JP5781741B2 - 発光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、発光装置に関し、より詳細には、光の取り出し効率に優れ、信頼性の高い発光装置に関する。
近年、半導体発光素子(以下、単に「発光素子」と記載することがある)を用いた発光装置が種々開発されている。
そのような情況下、特に、表面実装型の発光装置等において、発光素子からの光取り出しを効率的に行うために、耐光性、耐熱性、他部材との密着性等を考慮した透光性樹脂、各種の電極又は反射部材等が用いられている。
なかでも、耐熱性、耐光性に富み、滴下等により発光素子の封止が容易に行えるシリコーン樹脂が頻繁に使用されている。また、電極等の金属部材として、反射率の高い銀(Ag)メッキが施された金属が多く採用されている。
一方、シリコーン樹脂は、ガスを透過し易いという性質があり、特に高出力が要求される車載用等の発光装置では、電極の銀メッキが、硫黄成分などによって硫化し、変色(黒色化)して出力が低下するという問題が生じ易い。
このような銀の硫化を抑制するために、電極等を窒化シリコンなどの保護膜で被覆する方法(例えば、特許文献1)、銀を硫黄成分含有ガスが透過しにくいエポキシ樹脂又はシリコーン樹脂等の薄膜コートで被覆する方法(例えば、特許文献2)等が提案されている。
特開2007−109915号公報 特開2008−10591号公報
しかし、これらの保護膜、薄膜コート及び封止樹脂などを用いても、透光性部材と、銀を含む金属部材との密着性が不十分であると、各部材が剥離し、その隙間から硫黄成分などが侵入し、銀の硫化が防止できない。
特に、近年のように、電極等の金属部材に複数の発光素子が搭載されるタイプの発光装置では、発光素子及びワイヤ等による凹凸が増えるため、透光性部材が電極等の表面に付着し難い。また、透光性部材による発光素子の被覆面積が増大するため、透光性部材が剥離し易くなる。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、耐熱性及び耐光性等に富む材料を用いて、光の取り出し効率の低下を抑制するとともに、信頼性の高い発光装置を提供することを目的とする。
本発明の発光装置は、基体と、
該基体上に形成され、その表面に銀含有層が配置された金属部材と、
前記金属部材上に載置された複数の半導体発光素子と、
該半導体発光素子を取り囲むように前記金属部材に形成された複数の第1の孔と、
前記金属部材の表面及び前記第1の孔を連続して被覆する透光性部材とを備え、
前記第1の孔が、1つの半導体発光素子に隣接する複数の半導体発光素子間のうち、該半導体発光素子間距離が最大となる少なくとも1つの半導体発光素子間の中央に形成されてなることを特徴とする。
このような発光装置では、前記半導体発光素子が、金属部材上に行及び列に沿ってマトリクス状に配置されており、前記第1の孔が、互いに斜め方向に隣接する半導体発光素子間に形成されてなることが好ましい。
さらに、前記基体上であって、前記複数の半導体発光素子を取り囲み、前記金属部材の外縁を被覆する壁状の光反射性部材を備え、かつ
該光反射性部材及び透光性部材によって、前記金属部材の全面が被覆されてなることが好ましい。
複数の半導体発光素子の外周であって、前記金属部材に形成された複数の第2の孔を備えており、
前記光反射性部材が、第2の孔の一部を被覆することが好ましい。
前記半導体発光素子と第1の孔との距離が、半導体発光素子と第2の孔との距離よりも小さいことが好ましい。
前記透光性部材は酸化物膜又は樹脂膜を含む積層構造であり、該透光性部材の一部が、前記光反射性部材と金属部材との間に配置されてなることが好ましい。
前記第1の孔は、複数の半導体発光素子に取り囲まれており、該第1の孔と各半導体発光素子との距離がいずれも等しいことが好ましい。
隣接する前記半導体発光素子を電気的に接続する導電性ワイヤが設けられており、該導電性ワイヤは隣接する第1の孔間を通過することが好ましい。
前記第1の孔の平面形状が円形であることが好ましい。
前記透光性部材は、前記半導体発光素子、前記金属部材の表面及び第1の孔を連続して被覆することが好ましい。
基体が、その表面に、前記半導体発光素子と電気的に接続され、前記金属部材と離間し、前記銀含有層と異なる金属からなる金属層が表面に配置された電極をさらに備えることが好ましい。
本発明によれば、耐熱性、耐光性及び加工性等に富む材料を用いて、光の取り出し効率の低下を抑制するとともに、信頼性の高い発光装置を提供することができる。
本発明の発光装置を示す斜視図である。 本発明の発光装置における金属部材等の配列を説明するための概略平面図である。 図2の発光装置における第1の孔の配列を説明するための要部の概略平面図である。 図2の発光装置における光反射性部材の配置を説明するための概略平面図である。 本発明の発光装置における透光性部材等の配置を説明するための図1でのa−a’線断面図である。 本発明の発光装置における発光素子及び第1の孔等の配列を説明するための概略平面図である。 本発明の別の発光装置における発光素子及び第1の孔等の配列を説明するための概略平面図である。 本発明のさらに別の発光装置における発光素子及び第1の孔等の配列を説明するための概略平面図である。 本発明のさらに別の発光装置における発光素子及び第1の孔等の配列を説明するための概略平面図である。
本発明を実施するための最良の形態を、以下に図面を参照しながら説明する。ただし、以下に示す形態は、本発明の技術思想を具体化するための発光装置を例示するものであって、本発明が、これらに限定されるものではない。
本発明の発光装置10は、例えば、図1及び図2に示すように、表面に銀含有層が配置された金属部材11と、表面に金属部材11の銀含有層を露出する基体12と、金属部材11上に載置された複数の発光素子13と、発光素子13を取り囲むように金属部材11に形成された複数の第1の孔15と、金属部材11の表面及び第1の孔15を連続して被覆する透光性部材14とを備えている。また、透光性部材14の外周には光反射性部材17が配設されている。なお、図2では、発光素子間の配線、透光性部材14等は説明の便宜のために省略している。
(基体12)
基体12は、その表面に、発光素子13を載置するため及び/又は発光素子13と接続され、通電させるための電極等として機能させるための金属部材11等が形成された絶縁性の部材である。また、その内部に導体配線等が施されたものであってもよいし、その表、裏又は側面に電極等が露出されたものであってもよい。基体12は、その上に光反射性部材等を設けることができるような略板状の部材であることが好ましい。
基体の材料は、特に限定されるものではなく、ガラスエポキシ樹脂、セラミックス、ガラス、プラスチック等を挙げることができる。特に、セラミックスとしては、アルミナ、窒化アルミニウム、ムライト、炭化ケイ素あるいは窒化ケイ素などが好ましい。プラスチックとしては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。この場合、基体は、正負一対のリード電極等の金属部材を用いて樹脂にてインサート成形されたものなどが例示される。これらを材料とすることにより、耐熱性の高い基体とすることができる。
(金属部材11)
金属部材11は、基体12表面に発光素子13を載置することができるものであれば、通電に寄与しなくてもよいし、発光素子12及び/又は任意に保護素子等への通電のために、端子として機能させるものであってもよい。
金属部材11は、少なくともその表面に銀含有層を有する。銀含有層の下地は、例えば、銅、アルミニウム、金、銀、タングステン、鉄、ニッケル、コバルト、モリブデン等の金属又は合金等の導電部材を含んだ材料が挙げられる。これらは、単層及び積層のいずれでもよい。
発光素子を搭載するためには、表面(発光素子の載置面)である銀含有層が、発光素子からの光を反射することができる、高反射率、高光沢である材料によって形成されていることが好ましい。具体的には可視域の反射率が70%程度以上となるものが好ましい。銀含有層は、銀又は銀の合金で構成される。銀合金としては、例えば、Mg、Cu、Co、Au、Al、Sn、Ni、Rh、Pd及びPtからなる群から選択された少なくとも1種と銀とを含有する合金が挙げられる。
金属部材は、基体表面において1つのみであってもよいし、2以上に分割されて露出していてもよい。この場合、金属部材は、必ずしも同じ材料によって形成されていなくてもよく、部分的に異なる材料、金属部材ごとに異なる材料等であってもよい。
複数の発光素子を載置する金属部材は、発光素子が載置可能な面積以上の大きさ及び/又は外部からの電力を供給させることができる大きさ等を有していればよい。
金属部材の形状は、特に限定されず、発光装置の形状、発光素子の個数、配列、配置可能なスペース等を考慮して適宜決定することができる。例えば、上面視が略四角形、多角形、略円形、これらの形状に切り欠きを有する形状等、種々のものとすることができる。また、金属部材における発光素子を載置させる領域は、平坦な面であることが好ましいが、微細な凹凸等を有していてもよい。
金属部材は、図2に示すように、少なくとも1つの、好ましくは個々の発光素子13を取り囲むように、複数の第1の孔15が形成されている。この第1の孔は、発光素子を被覆するための、後述する透光性部材を、その内部にまで埋め込むことにより、透光性部材との表面積を増加させることによりその密着性を確保するとともに、所定のアンカー効果をも期待するものである。
第1の孔は、1つの発光素子に隣接する複数の発光素子間のうち、発光素子間距離が最大となる、少なくとも1つの発光素子間の中央に形成されている。ここで、素子間距離とは、素子とそれに隣接する素子との間の最短の長さを意味する。また、発光素子の配列によっては、素子間距離とは、発光素子の重心間距離を指す場合もある。
例えば、図2に示すように、行列方向に同じ距離でマトリクス状に複数の発光素子が配置されている場合、図2の要部を説明するための拡大図である図3に示すように、特定の発光素子13aに対して、行方向に隣接する発光素子13b、列方向に隣接する発光素子13d及び斜め方向に隣接する発光素子13cが、合計8個配置され、行方向及び列方向に隣接する発光素子間距離e及びfはそれぞれ略同じ、斜め方向に隣接する素子間距離(2×a)はそれぞれ略同じであり、素子間距離e又はf<素子間距離(2×a)となる。そして、素子間距離が最大となる斜め方向に隣接する素子13aと13c間において、少なくとも1つの素子間の中央、好ましくは全て、つまり4つの素子間の中央に、第1の孔15が形成される。発光素子の配列は、行方向又は列方向で素子間距離が最大となってもよいが、発光効率の観点から、斜め方向で素子間距離が最大となる配列が好ましい。
言い換えると、例えば、図3において、第1の孔15aは、複数の発光素子13a〜13dに取り囲まれていることとなり、この場合の第1の孔は、各発光素子との距離がいずれも等しいことが好ましい。
通常、発光素子間は、発光素子と、後述する発光装置の外周に配置される光反射性部材との間よりも光が集中し易いため、透光性部材が劣化し易く、金属部材から剥離し易い。このため、隣接する発光素子間に第1の孔を配置することによって、剥離を有効に防止することができる。
一方、第1の孔は、発光素子を載置する金属部材に形成されるため、発光素子から発光する光の一部を吸収する場合がある。しかし、後述する透光性部材と金属部材との密着性が良好でないと、上述したように、透光性部材の剥がれの発生、金属部材における銀の硫化等による変質を招き、これに起因して、光の取り出し効率を減少させ、信頼性が低下する。
これに対して、金属部材の表面における第1の孔の位置、数及び大きさ等を制御することにより、光の反射を最大限に発揮させるとともに、孔によって露出されるであろう基体表面での光の吸収又は穴による光の散乱等を最小限にとどめ、透光性部材と金属部材との密着性を向上させることができる。
そのために、第1の孔は、最も近接する発光素子間ではなく、つまり、マトリクス状に配列されている複数の発光素子において、行又は列間ではなく、発光素子間であって、発光素子から最も遠い位置、例えば、斜め方向に配置している。さらには、図3に示すように発光素子の平面視形状が矩形の場合、素子間距離が最大となる斜め方向において発光素子の角が向かい合う配列とし、この斜め方向に第1の孔を配置することが好ましい。つまり、発光素子が矩形であれば、素子内の発光は発光素子の角から取り出され難く、発光素子の角が向かい合う斜め方向において発光強度が比較的低下するため、このような位置に第1の孔を配置することで発光効率の低下を抑制することができる。
このようなことから、第1の孔の数は、上述した透光性部材と金属部材との密着性と、光反射及び光吸収等とのトレードオフとなる特性のバランスを考慮するとともに、第1の孔の形状及び大きさを考慮して、発光素子の数が(n×m)個とすると、(n−1)×(m−1)個であることが好ましい。また、(n/2)×(m−1)〜(n−1)×(m/2)とすることもできる。
第1の孔の形状は、特に限定されないが、平面形状が、円形、楕円形、三角形又は四角形等の多角形又は多角形の角が丸められた近似形状、これらが複数連なった形状等が挙げられる。なかでも、円形であることが好ましい。角のある形状の場合には、角部において透光性部材が付着し難いことがあるが、円形又は丸みを有する形状であれば、角部から剥離するなどということを防止して、透光性部材を被覆/密着させやすくなる。また、金属部材内に底部を有する穴、つまり窪みであってもよいが、金属部材を貫通する貫通孔であることが好ましい。これにより、後述する透光性部材を第1の孔内に確実に埋め込むことができ、金属部材と透光性部材との密着性を向上させることができる。また、透光性部材との密着性が金属部材よりも高い材料で基材を構成する場合は、貫通孔によって基材を露出させることで、基材と透光性部材が直接接触され、密着性を向上させることができる。
第1の孔の大きさは、特に限定されるものではないが、例えば、直径又は一辺の長さが、それぞれ0.1mm程度、0.3mm程度が挙げられる。第1の孔の直径又は一辺の長さは、1つの発光素子の1辺の長さの1/5〜1程度、さらに、1/5〜1/3程度が好ましい。また別の観点から、金属部材に形成された全第1の孔の総面積が、金属部材の総面積の1%程度以下となるように調整することが好ましい。例えば、1.5mm程度以下が挙げられる。
発光素子を載置する金属部材は、図2及び3に示すように、第2の孔16をも備えていることが好ましい。第2の孔とは、上述した第1の孔と同様の機能を果たし得るものであるが、発光素子間には配置せず、複数の発光素子の外周において金属部材に形成された複数の孔を指す。
第2の孔16は、例えば、図2及び図3に示すように、金属部材11の外周に配置される。さらに、行列方向にマトリクス状に複数の発光素子が配置され、特定の発光素子13cとその斜め方向に隣接する発光素子13aとの間で(2×a)の素子間距離で配置される場合、第2の孔16と特定の発光素子13cとの距離b、c、dは、斜め方向の距離aよりも長い距離で配置されることが好ましい。ただし、金属部材11の外周において行方向又は列方向に配置される第2の孔同士の距離は、発光素子間に配置される第1の孔同士の距離と略同様で、金属部材に配置されることが好ましい。言い換えると、第2の孔16は、1又は2つの発光素子と隣接するように配置されることが好ましく、さらには第1の孔と同様に、発光素子の斜め方向に配置することが好ましい。これにより、第2の孔16を、半導体発光素子から遠ざけることができ、第2の孔による光吸収を抑制することができる。
ここでの第2の孔の大きさ及び形状等は、第1の孔と同様とすることができる。
(電極18、18a等)
基体12は、その表面に、発光素子13を載置する金属部材11の他に、発光素子の通電を目的とする電極18、18a等を備えていてもよい。この電極は、発光素子と接続された導電性ワイヤのボンディングが可能であり、電気抵抗が小さいものが好ましい。このような材料としては、上記の金属部材と同様のものが挙げられるが、特に、金が表面に配置されていることが好ましい。これにより、導電性ワイヤとの密着性が向上された電極とすることができる。導電性ワイヤとしては、例えば、金線が用いられる。
電極18は、通常、正負一対で配置される。また、図2に示すように、さらに電極18aを配置してもよい。発光素子に接続された導電性ワイヤを電極18aにボンディングすることで、発光素子を直列接続または並列接続できる。
電極18及び18aの形状及び大きさは、発光素子の数など、発光素子への電力の供給を考慮して適当な形状及び大きさを適宜設定することができる。
(半導体発光素子)
半導体発光素子は、発光素子、いわゆる発光ダイオードと呼ばれる素子であればどのようなものでもよい。例えば、基板上に、InN、AlN、GaN、InGaN、AlGaN、InGaAlN等の窒化物半導体、III−V族化合物半導体、II−VI族化合物半導体等、種々の半導体によって、発光層を含む積層構造が形成されたものが挙げられる。
基板としては、C面、A面、R面のいずれかを主面とするサファイアやスピネル(MgA124)のような絶縁性基板、また炭化珪素(6H、4H、3C)、シリコン、ZnS、ZnO、GaAs、ダイヤモンド;ニオブ酸リチウム、ガリウム酸ネオジウム等の酸化物基板、窒化物半導体基板(GaN、AlN等)等が挙げられる。
半導体の構造としては、MIS接合、PIN接合、PN接合などのホモ構造、ヘテロ結合あるいはダブルヘテロ結合のものが挙げられる。
発光素子を構成する各半導体層には、Si、Ge等のドナー不純物及び/又はZn、Mg等のアクセプター不純物がドープされていてもよい。
発光層は、量子効果が生ずる薄膜に形成した単一量子井戸構造、多重量子井戸構造としてもよい。
発光素子の発光波長は、半導体の材料、混晶比、発光層のInGaNのIn含有量、発光層にドープする不純物の種類を変化させるなどによって、可視光領域の光だけでなく、紫外線から赤外線まで変化させることができる。
このような発光素子は、後述する金属部材の上面に載置されている。発光素子を金属部材上面に載置するためには、通常、接合部材が用いられる。例えば、青及び緑発光を有し、サファイア基板上に窒化物半導体を成長させた発光素子の場合には、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等を用いることができる。また、発光素子からの光や熱による劣化を考慮して、発光素子裏面にAlやAg等の金属メッキをしてもよいし、樹脂を使用せず、Au−Sn共晶などの半田、低融点金属等のろう材を用いてもよい。図2に示す発光装置は、金属部材11が電極18aから独立して配置されているため、同一面側に正負電極を有する発光素子を用いている。また、両面に電極が形成された発光素子の場合には、銀、金、パラジウムなどの導電性ペースト等によってダイボンディングしてもよい。この場合には、金属部材と電極を繋げて形成するか、もしくは金属部材を電極として用いる。
本発明の発光装置では、発光素子は、ランダムに配置されていてもよいが、配向性、集光性、照度、均一性等を考慮すると、マトリクス状又はサークル状など、規則的又は周期的に配置されていることが適しており、マトリクス状に配置されていることが好ましい。ここで、マトリスク状とは、列方向の配列及び行方向の配置が二次元的に広がった状態を指し、サークル状とは、1つ又は複数の点を中心として、1つ円形配列又は大小種々の大きさの円形配列を組み合わせた状態を指す。
金属部材上に載置される発光素子の数は、特に限定されるものではなく、例えば、2〜100個程度が挙げられ、6〜60個程度が好ましい。特に、n×mのように、マトリクス状に配置されるものが好ましい。n及びmは1〜20程度が挙げられる。
通常、発光素子は、金属部材上に配置され、載置された金属部材又は金属部材から離間して配置された電極に、導電性ワイヤによって電気的に接続されている。導電性ワイヤとしては、発光素子の電極とのオーミック性が良好であるか、機械的接続性が良好であるか、電気伝導性及び熱伝導性が良好なものであることが好ましい。作業性などを考慮すると、導電性ワイヤの直径は、10μm〜45μm程度であることが好ましい。このような導電性ワイヤとしては、例えば、金、銅、白金、アルミニウム等の金属及びそれらの合金が挙げられる。
金属部材と発光素子とを接続する導電性ワイヤ及び発光素子間を接続する導電性ワイヤは、直列/並列等、その接続形態は特に限定されないが、互いに隣接する第1の孔間、第2の孔間又は第1の孔と第2の孔との間を通るように配置させることが好ましい。
通常、金属部材と発光素子との電気的な接続は、金属部材を表面に備える基体上に、複数の半導体素子を搭載してから、ワイヤボンディングによって行う。その後、発光素子の上方から、後述するように、透光性部材の材料又はその一部を供給し、透光性部材を形成する。従って、このような場合には、導電性ワイヤの直下では、特に、後述する透光性部材が薄膜の場合は、導電性ワイヤにさえぎられて、透光性部材が金属部材に付着し難い場合がある。従って、第1及び第2の孔の直上を避けて導電性ワイヤを配置することにより、透光性部材と第1及び第2の孔との密着性を向上させることができ、透光性部材と金属部材との密着性を確保することができる。
(透光性部材14)
透光性部材14は、基体11上面において、発光素子12と第1の孔15とを被覆する。また、発光素子12の他に、例えば、受光素子、保護素子等の素子を被覆してもよい。さらに、発光素子、金属部材の表面及び第1の孔を連続して被覆していることが好ましい。第1の孔15と同様に、第2の孔16も被覆することが好ましい。このように透光性部材は、これらの素子や導電性ワイヤ等の電子部品等を、塵芥、水分、外力等から保護する部材として機能する。
透光性部材としては、発光素子からの光に対して透光性で、かつ、耐光性及び絶縁性を有するものが好ましい。具体的には、シリコーン樹脂組成物、変性シリコーン樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物、変性エポキシ樹脂組成物、アクリル樹脂組成物等、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、フッ素樹脂及びこれらの樹脂を少なくとも1種以上含むハイブリッド樹脂等の有機物が挙げられる。また、ガラス、酸化シリコン及び酸化窒化シリコン等の酸化物、窒化シリコン等の無機物であってもよい。
なお、本発明においては、透光性とは、発光素子から出射された光を70%程度以上、80%程度以上、90%程度以上、95%程度以上透過させる性質を意味する。
透光性部材は、単層で形成してもよいが、積層構造であることが好ましい。なかでも、酸化物及び/又は樹脂等をその一部に含むことが好ましく、酸化物又は樹脂からなる層が、最下層、つまり、金属部材及び第1の孔に接触して形成されていることが好ましい。これにより、金属部材との密着性を良好とし、さらにガスの透過を防止することができる。そのために、最下層として酸化物又は樹脂からなる層が形成される場合には、これらの層は、極薄膜状で、金属部材及び第1の孔内、任意に第2の孔内の全てを被覆することが好ましい。ここでの極薄膜状とは、当該技術分野における成膜技術を利用して実現可能な厚みを意味し、例えば、400nm程度以下、100nm程度以下、80nm程度以下、さらに、70nm±10nm程度が好ましい。また、第1の孔及び/又は第2の孔の深さよりも小さい膜厚とすることが好ましい。このような膜厚で、金属部材及び第1の孔内、任意に第2の孔内の全てを被覆することにより、金属部材及び孔内の全表面を確実に被覆することができ、また、緻密な膜を形成でき、ガス、不純物等の進入を回避することができる。その結果、銀含有層を含む金属部材の硫化を有効に防止することができ、光の取り出し効率の低下抑制並びに信頼性の向上及び長寿命化を実現することができる。この極薄膜状の透光性部材の膜厚は、最大でも発光素子の厚みより薄いことが好ましい。後述するように、この極薄膜状の透光性部材が光反射性部材と金属部材との間に挟持される場合には、光反射性部材の下方からの光の漏れが生じることとなるが、この極薄膜が薄ければ、そのような光の漏れを最小限にとどめることができるからである。
このような極薄膜状の透光性部材は、例えば、ポッティング、電気泳動沈着、蒸着、スパッタリング等、当該分野で公知の方法により形成することができる。
本発明の発光装置は、図4及び図5に示すように、極薄膜状の透光性部材14aは、その一部が、後述する光反射性部材16と金属部材11との間に配置させることができる。この場合、透光性部材は、上述したように積層構造とする場合、最下層の層が、極薄膜状で、金属部材及び第1の孔内、任意に第2の孔内の全てを被覆することが好ましい。このように、透光性部材14aが、光反射性部材16と金属部材11との間に配置されていることにより、光反射性部材16と透光性部材14との間から、又は透光性部材14を透過して、ガス又は不純物が進入することがあっても、透光性部材14aによりその進入が妨げられ、金属部材11の硫化等を効果的に防止することができる。
このために、本発明では、金属部材を表面に備える基体上に、複数の半導体素子を搭載し、ワイヤボンディングし、発光素子の上方から透光性部材の材料又はその一部、つまり、最下層を構成する透光性部材の材料を、好ましくは金属部材の全表面に供給し、極薄膜状の透光性部材を形成する。
その後、図4に示したように、金属部材11の外縁がその下に収まるように、金属部材11の外周に、光反射性部材17を配置する。この際、図4に示すように、光反射性部材17は、複数ある第2の孔16の一部のみ、特に、金属部材の4つの隅部の第2の孔16を被覆するように配置することが好ましい。これによって、光反射性部材自体の基体上への密着性を確保することができる。また、光反射性部材17は、第2の孔16の1つを完全に被覆してもよく、部分的に被覆してもよい。
その後、上述したように、図5に示すように、光反射性部材16の内側であって、金属部材11及び発光素子13の上に、透光性部材14を、発光素子13及び上述した導電性ワイヤ(図示せず)等が完全に又は略被覆されるように供給し、個々の発光装置に切断する。
透光性部材には、その一部又は全部に、発光素子からの光の少なくとも一部を吸収して異なる波長を有する光を発する波長変換部材(蛍光体)、着色剤、光拡散剤、光反射材、各種フィラー等を含有していてもよい。
蛍光体としては、半導体発光素子からの光を、それより短波長に変換させるものでもよいが、光取り出し効率の観点から長波長に変換させるものが好ましい。
蛍光体としては、例えば、Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体・酸窒化物系蛍光体、より具体的には、Eu賦活されたα又はβサイアロン型蛍光体、各種アルカリ土類金属窒化シリケート蛍光体、Eu等のランタノイド系の元素、Mn等の遷移金属系の元素により主に賦活されるアルカリ土類金属ハロゲンアパタイト蛍光体、アルカリ土類のハロシリケート蛍光体、アルカリ土類金属シリケート蛍光体、アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体、アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、アルカリ土類金属ケイ酸塩、アルカリ土類金属硫化物、アルカリ土類金属チオガレート、アルカリ土類金属窒化ケイ素、ゲルマン酸塩、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される希土類アルミン酸塩、希土類ケイ酸塩又はEu等のランタノイド系元素で主に賦活される有機及び有機錯体等が挙げられる。
具体的な形態としては、例えば、ガラス、樹脂組成物等他の成形体に蛍光体を塗布したもの;蛍光体含有ガラス、YAG焼結体、YAGとAl、SiO、B等の焼結体、無機融液中でYAGを析出させた結晶化無機バルク体等の蛍光体含有成形体が挙げられる。
蛍光体は、1種の蛍光体を含有する単層、2種以上の蛍光体が混合された単層、2種以上の蛍光体が別々の層に含有された2層以上の積層、2種以上の蛍光物質等がそれぞれ混合された単層の2層以上の積層のいずれであってもよい。
つまり、透光性部材は、材料又は添加剤の種類又は量等が異なる積層構造であることが好ましい。
透光性部材は、金属部材の表面及び第1の孔を連続して被覆する限り、その断面形状は、特に限定されるものではなく、金属部材の表面及び第1の孔を完全に被覆する形状であればよい。また、配光特性等を考慮して、例えば、板状、上面を凸状レンズ形状、凹状レンズ形状、フレネルレンズ形状等としてもよいし、別個にレンズ形状の部材を併設してもよい。また、平面形状は、通常、複数の発光素子の全部を被覆するために、これら発光素子の外周の形状に対応した形状とすることが好ましい。具体的には、円形、楕円形、三角形又は四角形等の多角形、これらの角が丸められた近似形状等が挙げられる。通常、発光素子は、その外周が後述する光反射性部材によって壁状に包囲されているため、透光性部材は、光反射性部材の内側を埋設する形態で配置されている。
(光反射性部材17)
光反射性部材を構成する部材は、特に限定されるものではなく、発光素子からの光が遮光可能なものであればよく、発光素子からの光を反射するものがより好ましい。また、発光素子からの光や、外光などが透過や吸収しにくい部材が好ましい。電極を被覆する場合には、絶縁性部材を選択する。さらに、基体又は金属部材及び電極等と、線膨張係数の差が小さいものが好ましい。
光反射性部材としては、例えば、反射部材などの粉末を分散させた樹脂を用いることができる。図4または図5に示すように、光反射性部材が形成される部分には金属部材11や電極18、第2の孔16による凹凸が存在するため、光反射性部材として樹脂を用いることで、このような凹凸に沿って光反射性部材を形成でき、密着性が向上された光反射性部材とすることができる。樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等を用いることができる。具体的にはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、BTレジンや、PPAやシリコーン樹脂などが挙げられる。
より具体的には、これら母体となる樹脂に、発光素子からの光を吸収しにくくかつ母体となる樹脂に対して屈折率差の大きい反射部材(例えば、TiO、Al、ZrO、MgO)などの粉末を分散することで、効率よく光を反射させることができる。
これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。これにより、光の透過率を調整することができ、例えば、発光素子からの光の約60%以上を遮光するように調節することができる。また、樹脂の線膨張係数を調整することが可能となる。
光反射性部材の形状は、特に限定されず、種々の形状とすることができる。例えば、平面視においては、発光装置の略外形を構成する形状とすることが適しており、通常、発光装置は四角形であるため、光反射性部材の外形も四角形とすることが好ましい。また、光反射性部材によって発光面が決定されるため、発光面を円形とする場合には、光反射性部材を円形に形成する。上述したように、金属部材の(特に、外縁からの)劣化防止を確保するために、金属部材の外縁が、光反射性部材下に収まるように、また、金属部材上に搭載された発光素子の周囲、つまり、金属部材の周囲を取り囲むように、光反射性部材が配置されることが好ましい。この場合、光反射性部材は、例えば、樹脂吐出装置から液体樹脂を吐出するなどの当該分野で公知の方法を利用して形成することができる。
光反射性部材の厚さは、発光素子の厚さ及びワイヤの高さ等を考慮して適宜調整することができる。これにより、導電性ワイヤによる光の吸収を抑制し、効率よく光を取り出すことができる。
光反射性部材及び透光性部材によって、金属部材の全面が被覆されていることが好ましい。このとき、少なくとも銀含有層の露出表面の全面が被覆されていればよい。これにより、ガス、不純物等の進入を回避して、銀含有層を含む金属部材の硫化を有効に防止することができ、光の取り出し効率の低下抑制並びに信頼性の向上及び長寿命化を実現することができる。
(その他の部品)
本発明の発光装置では、発光素子からの光の取り出しを効率的に行うために、また、その特性及び/又は信頼性を確保するために、保護素子、レンズ部材等、種々の部品が備えられていてもよい。
(保護素子)
保護素子は、特に限定されるものではなく、発光装置に搭載される公知のもののいずれでもよい。例えば、発光素子に印加される逆方向の電圧を短絡したり、発光素子の動作電圧より高い所定の電圧以上の順方向電圧を短絡したりさせることができる素子、つまり、過熱、過電圧、過電流、保護回路、静電保護素子等が挙げられる。具体的には、ツェナーダイオード、トランジスタのダイオード等が利用できる。
本発明の発光装置では、保護素子は、発光素子から出射される光の照射範囲外、例えば、光反射性部材内に載置されていることが好ましい。これにより、保護素子における光吸収を抑制できる。
保護素子は、通常、1つのみが搭載されていているが、2つ以上搭載されていてもよい。
以下に、本発明の発光装置について図面に基づいて詳細に説明する。
<実施の形態1>
この実施形態の発光装置10は、図1及び図6に示すように、表面に銀含有層が配置された金属部材11と、表面に金属部材11が形成された基体12と、金属部材11上に載置された複数の発光素子13と、発光素子13を取り囲むように金属部材11に形成された複数の第1の孔15と、金属部材11の表面及び第1の孔15を連続して被覆する透光性部材14とを備えている。 基体12は、例えば、セラミックスからなり、金属部材の両側に、表面に金層が配置された電極18を備えている。
金属部材11の上には、行列方向に5×8個のマトリクス状に発光素子13が配列されており、各発光素子13は、導電性ワイヤ19により、電極18と、それぞれ接続されている。
金属部材11に形成された第1の孔15は、1つの発光素子13に隣接する複数の発光素子13間のうち、発光素子13間距離が最大となる少なくとも1つの発光素子間、発光素子の角間の中央に形成されている。ここでは、発光素子13のサイズは0.5mm×0.3mm程度であり、行列方向の素子間距離(図3における距離e及びf)は0.5mm程度、第1の孔15は、直径0.1mm程度の円形状である。
つまり、図3に示すように、特定の発光素子13aに対して、行方向に隣接する発光素子13b、列方向に隣接する発光素子13d及び斜め方向に隣接する発光素子13cのうち、素子間距離が最大となる斜め方向に隣接する素子13aと13c間の中央に、第1の孔15が形成されている。 言い換えると、例えば、図3において、第1の孔15aは、複数の発光素子13a〜13dに取り囲まれていることとなり、この場合の第1の孔は、各発光素子との距離がいずれも距離a(図3参照)と、等しい。
また、金属部材は、図3及び図6に示すように、複数の発光素子の外周において第2の孔16をも備えている。第2の孔16は、第2の孔16と特定の発光素子13cとの距離b、c、dは、斜め方向の距離aよりも長い距離で配置されている。また、図6に示すように、第2の孔16は、発光素子13から離れた位置に配置することが好ましく、発光素子13との距離よりも光反射性部材17との距離が小さくなるように配置することが好ましい。
金属部材11の外縁がその下に収まるように、金属部材11の外周周辺に、発光素子13を取り囲むように、壁状の光反射性部材17が配置されている。光反射性部材17は、第2の孔16の一部、特に、金属部材11の4つの隅部の第2の孔16を被覆するように配置されている。
壁状の光反射性部材の内側には、透光性部材14は、極薄膜状のSiOによって形成された下層の透光性部材と、シリコーン樹脂によって形成された透光性部材とを備えている。透光性部材は、図5に示したように、金属部材11、発光素子13及び導電性ワイヤ19の表面を連続的に被覆するように配置されており、金属部材11に形成された第1の孔及び第2の孔(図示せず)内にも連続して埋設している。
図6のように発光素子、第1及び第2の孔が配置された発光装置に対して、同じ発光素子の配列を有し、第1及び第2の孔が形成されていない金属部材を用いて発光装置を作製し、連続して点灯させ、その光出力の推移を比較する。その結果、本実施形態の発光装置の方が光出力の低下率が小さくなる。
このように、金属部材に第1の孔を形成することにより、発光素子を被覆する透光性部材を、その内部にまで埋め込むことにより、透光性部材との表面積を増加させることによって、その密着性を確保するとともに、所定のアンカー効果を期待することができる。つまり、金属部材の表面における第1の孔の位置、数及び大きさ等を制御することにより、光の反射を最大限に発揮させるとともに、孔によって露出される基体表面での光の吸収を最小限にとどめ、透光性部材と金属部材との密着性を向上させることができる。
また、第2の孔を、半導体発光素子から遠ざけ、比較的劣化し難い位置に形成することにより、第2の孔による光吸収を抑制しながら、透光性部材及び光反射性部材との密着性をより一層向上させることができる。
さらに、透光性部材を、積層構造とし、最下層を薄膜状で形成し、光反射部材と金属部材との間に配置、つまり、金属部材及び第1の孔に接触して形成することにより、金属部材及び孔内の全表面を確実に被覆することができ、ガス、不純物等の進入を回避することができる。その結果、より金属部材との密着性を良好とし、銀含有層を含む金属部材の硫化を有効に防止することができ、光の取り出し効率の低下抑制並びに信頼性の向上及び長寿命化を実現することができる。
<実施の形態2>
この実施形態の発光装置30は、図7に示すように、金属部材31上に、発光素子33が4×5個マトリクス状に配置されている。ここでは、発光素子33のサイズは0.5mm×0.3mm程度であり、行列方向の素子間距離は1mm程度である。
また、金属部材31には、1つの発光素子33に隣接する複数の発光素子33間のうち、発光素子33間距離が最大となる少なくとも1つの発光素子33間、発光素子33の角間の中央に、第1の孔35が形成されている。第1の孔35は、直径0.3mm程度の円が4個列方向に一部重複して連続した、その長さが1mm程度の島状の電極38aの周囲を囲む形状である。結果として、第1の孔35は、0.1mm程度の幅で電極38aの周囲を包囲する形状となり、1つの面積が0.3mm程度となっている。また、発光素子と光反射性部材との間の第2の孔が配置されていない。それ以外は、実質的に実施の形態1と同様の構成を有している。
このように、金属部材に第1の孔を形成することにより、発光素子を被覆する透光性部材を、その内部にまで埋め込むことにより、透光性部材との表面積を増加させることによって、その密着性を確保するとともに、所定のアンカー効果を期待することができる。この実施の形態においては、実施の形態1よりも若干第1の孔の数が少ないが、金属部材の表面における第1の孔の位置、数及び大きさ等を制御することにより、光の反射を最大限に発揮させながら、孔によって露出される基体表面での光の吸収を最小限にとどめ、透光性部材と金属部材との密着性を向上させることができるなど、実施の形態1と同様の効果を有する。また、発光素子33間に電極38aを配置することで、電極38aに導電性ワイヤをボンディングできるため、実施の形態1のような発光素子上における導電性ワイヤの複数回ボンディングを行うことなく、複数の発光素子33を電気的に接続できる。これにより、導電性ワイヤの剥離を防止でき、信頼性の向上した発光装置を得ることができる。
<実施の形態3>
この実施形態の発光装置40は、図8に示すように、金属部材41上に、発光素子43が4×5個マトリクス状に配置されている。ここでは、発光素子43のサイズは0.5mm×0.3mm程度であり、行列方向の素子間距離は1mm程度である。
また、金属部材41には、1つの発光素子43に隣接する複数の発光素子43間のうち、発光素子43間距離が最大となる少なくとも1つの発光素子43間、発光素子43の角間の中央に、第1の孔45が形成されている。第1の孔45は、直径0.1mm程度の円形状である。
この金属部材41には、第2の孔が配置されておらず、また、一対の電極48の一方に保護素子49が配置され、他方の電極48に接続されている以外は、実質的に実施の形態1と同様の構成を有している。
このように、金属部材に第1の孔を形成することにより、発光素子を被覆する透光性部材を、その内部にまで埋め込むことにより、透光性部材との表面積を増加させることによって、その密着性を確保するとともに、所定のアンカー効果を期待することができる。この実施の形態においては、実施の形態1よりも若干第1の孔の数が少ないが、金属部材の表面における第1の孔の位置、数及び大きさ等を制御することにより、光の反射を最大限に発揮させながら、孔によって露出される基体表面での光の吸収を最小限にとどめ、透光性部材と金属部材との密着性を向上させることができるなど、実施の形態1と同様の効果を有する。
<実施の形態4>
この実施形態の発光装置は、図9に示すように、金属部材51上に、発光素子53が行列方向に等間隔であるが、一行ずれるごとに、列方向の発光素子53が半ピッチずれるように配置されている。ここでは、発光素子53のサイズは0.6mm×0.6mm程度であり、行列方向の素子間距離gは1mm程度である。
このような発光素子53の配列に対して、金属部材51には、1つの発光素子53aに隣接する複数の発光素子53間のうち、発光素子43間距離が最大となる少なくとも1つの発光素子53bとの間、発光素子53aと発光素子53bとの角間(素子間距離h、g<h)の中央に、第1の孔55aが形成されている。
このように、金属部材に第1の孔を形成することにより、発光素子を被覆する透光性部材を、その内部にまで埋め込むことにより、透光性部材との表面積を増加させることによって、その密着性を確保するとともに、所定のアンカー効果を期待することができる。この実施の形態においては、実施の形態1よりも若干第1の孔の数が少ないが、金属部材の表面における第1の孔の位置、数及び大きさ等を制御することにより、光の反射を最大限に発揮させながら、孔によって露出される基体表面での光の吸収を最小限にとどめ、透光性部材と金属部材との密着性を向上させることができるなど、実施の形態1と同様の効果を有する。
<実施の形態5>
この実施形態の発光装置は、図9に示すような発光素子53の配列に対して、金属部材51には、1つの発光素子53に隣接する複数の発光素子53間のうち、横方向に隣接する発光素子53d間(素子間距離k)ではなく、発光素子の重心G間距離が最大となる、発光素子53cと発光素子53dとの間(素子間距離j、k<j)の中央に、第1の孔55bが形成されている。
第1の孔による光吸収の低減の観点からは、第1の孔を発光素子の角間に配置する実施の形態1の方が好ましいが、このように、金属部材に第1の孔を形成することにより、発光素子を被覆する透光性部材を、その内部にまで埋め込むことにより、透光性部材との表面積を増加させることによって、その密着性を確保するとともに、所定のアンカー効果を期待することができる。この実施の形態においては、実施の形態1よりも若干第1の孔の数が少ないが、金属部材の表面における第1の孔の位置、数及び大きさ等を制御することにより、光の反射を最大限に発揮させながら、孔によって露出される基体表面での光の吸収を最小限にとどめ、透光性部材と金属部材との密着性を向上させることができるなど、実施の形態1と同様の効果を有する。
本発明の発光装置は、光吸収を低減し、高出力化が可能な発光装置とすることができ、各種表示装置、照明器具、ディスプレイ、液晶ディスプレイのバックライト光源、さらには、ファクシミリ、コピー機、スキャナ等における画像読取装置、プロジェクタ装置など、広範囲の用途に利用することができる。
10、30、40 発光装置
11、31、41、51 金属部材
12、32、42 基体
13、13a〜13d、33、43、53a〜53d 発光素子
14、14a、34 透光性部材
15、15a、35、45、55a〜55c 第1の孔
16 第2の孔
18、18a、38、38a、48 電極
17、37 光反射性部材
19、39、44 導電性ワイヤ
49 保護素子

Claims (10)

  1. 基体と、
    該基体上に形成され、その表面に銀含有層を有する金属部材と、
    前記金属部材上に載置された複数の半導体発光素子と、
    該半導体発光素子を取り囲むように前記金属部材に形成された複数の第1の孔と、
    前記金属部材の表面及び前記第1の孔を連続して被覆し、かつ前記第1の孔の内部に埋め込まれた透光性部材と、
    前記基体上であって、前記複数の半導体発光素子を取り囲み、前記金属部材の外縁の全てを被覆する壁状の光反射性部材とを備え、
    前記基体は、その表面に、前記半導体発光素子と電気的に接続され、前記金属部材と離間し、前記銀含有層と異なる金属からなる金属層が表面に配置された電極を備えており、該電極は、前記透光性部材とは離間し、
    前記第1の孔が、1つの半導体発光素子に隣接する複数の半導体発光素子間のうち、該半導体発光素子間距離が最大となる少なくとも1つの半導体発光素子間の中央に形成され、
    前記光反射性部材及び透光性部材によって、前記金属部材の全面が被覆されてなることを特徴とする発光装置。
  2. 前記半導体発光素子が、金属部材上に行及び列に沿ってマトリクス状に配置されており、前記第1の孔が、互いに斜め方向に隣接する半導体発光素子間に形成されてなる請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記光反射性部材は、母材として樹脂を含む請求項1又は2に記載の発光装置。
  4. 複数の半導体発光素子の外周であって、前記金属部材に形成された複数の第2の孔を備えており、
    前記光反射性部材が、第2の孔の一部を被覆する請求項3に記載の発光装置。
  5. 前記半導体発光素子と第1の孔との距離が、半導体発光素子と第2の孔との距離よりも小さい請求項3又は4に記載の発光装置。
  6. 前記透光性部材は酸化物膜又は樹脂膜を含む積層構造であり、該透光性部材の一部が、前記光反射性部材と金属部材との間に配置されてなる請求項3から5のいずれか1つに記載の発光装置。
  7. 前記第1の孔は、複数の半導体発光素子に取り囲まれており、該第1の孔と各半導体発光素子との距離がいずれも等しい請求項1から6のいずれか1つに記載の発光装置。
  8. 隣接する前記半導体発光素子を電気的に接続する導電性ワイヤが設けられており、該導電性ワイヤは隣接する第1の孔間を通過する請求項1から7のいずれか1つに記載の発光装置。
  9. 前記第1の孔の平面形状が円形である請求項1から8のいずれか1つに記載の発光装置。
  10. 前記透光性部材は、前記半導体発光素子、前記金属部材の表面及び第1の孔を連続して被覆する請求項1から9のいずれか1つに記載の発光装置。
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