JP2011213879A - 接着剤組成物、接着シートおよび半導体装置の製造方法 - Google Patents

接着剤組成物、接着シートおよび半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 半導体ウエハ、チップに特別な処理を施すことなく、得られる半導体装置にゲッタリング機能を付与すること。
【解決手段】 半導体チップをチップ搭載基板に固着するために使用する接着剤として、 アクリル重合体(A)、エポキシ系熱硬化性樹脂(B)、重金属不活性化剤(C)および硬化剤(D)を含む接着剤組成物を使用する。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体ウエハなどをダイシングし半導体チップを得て、半導体チップを有機基板やリードフレーム上にダイボンディングする工程で使用するのに特に適した接着剤組成物、および該接着剤組成物からなる接着剤層を有する接着シート、ならびに該接着シートを用いた半導体装置の製造方法に関する。
シリコン、ガリウムヒ素などの半導体ウエハは大径の状態で製造される。半導体ウエハは、表面に回路を形成した後、裏面研削により所定の厚さまで研削し、素子小片(半導体チップ)に切断分離(ダイシング)された後に次の工程であるボンディング工程に移されている。この際、半導体ウエハは予め粘着シートに貼着された状態でダイシング、洗浄、乾燥、エキスパンディング、ピックアップの各工程が加えられた後、次工程のボンディング工程に移送される(たとえば、特許文献1〜4参照)。
ところで、近年、素子の小型化の要請から、半導体チップの厚さを薄くすることが要望されている。素子の小型化のためには、裏面研削によりウエハをさらに薄く研削することになる。しかし、ウエハの厚さが薄くなるにしたがい、ウエハ強度は低下し、僅かな衝撃によってもウエハが破損することがある。ウエハ破損の要因としては、裏面研削時に使用したグラインダーの切削痕や酸化被膜などが複合した「破砕層」が主因であると考えられている。
破砕層は、研削されたウエハ表面の微細な凹凸であり、シリコンの多結晶またはシリコンが少量の酸素により酸化された状態にあり、格子欠陥も包含されていると考えられている。表面の凹凸や組成変化等によるストレスのため、僅かな衝撃によってもひび割れを起こし、ウエハの破損を招くことがある。このため、裏面研削終了後には、破砕層を除去するため、裏面にケミカルエッチングやプラズマエッチングなどを施すことが一般化している。破砕層を除去することで、ウエハの強度は向上し、極薄にまで研削されたウエハであっても、良好なハンドリング性が維持される。
しかし、破砕層を除去することで、得られるウエハ、チップの金属に対する耐汚染性が低下することが懸念されている。
半導体ウエハは、回路の形成時、裏面研削時および実装時には、種々の部材と接触する。この際に、これら他の部材から銅などの金属が放出され、ウエハが金属汚染を受けることがある。不純物金属はウエハ内に蓄積され、リフローなどの加熱条件下ではイオン化し、ウエハ内を移動することがある。そして、回路表面に到達した金属イオンは、製品の電気的動作を阻害し誤作動の原因となる。また、回路表面に到達した金属イオンは、回路面で金属を生成することがある(これらはマイグレーションと呼ばれることがある)。特に配線が微細化されている半導体ウエハ表面で金属が生成すると、回路を短絡し、製品の歩留まりが低下する。
一方、破砕層は、上記のように、微細な凹凸であり、シリコンの多結晶またはシリコンが少量の酸素により酸化された状態にあり、格子欠陥も包含されていると考えられ、これらの組成、構造の不均一性に起因して、前述の不純物金属を捕捉しやすく、金属汚染の影響を低減する作用があると考えられている。このような破砕層の機能はゲッタリング機能とも呼ばれている。
このように、ウエハの裏面研削終了後、破砕層を除去することで、ウエハの強度は向上するものの、ゲッタリング機能が損なわれ、製品歩留まりが低下する。このため、破砕層を除去後の半導体ウエハ、チップに種々の処理を行うことで、ゲッタリング機能を付与する技術が提案されている(特許文献5,6)。
特開平2−32181号公報 特開平8−239636号公報 特開平10−8001号公報 特開2000−17246号公報 特開2005−277116号公報 特開2007−242713号公報
しかし、特許文献5,6のように、半導体ウエハ、チップにゲッタリング機能を付与するための処理を施すことは、工程数が増加し、プロセスの煩雑化、コストの上昇を招く。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであって、半導体ウエハ、チップに工程数が増加し、プロセスが煩雑化するような特別な処理を施すことなく、得られる半導体装置にゲッタリング機能を付与することを目的としている。
本発明者らは、上記課題の解決を目的として鋭意研究した結果、半導体チップの固定に用いられる接着剤に重金属不活性化剤を配合することで、半導体装置内にゲッタリングサイトを導入できることを着想し、本発明を完成させるに至った。
本発明は、以下の要旨を含む。
(1)アクリル重合体(A)、エポキシ系熱硬化性樹脂(B)、重金属不活性化剤(C)および硬化剤(D)を含む接着剤組成物。
(2)接着剤組成物100重量部あたり重金属不活性化剤(C)を1〜30重量部含有する(1)に記載の接着剤組成物。
(3)下記により定義される重金属不活性化剤(C)の銅イオン吸着能が30%以上である(1)または(2)に記載の接着剤組成物。
重金属不活性化剤0.1gを、銅イオン濃度が300ppmの塩化銅水溶液50gに投入し、121℃、2気圧下、24時間放置した後の該銅イオン水溶液の銅イオン濃度を測定し、
銅イオン吸着能=(300ppm−残留銅イオン濃度(ppm))×100/300ppmより銅イオン吸着能を求める。
(4)重金属不活性化剤(C)が分子の一部に下記の構造を有することを特徴とする(1)〜(3)の何れかに記載の接着剤組成物。
Figure 2011213879
(Rは、水素または、ヘテロ原子を含有していてもよい炭化水素骨格である。)
(5)上記(1)〜(4)の何れかに記載の接着剤組成物からなる接着剤層が基材上に剥離可能に形成されてなる接着シート。
(6)上記(5)に記載の接着シートの接着剤層に半導体ウエハを貼着し、該半導体ウエハをダイシングして半導体チップとし、該半導体チップ裏面に該接着剤層を固着残存させて基材から剥離し、該半導体チップをダイパッド部上、または別の半導体チップ上に該接着剤層を介して載置する工程を含む半導体装置の製造方法。
(7)前記半導体ウエハが、裏面研削後、裏面研削により生じた破砕層を厚み50nm以下にまで低減されたものである(6)に記載の半導体装置の製造方法。
半導体チップを固定する際に、本発明に係る接着剤組成物を用いることで、半導体ウエハ、チップに特別な処理を施すことなく、得られる半導体装置にゲッタリングサイトを導入することが可能になる。
以下、本発明について、その最良の形態も含めてさらに具体的に説明する。本発明に係る接着剤組成物は、アクリル重合体(A)、エポキシ系熱硬化性樹脂(B)、重金属不活性化剤(C)および硬化剤(D)を必須成分として含有し、さらに、各種物性を改良するため、必要に応じ他の成分が含まれていてもよい。以下、これら各成分について具体的に説明する。
(A)アクリル重合体
接着剤組成物に十分な接着性および造膜性(シート加工性)を付与するためにアクリル重合体(A)が用いられる。アクリル重合体(A)としては、従来公知のアクリル重合体を用いることができる。
アクリル重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、1万〜200万であることが望ましく、10万〜150万であることがより望ましい。アクリル重合体(A)の重量平均分子量が低過ぎると接着剤層と基材との粘着力が高くなり、ピックアップ不良が起こることがあり、高過ぎるとチップ搭載部の凹凸へ接着剤層が追従できないことがあり、ボイドなどの発生要因になることがある。
アクリル重合体(A)のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは−60〜50℃、さらに好ましくは−50〜40℃、特に好ましくは−40〜30℃の範囲にある。アクリル重合体(A)のガラス転移温度が低過ぎると接着剤層と基材との剥離力が大きくなってチップのピックアップ不良が起こることがあり、高過ぎるとウエハを固定するための接着力が不十分となるおそれがある。
上記アクリル重合体(A)を構成するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステルモノマーまたはその誘導体が挙げられる。例えば、アルキル基の炭素数が1〜18であるアルキル(メタ)アクリレート、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられ;環状骨格を有する(メタ)アクリレート、例えばシクロアルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレートなどが挙げられ;水酸基を有するヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられ;その他、エポキシ基を有するグリシジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中では、水酸基を有しているモノマーを重合して得られるアクリル重合体が、後述するエポキシ系熱硬化性樹脂(B)との相溶性が良いため好ましい。また、上記アクリル重合体(A)は、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレンなどが共重合されていてもよい。
(B)エポキシ系熱硬化性樹脂
エポキシ系熱硬化性樹脂(B)としては、従来公知のエポキシ樹脂を用いることができる。エポキシ系熱硬化性樹脂(B)としては、具体的には、多官能系エポキシ樹脂や、ビフェニル化合物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルやその水添物、オルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェニレン骨格型エポキシ樹脂など、分子中に2官能以上有するエポキシ化合物が挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の接着剤組成物には、アクリル重合体(A)100重量部に対して、エポキシ系熱硬化性樹脂(B)が、好ましくは1〜1500重量部含まれ、より好ましくは3〜1200重量部含まれる。エポキシ系熱硬化性樹脂(B)の含有量が1重量部未満であると十分な接着性が得られないことがあり、1500重量部を超えると接着剤層と基材との剥離力が高くなり、ピックアップ不良が起こることがある。
(C)重金属不活性化剤
接着剤組成物には、重金属不活性化剤(C)が配合される。重金属不活性化剤(C)を配合することで、接着剤組成物にはゲッタリング機能が付与される。
重金属不活性化剤は、触媒残渣などの金属によって、プラスチックが劣化することを防止するために、各種のプラスチックに少量配合される添加剤である。重金属不活性化剤は、金属成分を捕捉することで、その作用を軽減しプラスチックの劣化を防止していると考えられている。このような重金属不活性化剤としては、無機系あるいは有機系の各種不活性化剤が知られている。本発明では、有機系重金属不活性化剤が好ましい。有機系重金属不活性化剤は、接着剤組成物中における分散性に優れる。
このような重金属不活性化剤としては、特に分子の一部に下記の構造を有する化合物が好ましく使用される。
Figure 2011213879
上記式において、Rは、水素、またはヘテロ原子を含有していてもよい炭化水素骨格であり、特に窒素原子および/または酸素原子を含有する炭化水素骨格であることが好ましい。
このような重金属不活性化剤の特に好ましい例としては、下記化合物があげられる。
3-(N-サリチロイル)アミノ-1,2,4-トリアゾール(ADEKA社製、CDA-1、CAS No. 36411-52-6)
Figure 2011213879
デカメチレンジカルボキシジサリチロイルヒドラジド(ADEKA社製、CDA-6、CAS No.63245-38-5)
Figure 2011213879
このような重金属不活性化剤を、半導体チップの固定に用いられる接着剤組成物に配合することで、半導体装置内にゲッタリングサイトを導入できる。このため、ウエハ内に蓄積された不純物金属が、リフローなどの加熱条件下では、移動した場合であっても、接着剤層の重金属不活性化剤(C)により捕捉されるため、回路表面でのマイグレーションが起こることはない。
重金属不活性化剤のゲッタリング機能は、たとえば下記の銅イオン吸着能により評価することができる。
すなわち、重金属不活性化剤0.1gを、超純水1lに関東化学社製塩化銅(II)二水和物0.805gを溶解して作成した銅イオン濃度が300ppmの塩化銅水溶液50gに投入し、この水溶液を、121℃、2気圧下、24時間放置した後に該銅イオン水溶液の銅イオン濃度(残留銅イオン濃度)を測定し、初期銅イオン濃度(300ppm)と、残留銅イオン濃度(ppm)とから、下記式により銅イオン吸着能を評価する。
銅イオン吸着能(%)=(300ppm−残留銅イオン濃度(ppm))×100/300ppm
銅イオン吸着能は、重金属不活性化剤に吸着または吸収された銅イオン量の比率を示し、銅イオン吸着能が高いほど、ゲッタリング機能が高いと考えられる。本発明で使用する重金属不活性化剤(C)の銅イオン吸着能は、好ましくは30%以上であり、さらに好ましくは50%以上、特に好ましくは95%以上である。
また、ゲッタリング機能は、重金属不活性化剤単位重量当たりに吸着される銅イオンの吸着量(以下、「銅イオン吸着率」と呼ぶ)によっても評価することができる。具体的には、上記の同様に重金属不活性化剤を銅イオン水溶液に投入し、下記式にて銅イオン吸着率を求める。
銅イオン吸着率(%)=(300ppm−残留銅イオン濃度(ppm))×溶液量(g)×10−6×100/試料重量(g)
本発明で使用する重金属不活性化剤(C)の銅イオン吸着率は、好ましくは4%以上であり、さらに好ましくは7%以上、特に好ましくは14.5%以上である。
重金属不活性化剤(C)は、一般に粒径が小さいほど、重量当たりの表面積がひろくなるため、不純物金属を捕捉しやすくなり、ゲッタリング機能が高くなる。また、一般に粒径が小さいほど、薄厚の粘着加工は容易となる。したがって、本発明で使用する重金属不活性化剤(C)の平均粒径は、好ましくは1nm〜30μm、さらに好ましくは5nm〜10μm、特に好ましくは10nm〜1μmの範囲にある。
原材料の状態で粒子径が大きい場合は適当な方法(ボールミル、3本ロール等)によって、事前または接着剤組成物とした際の混合時に粉砕する。
なお、重金属不活性化剤(C)の平均粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、100個の粒子から算術平均を求めた。粒形が球状でない場合には、最長径を粒径とした。
本発明の接着剤組成物における重金属不活性化剤(C)の配合量は、接着剤組成物の全量100重量部に対して、好ましくは1〜30重量部、さらに好ましくは10〜30重量部、特に好ましくは20〜30重量部である。重金属不活性化剤(C)の配合量が少なすぎる場合には、目的とするゲッタリング機能が不十分になり、配合量が多すぎる場合には、接着性能が損なわれることがある。
(D)硬化剤
硬化剤(D)は、エポキシ系熱硬化性樹脂(B)に対する硬化剤として機能する。好ましい硬化剤(D)としては、1分子中にエポキシ基と反応しうる官能基を2個以上有する化合物が挙げられる。その官能基としてはフェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基および酸無水物などが挙げられる。これらのうち好ましくはフェノール性水酸基、アミノ基、酸無水物などが挙げられ、さらに好ましくはフェノール性水酸基、アミノ基が挙げられる。さらに好ましくはフェノール性水酸基、アミノ基が挙げられる。
フェノール系硬化剤の具体的な例としては、多官能系フェノール樹脂、ビフェノール、ノボラック型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン系フェノール樹脂、ザイロック型フェノール樹脂、アラルキルフェノール樹脂が挙げられる。アミン系硬化剤の具体的な例としては、DICY(ジシアンジアミド)が挙げられる。これらは、1種単独で、または2種以上混合して使用することができる。
硬化剤(D)の含有量は、エポキシ系熱硬化性樹脂(B)100重量部に対して、0.1〜500重量部であることが好ましく、1〜200重量部であることがより好ましい。硬化剤(D)の含有量が少ないと硬化不足で接着性が得られないことがあり、過剰であると接着剤組成物の吸湿率が高まりパッケージ信頼性を低下させることがある。
その他の成分
本発明に係る接着剤組成物は、上記アクリル重合体(A)、エポキシ系熱硬化性樹脂(B)、重金属不活性化剤(C)および硬化剤(D)に加えて下記成分を含むことができる。
(E)硬化促進剤
硬化促進剤(E)は、接着剤組成物の硬化速度を調整するために用いられる。硬化促進剤(E)は、特に、エポキシ系熱硬化性樹脂(B)と硬化剤(D)とを併用する場合に好ましく用いられる。
好ましい硬化促進剤としては、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの3級アミン類;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールなどのイミダゾール類;トリブチルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類;テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレートなどのテトラフェニルボロン塩などが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上混合して使用することができる。
硬化促進剤(E)は、エポキシ系熱硬化性樹脂(B)および硬化剤(D)の合計100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、さらに好ましくは0.1〜1重量部の量で含まれる。硬化促進剤(E)を上記範囲の量で含有することにより、高温度高湿度下に曝されても優れた接着特性を有し、厳しいリフロー条件に曝された場合であっても高いパッケージ信頼性を達成することができる。硬化促進剤(E)の含有量が少ないと硬化不足で十分な接着特性が得られず、過剰であると高い極性をもつ硬化促進剤は高温度高湿度下で接着剤層中を接着界面側に移動し、偏析することによりパッケージの信頼性を低下させる。
(F)エネルギー線重合性化合物
本発明の接着剤組成物において、エネルギー線重合性化合物が配合されていてもよい。エネルギー線重合性化合物(F)は、エネルギー線重合性基を含み、紫外線、電子線等のエネルギー線の照射を受けると重合硬化する。このようなエネルギー線重合性化合物(F)として具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートあるいは1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、オリゴエステルアクリレート、ウレタンアクリレート系オリゴマー、エポキシ変性アクリレート、ポリエーテルアクリレートおよびイタコン酸オリゴマーなどのアクリレート系化合物が挙げられる。このような化合物は、分子内に少なくとも1つの重合性二重結合を有し、通常は、重量平均分子量が100〜30000、好ましくは300〜10000程度である。エネルギー線重合性化合物(F)の配合量は、特に限定はされないが、接着剤組成物の全量100重量部に対して、1〜50重量部程度の割合で用いることが好ましい。
(G)光重合開始剤
本発明の接着剤組成物が、前述したエネルギー線重合性化合物(F)を含有する場合には、その使用に際して、紫外線等のエネルギー線を照射して、エネルギー線重合性化合物を硬化させる。この際、該組成物中に光重合開始剤(G)を含有させることで、重合硬化時間ならびに光線照射量を少なくすることができる。
このような光重合開始剤(G)として具体的には、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾインジメチルケタール、2,4−ジエチルチオキサンソン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンジル、ジベンジル、ジアセチル、1,2−ジフェニルメタン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドおよびβ−クロールアンスラキノンなどが挙げられる。光重合開始剤(G)は1種類単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
光重合開始剤(G)の配合割合は、エネルギー線重合性化合物(F)100重量部に対して0.1〜10重量部含まれることが望ましく、1〜5重量部含まれることがより好ましい。0.1重量部未満であると光重合の不足で満足なピックアップ性が得られないことがあり、10重量部を超えると光重合に寄与しない残留物が生成し、接着剤組成物の硬化性が不十分となることがある。
(H)カップリング剤
カップリング剤(H)は、接着剤組成物の被着体に対する接着性、密着性を向上させるために用いてもよい。また、カップリング剤(H)を使用することで、接着剤組成物を硬化して得られる硬化物の耐熱性を損なうことなく、その耐水性を向上することができる。
カップリング剤(H)としては、上記アクリル重合体(A)、エポキシ系熱硬化性樹脂(B)などが有する官能基と反応する基を有する化合物が好ましく使用される。カップリング剤(H)としては、シランカップリング剤が望ましい。このようなカップリング剤としてはγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−6−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−6−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、イミダゾールシランなどが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上混合して使用することができる。
カップリング剤(H)は、アクリル重合体(A)およびエポキシ系熱硬化性樹脂(B)の合計100重量部に対して、通常0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量部、より好ましくは0.3〜5重量部の割合で含まれる。カップリング剤(H)の含有量が0.1重量部未満だと上記の効果が得られない可能性があり、20重量部を超えるとアウトガスの原因となる可能性がある。
(I)熱可塑性樹脂
接着剤組成物には、熱可塑性樹脂(I)を用いてもよい。熱可塑性樹脂(I)は、硬化後の接着剤層の可とう性を保持するために配合される。熱可塑性樹脂(I)としては、重量平均分子量が1000〜10万のものが好ましく、3000〜8万のものがさらに好ましい。上記範囲の熱可塑性樹脂(I)を含有することにより、半導体チップのピックアップ工程における基材と接着剤層との層間剥離を容易に行うことができ、さらに基板の凹凸へ接着剤層が追従しボイドなどの発生を抑えることができる。
熱可塑性樹脂(I)のガラス転移温度は、好ましくは−30〜150℃、さらに好ましくは−20〜120℃の範囲にある。熱可塑性樹脂(I)のガラス転移温度が低過ぎると接着剤層と基材との剥離力が大きくなってチップのピックアップ不良が起こることがあり、高過ぎるとウエハを固定するための接着力が不十分となるおそれがある。
熱可塑性樹脂(I)としては、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリスチレンなどが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上混合して使用することができる。
熱可塑性樹脂(I)は、アクリル重合体(A)、エポキシ系熱硬化性樹脂(B)および硬化剤(D)の合計100重量部に対して、通常1〜300重量部、好ましくは2〜100重量部の割合で含まれる。熱可塑性樹脂(I)の含有量がこの範囲にあることにより、上記の効果を得ることができる。
(J)無機充填材
無機充填材(J)を接着剤組成物に配合することにより、該組成物の熱膨張係数を調整することが可能となり、半導体チップや金属または有機基板に対して硬化後の接着剤層の熱膨張係数を最適化することでパッケージ信頼性を向上させることができる。また、接着剤層の硬化後の吸湿率を低減させることも可能となる。
好ましい無機充填材としては、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、ベンガラ、炭化珪素、窒化ホウ素等の粉末、これらを球形化したビーズ、単結晶繊維およびガラス繊維等が挙げられる。これらのなかでも、シリカフィラーおよびアルミナフィラーが好ましい。上記無機充填材(J)は単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。無機充填材(J)の含有量は、接着剤組成物全体に対して、通常1〜80重量%の範囲で調整が可能である。
(K)架橋剤
接着剤組成物の初期接着力および凝集力を調節するために、架橋剤を添加することもできる。架橋剤(K)としては有機多価イソシアネート化合物、有機多価イミン化合物などが挙げられる。
上記有機多価イソシアネート化合物としては、芳香族多価イソシアネート化合物、脂肪族多価イソシアネート化合物、脂環族多価イソシアネート化合物およびこれらの有機多価イソシアネート化合物の三量体、ならびにこれら有機多価イソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られる末端イソシアネートウレタンプレポリマー等を挙げることができる。
有機多価イソシアネート化合物としては、たとえば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4’−ジイソシアネート、トリメチロールプロパンアダクトトリレンジイソシアネートおよびリジンイソシアネートが挙げられる。
上記有機多価イミン化合物としては、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネートおよびN,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)トリエチレンメラミン等を挙げることができる。
架橋剤(K)はアクリル重合体(A)100重量部に対して通常0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部の比率で用いられる。
(L)汎用添加剤
本発明の接着剤組成物には、上記の他に、必要に応じて各種添加剤が配合されてもよい。各種添加剤としては、可塑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、顔料、染料などが挙げられる。
(接着剤組成物)
上記のような各成分からなる接着剤組成物は、感圧接着性と加熱硬化性とを有し、未硬化状態では各種被着体を一時的に保持する機能を有する。そして熱硬化を経て最終的には耐衝撃性の高い硬化物を与えることができ、接着強度にも優れ、厳しい高温度高湿度条件下においても十分な接着特性を保持し得る。
本発明に係る接着剤組成物は、上記各成分を適宜の割合で混合して得られる。混合に際しては、各成分を予め溶媒で希釈しておいてもよく、また混合時に溶媒を加えてもよい。
(接着シート)
本発明に係る接着シートは、基材上に、上記接着剤組成物からなる接着剤層が積層してなる。本発明に係る接着シートの形状は、テープ状、ラベル状などあらゆる形状をとり得る。
接着シートの基材としては、たとえば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルムなどの透明フィルムが用いられる。またこれらの架橋フィルムも用いられる。さらにこれらの積層フィルムであってもよい。また、これらを着色したフィルム、不透明フィルムなどを用いることができる。
本発明に係る接着シートは、各種の被着体に貼付され、被着体に所要の加工を施した後、接着剤層は、被着体に固着残存させて基材から剥離される。すなわち、接着剤層を、基材から被着体に転写する工程を含むプロセスに使用される。このため、基材の接着剤層に接する面の表面張力は、好ましくは40mN/m以下、さらに好ましくは37mN/m以下、特に好ましくは35mN/m以下である。下限値は通常25mN/m程度である。このような表面張力が低い基材は、材質を適宜に選択して得ることが可能であるし、また基材の表面に剥離剤を塗布して剥離処理を施すことで得ることもできる。
基材の剥離処理に用いられる剥離剤としては、アルキッド系、シリコーン系、フッ素系、不飽和ポリエステル系、ポリオレフィン系、ワックス系などが用いられるが、特にアルキッド系、シリコーン系、フッ素系の剥離剤が耐熱性を有するので好ましい。
上記の剥離剤を用いて基材の表面を剥離処理するためには、剥離剤をそのまま無溶剤で、または溶剤希釈やエマルション化して、グラビアコーター、メイヤーバーコーター、エアナイフコーター、ロールコーターなどにより塗布して、常温もしくは加熱または電子線硬化させたり、ウェットラミネーションやドライラミネーション、熱溶融ラミネーション、溶融押出ラミネーション、共押出加工などで積層体を形成すればよい。
基材の厚さは、通常は10〜500μm、好ましくは15〜300μm、特に好ましくは20〜250μm程度である。また、接着剤層の厚みは、通常は1〜500μm、好ましくは5〜300μm、特に好ましくは10〜150μm程度である。
接着シートの製造方法は、特に限定はされず、基材上に、接着剤層を構成する組成物を塗布乾燥することで製造してもよく、また接着剤層を剥離フィルム上に設け、これを上記基材に転写することで製造してもよい。なお、接着シートの使用前に、接着剤層を保護するために、接着剤層の上面に剥離フィルムを積層しておいてもよい。該剥離フィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリプロピレンフィルムなどのプラスチック材料にシリコーン樹脂などの剥離剤が塗布されているものが使用される。また、接着剤層の表面外周部には、リングフレームなどの他の治具を固定するために別途粘着剤層や粘着テープが設けられていてもよい。
次に本発明に係る接着シートの利用方法について、該接着シートを半導体装置の製造に適用した場合を例にとって説明する。
(半導体装置の製造方法)
本発明に係る半導体装置の製造方法は、上記接着シートの接着剤層に半導体ウエハを貼着し、該半導体ウエハをダイシングして半導体チップとし、該半導体チップ裏面に接着剤層を固着残存させて基材から剥離し、該半導体チップを有機基板やリードフレームのダイパッド部上、またはチップを積層する場合に別の半導体チップ上に該接着剤層を介して載置する工程を含む。
以下、本発明に係る半導体装置の製造方法について詳述する。
本発明に係る半導体装置の製造方法においては、まず、表面に回路が形成され、裏面が研削された半導体ウエハを準備する。
半導体ウエハはシリコンウエハであってもよく、またガリウム・砒素などの化合物半導体ウエハであってもよい。ウエハ表面への回路の形成はエッチング法、リフトオフ法などの従来より汎用されている方法を含む様々な方法により行うことができる。次いで、半導体ウエハの回路面の反対面(裏面)を研削する。研削法は特に限定はされず、グラインダーなどを用いた公知の手段で研削してもよい。裏面研削時には、表面の回路を保護するために回路面に、表面保護シートと呼ばれる粘着シートを貼付する。裏面研削は、ウエハの回路面側(すなわち表面保護シート側)をチャックテーブル等により固定し、回路が形成されていない裏面側をグラインダーにより研削する。ウエハの研削後の厚みは特に限定はされないが、通常は20〜500μm程度である。
その後、必要に応じ、裏面研削時に生じた破砕層を除去する。破砕層の除去は、ケミカルエッチングや、プラズマエッチングなどにより行われる。破砕層の除去によりウエハが有していたゲッタリング機能は低下するが、本発明の接着剤組成物を使用することで、得られる半導体装置にはゲッタリング機能が付与される。したがって、本発明の半導体装置の製造方法は、特に破砕層を除去した半導体ウエハに対して好適に適用することができる。すなわち、本発明の本発明の半導体装置の製造方法は、破砕層の厚みを50nm以下、さらには30nm以下、特に10nm以下にまで低下した半導体ウエハに対して好適に適用することができる。
次いで、リングフレームおよび半導体ウエハの裏面側を本発明に係る接着シートの接着剤層上に載置し、軽く押圧し、半導体ウエハを固定する。次いで、接着剤層にエネルギー線重合性化合物(F)が配合されている場合には、接着剤層に基材側からエネルギー線を照射し、エネルギー線重合性化合物(F)を硬化し、接着剤層の凝集力を上げ、接着剤層と基材との間の接着力を低下させておく。照射されるエネルギー線としては、紫外線(UV)または電子線(EB)等が挙げられ、好ましくは紫外線が用いられる。次いで、ダイシングソーなどの切断手段を用いて、上記の半導体ウエハを切断し半導体チップを得る。この際の切断深さは、半導体ウエハの厚みと、接着剤層の厚みとの合計およびダイシングソーの磨耗分を加味した深さにする。なお、エネルギー線照射は、半導体ウエハの貼付後、半導体チップの剥離(ピックアップ)前のいずれの段階で行ってもよく、たとえばダイシングの後に行ってもよく、また下記のエキスパンド工程の後に行ってもよい。さらにエネルギー線照射を複数回に分けて行ってもよい。
次いで必要に応じ、接着シートのエキスパンドを行うと、半導体チップ間隔が拡張し、半導体チップのピックアップをさらに容易に行えるようになる。この際、接着剤層と基材との間にずれが発生することになり、接着剤層と基材との間の接着力が減少し、半導体チップのピックアップ性が向上する。このようにして半導体チップのピックアップを行うと、切断された接着剤層を半導体チップ裏面に固着残存させて基材から剥離することができる。
次いで接着剤層を介して半導体チップを、リードフレームのダイパッド上または別の半導体チップ(下段チップ)表面に載置する(以下、チップが搭載されるダイパッドまたは下段チップ表面を「チップ搭載部」と記載する)。チップ搭載部は、半導体チップを載置する前に加熱するか載置直後に加熱される。加熱温度は、通常は80〜200℃、好ましくは100〜180℃であり、加熱時間は、通常は0.1秒〜5分、好ましくは0.5秒〜3分であり、載置するときの圧力は、通常1kPa〜200MPaである。
半導体チップをチップ搭載部に載置した後、必要に応じさらに加熱を行ってもよい。この際の加熱条件は、上記加熱温度の範囲であって、加熱時間は通常1〜180分、好ましくは10〜120分である。
また、載置後の加熱処理は行わずに仮接着状態としておき、パッケージ製造において通常行われる樹脂封止での加熱を利用して接着剤層を硬化させてもよい。このような工程を経ることで、接着剤層が硬化し、半導体チップとチップ搭載部とを強固に接着することができる。接着剤層はダイボンド条件下では流動化しているため、チップ搭載部の凹凸にも十分に埋め込まれ、ボイドの発生を防止できパッケージの信頼性が高くなる。
本発明の接着剤組成物および接着シートは、上記のような使用方法の他、半導体化合物、ガラス、セラミックス、金属などの接着に使用することもできる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例において、<銅イオン吸着能>および<ゲッタリング性能評価>は次のように行った。
<銅イオン吸着能および銅イオン吸着率>
実施例および比較例で準備した重金属不活性化剤0.1gを、超純水1lに関東化学社製塩化銅(II)二水和物0.805gを溶解して作成した銅イオン濃度が300ppmの塩化銅水溶液50gに投入し、121℃、2気圧下、24時間放置した。その後、孔径0.10μmメンブレンフィルターを用いてろ過した。ろ液中の該銅イオン水溶液の残留銅イオン濃度を原子吸光分析法(測定装置:日立製作所社製、原子吸光光度計Z5310、フレーム法)により測定し、初期銅イオン濃度(300ppm)と、残留銅イオン濃度(ppm)とから、下記式により銅イオン吸着能および銅イオン吸着率を評価する。
銅イオン吸着能(%)=(300ppm−残留銅イオン濃度(ppm))×100/300ppm
銅イオン吸着率(%)=(300ppm−残留銅イオン濃度(ppm))×溶液量(g)×10−6×100/試料重量(g)
<ゲッタリング性能評価>
ディスコ社製DGP8760を用いて、シリコンウエハの裏面をドライポリッシュ処理した(200mm径、厚さ75μm、破砕層の厚み10nm)。シリコンウエハのドライポリッシュ処理した面(ウエハ裏面)に、塩化銅(II)粉末(関東化学社製、品名:塩化銅(II)二水和物)1gを均一に散布し、擬似リフロー条件(300℃、30分)に投入し、シリコンウエハ内に銅イオンを拡散させた。その後、ウエハ裏面に弱粘着テープ(紫外線硬化後のリンテック社製Adwill D−675)を貼付・剥離を繰り返し、ウエハ裏面から塩化銅(II)粉末を除去した。
この銅イオンで汚染したシリコンウエハの裏面に実施例および比較例で準備した接着シートを40℃で貼付した。30分後、紫外線照射装置(リンテック社製、Adwill RAD−2000 m/12)を用いて基材面から紫外線照射(230mW/cm、120mJ/cm)を行い、基材を剥離した。その後、熱硬化(140℃、1時間)し、次いで疑似リフロー条件(300℃、30分)に投入した。
ウエハ表面(ミラー面、接着シート非貼付面)をふっ酸にて事前洗浄とし、表面に付着したコンタミと自然酸化膜(約10nm)を除去した。その後、ウエハ外周10mmをテフロン(登録商標)製治具により挟み込む形でマスキングし、ウエハ表面から5μmを硝酸/ふっ酸混合液(比率3:1)でエッチングした。得られたエッチング液の全量を蒸発皿に採取した。採取したエッチング液を加熱・蒸発乾固した後、残渣物を一定量の硝酸/ふっ酸混合液で溶解し、銅イオン濃度測定用試料した。なお試料調製は、クリーンルーム(クラス100)内に設置したクリーンドラフト(クラス10)内で実施した。
ICP−MS測定によりシリコンウエハ中の銅イオンの濃度を定量測定した。
装置:パーキンエルマー社製 ELAN6100DRC Plus
条件等:プラズマパワー1500W。銅イオン定量下限は、3.0×1012atoms/cm(単位体積あたりの原子数)。
エッチング液中に溶出した銅イオン濃度を測定することで、接着シートのゲッタリング性能を評価した。エッチング液中に溶出した銅イオン量が少ないほど、接着シートにより捕捉された銅イオン量が多く、ゲッタリング性能が高いことを示す。銅イオン検出量が50×1012atoms/cm以下を良好とし、銅イオン検出量が50×1012atoms/cmを超えるものを不良とした。
なお、銅イオン濃度の定量分析方法は、原子吸光分析法、ICP−OES、TOF−SIMSなどの方法で行ってもよい。
<接着剤組成物>
接着剤組成物を構成する各成分を下記に示す。
(A)アクリル重合体:アクリル重合体:n−ブチルアクリレート55質量部、メチルアクリレート10質量部、グリシジルメタクリレート20質量部、及び2−ヒドロキシエチルアクリレート15質量部からなる共重合体(重量平均分子量:90万、ガラス転移温度:−28℃)
(B)エポキシ系熱硬化性樹脂:
(B1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(日本触媒社製、BPA328)
(B2)フェニレン骨格型エポキシ樹脂(日本化薬社製、EPPN−502H)
(C)重金属不活性化剤:
(C1)3-(N-サリチロイル)アミノ-1,2,4-トリアゾール(ADEKA社製、CDA-1、CAS No. 36411-52-6、粒径1μm)
Figure 2011213879
(C2)デカメチレンジカルボキシジサリチロイルヒドラジド(ADEKA社製、CDA-6、CAS No.63245-38-5、粒径0.5μm)
Figure 2011213879
(D)硬化剤:ノボラック型フェノール樹脂(昭和高分子社製、ショウノールBRG−556)
(E)硬化促進剤:イミダゾール(四国化成工業社製、キュアゾール2PHZ)
(F)エネルギー線重合性化合物:多官能アクリレートオリゴマー(新中村化学社製、NKエステルA−DPH、分子量580)
(G)光重合開始剤:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製:イルガキュア184)
(H)カップリング剤:シランカップリング剤(三菱化学社製、MKCシリケートMSEP2)
(I)熱可塑性樹脂:ポリエステル樹脂(東洋紡社製、バイロン220)
(J)無機充填材:シリカフィラー(アドマテックス社製、アドマファインSC2050)
(実施例および比較例)
上記の接着剤組成物100重量部に、重金属不活性化剤を表1に記載の量で配合した。得られた重金属不活性化剤含有接着剤組成物のメチルエチルケトン溶液(固形濃度61重量%)を、シリコーン処理された剥離フィルム(リンテック株式会社製、SP−PET381031)上に乾燥後30μmの厚みになるように塗布、乾燥(乾燥条件:オーブンにて100℃、1分間)した後に基材(ポリエチレンフィルム、厚さ100μm、表面張力33mN/m)と貼り合せて、接着剤層を基材上に転写することで接着シートを得た。
Figure 2011213879
得られた接着シートを用いて<銅イオン吸着能>および<ゲッタリング性能評価>を行った。結果を表2に示す。
Figure 2011213879
なお、銅イオン汚染を行わなかったウエハ(参考例1)と銅イオン汚染を行ったウエハ(参考例2)の接着シートを貼付しなかったもののゲッタリング性能を測定した。
実施例の接着シートは、優れた銅イオン吸着能、ゲッタリング性能を示した。この結果から、重金属不活性化剤(C)を接着剤組成物に用いることで、高信頼性の半導体装置が得られることが確認された。

Claims (7)

  1. アクリル重合体(A)、エポキシ系熱硬化性樹脂(B)、重金属不活性化剤(C)および硬化剤(D)を含む接着剤組成物。
  2. 接着剤組成物100重量部あたり重金属不活性化剤(C)を1〜30重量部含有する請求項1に記載の接着剤組成物。
  3. 下記により定義される重金属不活性化剤(C)の銅イオン吸着能が30%以上である請求項1または2に記載の接着剤組成物。
    重金属不活性化剤0.1gを、銅イオン濃度が300ppmの塩化銅水溶液50gに投入し、121℃、2気圧下、24時間放置した後の該銅イオン水溶液の銅イオン濃度を測定し、
    銅イオン吸着能=(300ppm−残留銅イオン濃度(ppm))×100/300ppmより銅イオン吸着能を求める。
  4. 重金属不活性化剤(C)が分子の一部に下記の構造を有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の接着剤組成物。
    Figure 2011213879
    (Rは、水素または、ヘテロ原子を含有していてもよい炭化水素骨格である。)
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の接着剤組成物からなる接着剤層が基材上に剥離可能に形成されてなる接着シート。
  6. 請求項5に記載の接着シートの接着剤層に半導体ウエハを貼着し、該半導体ウエハをダイシングして半導体チップとし、該半導体チップ裏面に該接着剤層を固着残存させて基材から剥離し、該半導体チップをダイパッド部上、または別の半導体チップ上に該接着剤層を介して載置する工程を含む半導体装置の製造方法。
  7. 前記半導体ウエハが、裏面研削後、裏面研削により生じた破砕層を厚み50nm以下にまで低減されたものである請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
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