JP5782847B2 - ホスホリルコリン類似構造を有する化合物および化粧料 - Google Patents
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Description
一方、ホスホリルコリン基は安全性が高い両性の親水基として広く知られており、同基を持つ代表的な化粧品原料としてリン脂質やレシチンがある。近年、これらの天然物に類似した構造を持つジェミニ型界面活性剤に関する研究開発が盛んに行われている。
例えば、非特許文献1には、親水基としてホスホリルコリン類似基を有するジェミニ型界面活性剤の合成およびその溶液物性に関する報告が為されており、該活性剤が優れた界面特性を有することが開示されている。
特許文献1には、ホスホリルコリン類似基を有する界面活性剤が、特許文献2には、ホスホリルコリン類似基を持つ界面活性剤を含有する洗浄用化粧料が開示されている。
しかしながら、これらに開示された界面活性剤はいずれも、疎水性鎖がアルキル基若しくはオキシアルキレン基であり、その鎖長が長い場合、分子としての疎水性が高くなるため水への溶解性に乏しく、化粧料、特に化粧水やローション等の水系の化粧料に配合し難いという課題があった。また水に難溶であるため、十分な界面活性能を示さないという問題もあった。一方、疎水性鎖の鎖長が短い場合、水への溶解性は改善するものの尚不十分である上に、分子量が小さくなるため、皮膚に浸透し易くなり、刺激性等の安全性の面での懸念が増大する。
特許文献3および4には、ホスホリルコリン類似基を持つ界面活性剤を含有する洗浄用化粧料が開示されている。該活性剤は、疎水性鎖である炭化水素鎖の一部に水酸基が導入されていることから、水への溶解性が改善されるが、依然として不十分な水準であり、また水溶性を高めるために鎖長を短くした場合、上述した安全性の面での課題が残る。
本発明のPC化合物は、上記式(1)で表される。
式(1)において、R1およびR2はそれぞれ独立に炭素数8〜24、好ましくは10〜18の炭化水素基、例えば、直鎖の飽和炭化水素基、分岐鎖の飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基、環状炭化水素基を示す。界面特性や化学的安定性の点からは、直鎖のアルキル基等の直鎖の飽和炭化水素基が好ましい。
R1及び/又はR2の炭素数が8未満の場合には、PC化合物を化粧料等に用いる際に刺激性等が強くなるおそれがあり、一方、24を超える場合には、水への溶解性が低下するおそれがある。
有機塩基の仕込み割合は、COPと等モル以上が望ましい。また、この有機塩基を反応溶媒として用いることもできる。
上記COPの仕込み割合は、脂肪酸モノアルカノールアミド1モルに対して、通常1〜10モルであり、1〜5モルがより望ましい。1モル未満の場合、未反応の脂肪酸モノアルカノールアミドが残存し、10モルを超えると逆にCOPが残留し、次に行う開環反応に悪影響を及ぼすおそれがある。
該溶媒は、非プロトン性溶媒であれば特に限定されず、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、クロロホルム、塩化メチレン、アセトニトリル等が挙げられる。
溶媒の使用濃度は特に限定されないが、通常、脂肪酸モノアルカノールアミドに対して0.002〜3g/mlとなる濃度が好ましい。
上記反応は、例えば、COPと溶媒を冷却しながら撹拌し、その中に、脂肪酸モノアルカノールアミド、有機塩基及び溶媒を混合した溶液を滴下して反応させる方法、あるいは脂肪酸モノアルカノールアミドと有機塩基と溶媒とを冷却しながら撹拌し、その中に、COPを滴下して反応させる方法が挙げられる。反応温度は、通常、−50℃〜80℃、好ましくは−20℃〜40℃である。
上記滴下反応が進むにつれて、副生成物である有機塩基のハロゲン化水素塩が沈澱するが、この沈澱は濾過や抽出操作により容易に除去できる。ハロゲン化水素塩を除去した後、反応溶媒の留去や中間体の精製を行ってもよい。以上の操作により式(2)に示す中間体が得られる。ここで、式(2)中のA、m及びR2は、上記式(1)と同じである。
DMAAは、例えば、炭素数8〜24の高級アルコールとジメチルアミンとをアミノ化触媒の存在下で直接アミノ化する方法等により製造できるが、市販品を用いても良い。市販品としては、例えば、N,N−ジメチルオクチルアミン、N,N−ジメチルデシルアミン、N,N−ジメチルラウリルアミン、N,N−ジメチルミリスチルアミン、N,N−ジメチルパルミチルアミン、N,N−ジメチルステアリルアミン、N,N−ジメチルベヘニルアミン等が挙げられる。DMAAの仕込み割合は、脂肪酸モノアルカノールアミド1モルに対して、通常1〜30モルであり、仕込んだCOPの2倍モル以上とするのが好ましい。
溶媒の使用濃度は特に限定されないが、通常、脂肪酸モノアルカノールアミドに対して0.001〜2g/mlとなる濃度である。上記DMAAを反応させるには、例えば、上記有機塩基のハロゲン化水素塩を除去した後、DMAAと溶媒とを混合し、通常30〜200℃、好ましくは40〜90℃の温度で、数時間、あるいは数十時間撹拌しながら反応させることができる。必要であれば、再結晶、再沈、カラムクロマトグラフィー、活性炭処理、吸着剤処理、活性白土処理の操作で精製を行ってもよい。
化粧料材料としては、例えば、油分、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、色材、アルコール類、紫外線防御剤、アミノ酸類、ビタミン類、美白剤、有機酸、無機塩類、酵素、酸化防止剤、安定剤、防腐剤、殺菌剤、消炎剤、皮膚賦活剤、血行促進剤、抗脂漏剤、抗炎症剤等の薬剤、金属イオン封鎖剤、pH調整剤、収斂剤、清涼剤、香料、色素、水が挙げられる。
本発明の化粧料は、ペット用化粧料、例えば、犬や猫のような愛玩動物用のケア用化粧料として用いることもできる。
1.NMR分析
PC化合物を、内部標準物質としてテトラメチルシラン(TMS)を含む重クロロホルムに溶解させた後、JNM−AL400(日本電子社製)を用いて化合物の同定・分析を行った。
2.質量分析
PC化合物をマトリックス(m−ニトロベンジルアルコール)に混ぜ、JMS−700(日本電子社製)を用いてFAB(高速原子衝突)(Pos)法にて化合物の同定・分析を行った。
3.水への溶解性
PC化合物1gをビーカーに採り、これに水99gを加え、70℃の温浴中で10分間攪拌した。次いで、卓上型ホモミキサー(機種:LR−1(みづほ工業株式会社製))を用いて、70℃の温浴中にて6,000rpmで30分間攪拌した。所定時間後、ビーカーを取り出し、室温まで冷却した後、目視により外観観察を行い、溶解性を下記の基準により3段階評価した。
〔評価基準内容〕
○:透明〜微濁、△:白濁、×:二層分離。
PC化合物の安全性は、細胞毒性試験から評価した。具体的には、ウサギ角膜上皮様細胞の懸濁液100μlを96ウェルプレートに播種し(1万個/ウェル)、24時間CO2インキュベーターにて培養した。次いで、各PC化合物の2質量%水溶液を各ウェルに100μl添加し、CO2インキュベーターにて24時間培養した。所定時間後、培養液を除去し、5mg/100mlのニュートラルレッド溶液を各ウェルに加え、更にCO2インキュベーターにて3時間培養した。各ウェルより培養液を除去し、pH7.4のリン酸緩衝液100μlで各ウェルを2回洗浄した。1%酢酸を含む50%エタノール水溶液を各ウェルに100μl添加し、5分間振とうさせた後、540nmの吸光度を測定した。得られた吸光度を下記式に導入することで細胞生存率(%)を算出した。
細胞生存率(%)=吸光度(PC化合物添加系)÷吸光度(PC化合物無添加系)×100
5.界面特性
上記3にて作製したPC化合物の水溶液若しくは水分散液を水で適宜希釈し、各種濃度の測定用サンプルを調製した。作製したサンプルの表面張力は、ウィルヘルミー平板法により、表面張力測定装置(CBVP−A3、協和界面科学社製)を用いて25℃にて測定した。得られた結果から、各PC化合物の臨界会合濃度(CAC)と臨界会合濃度における表面張力(γCAC)を算出した。
6.脂溶性成分のカプセル化能
PC化合物1gをサンプル瓶に採り、1,3−ブチレングリコール9gを加え、70℃の温浴中で1時間攪拌し、溶液を得た。この溶液全量に酢酸トコフェロール1gを加え、70℃の温浴中で30分間攪拌することにより溶解させた。次いで、溶液全量を70℃に加温した90gの温水中に攪拌しながら徐々に加えた後、70℃に温度を保ちながらホモミキサー(3,000rpm、15分間)を用いて分散処理することで乳化物を調製した。得られた乳化物の状態を目視により観察し、カプセル化能を下記の基準により3段階評価した。
〔評価基準内容〕
○:均一・油膜なし、△:油膜あり、×:二層分離。
温度計、滴下漏斗及び撹拌機を備えた1L丸底フラスコに、ラウリン酸モノエタノールアミド48.7g(0.2mol)、トリエチルアミン20.2g(0.2mol)及びテトラヒドロフラン250gを加え、4℃で攪拌・混合した。次いで、2−クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホラン28.5g(0.2mol)とテトラヒドロフラン50gの混合溶液を、滴下漏斗を用いて上記の冷却した混合溶液に滴下した。滴下は、冷却した混合溶液を撹拌しながら、反応温度が10℃を超えないように冷却し、2時間かけて徐々に行った。滴下終了後、さらに1時間撹拌しつづけた。続いて、副生成物として析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾別した。得られた濾液の全量を、撹拌機を備えた2L丸底フラスコに投入し、更にN,N−ジメチルステアリルアミン119.0g(0.4mol)とアセトニトリル300gを加え、75℃で30時間攪拌した。その後、反応液を冷却することにより得られた析出物を濾別し、70℃で減圧乾燥することで粗結晶60.3gを得た。得られた粗結晶を酢酸エチルとエタノールの混合溶媒にて再結晶し、白色結晶(以下、PC1と略す)13.7gを得た。得られた白色結晶の1H-NMRおよび質量分析結果を以下に示す。
質量分析:メインピークとしてM+1に相当するMw=647が観測された。
原料アルコールとしてラウリン酸モノエタノールアミドの代わりにステアリン酸モノエタノールアミド65.5gを用いた以外は実施例1−1と同様な操作を行い、白色結晶(以下、PC2と略す)18.7gを得た。得られた白色結晶の1H-NMRおよび質量分析結果を以下に示す。
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl3、内部標準TMS):0.96(6H、m、−CH2CH 3 )、1.29(54H、m、−CH2(CH 2 ) 13 CH2CH3、−CH2(CH 2 ) 14 CH2CH3)、1.33(4H、m、−CH 2 CH3)、1.57(2H、m、−HNCOCH2CH 2 −)、1.73(2H、t、N+(CH3)2CH2CH 2 CH2)、2.18(2H、m、−HNCOCH 2 CH2−)、3.24(2H、t、N+(CH3)2CH 2 CH2CH2)3.30(6H、m、N+(CH 3 ) 2 CH2CH2CH2)、3.39(2H、t、−POCH2CH 2 NHCO−)、3.43(2H、t、POCH2CH 2 N+(CH3)2)、3.79(2H、m、−POCH 2 CH2NHCO−)、3.97(2H、t、POCH 2 CH2N+(CH3)2)、8.00(1H、s、−NHCOCH2CH2−)。
質量分析:メインピークとしてM+1に相当するMw=731が観測された。
原料アルコールとしてラウリン酸モノエタノールアミドの代わりにエチレンオキサイドの付加モル数が3であるポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミド66.3gを用いた以外は実施例1−1と同様な操作を行い、白色結晶(以下、PC3と略す)22.5gを得た。得られた白色結晶の1H-NMRおよび質量分析結果を以下に示す。
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl3、内部標準TMS): 0.96(6H、m、−CH2CH 3 )、1.29(42H、m、−CH2(CH 2 ) 7 CH2CH3、−CH2(CH 2 ) 14 CH2CH3)、1.33(4H、m、−CH2(CH2)7CH 2 CH3、−CH2(CH2)13CH 2 CH3)、1.57(2H、m、−NHCOCH2CH 2 −)、1.73(2H、t、−N+(CH3)2CH2CH 2 CH2−)、2.18(2H、m、−NHCOCH 2 CH2−)、3.24(2H、m、−N+(CH3)2CH 2 CH2CH2−)、3.30(6H、s、−N+(CH 3 ) 2 CH2CH2CH2−)、3.37(2H、t、−OCH2CH 2 NHCO−)、3.43(2H、m、−POCH2CH 2 N+(CH3)2)、3.54(4H、m、−POCH2CH2OCH 2 CH 2 OCH2CH2)、3.56(2H、m、−POCH2CH 2 OCH2CH2OCH2CH2)、3.63(2H、t、−OCH 2 CH2NHCO−)、3.70(2H、m、−POCH 2 CH2OCH2CH2OCH2CH2)、3.97(2H、t、POCH 2 CH2N+(CH3)2)、8.00(1H、s、−NHCOCH2CH2−)。
質量分析:メインピークとしてM+1に相当するMw=735が観測された。
原料アルコールとしてラウリン酸モノエタノールアミドの代わりにエチレンオキサイドの付加モル数が3であるポリオキシエチレンステアリン酸モノエタノールアミド83.1gを用いた以外は実施例1−1と同様な操作を行い、白色結晶(以下、PC4と略す)19.9gを得た。得られた白色結晶の1H-NMRおよび質量分析結果を以下に示す。
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl3、内部標準TMS): 0.96(6H、m、−CH2CH 3 )、1.29(54H、m、−CH2(CH 2 ) 13 CH2CH3、−CH2(CH 2 ) 14 CH2CH3)、1.33(4H、m、−CH2(CH2)13CH 2 CH3、−CH2(CH2)13CH 2 CH3)、1.57(2H、m、−NHCOCH2CH 2 −)、1.73(2H、t、−N+(CH3)2CH2CH 2 CH2−)、2.18(2H、m、−NHCOCH 2 CH2−)、3.24(2H、m、−N+(CH3)2CH 2 CH2CH2−)、3.30(6H、s、−N+(CH 3 ) 2 CH2CH2CH2−)、3.37(2H、t、−OCH2CH 2 NHCO−)、3.43(2H、m、−POCH2CH 2 N+(CH3)2)、3.54(4H、m、−POCH2CH2OCH 2 CH 2 OCH2CH2)、3.56(2H、m、−POCH2CH 2 OCH2CH2OCH2CH2)、3.63(2H、t、−OCH 2 CH2NHCO−)、3.70(2H、m、−POCH 2 CH2OCH2CH2OCH2CH2)、3.97(2H、t、POCH 2 CH2N+(CH3)2)、8.00(1H、s、−NHCOCH2CH2−)。
質量分析:メインピークとしてM+1に相当するMw=819が観測された。
原料アミンとしてN,N−ジメチルステアリルアミンの代わりにN,N−ジメチルラウリルアミン85.4gを用いた以外は実施例1−1と同様な操作を行い、白色結晶(以下、PC5と略す)23.9gを得た。得られた白色結晶の1H-NMRおよび質量分析結果を以下に示す。
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl3、内部標準TMS):0.96(6H、m、−CH2CH 3 )、1.29(30H、m、−CH2(CH 2 ) 7 CH2CH3、−CH2(CH 2 ) 8 CH2CH3)、1.33(4H、m、−CH 2 CH3)、1.57(2H、m、−HNCOCH2CH 2 −)、1.73(2H、t、N+(CH3)2CH2CH 2 CH2)、2.18(2H、m、−HNCOCH 2 CH2−)、3.24(2H、t、N+(CH3)2CH 2 CH2CH2)3.30(6H、m、N+(CH 3 ) 2 CH2CH2CH2)、3.39(2H、t、−POCH2CH 2 NHCO−)、3.43(2H、t、POCH2CH 2 N+(CH3)2)、3.79(2H、m、−POCH 2 CH2NHCO−)、3.97(2H、t、POCH 2 CH2N+(CH3)2)、8.00(1H、s、−NHCOCH2CH2−)。
質量分析:メインピークとしてM+1に相当するMw=563が観測された。
原料アルコールとしてラウリン酸モノエタノールアミドの代わりにステアリン酸モノエタノールアミド65.5gを、また原料アミンとしてN,N−ジメチルステアリルアミンの代わりにN,N−ジメチルラウリルアミン85.4gを用いた以外は実施例1−1と同様な操作を行い、白色結晶(以下、PC6と略す)25.5gを得た。得られた白色結晶の1H-NMRおよび質量分析結果を以下に示す。
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl3、内部標準TMS):0.96(6H、m、−CH2CH 3 )、1.29(42H、m、−CH2(CH 2 ) 13 CH2CH3、−CH2(CH 2 ) 8 CH2CH3)、1.33(4H、m、−CH 2 CH3)、1.57(2H、m、−HNCOCH2CH 2 −)、1.73(2H、t、N+(CH3)2CH2CH 2 CH2)、2.18(2H、m、−HNCOCH 2 CH2−)、3.24(2H、t、N+(CH3)2CH 2 CH2CH2)3.30(6H、m、N+(CH 3 ) 2 CH2CH2CH2)、3.39(2H、t、−POCH2CH 2 NHCO−)、3.43(2H、t、POCH2CH 2 N+(CH3)2)、3.79(2H、m、−POCH 2 CH2NHCO−)、3.97(2H、t、POCH 2 CH2N+(CH3)2)、8.00(1H、s、−NHCOCH2CH2−)。
質量分析:メインピークとしてM+1に相当するMw=647が観測された。
原料アルコールとしてラウリン酸モノエタノールアミドの代わりにエチレンオキサイドの付加モル数が3であるポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミド66.3gを、また原料アミンとしてN,N−ジメチルステアリルアミンの代わりにN,N−ジメチルラウリルアミン85.4gを用いた以外は実施例1−1と同様な操作を行い、白色結晶(以下、PC7と略す)20.7gを得た。得られた白色結晶の1H-NMRおよび質量分析結果を以下に示す。
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl3、内部標準TMS):0.96(6H、m、−CH2CH 3 )、1.29(30H、m、−CH2(CH 2 ) 7 CH2CH3、−CH2(CH 2 ) 8 CH2CH3)、1.33(4H、m、−CH2(CH2)7CH 2 CH3、−CH2(CH2)8CH 2 CH3)、1.57(2H、m、−NHCOCH2CH 2 −)、1.73(2H、t、−N+(CH3)2CH2CH 2 CH2−)、2.18(2H、m、−NHCOCH 2 CH2−)、3.24(2H、m、−N+(CH3)2CH 2 CH2CH2−)、3.30(6H、s、−N+(CH 3 ) 2 CH2CH2CH2−)、3.37(2H、t、−OCH2CH 2 NHCO−)、3.43(2H、m、−POCH2CH 2 N+(CH3)2)、3.54(4H、m、−POCH2CH2OCH 2 CH 2 OCH2CH2)、3.56(2H、m、−POCH2CH 2 OCH2CH2OCH2CH2)、3.63(2H、t、−OCH 2 CH2NHCO−)、3.70(2H、m、−POCH 2 CH2OCH2CH2OCH2CH2)、3.97(2H、t、POCH 2 CH2N+(CH3)2)、8.00(1H、s、−NHCOCH2CH2−)。
質量分析:メインピークとしてM+1に相当するMw=651が観測された。
原料アルコールとしてラウリン酸モノエタノールアミドの代わりにエチレンオキサイドの付加モル数が3であるポリオキシエチレンステアリン酸モノエタノールアミド83.1gを、また原料アミンとしてN,N−ジメチルステアリルアミンの代わりにN,N−ジメチルラウリルアミン85.4gを用いた以外は実施例1と同様な操作を行い、白色結晶(以下、PC8と略す)23.4gを得た。得られた白色結晶の1H-NMRおよび質量分析結果を以下に示す。
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl3、内部標準TMS):0.96(6H、m、−CH2CH 3 )、1.29(42H、m、−CH2(CH 2 ) 13 CH2CH3、−CH2(CH 2 ) 8 CH2CH3)、1.33(4H、m、−CH2(CH2)13CH 2 CH3、−CH2(CH2)8CH 2 CH3)、1.57(2H、m、−NHCOCH2CH 2 −)、1.73(2H、t、−N+(CH3)2CH2CH 2 CH2−)、2.18(2H、m、−NHCOCH 2 CH2−)、3.24(2H、m、−N+(CH3)2CH 2 CH2CH2−)、3.30(6H、s、−N+(CH 3 ) 2 CH2CH2CH2−)、3.37(2H、t、−OCH2CH 2 NHCO−)、3.43(2H、m、−POCH2CH 2 N+(CH3)2)、3.54(4H、m、−POCH2CH2OCH 2 CH 2 OCH2CH2)、3.56(2H、m、−POCH2CH 2 OCH2CH2OCH2CH2)、3.63(2H、t、−OCH 2 CH2NHCO−)、3.70(2H、m、−POCH 2 CH2OCH2CH2OCH2CH2)、3.97(2H、t、POCH 2 CH2N+(CH3)2)、8.00(1H、s、−NHCOCH2CH2−)。
質量分析:メインピークとしてM+1に相当するMw=735が観測された。
原料アルコールとしてラウリン酸モノエタノールアミドの代わりにラウリルアルコール37.3gを、また原料アミンとしてN,N−ジメチルステアリルアミンの代わりにN,N-ジメチルラウリルアミン85.4gを用いた以外は実施例1−1と同様な操作を行い、白色結晶(以下、CE1と略す)18.4gを得た。得られた白色結晶の1H-NMRおよび質量分析結果を以下に示す。
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl3、内部標準TMS): 0.96(6H、m、−CH2CH 3 )、1.29(32H、m、−CH2(CH 2 ) 8 CH2CH3、−CH2(CH 2 ) 8 CH2CH3)、1.33(4H、m、−CH2(CH2)8CH 2 CH3、−CH2(CH2)8CH 2 CH3)、1.48(2H、m、−POCH2CH 2 CH2−)、1.73(2H、m、−N+(CH3)2CH2CH 2 −)、3.24(2H、m、−N+(CH3)2CH 2 CH2−)、3.30(6H、s、−N+(CH 3 ) 2 CH2CH2CH2−)、3.43(2H、m、−POCH2CH 2 N+(CH3)2)、3.53(2H、m、−POCH 2 CH2CH2−)、3.97(2H、m、−POCH 2 CH2N+(CH3)2)。
質量分析:メインピークとしてM+1に相当するMw=506が観測された。
原料アルコールとしてラウリン酸モノエタノールアミドの代わりにステアリルアルコール54.1gを用いた以外は実施例1−1と同様な操作を行い、白色結晶(以下、CE2と略す)27.6gを得た。得られた白色結晶の1H-NMRおよび質量分析結果を以下に示す。
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl3、内部標準TMS):0.96(6H、m、−CH2CH 3 )、1.29(56H、m、−CH2(CH 2 ) 14 CH2CH3、−CH2(CH 2 ) 14 CH2CH3)、1.33(4H、m、−CH2(CH2)14CH 2 CH3、−CH2(CH2)14CH 2 CH3)、1.48(2H、m、−POCH2CH 2 CH2−)、1.73(2H、m、−N+(CH3)2CH2CH 2 −)、3.24(2H、m、−N+(CH3)2CH 2 CH2−)、3.30(6H、s、−N+(CH 3 ) 2 CH2CH2CH2−)、3.43(2H、m、−POCH2CH 2 N+(CH3)2)、3.53(2H、m、−POCH 2 CH2CH2−)、3.97(2H、m、−POCH 2 CH2N+(CH3)2)。
質量分析:メインピークとしてM+1に相当するMw=675が観測された。
原料アルコールとしてラウリン酸モノエタノールアミドの代わりに1,2−ドデカンジオール40.5gを、また原料アミンとしてN,N−ジメチルステアリルアミンの代わりにN,N-ジメチルラウリルアミン85.4gを用いた以外は実施例1−1と同様な操作を行い、白色結晶(以下、CE3と略す)15.7gを得た。得られた白色結晶の1H-NMRおよび質量分析結果を以下に示す。
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl3、内部標準TMS):0.96(6H、m、−CH2CH 3 )、1.29(30H、m、−CH2(CH 2 ) 7 CH2CH3、−CH2(CH 2 ) 8 CH2CH3)、1.33(4H、m、−CH2(CH2)7CH 2 CH3、−CH2(CH2)8CH 2 CH3)、1.44(2H、m、−POCH2CH(OH)CH 2 −)、1.73(2H、m、−N+(CH3)2CH2CH 2 −)、2.00(1H、s、−POCH2CH(OH)CH2−)、3.24(2H、m、−N+(CH3)2CH 2 CH2−)、3.30(7H、m、−N+(CH 3 ) 2 CH2CH2CH2−、−POCH2CH(OH)CH2−)、3.43(2H、m、−POCH2CH 2 N+(CH3)2)、3.68(2H、m、−POCH 2 CH(OH)CH2−)、3.97(2H、m、−POCH 2 CH2N+(CH3)2)。
質量分析:メインピークとしてM+1に相当するMw=522が観測された。
原料アルコールとしてラウリン酸モノエタノールアミドの代わりに1,2−オクタデカンジオール57.3gを用いた以外は実施例1−1と同様な操作を行い、白色結晶(以下、CE4と略す)18.7gを得た。得られた白色結晶の1H-NMRおよび質量分析結果を以下に示す。
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl3、内部標準TMS):0.96(6H、m、−CH2CH 3 )、1.29(54H、m、−CH2(CH 2 ) 13 CH2CH3、−CH2(CH 2 ) 14 CH2CH3)、1.33(4H、m、−CH2(CH2)13CH 2 CH3、−CH2(CH2)14CH 2 CH3)、1.44(2H、m、−POCH2CH(OH)CH 2 −)、1.73(2H、m、−N+(CH3)2CH2CH 2 −)、2.00(1H、s、−POCH2CH(OH)CH2−)、3.24(2H、m、−N+(CH3)2CH 2 CH2−)、3.30(7H、m、−N+(CH 3 ) 2 CH2CH2CH2−、−POCH2CH(OH)CH2−)、3.43(2H、m、−POCH2CH 2 N+(CH3)2)、3.68(2H、m、−POCH 2 CH(OH)CH2−)、3.97(2H、m、−POCH 2 CH2N+(CH3)2)。
質量分析:メインピークとしてM+1に相当するMw=691が観測された。
<化粧水の使用感評価>
表2の処方に従い、イの各成分を室温下にて溶解した。一方、表2に示すロの各成分を60℃にて均一に溶解し、これにかき混ぜながらイの成分を加え、ローション状化粧水を調製した。得られた化粧水に関して、下記官能試験を実施した。結果を表2に示す。
(官能試験)
20代〜50代の女性10人を対象として、化粧水を前腕内側部に適量塗布し、のび、滑り、肌への馴染みについて、下記基準により5段階評価した。更にそれを平均して判定した。
(官能評価試験基準)
評価点;5点:非常に良好、4点:良好、3点:普通、2:やや不良、1:不良
判定基準;平均点4.0点以上を合格、平均点4.0点未満を不合格とした。
<化粧水の使用感評価>
表2の処方に従い、実施例1−1〜1−8のPC化合物(PC1〜PC8)の代わりに、比較例1−1において得られた化合物(CE1)若しくは比較例1−3において得られた化合物(CE3)を用いた以外は、実施例2−1〜2−8に記載の方法に準じて化粧水を調製した。得られた化粧水に関して、実施例2−1〜2−8と同様にして官能試験にて評価した。結果を表2に示す。
<乳液の使用感評価>
表3の処方に従い、イの各成分を75℃にて均一に溶解した。またロの各成分を同様に75℃にて均一に溶解し、イを徐々に加えて予備乳化した。次に、75℃に温度を保ちながらホモミキサーにて均一に乳化した。これをかき混ぜながら冷却し、乳液を調製した。得られた乳液に関して、実施例2−1〜2−8と同様に官能試験を実施した。結果を表3に示す。
<乳液の使用感評価>
表3の処方に従い、実施例1−1〜1−8のPC化合物(PC1〜PC8)の代わりに、比較例1−1において得られた化合物(CE1)若しくは比較例1−3において得られた化合物(CE3)を用いた以外は、実施例2−9〜2−16に記載の方法に準じて乳液を調製した。得られた乳液に関して、実施例2−9〜2−16と同様にして官能試験にて評価した。結果を表3に示す。
<O/W型クリームの使用感評価>
表4の処方に従い、イの各成分を75℃にて均一に溶解した。またロの各成分を同様に75℃にて均一に溶解し、イを徐々に加えて予備乳化した。次に、75℃に温度を保ちながらホモミキサーにて均一に乳化した。これをかき混ぜながら冷却し、O/W型クリームを調製した。得られたクリームに関して、実施例2−1〜2−8と同様に官能試験を実施した。結果を表4に示す。
<O/W型クリームの使用感評価>
表4の処方に従い、実施例1−1〜1−8のPC化合物(PC1〜PC8)の代わりに、比較例1−1において得られた化合物(CE1)若しくは比較例1−3において得られた化合物(CE3)を用いた以外は、実施例2−17〜2−24に記載の方法に準じてO/W型クリームを調製した。得られたクリームに関して、実施例2−17〜2−24と同様にして官能試験にて評価した。結果を表4に示す。
<ファンデーションの使用感評価>
表5の処方に従い、イ及びハの各成分を別に混合し、それぞれを80℃で加熱溶解した。続いて、ロの各成分をヘンシェルミキサーに秤り込み、高速で2分間混合した後、イに加えてホモミキサーを用いて、75℃の温浴中で混合した。次いで、ハを徐々に加えて乳化し、攪拌しながら冷却してファンデーションを調製した。得られたファンデーションに関して、20代〜50代の女性10人を対象として、顔に塗布して、しっとり感、化粧映え、密着性及び化粧持ちの4項目について評価した。評価基準及び判定は、実施例2−1〜2−8に準じて行った。結果を表5に示す。
<ファンデーションの使用感評価>
表5の処方に従い、実施例1−1〜1−8のPC化合物(PC1〜PC8)の代わりに、比較例1−1において得られた化合物(CE1)若しくは比較例1−3において得られた化合物(CE3)を用いた以外は、実施例2−25〜2−32に記載の方法に準じてファンデーションを調製した。得られたファンデーションに関して、実施例2−25〜2−32と同様にして官能試験にて評価した。結果を表5に示す。
<ヘアトニックの使用感評価>
表6の処方に従い、イの各成分を室温下にて溶解した。次いで、ロの各成分を40℃にて溶解し、これを攪拌しながらイを加え、ローション状のヘアトニックを調製した。得られたヘアトニックに関して、20代〜50代の女性10人を対象として、使用時の指通り性、乾燥した後の髪の滑らかさ、髪のまとまりの3項目について評価した。評価基準及び判定は、実施例2−1〜2−8に準じて行った。結果を表6に示す。
<ヘアトニックの使用感評価>
表6の処方に従い、実施例1−1〜1−8のPC化合物(PC1〜PC8)の代わりに、比較例1−1において得られた化合物(CE1)若しくは比較例1−3において得られた化合物(CE3)を用いた以外は、実施例2−33〜2−40に記載の方法に準じてヘアトニックを調製した。得られたヘアトニックに関して、実施例2−33〜2−40と同様にして官能試験にて評価した。結果を表6に示す。
<シャンプーの使用感評価>
表7の処方に従い、シャンプーを調製した。得られたシャンプーに関して、実施例2−33〜2−40と同様な項目について頭髪官能評価試験を実施した。結果を表7に示す。
<シャンプーの使用感評価>
表7の処方に従い、実施例1−1〜1−8のPC化合物(PC1〜PC8)の代わりに、比較例1−1において得られた化合物(CE1)若しくは比較例1−3において得られた化合物(CE3)を用いた以外は、実施例2−41〜2−48と同様にシャンプーを調製した。得られたシャンプーに関して、実施例2−41〜2−48と同様にして官能試験にて評価した。結果を表7に示す。
<リンスの使用感評価>
表8の処方に従い、リンスを調製した。得られたリンスに関して、実施例2−33〜2−40と同様な項目について頭髪官能評価試験を実施した。結果を表8に示す。
<リンスの使用感評価>
表8の処方に従い、実施例1−1〜1−8のPC化合物(PC1〜PC8)の代わりに、比較例1−1において得られた化合物(CE1)若しくは比較例1−3において得られた化合物(CE3)を用いた以外は、実施例2−49〜2−56と同様にリンスを調製した。得られたリンスに関して、実施例2−49〜2−56と同様にして官能試験にて評価した。結果を表8に示す。
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