誤って認識したまま動作することがなくなる。
<3.紙幣入出金装置の変形例>
本実施形態に係る管理情報補正処理は、例えば図5等に示した構成の紙幣入出金装置100以外の紙幣入出金装置においても適用することができる。紙幣入出金装置の他の構成例を図8〜図14に示す。以下では、上述した紙幣入出金装置100との相違点について主に説明し、同一の構成箇所については詳細な説明を省略する。
[3−1.構成例1]
まず、図8に示す紙幣入出金装置200は、図5等に示す紙幣入出金装置100と比較して、接客ユニット110に1つ設けられていた厚みセンサ118の代わりに、各収納カセット220a〜220dにそれぞれ厚みセンサ224を設けた点で相違する。すなわち、紙幣入出金装置200は、図8に示すように、接客ユニット210と、収納カセット220(220a〜220d)と、リジェクト・取込みユニット230とからなる。
接客ユニット210は、顧客との紙幣の受け渡しを行うユニットである。接客ユニット210は、図8に示すように、入金された紙幣を繰出す繰出機構および出金された紙幣を集積する集積機構を有する接客口211を有しており、接客口211と収納カセット220、リジェクト・取込みユニット230とは搬送路212により接続されている。搬送路212の路上には、紙幣の搬送先を切替えるための切替機構213a、213b、213cが設けられており、さらに、紙幣の金種、真偽、厚み等を識別するための透過型イメージセンサ214、厚みセンサ215、反射型イメージセンサ216、磁気センサ217が設けられている。透過型イメージセンサ214、厚みセンサ215、反射型イメージセンサ216、磁気センサ217をまとめて鑑別部20ともいう。接客ユニット210は、厚みセンサ118の機能以外については、紙幣入出金装置100の接客ユニット110と同様に機能する。
収納カセット220は、紙幣を収納する収納部221と、紙幣を接客ユニット210や前後に配置されている収納カセット220との間で双方向の紙幣の受け渡しを可能にする第1の搬送路222と、収納部221から紙幣を繰出す繰出機構および収納部221へ紙幣を集積する集積機構を備える第2の搬送路223とを備える。また、収納カセット220は、入出金される紙幣の厚みを識別する厚みセンサ224と、紙幣の搬送先を切替えるための切替機構225と、第2の搬送路223に設けられ、収納カセット220への紙幣5の搬送確認をするためのカセット集積センサ226とを備える。紙幣入出金装置200には4つの収納カセット220a〜220dが水平方向に配列された状態で設けられており、各収納カセット220a〜220dは同一に構成されている。ここで、厚みセンサ224は、紙幣入出金装置100の厚みセンサ118と同様に構成することができる。
なお、紙幣入出金装置200に設けられる収納カセット220の数はかかる例に限定されず、例えば紙幣の種別数に応じて設置することができる。また、収納カセット220a〜220dのうち少なくとも1つは、当該収納カセット220の切替機構225を紙幣の走行を3方向に切替可能な切替機構としてもよい。
リジェクト・取込みユニット230は、出金処理時に繰出し異常により重送と識別された紙幣を収納するリジェクト媒体収納庫232と、顧客が取忘れた紙幣を収納する取忘れ媒体収納庫234とを備える。接客ユニット210の切替機構213b、213cによる切替によりリジェクト・取込みユニット230にリジェクトされた紙幣や取忘れられた紙幣が収納される。
[3−2.構成例2]
次に、図9に示す紙幣入出金装置300は、図8等に示す紙幣入出金装置200と比較して、各収納カセット220a〜220dに設けられていた第1の搬送路222、厚みセンサ224および切替機構225を収納カセットと別のユニットにまとめた点で相違する。紙幣入出金装置300は、図9に示すように、接客ユニット310と、収納カセット320(320a〜320d)と、リジェクト・取込みユニット330と、搬送ユニット340とからなる。
接客ユニット310は、顧客との紙幣の受け渡しを行うユニットであり、入金された紙幣を繰出す繰出機構および出金された紙幣を集積する集積機構を有する接客口311と、接客口311と搬送ユニット340、リジェクト・取込みユニット330とを接続する搬送路312とを備える。また、接客ユニット310の搬送路312の路上には、切替機構313a、313b、313cと、紙幣の金種、真偽、厚み等を識別するための透過型イメージセンサ314、厚みセンサ315、反射型イメージセンサ316、磁気センサ317が設けられている。
収納カセット320は、紙幣を収納する収納部321と、収納部321から紙幣を繰出す繰出機構および収納部321へ紙幣を集積する集積機構を備える搬送路322と、搬送路322に設けられ、収納カセット320への紙幣5の搬送確認をするためのカセット集積センサ323とを備える。紙幣入出金装置300にも4つの収納カセット320a〜320dが水平方向に配列された状態で設けられており、各収納カセット320a〜320dは同一に構成されている。なお、紙幣入出金装置300に設けられる収納カセット320の数はかかる例に限定されず、例えば紙幣の種別数に応じて設置することができる。
リジェクト・取込みユニット330は、出金処理時に繰出し異常により重送と識別された紙幣を収納するリジェクト媒体収納庫332と、顧客が取忘れた紙幣を収納する取忘れ媒体収納庫334とを備える。リジェクト・取込みユニット330は、図5等のリジェクト・取込みユニット130と同様に構成することができる。
搬送ユニット340は、接客ユニット310と各収納カセット320a〜320dとを接続し、双方向に紙幣を搬送する機構を有する。具体的には、搬送ユニット340は、図9に示すように、搬送路342と、切替機構344a、344b、344cと、厚みセンサ346とからなる。搬送路342は、各収納カセット320へ紙幣を繰入れ、または、各収納カセット320から繰出された紙幣を接客ユニット310へ搬送する。切替機構344a、344b、344cは、搬送路342を各収納カセット320a〜320dに選択切替する。なお、搬送ユニット340の切替機構344a、344b、344cのうち少なくとも1つを、紙幣の走行を3方向に切替可能な切替機構としてもよい。
[3−3.構成例3]
次に、図10に示す紙幣入出金装置400は、図9等に示す紙幣入出金装置300と比較して、接客ユニットの機能を2つに分離した点で相違する。紙幣入出金装置400は、図10に示すように、接客ユニット410と、収納カセット420(420a〜420d)と、リジェクト・取込みユニット430と、第1の搬送ユニット440と、第2の搬送ユニット450とからなる。収納カセット420、リジェクト・取込みユニット430および第1の搬送ユニット440は、収納カセット320、リジェクト・取込みユニット330および搬送ユニット340と同一の構成・機能であるため、ここでは説明を省略する。
接客ユニット410および第2の搬送ユニット450は、図9に示す接客ユニット310に対応する。接客ユニット310は大きなユニットであることから、図10の紙幣入出金装置400では各種センサ等が故障し保守員によるユニット交換作業が発生した場合の保守作業性を向上すべく、接客ユニット310を2つのユニットに分離している。これにより、各種センサの調整作業のようにユニット単位で作業を行う場合に、調整に使用するユニットが小さくなるため、調整作業性を向上させることができる。
具体的には、接客ユニット410は、顧客との紙幣の受け渡しを行うユニットであり、入金された紙幣を繰出す繰出機構および出金された紙幣を集積する集積機構を有する接客口411と、接客口411と第2の搬送ユニット450とを接続する搬送路412とを備える。また、第2の搬送ユニット450は、紙幣を搬送する搬送路451と、搬送路451の路上に設けられた切替機構452a、452b、452c、紙幣の金種、真偽、厚み等を識別するための透過型イメージセンサ453、厚みセンサ454、反射型イメージセンサ455、磁気センサ456とが設けられている。この際、接客ユニット410の接客口411の集積ローラの駆動伝達のため、接客口411の紙幣繰入口に接続される搬送路が接客ユニット410と搬送ユニット450とで分割される部分にジョイント機構(図示せず。)が追加されている。
[3−4.構成例4]
図11に示す紙幣入出金装置500は、上記紙幣入出金装置100、200、300、400と比較して、残留紙幣収納庫560を備え、収納カセットまたは搬送ユニット内の少なくとも1つの切替機構が紙幣の走行を3方向に切替え可能である点で相違する。以下では、図10に示す紙幣入出金装置400と同一の構成および機能についての説明は簡潔に説明し、紙幣入出金装置400との相違点について重点的に説明する。
紙幣入出金装置500は、図11に示すように、接客ユニット510と、収納カセット520(520a〜520c)と、リジェクト・取込みユニット530と、第1の搬送ユニット540と、第2の搬送ユニット550と、残留紙幣収納庫560とからなる。接客ユニット510、リジェクト・取込みユニット530および第2の搬送ユニット550は、接客ユニット410、リジェクト・取込みユニット430および第2の搬送ユニット450と同一の構成・機能であるため、ここでは説明を省略する。また、収納カセット520は、図10の収納カセット420より1つ少ないが、各収納カセット520a〜520cの構成は収納カセット420a〜420dと同一の構成・機能であるため、この説明も省略する。
紙幣入出金装置500は、顧客が取引中にジャムなどのトラブルが発生し、保守員が装置内に残留した紙幣を除去しなければならなくなった場合に、顧客に返却する紙幣と、装置内の紙幣として顧客に返却しない紙幣とを切り分ける処理を容易にするために、残留紙幣収納庫560を備えている。残留紙幣収納庫560は、図11に示すように、収納カセット420と同一の構成とすることができ、収納部561と搬送路562とを備える。そして、残留紙幣収納庫560を収納カセット420とともに水平方向に配列し、最も接客ユニット510に近い側に設けることで、一時的に紙幣を収納する収納庫として容易に機能させることができる。
また、残留紙幣収納庫560を設けたことにより、第1の搬送ユニット540の切替機構のうち、残留紙幣収納庫560へ紙幣を搬送する切替機構543のみ、第2の搬送ユニット550、残留紙幣収納庫560および収納カセット520の3方向へ紙幣を移動できるように3方向切替機構となっている。他の切替機構544aおよび544bは少なくとも2方向に切替可能であればよい。その他の第1の搬送ユニット540の構成は、図10に示した第1の搬送ユニット440の構成と同一である。
[3−5.構成例5]
図12および図13に示す紙幣入出金装置600は、上記紙幣入出金装置100、200、300、400、500と比較して、接客ユニット610へ紙幣5を戻す経路が第2の搬送ユニット660から直接接客ユニット610へと向かっている点で相違する。
すなわち、図12に示す紙幣入出金装置600は、接客ユニット610と、第1の搬送ユニット620と、一時保留部630と、リジェクト・取込みユニット650と、第2の搬送ユニット660と、収納カセット670とからなる。接客ユニット610は、接客口611を備えており、接客口611と第1の搬送ユニット620とを接続し、接客口611から収納カセット640へ紙幣5を搬送するときの収納用搬送路と、第2の搬送ユニット660と接客口611とを接続し、収納カセット640から戻ってきた紙幣5を接客口611に戻すための戻り用搬送路とを備える。
第1の搬送ユニット620には鑑別部622が設けられている。鑑別部622により鑑別された紙幣5は、鑑別結果に基づいて、一時保留部630、リジェクト・取込みユニット650のリジェクト庫652または取込み庫654、あるいは収納カセット640へ搬送される。第2の搬送ユニット660内には、各収納カセット640へ分離する前に、紙幣5の走行状態を監視する走行監視センサ680が設けられている。なお、図12において、図中の実線矢印は紙幣5を収納カセット640に収納させる通常時の紙幣の搬送経路を示しており、破線矢印は搬送モータを逆方向に駆動させて通常の搬送方向と反対方向に搬送させるときの紙幣の搬送経路を示している。
この紙幣入出金装置600では、ジャム等の障害が発生して図4に示した管理情報補正処理を行うとき、図12の破線矢印で示した経路でステップS110の処理を行ってもよいが、図13の破線矢印で示すように、接客口611に投入された紙幣5を収納カセット640等へ搬送する経路を通って、搬送路上に残った紙幣5を接客ユニット610へ搬送してもよい。このとき、接客口611に戻される紙幣5は鑑別部622を通って接客口611に到達する。したがって、このステップS110の処理とともにステップS120の再鑑別処理を行うことも可能である。そして、再鑑別結果に基づいて、ステップS130以降の処理を行うことで、図5等に示した紙幣入出金装置100と同様に管理情報を補正することができる。
[3−6.構成例6]
図14に示す紙幣入出金装置700は、上記構成例5の紙幣入出金装置600と同様に、図4のステップS110およびS120を並行して行うことが可能な構成の装置である。紙幣入出金装置700は、図14に示すように、接客ユニット710と、リジェクト・取込みユニット720と、第1の搬送ユニット740と、第2の搬送ユニット750と、収納カセット760とからなる。接客ユニット710は、開閉可能なシャッタ711が設けられた接客口712と、一時保留部714を備えている。接客口712は第1の搬送ユニット740の搬送路の一端と接続されており、一時保留部714は第1の搬送ユニット740の搬送路の他端と接続されている。
第1の搬送ユニット740には鑑別部742が設けられている。鑑別部742により鑑別された紙幣5は、鑑別結果に基づいて、リジェクト・取込みユニット720のリジェクト庫722または取込み庫724、あるいは収納カセット760へ搬送される。第2の搬送ユニット750は第1の搬送ユニット740の搬送路の他端と接続されており、各収納カセット760へ収納するために搬送したり、各収納カセット760から繰出された紙幣5を接客口712へ戻すために搬送したりする。
この紙幣入出金装置700も、図13に示す紙幣入出金装置600のように、ジャム等の障害が発生して図4に示した管理情報補正処理を行うとき、図14の破線矢印で示すように、搬送路上に残った紙幣5は鑑別部742を通って接客口712に戻される。したがって、このステップS110の処理とともにステップS120の再鑑別処理を行うことも可能である。そして、再鑑別結果に基づいて、ステップS130以降の処理を行うことで、図5等に示した紙幣入出金装置100と同様に管理情報を補正することができる。
以上説明した図8〜図14に示した構成の紙幣入出金装置200〜700に対して、図5等に示した紙幣入出金装置100と同様に、図1に示す機能を備えることにより、図4に示す管理情報補正処理を実現することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。