JP6326830B2 - 発光装置及びそれを備える照明装置 - Google Patents

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Description

本発明は、発光装置及びその発光装置を備える照明装置に関するものである。
近年、白色系発光の発光ダイオード(以下、「LED」と記すことがある)に代表される、発光素子と蛍光体の組み合わせにより発光する発光装置は、蛍光灯に代わる低消費電力で長寿命の照明用光源として利用され始めており、更なる発光効率の向上や、斑の少ない配光特性が求められている。
例えば特許文献1には、LEDチップと、該LEDチップからの光によって励起し、LEDチップからの光と異なる波長の光を発する蛍光物質と、該蛍光物質を保持する透光性樹脂と、をパッケージ内に備え、前記LEDチップは、側面部と天面部とを有し、前記側面部が、パッケージの開口部に向かって凸状に傾斜する斜面を有するLED素子が記載されている。また、前記蛍光物質は、LEDチップの天面部上に配置しないか、又は、天面部上に配置するとしても、天面部上に配置する粒子層は側面部上に配置する粒子層と比較して薄くしてもよいことが記載されている。
特開2006−245020号公報
しかしながら、引用文献1に記載されたLED素子では、LEDチップから発せられた光のLED素子外部(装置外部)への取り出し効率が低くなってしまう。
そこで、本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、光の取り出し効率が高い発光装置、又はその発光装置を用いて色斑の少ない発光が可能な照明装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る発光装置は、素子載置面を有する基体と、前記素子載置面上に載置され、直上方向に最高光度を有する発光素子と、前記発光素子の光に励起される蛍光体を含有し、前記発光素子の上方を被覆する単一層で構成される被覆部材と、を備え、前記蛍光体は、前記発光素子の直上以外に存在していることを特徴とする。
また、本発明に係る照明装置は、上記本発明に係る発光装置と、その発光装置から光が入射される導光部材と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、蛍光体による波長変換光を得ながら、極めて高い光の取り出し効率を実現可能な発光装置を得ることができる。また、そのような発光装置を導光部材と組み合わせることより、色斑の少ない発光が可能であり且つ発光効率の高い照明装置を得ることができる。
本発明の一実施の形態に係る発光装置の概略上面図(a)と、そのA−A断面における概略断面図(b)及びB−B断面における概略断面図(c)である。 本発明の一実施の形態に係る発光素子の光度分布の一例を示す概略図(a)と、本発明の一実施の形態に係る発光装置の発光について説明する概略断面図(b)及び(c)である。 本発明の一実施の形態に係る発光装置の概略上面図とその輝度分布の一例を示す概略図である。 本発明の一実施の形態に係る発光装置の製造方法の一例における工程(a)〜(e)を示す概略断面図である。 本発明の一実施の形態に係る照明装置の構成を示す概略上面図である。 本発明の一実施の形態に係る発光装置における蛍光体の配置の一例について説明する概略上面図(a)〜(c)である。 本発明の一実施の形態に係る発光装置における蛍光体の配置の一例について説明する概略上面図(a)と、概略断面図(b)〜(e)である。 本発明の一実施の形態に係る発光装置の概略上面図(a)と、そのC−C断面における概略断面図(b)及びD−D断面における概略断面図(c)である。 本発明の一実施の形態に係る発光装置の概略上面図(a)と、そのE−E断面における概略断面図(b)と、その発光装置における蛍光体の配置の一例について説明する概略上面図(c)である。 本発明の一実施の形態に係る発光装置の概略上面図(a)と、そのF−F断面における概略断面図(b)及びG−G断面における概略断面図(c)である。 本発明の一実施の形態に係る発光装置の概略上面図(a)と、そのH−H断面における概略断面図(b)である。 本発明の一実施例及び一比較例に係る発光装置における輝度の分布を示すグラフ(a)及び(b)である。 本発明の一実施例及び一比較例に係る発光装置における色度xの分布を示すグラフ(a)及び(b)である。 本発明の一実施例及び一比較例に係る発光装置における色度yの分布を示すグラフ(a)及び(b)である。 本発明の一実施例及び一比較例に係る照明装置における導光部材上の位置を示す概略上面図(a)と、その位置の輝度を示すグラフ(b)である。 本発明の一実施例及び一比較例に係る照明装置における導光部材の中央部の輝度と色度の分布を示すグラフである。
以下、発明の実施の形態について適宜図面を参照して説明する。但し、以下に説明する発光装置及び照明装置は、本発明の技術思想を具体化するためのものであって、特定的な記載がない限り、本発明を以下のものに限定しない。また、一の実施の形態、実施例において説明する内容は、他の実施の形態、実施例にも適用可能である。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
なお以下、図中に示す「x」方向が「横」方向、「y」方向が「縦」方向、「z」方向が「上下」方向又は「高さ(厚さ)」方向とする。また、以下に示す実施の形態及び実施例の発光装置は、上面視において、横方向が長手方向となるものであるが、この限りではない。
<実施の形態1>
図1(a)は、実施の形態1に係る発光装置を示す概略上面図であり、図1(b)は、図1(a)におけるA−A断面を示す概略断面図であり、図1(c)は、図1(a)におけるB−B断面を示す概略断面図である。図1に示すように、実施の形態1に係る発光装置100は、側面発光型(「サイドビュー型」とも言う)の発光ダイオードである。発光装置100は、基体10と、発光素子20と、被覆部材40と、を備えている。
基体10は、素子載置面15aを有している。より詳細には、基体10は、正負一対のリードフレーム101と、そのリードフレームと一体成形された成形体102と、を含むパッケージである。基体10は、凹部15を有している。素子載置面15aは、凹部15の底面である。凹部15の底面は、リードフレーム101の表面と、成形体102の表面と、により構成されている。凹部の側壁面15bは、成形体102の表面により構成されている。
発光素子20は、基体の素子載置面15a上に載置されている。より詳細には、発光素子20は、1個の発光ダイオードチップである。発光素子20は、接着剤(図示省略)により素子載置面15aに接着され、ワイヤによりリードフレーム101と電気的に接続されている。発光素子20は、直上方向に最高光度を有するものである。
被覆部材40は、発光素子20の上方を被覆している。より詳細には、被覆部材40は、基体の凹部15に充填され、凹部15の開口上面付近まで設けられている。被覆部材40の上面は、成形体102の上面と略同一面となっている。被覆部材40は、単一層で構成されており、その上面が発光装置100の主たる発光面となっている。被覆部材40は、発光素子20の光に励起される蛍光体30を含有している。そして、蛍光体30は、発光素子20の直上以外に存在している。
このように構成された発光装置100は、発光素子20から側方に出射される光を利用して蛍光体30による波長変換光を得ながら、発光素子20から直上方向に出射される光を、蛍光体30による光損失を抑え、装置外部に効率良く取り出すことができる。なお以下、発光素子20から出射される光を「一次光」と記し、蛍光体30による波長変換光を「二次光」と記すことがある。
図2(a)は、実施の形態1に係る発光素子の光度分布の一例を示す概略図であり、図2(b)及び(c)は、実施の形態1に係る発光装置の発光について説明する概略断面図である。図2に示すように、発光素子20は、上面に加え、側面からも発光する。発光素子20は、上方への光度が側方への光度より高く、その直上方向に最高光度を有している場合が多い。特に、発光素子20が直方体状であると、そのような光度分布となりやすい。また特に、フェイスアップ実装又は対向電極構造の発光素子において、そのような光度分布となりやすい。例えば、ランバーシアンに準ずる光度分布が挙げられる。また、発光素子20から出射される一次光は、蛍光体30から出射される二次光に比べて、指向性の高い光である。
したがって、蛍光体30が、発光素子20の直上以外に存在していることにより、発光素子20から上方に出射される高光度の一次光成分を、蛍光体30による光損失を抑えて、装置外部に効率良く取り出すことができる。また、その高光度の一次光成分を直接的に装置前方(上方)に取り出すことにより、高い指向性を維持させて、後述する導光部材への光結合効率を高めることができる。一方で、発光素子20から側方に出射される一次光成分は、蛍光体30による波長変換に積極的に利用する。これにより、発光素子20から側方に出射される一次光成分が、二次光に変換されることでその指向性が緩和され、基体の側壁面15bで吸収されたり、側壁面15bを透過したり、する光成分を低減することができる。特に、側面発光型の発光装置など、導光部材の側方に配置される発光装置は、薄型であることが要求され、装置短手方向の凹部側壁が比較的薄く形成されて、光がその側壁面15bを透過して装置側方に漏出しやすいため、本構成がより効果的となる。以上のようなことから、発光装置100は、極めて高い光の取り出し効率を実現することができる。
なお、発光素子20の「直上方向」とは、発光素子20の中心軸(発光素子20の上面の中心を通り、発光素子20の上面に垂直な軸)となす角度θが0度の方向のみを意味するのではなく、現実的には中心軸となす角度θが0度以上10度以下の方向を含むものであって、好ましくは0度以上5度以下の方向を意味するものとする。
図3は、実施の形態1に係る発光装置の概略上面図とその輝度分布の一例を示す概略図である。図3中のグラフは、発光装置100について、発光素子20上を通って横方向(x方向)に横断する一直線(一断面)上における輝度の分布と、発光素子20上を通って縦方向(y方向)に縦断する一直線(一断面)上における輝度の分布と、を示すものである。なお、輝度は任意単位である。図3に示すように、発光装置100の輝度は、発光素子20の側面近傍において最大となることが好ましい。これは、発光素子20の外縁において、発光素子20から側方に出射された一次光の蛍光体30による二次光への変換を促進させるためである。より詳細には、発光装置100の輝度は、発光素子20上において低く、発光素子20の外縁において発光素子20上より高くなっている。特に、発光装置の輝度分布を図3のようなグラフに示したとき、発光素子20の外縁における輝度は、極大値となることが好ましく、また発光素子20の両側において、其々、最も高い極大値と、2番目に高い極大値を取ることがより好ましい。例えば、図3に示すような二峰性の分布が理想的である。発光素子20の外縁における輝度は、例えば発光素子20上における輝度の1.2倍以上であり、発光素子20上における輝度の1.4倍以上であることが好ましく、発光素子20上における輝度の1.5倍以上であることがより好ましい。なお、発光装置の色度分布については、上述のような理論から、発光素子20上では一次光成分の色度が強く、発光素子20より外側では二次光成分の色度が強く観測されることが好ましい。また、このような輝度や色度の測定箇所は、図示するように、縦方向、横方向とも、発光素子20の中央であればよいが、発光素子20の中央とは異なる箇所でも構わない。
図4は、実施の形態1に係る発光装置の製造方法の一例における工程(a)〜(e)を示す概略断面図である。図1に示す発光装置100は、以下のような工程を経て製造することができる。なお、一実施の形態に係る発光装置の製造方法は、発光素子が実装された基体上に被覆部材を形成する工程を少なくとも含んでいればよく、ここで説明する製造方法は一例に過ぎない。
なお、本例では、複数のリードフレーム101が連なって成る板状部材に、複数の成形体102を金型で成形して、複数の基体10が互いに連なった状態の複合基体を用いる。
図4に示す工程(a)は、発光素子20の実装工程である。工程(a)では、基体上に、発光素子20を実装する。より詳細には、発光素子20を、基体の素子載置面15a上に接着剤で固定すると共に、リードフレーム101(や後述の配線121)と電気的に接続させる。なお、本例では、発光素子20をフェイスアップ実装し、ワイヤでリードフレーム101と接続している。
図4に示す工程(b)〜(d)は、被覆部材40の形成工程である。被覆部材40は、流動性を有する状態(液状、ゾル状、又はスラリー状)の材料を、ディスペンサなどを用いて、基体10の素子載置面上に滴下(ポッティング)して、それを固化させることで形成される。まず、工程(b)において、蛍光体30を含む被覆部材の材料401を、基体の素子載置面15a上(本例では凹部15内)に滴下する。このとき、できるだけ蛍光体30が発光素子20の直上以外に存在するように、材料401を、基体の素子載置面15a上の発光素子20の直上を避けた位置に滴下することが好ましい。なお、材料401の粘度や流動性の調整のため、材料401には充填剤を添加してもよい(下記材料402も同様)。次に、工程(c)において、蛍光体30を実質的に含まない被覆部材の材料402を、基体の素子載置面15a上に滴下する。このとき、材料402を発光素子20の直上に滴下することが好ましい。これにより、蛍光体30が発光素子20の直上にあれば、その蛍光体30を発光素子20の側方に移動させることができる。また、材料401を滴下した後、発光素子20の上面に空気などの気体を噴きつけて、蛍光体30を発光素子20の側方に移動させてもよい。最後に、工程(d)において、滴下された材料401,402を加熱や冷却などにより固化させる。
図4に示す工程(e)は、発光装置100の個片化工程である。具体的には、複合基体の板状部材を切断すると共に、リードフレーム101の端子部を所定形状に形成して(カット&フォーミング)、個々の発光装置100を得る。
図5は、実施の形態1に係る照明装置の構成を示す概略上面図である。図5に示すように、照明装置300は、発光装置100と、この発光装置100から光が入射される導光部材200と、を備えている。導光部材200は、板状である。発光装置100は、導光部材200の一側面に対向して、複数個並置されている。なお、これらの発光装置100は其々、通電可能なように、1つの回路基板(図示省略)上に実装されている。
導光部材200は、発光装置100から一側面に光が入射されると、その光を平面方向に導光し、一主面(上面)から光を出射する。このとき、導光部材200中では、発光素子20から出射された一次光と、蛍光体30から出射された二次光と、の混合がなされる。これにより、個々の発光装置100が有する輝度斑や色斑(発光色度の斑)を軽減することができる。したがって、上述のような発光装置100を導光部材200と組み合わせることで、色斑の少ない発光が可能で且つ発光効率の高い照明装置を得ることができる。なお、導光部材200の下面、及び光入射面となる一側面以外の側面に光反射部材が設けられたり、導光部材200の上面に光拡散部材が設けられたり、してもよい。
以下、実施の形態1に係る発光装置100の好ましい形態について説明する。
図1に示すように、蛍光体30は、被覆部材40中において、素子載置面15a側に多く存在していることが好ましい。これにより、発光素子20から斜め上方に出射される一次光についても、蛍光体30による光損失を抑え、効率良く取り出しやすい。また、発光素子20から側方に出射される一次光を、蛍光体30による波長変換に効率良く利用しやすい。なお、このような蛍光体30の配置形態は、蛍光体30を素子載置面15a側に沈降させることにより得られる。
図1に示すように、蛍光体30は、発光素子20の側面を覆うように存在していることが好ましい。これにより、発光素子20から側方に出射された一次光の蛍光体30による二次光への変換を促進させ、発光素子20から側方に出射された一次光が基体の側壁面15bで吸収されたり、側壁面15bを透過したり、するのを抑制して、光の取り出し効率を高めることができる。特に、蛍光体30が発光素子20の活性層の側面を覆うように存在しているとなお良い。なお、ここでいう「蛍光体30が発光素子20の側面を覆う」とは、蛍光体30が発光素子20の側面に接して堆積している状態だけでなく、蛍光体30が発光素子20の側面の近傍に堆積している状態を含む。
図1に示すように、基体10は、発光素子20を挟む側壁面15bを有している。そして、蛍光体30は、素子載置面15a上から側壁面15b上にかけて存在している。これにより、発光素子20から側方に出射された一次光が基体の側壁面15bで吸収されたり、側壁面15bを透過したり、するのを抑制して、光の取り出し効率を高めやすい。また、発光素子20から側方に出射される一次光の蛍光体30による二次光への変換をより促進させることができる。特に、側壁面15b上の蛍光体30が発光素子20の上面より高い位置まで至っているとなお良い。なお、本例では、発光素子20が凹部15内に収容されているため、側壁面15bは、発光素子20の周り(一周)を囲むように設けられているが、後述の実施の形態3のように、少なくとも発光素子20を2方向から挟んで設けられていればよい。また、側壁面15bは、本例では傾斜しているが、湾曲したものであってもよい。
蛍光体30は、素子載置面上15a上の被覆部材40が被覆する領域の少なくとも一部に存在していればよいが、図1に示すように、発光素子20の直上以外であって、素子載置面15a上の被覆部材40が被覆する領域の略全域に亘って存在していることが好ましい。これにより、発光素子20から側方に出射された一次光の蛍光体30による二次光への変換を促進させ、発光素子20から側方に出射された一次光が基体の側壁面15bで吸収されたり、側壁面15bを透過したり、するのを抑制しやすく、光の取り出し効率を高めやすい。
図6(a),(b)及び(c)は、実施の形態1に係る発光装置における蛍光体の配置の一例について説明する概略上面図である。発光装置100において、蛍光体30は、1種類であってもよいし、第1蛍光体と、その第1蛍光体とは異なる種類の第2蛍光体と、を含んでいてもよい。例えば演色性の高い発光を得る目的などにより、蛍光体30を2種類のもので構成する場合、素子載置面15aの上面視において、第1蛍光体は第1領域に多く存在しており、第2蛍光体は第1領域と異なる第2領域に多く存在していることが好ましい。これにより、第1蛍光体から出射される二次光の第2蛍光体による吸収や散乱などの影響を受けにくくして、光の取り出し効率を高めやすい。
特に、発光素子20の上面視形状は矩形状であって、第1領域は発光素子20の第1側面に対向する領域であって、第2領域は発光素子20の第1側面とは反対側の第2側面に対向する領域であることが好ましい。これにより、第1領域の主要部と第2領域の主要部が離れて設けられやすく、第1蛍光体と第2蛍光体の其々から出射される二次光を効率良く装置外部に取り出しやすい。
例えば、図6(a)に示す例では、第1領域P−11と第2領域P−21は、素子載置面15a上において、互いに発光素子20を横方向に挟んで、コの字状(U字状)に各々設けられている。なお、発光素子20の外周中央付近では、第1領域P−11の一部と第2領域P−21の一部が重複することがある。このような蛍光体の配置形態は、蛍光体を含む被覆部材の材料(401)を、素子載置面15a上の発光素子20の真横に位置する領域(つまり発光素子20の一側面に対向する領域)に滴下することで得られやすい。この形態では、発光素子20の近傍に蛍光体を配置しやすい。
また例えば、図6(b)に示す例では、第1領域P−12、第2領域P−22は、素子載置面15a上において、発光素子20の連続する2つの側面に対向するようにL字状に各々設けられている。このような蛍光体の配置形態は、蛍光体を含む被覆部材の材料(401)を、素子載置面15a上の角寄りの領域、又は素子載置面15a上の発光素子20に対して斜め(対角線の延長線上)に位置する領域に滴下することで得られやすい。この形態では、第1領域と第2領域を離して設けやすい。
なお、第1蛍光体と第2蛍光体は、異なる発光色を有することが好ましい。例えば、第1蛍光体の発光色が緑色(発光ピーク波長では500nm以上565nm未満)又は黄色(発光ピーク波長では565nm以上590nm以下)であり、第2蛍光体の発光色が赤色(発光ピーク波長では610nm以上750nm以下)である場合などが挙げられる。第1蛍光体と第2蛍光体の発光波長の差が大きくなれば、その一方の蛍光体から出射される二次光が他方の蛍光体に吸収されやすくなるため、上述のような蛍光体の配置形態がより効果的になる。
また例えば、上述のように、比較的薄く形成されやすい装置短手方向の凹部側壁からの光の漏出を抑制するために、図6(c)に示すように、素子載置面15a上の発光素子20近傍の領域R−1〜R−4(R−1〜R−4のうちの少なくとも1つの領域でよいが、その全てが連なった環状の領域でもよい)において、素子載置面15a上の他の領域よりも、蛍光体が多く存在するようにしてもよい。また、縦方向(例えば装置短手方向)に面する側壁面15bと、それに対向する発光素子20の側面と、に挟まれる領域R−1,R−3において、横方向(例えば装置長手方向)に面する側壁面15bと、それに対向する発光素子20の側面と、に挟まれる領域R−2,R−4よりも、蛍光体が多く存在するようにしてもよい。さらには、縦方向(例えば装置短手方向)に面する側壁面15bと、それに対向する発光素子20の側面と、に挟まれる2つの領域R−1,R−3のどちらか一方(側面発光型発光装置であれば、好ましくは装置実装面側(例えばR−1)において、その他方よりも蛍光体が多く存在するようにしてもよい。なお、このような蛍光体の配置は、上述の被覆部材の材料401,402の滴下を複数回に分けて行うこと、材料401における蛍光体の含有量を調整すること、材料401,402の滴下位置を調整すること、などにより、又はこれらを適宜組み合わせることにより、実現することができる。
図7(a)、及び図7(b)〜(e)は其々、実施の形態1に係る発光装置における蛍光体の配置の一例について説明する概略上面図、及び概略断面図である。図1等に示すように、側面発光型の発光装置では、基体10の凹部15は横方向に長く縦方向に短いため、殆どの場合、素子載置面15aに載置された発光素子20と凹部の側壁面15bとの距離は、横方向より縦方向のほうが短くなる。すなわち、横方向に面する側壁面15bと、それに対向する発光素子20の側面と、に挟まれる2つの領域は比較的広い空間となり、それに比べて、縦方向に面する側壁面15bと、それに対向する発光素子20の側面と、に挟まれる2つの領域は狭い空間となる。また、縦方向に面する側壁面15bは、横方向に面する側壁面15bよりも、傾斜が急である(凹部底面となす角度が小さい)。ここで、図7(a)に示すように、横方向に面する側壁面15bと、それに対向する発光素子20の側面と、に挟まれる領域に、蛍光体を含む被覆部材の材料401を滴下することを考える。このとき、被覆部材の材料401の流動には、側壁面15bや発光素子20の側面に這い上がろうとするもの(図中「I」で示す)と、縦方向に面する側壁面15bと、それに対向する発光素子20の側面と、に挟まれる領域に浸入しようとするもの(図中「II」で示す)と、が含まれる。
例えばエアー式ディスペンサを使用した場合には、(I)の流動を促進させることができ、結果として図7(b)及び(c)に示すような蛍光体30の配置が得られやすい。より詳細には、蛍光体30の堆積層は、縦方向に面する側壁面15bと、それに対向する発光素子20の側面と、に挟まれる領域において、横方向に面する側壁面15bと、それに対向する発光素子20の側面と、に挟まれる領域よりも薄くなる傾向がある。また、蛍光体30の堆積層は、発光素子20の外縁、特に縦方向に面する側壁面15bと、それに対向する発光素子20の側面と、に挟まれる領域では、例えば活性層は覆わずに、発光素子20の側面の途中の高さまでの(好ましくは活性層の高さより低い)厚さで形成されやすい。一方、側壁面15b上の蛍光体30の堆積層は、這い上がりの促進によって、発光素子20の上面より高い位置まで至りやすい。
一方、例えばジェット式ディスペンサを使用した場合には、(II)の流動を促進させることができ、結果として図7(d)及び(e)に示すような蛍光体30の配置が得られやすい。なお、この形態は、上述の図6(c)に示す蛍光体30の配置を実現することができる。より詳細には、蛍光体30の堆積層は、横方向に面する側壁面15bと、それに対向する発光素子20の側面と、に挟まれる領域、特に被覆部材の材料401の滴下位置(例えば当該領域の中心部)において最も薄くなりやすい。したがって、蛍光体30の堆積層は、横方向に面する側壁面15bと、それに対向する発光素子20の側面と、の間において、凹面状に形成されやすい。また、蛍光体30の堆積層は、縦方向に面する側壁面15bと、それに対向する発光素子20の側面と、に挟まれる領域において、横方向に面する側壁面15bと、それに対向する発光素子20の側面と、に挟まれる領域(少なくとも当該領域上の最薄部)よりも厚くなる傾向がある。さらに、蛍光体30の堆積層は、発光素子20の外縁、特に縦方向に面する側壁面15bと、それに対向する発光素子20の側面と、に挟まれる領域では、発光素子20の側面を上面近傍(好ましくは活性層)の高さまで覆っていると良い。一方、側壁面15b上の蛍光体30の堆積層は、発光素子20の上面より高い位置まで至るのが良いが、上述の図7(b)及び(c)に示す例と比べると低く(薄く)なる傾向がある。
<実施の形態2>
図8(a)は、実施の形態2に係る発光装置を示す概略上面図であり、図8(b)は、図8(a)におけるC−C断面を示す概略断面図であり、図8(c)は、図8(a)におけるD−D断面を示す概略断面図である。図8に示すように、実施の形態2に係る発光装置120は、上面発光型(「トップビュー型」とも言う)の発光ダイオードである。発光装置120は、基体10と、発光素子20と、被覆部材40と、を備えている。
基体10は、素子載置面15aを有している。より詳細には、基体10は、正負一対のリードフレーム101と、そのリードフレームと一体成形された成形体102と、を含むパッケージである。このリードフレーム101は、板状小片であって、実施の形態1の発光装置100のように折り曲げられていない。また、リードフレーム101の下面(裏面)の少なくとも一部は、装置外部に露出されており、外部接続用の端子部を構成している。基体10は、凹部15を有している。素子載置面15aは、凹部15の底面である。凹部15の底面は、リードフレーム101の表面と、成形体102の表面と、により構成されている。凹部の側壁面15bは、成形体102の表面により構成されている。
発光素子20は、基体の素子載置面15a上に載置されている。より詳細には、発光素子20は、複数(本例では2個)の発光ダイオードチップである。発光素子20は其々、接着剤(図示省略)により素子載置面15aに接着され、ワイヤによりリードフレーム101と電気的に接続されている。また、複数の発光素子20は、ワイヤにより互いに直列接続されている。発光素子20は其々、直上方向に最高光度を有するものである。
被覆部材40は、全ての発光素子20の上方を被覆している。より詳細には、被覆部材40は、基体の凹部15に充填され、凹部15の開口上面付近まで設けられている。被覆部材40の上面は、成形体102の上面と略同一面となっている。被覆部材40は、単一層で構成されており、その上面が発光装置120の主たる発光面となっている。被覆部材40は、発光素子20の光に励起される蛍光体30を含有している。そして、蛍光体30は、各発光素子20の直上以外に存在している。
このような発光装置120においても、蛍光体30による波長変換光を得ながら、極めて高い光の取り出し効率を実現することができる。
図8に示すように、蛍光体30は、素子載置面15a上の発光素子20と発光素子20の間の領域にも存在していることが好ましい。これにより、発光素子20から隣の発光素子20のほうへ出射される一次光の蛍光体30による二次光への変換を促進させて、その一次光が隣の発光素子20に吸収されるのを抑制して、光の取り出し効率を高めることができる。また、発光素子20の近隣において、二次光成分を補うことができ、発光色度の斑を軽減することができる。
また図8に示すように、発光装置120は、保護素子50を備えている。保護素子50は、一対のリードフレーム101のうち、発光素子20が載置されているほうとは異なるほうのリードフレームに載置されている。これにより、発光素子20と保護素子50の距離を大きく取って、発光素子20から出射される一次光の保護素子50の吸収による損失を抑制しやすい。また、蛍光体30は、発光素子20と保護素子50の間に存在していることが好ましい。これにより、発光素子20から側方に出射される一次光が保護素子50に到達する前に、その一次光を蛍光体30によって二次光への変換や上方へ反射(散乱)させることで、保護素子50の吸収による光損失を抑制して、光の取り出し効率を高めやすい。さらに、素子載置面15a上から側壁面15b上にかけて存在する蛍光体30が、保護素子50の上方を覆っていると、なお良い。
<実施の形態3>
図9(a)は、実施の形態3に係る発光装置を示す概略上面図であり、図9(b)は、図9(a)におけるE−E断面を示す概略断面図である。また、図9(c)は、実施の形態3に係る発光装置における蛍光体の配置の一例について説明する概略上面図である。図9(a),(b)に示すように、実施の形態3に係る発光装置130は、上面発光型の発光ダイオードである。発光装置130は、基体10と、発光素子20と、被覆部材40と、を備えている。
基体10は、素子載置面15aを有している。より詳細には、基体10は、正負一対のリードフレーム101と、そのリードフレームと一体成形された成形体102と、を含むパッケージである。このリードフレーム101は、板状小片であって、実施の形態1の発光装置100のように折り曲げられていない。また、リードフレーム101の下面(裏面)の少なくとも一部は、装置外部に露出されており、外部接続用の端子部を構成している。基体10は、凹部15を有している。素子載置面15aは、凹部15の底面である。凹部15の底面は、リードフレーム101の表面と、成形体102の表面と、により構成されている。凹部の側壁面15bは、成形体102の表面により構成されている。
発光素子20は、基体の素子載置面15a上に複数個載置されている。より詳細には、発光素子20は、2個の発光ダイオードチップである。発光素子20は其々、接着剤(図示省略)により素子載置面15aに接着され、ワイヤによりリードフレーム101と電気的に接続されている。特に本例では、発光素子20は、リードフレーム101の正極側、負極側の其々に1個ずつ載置されている。そして、発光素子20は、ワイヤにより互いに並列接続されている。また、発光素子20は其々、直上方向に最高光度を有するものである。
被覆部材40は、全ての発光素子20の上方を被覆している。より詳細には、被覆部材40は、基体の凹部15に充填され、凹部15の開口上面付近まで設けられている。被覆部材40の上面は、成形体102の上面と略同一面となっている。被覆部材40は、単一層で構成されており、その上面が発光装置130の主たる発光面となっている。被覆部材40は、発光素子20の光に励起される蛍光体30を含有している。そして、蛍光体30は、各発光素子20の直上以外に存在している。
このような発光装置130においても、蛍光体30による波長変換光を得ながら、極めて高い光の取り出し効率を実現することができる。
また、図9(a),(b)に示すように、発光素子20を、リードフレーム101の正極側、負極側の其々に載置することにより、発光素子20同士の離間距離を大きくしやすく、発光装置の輝度を調整しやすい。また、保護素子50を、発光素子20の間、特に基体10の略中央に配置することで、保護素子50の吸収による光損失を抑制して、光の取り出し効率を高めやすい。
さらに、図9(c)に示すように、素子載置面15a上において、第1蛍光体が多く存在する第1領域P−13は、第1発光素子20の周囲を包囲し、第1蛍光体とは異なる種類の第2蛍光体が多く存在する第2領域P−23は、第1発光素子とは異なる第2発光素子20の周囲を包囲するように、設けられている。本例のように、基体10が横方向に長尺であり、発光素子20をリードフレーム101の正極側、負極側の其々に載置する場合には、各発光素子20の周囲に比較的広い空間を確保しやすい。このため、第1領域の主要部と第2領域の主要部が離れて設けられやすく、第1蛍光体と第2蛍光体の其々から出射される二次光を効率良く装置外部に取り出しやすい。なお、発光素子20の間では、第1領域P−13の一部と第2領域P−23の一部が重複することがある。また、第1蛍光体と第2蛍光体の発光色については、上述と同様の形態を適用することができる。
<実施の形態4>
図10(a)は、実施の形態4に係る発光装置を示す概略上面図であり、図10(b)は、図10(a)におけるF−F断面を示す概略断面図であり、図10(c)は、図10(a)におけるG−G断面を示す概略断面図である。図10に示すように、実施の形態4に係る発光装置140は、側面発光型の発光ダイオードである。発光装置140は、基体10と、発光素子20と、被覆部材40と、を備えている。
基体10は、素子載置面17aを有している。より詳細には、基体10は、正負一対のリードフレーム101と、そのリードフレームと一体成形された成形体102と、を含むパッケージである。このリードフレーム101は、板状小片であって、実施の形態1の発光装置100のように折り曲げられていない。また、リードフレーム101の下面(裏面)の少なくとも一部は、装置外部に露出されており、外部接続用の端子部を構成している。基体10は、凹部17を有している。素子載置面17aは、凹部17の底面である。凹部17の底面は、リードフレーム101の表面と、成形体102の表面と、により構成されている。凹部の側壁面17bは、成形体102の表面により構成されている。
発光素子20は、基体の素子載置面17a上に載置されている。より詳細には、発光素子20は、1個の発光ダイオードチップである。発光素子20は、接着剤(図示省略)により素子載置面17aに接着され、ワイヤによりリードフレーム101と電気的に接続されている。発光素子20は、直上方向に最高光度を有するものである。
被覆部材40は、発光素子20の上方を被覆している。より詳細には、被覆部材40は、単一層で構成されている。被覆部材40は、少なくとも基体の凹部17の開口上面まで充填されている。被覆部材40の上面は、成形体102の上面よりも突出した曲面となっており、上面が平坦なものに比べて光の取り出し効率を高めやすい。被覆部材40は、発光素子20の光に励起される蛍光体30を含有している。そして、蛍光体30は、発光素子20の直上以外に存在している。
このような発光装置140においても、蛍光体30による波長変換光を得ながら、極めて高い光の取り出し効率を実現することができる。
図10に示すように、凹部17は横方向に開放しており、側壁面17bは発光素子20を縦方向に挟む2つの面となっている。よって、この被覆部材40は、装置外部に露出した、上面と、2つの側面と、を有している。これにより、凹部17が開放した横方向には、発光素子20や蛍光体30から出射される光を遮る部材が少なく、装置外部に効率良く光を取り出すことができる。なお、被覆部材40の装置外部に露出した側面は、基体10の側面と略同一面となっている。このような形態は、複合基体上に連続的に形成された複数の発光装置用の被覆部材40を、基体10(複合基体)と共に切断することにより得られる。
<実施の形態5>
図11(a)は、実施の形態5に係る発光装置を示す概略上面図であり、図11(b)は、図11(a)におけるH−H断面を示す概略断面図である。図11に示すように、実施の形態5に係る発光装置150は、上面発光型の発光ダイオードである。発光装置150は、基体12と、発光素子20と、被覆部材40と、を備えている。
基体12は、素子載置面19を有している。より詳細には、基体12は、正負一対の配線121と、その配線を保持する基板122と、を含む配線基板である。基体12は、平板状である。素子載置面19は、基体12の上面により構成されている。
発光素子20は、基体の素子載置面19上に載置されている。より詳細には、発光素子20は、1個の発光ダイオードチップである。発光素子20は、基体12上にフリップチップ実装されている。つまり、発光素子20は、導電性接着剤により配線121と電気的に接続されている。発光素子20は、直上方向に最高光度を有するものである。
被覆部材40は、発光素子20の上方を被覆している。より詳細には、被覆部材40は、単一層で構成されている。被覆部材40は、発光素子20の光に励起される蛍光体30を含有している。蛍光体30は、発光素子20の直上以外に存在している。被覆部材40は、基体12上に略直方体状に形成されている。よって、被覆部材40の上面及び全ての側面は、外部に露出されている。これにより、装置上方の全方位において発光素子20や蛍光体30から出射される光を遮る部材が少なく、装置外部に効率良く光を取り出すことができる。また、装置上方の広い範囲に光を出射可能であり、広い配光を実現できる。また、被覆部材40の互いに向かい合う2組の側面のうちの1組は、基体12の側面と略同一面となっている。このような形態は、着脱可能な枠体を複合基体上に設置し、複合基体上の枠体内側に連続的に形成された複数の発光装置用の被覆部材40を、基体12(複合基体)と共に切断することにより得られる。また、被覆部材40の表面は、光の取り出し効率を高めるために、曲面としてもよく、例えば半円柱状など、円柱の一部を切り取ったような形状が挙げられる。
このような発光装置150においても、蛍光体30による波長変換光を得ながら、極めて高い光の取り出し効率を実現することができる。
図11に示すように、基体の素子載置面19と発光素子20の間には、アンダーフィル60が設けられている。アンダーフィル60は、光反射性材料により構成されていることが好ましい。これにより、発光素子20から出射される一次光を上方に反射させ、基体12による光損失を抑制して、光の取り出し効率を高めることができる。特に、アンダーフィル60は、発光素子20の側面を被覆してもよいが、発光素子20の側方に存在する蛍光体30による二次光を得るために、発光素子20の側面の少なくとも一部が露出される(すなわち、被覆部材40が発光素子20の側面の少なくとも一部を被覆する)ように、設けられることが好ましい。
以下、本発明の発光装置及び照明装置の各構成要素について説明する。
(基体10,12)
基体は、発光素子が載置される台座となる部材である。基体は、主として、発光素子に電力を供給するための導電部材と、この導電部材を保持する母材と、により構成される。基体は、例えば、リードフレームと成形体を含むパッケージの形態や、基板と配線を含む配線基板の形態が挙げられる。また、基体は、成形体を成形後に鍍金などにより配線を設けたり、予め配線を設けた薄板を積層したり、することでも作製することができる。基体は、凹部(カップ部)を備えた形態のほか、凹部(側壁)を備えない平板状の形態でもよい。凹部を有するものは装置前方への光度を高めやすく、平板状のものは発光素子を実装しやすい。基体の素子載置面の形状は、例えば矩形状、多角形状、トラック形状(矩形の両側に半円形が付いたような形状)、円形状、楕円形状などが挙げられる。また、基体の素子載置面は、例えば発光素子が載置される部位の近隣など、一部が幅広に形成されてもよい。
(リードフレーム101)
リードフレームの母材としては、銅、鉄、ニッケル、パラジウム、タングステン、クロム、アルミニウム、銀、金、チタン又はそれらの合金が挙げられる。特に、放熱性の観点においては銅又は銅合金、発光素子との接合信頼性においては鉄又は鉄合金が好ましい。なかでも、銅又は鉄入り銅は、放熱性が高く、好ましい。リードフレームは、これらの金属板にプレスやエッチングなどの加工を施すことで作製することができる。また、リードフレームの表面には、銀、ニッケル、パラジウム、プラチナ、錫、金、銅、ロジウム、又はこれらの合金、若しくは酸化銀や銀合金の酸化物などの被膜が形成されていてもよい。特に、リードフレームの発光素子が接合される部位の表面が銀で被覆されていてもよい。これらの被膜は、鍍金、蒸着、スパッタ、印刷、塗布などにより形成することができる。
(成形体102)
成形体の母材は、脂肪族ポリアミド樹脂、半芳香族ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンテレフタレート、液晶ポリマー、ポリカーボネート樹脂、シンジオタクチックポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリアリレート樹脂などの熱可塑性樹脂、ポリビスマレイミドトリアジン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、シリコーン変成樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、などの熱硬化性樹脂が挙げられる。また、これらの母材中に、充填剤又は着色顔料として、ガラス、シリカ、酸化チタン、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、ワラストナイト、マイカ、酸化亜鉛、チタン酸バリウム、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、炭化ケイ素、酸化アンチモン、スズ酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、酸化鉄、酸化クロム、酸化マンガン、カーボンブラックなどの粒子又は繊維を混入させることができる。このほか、成形体は、ガラス、セラミックスなどで形成することもできる。成形体の成形方法としては、インサート成形、射出成形、押出成形、トランスファ成形などを用いることができる。
(配線121)
配線は、基体の少なくとも上面に形成され、基体の内部、下面や側面にも形成されていてもよい。また、配線は、発光素子が接合されるランド(ダイパッド)部、外部接続用の端子部、これらを接続する引き出し配線部などを有するものでもよい。配線の材料としては、銅、ニッケル、パラジウム、タングステン、クロム、チタン、アルミニウム、銀、金又はそれらの合金が挙げられる。特に、放熱性の観点においては銅又は銅合金が好ましい。配線の表面には、銀、プラチナ、錫、金、銅、ロジウム、又はこれらの合金、若しくは酸化銀や銀合金の酸化物などの被膜が形成されていてもよい。特に、配線の発光素子が接合される部位の表面が銀で被覆されていてもよい。これらの配線や被膜は、コファイア法、ポストファイア法、鍍金、蒸着、スパッタ、印刷、塗布などにより形成することができる。
(基板122)
基板は、その母材が電気的絶縁性のものでもよいし、導電性の母材であっても、絶縁膜などを介することで配線と電気的に絶縁させることができる。配線基板を構成する基体の母材としては、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ジルコニウム、窒化ジルコニウム、酸化チタン、窒化チタン又はこれらの混合物を含むセラミックスや、銅、鉄、ニッケル、クロム、アルミニウム、銀、金、チタン又はこれらの合金を含む金属や、エポキシ樹脂、BTレジン、ポリイミド樹脂などの樹脂又はこれらの繊維強化樹脂(強化材はガラスやアルミナなど)が挙げられる。可撓性基板(フレキシブル基板)でもよい。母材の樹脂には、発光素子からの光を効率良く反射させるために、酸化チタンなどの白色顔料を配合してもよい。
(発光素子20)
発光素子は、LED素子などの半導体発光素子を用いることができる。発光素子の上面視形状は、四角形、特に矩形又は正方形であることが好ましいが、その他の形状であってもよい。また、発光素子の上面視形状は、例えば基体が横方向に長いものであれば、横方向に長い矩形状とする等、基体の形状に合わせて変えてもよい。発光素子の側面は、上面に対して、内側又は外側に傾斜していてもよいが、略垂直であることが好ましい。発光素子の厚さは、例えば0.02mm以上1mm以下であり、素子の強度や発光装置の厚さの観点において、0.05mm以上0.5mm以下であることが好ましい。発光素子は、種々の半導体で構成される素子構造に正負一対の電極が設けられているものであればよい。発光素子は、通常、素子構造が設けられる基板を有している。基板は、素子構造を構成する半導体の結晶を成長可能な結晶成長用基板であってもよいし、結晶成長用基板から分離した素子構造に接合させる接合用基板であってもよい。結晶成長用基板の母材としては、サファイア、スピネル、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、シリコン、炭化珪素、ガリウム砒素、ガリウム燐、インジウム燐、硫化亜鉛、酸化亜鉛、セレン化亜鉛、ダイヤモンドなどが挙げられる。接合用基板の母材としては、シリコン、炭化珪素、窒化アルミニウム、銅、銅−タングステンなどが挙げられる。発光素子は、紫外光を出射するものでもよいが、可視光を出射するものが蛍光体から出射される波長変換光との混色光を得るうえで好ましい。白色系発光の発光装置とする場合には、蛍光体から出射される波長変換光との混色関係を考慮すると、発光素子の発光波長は400nm以上530nm以下であることが好ましく、420nm以上490nm以下であることがより好ましい。特に、蛍光体を効率良く励起可能な窒化物半導体(InAlGa1−x−yN、0≦x、0≦y、x+y≦1)の発光素子が好ましい。このほか、緑色〜赤色発光のガリウム砒素系、ガリウム燐系半導体の発光素子でもよい。正負一対の電極が同一面側に設けられている発光素子の場合、その実装形態は、各電極がワイヤで基体の導電部材と接続されるフェイスアップ実装でもよいし、各電極が導電性接着剤で基体の導電部材と接続されるフェイスダウン(フリップチップ)実装でもよい。フェイスダウン実装の場合には、バットウイング型の光度分布になることがある。このほか、正負一対の電極が互いに反対の面に各々設けられている対向電極構造の発光素子でもよい。発光素子の実装面側に、銀やアルミニウムなどの金属層や誘電体反射膜が設けられることで、光の取り出し効率を高めることができる。1つの発光装置に実装される発光素子の個数は1つでも複数でもよく、その大きさや形状、発光波長も任意に選べばよい。例えば、1つの発光装置に、赤色、緑色、青色発光の発光素子が実装されてもよい。複数の発光素子は、不規則に配置されてもよいが、行列や同心円状など規則的又は周期的に配置されることで、好ましい配光が得られやすい。また、複数の発光素子は、基体の導電部材やワイヤにより直列又は並列に接続できる。なお、基体の素子載置面上における発光素子の縦方向(例えば装置短手方向)の位置は、略中央とするほか、上下どちらかに片寄っていてもよい。例えば、発光素子を上方に片寄らせることで、発光素子の下方側の空間を広くし、そこに蛍光体を多く存在させることもできる。
(蛍光体30)
蛍光体は、発光素子から出射される一次光の少なくとも一部を吸収して、一次光とは異なる波長の二次光を出射する。蛍光体は、紫外光を出射するものでもよいが、可視光を出射するものが発光素子からの光との混色光を得るうえで好ましい。蛍光体は、例えば、Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体・酸窒化物系蛍光体、より具体的には、Euで賦活されたα又はβサイアロン型蛍光体、各種アルカリ土類金属窒化シリケート蛍光体、Eu等のランタノイド系の元素、Mn等の遷移金属系の元素により主に賦活されるアルカリ土類金属ハロゲンアパタイト蛍光体、アルカリ土類のハロシリケート蛍光体、アルカリ土類金属シリケート蛍光体、アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体、アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、アルカリ土類金属ケイ酸塩、アルカリ土類金属硫化物、アルカリ土類金属チオガレート、アルカリ土類金属窒化ケイ素、ゲルマン酸塩、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される希土類アルミン酸塩、希土類ケイ酸塩又はEu等のランタノイド系元素で主に賦活される有機物及び有機錯体等が挙げられる。また、上記以外でも同様の性能、効果を有する蛍光体を使用することができる。これらの蛍光体により、可視波長の一次光及び二次光の混色光(例えば白色系)を出射する発光装置や、紫外光の一次光に励起されて可視波長の二次光を出射する発光装置とすることができる。
(被覆部材40)
被覆部材は、発光素子を、被覆して、埃や水分、外力などから保護する部材である。被覆部材の母材は、電気的絶縁性を有し、発光素子から出射される光を透過可能(好ましくは透過率70%以上)であり、固化前は流動性を有する材料であればよい。具体的には、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、TPX樹脂、ポリノルボルネン樹脂、又はこれらの樹脂を1種以上含むハイブリッド樹脂が挙げられる。ガラスでもよい。なかでも、シリコーン樹脂は、耐熱性や耐光性に優れ、固化後の体積収縮が少ないため、好ましい。被覆部材は、その母材中に、充填剤や蛍光体など、種々の機能を持つ粒子が添加されてもよい。充填剤は、拡散剤や着色剤などを用いることができる。具体的には、シリカ、酸化チタン、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、珪酸カルシウム、酸化亜鉛、チタン酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化クロム、酸化マンガン、ガラス、カーボンブラックなどが挙げられる。充填剤の粒子の形状は、破砕状でも球状でもよい。また、中空又は多孔質のものでもよい。なお、被覆部材は、複数の層で構成されていてもよいが、単一層で構成されていることが好ましい。被覆部材が単一層であれば、母材の界面が実質的に無く、光反射を抑えられるので、光の取り出し効率を高めやすい。また、被覆部材の密着性が高められ、層間の空隙の発生や剥離などを回避することができる。
(保護素子50)
保護素子は、静電気や高電圧サージから発光素子を保護するための素子である。具体的には、ツェナーダイオードなどが挙げられる。
(アンダーフィル60)
アンダーフィルは、上記被覆部材と同様の材料で構成することができる。特に、アンダーフィルは、例えば酸化チタンの粒子を含有するシリコーン樹脂など、白色の樹脂で構成されていることが好ましい。
(ワイヤ)
ワイヤは、発光素子の電極と基体の導電部材を電気的に接続する部材である。ワイヤは、金、銅、銀、白金、アルミニウム又はこれらの合金の金属線を用いることができる。特に、被覆部材からの応力による破断が生じにくく、熱抵抗などに優れる金線が好ましい。また、ワイヤは、光の取り出し効率を高めるために、少なくとも表面が銀で構成されてもよい。
(接着剤)
接着剤は、発光素子を基体に固定する部材である。絶縁性接着剤は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、又はこれらの変性樹脂やハイブリッド樹脂などを用いることができる。導電性接着剤としては、銀、金、パラジウムなどの導電性ペーストや、錫-ビスマス系、錫-銅系、錫-銀系、金-錫系などの半田、低融点金属などのろう材を用いることができる。
(導光部材200)
導光部材は、通常、板状(導光板)であるが、ブロック状、棒状などでもよい。導光部材は、側面を光入射面とし上面を光出射面とするものが好ましいが、下面(裏面)を光入射面とし上面を光出射面とするものでもよい。導光部材の平面形状は、矩形状のほか、円形や多角形など、照明装置の用途に応じて適宜変更可能である。導光部材は、厚みが全域で略均一であってもよいし、発光装置から遠ざかるほど厚みが小さくなっていたり、光入射面側の端部が主要部より徐々に厚くなっていたり、するなど、厚みが部分的に異なっていてもよい。また、導光部材は、上面及び/又は下面に凹凸が形成されていてもよい。さらには、発光装置と対向する部位に凹凸が形成されていてもよい。導光部材の母材は、発光装置から出射される光を透過可能(好ましくは透過率85%以上)な材料であればよい。具体的には、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、PMMA樹脂、ポリノルボルネン樹脂、ポリスチレン樹脂、又はガラスなどが挙げられる。なお、発光装置は、側面発光型だけに限らず、上面発光型であっても、その主たる発光面を導光部材の光入射面に対向させれば、導光部材の側方に配置することができる。
以下、本発明に係る実施例について詳述する。なお、本発明は以下に示す実施例のみに限定されないことは言うまでもない。
<実施例1>
実施例1の発光装置は、図1に示す例の構造を有する、外形が縦(実装時の厚さ)0.8mm、横2.8mm、厚さ1.0mmの側面発光型でSMD式のLEDである。
基体は、2つのリードフレームと、それを一体的に保持する成形体と、を有し、その上面の略中央に、縦0.66mm、横2.2mm、深さ0.3mmの凹部を備えたパッケージである。2つのリードフレームは、表面に銀の鍍金が施された銅合金製であって、その一部が凹部底面を構成し、且つ成形体の外に延出している。成形体は、酸化チタンとワラストナイトを含有するポリフタルアミド樹脂により形成されている。
発光素子は、サファイア基板上に、窒化物半導体のn型層、活性層、p型層が順次積層された、青色(中心波長約460nm)発光可能な、縦0.3mm、横0.7mm、厚さ0.1mmの略直方体の発光ダイオードチップである。発光素子の電極は、上面(半導体層)側に設けられ、ボンディング用のパッド電極と、そのパッド電極から延伸した延伸電極と、を備えている。この発光素子は、基体の凹部内において、一方(負極側)のリードフレーム上に透光性シリコーン樹脂である接着剤で接着され、その各パッド電極が金のワイヤにより正負両極のリードフレームと各々接続されている。
被覆部材は、基体の凹部内に、発光素子及びワイヤを被覆するように充填されている。被覆部材の上面は、成形体の上面と略同一面(硬化収縮により若干の凹面)となっている。被覆部材は、シリコーン樹脂を母材とし、その中にYAG:Ceの蛍光体と、シリカの充填剤と、を含有するものである。蛍光体は、被覆部材中において、発光素子の直上以外の発光素子の周囲に沈降している。また、蛍光体は、凹部底面から傾斜面である凹部側壁面上にかけて存在しており、発光素子の上面より高い位置まで至っている。
実施例1の照明装置は、以上のように構成された発光装置と、導光部材と、を備える、液晶ディスプレイ(画面サイズ:4.2型)のバックライトとして利用可能なものである。導光部材は、厚さ1.0mm、上面視矩形状(有効発光領域:縦55.6mm、横91.8mm)のアクリル樹脂製の導光板である。発光装置は、導光部材の側面に対向するように、6.5mm間隔で9個並べられ、回路基板に実装されている。発光装置は、導光部材の側面に密接して配置されている。なお、導光部材の下方には反射シート、導光部材の上方には拡散シート、プリズムシート、偏光シートが設けられている。
<実施例2>
実施例2の照明装置は、発光装置が導光部材の側面から0.25mmの距離CLを隔てて配置されていること以外は、実施例1と実質的に同様の構成を有するものである。
<比較例1>
比較例1の照明装置は、蛍光体が発光素子の直上も含め素子載置面上全域に沈降している発光装置を用いること以外は、実施例1と実質的に同様の構成を有するものである。なお、蛍光体の配合濃度は、実施例1の発光装置と同等の発光色度が得られるように調整してある。
<比較例2>
比較例2の照明装置は、発光装置が導光部材の側面から0.25mmの距離CLを隔てて配置されていること以外は、比較例1と実質的に同様の構成を有するものである。
<評価1>
実施例1と比較例1の発光装置を定電流20mAで駆動させ、その光束と光度(9個の平均値にて)を評価する。実施例1の発光装置の光束は、7.552[lm](色度(x,y)=(0.292,0.267))であり、比較例1の発光装置の光束は、7.518[lm](色度(x,y)=(0.292,0.273))である。実施例1の発光装置の光度は、2.537[cd](色度(x,y)=(0.284,0.252))であり、比較例1の発光装置の光度は、2.473[lm](色度(x,y)=(0.285,0.259))である。なお、本明細書中における色度(x値,y値)は、国際照明委員会(CIE)のxyz表色系に準拠するものとする。このように、実施例1と比較例1の発光装置を比べると、光束はほぼ同等(厳密には実施例1の発光装置が0.4%高い)であるが、光度は実施例1の発光装置のほうが2.5%も高くなっている。このように、実施例1の発光装置は、極めて高い光の取り出し効率を実現できることがわかる。
<評価2>
実施例1と比較例1の発光装置を定電流20mAで駆動させ、その輝度の分布及び色度の分布を評価する。使用する測定装置は、ニアフィールド測定システム「SIG−300」(Radiant Imaging社製、カメラ型番:PM-1603F-1)である。図12(a)及び(b)は、実施例1及び比較例1に係る発光装置における輝度の分布を示すグラフである。図13(a)及び(b)は、実施例1及び比較例1に係る発光装置における色度xの分布を示すグラフである。図14(a)及び(b)は、実施例1及び比較例1に係る発光装置における色度yの分布を示すグラフである。なお、各図(a)は発光装置の短手方向(図1(a)中のy方向)の測定データを示すものであって、各図(b)は発光装置の長手方向(図1(a)中のx方向)の測定データを示すものである。
図12(a)及び(b)に示すように、実施例1の発光装置の輝度は、発光素子の側面近傍において最大となっている。より詳細には、実施例1の発光装置の輝度は、発光素子の両側の側面近傍において、およそ400cd/cmの極大値を取っており、また発光素子上では、発光素子の電極の位置で輝度の低下が見られるが、200〜250cd/cm程度である。したがって、図12(a)及び(b)のグラフは、(厳密には発光素子の電極による輝度低下を除くと、)発光素子上において低輝度であり、発光素子の外縁において発光素子上より高輝度である、二峰性分布の傾向を示している。一方、比較例1の発光装置の輝度は、発光素子上でも発光素子の外縁でも、(a)では300cd/cm程度、(b)では250cd/cm程度で、比較的緩やかに推移しており、実施例1のような特徴的な変化は見られない。
図13(a)及び(b)、並びに図14(a)及び(b)に示すように、実施例1の発光装置の色度は、発光素子上において、色度(x,y)=(0.18,0.08)程度であり、発光素子より外側において、(a)では色度(x,y)=(0.40,0.42)程度、(b)では色度(x,y)=(0.45,0.50)程度である。比較例1の発光装置の色度は、発光素子上において、色度(x,y)=(0.21,0.13)程度であり、発光素子より外側において、(a)では色度(x,y)=(0.32,0.32)程度、(b)では色度(x,y)=(0.38,0.45)程度である。したがって、実施例1の発光装置は、比較例1の発光装置に比べて、発光素子上では青色寄りになり、発光素子より外側では黄色寄りになっている。つまり、実施例1の発光装置は、比較例1の発光装置に比べて、発光素子上では一次光成分の色度が強く、発光素子より外側では二次光成分の色度が強く観測されるようになっている。
また、図13(a)及び(b)、並びに図14(a)及び(b)に示すように、x方向及びy方向の発光色度が、発光素子の位置(側面近傍)で略垂直に近似できるほど急峻に変化している。このように、ニアフィールドで測定した一方向(x方向又はy方向)における発光装置の発光色度が、発光素子の位置で矩形波状のプロファイルを示すことは、実施例1の発光装置特有の特性である。このことは、色度だけでなく、図3に示すように、輝度についても言える。また、ニアフィールドで測定した一方向(x方向又はy方向)における発光素子直上と発光素子外周の発光色度の最大値−最小値の差(Δx,Δy)がΔx≧0.2、Δy≧0.3であるとなお良い。なお、「ニアフィールド」で測定するとは、発光装置の主発光面(本例では被覆部材の上面)における特性を測定することである。
<評価3>
実施例1,2と比較例1,2の照明装置を定電流20mAで駆動させ、その輝度と色度を評価する。図15(a)は、実施例1,2及び比較例1,2に係る照明装置における導光部材上の位置を示す概略上面図であり、図15(b)は、その位置の輝度を示すグラフである。また、図16は、実施例1,2及び比較例1,2に係る照明装置における導光部材の中央部の輝度と色度の分布を示すグラフである。図15(b)及び図16の輝度分布のグラフに示すように、実施例1,2の照明装置は、比較例1,2の照明装置に比べて高輝度である。また、実施例2の照明装置が、比較例2の照明装置に比べて、発光装置を導光部材から離して配置しても高い輝度を維持していることから、実施例1,2の発光装置は、装置前方への光度が高く、導光部材への高い光結合効率が得られることがわかる。さらに、輝度分布の斑(バラツキ)においては、実施例1,2及び比較例1,2の照明装置ともほぼ同等レベルである。また、図16の色度分布のグラフに示すように、色度分布の斑(バラツキ)においては、実施例1,2及び比較例1,2の照明装置ともほぼ同等レベルである。このように、実施例1,2の発光装置と導光部材の組み合わせにより、色斑の少ない発光が可能であり且つ発光効率の高い照明装置が得られることがわかる。
なお、本発明の発光装置と、上述の比較例1,2の発光装置のように蛍光体が発光素子の直上にも存在する発光装置と、を備える照明装置とすることもできる。これにより、照明装置の色度分布を調整することができる。この場合、本発明の発光装置と、蛍光体が発光素子の直上にも存在する発光装置と、を交互に配置すると良い。
本発明に係る発光装置は、液晶ディスプレイのバックライト光源、各種照明器具、大型ディスプレイ、広告や行き先案内等の各種表示装置、さらには、デジタルビデオカメラ、ファクシミリ、コピー機、スキャナ等における画像読取装置、プロジェクタ装置などに利用することができる。
10,12…基体(15,17…凹部(15a,17a…素子載置面、15b,17b…側壁面)、19…素子載置面、101…リードフレーム、102…成形体、121…配線、122…基板)
20…発光素子
30…蛍光体
40…被覆部材(401…蛍光体を含む被覆部材の材料、402…蛍光体を実質的に含まない被覆部材の材料)
50…保護素子
60…アンダーフィル
100,120,130,140,150…発光装置
200…導光部材
300…照明装置

Claims (9)

  1. 素子載置面を有する基体と、
    前記素子載置面上に載置され、直上方向に最高光度を有する発光素子と、
    前記発光素子の光に励起される蛍光体を含有し、前記発光素子の上方を被覆する単一層で構成される被覆部材と、を備え、
    前記蛍光体は、前記発光素子の直上以外に存在し、
    前記発光素子の上面視形状は矩形状であって、
    前記基体は、前記素子載置面を底面とする凹部を有し、
    前記凹部の縦方向に面する側壁面と、それに対向する前記発光素子の側面と、に挟まれる2つの領域Aは、前記凹部の横方向に面する側壁面と、それに対向する前記発光素子の側面と、に挟まれる2つの領域Bより狭く、
    前記蛍光体の堆積層は、前記領域Aにおいて、前記領域Bよりも厚く、
    前記凹部の縦方向に面する側壁は、前記凹部の横方向に面する側壁よりも薄く形成されている発光装置。
  2. 前記凹部の縦方向は当該発光装置の短手方向であり、前記凹部の横方向は当該発光装置の長手方向であり、
    当該発光装置のニアフィールドで測定した当該発光装置の長手方向又は短手方向における発光色度の分布が、前記発光素子の側面近傍で略垂直に近似できるほど急峻に変化する矩形波状のプロファイルを示す請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記凹部の縦方向は当該発光装置の短手方向であり、前記凹部の横方向は当該発光装置の長手方向であり、
    当該発光装置のニアフィールドで測定した当該発光装置の長手方向又は短手方向における前記発光素子直上の発光色度の最小値と前記発光素子外周の発光色度の最大値の差(Δx,Δy)が、Δx≧0.2、Δy≧0.3である請求項1又は2に記載の発光装置。
  4. 前記蛍光体は、前記被覆部材中において、前記素子載置面側に多く存在している請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発光装置。
  5. 前記蛍光体は、前記発光素子の側面を覆うように存在している請求項1乃至4のいずれか一項に記載の発光装置。
  6. 前記基体は、前記発光素子を挟む側壁面を有し、
    前記蛍光体は、前記素子載置面上から前記側壁面上にかけて存在しており、
    前記側壁面上の蛍光体が前記発光素子の上面より高い位置まで至っている請求項1乃至5のいずれか一項に記載の発光装置。
  7. 前記蛍光体は、第1蛍光体と、該第1蛍光体とは異なる種類の第2蛍光体と、を含み、
    前記素子載置面の上面視において、
    前記第1蛍光体は、第1領域に多く存在し、
    前記第2蛍光体は、前記第1領域と異なる第2領域に多く存在している請求項1乃至6のいずれか一項に記載の発光装置。
  8. 前記発光素子の上面視形状は矩形状であって、
    前記第1領域は、前記発光素子の第1側面に対向する領域であって、
    前記第2領域は、前記発光素子の前記第1側面とは反対側の第2側面に対向する領域である請求項7に記載の発光装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の発光装置と、前記発光装置から光が入射される導光部材と、を備える照明装置。
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