JP5777755B2 - ポリイミド粉末艶消し剤を組み込んだポリイミドフィルム及びその製造 - Google Patents
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Description
本発明は、ポリイミド粉末を含む艶消し剤、該ポリイミド粉末艶消し剤を組み込んだポリイミドフィルム、及びその製造方法に関する。
ポリイミドフィルムは電子製品に広く使用されている。ポリイミドフィルムは、表面平坦性が高いことから、視野を不快にする光反射を引き起こす場合があり、長時間の使用により眼精疲労を引き起こす。この作用は、反射光が閲覧者にとって一層重要となり得る着色フィルムにおいて増強される場合がある。
第1層はポリイミドベースポリマー及び該ポリイミドベースポリマー中に分散したポリイミド粉末を含有し、このポリイミド粉末は、第1層の総質量の約20〜約50質量%の質量比を有する。第2層はポリイミドベースポリマー及び該ポリイミドベースポリマー中に分散したポリイミド粉末を含有し、このポリイミド粉末は、第2層の総質量の約20質量%以下の質量比を有する。更に、第1層及び第2層のうち少なくとも1つは、着色顔料を更に含む。
各層はポリイミドベースポリマーを含有し、第1層及び第3層はそれぞれ、層の総質量の約20質量%〜約50質量%の質量比を有するポリイミド粉末を含有する。加えて、3層のうち少なくとも1つは、着色顔料を更に含有する。
いくつかの実施形態において、前記ポリイミドフィルムは単層構造を有することができる。他の実施形態において、前記ポリイミドフィルムは多層構造を有することができる。
ジアミン成分の例としては、限定されるものではないが、フェニレンジアミン(PDA)、2−(4−アミノフェニル)−5−アミノベンズイミダゾール(PBOA)、3,4’−オキシジアニリン(3,4’−ODA)、4,4’−オキシジアニリン(4,4’−ODA)、p−フェニレンジアミン(p−PDA)、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(TFMB)等が挙げられる。二無水物成分の例としては、限定されるものではないが、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、2,2’−ビス[4−(3,4’−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物(BPADA)等が挙げられる。
上記の問題を緩和する試みで、60°で約50以下の光沢度を有する黒色ポリイミドフィルムの一実施形態は、約80質量%〜約93質量%のポリイミドベースポリマー、約2質量%〜約10質量%の黒色顔料、及び約5質量%〜約10質量%の約2μm〜約10μmの平均粒径を有するポリイミド粉末を組み込むことができる。
一実施形態において、好ましい触媒は、ピコリン(例えば、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン)である。ポリアミド酸−脱水剤−触媒のモル比は、約1:2:1であることができ、すなわち、1モルのポリアミド酸に対して約2モルの脱水剤及び約1モルの触媒を使用する。必要であれば、カーボンブラックのような着色顔料を上記の工程のいずれかで添加することができる。顔料は、縮合重合の開始時にジアミン及び無水物成分と混合することができ、又は艶消し剤、脱水剤又は触媒を組み込んだ後に添加することができる。
ポリイミド粉末は、層の総質量の約20〜約50質量%の質量比を有することができる。ポリイミド粉末の量は、それが組み込まれている層の質量を基準にして定義される。いくつかの実施形態において、ポリイミド粉末の質量比は、20、21、24、25、30、35、40、45、47、49、50質量%、又は上記の値の間の任意の中間値とすることができる。
例えば、多層フィルムが互いに積み重なった第1層及び第2層を含有する場合、第1層中のポリイミド粉末は約20〜50質量%の質量比を有してもよく、第2層はポリイミド粉末を有さなくてもよく、又は第2層の総質量の約20質量%未満の質量比のポリイミド粉末を含有してもよい。
例えば、ポリイミド粉末の質量比は、20、21、24、25、30、35、40、45、47、49、50質量%、又は上記の値の間の任意の中間値とすることができる。第2層はポリイミド粉末を含有しないか又は第1層よりも少ない量のポリイミド粉末を含有してもよい。いくつかの実施形態において、第2層に組み込まれるポリイミド粉末の量は、第2層の総質量の約20質量%以下、例えば、19、18、17、15、10、8、5、3、2、1、0.5、0.1質量%、又は上記の値の間の任意の中間値とすることができる。
更に、第1層及び第3層の1つ又は両方が、その層の総質量の約20〜約50質量%の量のポリイミド粉末を更に包含できる。第2層はポリイミド粉末を含有しないか、又は3層ポリイミドフィルムの機械的特性(例えば、過度に低い伸び率)に影響しない、少量のポリイミド粉末を含有してもよい。
約570gのDMAC溶媒を、3つ口フラスコに添加することができる。続いて、約14.35gの4,4’−ODA及び約14.86gのPMDAを、前記DMAC溶媒に組み込み、反応溶液に完全に溶解するまで撹拌することができる。4,4’−ODAとPMDAとのモル比は約1:0.950であることができ、モノマーの総質量比は、反応溶液の質量の約5質量%であることができる。
続いて、約3.17gの3−ピコリンを反応溶液に添加することができ、この溶液を連続撹拌し、約170℃で18時間加熱して、ポリイミドの沈殿を形成する。沈殿物を水及びエタノールですすぎ、真空濾過を経て、その後、焼成オーブン内で1時間、約160℃で加熱することでポリイミド粉末を得ることができる。
適用量が約540gのDMAC、約28.70gの4,4’−ODA、約29.72gのPMDA、及び約6.34gの3−ピコリンを包含することを除いて、実施例1−1と同様にして、ポリイミド粉末を調製することができる。従って、モノマーの総質量比は、反応溶液の質量の約10質量%とすることができる。
適用量が約510gのDMAC、約43.05gの4,4’−ODA、約44.58gのPMDA、及び約9.51gの3−ピコリンを包含することを除いて、実施例1−1と同様にして、ポリイミド粉末を調製することができる。従って、モノマーの総質量比は、反応溶液の質量の約15質量%とすることができる。
適用量が約15.41gのPMDA、及び約3.29gの3−ピコリンを包含することを除いて、実施例1−1と同様にして、ポリイミド粉末を調製することができる。従って、4,4’−ODA対PMDAのモル比は約1:0.985であることができ、モノマーの総質量比は、反応溶液の質量の約5質量%とすることができる。
適用量が約540gのDMAC、約28.70gの4,4’−ODA、約30.81gのPMDA、及び約6.57gの3−ピコリンを包含することを除いて、実施例1−4と同様にして、ポリイミド粉末を調製することができる。従って、モノマーの総質量比は、反応溶液の質量の約10質量%とすることができる。
適用量が約510gのDMAC、約43.05gの4,4’−ODA、約46.22gのPMDA、及び約9.86gの3−ピコリンを包含することを除いて、実施例1−4と同様にして、ポリイミド粉末を調製することができる。従って、モノマーの総質量比は、反応溶液の質量の約15質量%とすることができる。
適用量が約15.57gのPMDA、及び約3.32gの3−ピコリンを包含することを除いて、実施例1−1と同様にして、ポリイミド粉末を調製することができる。従って、4,4’−ODA対PMDAのモル比は約1:0.995であることができ、モノマーの総質量比は、反応溶液の質量の約5質量%とすることができる。
適用量が約540gのDMAC、約28.70gの4,4’−ODA、約31.14gのPMDA、及び約6.64gの3−ピコリンを包含することを除いて、実施例1−7と同様にして、ポリイミド粉末を調製することができる。従って、モノマーの総質量比は、反応溶液の質量の約10質量%とすることができる。
適用量が約510gのDMAC、約43.05gの4,4’−ODA、約46.70gのPMDA、及び約9.96gの3−ピコリンを包含することを除いて、実施例1−7と同様にして、ポリイミド粉末を調製することができる。従って、モノマーの総質量比は、反応溶液の質量の約15質量%とすることができる。
適用量が約570gのDMAC、約14.35gの4,4’−ODA、約14.08gのPMDA、及び約6.01gの3−ピコリンを包含することを除いて、実施例1−1と同様にして、ポリイミド粉末を調製することができる。4,4’−ODA対PMDAのモル比は約1:0.900であることができ、モノマーの総質量比は、反応溶液の質量の約5質量%とすることができる。
適用量が約510gのDMAC、約43.05gの4,4’−ODA、約42.23gのPMDA、及び約18.02gの3−ピコリンを包含することを除いて、比較例1−1と同様にして、ポリイミド粉末を調製することができる。従って、モノマーの総質量比は、反応溶液の質量の約15質量%とすることができる。
適用量が約576gのDMAC、約11.48gの4,4’−ODA、約11.89gのPMDA、及び約5.07gの3−ピコリンを包含することを除いて、実施例1−1と同様にして、ポリイミド粉末を調製することができる。従って、4,4’−ODA対PMDAのモル比は約1:0.950であり、モノマーの総質量比は、反応溶液の質量の約4質量%とすることができる。
適用量が約504gのDMAC、約45.93gの4,4’−ODA、約47.56gのPMDA、及び約20.29gの3−ピコリンを包含することを除いて、比較例1−3と同様にして、ポリイミド粉末を調製することができる。従って、モノマーの総質量比は、反応溶液の質量の約16質量%とすることができる。
適用量が約576gのDMAC、約11.48gの4,4’−ODA、約12.45gのPMDA、及び約5.31gの3−ピコリンを包含することを除いて、実施例1−1と同様にして、ポリイミド粉末を調製することができる。従って、4,4’−ODA対PMDAのモル比は約1:0.995であり、モノマーの質量比は、反応溶液の質量の約4質量%とすることができる。
適用量が約504gのDMAC、約45.93gの4,4’−ODA、約49.81gのPMDA、及び約21.25gの3−ピコリンを包含することを除いて、比較例1−5と同様にして、ポリイミド粉末を調製することができる。従って、モノマーの総質量比は、反応溶液の質量の約16質量%とすることができる。
適用量が約570gのDMAC、約14.35gの4,4’−ODA、約15.65gのPMDA、及び約6.67gの3−ピコリンを包含することを除いて、実施例1−1と同様にして、ポリイミド粉末を調製することができる。従って、4,4’−ODA対PMDAのモル比は約1:1であり、モノマーの総質量比は、反応溶液の質量の約5質量%とすることができる。
適用量が約510gのDMAC、約43.05gの4,4’−ODA、約46.95gのPMDA、及び約20.02gの3−ピコリンを包含することを除いて、比較例1−7と同様にして、ポリイミド粉末を調製することができる。従って、モノマーの総質量比は、反応溶液の質量の約15質量%とすることができる。反応溶液を連続撹拌し、約170℃で18時間加熱することができるが、ポリイミドの沈殿は形成できない。換言すれば、ポリイミド粉末はまったく形成できない。
約14.35gの4,4’−ODA、約14.86gのPMDA、及び約570gのDMACを、3つ口フラスコ内で混合して反応溶液を得ることができる。4,4’−ODA対PMDAのモル比は約1:0.950であり、モノマーの総質量比は、反応溶液の約5質量%であることができる。
続いて、約3.35gの3−ピコリンを反応溶液に添加することができ、この溶液を連続撹拌し、170℃の温度で18時間加熱して、ポリイミドの沈殿を形成する。この沈殿物を水及びエタノールですすぎ、真空濾過を経て、その後、約160℃で1時間加熱することで、約26.7gのポリイミド粉末を得ることができる。
約500gのカーボンブラック(Regal−R400、CABOTCompanyから販売)及び約4,000gのDMACを混合し、約15分間攪拌することができる。その後、混合物を粉砕機で処理し、カーボンブラックスラリーを得ることができる。
約45gのカーボンブラックスラリー、約833gのポリアミド酸溶液(固形分が18質量%で、4,4’−ODA、パラフェニレンジアミン(p−PDA)及びPMDAの重合から生成し、粘度が約150,000cpsである)、及び溶媒として約122gのDMACを均一に混合して、質量が約1,000g、固形分が約15.49質量%の黒色PAA溶液を得ることができる。
工程1で得られたポリイミド粉末(粒径約2.1μm)約0.37g、工程3で得られた黒色PAA溶液約49.83g、及び約15.2gのDMACをフラスコに入れ、1〜2時間撹拌して、低光沢黒色PAA溶液を得ることができる。
この低光沢黒色PAA溶液をガラス板支持体上に被覆し、オーブン内で焼成することができる。焼成条件を90℃の温度で30分間に設定して大部分の溶媒を除去し、その後170℃〜350℃で4時間かけて単層低光沢黒色ポリイミドフィルムを形成することができる。ガラス板支持体から剥離したフィルムは、平均粒径が約2.1μmのポリイミド粉末を5質量%含有することができる。
モノマー4,4’−ODA及びPMDAの固形分が約15質量%であり、ポリイミド粉末の平均粒径が約5.5μmであることを除いて、実施例3−1と同様にしてフィルムを調製する。
モノマー4,4’−ODA及びPMDAの固形分が約15質量%であり、4,4’−ODA対PMDAのモル比が約1:0.995であり、ポリイミド粉末の平均粒径が約8.6μmであることを除いて、実施例3−1と同様にしてフィルムを調製することができる。
ポリイミド粉末の添加量が約0.78gであることを除いて、実施例3−1と同様にしてフィルムを調製することができる。従って、低光沢黒色ポリイミドフィルムは、平均粒径が約2.1μmのポリイミド粉末を約10質量%含有することができる。
ポリイミド粉末の添加量が約0.78gであることを除いて、実施例3−2と同様にしてフィルムを調製することができる。ポリイミド粉末は、約5.5μmの平均粒径を有する。
ポリイミド粉末の添加量が約0.78gであることを除いて、実施例3−3と同様にしてフィルムを調製することができる。ポリイミド粉末は、約8.6μmの平均粒径を有する。
粒径が約2.1μmのポリイミド粉末の添加量が約0.008gであることを除いて、実施例3−1と同様にしてフィルムを調製することができる。従って、低光沢黒色ポリイミドフィルムは、ポリイミド粉末を約1質量%含有する。
モノマー4,4’−ODA及びPMDAの固形分が約15質量%であり、ポリイミド粉末の平均粒径が約5.5μmであることを除いて、実施例3−1と同様にしてフィルムを調製することができる。
モノマー4,4’−ODA及びPMDAの固形分が約15質量%であり、4,4’−ODA対PMDAのモル比が約1:0.995であり、ポリイミド粉末の平均粒径が約8.6μmであることを除いて、比較例3−1と同様にしてフィルムを調製することができる。
ポリイミド粉末を添加しないことを除いて、実施例3−1と同様にしてフィルムを調製することができる。
ポリイミド粉末を添加せず、粒径が約5.2μmのSiO2粉末(GRACE Companyから商品名「P405」で販売)0.37gを艶消し剤として使用することを除いて、実施例3−7と同様にしてフィルムを作製することができる。
ポリイミド粉末を添加せず、粒径が約5.4μmのAl2O3粉末(Denka Companyから商品名「ASFP−20」で販売)0.37gを艶消し剤として使用することを除いて、実施例3−7と同様にしてフィルムを作製することができる。
上記の実施例及び比較例に従って調製した黒色ポリイミドフィルムの60°の光沢度及び全透過性を測定することができ、その結果を表2に示す。
特に、実施例3−1〜3−6に示すように、60°の光沢度は、5質量%以上のポリイミド粉末を組み込んだときに50未満に低下し得る。60°の光沢度は、より多くのポリイミド粉末が添加されるにつれて低下し得る。比較例3−5及び3−6で使用した従来の艶消し剤と比較して、ポリイミド粉末を艶消し剤として使用することで、同等又はそれ以上の消光効果を得ることができる。
約6.1gのポリイミド粉末(粒径約5μm)及び約160.6gのDMACをフラスコ内で混合することができる。固形分18質量%のPAA酸溶液(4,4’−ODA、p−PDA及びPMDAから重合、粘度約150,000cps)約333.3gを添加し、総質量が約500gでモノマーの固形分が約13.2質量%のPAA溶液が得られるまで連続撹拌する。このPAA溶液60gをガラス板支持体上に被覆し、オーブン内で焼成することができる。
焼成条件としては、約90℃で30分間の加熱で大部分の溶媒を除去することが挙げられ、その後170℃〜350℃で4時間かけて、約10質量%のポリイミド粉末を含有する単層低光沢ポリイミドフィルムを形成することができる。
ポリイミド粉末を添加せず、粒径が約5.4μmのAl2O3粉末(Denka Companyから商品名「ASFP−20」で販売)約10質量%を艶消し剤として組み込むことを除いて、実施例5−1と同様にしてフィルムを作製することができる。
ポリイミド粉末を添加せず、粒径が約5.2μmのSiO2粉末(GRACE Companyから商品名「P405」で販売)約10質量%を艶消し剤として組み込むことを除いて、実施例5−1と同様にしてフィルムを作製することができる。
ポリイミド粉末を添加せず、粒径が約5μmのTiO2粉末(Sigma Aldrich Companyから販売)約10質量%を艶消し剤として組み込むことを除いて、実施例5−1と同様にしてフィルムを作製することができる。
工程1:ポリイミド艶消し粉末の調製。
約470gのDMAC溶媒を、3つ口フラスコに添加することができる。続いて、約14.35gの4,4’−ODA及び約15.65gのPMDAを、前記DMAC溶媒に組み込み、反応溶液に完全に溶解するまで撹拌することができる。
4,4’−ODAとPMDAのモル比は約1:1であることができ、モノマーの総質量比は、反応溶液の質量の約6質量%とすることができる。約500gの反応溶液を連続撹拌し、約160℃まで2℃/分で徐々に加熱し、160℃で3時間加熱して、ポリイミドの沈殿を形成する。この沈殿物をDMAC及びエタノールですすぎ、真空濾過を経て、その後、焼成オーブン内で1時間、約160℃で加熱することでポリイミド粉末を得ることができる。
黒色2層ポリイミドフィルムを作製すると考えた場合、フィルムの2つのポリイミド層のために2種類の黒色PAA溶液をそれぞれ調製することができる。第1の黒色PAA溶液に関しては、固形分18質量%のポリアミド酸溶液を、4,4’−ODAとPMDA(モル比1:1)の重合により形成することができる。更に、約4gのカーボンブラック(SB4A、Degussa Companyより販売)、約20gの前記工程1で調製したポリイミド粉末、及び約144gのDMACを混合し、60分間撹拌した後、粉砕機で処理することができる。続いて、得られた混合物を約496gのポリアミド酸溶液と均一に混合して、第1の黒色PAA溶液を得ることができる。
第2の黒色PAA溶液をガラス板支持体上に被覆し、約80℃の温度で30分間焼成して大部分の溶媒を除去する。続いて、第1の黒色PAA溶液を第2層の上に被覆し、約80℃の温度で30分間焼成して大部分の溶媒を除去し、次いで350℃で4時間かけて2層ポリイミドフィルムを形成する。2層ポリイミドフィルムの全厚は約13μmで、第1層の厚さは4μmであり、第2層の厚さは9μmである。
第1の黒色PAA溶液が約4gのカーボンブラック(SB4A)、約30gのポリイミド粉末、約204gのDMAC、及び約407gのポリアミド酸溶液を含有することを除いて、実施例6−1と同様にして2層フィルムを調製できる。
第1の黒色PAA溶液が約4gのカーボンブラック(SB4A)、約50gのポリイミド粉末、約324gのDMAC、及び約284gのポリアミド酸溶液を含有することを除いて、実施例6−1と同様にして2層フィルムを調製できる。
実施例6−1で得られた2層構造を基にして、3層フィルムを作製することができる。より具体的には、実施例6−1で得られた2層構造をガラス板支持体から剥離した後、第1層がガラス板支持体と接触した状態で、第2層が一番上になるように配置することができる。続いて、第1の黒色PAA溶液を第2層の上に被覆して、第3層を形成する。この構造を約80℃の温度で30分間焼成して大部分の溶媒を除去し、その後350℃で4時間かけて3層ポリイミドフィルムを形成する。
この3層構造において、第1層及び第3層は組成が同じであり、第2層はこの第1層と第3層の間に挟まれている。更に、3層ポリイミドフィルムの全厚は13μmであり、第1、第2及び第3層の厚さはそれぞれ4μm、5μm及び4μmである。
第1の黒色PAA溶液が約4gのカーボンブラック(SB4A)、約50gのポリイミド粉末、約324gのDMAC、及び約284gのポリアミド酸溶液を含有することを除いて、実施例6−4と同様にして3層フィルムを調製することができる。
第1の黒色PAA溶液が約6gのカーボンブラック(SB4A)、約20gのポリイミド粉末、約156gのDMAC、及び約457gのポリアミド酸溶液を含有することを除いて、実施例6−1と同様にして2層フィルムを調製することができる。更に、第2の黒色PAA溶液は、約6gのカーボンブラック(SB4A)、約36gのDMAC、及び約580gのポリアミド酸溶液を含有する。
工程1:ポリイミド粉末の調製
ポリイミド粉末は、実施例6−1と同様にして調製することができる。
第1の黒色PAA溶液は、実施例6−1と同様にして調製することができる。
第2の黒色PAA溶液をガラス板支持体上に被覆し、約80℃の温度で30分間焼成して大部分の溶媒を除去し、続いて370℃で4時間かけて第2層を形成する。第2層を支持体から剥離し、反転して、それまで板支持体と接触していた面を表にする。
続いて、第1の黒色PAA溶液を第2層の上に被覆し、約80℃の温度で30分間焼成して大部分の溶媒を除去し、次いで370℃で4時間焼成して、2層ポリイミドフィルムを形成する。更に、3層ポリイミドフィルムの全厚は13μmであり、第1層及び第2層の厚さはそれぞれ4μm及び9μmである。
第2の黒色PAA溶液が約4gのカーボンブラック(SB4A)、約10gのポリイミド粉末、約84gのDMAC、及び約531gのポリアミド酸溶液を含有することを除いて、実施例6−7と同様にして2層フィルムを調製することができる。
第2の黒色PAA溶液が約4gのカーボンブラック(SB4A)、約20gのポリイミド粉末、約144gのDMAC、及び約469gのポリアミド酸溶液を含有することを除いて、実施例6−7と同様にして2層フィルムを調製することができる。
第2の黒色PAA溶液が約4gのカーボンブラック(SB4A)、約30gのポリイミド粉末、約204gのDMAC、及び約407gのポリアミド酸溶液を含有することを除いて、実施例6−7と同様にして2層フィルムを調製することができる。
第1の黒色PAA溶液が約4gのカーボンブラック(SB4A)、約50gのポリイミド粉末、約324gのDMAC、及び約284gのポリアミド酸溶液を含有することを除いて、実施例6−9と同様にして2層フィルムを調製することができる。
第2の黒色PAA溶液がポリアミド酸のみを含有し、カーボンブラックが組み込まれないことを除いて、実施例6−3と同様にして2層フィルムを調製することができる。
第1の黒色PAA溶液が約50gのポリイミド粉末、約300gのDMAC、及び約309gのポリアミド酸溶液を含有し、カーボンブラックが組み込まれないことを除いて、実施例6−3と同様にして2層フィルムを調製することができる。
第1の黒色PAA溶液が約4gのカーボンブラック(SB4A)、約15gのポリイミド粉末、約114gのDMAC、及び約500gのポリアミド酸溶液を含有することを除いて、実施例6−1と同様にして2層フィルムを調製することができる。
第1の黒色PAA溶液が約4gのカーボンブラック(SB4A)、約60gのポリイミド粉末、約384gのDMAC、及び約222gのポリアミド酸溶液を含有することを除いて、実施例6−1と同様にして2層フィルムを調製することができる。
第1の黒色PAA溶液が約10gのカーボンブラック(SB4A)、約20gのポリイミド粉末、約180gのDMAC、及び約432gのポリアミド酸溶液を含有することを除いて、実施例6−1と同様にして2層フィルムを調製することができる。更に、第2の黒色PAA溶液は、約10gのカーボンブラック(SB4A)、約60gのDMAC、及び約556gのポリアミド酸溶液を含有する。
第1及び第2の黒色PAA溶液がそれぞれ約4gのカーボンブラック(SB4A)、約24gのDMAC、及び約593gのポリアミド酸溶液を含有することを除いて、実施例6−1と同様にして2層フィルムを調製することができる。
第1及び第2の黒色PAA溶液がそれぞれ約4gのカーボンブラック(SB4A)、約30gのポリイミド粉末、約204gのDMAC、及び約407gのポリアミド酸溶液を含有することを除いて、実施例6−7と同様にして2層フィルムを調製することができる。
第1の黒色PAA溶液が約4gのカーボンブラック(SB4A)、約50gのポリイミド粉末、約324gのDMAC、及び約284gのポリアミド酸溶液を含有することを除いて、比較例6−5と同様にして2層フィルムを調製することができる。
固形分が18質量%のポリアミド酸溶液約407gを、4,4’−ODAとPMDA(モル比1:1)の重合により形成することができる。更に、約4gのカーボンブラック(SB4A)、約30gのポリイミド粉末及び約144gのDMACを合わせて混合し、約60分間攪拌することができる。粉砕機で処理した後、得られた混合物を約407gのポリアミド酸溶液と均一に混合して、黒色PAA溶液を得ることができる。
第1の黒色PAA溶液が約4gのカーボンブラック(SB4A)、約60gのポリイミド粉末、約384gのDMAC、及び約222gのポリアミド酸溶液を含有することを除いて、実施例6−4と同様にして3層フィルムを調製することができる。
第1の黒色PAA溶液が約4gのカーボンブラック(SB4A)、約384gのDMAC、及び約593gのポリアミド酸溶液を含有することを除いて、実施例6−4と同様にして3層フィルムを調製することができる。更に、第2の黒色PAA溶液は、約4gのカーボンブラック(SB4A)、約50gのポリイミド粉末、及び約324gのDMAC、及び約284gのポリアミド酸溶液を含有する。
[0001]
固形分が18質量%のポリアミド酸溶液を、4,4’−ODAとPMDA(モル比1:1)の重合により形成することができる。更に、約4gのカーボンブラック(SB4A)、約10gのポリイミド粉末及び約84gのDMACを合わせて混合し、約60分間攪拌することができる。粉砕機で処理した後、この混合物を約519gのポリアミド酸溶液と均一に混合して、黒色PAA溶液を得ることができる。
アルミニウム層を厚さ約70nmの銀層に置き換えることを除いて、実施例7−1と同様にして、フィルムを調製することができる。
単層ポリイミドフィルムを実施例6−2の2層ポリイミドフィルムに置き換えることを除いて、実施例7−2と同様にして、フィルムを調製することができる。
黒色PAA溶液が約4gのカーボンブラック(SB4A)、約10gのポリイミド粉末、約84gのDMAC、及び約519gのポリアミド酸溶液を含有することを除いて、比較例6−7と同様にして単層フィルムを調製することができる。
Claims (12)
- 互いに積み重なった少なくとも2つのポリイミド層を含む多層ポリイミドフィルムであって、
前記ポリイミド層のそれぞれが、ジアミンと二無水物成分とをほぼ等しいモル比で反応させて形成されるポリイミドベースポリマーを含有し、ポリイミド層の少なくとも1つがそのポリイミドベースポリマー中に分散したポリイミド粉末を更に含有し、このポリイミド粉末が、それが組み込まれているポリイミド層の総質量を基にして20〜50質量%の質量比を有し、2μm〜10μmの平均粒径を有し、
該ポリイミド粉末がジアミンと二無水物のモル比が1:0.950〜1:0.995のジアミンと二無水物モノマーから得られ、
前記多層ポリイミドフィルムが60°の光沢度が5以下である外表面を少なくとも1つ有することを特徴とする、
多層ポリイミドフィルム。 - 前記ポリイミド層の少なくとも1つが着色顔料を更に含有することを特徴とする、請求項1に記載の多層ポリイミドフィルム。
- 前記着色顔料がポリイミド層の質量の4〜9質量%の質量比を有することを特徴とする、請求項2に記載の多層ポリイミドフィルム。
- 前記着色顔料がカーボンブラックであることを特徴とする、請求項2に記載の多層ポリイミドフィルム。
- 前記ポリイミド粉末が、オキシジアニリン(ODA)とピロメリット酸二無水物(PMDA)の反応から得られることを特徴とする、請求項1に記載の多層ポリイミドフィルム。
- 請求項1に記載の多層ポリイミドフィルム、及び該多層ポリイミドフィルムの外面に配置された金属層を含むことを特徴とする、電磁干渉(EMI)遮蔽構造。
- 2層ポリイミドフィルムであって、
ポリイミドベースポリマー及び該ポリイミドベースポリマー中に分散したポリイミド粉末を含有し、該ポリイミド粉末が第1層の総質量の20〜50質量%の質量比を有する、第1層、及び、
第1層の表面上に積み重なった第2層であって、ポリイミドベースポリマー及び該ポリイミドベースポリマー中に分散したポリイミド粉末を含有し、該ポリイミド粉末が第2層の総質量の20質量%以下の質量比を有する、第2層、を含み、
第1層及び第2層のうち少なくとも1つが着色顔料を更に包含し、該第1層と該第2層の該ポリイミド粉末が2μm〜10μmの平均粒径を有し、ジアミンと二無水物のモル比が1:0.950〜1:0.995のジアミンと二無水物モノマーから得られることを特徴とする、
2層ポリイミドフィルム。 - 前記着色顔料がカーボンブラックであることを特徴とする、請求項7に記載の2層ポリイミドフィルム。
- 前記着色顔料が層の質量の4〜9質量%の質量比を有することを特徴とする、請求項7に記載の2層ポリイミドフィルム。
- 第1層、第2層及び第3層を含む3層ポリイミドフィルムであって、第2のポリイミド層が第1層と第3層の間に挟まれており、各層がポリイミドベースポリマーを含有し、第1層及び第3層がそれぞれ層の総質量の20質量%〜50質量%の質量比を有するポリイミド粉末を更に含有し、3つの層の少なくとも1つが着色顔料を含有し、該第1層と該第3層の該ポリイミド粉末が2μm〜10μmの平均粒径を有し、ジアミンと二無水物のモル比が1:0.950〜1:0.995のジアミンと二無水物モノマーから得られることを特徴とする、3層ポリイミドフィルム。
- 前記着色顔料がカーボンブラックであることを特徴とする、請求項10に記載の3層ポリイミドフィルム。
- 前記着色顔料が層の質量の4〜9質量%の質量比を有することを特徴とする、請求項10に記載の3層ポリイミドフィルム。
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