本発明の実施形態は、共通の出力ノードに連結された出力を有する、複数の入力サブ回路を含む回路を提供する。それぞれの入力サブ回路が、差動入力電圧信号および出力電流信号を有する相互コンダクタンスセルを含む。ダイオードが、相互コンダクタンスセルの出力と共通の出力ノードとの間に連結され得る。フィードバック回路が、共通の出力ノードと相互コンダクタンスセルの入力との間に連結され得る。電圧入力が相互コンダクタンスセルの出力に連結され、電圧出力が共通の出力ノードに連結され、および共通の端子が基準電圧に連結されるのと同時に、電圧フォロワが、共通の出力ノード、相互コンダクタンスセルの出力、および基準電圧の間に連結され得る。
本発明の他の実施形態は、共通の出力ノードに連結される複数の入力サブ回路を含む回路を提供する。それぞれの入力サブ回路が、差動入力電圧信号および出力電流信号を有する相互コンダクタンスセルを含む。フィードバック回路が、共通の出力ノードと相互コンダクタンスセルの入力との間に連結され得る。電圧入力が相互コンダクタンスセルの出力に連結され、電圧出力が共通の出力ノードに連結され、および共通の端子が基準電圧に連結されるのと同時に、電圧フォロワが、共通の出力ノード、相互コンダクタンスセルの出力、および基準電圧の間に連結され得る。入力サブ回路のそれぞれの対について1対のダイオードが平行に接続され、互いに対して逆に配向され、相互コンダクタンスセルの出力間を連結している。
入力サブ回路のそれぞれが所定の伝達関数を実行してもよく、これは局所フィードバック回路とともに設定されることができる。したがって、最低または最大セレクタ回路のふるまいは数学的に、
と説明されることができ、式中、VIN1〜VINNは電圧入力、IIN1〜IINNは電流入力、およびF1〜FNは入力サブ回路の伝達関数である。
図1Aは、本開示の実施形態による、多入力最低出力電圧セレクタ回路100を図示する。本実施形態では、回路100は、各々の入力電圧信号VIN1〜VINNにそれぞれ連結される、複数の共通に構築された入力サブ回路110.1〜110.Nを含み得る。それぞれの入力サブ回路110.1〜110.Nが、各々の入力電流信号IIN1〜IINNを含み得る。入力サブ回路110.1〜110.Nは、共通の出力ノードVOUTに連結される出力(個々にN1.1、...、NN.1として示される)を有し得る。バイアス電流源120が、共通の出力ノードVOUTに連結され得る。図1Aの例では、2つの入力サブ回路のみが詳細に示されるが、本発明の原理は、任意の数のN個の入力サブ回路(図示せず)を含み得る。
それぞれの入力サブ回路(例えば、ステージ110.1)が、相互コンダクタンスセル116.1、ダイオード114.1、フィードバック回路112.1、および電圧フォロワ118.1を含み得る。相互コンダクタンスセル116.1は、入力電圧信号VIN1のための端子に連結された非反転入力と、入力電流信号IIN1のための端子に連結された反転入力とを有し得る。相互コンダクタンスセルの出力(ノードN1.2として示される)は、電圧フォロワ118.1の電圧入力およびダイオード114.1の陽極に連結され得る。ダイオード114.1の陰極(ノードN1.1)は、出力ノードVOUTに、フィードバック回路112.1に、および電圧フォロワ118.1の電圧出力に接続され得る。フィードバック回路112.1の第2の端子は、相互コンダクタンスセル116.1の反転入力に接続され得る。電圧フォロワ118.1は、入力サブ回路の出力N1.1の中に注入された電流を、VEEとして示される基準電圧に戻し得る。
入力サブ回路110.1〜110.Nのフィードバック回路112.1〜112.Nは、入力信号VIN1〜VINNおよびIIN1〜IINNへと伝えられる、それぞれの入力サブ回路110.1〜110.Nのための伝達関数を確定し得る。したがって、フィードバック回路112.1〜112.N、ならびに入力信号VIN1〜VINNおよびIIN1〜IINNは、出力ノードVOUT上で入力サブ回路によって駆動されている電圧を確定し得る。それぞれの入力サブ回路の伝達関数は、遅延、乗算、クランピング、増幅、積分、微分、フィルタリング等を含み得る。
入力サブ回路110.1が、他方の入力サブ回路によって駆動される出力電圧よりも低い潜在的な出力電圧に向けてその出力ノードN1.1を駆動する、式1によって動作している回路100を考察する。入力サブ回路のすべての出力ノードがノードVOUTで共に連結されているため、入力サブ回路は、共通のノードVOUTの全体の出力電圧を競って設定することになる。高電流シンクの性質に起因して、それぞれの電圧フォロワ118.1〜118.Nは、ただ共通のノードVOUTの電圧を入力サブ回路の各々の潜在的な出力電圧に向けて積極的に下げるだけであり得る。ゆえに、ノードVOUTにおける電圧は、入力サブ回路によって駆動される出力電圧、この場合入力サブ回路110.1によって駆動される出力電圧の最低のみであり得る。110.1以外のすべての入力サブ回路が、ノードVOUTにおける電圧をより高い潜在的な出力電圧へと駆動することを試みている場合があるため、110.1以外のすべての入力サブ回路の各々の相互コンダクタンスセルは、それらの各々の電圧フォロワの入力電圧を引き上げるために、制限された電流を取得し得る。その結果、他のすべてがオフであり得る一方、電圧フォロワ118.1はオンであり得るし、他のすべてのダイオードが順方向バイアスであり得る一方で、ダイオード114.1は逆方向バイアスとなり得る。ゆえに、すべての他のサブ回路が非能動と見なされ得る一方、入力サブ回路110.1は能動と見なされ得る。順方向バイアスダイオード114.1〜114.Nは、非能動入力サブ回路内の各々の電圧フォロワ118.1〜118.Nの電圧入力を、およそ出力VOUT+VF(VFは各々のダイオード114.1〜114.Nの順方向バイアス電圧を表す)にクランプしてもよく、相互コンダクタンスセル116.Nによって(およびすべての他の非能動入力サブ回路の他の相互コンダクタンスセルからの)取得された制限電流を、出力ノードVOUTおよび電圧フォロワ118.1の出力へと向け得る。電圧フォロワ118.1は、順方向バイアスダイオード114.1〜114.N内の電流を電圧ノードVEEへと向け得る。
図1Bは、本開示の実施形態による図1Aの回路100の、電圧切り替え特性の例示的なプロットを図示しており、フィードバック回路はワイヤであってもよく、2つのサブ回路、N=2が存在する。ゆえに、回路は、2つの入力電圧(個々にVIN1およびVINN)のうちの低い方のセレクタの機能を実行する。
図1Bの上段のプロットは、1ボルトから3ボルトに掃引されている入力電圧VIN1および2ボルトで一定に保たれているVINNを図示する。図1Bの中段のプロットは、電圧がすぐに互いに交差し、入力電圧VIN1が入力電圧VINNと交差した後に電圧が遷移する中間出力(個々にN1.2、NN.2)を図示する。中間出力(個々にN1.2、NN.2)はまた、ダイオードの動作のため、供給電圧の電位近くでは上昇も下降もせず、および概して共通の出力ノードVOUTの電圧近くでクランプし得る。図1Bの下段のプロットは、共通ノードVOUTの電圧が、入力電圧VIN1が入力電圧VINNと交差した後のわずかな遷移期間(2本の垂直破線の間)の後、VIN1とVINNの間の最低電圧で安定することを図示する。
例えば、VIN1が0から5uSecの間に1ボルトから2ボルトに向かって上昇するにつれて、中間出力N1.2の電圧は0.3ボルトから1.3ボルトに向かって上昇することがあり、概してVIN1を追跡する。この期間中、VINNがVIN1よりも高いため、電圧フォロワ118.1はオンになることがあり、電圧フォロワ118.Nはオフになることがあり、中間出力の電圧NN.2は、ダイオード114.NによっておよそVOUT+VFでクランプされてもよく、および出力VOUTは、およそVIN1に設定され得る。中間出力NN.2の電圧は、ダイオード114.Nの順方向バイアス電圧VFのためにVINNより高く上昇し得る。
5から7uSecの間、VIN1がVINNより上に上昇するにつれて、相互コンダクタンスセル116.Nの非反転端子における電圧は、その反転端子における電圧より下へ下降する。ゆえに、相互コンダクタンスセル116.Nは、ノードの電圧NN.2を引き下げる。VOUTに関して、NN.2における電圧の低下は、電圧フォロワ118.Nをオンにし、ダイオード114.Nをオフにする。電圧フォロワ118.Nは、ノードの電圧VOUTをVINNとほぼ等しくなるまで引き下げる。電圧VOUTがVIN1より下に下降するにつれて、相互コンダクタンスセル116.1の反転端子における電圧は、その非反転端子における電圧より下に下降する。したがって、相互コンダクタンスセル116.1は、中間出力の電圧N1.2を引き上げ、電圧フォロワ118.1がオフとなり、およびダイオード114.1が順方向バイアスをかける。
7uSecを超えて、VIN1がさらにVINNより上に上昇するにつれて、中間出力の電圧NN.2は、VOUTおよびVINNの追跡を開始する。ダイオード114.1が順方向バイアスをかけ、入力サブ回路110.Nが出力VOUTを制御するため、中間出力の電圧N1.2は、ダイオード114.1によっておよそVOUT+VFでクランプされる。
一実施形態によれば、電圧フォロワ118.1〜118.Nは、PNPバイポーラ接合トランジスタ(PNPトランジスタ、トランジスタ、BJT)を含み得る。相互コンダクタンスセルの出力(個々にN1.2、NN.2)は、ダイオード(個々に114.1、114.N)の陽極、およびPNPバイポーラ接合トランジスタ(個々に118.1、118.N)のベースに接続され得る。BJTのコレクタは、低電位電圧源(VEE)に接続され得る。ダイオードの陰極(個々に114.1、114.N)は、フィードバックネットワーク(個々に112.1、112.N)の他方の端子に、BJTのエミッタに、サブ回路(個々にN1.1、NN.1)の出力に、および共通出力(VOUT)に接続され得る。
別の実施形態によれば、電圧フォロワ(個々に118.1、118.N)は、P型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(PMOSFET)またはPチャネル接合型電界効果トランジスタ(P−JFET)または他の種類の電界効果トランジスタ(FET)を含んでもよく、MOSFETまたはJFETトランジスタのゲートは、相互コンダクタンスセルの出力に接続されてもよく、ソースは共通の出力ノードに接続されてもよく、ドレインは基準電圧VEEに接続され得る。
別の実施形態によれば、ダイオード(個々に114.1、114.N)はそれぞれ、ダイオード接続トランジスタによって提供され得る。例えば、それぞれのダイオードは、P型MOSFETまたはPチャネルJFETであってもよく、ドレインがダイオードの陰極としてゲートに、およびダイオードの陽極としてソースに接続されるか、または代替的に、N型MOSFETまたはNチャネルJFETであってもよく、ドレインがダイオードの陽極としてゲートに、およびダイオードの陰極としてソースに接続される。それぞれのダイオードは、PNPバイポーラ接合トランジスタであってもよく、コレクタおよびベースがダイオードの陰極として接続され、およびエミッタが陽極として接続されるか、または代替的に、NPNバイポーラトランジスタであってもよく、コレクタおよびベースがダイオードの陰極として接続され、エミッタが陽極として接続される。
本開示の実施形態による回路のMOSトランジスタ実装は、回路およびシステム全体のサイズおよびコストを削減するためにCMOS半導体製造プロセスを用いることにより、回路コンポーネントの半導体チップ上への集積化を可能にし得る。
それぞれの相互コンダクタンスセル(個々に116.1、116.N)は、その出力ノード(個々にN1.1、NN.1)において、そこに提示された差動入力電圧に比例して、設計限度まで出力電流を発生させてもよく、かつ電流ソーシングを制限してもよく、すなわち、発生した出力電流が相互コンダクタンスセルの外へ流れ、トランジスタの最大エミッタ電流(個々に118.1、118.N)よりも著しく低くなることを制限する。3つ以上のサブ回路が存在する場合、すべてのサブ回路内のすべての相互コンダクタンスセルの電流ソーシング制限の合計から、出力を制御している相互コンダクタンスセルの電流ソーシング制限を引いたものが、出力電圧(ここでは118.1)を駆動しているトランジスタの最大エミッタ電流よりも少なくなり得るように、それぞれの相互コンダクタンスセルの電流ソーシング能力が制限され得る。
図2Aは、本開示の実施形態による、多入力最大出力電圧セレクタ回路200を図示する。本実施形態では、回路200は、各々の入力電圧信号VIN1〜VINNにそれぞれ連結される、複数の共通に構築された入力サブ回路210.1〜210.Nを含み得る。それぞれの入力サブ回路210.1〜210.Nが、各々の入力電流信号IIN1〜IINNを含み得る。入力サブ回路210.1〜210.Nは、共通の出力ノードVOUTに連結される出力(個々にN1.1、...、NN.1として示される)を有し得る。バイアス電流源220が、共通の出力ノードVOUTに連結され得る。図2Aの例では、2つの入力サブ回路のみが詳細に示されるが、本発明の原理は、任意の数のN個の入力サブ回路(図示せず)を含み得る。
それぞれの入力サブ回路(例えば、ステージ210.1)が、相互コンダクタンスセル216.1、ダイオード214.1、フィードバック回路212.1、および電圧フォロワ218.1を含み得る。相互コンダクタンスセル216.1は、入力電圧信号VIN1のための端子に連結された非反転入力と、入力電流信号IIN1のための端子に連結された反転入力とを有し得る。相互コンダクタンスセルの出力(ノードN1.2として示される)は、電圧フォロワ218.1の電圧入力およびダイオード214.1の陰極に連結され得る。ダイオード214.1の陽極(ノードN1.1)は、出力ノードVOUTに、フィードバック回路212.1に、および電圧フォロワ218.1の電圧出力に接続され得る。フィードバック回路212.1の第2の端子は、相互コンダクタンスセル216.1の反転入力に接続され得る。電圧フォロワ218.1は、入力サブ回路の出力N1.1の中に注入された電流を、VCCとして示される基準電圧に戻し得る。
入力サブ回路210.1〜210.Nのフィードバック回路212.1〜212.Nは、入力信号VIN1〜VINNおよびIIN1〜IINNへと伝えられる、それぞれの入力サブ回路210.1〜210.Nのための伝達関数を確定し得る。したがって、フィードバック回路212.1〜212.N、ならびに入力信号VIN1〜VINNおよびIIN1〜IINNは、出力ノードVOUT上で入力サブ回路によって駆動されている電圧を確定し得る。それぞれの入力サブ回路の伝達関数は、遅延、乗算、クランピング、増幅、積分、微分、フィルタリング等を含み得る。
入力サブ回路210.1が、他方の入力サブ回路によって駆動される出力電圧よりも高い潜在的な出力電圧に向けてその出力ノードN1.1を駆動する、式2によって動作している回路200を考察する。入力サブ回路のすべての出力ノードがノードVOUTで共に連結されているため、入力サブ回路は、共通のノードVOUTの全体の出力電圧を競って設定することになる。高電流ソーシングの性質に起因して、それぞれの電圧フォロワ218.1〜218.Nは、共通のノードVOUTの電圧を入力サブ回路の各々の潜在的な出力電圧に向けてただ積極的に引き上げるだけであり得る。ゆえに、ノードVOUTにおける電圧は、入力サブ回路によって駆動される出力電圧、この場合入力サブ回路210.1によって駆動される出力電圧の最大のみであり得る。210.1以外のすべての入力サブ回路が、ノードVOUTにおける電圧をより低い潜在的な出力電圧へと駆動することを試みている場合があるため、210.1以外のすべての入力サブ回路の各々の相互コンダクタンスセルは、それらの各々の電圧フォロワの入力電圧を引き下げるために、制限された電流を下げる。その結果、他のすべてがオフであり得る一方、電圧フォロワ218.1はオンであり得るし、他のすべてのダイオードが順方向バイアスであり得る一方、ダイオード214.1は逆方向バイアスとなり得る。ゆえに、すべての他のサブ回路が非能動と見なされ得る一方、入力サブ回路210.1は能動と見なされ得る。順方向バイアスダイオード214.1〜214.Nは、非能動入力サブ回路内の各々の電圧フォロワ218.1〜218.Nを、およそ出力VOUT−VF(VFは各々のダイオード214.1〜214.Nの順方向バイアス電圧を表す)にクランプしてもよく、相互コンダクタンスセル216.Nによって(およびすべての他の非能動入力サブ回路の他の相互コンダクタンスセルからの)シンクされた制限された電流を、出力ノードVOUTへと、および電圧フォロワ218.1の出力へと向け得る。電圧フォロワ218.1は、順方向バイアスダイオード214.1〜214.N内の電流を電圧ノードVCCへと向け得る。
図2Bは、本開示の実施形態による図2Aの回路200の、電圧切り替え特性の例示的なプロットを図示しており、フィードバック回路はワイヤであってもよく、2つのサブ回路、N=2が存在する。ゆえに、回路は、2つの入力電圧(個々にVIN1およびVINN)のうちの低い方のセレクタの機能を実行する。
図2Bの上段のプロットは、3ボルトから1ボルトに掃引されている入力電圧VIN1および2ボルトで一定に保たれているVINNを図示する。図2Bの中段のプロットは、電圧がすぐに互いに交差し、入力電圧VIN1が入力電圧VINNと交差した後に電圧が遷移する中間出力(個々にN1.2、NN.2)を図示する。中間出力(個々にN1.2、NN.2)はまた、ダイオードの動作のため、供給電圧の電位近くでは上昇も下降もせず、および概して共通の出力ノードVOUTの電圧近くでクランプし得る。図2Bの下段のプロットは、共通ノードVOUTの電圧が、入力電圧VIN1が入力電圧VINNと交差した後のわずかな遷移期間(2本の垂直破線の間)の後、VIN1とVINNの間の最大電圧で安定することを図示する。
例えば、VIN1が0から5uSecの間に3ボルトから2ボルトに向かって下降するにつれて、中間出力N1.2の電圧は3.7ボルトから2.7ボルトに向かって下降することがあり、概してVIN1を追跡する。この期間中、VINNがVIN1よりも低いため、電圧フォロワ218.1はオンになることがあり、電圧フォロワ218.Nはオフになることがあり、中間出力の電圧NN.2は、ダイオード214.NによっておよそVOUT−VFでクランプされてもよく、および出力VOUTは、およそVIN1に設定され得る。中間出力の電圧NN.2は、ダイオード214.Nの順方向バイアス電圧VFのためにVINNよりも低く下降し得る。
5から7uSecの間、VIN1がVINNより下へ下降するにつれて、相互コンダクタンスセル216.Nの非反転端子の電圧は、その反転端子における電圧より上に上昇する。ゆえに、相互コンダクタンスセル216.Nは、ノードNN.2の電圧を引き上げる。VOUTに対してNN.2における電圧が高まると、電圧フォロワ218.Nをオンにし、ダイオード214.Nをオフにする。電圧フォロワ218.Nは、ノードの電圧VOUTをVINNとほぼ等しくなるまで引き上げる。電圧VOUTがVIN1より上に上昇するにつれて、相互コンダクタンスセル216.1の反転端子における電圧は、その非反転端子における電圧より上に上昇する。したがって、相互コンダクタンスセル216.1は、中間出力の電圧N1.2を引き下げ、電圧フォロワ218.1がオフとなり、およびダイオード214.1が順方向バイアスをかける。
7uSecを超えて、VIN1がさらにVINNより下に下降するにつれて、中間出力の電圧NN.2は、VOUTおよびVINNの追跡を開始する。ダイオード214.1が順方向バイアスをかけ、入力サブ回路210.Nが出力VOUTを制御するため、中間出力の電圧N1.2は、ダイオード214.1によっておよそVOUT−VFでクランプされる。
一実施形態によれば、電圧フォロワ218.1〜218.Nは、NPNバイポーラ接合トランジスタ(NPNトランジスタ、トランジスタ、BJT)を含み得る。相互コンダクタンスセルの出力(個々にN1.2、NN.2)は、ダイオード(個々に214.1、214.N)の陰極、およびNPNバイポーラ接合トランジスタ(個々に218.1、218.N)のベースに接続され得る。BJTのコレクタは、高電位電圧源(VCC)に接続され得る。ダイオードの陽極(個々に214.1、214.N)は、フィードバック回路(個々に212.1、212.N)の他方の端子に、BJTのエミッタに、サブ回路(個々にN1.1、NN.1)の出力に、および共通出力(VOUT)に接続され得る。
別の実施形態によれば、電圧フォロワ(個々に218.1、218.N)は、N型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(NMOSFET)またはNチャネル接合型電界効果トランジスタ(N−JFET)または他の種類の電界効果トランジスタ(FET)を含んでもよく、MOSFETまたはJFETトランジスタのゲートは、相互コンダクタンスセルの出力に接続されてもよく、ソースは共通の出力ノードに接続されてもよく、ドレインは基準電圧VCCに接続され得る。
別の実施形態によれば、ダイオード(個々に214.1、214.N)はそれぞれ、ダイオード接続トランジスタによって提供され得る。例えば、それぞれのダイオードは、P型MOSFETまたはPチャネルJFETであってもよく、ドレインがダイオードの陰極としてゲートに、およびダイオードの陽極としてソースに接続されるか、または代替的に、N型MOSFETまたはNチャネルJFETであってもよく、ドレインがダイオードの陽極としてゲートに、およびダイオードの陰極としてソースに接続される。それぞれのダイオードは、PNPバイポーラ接合トランジスタであってもよく、コレクタおよびベースがダイオードの陰極として接続され、およびエミッタが陽極として接続されるか、または代替的に、NPNバイポーラトランジスタであってもよく、コレクタおよびベースがダイオードの陰極として接続され、エミッタが陽極として接続される。
本開示の実施形態による回路のMOSトランジスタ実装は、回路およびシステム全体のサイズおよびコストを削減するためにCMOS半導体製造プロセスを用いることにより、回路コンポーネントの半導体チップ上への集積化を可能にし得る。
それぞれの相互コンダクタンスセル(個々に216.1、216.N)は、その出力ノード(個々にN1.1、NN.1)において、そこに提示された差動入力電圧に比例して、設計限度まで出力電流を発生させてもよく、および電流シンク、すなわち、発生した出力電流が相互コンダクタンスセルの中へ流れ、トランジスタの最大エミッタ電流(個々に218.1、218.N)よりも著しく低くなることを制限し得る。3つ以上のサブ回路が存在する場合、すべてのサブ回路内のすべての相互コンダクタンスセルの電流シンク制限の合計から、出力を制御している相互コンダクタンスセルの電流シンク制限を引いたものが、出力電圧(ここでは218.1)を駆動しているトランジスタの最大エミッタ電流よりも少なくなり得るように、それぞれの相互コンダクタンスセルの電流シンク能力が制限され得る。
図3Aは、本開示の実施形態による、多入力最低出力電圧セレクタ回路300を図示する。本実施形態では、回路300は、各々の入力電圧信号VIN1〜VINNにそれぞれ連結される、複数の共通に構築された入力サブ回路310.1〜310.Nを含み得る。それぞれの入力サブ回路310.1〜310.Nが、各々の入力電流信号IIN1〜IINNを含み得る。入力サブ回路310.1〜310.Nは、共通の出力ノードVOUTに連結される出力(個々にN1.1、...、NN.1として示される)を有し得る。バイアス電流源322が、共通の出力ノードVOUTに連結され得る。図3Aの例では、2つの入力サブ回路のみが詳細に示されるが、本発明の原理は、任意の数のN個の入力サブ回路(図示せず)を含み得る。
それぞれの入力サブ回路(例えば、ステージ310.1)が、相互コンダクタンスセル316.1、フィードバック回路312.1、および電圧フォロワ318.1を含み得る。相互コンダクタンスセル316.1は、入力電圧信号VIN1のための端子に連結された非反転入力と、入力電流信号IIN1のための端子に連結された反転入力とを有し得る。相互コンダクタンスセルの出力(ノードN1.2として示される)は、電圧フォロワ318.1の電圧入力に連結され得る。ノードN1.1は、出力ノードVOUTに、フィードバック回路312.1に、および電圧フォロワ318.1の電圧出力に接続され得る。フィードバック回路312.1の第2の端子は、相互コンダクタンスセル316.1の反転入力に接続され得る。電圧フォロワ318.1は、入力サブ回路の出力N1.1の中に注入された電流を、VEEとして示される基準電圧に戻し得る。
多入力セレクタ回路300は、それぞれの対の他方のダイオードと逆極性で平行に接続される、対になったダイオード(ここでは320.1、320.2の1対として)を、サブ回路のすべての対の組み合わせの相互コンダクタンスセルの各々の出力間に含むことを除き、図1Aの回路100にほぼ等しい。言い換えると、3つの相互コンダクタンスセルを持つ3つのサブ回路がある場合、3対のサブ回路の相互コンダクタンスセルの出力間を接続する3対のダイオードが存在し得る。4つのサブ回路がある場合、6対のサブ回路の相互コンダクタンスセルの出力間を接続する6対のダイオードが存在し得る。
N個のサブ回路のために必要なダイオード(X個のダイオード_対として表される)の対の数は、
X個のダイオード_対=N!/((N−2)!*2)として表され得る(N>=2、a!=1×2×3×…×a、および0!=1)。
入力サブ回路310.1〜310.Nのフィードバック回路312.1〜312.Nは、入力信号VIN1〜VINNおよびIIN1〜IINNへと伝えられる、それぞれの入力サブ回路310.1〜310.Nのための伝達関数を確定し得る。したがって、フィードバック回路312.1〜312.N、ならびに入力信号VIN1〜VINNおよびIIN1〜IINNは、出力ノードVOUT上で入力サブ回路によって駆動されている電圧を確定し得る。それぞれの入力サブ回路の伝達関数は、遅延、乗算、クランピング、増幅、積分、微分、フィルタリング等を含み得る。
入力サブ回路310.1が、他方の入力サブ回路によって駆動される出力電圧よりも低い潜在的な出力電圧に向けてその出力ノードN1.1を駆動する、式1によって動作している回路300を考察する。入力サブ回路のすべての出力ノードがノードVOUTで共に連結されているため、入力サブ回路は、共通のノードVOUTの全体の出力電圧を競って設定することになる。高電流シンクの性質に起因して、それぞれの電圧フォロワ318.1〜318.Nは、共通のノードVOUTの電圧を入力サブ回路の各々の潜在的な出力電圧に向けてただ積極的に引き下げるだけであり得る。ゆえに、ノードVOUTにおける電圧は、入力サブ回路310.1によって駆動される出力電圧、この場合、入力サブ回路310.1によって駆動される出力電圧の最低のみであり得る。310.1以外のすべての入力サブ回路が、ノードVOUTにおける電圧をより高い潜在的な出力電圧へと駆動することを試みている場合があるため、310.1以外のすべての入力サブ回路の各々の相互コンダクタンスセルは、それらの各々の電圧フォロワの入力電圧を引き上げるために、制限された電流を取得し得る。その結果、他のすべてがオフであり得る一方、電圧フォロワ318.1はオンであり得る。ゆえに、すべての他のサブ回路が非能動と見なされ得る一方、入力サブ回路310.1は能動と見なされ得る。それぞれのダイオードの対における1つのダイオードは、順方向バイアスであってもよい。それぞれのダイオードの対における他方のダイオードは、逆方向バイアスであってもよい。この例では、ダイオードの対320.1および320.2において、ダイオード320.2は順方向バイアスであってもよく、一方ダイオード320.1は逆方向バイアスであってもよい。それぞれのダイオードの対における順方向バイアスダイオードは、各々の非能動電圧フォロワ(ここでは、例えば318.N)の電圧入力を、非能動入力サブ回路内でおよそv(N1.2)+VF(VFは各々のダイオード320.1および320.2の順方向バイアス電圧を表す)にクランプしてもよく、相互コンダクタンスセル316.Nによって取得された(およびすべての他の非能動入力サブ回路の他の相互コンダクタンスセルからの)制限電流を、能動入力サブ回路(ここでは、例えば316.1)の相互コンダクタンスセルの出力へと向け得る。電圧フォロワ318.1は、共通のノードVOUTを駆動して能動入力サブ回路316.1のN1.2の電圧を追跡させ得る。
図3Bは、本開示の実施形態による図3Aの回路300の、電圧切り替え特性の例示的なプロットを図示しており、フィードバック回路はワイヤであってもよく、2つのサブ回路、N=2が存在する。ゆえに、回路は、2つの入力電圧(個々にVIN1およびVINN)のうちの低い方のセレクタの機能を実行する。
図3Bの上段のプロットは、1ボルトから3ボルトに掃引されている入力電圧VIN1および2ボルトで一定に保たれているVINNを図示する。図3Bの中段のプロットは、電圧がすぐに互いに交差し、入力電圧VIN1が入力電圧VINNと交差した後に電圧が遷移する中間出力(個々にN1.2、NN.2)を図示する。中間出力(個々にN1.2、NN.2)はまた、ダイオードの動作のため、供給電圧の電位近くでは上昇も下降もせず、および概して共通の出力ノードVOUTの電圧近くでクランプし得る。図3Bの下段のプロットは、共通ノードVOUTの電圧が、入力電圧VIN1が入力電圧VINNと交差した後のわずかな遷移期間(2本の垂直破線の間)の後、VIN1とVINNの間の最低電圧で安定することを図示する。
例えば、VIN1が0から5uSecの間に1ボルトから2ボルトに向かって上昇するにつれて、中間出力N1.2の電圧は0.3ボルトから1.3ボルトに向かって上昇することがあり、概してVIN1を追跡する。この期間中、VINNがVIN1よりも高いため、電圧フォロワ318.1はオンになることがあり、電圧フォロワ318.Nはオフになることがあり、中間出力の電圧NN.2は、ダイオード320.2によっておよそv(N1.2)+VFでクランプされてもよく、および出力VOUTは、およそVIN1に設定され得る。中間出力の電圧NN.2は、ダイオード320.2の順方向バイアス電圧VFのためにVINNより高く上昇し得る。
5から6.5uSecの間、VIN1がVINNより上に上昇するにつれて、相互コンダクタンスセル316.Nの非反転端子における電圧は、その反転端子における電圧より下に下降する。ゆえに、相互コンダクタンスセル316.Nは、ノードの電圧NN.2を引き下げる。電圧VOUTがVIN1より下に下降するにつれて、相互コンダクタンスセル316.1の反転端子における電圧は、その非反転端子における電圧より下に下降する。ゆえに、相互コンダクタンスセル316.1は、中間出力の電圧N1.2を引き上げる。NN.2における電圧がNN.1における電圧より下に下降するにつれて、ダイオード320.2がオフとなり、ダイオード320.1が順方向バイアスをかける。電圧フォロワ318.1はオフとなり、電圧フォロワ318.Nはノードの電圧VOUTをVINNとほぼ等しくなるまで引き下げる。
6.5uSecを超えて、VIN1がさらにVINNより上に上昇するにつれて、中間出力の電圧NN.2は、VOUTおよびVINNの追跡を開始する。ダイオード320.1が順方向バイアスをかけ、入力サブ回路310.Nが出力VOUTを制御するため、中間出力の電圧N1.2は、ダイオード320.1によっておよそv(NN.2)+VFでクランプされる。
一実施形態によれば、電圧フォロワ318.1〜318.Nは、PNPバイポーラ接合トランジスタ(PNPトランジスタ、トランジスタ、BJT)を含み得る。相互コンダクタンスセルの出力(個々にN1.2、NN.2)は、1対のダイオードのうちの1つの端子(個々に320.1、320.2)に、(ならびにサブ回路の追加的な組み合わせの対について、それぞれの追加的な1対のダイオードの1つの端子に)に、およびPNPバイポーラ接合トランジスタ(個々に318.1、318.N)のベースに接続され得る。1対のダイオードの他方の端子(個々に320.1、320.2)は、別の入力サブ回路の相互コンダクタンスセルの出力(個々にN1.2、NN.2)に接続され得る。BJTのコレクタは、低電位電圧源(VEE)に接続され得る。フィードバック回路(個々に312.1、312.N)の他方の端子は、BJTのエミッタに、サブ回路(個々にN1.1、NN.1)の出力に、および共通出力(VOUT)に接続され得る。
別の実施形態によれば、電圧フォロワ(個々に318.1、318.N)は、P型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(PMOSFET)またはPチャネル接合型電界効果トランジスタ(P−JFET)または他の種類の電界効果トランジスタ(FET)を含んでもよく、MOSFETまたはJFETトランジスタのゲートは、相互コンダクタンスセルの出力に接続されてもよく、ソースは共通の出力ノードに接続されてもよく、ドレインは基準電圧VEEに接続されてもよい。
別の実施形態によれば、ダイオード(個々に320.1、320.2)はそれぞれ、ダイオード接続トランジスタによって提供され得る。例えば、それぞれのダイオードは、P型MOSFETまたはPチャネルJFETであってもよく、ドレインがダイオードの陰極としてゲートに、およびダイオードの陽極としてソースに接続されるか、または代替的に、N型MOSFETまたはNチャネルJFETであってもよく、ドレインがダイオードの陽極としてゲートに、およびダイオードの陰極としてソースに接続される。それぞれのダイオードは、PNPバイポーラ接合トランジスタであってもよく、コレクタおよびベースがダイオードの陰極として接続され、およびエミッタが陽極として接続されるか、または代替的に、NPNバイポーラトランジスタであってもよく、コレクタおよびベースがダイオードの陰極として接続され、エミッタが陽極として接続される。
本開示の実施形態による回路のMOSトランジスタ実装は、回路およびシステム全体のサイズおよびコストを削減するためにCMOS半導体製造プロセスを用いることにより、回路コンポーネントの半導体チップ上への集積化を可能にし得る。
それぞれの相互コンダクタンスセル(個々に316.1、316.N)は、その出力ノード(個々にN1.1、NN.1)において、そこに提示された差動入力電圧に比例して、設計限度まで出力電流を発生させてもよく、かつ電流ソーシングを制限してもよく、すなわち、発生した出力電流が相互コンダクタンスセルの外へ流れ、出力電圧(ここでは318.1)を制御している能動入力サブ回路の相互コンダクタンスセルの最大電流シンク制限よりも著しく低くなることを制限する。3つ以上のサブ回路が存在する場合、すべてのサブ回路内のすべての相互コンダクタンスセルの電流ソーシング制限の合計から、出力を制御している相互コンダクタンスセルの電流ソーシング制限を引いたものが、出力電圧(ここでは318.1)を制御している能動入力サブ回路の相互コンダクタンスセルの最大電流シンク制限よりも少なくなり得るように、それぞれの相互コンダクタンスセルの電流ソーシング能力は制限され得る。
図4Aは、本開示の実施形態による、多入力最大出力電圧セレクタ回路400を図示する。本実施形態では、回路400は、各々の入力電圧信号VIN1〜VINNにそれぞれ連結される、複数の共通に構築された入力サブ回路410.1〜410.Nを含み得る。それぞれの入力サブ回路410.1〜410.Nが、各々の入力電流信号IIN1〜IINNを含み得る。入力サブ回路410.1〜410.Nは、出力(個々にN1.1、...、NN.1として示される)を有してもよく、これらは共通の出力ノードVOUTに接続される。バイアス電流源422が、共通の出力ノードVOUTに連結され得る。図4Aの例では、2つの入力サブ回路のみが詳細に示されるが、本発明の原理は、任意の数のN個の入力サブ回路(図示せず)を含み得る。
それぞれの入力サブ回路(例えば、ステージ410.1)が、相互コンダクタンスセル416.1、フィードバック回路412.1、および電圧フォロワ418.1を含み得る。相互コンダクタンスセル416.1は、入力電圧信号VIN1のための端子に連結された非反転入力と、入力電流信号IIN1のための端子に連結された反転入力とを有し得る。相互コンダクタンスセルの出力(ノードN1.2として示される)は、電圧フォロワ418.1.の電圧入力に連結され得る。ノードN1.1は、出力ノードVOUTに、フィードバック回路412.1に、および電圧フォロワ418.1の電圧出力に接続され得る。フィードバック回路412.1の第2の端子は、相互コンダクタンスセル416.1の反転入力に接続され得る。電圧フォロワ418.1は、入力サブ回路の出力N1.1の中に注入された電流を、VCCとして示される基準電圧に戻し得る。
多入力セレクタ回路400は、それぞれの対の他方のダイオードと逆極性で平行に接続される対になったダイオード(ここでは420.1、420.2の1対として)を、サブ回路のすべての対の組み合わせの相互コンダクタンスセルの各々の出力間に含むことを除き、図1Aの回路100にほぼ等しい。言い換えると、3つの相互コンダクタンスセルを持つ3つのサブ回路がある場合、3対のサブ回路の相互コンダクタンスセルの出力間を接続する3対のダイオードが存在し得る。4つのサブ回路がある場合、6対のサブ回路の相互コンダクタンスセルの出力間を接続する6対のダイオードが存在し得る。
N個のサブ回路のために必要なダイオード(X個のダイオード_対として表される)の対の数は、
X個のダイオード_対=N!/((N−2)!*2)として表され得る、(N>=2、a!=1×2×3×…×a、および0!=1)。
入力サブ回路410.1〜410.Nのフィードバック回路412.1〜412.Nは、入力信号VIN1〜VINNおよびIIN1〜IINNへと伝えられる、それぞれの入力サブ回路410.1〜410.Nのための伝達関数を確定し得る。したがって、フィードバック回路412.1〜412.N、ならびに入力信号VIN1〜VINNおよびIIN1〜IINNは、出力ノードVOUT上で入力サブ回路によって駆動されている電圧を確定し得る。それぞれの入力サブ回路の伝達関数は、遅延、乗算、クランピング、増幅、積分、微分、フィルタリング等を含み得る。
入力サブ回路410.1が、他方の入力サブ回路によって駆動される出力電圧よりも高い潜在的な出力電圧に向けてその出力ノードN1.1を駆動する、式2によって動作している回路400を考察する。入力サブ回路のすべての出力ノードがノードVOUTで共に連結されているため、入力サブ回路は、共通のノードVOUTの全体の出力電圧を競って設定することになる。高電流シンクの性質に起因して、それぞれの電圧フォロワ418.1〜418.Nは、共通のノードVOUTの電圧を入力サブ回路の各々の潜在的な出力電圧に向けてただ積極的に引き上げるだけであり得る。ゆえに、ノードVOUTにおける電圧は、入力サブ回路によって駆動される出力電圧、この場合は入力サブ回路410.1によって駆動される出力電圧の最大のみであり得る。410.1以外のすべての入力サブ回路が、ノードVOUTにおける電圧をより低い潜在的な出力電圧へと駆動することを試みている場合があるため、410.1以外のすべての入力サブ回路の各々の相互コンダクタンスセルは、それらの各々の電圧フォロワの入力電圧を引き下げるために、制限された電流を下げる。その結果、他のすべてがオフであり得る一方、電圧フォロワ418.1はオンであり得る。ゆえに、すべての他のサブ回路が非能動と見なされ得る一方、入力サブ回路410.1は能動と見なされ得る。それぞれのダイオードの対における1つのダイオードは、順方向バイアスであってもよく、その一方、それぞれのダイオードの対における他方のダイオードは、逆方向バイアスであってもよい。この例では、ダイオードの対420.1および420.2において、ダイオード420.1は順方向バイアスであってもよく、その一方、ダイオード420.2は逆方向バイアスであってもよい。それぞれのダイオードの対における順方向バイアスダイオードは、各々の非能動電圧フォロワ(ここでは、例えば418.N)の電圧入力を、非能動入力サブ回路内でおよそv(N1.2)−VF(VFは各々のダイオード420.1および420.2の順方向バイアス電圧を表す)にクランプしてもよく、相互コンダクタンスセル416.Nによって下げられた(およびすべての他の非能動入力サブ回路の他の相互コンダクタンスセルからの)制限電流を、能動入力サブ回路(ここでは、例えば416.1)の相互コンダクタンスセルの出力へと向け得る。電圧フォロワ418.1は、共通のノードVOUTを駆動して、能動入力サブ回路416.1のN1.2の電圧を追跡させ得る。
図4Bは、本開示の実施形態による図4Aの回路400の、電圧切り替え特性の例示的なプロットを図示しており、フィードバック回路はワイヤであってもよく、2つのサブ回路、N=2が存在する。ゆえに、回路は、2つの入力電圧(個々にVIN1およびVINN)のうちの低い方のセレクタの機能を実行する。
図4Bの上段のプロットは、3ボルトから1ボルトに掃引されている入力電圧VIN1および2ボルトで一定に保たれているVINNを図示する。図4Bの中段のプロットは、電圧がすぐに互いに交差し、入力電圧VIN1が入力電圧VINNと交差した後に電圧が遷移する中間出力(個々にN1.2、NN.2)を図示する。中間出力(個々にN1.2、NN.2)はまた、ダイオードの動作のため、供給電圧の電位近くでは上昇も下降もせず、および概して共通の出力ノードVOUTの電圧近くでクランプし得る。図4Bの下段のプロットは、共通ノードVOUTの電圧が、入力電圧VIN1が入力電圧VINNと交差した後のわずかな遷移期間(2本の垂直破線の間)の後、VIN1とVINNの間の最大電圧で安定することを図示する。
例えば、VIN1が0から5uSecの間に3ボルトから2ボルトに向かって下降するにつれて、中間出力の電圧N1.2は、3.7ボルトから2.7ボルトに向かって下降することがあり、概してVIN1を追跡する。この期間中、VINNがVIN1よりも低いため、電圧フォロワ418.1はオンになることがあり、電圧フォロワ418.Nはオフになることがあり、中間出力の電圧NN.2は、ダイオード420.1によってv(N1.2)−VFでクランプされことがあり、および出力VOUTは、およそVIN1に設定され得る。中間出力の電圧NN.2の電圧は、ダイオード420.2の順方向バイアス電圧VFのためにVINNより低く下降し得る。
5から6.5uSecの間、VIN1がVINNより下に下降するにつれて、相互コンダクタンスセル416.Nの非反転端子における電圧は、その反転端子における電圧より上に上昇する。ゆえに、相互コンダクタンスセル416.Nは、ノードNN.2の電圧を引き上げる。電圧VOUTがVIN1より上に上昇するにつれて、相互コンダクタンスセル416.1の反転端子における電圧は、その非反転端子における電圧より上に上昇する。ゆえに、相互コンダクタンスセル416.1は、中間出力の電圧N1.2を引き下げる。NN.2における電圧がNN.1における電圧より上に上昇するにつれて、ダイオード420.1はオフとなり、ダイオード420.2が順方向バイアスをかける。電圧フォロワ418.1はオフとなり、電圧フォロワ418.Nはノードの電圧VOUTをVINNとほぼ等しくなるまで引き上げる。
7uSecを超えて、VIN1がさらにVINNより下に下降するにつれて、中間出力の電圧NN.2は、VOUTおよびVINNの追跡を開始する。ダイオード420.2が順方向バイアスをかけ、入力サブ回路410.Nが出力VOUTを制御するため、中間出力の電圧N1.2は、ダイオード420.2によっておよそv(NN.2)−VFでクランプされる。
一実施形態によれば、電圧フォロワ418.1〜418.Nは、NPNバイポーラ接合トランジスタ(NPNトランジスタ、トランジスタ、BJT)を含み得る。相互コンダクタンスセルの出力(個々にN1.2、NN.2)は、1対のダイオードのうちの1つの端子(個々に420.1、420.2)に、(ならびにサブ回路の追加的な組み合わせの対について、それぞれの追加的な1対のダイオードの1つの端子に)、およびNPNバイポーラ接合トランジスタ(個々に418.1、418.N)のベースに接続され得る。1対のダイオード(個々に420.1、420.2)の他方の端子は、別の入力サブ回路の相互コンダクタンスセルの出力(個々にN1.2、NN.2)に接続され得る。BJTのコレクタは、高電位電圧源(VCC)に接続され得る。フィードバック回路(個々に412.1、412.N)の他方の端子は、BJTのエミッタに、サブ回路(個々にN1.1、NN.1)の出力に、および共通出力(VOUT)に接続され得る。
別の実施形態によれば、電圧フォロワ(個々に418.1、418.N)は、N型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(NMOSFET)またはNチャネル接合型電界効果トランジスタ(N−JFET)または他の種類の電界効果トランジスタ(FET)を含んでもよく、MOSFETまたはJFETトランジスタのゲートは、相互コンダクタンスセルの出力に接続されてもよく、ソースは、共通の出力ノードに接続されてもよく、ドレインは、基準電圧VCCに接続され得る。
別の実施形態によれば、ダイオード(個々に420.1、420.2)はそれぞれ、ダイオード接続トランジスタによって提供され得る。例えば、それぞれのダイオードは、P型MOSFETまたはPチャネルJFETであってもよく、ドレインがダイオードの陰極としてゲートに、およびダイオードの陽極としてソースに接続されるか、または代替的に、N型MOSFETまたはNチャネルJFETであってもよく、ドレインがダイオードの陽極としてゲートに、およびダイオードの陰極としてソースに接続される。それぞれのダイオードは、PNPバイポーラ接合トランジスタであってもよく、コレクタおよびベースがダイオードの陰極として接続され、およびエミッタが陽極として接続されるか、または代替的に、NPNバイポーラトランジスタであってもよく、コレクタおよびベースがダイオードの陰極として接続され、エミッタが陽極として接続される。
本開示の実施形態による回路のMOSトランジスタ実装は、回路およびシステム全体のサイズおよびコストを削減するために、CMOS半導体製造プロセスを用いることにより、回路コンポーネントの半導体チップ上への集積化を可能にし得る。
それぞれの相互コンダクタンスセル(個々に416.1、416.N)は、その出力ノード(個々にN1.1、NN.1)において、そこに提示された差動入力電圧に比例して、設計限度まで出力電流を発生させてもよく、および電流シンク、すなわち、発生した出力電流が相互コンダクタンスセルの外へ流れ、出力電圧(ここでは418.1)を制御している能動入力サブ回路の相互コンダクタンスセルの最大電流ソーシング制限よりも著しく低くなることを制限し得る。3つ以上のサブ回路が存在する場合、すべてのサブ回路内のすべての相互コンダクタンスセルの電流シンク制限の合計から、出力を制御している相互コンダクタンスセルの電流シンク制限を引いたものが、出力電圧(ここでは418.1)を制御している能動入力サブ回路の相互コンダクタンスセルの最大電流ソーシング制限よりも少なくなり得るように、それぞれの相互コンダクタンスセルの電流シンク能力が制限され得る。
図5は、本開示の実施形態による、例示的な相互コンダクタンスセルを図示する。
図5は、本開示の実施形態による、例示的な回路(図1Aおよび図3Aにあるもの等)における使用のための、例示的な2つのステージ相互コンダクタンスセル500を図示する。
例示的な相互コンダクタンスセル500は、正の電圧源(VCC)および負の電圧源(VEE)を動力源としてもよく、非反転電圧入力(VP)および反転電圧入力(VN)を有し得る。相互コンダクタンスセル500は、1対のPNP BJT(個々に518.1、518.N)を有してもよく、これらの個々のエミッタは互いに接続され、かつ電流源(5IT)に接続され、これがVCCに接続され得る。BJTのベース(518.1および518.N)は、反転および非反転電圧入力(VPおよびVN)に個々に接続され得る。BJT(518.1および518.N)のコレクタは、カレントミラー(5MIRROR)の入力および出力端子に個々に接続されてもよく、これはVEEに接続され得る。
NPN BJT(518.3)は、そのベースがカレントミラー(5MIRROR)の出力端子に接続されていてもよい。BJT(518.3)のエミッタは、電流源(5IB)に接続されてもよく、これはVEEに接続され得る。BJT(518.3)のコレクタは、VCCに接続され得る。
NPN BJT(518.4)は、そのベースがBJT(518.3)のエミッタに接続されてもよく、そのエミッタはVEEに接続され、およびそのコレクタは電流源(5IC)に接続され、これがVCCに接続される。補償コンデンサ(5C)は、一方の端子がBJT(518.3)のベースに接続され、他方の端子がBJT(518.4)のコレクタに接続され得る。BJT(518.4)のコレクタは、出力ノード(IOUT)に接続され得る。
この例示的な相互コンダクタンスセル500では、電流源(5IC)は、図1Aおよび図3Aの例示的な回路(100、300)において説明されるように、本開示の実施形態により、電流ソーシング(VCCから5ICを通ってIOUTへと流れる電流)を制限し得る。
図6は、本開示の実施形態による、別の例示的な相互コンダクタンスセルを図示する。
図6は、本開示の実施形態による、例示的な回路(図2Aおよび図4Aにあるもの等)における使用のための、例示的な2つのステージ相互コンダクタンスセル600を図示する。
例示的な相互コンダクタンスセル600は、正の電圧源(VCC)および負の電圧源(VEE)を動力源としてもよく、および非反転電圧入力(VP)および反転電圧入力(VN)を有し得る。相互コンダクタンスセル600は、これらの個々のエミッタが互いに接続され、電流源(6IT)に接続される1対のNPN BJT(個々に618.1、618.N)を有してもよく、これがVEEに接続され得る。BJT(618.1および618.N)のベースは、反転および非反転電圧入力(VPおよびVN)に個々に接続され得る。BJT(618.1および618.N)のコレクタは、カレントミラー(6MIRROR)の入力および出力端子に個々に接続されてもよく、これがVCCに接続され得る。
PNP BJT(618.3)は、そのベースがカレントミラー(6MIRROR)の出力端子に接続されていてもよい。BJT(618.3)のエミッタは、電流源(6IB)に接続されてもよく、これはVEEに接続され得る。BJT(618.3)のコレクタは、VCCに接続され得る。
PNP BJT(618.4)は、そのベースがBJT(618.3)のエミッタに接続されてもよく、そのエミッタはVEEに接続され、およびそのコレクタは電流源(6IC)に接続され、これがVCCに接続される。補償コンデンサ(6C)の一方の端子がBJT(618.3)のベースに接続され、他方の端子がBJT(618.4)のコレクタに接続され得る。BJT(618.4)のコレクタは、出力ノード(IOUT)に接続され得る。
この例示的な相互コンダクタンスセル600では、電流源(6IC)は、本開示の実施形態により、図2Aおよび図4Aにおける例示的な回路(200、400)において説明されるように、電流シンク(IOUTから6ICを通ってVEEへと流れる電流)を制限し得る。
別の実施形態によれば、NPN BJTは、N型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(NMOSFET)またはNチャネル接合型電界効果トランジスタ(N−JFET)または他の種類の電界効果トランジスタ(FET)によって置き換えられてもよく、PNP BJTは、P型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(PMOSFET)またはPチャネル接合型電界効果トランジスタ(P−JFET)または他の種類の電界効果トランジスタ(FET)によって置き換えられてもよい。
本開示の実施形態による回路のMOSトランジスタ実装は、回路およびシステム全体のサイズおよびコストを削減するために、CMOS半導体製造プロセスを用いることにより、回路コンポーネントの半導体チップ上への集積化を可能にし得る。
本開示は、説明された実施形態に制限されず、かつあらゆる数のシナリオおよび実施形態が存在し得るということが認識されるものとする。
本開示は数個の例示的な実施形態を参照して説明されたが、用いられた語は、制限の語ではなく、説明および図示の語であることが理解されるものとする。本開示の範囲および精神からその態様において逸脱することなく、現在述べられおよび修正される添付の特許請求の範囲内で、変更が行われ得る。本開示は特定の手段、材料、および実施形態に関して説明されたが、本開示は開示された詳細に制限されることを意図しておらず、むしろ本開示は、添付された特許請求の範囲内にあるもの等のすべての機能的に均等の構造、方法、および使用法に及ぶ。
本願は、コンピュータ可読の媒体内のコードセグメントとして実装されてもよい特定の実施形態を説明するが、特定用途向け集積回路、プログラマブル論理アレイ、および他のハードウエアデバイス等の専用のハードウエア実装が、本願に記載の実施形態のうちの1つ以上のものを実装するように構成されることができるということが理解されるものとする。本願に明記される種々の実施形態を含み得るアプリケーションは、さまざまな電子およびコンピュータシステムを広範囲に含み得る。したがって、本願はソフトウエア、ファームウエア、およびハードウエア実装、またはそれらの組み合わせを包含する。
本願は、特定の実施形態において特定の基準およびプロトコルを参照して実装され得るコンポーネントおよび機能を説明し、本開示は、かかる基準およびプロトコルに制限されない。かかる基準は、実質的に同一の機能を有するより高速なまたは効率的な均等物によって定期的に取って代わられる。したがって、同一のまたは類似の機能を有する差し替え基準およびプロトコルは、その均等物であると見なされる。
本願に記載の実施形態の図示は、種々の実施形態の一般的な理解を提供することを意図する。この図示は、本願に記載の構造および方法を利用する装置およびシステムの要素および特徴の完全な説明として機能することを意図するものではない。多くの他の実施形態は、本開示を閲読すれば当業者には明らかとなり得る。本開示の範囲を逸脱することなく構造的および論理的置換および変更がなされ得るように、他の実施形態が利用されて、本開示から派生してもよい。加えて、図示は単なる表現に過ぎず、縮尺通りに描画されていないことがある。図面内のとある割合は強調されていることがあり、一方で他の割合は縮小されていることがある。したがって、本開示および図は、制約的ではなくむしろ説明的であると見なされる。
本開示の1つ以上の実施形態は、本願において個別におよび/または集合的に、単に便利のために、およびいかなる特定の開示または発明概念にも自主的に制限することを意図することなく、「開示」という用語によって称され得る。さらに、本願に記載の特定の実施形態が説明されているが、同一のまたは類似の目的を達成するために設計されたあらゆる後続の配置が、示される特定の実施形態の代わりとなり得るということが理解されるものとする。本開示は、あらゆるおよびすべての後続の適合または種々の実施形態の変形を網羅することを意図する。上記の実施形態の組み合わせ、および本願に具体的に記載されていない他の実施形態は、本願の閲読により当業者には明白となろう。
加えて、前述の詳細な説明、種々の特徴は、本開示の合理化を目的として、グループ化または単一の実施形態の中で説明され得る。本開示は、特許範囲が主張される実施形態が、それぞれの請求項の中に明示的に列挙されるよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するとは解釈されない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、発明的な対象は、開示されるあらゆる実施形態のうちのすべてのものよりも少なくなるように仕向けられ得る。ゆえに、以下の特許請求の範囲は、別個に請求項に記載された対象を画定しつつ、それぞれの請求項が独立し、詳細な説明に組み込まれる。
上記に開示される主題は、制約的なものではなく具体例と見なされ、および添付の特許請求の範囲はすべてのかかる修正、強化、および本開示の真の精神および範囲内にある他の実施形態を網羅することを意図する。ゆえに、法律によって許される最大の限度で、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲およびその均等物の許容される限りの広範囲な解釈によって決定され、前述の詳細な説明によって制約も制限も受けないものとする。