JP5972551B2 - チップ用樹脂膜形成用シートおよび半導体チップの製造方法 - Google Patents

チップ用樹脂膜形成用シートおよび半導体チップの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体チップ裏面に効率良くゲッタリング効果を有する樹脂膜を形成でき、かつチップの製造効率の向上が可能なチップ用樹脂膜形成用シートに関する。また、本発明は、上記チップ用樹脂膜形成用シートを用いた半導体チップの製造方法に関する。
近年、素子の小型化の要請から、半導体チップの厚さを薄くすることが要望されている。半導体ウエハは表面に回路が形成された後、裏面研削により所定の厚さまで研削される。したがって、素子の小型化のためには、裏面研削によりウエハをさらに薄く研削することになる。しかし、ウエハの厚さが薄くなるにしたがい、ウエハ強度は低下し、僅かな衝撃によってもウエハが破損することがある。ウエハ破損の要因としては、裏面研削時に使用したグラインダーによる切削痕に酸化被膜などが複合した「破砕層」が主因であると考えられている。
破砕層は、研削されたウエハ表面の微細な凹凸であり、シリコンの多結晶またはシリコンが少量の酸素により酸化された状態にあり、格子欠陥も包含されていると考えられている。表面の凹凸や組成変化等によるストレスのため、僅かな衝撃によってもひび割れを起こし、ウエハの破損を招くことがある。このため、裏面研削終了後には、破砕層を除去するため、裏面にケミカルエッチングやプラズマエッチングなどを施すことが一般化している。破砕層を除去することで、ウエハの強度は向上し、極薄にまで研削されたウエハであっても、良好なハンドリング性が維持される。
しかし、破砕層を除去することで、得られるウエハ、チップの金属に対する耐汚染性が低下することが懸念されている。
半導体ウエハは、回路の形成時、裏面研削時および実装時には、種々の部材と接触する。この際に、これら他の部材から銅などの金属が放出され、ウエハが金属汚染を受けることがある。不純物金属はウエハ内に蓄積され、リフローなどの加熱条件下ではイオン化し、ウエハ内を移動することがある。そして、回路表面に到達した金属イオンは、製品の電気的動作を阻害し誤作動の原因となる。また、回路表面に到達した金属イオンは、回路面で金属を生成することがある(これらはマイグレーションと呼ばれることがある)。特に配線が微細化されている半導体ウエハ表面で金属が生成すると、回路を短絡し、製品の歩留まりが低下する。また、明らかに金属を生成しない場合でも回路に金属イオンが侵入すると半導体が電気的性能を損なう場合がある。
一方、破砕層は、上記のように、微細な凹凸であり、シリコンの多結晶またはシリコンが少量の酸素により酸化された状態にあり、格子欠陥も包含されていると考えられ、これらの組成、構造の不均一性に起因して、前述の不純物金属を捕捉しやすく、金属汚染の影響を低減する作用があると考えられている。このような破砕層の機能はゲッタリング機能とも呼ばれている。
このように、ウエハの裏面研削終了後、破砕層を除去することで、ウエハの強度は向上するものの、ゲッタリング機能が損なわれ、製品歩留まりが低下する。このため、破砕層を除去後の半導体ウエハ、チップに種々の処理を行うことで、ゲッタリング機能を付与する技術が提案されている(特許文献1,2)。
また、特許文献3には、熱可塑性ポリイミド樹脂および熱硬化性樹脂を含有するフィルム状ダイボンディング用接着剤が記載されている。
特開2005−277116号公報 特開2007−242713号公報 特許第4062941号
しかし、特許文献1,2のように、半導体ウエハ、チップにゲッタリング機能を付与するための処理を施すことは、工程数が増加し、プロセスの煩雑化、コストの上昇を招く。
また、特許文献3に記載のフィルム状ダイボンディング用接着剤では、破砕層の除去された半導体ウエハ、チップにゲッタリング機能を付与することはできない。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであって、半導体ウエハ、チップに工程数が増加し、プロセスが煩雑化するような特別な処理を施すことなく、得られる半導体装置にゲッタリング機能を付与することを目的としている。
本発明者らは、上記課題の解決を目的として鋭意研究した結果、半導体チップの裏面に形成される樹脂膜にゲッタリング機能を付与することで、半導体装置内にゲッタリングサイトを導入できることを着想し、本発明を完成させるに至った。
本発明は、以下の要旨を含む。
〔1〕支持体と、該支持体の剥離面上に形成された樹脂膜とを有し、
該樹脂膜が、熱可塑性ポリイミド樹脂(A)およびゲッタリング剤(B)を含む、チップ用樹脂膜形成用シート。
〔2〕ゲッタリング剤(B)が、重金属不活性化剤(B1)、有機キレート剤(B2)および銅イオン捕捉金属化合物(B3)からなる群から選ばれる〔1〕に記載のチップ用樹脂膜形成用シート。
〔3〕下記により定義されるゲッタリング剤(B)の銅イオン吸着能が30%以上である〔1〕または〔2〕に記載のチップ用樹脂膜形成用シート:
ゲッタリング剤1gを、銅イオン濃度が3ppmの塩化銅水溶液50gに投入し、121℃、2気圧下、24時間放置した後の該銅イオン水溶液の銅イオン濃度を測定し、
銅イオン吸着能=(3ppm−残留銅イオン濃度(ppm))×100/3ppmより銅イオン吸着能を求める。
〔4〕ゲッタリング剤(B)が、有機化合物により修飾されている〔1〕〜〔3〕の何れかに記載のチップ用樹脂膜形成用シート。
〔5〕ゲッタリング剤(B)が、脂肪酸金属塩およびシランカップリング剤からなる群の1種単独または2種以上の組み合わせにより修飾されている〔1〕〜〔4〕の何れかに記載のチップ用樹脂膜形成用シート。
〔6〕該樹脂膜が、さらに熱硬化性樹脂(C)を含有する〔1〕〜〔5〕の何れかに記載のチップ用樹脂膜形成用シート。
〔7〕該樹脂膜を構成する全固形分100質量部あたりゲッタリング剤(B)を1〜35質量部含有する〔1〕〜〔6〕の何れかに記載のチップ用樹脂膜形成用シート。
〔8〕該樹脂膜が、さらに着色剤(E)を含有する〔1〕〜〔7〕の何れかに記載のチップ用樹脂膜形成用シート。
〔9〕該樹脂膜が、半導体ウエハまたはチップの保護膜である〔1〕〜〔8〕の何れかに記載のチップ用樹脂膜形成用シート。
〔10〕表面に回路が形成された半導体ウエハの裏面に、〔1〕〜〔9〕の何れかに記載のチップ用樹脂膜形成用シートの樹脂膜を貼付し、裏面に樹脂膜を有する半導体チップを得ることを特徴とする半導体チップの製造方法。
〔11〕以下の工程(1)、(2)をさらに含み、工程(1)、(2)を任意の順で行うことを特徴とする〔10〕に記載の半導体チップの製造方法;
工程(1):樹脂膜と支持体とを剥離、
工程(2):半導体ウエハと樹脂膜とをダイシング。
〔12〕樹脂膜が熱硬化性樹脂(C)を含有する場合に、さらに以下の工程(3)を含み、工程(1)〜(3)を任意の順で行うことを特徴とする〔11〕に記載の半導体チップの製造方法;
工程(3):樹脂膜を硬化。
半導体チップ裏面に樹脂膜を形成する際に、本発明に係るチップ用樹脂膜形成用シートを用いることで、半導体ウエハ、チップに特別な処理を施すことなく、得られる半導体装置にゲッタリングサイトを導入することが可能になる。
以下、本発明について、その最良の形態も含めてさらに具体的に説明する。本発明に係るチップ用樹脂膜形成用シートは、支持体と、支持体上に形成された樹脂膜とを有する。
(樹脂膜)
樹脂膜は、熱可塑性ポリイミド樹脂(A)およびゲッタリング剤(B)を含む。なお、本発明の樹脂膜は、樹脂膜、および硬化させることにより樹脂膜を得ることのできる樹脂膜の前駆体を含むものである。
(A)熱可塑性ポリイミド樹脂
樹脂膜に耐熱性を付与するために、樹脂膜には熱可塑性ポリイミド樹脂(A)が含まれる。熱可塑性ポリイミド樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは90℃以下、より好ましくは30〜80℃である。熱可塑性ポリイミド樹脂(A)のTgを上記範囲とすることで、樹脂膜に十分な接着性および造膜性を付与できる。また、本発明における熱可塑性ポリイミド樹脂(A)は、常温では粘着性がないものが好ましい。このような熱可塑性ポリイミド樹脂は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させて得ることができ、熱可塑性を有するものが選択して使用される。
このようなポリイミド樹脂の製造に用いられるテトラカルボン酸二無水物としては、1,2−(エチレン)ビス(トリメリテート二無水物)、1,3−(トリメチレン)ビス(トリメリテート二無水物)、1,4−(テトラメチレン)ビス(トリメリテート二無水物)、1,5−(ペンタメチレン)ビス(トリメリテート二無水物)、1,6−(ヘキサメチレン)ビス(トリメリテート二無水物)、1,7−(ヘプタメチレン)ビス(トリメリテート二無水物)、1,8−(オクタメチレン)ビス(トリメリテート二無水物)、1,9−(ノナメチレン)ビス(トリメリテート二無水物)、1,10−(デカメチレン)ビス(トリメリテート二無水物)、1,12−(ドデカメチレン)ビス(トリメリテート二無水物)、1,16−(ヘキサデカメチレン)ビストリメリテート二無水物、1,18−(オクタデカメチレン)ビス(トリメリテート二無水物)、ピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2′,3,3′−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、3,4,3′,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,2′,3−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ナフタレン−テトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレン−テトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロルナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロルナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−テトラクロルナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、フエナンスレン−1,8,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ピラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、チオフエン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,4,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,2′,3′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メチルフェニルシラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェニルジメチルシリル)ベンゼン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシクロヘキサン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリテート無水物)、エチレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、デカヒドロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ビス(エキソ−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプタン−2,3−ジカルボン酸二無水物)スルホン、ビシクロ−(2,2,2)−オクト(7)−エン2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフイド二無水物、1,4−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼンビス(トリメリット酸二無水物)、1,3−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼンビス(トリメリット酸二無水物)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物等があり、2種類以上を混合して用いてもよい。
前記ポリイミド樹脂の製造に使用されるジアミンとしては、1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、4,9−ジオキサドデカン−1,12−ジアミン等の脂肪族ジアミン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3′−ジアミノジフェニルエーテル、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジアミノジフェニルメタン、3,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、3,4′−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、4,4′−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、3,4′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3′−ジアミノジフェニルケトン、3,4′−ジアミノジフェニルケトン、4,4′−ジアミノジフェニルケトン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2′−(3,4′−ジアミノジフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−(3,4′−ジアミノジフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3′−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、3,4′−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、4,4′−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルフィド、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルフィド、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン等の芳香族ジアミンを挙げることができる。
テトラカルボン酸二無水物とジアミンの縮合反応は、有機溶媒中で行う。この場合、テトラカルボン酸二無水物とジアミンは等モル又はほぼ等モルで用いるのが好ましく、各成分の添加順序は任意である。用いる有機溶媒としては、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリルアミド、m−クレゾール、o−クロルフェノール等がある。反応温度は80℃以下、好ましくは0〜50℃である。反応が進行するにつれ反応液の粘度が徐々に上昇する。この場合、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸が生成する。
ポリイミドは、上記反応物(ポリアミド酸)を脱水閉環させて得ることができる。脱水閉環は120〜250℃で熱処理する方法や化学的方法を用いて行うことができる。 120〜250℃で熱処理する方法の場合、脱水反応で生じる水を系外に除去しながら行うことが好ましい。この際、ベンゼン、トルエン、キシレン等を用いて水を共沸除去してもよい。なお、本発明においてポリイミド樹脂とは、ポリイミド及びその前駆体を総称する。ポリイミドの前駆体には、ポリアミド酸のほか、ポリアミド酸が部分的にイミド化したものがある。
化学的方法で脱水閉環させる場合は、閉環剤として無水酢酸、無水プロピオン酸、無水安息香酸の酸無水物、ジシクロヘキシルカルボジイミド等のカルボジイミド化合物等を用いる。このとき必要に応じてピリジン、イソキノリン、トリメチルアミン、アミノピリジン、イミダゾール等の閉環触媒を用いてもよい。閉環剤又は閉環触媒は、テトラカルボン酸二無水物1モルに対し、それぞれ 1〜8モルの範囲で使用するのが好ましい。
(B)ゲッタリング剤
ゲッタリング剤(B)は、銅イオンなどの金属イオンを捕捉する作用を有する限り特に限定はされないが、好ましくは重金属不活性化剤(B1)、有機キレート剤(B2)および銅イオン捕捉金属化合物(B3)からなる群から選ばれる少なくとも1種が用いられる。樹脂膜にゲッタリング剤(B)を配合することで、樹脂膜にはゲッタリング機能が付与され、半導体装置内にゲッタリングサイトが導入される。
(B1)重金属不活性化剤
重金属不活性化剤は、触媒残渣などの金属によって、プラスチックが劣化することを防止するために、各種のプラスチックに少量配合される添加剤である。重金属不活性化剤は、金属成分を捕捉することで、その作用を軽減しプラスチックの劣化を防止していると考えられている。このような重金属不活性化剤としては、無機系あるいは有機系の各種不活性化剤が知られているが、本発明では、有機系重金属不活性化剤を使用することが好ましい。有機系重金属不活性化剤は、樹脂膜中における分散性に優れる。
このような重金属不活性化剤としては、特に分子の一部に下記の構造を有する化合物が好ましく使用される。
Figure 0005972551
上記式において、Rは、水素、またはヘテロ原子を含有していてもよい炭化水素骨格であり、特に窒素原子および/または酸素原子を含有する炭化水素骨格であることが好ましい。
このような重金属不活性化剤の特に好ましい例としては、下記化合物が挙げられる。
3-(N-サリチロイル)アミノ-1,2,4-トリアゾール(ADEKA社製、CDA-1、CAS No. 36411-52-6)
Figure 0005972551
デカメチレンジカルボキシジサリチロイルヒドラジド(ADEKA社製、CDA-6、CAS No.63245-38-5)
Figure 0005972551
(B2)有機キレート剤
有機キレート剤(B2)は、複数の配位子を有する有機化合物であれば特に限定されないが、多価カルボン酸を官能基として有し、その酸価が100〜600mg/gであることが好ましく、260〜330mg/gであることがより好ましい。有機キレート剤(B2)の酸価が100mg/gよりも小さいと、目的とするゲッタリング機能が不十分であり、600mg/gよりも大きいと塩基系熱硬化剤と相互作用を起こす場合がある。
また、有機キレート剤(B2)の示差走査熱分析(TG/DTA)による質量減少開始温度は、190℃以上であることが好ましく、196℃以上がより好ましい。有機キレート剤(B2)の示差走査熱分析(TG/DTA)による質量減少開始温度が190℃より低いと、半導体装置の耐IRリフロー性が低下することがある。
(B3)銅イオン捕捉金属化合物
銅イオン捕捉金属化合物の金属種としては、Li、Be、Na、Mg、Al、K、Ca、Zr、Sb、Bi等の金属または半金属が挙げられる。これらの中でも、銅よりも軽元素であるものが好ましい。銅よりも軽元素の金属種からなる金属化合物を用いることで、銅イオン捕捉金属化合物由来の重金属で半導体装置が汚染されることを防止できる。さらに、上記の金属種の中でも、金属種は2〜17族に属し、かつ2〜5周期に属する金属または半金属の単独または2種以上の組合せであることが好ましく、MgおよびAlからなる群から選ばれる単独または2種の組み合わせであることが好ましい。金属種が2〜17族に属し、かつ2〜5周期に属する金属または半金属であることで、NaやK等の1族に属する金属元素と比較して半導体装置に対する不具合を与えにくくすることができる。また、MgとAlは、ハイドロタルサイトと呼ばれる重金属を捕捉する機能を有する層状の化合物を形成することができる。
銅イオン捕捉金属化合物としては、上記の金属種を含む酸化物、水酸化物、硝酸塩および炭酸塩等が挙げられる。金属化合物の具体例としては、アンチモン酸化物、ビスマス酸化物、およびこれらの混合物、ならびにマグネシウム・アルミニウム系酸化物であるハイドロタルサイトおよびその焼成物が挙げられる。なお、ハイドロタルサイト中のAlは、Cr またはFeに置換されていてもよい。
また、銅イオン捕捉金属化合物の表面を有機化合物により修飾したものをゲッタリング剤(B)として用いることもできる。表面を有機化合物により修飾された銅イオン捕捉金属化合物を用いることで、樹脂膜中におけるゲッタリング剤(B)の分散性が向上し、樹脂膜中でゲッタリング剤(B)の偏在を抑制できる。その結果、樹脂膜の表面にゲッタリング剤(B)が均一に分布し、樹脂膜の銅イオン捕捉性能を向上させることができる。また、チップ用樹脂膜形成用シートをシート状に加工する際の加工性に優れると共に、樹脂膜の平滑性が向上する。
有機化合物としては、カップリング剤や脂肪酸金属塩からなる群から選ばれる単独または2種以上の組合せであることが好ましい。
カップリング剤としては、シランカップリング剤を用いることが好ましい。シランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−6−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−6−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、イミダゾールシランなどが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上混合して使用することができる。
脂肪酸金属塩の金属種は、銅よりも軽元素であることが好ましい。銅よりも軽元素である金属種を含む脂肪酸金属塩を用いることで、脂肪酸金属塩より析出する重金属による半導体装置汚染を防ぐ事が出来る。
さらに、上記に挙げた中でも、金属種は2〜13族に属し、かつ2〜5周期に属する金属の単独または2種以上の組み合わせであることが好ましい。さらに、金属種はCaおよびMgからなる群から選ばれる単独または2種以上の組み合わせであることが好ましい。金属種として、2〜13族に属し、かつ2〜5周期に属する金属を用いることで、1族に属する金属と比較して移動性が低いため、半導体の破損や誤作動等の悪影響が出る可能性が低くなる。脂肪酸金属塩として具体的には、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸リチウム、ラウリン酸カリウム、ラウリン酸マグネシウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸バリウム、ラウリン酸亜鉛、リシノール酸リチウム、リシノール酸カリウム、リシノール酸マグネシウム、リシノール酸カルシウム、リシノール酸バリウム、リシノール酸亜鉛、オクチル酸リチウム、オクチル酸カリウム、オクチル酸マグネシウム、オクチル酸カルシウム、オクチル酸バリウム、オクチル酸亜鉛、12−ヒドロキシシステアリン酸亜鉛、12−ヒドロキシシステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシシステアリン酸マグネシウム、パラターシャリーブチル安息香酸亜鉛、パラターシャリーブチル安息香酸バリウム、ステアリルアシッドホスフェイト、ジンクステアリルアシッドホスフェイト、ジンクベヘニルアシッドホスフェイトが挙げられる。
銅イオン捕捉金属化合物をカップリング剤により表面修飾する方法としては、溶媒中に銅イオン捕捉金属化合物とカップリング剤を加え、ディスパーやボールミルなどの高剪断力混合機を用いて均一に混合した後、溶媒を除去して、表面修飾された銅イオン捕捉金属化合物を得る方法が挙げられる。なお、上記の方法においては、溶媒中に銅イオン捕捉金属化合物とカップリング剤を加え、高剪断力混合機を用いて均一に混合した後、溶媒を除去せずにゲッタリング剤(B)として用いてもよい。
銅イオン捕捉金属化合物を脂肪酸金属塩により表面修飾する方法としては、一般的に湿式処理法または乾式処理法を利用することが出来る。
湿式処理法としては、溶媒中に銅イオン捕捉金属化合物と脂肪酸金属塩を加え、ディスパーやボールミルなどの高剪断力混合機を用いて均一に混合した後、溶媒を除去して、表面修飾された銅イオン捕捉金属化合物を得る方法が挙げられる。なお、湿式処理法においては、溶媒中に銅イオン捕捉金属化合物と脂肪酸金属塩を加え、高剪断力混合機を用いて均一に混合した後、溶媒を除去せずにゲッタリング剤(B)として用いてもよい。
また、乾式処理法としては、銅イオン捕捉金属化合物をジェットミルなどの流体エネルギー粉砕機で粉砕する際に、脂肪酸金属塩を添加することにより、表面修飾された銅イオン捕捉金属化合物を得る方法が挙げられる。流体としては、通常は圧縮空気、加熱圧縮空気、スチーム等が用いられる。なお、乾式処理法においては、事前に脂肪酸金属塩を溶媒に溶解した溶液を用いることもできる。
ゲッタリング剤(B)は、上記の1種単独でまたは2種以上混合して使用することができる。また、ゲッタリング剤(B)の配合量は、樹脂膜を構成する全固形分100質量部あたり、好ましくは1〜35質量部、さらに好ましくは10〜35質量部、特に好ましくは20〜30質量部である。ゲッタリング剤(B)の配合量が少なすぎる場合には、目的とするゲッタリング機能が不十分になり、配合量が多すぎる場合には、ウエハに対するチップ用樹脂膜形成用シートの接着性能が損なわれることがある。
このようなゲッタリング剤(B)を、半導体チップの樹脂膜に配合することで、半導体装置内にゲッタリングサイトを導入できる。このため、ウエハ内に蓄積された不純物金属が、リフローなどの加熱条件下において移動した場合であっても、樹脂膜中のゲッタリング剤(B)により捕捉されるため、回路表面でマイグレーションが起こることはない。
ゲッタリング剤(B)のゲッタリング機能は、たとえば下記の銅イオン吸着能により評価することができる。
すなわち、ゲッタリング剤1gを、超純水1lに関東化学社製塩化銅(II)二水和物0.805gを溶解し、さらに100倍に希釈して作成した銅イオン濃度が3ppmの塩化銅水溶液50gに投入し、この水溶液を、121℃、2気圧下で、24時間放置した後に該銅イオン水溶液の銅イオン濃度(残留銅イオン濃度)を測定し、初期銅イオン濃度(3ppm)と、残留銅イオン濃度(ppm)とから、下記式により銅イオン吸着能を評価する。
銅イオン吸着能(%)=(3ppm−残留銅イオン濃度(ppm))×100/3ppm
銅イオン吸着能は、ゲッタリング剤に捕捉(吸着または吸収)された銅イオン量の比率を示し、銅イオン吸着能が高いほど、ゲッタリング機能が高いと考えられる。本発明で使用するゲッタリング剤(B)の銅イオン吸着能は、好ましくは30%以上であり、さらに好ましくは50%以上、特に好ましくは95%以上である。
また、ゲッタリング機能は、ゲッタリング剤単位重量当たりに吸着される銅イオンの吸着量(以下、「銅イオン吸着率」と呼ぶ)によっても評価することができる。具体的には、上記と同様にゲッタリング剤を銅イオン水溶液に投入し、下記式にて銅イオン吸着率を求める。
銅イオン吸着率(%)=(3ppm−残留銅イオン濃度(ppm))×溶液量(g)×10−6×100/試料重量(g)
本発明で使用するゲッタリング剤(B)の銅イオン吸着率は、好ましくは0.003%以上であり、さらに好ましくは0.01%以上、特に好ましくは0.013%以上である。
ゲッタリング剤(B)は、一般に粒径が小さいほど、重量当たりの表面積がひろくなるため、不純物金属を捕捉しやすくなり、ゲッタリング機能が高くなる。また、一般に粒径が小さいほど、薄厚のシート形成は容易となる。したがって、本発明で使用するゲッタリング剤(B)の平均粒径は、好ましくは1nm〜30μm、さらに好ましくは5nm〜10μm、特に好ましくは10nm〜1μmの範囲にある。
原材料の状態で粒子径が大きい場合は適当な方法(ボールミル、3本ロール等)によって、事前または他の成分との混合時に粉砕する。
なお、ゲッタリング剤(B)の平均粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、100個の粒子から算術平均を求めた。粒形が球状でない場合には、最長径を粒径とした。
その他の成分
樹脂膜は、上記の熱可塑性ポリイミド樹脂(A)およびゲッタリング剤(B)に加えて下記成分を含むことができる。
(C)熱硬化性樹脂
樹脂膜には、熱硬化性樹脂(C)を配合することができる。熱硬化性樹脂(C)は、特に限定されないが、エポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂としては、従来公知のエポキシ樹脂を用いることができる。エポキシ樹脂としては、具体的には、多官能系エポキシ樹脂や、ビフェニル化合物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルやその水添物、オルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェニレン骨格型エポキシ樹脂など、分子中に2官能以上有するエポキシ化合物が挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
樹脂膜には、熱可塑性ポリイミド樹脂(A)100質量部に対して、熱硬化性樹脂(C)が、好ましくは0.1〜200質量部含まれ、より好ましくは1〜100質量部含まれる。熱可塑性ポリイミド樹脂(A)がこのような範囲にあることで、樹脂膜の被着体との接着性、樹脂膜の造膜性が維持されやすい。
(D)熱硬化剤
樹脂膜には、熱硬化剤(D)を配合することができる。熱硬化剤(D)は、熱硬化性樹脂(C)、特にエポキシ樹脂に対する硬化剤として機能する。好ましい熱硬化剤としては、1分子中にエポキシ基と反応しうる官能基を2個以上有する化合物が挙げられる。その官能基としてはフェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基および酸無水物などが挙げられる。これらのうち好ましくはフェノール性水酸基、アミノ基、酸無水物などが挙げられ、さらに好ましくはフェノール性水酸基、アミノ基が挙げられる。さらに好ましくはフェノール性水酸基、アミノ基が挙げられる。
フェノール系硬化剤の具体的な例としては、多官能系フェノール樹脂、ビフェノール、ノボラック型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン系フェノール樹脂、ザイロック型フェノール樹脂、アラルキルフェノール樹脂が挙げられる。アミン系硬化剤の具体的な例としては、DICY(ジシアンジアミド)が挙げられる。これらは、1種単独で、または2種以上混合して使用することができる。
熱硬化剤(D)の含有量は、熱硬化性樹脂(C)100質量部に対して、0.01〜90質量部であることが好ましく、0.1〜50質量部であることがより好ましい。熱硬化剤(D)の含有量が少ないと硬化不足で接着性が得られないことがあり、過剰であると樹脂膜の吸湿率が高まり半導体装置の信頼性を低下させることがある。
(E)着色剤
樹脂膜には、着色剤(E)を配合することができる。着色剤を配合することで、半導体装置を機器に組み込んだ際に、周囲の装置から発生する赤外線等による半導体装置の誤作動を防止することができる。着色剤としては、有機または無機の顔料および染料が用いられる。これらの中でも電磁波や赤外線遮蔽性の点から黒色顔料が好ましい。黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化鉄、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等が用いられるが、これらに限定されることはない。半導体装置の信頼性を高める観点からは、カーボンブラックが特に好ましい。着色剤(E)の配合量は、樹脂膜を構成する全固形分100質量部あたり、好ましくは0.1〜35質量部、さらに好ましくは0.5〜25質量部、特に好ましくは1〜15質量部である。
(F)硬化促進剤
硬化促進剤(F)は、樹脂膜の硬化速度を調整するために用いられる。硬化促進剤(F)は、特に、熱硬化性樹脂(C)としてエポキシ樹脂を用い、エポキシ樹脂と熱硬化剤(D)とを併用する場合に好ましく用いられる。
好ましい硬化促進剤としては、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの3級アミン類;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールなどのイミダゾール類;トリブチルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類;テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレートなどのテトラフェニルボロン塩などが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上混合して使用することができる。
硬化促進剤(F)は、熱硬化性樹脂(C)100質量部に対して、好ましくは0.01〜50質量部、さらに好ましくは0.1〜20質量部の量で含まれる。硬化促進剤(F)を上記範囲の量で含有することにより、高温度高湿度下に曝されても優れた接着特性を有し、厳しいリフロー条件に曝された場合であっても高い信頼性を達成することができる。硬化促進剤(F)の含有量が少ないと硬化不足で十分な接着特性が得られず、過剰であると高い極性をもつ硬化促進剤は高温度高湿度下で樹脂膜中を接着界面側に移動し、偏析することにより半導体装置の信頼性を低下させる。
(G)後添加カップリング剤
後添加カップリング剤(G)は、チップ用樹脂膜用組成物からなる樹脂膜のチップに対する接着性、密着性を向上させるために、上述したゲッタリング剤(B)を表面修飾する目的とは別に、熱可塑性ポリイミド樹脂(A)、ゲッタリング剤(B)、および他の任意成分の混合に際して、すなわちゲッタリング剤(B)の修飾よりも後に添加するものである。このような後添加カップリング剤(G)を使用することで、樹脂膜の耐熱性を損なうことなく、その耐水性を向上することができる。
後添加カップリング剤(G)としては、熱可塑性ポリイミド樹脂(A)、熱硬化性樹脂(C)や熱硬化剤(D)などが有する官能基と反応する基を有する化合物が好ましく使用される。後添加カップリング剤(G)としては、シランカップリング剤が望ましい。このようなカップリング剤としてはγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−6−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−6−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、イミダゾールシランなどが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上混合して使用することができる。
後添加カップリング剤(G)は、熱可塑性ポリイミド樹脂(A)、熱硬化性樹脂(C)および熱硬化剤(D)の合計100質量部に対して、通常0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜10質量部、より好ましくは0.3〜5質量部の割合で含まれる。後添加カップリング剤(G)の含有量が0.1質量部未満だと上記の効果が得られない可能性があり、20質量部を超えるとアウトガスの原因となる可能性がある。
(H)無機充填材
無機充填材(H)を樹脂膜に配合することにより、樹脂膜における熱膨張係数を調整することが可能となり、半導体チップに対して樹脂膜の熱膨張係数を最適化することで半導体装置の信頼性を向上させることができる。また、樹脂膜の吸湿率を低減させることも可能となる。
好ましい無機充填材としては、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、ベンガラ、炭化珪素、窒化ホウ素等の粉末、これらを球形化したビーズ、単結晶繊維およびガラス繊維等が挙げられる。これらのなかでも、シリカフィラーが好ましい。上記無機充填材(H)は単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。無機充填材(H)の含有量は、樹脂膜を構成する全固形分100質量部あたり、通常1〜80質量部の範囲で調整が可能である。
(I)エネルギー線重合性化合物
樹脂膜において、エネルギー線重合性化合物(I)が配合されていてもよい。エネルギー線重合性化合物(I)は、エネルギー線重合性基を含み、紫外線、電子線等のエネルギー線の照射を受けると重合硬化する。このようなエネルギー線重合性化合物(I)として具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートあるいは1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、オリゴエステルアクリレート、ウレタンアクリレート系オリゴマー、エポキシ変性アクリレート、ポリエーテルアクリレートおよびイタコン酸オリゴマーなどのアクリレート系化合物が挙げられる。このような化合物は、分子内に少なくとも1つの重合性二重結合を有し、通常は、重量平均分子量が100〜30000、好ましくは300〜10000程度である。エネルギー線重合性化合物(I)の配合量は、特に限定はされないが、樹脂膜を構成する全固形分100質量部あたり、1〜50質量部程度の割合で用いることが好ましい。
(J)光重合開始剤
樹脂膜が、前述したエネルギー線重合性化合物(I)を含有する場合には、その使用に際して、紫外線等のエネルギー線を照射して、エネルギー線重合性化合物を硬化させる。この際、樹脂膜中に光重合開始剤(J)を含有させることで、重合硬化時間ならびに光線照射量を少なくすることができる。
このような光重合開始剤(J)として具体的には、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾインジメチルケタール、2,4−ジエチルチオキサンソン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンジル、ジベンジル、ジアセチル、1,2−ジフェニルメタン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドおよびβ−クロールアンスラキノンなどが挙げられる。光重合開始剤(J)は1種類単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
光重合開始剤(J)の配合割合は、エネルギー線重合性化合物(I)100質量部に対して0.1〜10質量部含まれることが好ましく、1〜5質量部含まれることがより好ましい。0.1質量部未満であると光重合の不足で満足な転写性が得られないことがあり、10質量部を超えると光重合に寄与しない残留物が生成し、樹脂膜の硬化性が不十分となることがある。
(K)非ポリイミド系熱可塑性樹脂
樹脂膜には、熱可塑性ポリイミド樹脂(A)のほか、ポリイミド以外の樹脂からなる非ポリイミド系熱可塑性樹脂(K)を配合してもよい。非ポリイミド系熱可塑性樹脂(K)は、樹脂膜の可とう性を保持するために配合される。非ポリイミド系熱可塑性樹脂(K)としては、重量平均分子量が1000〜10万のものが好ましく、3000〜8万のものがさらに好ましい。上記範囲の非ポリイミド系熱可塑性樹脂(K)を含有することにより、半導体ウエハまたはチップへの樹脂膜の転写時における支持体と樹脂膜との層間剥離を容易に行うことができ、さらに転写面に樹脂膜が追従しボイドなどの発生を抑えることができる。
非ポリイミド系熱可塑性樹脂(K)のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは−30〜150℃、さらに好ましくは−20〜120℃の範囲にある。非ポリイミド系熱可塑性樹脂(K)のTgが低過ぎると樹脂膜と支持体との密着性が昂進して樹脂膜の転写不良が起こることがあり、高過ぎると樹脂膜とチップとの接着力が不十分となるおそれがある。
非ポリイミド系熱可塑性樹脂(K)としては、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリスチレンなどが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上混合して使用することができる。
非ポリイミド系熱可塑性樹脂(K)は、熱可塑性ポリイミド樹脂(A)、熱硬化性樹脂(C)および熱硬化剤(D)の合計100質量部に対して、通常1〜300質量部、好ましくは1〜100質量部の割合で含まれる。熱可塑性樹脂(K)の含有量がこの範囲にあることにより、上記の効果を得ることができる。
(L)汎用添加剤
樹脂膜には、上記の他に、必要に応じて各種添加剤が配合されてもよい。各種添加剤としては、可塑剤、帯電防止剤、酸化防止剤などが挙げられる。
上記のような各成分からなる樹脂膜は、接着性と熱可塑性とを有し、未硬化状態では半導体ウエハ、チップ等に押圧することで容易に接着する。そして硬化を経て最終的には耐衝撃性の高い樹脂膜を与えることができ、接着強度にも優れ、厳しい高温度高湿度条件下においても十分な保護機能を保持し得る。
なお、樹脂膜は単層構造であってもよく、また上記成分を含む層を1層以上含む限りにおいて多層構造であってもよい。さらに、樹脂膜が、厚み方向に対してゲッタリング剤(B)の濃度勾配を有してもよい。
(チップ用樹脂膜形成用シート)
樹脂膜は、上記各成分を適宜の割合で、適当な溶媒中で混合してなる樹脂膜用組成物を、支持体上に塗布乾燥して得られる。また、支持体とは別の工程フィルム上に樹脂膜用組成物を塗布、乾燥して成膜し、これを支持体上に転写してもよい。
本発明に係るチップ用樹脂膜形成用シートは、上記樹脂膜を支持体上に剥離可能に形成してなる。本発明に係るチップ用樹脂膜形成用シートの形状は、テープ状や、支持体上において樹脂膜を被着体(半導体ウエハ等)に接着するのに適した形状に予め裁断して担持させた形状などのあらゆる形状をとり得る。支持体としては、たとえば剥離シートを用いることができる。
剥離シートとしては、たとえば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルムなどの透明フィルムが用いられる。またこれらの架橋フィルムも用いられる。さらにこれらの積層フィルムであってもよい。また、これらを着色したフィルム、不透明フィルムなどを用いることができる。
本発明のチップ用樹脂膜形成用シートにおいては、その使用に際して、支持体から樹脂膜を半導体ウエハまたはチップに転写する。特に樹脂膜を加熱した後に支持体としての剥離シートを剥離する場合には、剥離シートは加熱に耐える必要があるため、耐熱性に優れたポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリイミドフィルムが好ましく用いられる。樹脂膜と剥離シートとの間での剥離を容易にするため、剥離シートの表面張力は、好ましくは40mN/m以下、さらに好ましくは37mN/m以下、特に好ましくは35mN/m以下である。下限値は通常25mN/m程度である。このような表面張力が低い基材は、材質を適宜に選択して得ることが可能であるし、また基材の表面に剥離剤を塗布して剥離処理を施すことで得ることもできる。
剥離処理に用いられる剥離剤としては、アルキッド系、シリコーン系、フッ素系、不飽和ポリエステル系、ポリオレフィン系、ワックス系などが用いられるが、特にアルキッド系、シリコーン系、フッ素系の剥離剤が耐熱性を有するので好ましい。
上記の剥離剤を用いてシートの表面を剥離処理するためには、剥離剤をそのまま無溶剤で、または溶剤希釈やエマルション化して、グラビアコーター、メイヤーバーコーター、エアナイフコーター、ロールコーターなどにより塗布して、常温もしくは加熱または電子線硬化させたり、ウェットラミネーションやドライラミネーション、熱溶融ラミネーション、溶融押出ラミネーション、共押出加工などで積層体を形成すればよい。
また、支持体としては、樹脂膜が剥離できる程度に弱い粘着力を有する粘着剤を基材の表面に塗布した粘着シートを用いてもよい。また、樹脂膜にエネルギー線重合性化合物(I)を含む場合には、樹脂膜の硬化のトリガーとなるエネルギー線とは別のエネルギー線を照射することにより、樹脂膜が剥離できる程度に粘着力が低下する粘着剤を基材の表面に塗布した粘着シートを用いてもよい。ただし、粘着シートを支持体として用いる場合、熱が加わる工程があったり、長期に樹脂膜と支持体とが密着していると、樹脂膜と支持体とが固着して剥離できなくなるおそれがあるので、粘着シート以外の支持体を使用することが好ましい。
支持体の厚さは、通常は10〜500μm、好ましくは15〜300μm、特に好ましくは20〜250μm程度である。また、樹脂膜の厚みは、通常は1〜500μm、好ましくは5〜300μm、特に好ましくは10〜150μm程度である。
なお、チップ用樹脂膜形成用シートの使用前に、樹脂膜を保護するために、樹脂膜の上面に、前記剥離シートとは別に、軽剥離性の剥離フィルムを積層しておいてもよい。
(半導体チップの製造方法)
次に本発明に係るチップ用樹脂膜形成用シートの利用方法について、該シートを半導体チップの製造に適用した場合を例にとって説明する。
本発明に係る半導体チップの製造方法は、表面に回路が形成された半導体ウエハの裏面に、上記チップ用樹脂膜形成用シートの樹脂膜を貼付し、裏面に樹脂膜を有する半導体チップを得ることを特徴とする。該樹脂膜は、半導体ウエハまたは半導体チップの保護膜であることが好ましい。また、本発明に係る半導体チップの製造方法は、好ましくは、以下の工程(1)、(2)をさらに含み、工程(1)、(2)を任意の順で行うことを特徴としている。
工程(1):樹脂膜と支持体とを剥離、
工程(2):半導体ウエハと樹脂膜とをダイシング。
また、本発明に係る半導体チップの製造方法においては、樹脂膜が熱硬化性樹脂(C)を含有する場合に、さらに以下の工程(3)を含み、工程(1)〜(3)を任意の順で行うことが好ましい。
工程(3):樹脂膜を硬化。
半導体ウエハはシリコンウエハであってもよく、またガリウム・砒素などの化合物半導体ウエハであってもよい。ウエハ表面への回路の形成はエッチング法、リフトオフ法などの従来より汎用されている方法を含む様々な方法により行うことができる。次いで、半導体ウエハの回路面の反対面(裏面)を研削する。研削法は特に限定はされず、グラインダーなどを用いた公知の手段で研削してもよい。裏面研削時には、表面の回路を保護するために回路面に、表面保護シートと呼ばれる粘着シートを貼付する。裏面研削は、ウエハの回路面側(すなわち表面保護シート側)をチャックテーブル等により固定し、回路が形成されていない裏面側をグラインダーにより研削する。ウエハの研削後の厚みは特に限定はされないが、通常は20〜500μm程度である。
その後、必要に応じ、裏面研削時に生じた破砕層を除去する。破砕層の除去は、ケミカルエッチングや、プラズマエッチングなどにより行われる。破砕層の除去によりウエハが有していたゲッタリング機能は低下するが、本発明のチップ用樹脂膜形成用シートを使用することで、得られる半導体装置にはゲッタリング機能が付与される。したがって、本発明の半導体チップの製造方法は、特に破砕層を除去した半導体ウエハに対して好適に適用することができる。すなわち、本発明の半導体チップの製造方法は、破砕層の厚みを50nm以下、さらには30nm以下、特に10nm以下にまで低下させた半導体ウエハに対して好適に適用することができる。
次いで、半導体ウエハの裏面に、上記チップ用樹脂膜形成用シートの樹脂膜を貼付する。その後、工程(1)、(2)を任意の順で行う。支持体が剥離シートである場合の、このプロセスの詳細については、特開2002−280329号公報に詳述されている。一例として、樹脂膜が熱硬化性樹脂(C)を含有し、工程(1)、(3)、(2)の順で行う場合について説明する。
まず、表面に回路が形成された半導体ウエハの裏面に、上記チップ用樹脂膜形成用シートの樹脂膜を貼付する。貼付に際して、打ち抜き加工により、樹脂膜を半導体ウエハと同心円状もしくは略同心円状に予め裁断しておくことが好ましい。また、熱圧着により半導体ウエハの裏面に樹脂膜を貼付することが好ましく、具体的には、50〜200℃、0.03〜2MPa、1〜600秒の条件で熱圧着することが好ましい。熱圧着により熱可塑性ポリイミド樹脂(A)が軟化し、ウエハと樹脂膜との接着性が良好になる。次いで樹脂膜を支持体から剥離し、半導体ウエハと樹脂膜との積層体を得る。次いで、樹脂膜に熱硬化性樹脂(C)が含まれている場合には、一般的には熱硬化により樹脂膜を硬化し、ウエハの全面に樹脂膜を形成する。具体的には100〜250℃、10〜600分の条件で樹脂膜を硬化することが好ましい。エネルギー線重合性化合物(I)が配合されている場合には、樹脂膜の硬化を、エネルギー線照射により行うことができ、樹脂膜に熱硬化性樹脂(C)とエネルギー線重合性化合物(I)を併用する場合には、加熱およびエネルギー線照射による硬化を同時に行ってもよく、逐次的に行ってもよい。また、樹脂膜の硬化前に、約30秒間180℃でアニールし、樹脂膜中の残存揮発分を取り除くことが好ましい。この結果、ウエハ裏面に硬化樹脂からなる樹脂膜が形成され、ウエハ単独の場合と比べて強度が向上するので、取扱い時の薄くなったウエハの破損を低減でき、さらに樹脂膜に含まれるゲッタリング剤(B)によりゲッタリング機能が付与される。また、ウエハやチップの裏面に直接樹脂膜用の塗布液を塗布・被膜化するコーティング法と比較して、樹脂膜の厚さの均一性に優れる。
次いで、半導体ウエハと樹脂膜との積層体を、ウエハ表面に形成された回路毎にダイシングする。ダイシングは、ウエハと樹脂膜をともに切断するように行われる。ウエハのダイシングは、ダイシングシートを用いた常法により行われる。この結果、裏面に樹脂膜を有する半導体チップが得られる。
最後に、ダイシングされたチップをコレット等の汎用手段によりピックアップすることで、裏面に樹脂膜を有する半導体チップが得られる。このような本発明によれば、均一性の高い樹脂膜を、チップ裏面に簡便に形成でき、ダイシング工程やパッケージングの後のクラックが発生しにくくなる。さらに得られる半導体装置にはゲッタリング機能が付与されるため、リフロー環境においてもマイグレーションの発生が低減される。そして、半導体チップをフェースダウン方式で所定の基台上に実装することで半導体装置を製造することができる。また、裏面に樹脂膜を有する半導体チップを、ダイパッド部または別の半導体チップなどの他の部材上(チップ搭載部上)に接着することで、半導体装置を製造することもできる。
また、本発明に係るチップ用樹脂膜形成用シートを用いた別の半導体装置の製造方法は、該シートの樹脂膜に半導体ウエハを貼着し、該半導体ウエハをダイシングして半導体チップとし、該半導体チップ裏面に該樹脂膜を固着残存させて支持体から剥離し、該半導体チップをダイパッド部上、または別の半導体チップ上に該樹脂膜を介して載置する工程を含むことを特徴とする。
まず、リングフレームおよび半導体ウエハの裏面側を本発明に係るチップ用樹脂膜形成用シートの樹脂膜上に載置し、軽く押圧し、半導体ウエハを固定する。樹脂膜は、打ち抜き加工により半導体ウエハと同心円状若しくは略同心円状に予め裁断しておくことが好ましい。また、熱圧着により半導体ウエハの裏面に樹脂膜を貼付することが好ましく、具体的には、50〜200℃、0.03〜2MPa、1〜600秒の条件で熱圧着することが好ましい。熱圧着により熱可塑性ポリイミド樹脂(A)が軟化し、ウエハと樹脂膜との接着性が良好になる。次いで、樹脂膜にエネルギー線重合性化合物(I)が配合されている場合には、樹脂膜に支持体側からエネルギー線を照射し、エネルギー線重合性化合物(I)を硬化し、樹脂膜の凝集力を上げ、樹脂膜と支持体との間の接着力を低下させておく。照射されるエネルギー線としては、紫外線(UV)または電子線(EB)等が挙げられ、好ましくは紫外線が用いられる。次いで、ダイシングソーなどの切断手段を用いて、上記の半導体ウエハを切断し半導体チップを得る。この際の切断深さは、半導体ウエハの厚みと、樹脂膜の厚みとの合計およびダイシングソーの磨耗分を加味した深さにする。なお、エネルギー線照射は、半導体ウエハの貼付後、半導体チップの剥離(ピックアップ)前のいずれの段階で行ってもよく、たとえばダイシングの後に行ってもよく、また下記のエキスパンド工程の後に行ってもよい。さらにエネルギー線照射を複数回に分けて行ってもよい。
次いで必要に応じ、チップ用樹脂膜形成用シートのエキスパンドを行うと、半導体チップ間隔が拡張し、半導体チップのピックアップをさらに容易に行えるようになる。この際、樹脂膜と支持体との間にずれが発生することになり、樹脂膜と支持体との間の接着力が減少し、半導体チップのピックアップ性が向上する。このようにして半導体チップのピックアップを行うと、切断された樹脂膜を半導体チップ裏面に固着残存させて支持体から剥離することができる。
次いで樹脂膜を介して半導体チップを、リードフレームのダイパッド上または別の半導体チップ(下段チップ)表面に載置する(以下、チップが搭載されるダイパッドまたは下段チップ表面を「チップ搭載部」と記載する)。チップ搭載部は、半導体チップを載置する前に加熱するか載置直後に加熱される。加熱温度は、通常は80〜200℃、好ましくは100〜180℃であり、加熱時間は、通常は0.1秒〜5分、好ましくは0.5秒〜3分であり、載置するときの圧力は、通常1kPa〜200MPaである。その結果、熱可塑性ポリイミド樹脂(A)が軟化し、樹脂膜とチップ搭載部との接着性が良好になる。
また、樹脂膜に熱硬化性樹脂(C)が含まれる場合には、半導体チップをチップ搭載部に載置した後、必要に応じさらに加熱を行ってもよい。この際の加熱条件は、上記加熱温度の範囲であって、加熱時間は通常1〜600分、好ましくは10〜300分である。該加熱により、樹脂膜が硬化し半導体チップとチップ搭載部とが強固に接着する。
また、樹脂膜に熱硬化性樹脂(C)が含まれる場合には、載置後の加熱処理は行わずに仮接着状態としておき、パッケージ製造において通常行われる樹脂封止での加熱を利用して樹脂膜を硬化させてもよい。このような工程を経ることで、樹脂膜が硬化し、半導体チップとチップ搭載部とを強固に接着することができる。樹脂膜はダイボンド条件下では流動化しているため、チップ搭載部の凹凸にも十分に埋め込まれ、ボイドの発生を防止できパッケージの信頼性が高くなる。なお、樹脂膜の硬化前に、約30秒間180℃でアニールし、樹脂膜中の残存揮発分を取り除くことが好ましい
本発明のチップ用樹脂膜形成用シートは、上記のような使用方法の他、半導体化合物、ガラス、セラミックス、金属などの接着に使用することもできる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例において、<ゲッタリング剤の銅イオン吸着能>、<チップ用樹脂膜形成用シートの銅イオン吸着能>および<質量減少開始温度測定>は次のように行った。
<ゲッタリング剤の銅イオン吸着能>
実施例および比較例で準備したゲッタリング剤1gを、超純水1lに関東化学社製塩化銅(II)二水和物0.805gを溶解し、さらに100倍に希釈して作成した銅イオン濃度が3ppmの塩化銅水溶液50gに投入し、121℃、2気圧、24時間の条件に保った。その後、孔径0.10μmメンブレンフィルターを用いてろ過した。ろ液中の該銅イオン水溶液の残留銅イオン濃度を原子吸光分析法(測定装置:日立製作所社製、原子吸光光度計Z5310、フレーム法)により測定し、初期銅イオン濃度(3ppm)と、残留銅イオン濃度(ppm)とから、下記式により銅イオン吸着能および銅イオン吸着率を算出する。
銅イオン吸着能(%)=(3ppm−残留銅イオン濃度(ppm))×100/3ppm
<チップ用樹脂膜形成用シートの銅イオン吸着能>
実施例および比較例で準備した樹脂膜用組成物1gを、超純水1lに関東化学社製塩化銅(II)二水和物0.805gを溶解し、さらに100倍に希釈して作成した銅イオン濃度が3ppmの塩化銅水溶液50gに投入し、121℃、2気圧、24時間の条件に保った。その後、孔径0.10μmメンブレンフィルターを用いてろ過した。ろ液中の該銅イオン水溶液の残留銅イオン濃度を原子吸光分析法(測定装置:日立製作所社製、原子吸光光度計Z5310、フレーム法)により測定し、初期銅イオン濃度(3ppm)と、残留銅イオン濃度(ppm)とから、下記式により銅イオン吸着能を算出する。
銅イオン吸着能(%)=(3ppm−残留銅イオン濃度(ppm))×100/3ppm
樹脂膜用組成物の銅イオン吸着能が30%以上の場合を「A」、3%以上30%未満の場合を「B」、3%未満の場合を「C」と評価した。
<質量減少開始温度測定>
質量減少開始温度の測定は、示差熱分析装置(島津製作所社製、TG/DTA分析器DTG−60)を用いて行った。実施例および比較例で準備した有機キレート剤を測定試料とし、約10mgの測定試料を精密に秤量した。測定試料を昇温温度10℃/分にて40〜500℃まで昇温し、質量減少開始温度を測定した。
<樹脂膜用組成物>
樹脂膜を構成する各成分を下記に示す。
(A)熱可塑性ポリイミド樹脂:1,12−(ドデカメチレン)ビス(トリメリテート二無水物)1モルに対して、4,9−ジオキサドデカン−1,12−ジアミン 0.5モル、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン 0.5モルを反応させて得られる熱可塑性ポリイミド樹脂
(B)ゲッタリング剤:
(B1)重金属不活性化剤:3-(N-サリチロイル)アミノ-1,2,4-トリアゾール(ADEKA社製、CDA-1、CAS No. 36411-52-6)(銅イオン吸着能99.7%、平均粒径1μm)
(B2)有機キレート剤:多価カルボン酸を官能基として有する有機キレート剤(ナガセケムテックス社製、テークランDO、酸価260〜330mg/g、質量減少開始温度200℃)(銅イオン吸着能95.7%、平均粒径1μm)
(B3)銅イオン捕捉金属化合物:協和化学工業社製KW-2200(マグネシウムとアルミニウムの酸化物からなるハイドロタルサイト)(銅イオン吸着能99.8%、平均粒径1μm)
(B4)MgとAlの酸化物からなるハイドロタルサイト(協和化学工業(株)製KW-2200、平均粒径:1μm、銅イオン吸着能:99.8%、湿式処理法で「シランカップリング剤(信越化学社製 KBE−403)」により表面修飾)
(B5)MgとAlの酸化物からなるハイドロタルサイト(堺化学工業(株)製 STABIACE HT-P、平均粒径:0.3μm、銅イオン吸着能:99.8%、脂肪酸金属塩により表面修飾)
(C)熱硬化性樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、jER828、エポキシ当量235g/eq)
(D)熱硬化剤:ノボラック型フェノール樹脂(DIC製、TD−2131、フェノール性水酸基当量103g/eq)
(E)着色剤:黒色顔料(カーボンブラック、三菱化学社製、#MA650、平均粒径28nm)
(F)硬化促進剤:2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成工業社製、キュアゾール2PHZ−PW)
(実施例および比較例)
上記各成分を表1に記載の量で配合し、その配合物100質量部に対してシクロヘキサノンとジメチルアセトアミドの等重量混合溶剤250質量部を加えて溶解し、樹脂膜用組成物を得た。得られた組成物を、アルキッド系剥離剤により剥離処理したポリエチレンナフタレートフィルム(厚さ38μm、表面張力34dyn/cm)の剥離処理面上に乾燥後20μmの厚みになるように塗布、乾燥(乾燥条件:オーブンにて140℃、3分間)して、剥離シート上に樹脂膜を形成し、チップ用樹脂膜形成用シートを得た。
Figure 0005972551
得られたチップ用樹脂膜形成用シートを用いて<チップ用樹脂膜形成用シートの銅イオン吸着能>を行った。結果を表2に示す。
Figure 0005972551
実施例のチップ用樹脂膜形成用シートは、優れた銅イオン吸着能を示した。この結果から、ゲッタリング剤(B)を樹脂膜に用いることで、高信頼性の半導体チップが得られることが確認された。

Claims (12)

  1. 支持体と、該支持体の剥離面上に形成された樹脂膜とを有し、
    該樹脂膜が、熱可塑性ポリイミド樹脂(A)およびゲッタリング剤(B)を含む、チップ用樹脂膜形成用シート。
  2. ゲッタリング剤(B)が、重金属不活性化剤(B1)、有機キレート剤(B2)および銅イオン捕捉金属化合物(B3)からなる群から選ばれる請求項1に記載のチップ用樹脂膜形成用シート。
  3. 下記により定義されるゲッタリング剤(B)の銅イオン吸着能が30%以上である請求項1または2に記載のチップ用樹脂膜形成用シート:
    ゲッタリング剤1gを、銅イオン濃度が3ppmの塩化銅水溶液50gに投入し、121℃、2気圧下、24時間放置した後の該銅イオン水溶液の銅イオン濃度を測定し、
    銅イオン吸着能=(3ppm−残留銅イオン濃度(ppm))×100/3ppmより銅イオン吸着能を求める。
  4. ゲッタリング剤(B)が、有機化合物により修飾されている請求項1〜3の何れかに記載のチップ用樹脂膜形成用シート。
  5. ゲッタリング剤(B)が、脂肪酸金属塩およびシランカップリング剤からなる群の1種単独または2種以上の組み合わせにより修飾されている請求項1〜4の何れかに記載のチップ用樹脂膜形成用シート。
  6. 該樹脂膜が、さらに熱硬化性樹脂(C)を含有する請求項1〜5の何れかに記載のチップ用樹脂膜形成用シート。
  7. 該樹脂膜を構成する全固形分100質量部あたりゲッタリング剤(B)を1〜35質量部含有する請求項1〜6の何れかに記載のチップ用樹脂膜形成用シート。
  8. 該樹脂膜が、さらに着色剤(E)を含有する請求項1〜7の何れかに記載のチップ用樹脂膜形成用シート。
  9. 該樹脂膜が、半導体ウエハまたはチップの保護膜である請求項1〜8の何れかに記載のチップ用樹脂膜形成用シート。
  10. 表面に回路が形成された半導体ウエハの裏面に、請求項1〜9の何れかに記載のチップ用樹脂膜形成用シートの樹脂膜を貼付し、裏面に樹脂膜を有する半導体チップを得ることを特徴とする半導体チップの製造方法。
  11. 以下の工程(1)、(2)をさらに含み、工程(1)、(2)を任意の順で行うことを特徴とする請求項10に記載の半導体チップの製造方法;
    工程(1):樹脂膜と支持体とを剥離、
    工程(2):半導体ウエハと樹脂膜とをダイシング。
  12. 樹脂膜が熱硬化性樹脂(C)を含有する場合に、さらに以下の工程(3)を含み、工程(1)〜(3)を任意の順で行うことを特徴とする請求項11に記載の半導体チップの製造方法;
    工程(3):樹脂膜を硬化。
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