JP5093026B2 - 接着シートならびに半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

接着シートならびに半導体装置およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、接着シート、それを使用した半導体装置およびその製造方法に関する。
従来、半導体素子と半導体素子搭載用支持部材の接合には銀ペーストが主に使用されていた。しかし、近年の半導体素子の小型化・高性能化に伴い、使用される支持部材にも小型化・細密化が要求されるようになってきている。こうした要求に対して、銀ペーストでは、はみ出しや半導体素子の傾きに起因するワイヤボンディング時における不具合の発生、接着剤層の膜厚の制御困難性、および接着剤層のボイド発生などにより前記要求に対処しきれなくなってきている。そのため、前記要求に対処するべく、近年、フィルム状の接着剤が使用されるようになってきた。
このフィルム状接着剤は、個片貼付け方式あるいはウェハ裏面貼付け方式において使用されている。前者の個片貼付け方式のフィルム状接着剤を用いて半導体装置を製造する場合、リール状の接着フィルムをカッティングあるいはパンチングによって個片に切り出した後その個片を支持部材に接着し;前記フィルム状接着剤付き支持部材にダイシング工程によって個片化された半導体素子を接合して半導体素子付き支持部材を作製し;その後必要に応じてワイヤボンド工程、封止工程などを経ることによって半導体装置が得られることとなる。しかし、前記個片貼付け方式のフィルム状接着剤を用いるためには、接着フィルムを切り出して支持部材に接着する専用の組立装置が必要であることから、銀ペーストを使用する方法に比べて製造コストが高くなるという問題があった。
一方、後者のウェハ裏面貼付け方式のフィルム状接着剤を用いて半導体装置を製造する場合、まず半導体ウェハの裏面にフィルム状接着剤を貼付けさらにフィルム状接着剤の他面にダイシングテープを貼り合わせ;その後前記ウェハからダイシングによって半導体素子を個片化し;個片化したフィルム状接着剤付き半導体素子をピックアップしそれを支持部材に接合し;その後の加熱、硬化、ワイヤボンドなどの工程を経ることにより半導体装置が得られることとなる。このウェハ裏面貼付け方式のフィルム状接着剤は、フィルム状接着剤付き半導体素子を支持部材に接合するためフィルム状接着剤を個片化する装置を必要とせず、従来の銀ペースト用の組立装置をそのままあるいは熱盤を付加するなどの装置の一部を改良することにより使用できる。そのため、フィルム状接着剤を用いた組立方法の中で製造コストが比較的安く抑えられる方法として注目されている。
このウェハ裏面貼付け方式のフィルム状接着剤と共に用いられるダイシングテープは、感圧型とUV型ダイシングテープに大別される。前者の感圧型ダイシングテープは、通常、ポリ塩化ビニル系やポリオレフィン系のベースフィルムに粘着剤を塗布したものである。このダイシングテープは、ダイシング工程における切断時にはダイシングソウによる回転で各素子が飛散しないような十分な粘着力が求められ、ピックアップ時には各素子に接着剤が付着することなくまた素子を傷つけないようにするためにピックアップできる程度の低い粘着力が求められる。ところが、前記のような相反する2つの性能を充分併せ持つ感圧型ダイシングテープがなかったことより、各工程毎にダイシングテープを切替える作業が行われていた。また素子のサイズや加工条件にあった各種の粘着力を有する多種多様のダイシングテープが必要になることから接着シートの在庫管理が複雑化していた。さらに、近年、特にCPUやメモリの大容量化が進んだ結果半導体素子が大型化する傾向にあり、またICカードあるいはメモリーカードなどの製品にあっては使用されるメモリの薄型化が進んでいる。これらの半導体素子の大型化や薄型化に伴い、前記感圧型ダイシングテープでは、ダイシング時の固定力(高粘着力)とピックアップ時の剥離力(低粘着力)という相反する要求を満足できなくなりつつある。
一方、後者のUV型ダイシングテープはダイシング時には高粘着力を有するものの、ピックアップする前に紫外線(UV)を照射することにより低粘着力になる。そのため、前記感圧型テープが有する課題が改善されることより、ダイシングテープとして広く採用されるに至っている。
このUV型ダイシングテープを用いることにより前記感圧型ダイシングテープの課題は改善されるものの、ウェハ裏面貼付け方式のフィルム状接着剤にはさらに改善すべき課題が残されていた。即ち、ウェハ裏面貼付け方式のフィルム状接着剤を用いる方法にあっては、前記ダイシング工程までに、フィルム状接着剤とダイシングテープを貼付するといった2つの貼付工程が必要であったことから、作業工程の簡略化が求められていた。
本発明は、上記した従来技術の問題に鑑み、ダイシング工程ではダイシングテープとして作用し、半導体素子と支持部材との接合工程では接続信頼性に優れる接着シートを提供することを目的とする。また、この接着シートは、半導体素子搭載用支持部材に熱膨張係数の差が大きい半導体素子を実装する場合に要求される耐熱性および耐湿性を有し、かつ作業性に優れる接着シートである。本発明は、さらに、半導体装置の製造工程を簡略化できる製造方法を提供することを目的とする。
本願は以下の発明に関する。
(1)(A)エポキシ基含有(メタ)アクリル共重合体またはポリイミド樹脂、(B)熱硬化性樹脂及び(C)放射線照射によって硬化性を発現する化合物を含有する粘接着剤層を有する接着シートである接着シートであって、(C)放射線によって硬化性を発現する化合物がポリエーテル系ビスマレイミド酢酸エステルである接着シート。
(2)ポリエーテル系ビスマレイミド酢酸エステルが下記式(1)で示される接着シート。
Figure 0005093026
(式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基、n=1〜10)
(3)ポリエーテル系ビスマレイミド酢酸エステルの数平均分子量が1000以下である接着シート。
(4)式(I)中のRはCH2CH2CH2CH2である接着シート。
(5)式(I)中のnは2〜5である接着シート。
(6)(B)熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤である接着シート。
(7)エポキシ基含有(メタ)アクリル共重合体が、エポキシ基含有反復単位を0.5〜6重量%含有するものである接着シート。
(8)粘接着剤層が、エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤を100重量部、エポキシ基含有(メタ)アクリル共重合体を10〜400重量部、及びポリエーテル系ビスマレイミド酢酸エステルを0.1〜200重量部含有する接着シート。
(9)接着剤層が、25℃で10〜2000MPa、および260℃で3〜50MPaの加熱硬化後の貯蔵弾性率を有する接着シート。
(10)さらに、基材を有する接着シート。
(11)粘接着剤層と基材との間の接着力が放射線の照射により制御されるものである接着シート。
(12)接着シートを用いて半導体素子と半導体搭載用支持部材とを接着した半導体装置。
(13)(a)粘接着剤層と基材層とを有する接着シートを、粘接着剤層を挟んで半導体ウェハ上に設けることにより接着シート付き半導体ウェハを得る工程と、(b)接着シート付きウェハをダイシングして接着シート付き半導体素子を得る工程と、(c)接着シートに放射線を照射して粘接着剤層の基材層に対する接着力を低減し、かつ基材層を剥離して粘接着剤層付き半導体素子を得る工程と、(d)粘接着剤層付き半導体素子と半導体素子搭載用の支持部材とを粘接着剤層を介して接着する工程と、を含む半導体装置の製造方法。
本発明の接着シートは、ダイシング工程ではダイシングテープとして、半導体素子と支持部材の接合工程では接続信頼性に優れる接着剤として使用することができ、また、半導体搭載用支持部材に熱膨張係数の差が大きい半導体素子を実装する場合に必要な耐熱性、耐湿性を有し、かつ作業性に優れるものである。また、本発明の接着シートを使用した半導体装置の製造方法は、製造工程を簡略化でき、しかも製造した半導体装置は、半導体搭載用支持部材に熱膨張係数の差が大きい半導体素子を実装する場合に必要な耐熱性、耐湿性および作業性を兼ね備えるものである。
本発明の接着シートは、(A)熱可塑性樹脂、(B)熱硬化性樹脂及び(C)放射線照射によって硬化性を発現する化合物を含有する粘接着剤層を備えたことを特徴とする。
かかる構成を有することより、本発明の接着シートは、ダイシング工程ではダイシングテープとして作用し、半導体素子と支持部材との接合工程では接続信頼性に優れる接着シートとして作用することとなる。言い換えると、本発明の接着シートを構成する前記粘接着剤層は、ダイシング時には半導体素子が飛散しない十分な粘着力を有し、かつ、放射線を照射して前記粘接着剤層と基材との間の接着力を制御することにより、ピックアップ時には各素子を傷つけることがない低い粘着力を有するという相反する要求を満足するものである。従って、本発明の接着シートを用いることで、ダイシングおよびダイボンドの各工程を、一枚の接着シートで完了することができることとなる。
前記(C)放射線照射によって硬化性を発現する化合物とは、マレイミド誘導体であり、具体的には、下記式(1)で示されるポリエーテル系ビスマレイミド酢酸エステルであり、さらに具体的には数平均分子量が1000以下であることを特徴とする。
Figure 0005093026
(式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基、n=1〜10)
前記式(1)中のRは、炭素数1〜10のアルキル基であるが、より好ましくはCH2CH2CH2CH2である。炭素数が10を超えると、放射線照射後のピックアップ時に各素子を傷つける傾向があり、好ましくない。
前記式(1)中のn数は1〜30であるが、好ましくは1〜10であり、より好ましくは2〜5である。n数が30を超えると、放射線照射後のピックアップ時に各素子を傷つける傾向があり、好ましくない。
前記ポリエーテル系ビスマレイミド酢酸エステルは、光開始剤の添加なしで、放射線照射時の良好な硬化性を発現するが、硬化性の制御にあたっては、適宜光開始剤を添加してもよい。
放射線照射時の硬化性を制御する目的で、前記ポリエーテル系ビスマレイミド酢酸エステルと脂肪族アクリレートまたは芳香族アクリレートを組み合わせることもできる。上記硬化性を抑制する場合は、芳香族アクリレートとの組み合わせが有効である。
本発明の接着シートにおいて、使用する(B)熱硬化性樹脂としては、熱によって重合あるいは架橋する樹脂組成物であれば特に限定されるものではないが、好ましくはエポキシ樹脂である。エポキシ樹脂は、硬化して接着作用を有するものであれば特に限定されない。ビスフェノールA型(又はAD型、S型、F型)のグリシジルエーテル、水添加ビスフェノールA型のグリシジルエーテル、エチレンオキシド付加体ビスフェノールA型のグリシジルエーテル、プロピレンオキシド付加体ビスフェノールA型のグリシジルエーテルなどの二官能エポキシ樹脂、フェノールノボラック型グリシジルエーテルやクレゾールノボラック型グリシジルエーテルなどのノボラック型エポキシ樹脂、3官能型(又は4官能型)のグリシジルエーテル等の多官能エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂のグリシジルエーテル等の脂環式エポキシ樹脂、ダイマー酸のグリシジルエステル、3官能型(又は4官能型)のグリシジルアミン等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂等、ナフタレン樹脂、複素環含有エポキシ樹脂等、一般に知られているものを適用することができる。
このようなエポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、油化シェルエポキシ(株)製 エピコート807,815,825,827,828,834,1001,1004,1007,1009、ダウケミカル社製 DER−330,301,361、東都化成(株)製 YD8125,YDF8170などが挙げられる。フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、油化シェルエポキシ(株)製 エピコート152,154、日本化薬(株)製 EPPN−201、ダウケミカル社製 DEN−438などが、また、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、日本化薬(株)製 EOCN−102S,103S,104S,1012,1025,1027、東都化成(株)製 YDCN701,702,703,704などが挙げられる。多官能エポキシ樹脂としては、油化シェルエポキシ(株)製 Epon 1031S、チバスペシャリティーケミカルズ社製 アラルダイト0163、ナガセ化成(株)製 デナコールEX−611,614,614B,622,512,521,421,411,321などが挙げられる。アミン型エポキシ樹脂としては、油化シェルエポキシ(株)製 エピコート604、東都化成(株)製 YH−434、三菱ガス化学(株)製 TETRAD−X,TETRAD−C、住友化学(株)製 ELM−120などが挙げられる。複素環含有エポキシ樹脂としては、チバスペシャリティーケミカルズ社製 アラルダイトPT810等の、UCC社製 ERL4234,4299,4221,4206などが挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独でまたは2種類以上を組み合わせても、使用することができる。
上記エポキシ樹脂の硬化剤としては、通常用いられている公知の硬化剤を使用することができる。たとえば、脂肪族アミン、脂環族アミン、芳香族ポリアミン等のアミン類、ポリアミド、脂肪族酸無水物、脂環族酸無水物、芳香族酸無水物等の酸無水物、ポリスルフィド、三フッ化ホウ素、ビスフェノールA、ビスフェノールF,ビスフェノールSのようなフェノール性水酸基を1分子中に2個以上有するビスフェノール類、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂またはクレゾールノボラック樹脂などのフェノール系化合物、ジシアンジアミド、有機酸ジヒドラジド、三フッ化ホウ素アミン錯体、イミダゾール類、第3級アミン等が挙げられ、などが挙げられる。特に吸湿時の耐電食性に優れる点で、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂またはクレゾールノボラック樹脂などのフェノール系化合物が好ましい。
好ましいフェノール系化合物としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、t−ブチルフェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジェンクレゾールノボラック樹脂、ジシクロペンタジェンフェノールノボラック樹脂、キシリレン変性フェノールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂、トリスフェノールノボラック樹脂、テトラキスフェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ポリ−p−ビニルフェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂等が挙げられ、たとえば、大日本インキ化学工業(株)製、商品名:フェノライトLF2882、フェノライトLF2822、フェノライトTD−2090、フェノライトTD−2149、フェノライトVH−4150、フェノライトVH4170、本州化学(株)製TrisP−PAなどが挙げられる。
本発明の接着シートにおいて、使用する(A)熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルイミド樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、官能性モノマーを含む重合体等があるが、好ましいものは官能性モノマーを含む重合体及びポリイミド樹脂である。
前記官能性モノマーを含む重合体としては、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートなどの官能性モノマーを含有するエポキシ基含有(メタ)アクリル共重合体などが好ましく、さらにエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂と非相溶であることが好ましい。
エポキシ基含有(メタ)アクリル共重合体は、たとえば、(メタ)アクリルエステル共重合体、アクリルゴムなどを使用することができ、アクリルゴムがより好ましい。アクリルゴムは、アクリル酸エステルを主成分とし、主として、ブチルアクリレートとアクリロニトリルなどの共重合体や、エチルアクリレートとアクリロニトリルなどの共重合体などからなるゴムである。
官能性モノマーとしては、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートなどを使用することが好ましい。このようなエポキシ基含有(メタ)アクリル共重合体としては、たとえば、帝国化学産業(株)製HTR−860P−3などが挙げられる。
グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートなどのエポキシ樹脂含有反復単位の量は、0.5〜6.0重量%が好ましく、0.5〜5.0重量%がより好ましく、0.8〜5.0重量%が特に好ましい。エポキシ基含有反復単位の量がこの範囲にあると、接着力が確保できるとともに、ゲル化を防止することができる。
官能性モノマーとしては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートのほかに、たとえば、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらは、単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することもできる。なお、本発明において、エチル(メタ)アクリレートとは、エチルアクリレートとエチルメタクリレートの両方を示す。官能性モノマーを組み合わせて使用する場合の混合比率は、エポキシ基含有(メタ)アクリル共重合体のTgを考慮して決定し、Tgは−50℃以上であることが好ましい。Tgが−50℃以上であると、Bステージ状態での粘接着剤層のタック性が適当であり、取り扱い性に問題を生じないからである。
上記モノマーを重合させて、官能性モノマーを含む重合体を製造する場合、その重合方法としては特に制限はなく、たとえば、パール重合、溶液重合などの方法を使用することができる。
また、ポリイミド樹脂としては、例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを公知の方法で縮合反応させて得ることができる。すなわち、有機溶媒中で、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを等モル又はほぼ等モル用い(各成分の添加順序は任意)、反応温度80℃以下、好ましくは0〜60℃で付加反応させる。用いる有機溶媒としては、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチル スルホキシド、ヘキサメチルホスホリルアミド、m−クレゾール、o−クロルフェノール等がある。反応が進行するにつれ反応液の粘度が徐々に上昇し、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸が生成する。前記ポリアミド酸は、50〜80℃の温度で加熱して解重合させることによって、その分子量を調整する。
ポリイミド樹脂は、上記反応物(ポリアミド酸)を脱水閉環させて得ることができる。脱水閉環は、120℃〜250℃で加熱処理する熱閉環法と、脱水剤を使用する化学閉環法で行うことができる。熱閉環法の場合、脱水反応で生じる水を系外に除去しながら行うことが好ましい。この際、ベンゼン、トルエン、キシレン等を用いて水を共沸除去してもよい。化学的方法で脱水閉環させる場合は、閉環剤として無水酢酸、無水プロピオン酸、無水安息香酸の酸無水物、ジシクロヘキシルカルボジイミド等のカルボジイミド化合物等を用いる。このとき必要に応じてピリジン、イソキノリン、トリメチルアミン、アミノピリジン、イミダゾール等の閉環触媒を用いてもよい。閉環剤又は閉環触媒は、テトラカルボン酸二無水物1モルに対し、それぞれ1〜8モルの範囲で使用するのが好ましい。なお、本発明においてポリイミド樹脂とは、ポリイミド及びその前駆体を総称する。ポリイミドの前駆体には、ポリアミド酸のほか、ポリアミド酸が部分的にイミド化したものがある。
ポリイミド樹脂の原料として用いられるテトラカルボン酸二無水物としては特に制限は無く、例えば、1,2−(エチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,3−(トリメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,4−(テトラメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,5−(ペンタメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,6−(ヘキサメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,7−(ヘプタメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,8−(オクタメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,9−(ノナメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,10−(デカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,12−(ドデカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,16−(ヘキサデカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,18−(オクタデカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、ピロメリット酸ニ無水物、3,3’、4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’、3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパンニ無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパンニ無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタンニ無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタンニ無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−テトラクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,8,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ピラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、チオフェン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メチルフェニルシラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェニルジメチルシリル)ベンゼン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシクロヘキサン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリテート無水物)、エチレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、デカヒドロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ビス(エキソ−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプタン−2,3−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ−〔2,2,2〕−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2,−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェニル)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、1,4−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼンビス(トリメリット酸無水物)、1,3−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼンビス(トリメリット酸無水物)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、4,4‘−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(フタル酸二無水物)等を使用することができ、これらの1種または2種以上を併用することもできる。
また、ポリイミドの原料として用いられるジアミンとしては特に制限は無く、例えば、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテメタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジイソプロピルフェニル)メタン、3,3’−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、3,4’−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、4,4’−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルケトン、3,4’−ジアミノジフェニルケトン、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2’−(3,4’−ジアミノジフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−(3,4’−ジアミノジフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、3,4’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、4,4’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−(3−アミノエノキシ)フェニル)スルフィド、ビス(4−(4−アミノエノキシ)フェニル)スルフィド、ビス(4−(3−アミノエノキシ)フェニル)スルフォン、ビス(4−(4−アミノエノキシ)フェニル)スルフォン、3,5−ジアミノ安息香酸等の芳香族ジアミン、1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、下記一般式(2)
Figure 0005093026
(式中、R及びRは炭素原子数1〜30の二価の炭化水素基を示し、それぞれ同一でも異なっていてもよく、R及びRは一価の炭化水素基を示し、それぞれ同一でも異なっていてもよく、mは1以上の整数である)
で表されるジアミノポリシロキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、サン テクノケミカル(株)製 ジェファーミン D−230,D−400,D−2000,D−4000,ED−600,ED−900,ED−2001,EDR−148等のポリオキシアルキレンジアミン等の脂肪族ジアミン等を使用することができ、これらの1種または2種以上を併用することもできる。
熱可塑性樹脂として、官能性モノマーを含む重合体を使用する場合は、エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤100重量部、官能性モノマーを含む重合体10〜400重量部、及びポリエーテル系ビスマレイミド酢酸エステル0.1〜200重量部である。この範囲にあると、弾性率および成型時のフロー性抑制が確保でき、また高温での取り扱い性も十分に得られる。この重合体の使用量は、15〜350重量部がより好ましく、20〜300重量部が特に好ましい。この場合、前記粘接着剤層の25℃における貯蔵弾性率が10〜2000MPaとなるような組成比が好ましい。
熱可塑性樹脂としてポリイミド樹脂を使用する場合は、ポリイミド樹脂を100重量部、エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤を1〜200重量部、より好ましくは10〜150重量部、及びポリエーテル系ビスマレイミド酢酸エステルを0.1〜200重量部である。この範囲にあると、ダイシング時のチップ飛びを抑え、かつ放射線照射後の良好なピックアップ性を確保でき、また、ダイボンディング時の良好な接着性と高温での十分な取り扱い性を確保できる。
また、本発明の接着シートを形成する粘接着剤層には、硬化促進剤を添加することもできる。硬化促進剤には、特に制限が無く、イミダゾール類、ジシアンジアミド誘導体、ジカルボン酸ジヒドラジド、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾールテトラフェニルボレート、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7−テトラフェニルボレート等を用いることができる。これらは単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
硬化促進剤の添加量は、エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤100重量部に対して、0.1〜5重量部が好ましく、0.2〜3重量部がより好ましい。添加量がこの範囲にあると、硬化性と保存安定性を両立することができる。
本発明の接着シートを形成する粘接着剤層には、可とう性や耐リフロークラック性を向上させる目的で、エポキシ樹脂と相溶性がある高分子量樹脂を添加することができる。このような高分子量樹脂としては、特に限定されず、たとえばフェノキシ樹脂、高分子量エポキシ樹脂、超高分子量エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは、単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
エポキシ樹脂と相溶性がある高分子量樹脂の使用量は、エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤100重量部に対して、40重量部以下とすることが好ましい。この範囲であると、エポキシ樹脂層のTgを確保できる。
また、本発明の接着シートを形成する粘接着剤層には、その取り扱い性向上、熱伝導性向上、溶融粘度の調整およびチキソトロピック性付与などを目的として、無機フィラーを添加することもできる。無機フィラーとしては、特に制限はなく、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ほう酸アルミウイスカ、窒化ほう素、結晶性シリカ、非晶性シリカ等が挙げられ、フィラーの形状は特に制限されるものではない。これらのフィラーは単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
中でも、熱伝導性向上のためには、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ほう素、結晶性シリカ、非晶性シリカ等が好ましい。また、溶融粘度の調整やチキソトロピック性の付与の目的には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、結晶性シリカ、非晶性シリカなどが好ましい。
無機フィラーの使用量は、粘接着剤層100重量部に対して1〜20重量部が好ましい。1重量部未満だと添加効果が得られない傾向があり、20重量部を超えると、接着剤層の貯蔵弾性率の上昇、接着性の低下、ボイド残存による電気特性の低下等の問題を起こす傾向がある。
また、本発明の接着シートを形成する粘接着剤層には、異種材料間の界面結合を良くするために、各種カップリング剤を添加することもできる。カップリング剤としては、例えば、シラン系、チタン系、アルミニウム系等が挙げられ、中でも効果が高い点でシラン系カップリング剤が好ましい。
上記シラン系カップリング剤としては、特に制限はなく、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N‐フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピル−トリス(2−メトキシ−エトキシ−エトキシ)シラン、N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、トリアミノプロピルトリメトキシシラン、3−4,5−ジヒドロイミダゾール−1−イル−プロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピル−トリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルジメトキシシラン、3−シアノプロピルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリクロロシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、アミルトリクロロシラン、オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリ(メタクリロイルオキエトキシ)シラン、メチルトリ(グリシジルオキシ)シラン、N−β(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、γ−クロロプロピルメチルジクロロシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、トリメチルシリルイソシアネート、ジメチルシリルイソシアネート、メチルシリルトリイソシアネート、ビニルシリルトリイソシアネート、フェニルシリルトリイソシアネート、テトライソシアネートシラン、エトキシシランイソシアネートなどを使用することができ、単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
また、チタン系カップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリス(n−アミノエチル)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアエチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタンチリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート、テトラメチルオルソチタネート、テトラエチルオルソチタネート、テタラプロピルオルソチタネート、テトライソブチルオルソチタネート、ステアリルチタネート、クレシルチタネートモノマー、クレシルチタネートポリマー、ジイソプロポキシ−ビス(2,4−ペンタジオネート)チタニウム(IV)、ジイソプロピル−ビス−トリエタノールアミノチタネート、オクチレングリコールチタネート、テトラ−n−ブトキシチタンポリマー、トリ−n−ブトキシチタンモノステアレートポリマー、トリ−n−ブトキシチタンモノステアレートなどを使用することができ、単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
アルミニウム系カップリング剤としては、例えば、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトイス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセテートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウム=モノイソプロポキシモノオレオキシエチルアセトアセテート、アルミニウム−ジ−n−ブトキシドモノエチルアセトアセテート、アルミニウム−ジ−iso−プロポキシド−モノエチルアセトアセテート等のアルミニウムキレート化合物、アルミニウムイソプロピレート、モノ−sec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウム−sec−ブチレート、アルミニウムエチレート等のアルミニウムアルコレートなどを使用することができ、単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
上記カップリング剤の使用量は、その効果や耐熱性及びコストの面から、エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤100重量部に対して、0.01〜10重量部とするのが好ましい。
本発明の接着シートを形成する粘接着剤層には、イオン性不純物を吸着して、吸湿時の絶縁信頼性をよくするために、さらにイオン捕捉剤を添加することもできる。このようなイオン捕捉剤としては、特に制限はなく、例えば、トリアジンチオール化合物、ビスフェノール系還元剤等の、銅がイオン化して溶け出すのを防止するため銅害防止剤として知られる化合物、ジルコニウム系、アンチモンビスマス系マグネシウムアルミニウム化合物等の無機イオン吸着剤などが挙げられる。
上記イオン捕捉剤の使用量は、添加による効果や耐熱性、コスト等の点から、(A)エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましい。
本発明接着シートは、接着シートを形成する組成物を溶剤に溶解あるいは分散してワニスとし、基材フィルム上に塗布、加熱し溶剤を除去することによって得ることができる。
本発明の接着シートに用いる基材としては、特に制限は無く、例えば、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポイエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリイミドフィルムなどのプラスチックフィルム等が挙げられる。
本発明の接着シートは、ダイシング工程終了後、紫外線(UV)あるいは電子線(EB)などの放射線を接着シートに照射し、放射線重合性を有する接着シートを重合硬化せしめ、接着シートと基材界面の接着力を低下させて半導体素子のピックアップを可能にするものである。従来の接着シートの場合、基材の表面張力が40mN/mを超えると、接着シートと基材界面の接着力の低下が充分でなく、ピックアップ性に劣る傾向があった。しかし、本発明の接着シートは、基材の表面張力が40mN/mを超えていても、紫外線(UV)あるいは電子線(EB)などの放射線照射後に、接着シートと基材界面の接着力が充分に低下し、半導体素子のピックアップが良好になる。したがって、従来は、基材の表面張力が40mN/m以下にするために、使用する基材フィルムに表面処理をしていたが、本発明の接着シートでは、基材フィルムを表面処理する必要がなく、コスト的にも有利になる。
本発明において照射する放射線は、150〜750nmの波長域を持つ活性光線であり、紫外線、遠紫外線、近紫外線、可視光線、電子線、赤外線、近赤外線などがある。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプを使用して0.01〜10000J/cm2で照射することができる。
また、上記のワニス化するための溶剤としては、特に限定されないが、フィルム作製時の揮発性などを考慮すると、たとえば、メタノール、エタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレンなどの比較的低沸点の溶媒を使用するのが好ましい。また、塗膜性を向上させるなどの目的で、たとえば、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、シクロヘキサノンなどの比較的高沸点の溶媒を使用することもできる。これらの溶媒は、単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
無機フィラーを添加した際のワニスの製造には、無機フィラーの分散性を考慮して、らいかい機、3本ロール、ボールミル及びビーズミルなどを使用するのが好ましく、また、これらを組み合わせて使用することもできる。また、無機フィラーと低分子量の原料をあらかじめ混合した後、高分子量の原料を配合することによって、混合する時間を短縮することもできる。また、ワニスとした後、真空脱気等によってワニス中の気泡を除去することもできる。
基材フィルムへのワニスの塗布方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、ナイフコート法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート法、カーテンコート法等が挙げられる。
接着シートの厚みは、特に制限はないが、粘接着剤層、基材ともに5〜250μmが好ましい。5μmより薄いと応力緩和効果が乏しくなる傾向があり、250μmより厚いと経済的でなくなる上に、半導体装置の小型化の要求に応えられない。
また、本発明の接着シートは、所望のシート厚を得るために、さらに1又は2以上の接着剤層又は粘接着剤層を半導体ウェハと粘接着剤層との間に挟むように設けてもよい。この場合、前記所望により設けられる粘接着剤層として、前記の方法によって調製されたものの他に、従来公知の方法によって調製されたものを用いることができる。前記所望により設けられる粘接着剤層として、商業的に入手可能な接着シート、例えば、ポリイミド系、シリコンオリゴマー系、ゴム−エポキシ系、エポキシ系接着剤を用いることができる。但し、粘接着剤層同士の剥離が発生しないような貼り合わせ条件を従来公知の技術に基づいて考慮する必要がある。
以上説明したような構成を有する接着シートに放射線を照射すると、放射線照射後には粘接着剤層の基材層に対する接着力が大きく低下することとなる。そのため、後に説明するように半導体装置を製造する際のダイシング工程において本発明の接着シートを用いることにより、粘接着剤層と、基材層とが容易に剥離することとなる結果、粘接着剤層を付した半導体素子を好適にピックアップすることができる。
本発明の接着シートの粘接着剤層は、放射線照射のみで基材の接着力を低下させる方法以外に放射線照射と同時あるいは放射線照射後に硬化反応を促進する目的で加熱を併用しても良い。加熱を併用することにより、より低温短時間での接着力低下が可能となる。加熱温度は、粘接着剤層の分解点以下であれば特に制限は受けないが、50〜170℃の温度が好ましい。
続いて、本発明に係る接着シートの使用方法について、図1〜図8を参照しながら説明するが、本発明の使用方法が以下の方法に限定されないことはいうまでもない。尚、図中同一の機能を有するものについては同一の符号を付してその説明を省略する。
図1には基材フィルム1と粘接着剤層2とを備える接着シート10が開示されており、図2には前記構成要件に加えてさらに剥離性シート3を備える接着シート11が開示されている。
これらの接着シート10、11をダイシングテープとして使用する場合、まず接着シート10、11の粘接着剤層2とウェハ表面が密着するようにして所定の作業台上に載置する。本発明に係る接着シートの上面に剥離性シート3が設けられている場合には、該シート3を剥離除去した後に、接着シートの粘接着剤層2を上向きにして所定の作業台上に載置する。
次に、図3に示すようにして、この粘接着剤層2の上面にダイシング加工すべき半導体ウェハAを貼着する。この際、前述のように、所望のシート厚を得るためにさらに1又は2以上の接着剤層又は粘接着剤層を半導体ウェハAと粘接着剤層2との間に挟むように設けてもよい。
続いて、この貼着状態で半導体ウェハAにダイシング、洗浄、乾燥の工程が加えられる。この際、粘接着剤層2により半導体ウェハAは接着シートに充分に粘着保持されているので、上記各工程の間に半導体ウェハAが脱落することはない。尚、図4にはダイシングカッター6を用いてウェハAをダイシングすることにより半導体素子A1、A2、A3が得られることが示されている。
次に、図5に示すように、放射線Bを接着シートの粘接着剤層2に照射し、放射線重合性を有する接着シートの一部又は大部分を重合硬化せしめる。この際、放射線照射と同時あるいは放射線照射後に硬化反応を促進する目的で加熱を併用しても良い。加熱を併用することにより、より低温短時間での接着力低下が可能となる。加熱温度は、粘接着剤層の熱分解温度以下であれば特に制限は受けないが、50〜170℃の温度が好ましい。
接着シートへの放射線照射は、図5中矢印Bで示されるように基材フィルム1の粘接着剤層2が設けられていない面から行う。したがって前述のように、放射線としてUVを用いる場合には基材フィルム1は光透過性であることが必要であるが、放射線としてEBを用いる場合には基材フィルム2は必ずしも光透過性である必要はない。
放射線照射後、図6に示されるようにしてピックアップすべき半導体素子A1、A2、A3を例えば吸引コレット4によりピックアップする。この際、吸引コレット4に換えて又は吸引コレット4と併用するようにして、ピックアップすべき半導体素子A1、A2、A3を基材フィルム1の下面から、例えば針扞等により突き上げることもできる。
半導体素子A1と粘接着剤層2との間の粘着力は、粘接着剤層2と基材フィルム1との間の粘着力よりも大きいため、半導体素子A1のピックアップを行うと、粘接着剤層2は半導体素子A1の下面に付着した状態で剥離する(図7参照)。
次いで、半導体素子A1、A2、A3を粘接着剤層2を介して半導体素子搭載用支持部材5に載置し加熱する。加熱により粘接着剤層2は接着力が発現し、半導体素子A1、A2、A3と半導体素子搭載用支持部材5との接着が完了する(図8参照)。
以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説明する。本発明は、これらに限定されるものではない。
(実施例1)
YDCN−703(東都化成(株)製商品名、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量210)42.3重量部、プライオーフェンLF2882(大日本インキ化学工業(株)製商品名、ビスフェノールAノボラック樹脂)23.9重量部、HTR−860P−3(帝国化学産業(株)製商品名、エポキシ基含有アクリルゴム、分子量80万、Tg−7℃)44.1重量部、キュアゾール2PZ−CN(四国化成工業(株)製商品名、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール)0.4重量部、NUC A−187(日本ユニカー(株)製商品名、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)0.7重量部、ルミキュアMIA200(大日本インキ化学工業(株)製商品名、ポリエーテル系ビスマレイミド酢酸エステル)20重量部からなる組成物に、メチルエチルケトンを加えて攪拌混合し、真空脱気した。この接着剤ワニスを、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(帝人デュポンフィルム(株)製、テイジンテトロンフィルムG2−50)上に塗布し、140℃で5分間加熱乾燥して、基材を備えた膜厚が50μmの接着シート1(基材を除いた粘接着剤層の厚みが50μm)を得た。
(実施例2)
温度計、攪拌機及び塩化カルシウム管を備えた500mlフラスコに、1,12−ジアミノドデカン5.41g(0.045モル)、エーテルジアミン(BASF製、エーテルジアミン2000(分子量:1923))11.54g(0.01モル)、ポリシロキサンジアミン(信越シリコーン製、KF−8010(分子量:900))24.3g(0.045モル)及びN−メチル−2−ピロリドン169gを仕込み攪拌した。ジアミンの溶解後、フラスコを氷浴中で冷却しながら、4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(フタル酸二無水物)31.23g(0.1モル)を少量ずつ添加した。室温で8時間反応させたのち、キシレン112.7gを加え、窒素ガスを吹き込みながら180℃で加熱し、水と共にキシレンを共沸除去し、ポリイミド溶液を得た(樹脂分:33重量%)。
樹脂分50g分の前記ポリイミド溶液に、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、商品名:ESCN−195)13g、フェノールノボラック樹脂(明和化成(株)製、商品名:H−1)6.9g、テトラフェニルホシホニウムテトラフェニルボラート(北興化学(株)製、商品名:TPPK)0.13g、ルミキュアMIA200(大日本インキ化学工業(株)製商品名、ポリエーテル系ビスマレイミド酢酸エステル)20gを、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドン100g中に加えて溶解させる。これを良く攪拌し、均一に分散させて接着剤ワニスを得た。この接着剤ワニスを、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(帝人デュポンフィルム(株)製、テイジンテトロンフィルム:G2−50)上に塗布し、150℃で30分間加熱乾燥して、基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム)を備えた膜厚が50μmの接着シート2(基材を除いた接着シートの厚みが50μm)を得た。
(実施例3)
温度計、攪拌機及び塩化カルシウム管を備えた500mlフラスコに、攪拌装置、窒素導入管、乾燥管を備えた1リットルの四つ口のフラスコに、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン8.2g(0.02モル)及びポリシロキサンジアミン(信越シリコーン製、KF−8010(分子量:900))72.0g(0.08モル)を入れ、窒素気流下、N−メチル−2−ピロリドン320gを加えて溶液とした。フラスコを水浴上に移し、激しく攪拌しながら4,4’−(4−4’−イソプロピリデンジフェノキシ)−ビス(フタル酸二無水物)52.0g(0.10モル)を少量ずつ加えた。酸二無水物がほぼ溶解したら、ゆっくりと攪拌しながら6時間反応させ、ポリアミド酸溶液を得た。次に、前記のポリアミド酸溶液が入った四つ口フラスコに蒸留装置を装着し、キシレン210gを加えた。窒素気流下、180℃の油浴上で、激しく攪拌しながら、イミド化により生成する縮合水をキシレンと共に共沸留去した。その反応液を水中に注ぎ、沈殿したポリマーを濾別、乾燥してポリイミド樹脂を得た。
このポリイミド樹脂50g、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、商品名:ESCN−195)13g、フェノールノボラック樹脂(明和化成(株)製、商品名:H−1)6.9g、テトラフェニルホシホニウムテトラフェニルボラート(北興化学(株)製、商品名:TPPK)0.13g、ルミキュアMIA200(大日本インキ化学工業(株)製商品名、ポリエーテル系ビスマレイミド酢酸エステル)20gを、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドン200g中に加えて溶解させる。これを良く攪拌し、均一に分散させて接着剤ワニスを得た。この接着剤ワニスを、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(帝人デュポンフィルム(株)製、テイジンテトロンフィルム:G2−50)上に塗布し、150℃で30分間加熱乾燥して、基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム)を備えた膜厚が50μmの接着シート3(基材を除いた接着シートの厚みが50μm)を得た。
(比較例1)
YDCN−703(東都化成(株)製商品名、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量210)42.3重量部、プライオーフェンLF2882(大日本インキ化学工業(株)製商品名、ビスフェノールAノボラック樹脂)23.9重量部、HTR−600LBDR(帝国化学産業(株)製商品名、アクリルゴム、分子量120万以上、Tg−42℃)44.1重量部、キュアゾール2PZ−CN(四国化成工業(株)製商品名、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール)0.4重量部、NUC A−187(日本ユニカー(株)製商品名、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)0.7重量部、4G(新中村化学(株)製商品名、テトラエチレングリコールジメタクリレート)22.05重量部及び1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.5重量部からなる組成物に、メチルエチルケトンを加えて攪拌混合し、真空脱気した。この接着剤ワニスを、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(帝人デュポンフィルム(株)製、テイジンテトロンフィルムG2−50)上に塗布し、140℃で5分間加熱乾燥して、基材を備えた膜厚が50μmの接着シート4(基材を除いた粘接着剤層の厚みが50μm)を得た。
(比較例2)
攪拌装置、窒素導入管、乾燥管を備えた1リットルの四つ口のフラスコに、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン41.0g(0.10モル)を入れ、窒素気流下、N−メチル−2−ピロリドン250gを加えて溶液とした。フラスコを水浴上に移し、激しく攪拌しながら1,2−(エチレン)ビス(トリメリテート二無水物)41.0g(0.10モル)を少量ずつ加えた。酸二無水物がほぼ溶解したら、ゆっくりと攪拌しながら6時間反応させ、ポリアミド酸溶液を得た。次に、前記のポリアミド酸溶液が入った四つ口フラスコに蒸留装置を装着し、キシレン220gを加えた。窒素気流下、180℃の油浴上で、激しく攪拌しながら、イミド化により生成する縮合水をキシレンと共に共沸留去した。その反応液を水中に注ぎ、沈殿したポリマーを濾別、乾燥してポリイミド樹脂を得た。
このポリイミド樹脂50g、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、商品名:ESCN−195)13g、フェノールノボラック樹脂(明和化成(株)製、商品名:H−1)6.9g、テトラフェニルホシホニウムテトラフェニルボラート(北興化学(株)製、商品名:TPPK)0.13gを、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドン200g中に加えて溶解させる。これを良く攪拌し、均一に分散させて接着剤ワニスを得た。この接着剤ワニスを、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(帝人デュポンフィルム(株)製、テイジンテトロンフィルム:G2−50)上に塗布し、150℃で30分間加熱乾燥して、基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム)を備えた膜厚が50μmの接着シート5(基材を除いた接着シートの厚みが50μm)を得た。
得られた接着シート1を用いて、半導体チップと厚み25μmのポリイミドフィルムを基材に用いた配線基板を接着シートで貼り合せた半導体装置サンプル(片面にはんだボールを形成)を作製し、耐熱性及び耐湿性を調べた。耐熱性の評価方法には、耐リフロークラック性と温度サイクル試験を適用した。耐リフロークラック性の評価は、サンプル表面の最高温度が240℃でこの温度を20秒間保持するように温度設定したIRリフロー炉にサンプルを通し、室温で放置することにより冷却する処理を2回繰り返したサンプル中のクラックを目視と超音波顕微鏡で視察した。クラックの発生していないものを○とし、発生していたものを×とした。耐温度サイクル性は、サンプルを−55℃雰囲気に30分間放置し、その後125℃の雰囲気に30分間放置する工程を1サイクルとして、1000サイクル後において超音波顕微鏡を用いて剥離やクラック等の破壊が発生していないものを○、発生したものを×とした。また、耐湿性評価は、温度121℃、湿度100%、2.03×10Paの雰囲気(プレッシャークッカ−テスト:PCT処理)で72時間処理後に剥離を観察した。剥離の認められなかったものを○とし、剥離のあったものを×とした。
一方、接着シート1を厚さ150μmのシリコンウェハ上に貼付け、接着シート付きシリコンウェハをダイシング装置上に載置した。次いで、半導体ウェハをダイシング装置上に固定して100mm/secの速度で5mm×5mmにダイシングした後、(株)オーク製作所製UV−330 HQP−2型露光機を使用して、500mJ/cmの露光量で接着シートの支持体フィルム側から露光し、ピックアップ装置にてダイシングしたチップをピックアップし、ダイシング時のチップ飛び及びピックアップ性を評価した。
さらに、上記接着シート付きシリコンウェハに500mJ/cmの露光量で接着シートの支持体フィルム側から露光し、露光前後の接着シート/基材界面の接着強度を、90°ピール強度で測定した(引張り速度 50m/min)。これらの評価結果をまとめて表1に示す。
Figure 0005093026
表1から、本発明の接着シートは耐熱性および耐湿性に優れ、ダイシング時のチップ飛びもなく、ピックアップ性も良好である。さらに、露光前後の接着強度差が大きいため、作業条件の許容度が大きいため、作業条件の許容度が大きく、作業性に優れるものである。
本発明に係る接着シートの一例の断面図である。 本発明に係る接着シートの別の例の断面図である。 本発明に係る接着シートに半導体ウェハを貼着した状態を示す。 本発明に係る接着シートを半導体ウェハのダイシング工程に用いた場合の説明図である。 図4に示す工程の後、接着シートに、裏面から放射線を照射した状態を示す。 図5に示す工程の後、半導体素子をピックアップする工程を示す。 ピックアップされた半導体素子と粘接着剤層を示す。 半導体素子を半導体素子搭載用支持部材に熱圧着した状態を示す。
符号の説明
1…基材フィルム
2…粘接着剤層
3…剥離性シート
4…吸引コレット
5…半導体素子搭載用支持部材
10、11…接着シート
A…半導体ウェハ
A1、A2、A3…半導体素子
B…放射線

Claims (13)

  1. (A)エポキシ基含有(メタ)アクリル共重合体、(B)熱硬化性樹脂及び(C)放射線照射によって硬化性を発現する化合物を含有する粘接着剤層を有する接着シートであって、
    前記(C)放射線照射によって硬化性を発現する化合物がポリエーテル系ビスマレイミド酢酸エステルである接着シート。
  2. 前記ポリエーテル系ビスマレイミド酢酸エステルが下記式(1)で示される請求項1記載の接着シート。
    Figure 0005093026
    (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基、n=1〜10)
  3. 前記ポリエーテル系ビスマレイミド酢酸エステルの数平均分子量が1000以下である請求項1に記載の接着シート。
  4. 前記式(I)中のRはCH2CH2CH2CH2である請求項2に記載の接着シート。
  5. 前記式(I)中のnは2〜5である請求項2に記載の接着シート。
  6. 前記(B)熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤である請求項1〜5のいずれか1項に記載の接着シート。
  7. 前記エポキシ基含有(メタ)アクリル共重合体が、エポキシ基含有反復単位を0.5〜6重量%含有するものである請求項1〜6のいずれか1項に記載の接着シート。
  8. 前記粘接着剤層が、前記エポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤を100重量部、前記エポキシ基含有(メタ)アクリル共重合体を10〜400重量部、及び前記ポリエーテル系ビスマレイミド酢酸エステルを0.1〜200重量部含有する請求項7に記載の接着シート。
  9. 前記接着剤層が、25℃で10〜2000MPa、および260℃で3〜50MPaの加熱硬化後の貯蔵弾性率を有する請求項8に記載の接着シート。
  10. さらに、基材を有する請求項1〜9のいずれか1項に記載の接着シート。
  11. 前記粘接着剤層と前記基材との間の接着力が放射線の照射により制御されるものである請求項10に記載の接着シート。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の接着シートを用いて半導体素子と半導体搭載用支持部材とを接着した半導体装置。
  13. (a)請求項10又は11に記載の粘接着剤層と基材層とを有する接着シートを、前記粘接着剤層を挟んで半導体ウェハ上に設けることにより接着シート付き半導体ウェハを得る工程と、(b)前記接着シート付きウェハをダイシングして接着シート付き半導体素子を得る工程と、(c)前記接着シートに放射線を照射して前記粘接着剤層の前記基材層に対する接着力を低減し、かつ前記基材層を剥離して粘接着剤層付き半導体素子を得る工程と、(d)前記粘接着剤層付き半導体素子と半導体素子搭載用の支持部材とを前記粘接着剤層を介して接着する工程と、を含む半導体装置の製造方法。
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