JP5777687B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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    • G03G15/0266Arrangements for controlling the amount of charge

Description

本発明は、電子写真方式を利用した、複写機、プリンタなどの画像形成装置に関する。
従来、電子写真画像形成装置において、低オゾン、低電力などの利点を有することから、接触帯電装置、即ち、感光体に当接させた帯電部材に電圧を印加して感光体の帯電を行う方式の装置が実用化されている。特に、帯電部材として帯電ローラを用いたローラ帯電方式の装置は、帯電安定性の点から好ましく、広く用いられている。
ローラ帯電方式の接触帯電装置では、帯電ローラに対してある一定以上の電圧(帯電開始電圧Vth)を印加したとき、感光体の表面電位は上昇を開始し、それ以降は、印加電圧に対して傾き1の線形に感光体表面電位が増加する。つまり、電子写真に必要とされる感光体表面電位(Vd)を得るためには、Vd+VthなるDC電圧を帯電部材に印加することが必要である。
ここで、DC帯電方式においては、感光体の表面電位の均一性を高める方法として、次のような従来技術が提案されている。即ち、一旦、画像形成に必要な非画像部電位(Vd)以上に感光体の一次帯電を行い、この一次帯電後でかつ現像前の位置に配置した露光装置(後露光装置)を弱発光させて感光体電位を露光し、表面電位を減衰(降下)させる。これにより、目標とする非画像部電位(Vd)を得る電位制御の方法である。
ここで、特許文献1には、トナー像の有無と転写電界の強度により生じる転写後の感光体電位のムラ(転写メモリ)の大きさに応じて一次帯電電位を大きく設定し、一次帯電電位と非画像部電位(Vd)との差が大きくなるように設定する方法が提案されている。
一方、DC帯電方式では、帯電開始電圧Vthが感光体の感光層膜厚に依存し変化するため、感光体の削れにより、感光体膜厚が減少すると、非画像部電位(Vd)が上昇してしまう。そこで、特許文献2には、通紙枚数、感光体の回転数、帯電電圧印加時間のいずれかの情報から、感光体膜厚を算出することで、露光量を制御することで潜像電位設定を一定にする方法が提案されている。この方法によれば、算出された感光体膜厚に応じて、画像部電位(Vl)を形成する最大光量と、非画像部電位(Vd)を形成する最小光量の範囲を変更することで、画像濃度、ライン幅、階調性を安定して再現することができる。これらの従来技術によれば、複数の感光体を有するカラー画像形成装置において、各々感光体に対する非画像部露光量を感光体膜厚に基づいて制御する。こうすることで、各々の感光体を帯電する帯電ローラに印加する電圧値を共通にした場合でも、一定の非画像部電位(Vd)を得ることができる。更には、画像部電位(Vl)を形成する画像部露光量も同時に感光体膜厚に基づいて制御する。こうすることで、複数の感光体に対する帯電電圧と、各々の感光体上の静電潜像を現像するための現像装置に印加する現像電圧を共通化することができるため、装置の小型化、低コスト化を行うことが可能になる。
特開2008−8991号公報 特開2002−296853号公報
しかしながら、非画像部露光(バックグラウンド露光)することで非画像部電位(Vd)を形成する画像形成装置では、長期使用により感光体が露光を繰り返されることで、光疲労による感度の低下が起こり、画像濃度の低下等の画像不良が発生する恐れがあった。すなわち、感光体の感度低下の観点からは、バックグラウンド露光量は極力少ないことが
好ましい。
しかし、中間転写体の回転方向の上流から下流に向けて複数の感光体が配置されたいわゆるインラインカラー画像形成装置では、上流ステーションの画像濃度によって、下流ステーションの感光体が一次転写位置で受ける転写メモリの大きさが異なることがある。そのため、上流ステーションでの画像濃度が高い場合は、下流ステーションでの一次帯電電位と非画像部電位(Vd)との差が大きくなるように設定する。即ち、画像形成に必要な非画像部電位(Vd)よりも高い一次帯電電位を得るために、帯電電圧とバックグラウンド露光量を大きく設定することになる。
また、複数の感光体に対する帯電電圧を共通化し、且つ、複数の感光体に対向する複数の現像装置に対する現像電圧を共通化した、小型のカラー画像形成装置においては、全ステーションでの非画像部電位(Vd)を一定に維持する必要がある。そのため、使用に伴い感光体の膜厚が減少したステーションではバックグラウンド露光量を大きく設定することになる。
本発明の目的は、感光体の感度低下を抑制しつつ、転写メモリ画像の発生を抑制し、安定した感光体表面電位の形成が可能な画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、
複数の感光体と、
互いに共通の帯電用電源から帯電電圧を印加され、前記複数の感光体を帯電する複数の帯電手段と、
前記帯電手段により帯電された後の前記複数の感光体の表面に、第一のレーザパワーで露光して非画像部電位を形成し、第二のレーザパワーで露光して画像部電位を形成する露光手段と、
互いに共通の現像用電源から現像電圧を印加され、前記複数の感光体において前記画像部電位が形成された領域に現像剤を付着させて現像剤像を形成する複数の現像手段と、
転写電圧を印加され、前記複数の感光体上に形成された現像剤像を転写媒体に順次重ね合わせる様に転写させる転写手段と、
前記複数の感光体のそれぞれで形成される現像剤像の画像濃度に基づいて、前記帯電用電源から印加する帯電電圧の大きさ、前記第一のレーザパワーおよび前記第二のレーザパワーの出力を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、感光体ごとに前記帯電電圧の大きさの下限値を設定し、それらすべての下限値を下回らない大きさの帯電電圧を前記帯電用電源から前記複数の帯電手段に印加させ、かつ感光体ごとに個別に前記第一のレーザパワーおよび前記第二のレーザパワーの出力を制御するものであって、
前記複数の感光体のうち前記転写媒体へ2番目以降に現像剤像を転写する感光体は、先に前記転写媒体への転写が行われる現像剤像の画像濃度に基づき前記下限値設定されることを特徴とする。
本発明に係る画像形成装置は、感光体の感度低下を抑制しつつ、転写メモリ画像の発生を抑制して、安定した感光体表面電位の形成が可能である。
本発明の実施例1における制御を説明するフローチャート 本発明の実施例に係る画像形成装置の概略断面図 本発明の実施例における潜像設定の説明図 本発明の実施例における電源配線を説明する図 感光ドラムの感光層膜厚とE−V曲線の関係を説明するグラフ 感光ドラムの使用情報に基づく電位推移を説明する図 本発明の実施例におけるレーザパワーE1、E2の算出方法を説明する図 帯電前電位と帯電後電位の関係を説明するグラフ 本発明の実施例2における制御を説明するフローチャート 感光ドラムの感光層感度とE−V曲線の関係を説明するグラフ レーザパワー制御系統に関するブロック図 多次色転写ゴーストの発生要因を説明する図 本発明の実施例における潜像設定の制御を説明する図
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
(1−1)画像形成装置の全体的な概略構成の説明
図2は、本発明の実施例に係る画像形成装置の概略断面図である。本発明の実施例に係る画像形成装置1は、電子写真プロセスを用いたレーザービームプリンタである。プリンタ制御部(以下、制御部)100は、インターフェース201を介してプリンタコントローラ(外部ホスト装置)200が接続されている。画像形成装置1は、プリンタコントローラ(以下、コントローラ)200から入力された画像データ(電気的な画像情報)に対応した画像を、記録媒体である用紙Pに形成して画像形成物を出力する。制御部100は、画像形成装置の動作を制御する手段であり、コントローラ200と各種の電気的情報信号の授受をする。また、各種のプロセス機器やセンサから入力する電気的情報信号の処理、各種のプロセス機器への指令信号の処理、所定のイニシャルシーケンス制御、所定の作像シーケンス制御を司る。コントローラ200は、ホストコンピュータ、ネットワーク、イメージリーダ、ファクシミリ等である。用紙Pの代わりに記録媒体としてOHPシート、葉書、封筒、ラベル等を用いてもよい。
図2に示した画像形成装置1は、4つの画像形成ユニット(プロセスカートリッジ)10Y、10M、10C、10Kが横方向(略水平方向)に一定の間隔を置いて並列配置されたいわゆるインライン型で構成されている。プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10Kの各符号における添え字Y、M、C、Kは、収容する現像剤(形成するトナー像)の色が異なることを示すものであり(Yはイエロー、Mはマゼンタ、Cはシアン、Kはブラック)、構成は互いに同じである。したがって、以下の説明では、各プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10K及びこれに含まれる構成や対応する構成における符号について、特に色の違いを区別して説明する必要がない場合には、適宜添え字を省略することとする。
各プロセスカートリッジ10Y〜10Kは、それぞれ、感光ドラム11Y〜11K、帯電ローラ12Y〜12K、現像ローラ13Y〜13K、現像ブレード15Y〜15K、ドラムクリーナ14Y〜14Kが一体として構成されている。帯電ローラ12は、像担持体としての感光ドラム11の表面を所定電位で一様に帯電する帯電手段(帯電部材、帯電装置)である。現像ローラ13は、非磁性一成分トナー(マイナス帯電特性)を担持搬送し、感光ドラム11上に形成された静電潜像を現像剤像(トナー像)に現像するための現像手段(現像部材、現像装置)である。現像ブレード15は、現像ローラ上のトナー層を均
一化するためのものである。ドラムクリーナ14は、転写後の感光ドラム11表面を清掃するためのものである。感光ドラム11は不図示の駆動手段によって、図中の矢印方向に120(mm/sec)の表面移動速度(プロセス速度)で回転駆動される。ここで、感光ドラム11とは、アルミ素管上に、電荷発生層、電荷輸送層、表面層を順次積層して形成されている。本実施例では、電荷発生層、電荷輸送層、表面層を合わせて感光層として説明する。
ここで、各プロセスカートリッジ10Y〜10Kは、それぞれの現像容器16Y〜16Kに収納されたトナーを除いて、略同様に構成されている。そして、各プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10Kは、それぞれがイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー像を形成する。また、各プロセスカートリッジ10Y〜10Kは、画像形成装置1本体に対して着脱可能に構成されている。例えば、現像容器16内のトナーが消費された場合には、各プロセスカートリッジ10Y〜10K毎に交換することができるように構成されている。
各プロセスカートリッジ10Y〜10Kには、それぞれ記憶手段としてメモリ17Y〜17Kを設けている。メモリ17としては、例えば、接触不揮発性メモリ、非接触不揮発性メモリ、電源を有する揮発性メモリなど、任意の形態を用いることができる。本実施例では、記憶手段として非接触不揮発性メモリ17がプロセスカートリッジに搭載されている。非接触不揮発性メモリ17は、メモリ側の情報伝達手段であるアンテナ(図示せず)を有し、無線で画像形成装置本体1側の制御部100と通信することで、情報の読み出し及び書き込みが可能である。即ち、制御部100は装置本体側の情報伝達手段、メモリ17に対する情報の読み書き手段の機能を備えている。このメモリ17には、新品時の感光ドラムに関する情報が記憶される。例えば、新品時の感光層膜厚(初期感光層膜厚)や、新品時の感度(初期感度)等である。これらの情報は、製造時に記憶される。また、感光ドラムの使用に伴い変化する感光体の情報(感光層膜厚及び感度の変化量に関する情報)を、随時書き込み及び読み出しが可能である。
現像手段としての現像ローラ13は、芯金と、芯金周りに同心一体に形成された導電性弾性体層とを有し、感光ドラム11に対してほぼ並行に配置される。現像ブレード15は、SUS製の金属薄板で構成されており、現像ローラ13に所定の押圧力にて自由端が当接している。現像ローラ13は、摩擦によって負極性に帯電されたトナーを感光ドラムと対向する現像位置に担持搬送する。現像ローラ13は、感光ドラム11に対して不図示の接離機構によって当接/離間状態をとり得る構成となっている。現像ローラ13は、画像形成工程時には、感光ドラム11に当接し、現像ローラ13の芯金に対して、後述の現像バイアス電源(現像用電源)601(図4参照)から、現像バイアス電圧として約−300VのDCバイアス電圧が印加される。
本実施例の画像形成装置1では、露光手段(露光装置、露光部材)として、プロセスカートリッジ10Y〜10Kのそれぞれに配設された感光ドラム11を露光するレーザ露光ユニット20が設けられている。レーザ露光ユニット20には、コントローラ200からインターフェース201を介して制御部100に入力し画像処理された画像情報の時系列電気デジタル画素信号が入力される。レーザ露光ユニット20は、入力された時系列電気デジタル画素信号に対応して変調したレーザ光を出力するレーザ出力部、回転多面鏡(ポリゴンミラー)、fθレンズ、反射鏡等を有しており、レーザ光L(図4参照)で感光ドラム11表面を主走査露光する。この主走査露光と、感光ドラム11の回転による副走査により、画像情報に対応した静電潜像を形成する。
ここで、接触型の帯電手段としての帯電ローラ12は、芯金と、芯金周りに同心一体に形成された導電性弾性体層とを有し、感光ドラム11に対してほぼ並行に配列され、かつ
導電性弾性体層の弾性に抗して所定の押圧力で当接している。芯金の両端部は回転可能に軸受け支持されており、帯電ローラ12は感光ドラム11の回転に従動して回転する。本実施例においては、帯電ローラ12の芯金に対して、帯電バイアス電圧が印加される。
一方、本実施例の画像形成装置1では、各プロセスカートリッジ10Y〜10Kの感光ドラム11に当接するように、第二の像担持体又は転写媒体である中間転写ベルト30が配置されている。中間転写ベルト30は、電気抵抗値(体積抵抗率)が1011〜1016(Ω・cm)程度の厚さ100〜200μmの無端状に形成した樹脂フィルムを用いている。中間転写ベルト30の材料として、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、ナイロン、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)等を用いることができる。また、中間転写ベルト30は、駆動ローラ34、2次転写対向ローラ33とで張架され、2次転写対向ローラ33が不図示のモーターにより回転することにより、プロセス速度で循環駆動される。1次転写ローラ31Y〜31Kは、軸上に導電性弾性層を設けたローラ状に構成され、感光ドラム11Y〜11Kに対してそれぞれほぼ平行に配置され、中間転写ベルト30を介して感光ドラム11Y〜11Kにそれぞれ所定の押圧力で当接している。1次転写ローラ31の軸には、転写電圧として正極性のDCバイアス電圧が印加されることで転写電界が形成されるように構成される。
各感光ドラム11上に現像された各色トナー像は、さらに感光ドラム11が矢印方向に回転することで、1次転写位置に送られ、1次転写ローラ31と感光ドラム11との間に形成された1次転写電界によって、中間転写ベルト30上に、順次1次転写される。このとき、4色の画像は順次重畳的に(順次重ね合わせられて)中間転写ベルト30上に転写されるので、4色のトナー像の位置は一致している。感光ドラム11上の1次転写残トナーはドラムクリーナ14によりクリーニングされる。1次転写ローラ31Y〜31Kは、各感光ドラム11に形成された現像剤像(トナー像)を転写媒体(中間転写ベルト30)に転写する転写手段(転写部材、転写装置)である。
なお1次転写行程が常に高転写効率、低再転写率などの条件を満たし良好に行われるには、1次転写バイアス電源701(図4参照)から印加する正極性のバイアスを、環境やパーツの特性などを考慮した最適な値に常に制御する必要がある。本実施例では、かかる制御を制御部100(図2参照)で行っている。
ここで、本実施の形態の画像形成装置1には、用紙搬送系として、給紙側に、用紙カセット50、ピックアップローラ51、搬送ローラ52、レジストローラ53が配設されている。用紙カセット50は、用紙Pを収容する。ピックアップローラ51は、用紙カセット50に集積された記録媒体である用紙Pを所定のタイミングで取り出して搬送する。搬送ローラ52は、ピックアップローラ51により繰り出された用紙Pを搬送する。レジストローラ53は画像形成動作に合わせて用紙Pを2次転写位置に送り出す。
4色のトナー像が中間転写ベルト30上に1次転写されると、中間転写ベルト30の回転と同期を取って、レジストローラ53部から用紙Pが搬送される。そして、1次転写ローラ31と同様な構成から成る2次転写ローラ32が用紙Pを介して中間転写ベルト30に当接する。2次転写対向ローラ33を対向電極として、2次転写ローラ32に、2次転写バイアス電源702(図4参照)から正極性バイアスが印加され、中間転写ベルト30上の4色のトナー像は、一括して用紙P上に2次転写される。2次転写残トナーは、中間転写ベルト30に当接された不図示の帯電ブラシのバイアス印加によって、正極性の電荷を付与されるため、画像形成工程の1次転写位置にて感光ドラム11側に転写されて、ドラムクリーナ14によってかきとり回収される。なお、本実施例では、トナー像を一端、感光ドラム11から中間転写ベルト30に1次転写し、その後、中間転写ベルト30から用紙Pに2次転写した。しかし、感光ドラム11から、トナー像を用紙Pに直接転写する
構成も考えられる。この場合は、中間転写ベルト30の代わりに、記録媒体搬送ベルトを用いる。つまり用紙P(記録媒体)を記録媒体搬送ベルトによって各感光ドラム11の位置まで順次搬送し、搬送された用紙Pに各感光ドラム11から各色のトナー像を順々に重ね合わせるようにして転写する。このとき、記録媒体(用紙P)が、転写ローラ31Y〜31Kによって、トナー像を感光ドラム11から転写される転写媒体でもある。
4色のトナー像が転写された用紙Pは、搬送ローラ54、55によって、従来公知の定着装置60に搬送され、用紙P上の未定着トナー像は、熱および圧力による定着処理を受けて用紙Pに定着される。排紙ローラ56、57、58により排紙口から装置本体上面の排紙トレイ上にカラー画像形成物として、排出される。
(1−2)レーザ露光ユニットに関する説明
図11を用いて、本実施例におけるレーザ露光ユニットについて説明する。図11に、レーザパワー制御系統に関するブロック図を示す。ここで、本実施例のレーザ露光ユニット20は、感光体表面を露光する際のレーザ出力として、第一のレーザパワー(E1)と第二のレーザパワー(E2)の2水準の出力値を切り替え出力可能に構成されている。即ち、制御部100には、各々のレーザパワーを個別に制御するレーザパワー制御部102が設けられている。コントローラ200から送られてくる画像信号は、8ビット=256階調の深さ方向をもつ多値信号(0〜255)であり、この信号が0のときレーザ光はオフ、255のとき完全オン(全点灯)、1〜254の間では、両者の中間の値を暫時もつものとする。本実施例では、画像処理部103において、シリアルな時系列デジタル信号に変換され、4×4ディザマトリックスによる面積階調と、600ドット/インチの各ドットパルスのレーザ発光時間を制御したレーザパルス幅変調を用いて、256段階に制御される。また、画像情報取得手段としての画像処理部103では、各色に対応した画像濃度データを取得する事が可能である。例えば、画像のある領域における画像信号がイエロー(Y):255、マゼンタ(M):255である場合は、その領域での多次色印字率は200%であると認識する。また、通信部101は、各プロセスカートリッジのメモリ17Y〜17Kに格納された、感光体膜厚及び感度に関する情報を読み出す。レーザパワー制御部102からは、各プロセスカートリッジの感光体の状態に応じて選択されたレーザパワー信号と、各プロセスカートリッジに対する画像データ信号が、レーザ露光ユニット20に送られる。レーザパワー出力部21は、レーザパワー制御部102から入力された選択信号に応じて、レーザパワーを切り替えて、レーザダイオード22を発光し、ポリゴンミラーを含んだ補正光学系23を経て、レーザ走査光Lとして、感光ドラム11に照射される。
本実施例における、レーザパワー制御部102は、第一のレーザパワー(E1)と、第二のレーザパワー(E2)とを、各プロセスカートリッジに対して個別に制御する。第一のレーザパワー(E1)は、非画像領域に対して、暗部電位(非画像部電位Vd)を形成するためのレーザパワーである。第二のレーザパワー(E2)は、画像領域に対して、明部電位(画像部電位Vl)を形成するためのレーザパワーである。本実施例においては、画像形成工程において、レーザダイオード22に所定のバイアス電流を流しておくことによって、レーザを弱発光させておき、これを第一のレーザパワー(E1)と設定する。また、画像部に対しては、電流値を加えて流すことで、第二のレーザパワー(E2)とする構成とする。また、レーザパワー制御部102は、後述する感光体表面電位制御に基づき、レーザダイオード22に流す電流量を可変にすることで、レーザパワーE1及びE2を制御(調整)するものとする。
(1−3)潜像設定に関する説明
図3(a)及び図3(b)を用いて、本実施例における潜像設定について説明する。本実施例の感光ドラム11は、アルミニウム製の円筒状基体と、その表面を覆うOPC(有
機半導体)感光層と、によって構成されている。
図3(a)は、感光層の膜厚が18(μm)である感光ドラム11に対して、帯電ローラ12に約−1040(V)のDC電圧を印加したときの、表面電位と露光レーザパワーの関係(以下、E−V曲線と称す)を示す図である。グラフの横軸は、感光体表面が受ける露光レーザパワーE(μJ/cm)を表している。この感光ドラム11の画像部に対してレーザ露光ユニット20が第二のレーザパワーE2(μJ/cm)にて露光することで、約−150(V)の明部電位(Vl)を形成する。同時に、非画像部(バックグラウンド)に対しても、第一のレーザパワーE1(μJ/cm)にて露光することで、約−440(V)の暗部電位(Vd)を形成する。また、現像ローラには、約−300(V)のDCバイアス電圧が印加される。そのため、現像位置に搬送された負帯電トナーは、感光ドラム11上の明部電位(Vl)と現像バイアス電圧(Vdc)との電位コントラストにより、明部電位(Vl)の部分に付着して、静電潜像がトナー像として反転現像される。
なお、本実施例の画像形成装置1では、帯電ローラ12による感光ドラム11への帯電が負極性(マイナス)電荷で行なわれ、現像が負極性(マイナス)帯電されたトナーで行なわれる反転現像方式を用いている。したがって、第二のレーザパワーE2(μJ/cm)で露光された領域が画像部であり、第一のレーザパワーE1(μJ/cm)で露光された領域が非画像部である白地部(バックグラウンド)となる。
図3(b)は、電位設定を説明する図である。明部電位(Vl)と現像バイアス電圧(Vdc)との差である現像コントラスト(Vc)は、画像部の画像濃度および階調性を設定する要因となる。すなわち、現像コントラスト(Vc)が小さくなると、充分な画像濃度および階調性を得ることができない。そのため、現像コントラスト(Vc)は、所定値以上を確保する必要がある。本実施例では、現像コントラストVc=150(V)に設定する。また、現像バイアス電圧(Vdc)と暗部電位(Vd)との差である白地部コントラスト(Vb)は、白地部でのかぶり(地肌汚れ)量を決める要因となる。すなわち、白地部コントラスト(Vb)が所定値を超えて大きくなると、逆帯電されたトナー(すなわち、プラス帯電されたトナー)が白地部に付着してかぶりとなり、画像汚れや機内汚染等を引き起こす原因となる。一方、白地部コントラスト(Vb)が所定値を超えて小さくなると、正常に帯電されたトナー(すなわち、マイナス帯電されたトナー)が白地部に現像されてしまい、かぶりとなる。そのため、白地部コントラスト(Vb)は、所定の範囲内に設定する必要がある。本実施例では、白地部コントラストVb=150(V)に設定する。また、一次帯電電位(V0)と暗部電位(Vd)との差である暗部コントラスト(Va)は、一次転写後の感光体ドラムの表面電位ムラが原因のいわゆる、多次色転写ゴーストが発生しないために必要な値以上を確保するように設定する。多次色転写ゴーストに関しては、以下に詳細に説明する。
(1−4)多次色転写ゴーストに関する説明
多次色転写ゴーストは、上流ステーションで形成されたトナー像の影響で、下流ステーションの感光ドラム11の電位が乱されることによる不良画像である。その原因は、下流ステーションの1次転写工程において、トナー像が有る部分とない部分とで感光体への転写電流の流れ込み量が異なることで、転写後の感光体上の電位にムラが生じることである。その転写後の電位ムラが、帯電工程で十分に均一にできないため、画像上にゴースト画像として現れる現象である。
この現象について、以下で詳細に説明する。
カラー画像をプリントする際には、複数の色を重ねることで所望の色を出力する。例えば、赤色をプリント出力する際にはイエロー(Y)とマゼンタ(M)、青色をプリント出
力するにはマゼンタ(M)とシアン(C)、緑色であればイエロー(Y)とシアン(C)、というように、色を重ねる。これらの作像はイエロー10Y、マゼンタ10M、シアン10Cのステーションで行われる。そのため、ブラック10Kステーションで作像時には、すでに中間転写ベルト30上にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナー像が存在している。このように、中間転写ベルト30上に、複数色のトナーが大量に重なった領域(以下、多次色部と称する)では、転写ローラ31から中間転写ベルト30を介して感光ドラム11に流れる転写電流が非常に少なくなる。そのため、多次色部とトナーが存在しない部分で流れる電流量の違いによって、一次転写通過後の感光ドラム表面電位に大きな差が生じる。
図12は、ブラック10Kステーションの感光ドラム11表面の電位を表している。図中a部はトナーが存在していない部分、b部は多次色部の電位を表している。多次色部では、赤色のパッチが印字されており、イエロー(Y)、マゼンタ(M)合わせて、印字率200%の濃度データである。図12(a)は、一次転写通過後の電位を表している。一次転写前の電位に対してa部の電位は−100(V)程度まで変化している。これに対し、b部の電位は、一次転写前の電位に対して若干変化しているものの大きな変化は無い。この状態で、帯電工程を行なうと、図12(b)に示すように、a部に対してb部の電位が10(V)程度高くなってしまう。次に、露光工程で中間調濃度を形成するために全域を露光すると、図12(c)に示すように若干良化はするものの、6(V)程度の電位差が残ってしまう。このように電位差が有る状態で現像工程を行なうと、電位差に応じて現像ローラ13から感光ドラム11へトナーの転移する量に差が生じる。最終的には、このトナー量の差が画像上の濃度差となって現れ、b部の濃度がa部に対して薄くなってしまうゴースト画像(多次色転写ゴースト)が発生する。つまりブラックの感光ドラム11は画像形成における1周目、中間転写ベルト30上において、より上流のステーション(ここではイエローとマゼンダのステーション)によって形成された赤色のトナー像と接触する。その結果、ブラックの感光ドラム11が2周目に中間転写ベルト30上に形成するトナー像は、ブラックの感光ドラム11が1周目に赤色のトナー像と接触した部分において薄くなる。
次に多次色転写ゴーストの原因について、以下で詳細に説明する。
図8は、本発明者らの検討によって求められた帯電前の感光ドラム11表面の電位と帯電後の電位の関係を示した図である。実験は、温度25度、相対湿度50%の環境下にて、帯電電圧に−1040(V)を印加した際の感光ドラムの表面電位を測定した。図8を見ると、帯電前の電位が帯電後の電位と近い状態だと電位が安定していないことが分かる。おおよそ、帯電前の電位が−440(V)程度以下では帯電後の電位が−498〜−500(V)程度で比較的安定している。しかし、帯電前電位が−440(V)を超えると、徐々に狙いの帯電後電位である−500(V)を上回る電位が乗り始める。つまり、狙いの帯電後電位と帯電前電位の差が約60(V)以上あれば、帯電後の電位が安定し、それ以下になると徐々に帯電電位が高い値となる。この狙いの帯電後電位よりも電位が乗る現象を「過帯電」と称する。
上記したように、多色トナー転写メモリは、トナーがある部分の帯電前の感光ドラム表面電位がほぼ帯電後電位と同じ電位を保ってしまうため、この過帯電現象が起こり帯電後電位に差が生じることが原因である。
続いて、多次色転写ゴーストの抑制策について、以下で詳細に説明する。
図13は図12と同様にブラック10Kステーションの感光ドラム11表面の電位を表している。図13(a)に示すように、感光体ドラム表面は、−600(V)に一次帯電され、露光工程でバックグランド露光が行なわれることで、−500(V)の表面電位が形成される。このとき、一次転写位置を通過した後の感光ドラム11の電位は、図12(
a)とほぼ同じ電位となり、a部とb部では大きな電位差が生じている。図13(b)は帯電工程を通過後の電位を表している。帯電前にa部とb部の電位差はあるものの、b部においても狙っている一次帯電電位との電位差が十分あるため均一帯電が可能となり、一次帯電電位はほぼ均一になっている。当然、図13(c)に示すように、露光工程において中間調濃度を形成するための露光を行なったあとも電位は均一であり、最終的な画像にも濃度差(ゴースト画像)は現れない。
尚、本発明者らは下記表1に示すように、多次色部の印字率と多次色転写ゴーストに関して、相関があることを見出した。これは、印字率の異なる赤色画像をプリントした際に、ブラック10Kステーションにおける多次色転写ゴーストの発生レベルを調べたものである。この際、非画像電位Vd=−440(V)に固定して、一次帯電電位を変化させることで、暗部コントラストを変化させ、多次色転写ゴーストの発生レベルの変化を調べた。この結果から分かるように、多次色部の印字率が100%を超えると、多次色転写ゴーストが発生し始め、印字率が高くなるに伴い、ゴーストがより顕著に発生する傾向が見られる。これに対して、最大印字率である200%の場合においても、バックグラウンド露光により、暗部コントラストVa=60(V)を確保することで、均一帯電を行うことができ、多次色転写ゴーストの発生を抑制できることが分かった。
(表1)
Figure 0005777687
ここで、画像濃度データを各感光ドラムにそれぞれ形成される現像剤像ごとに取得可能に構成し、上流側の全ての現像剤像の画像濃度データの積算値に基づいて、その下流の感光体の帯電電位を設定することにより、より最適な帯電電位設定が可能となる。転写ゴーストは、例えば、Y:70%とM:70%の重ね合わせで形成される合計画像濃度が140%の赤色画像部(トナーのり量が多い画像部)が、Cのステーションを通過する際に、Cのゴースト画像として発生する。このCで発生する転写ゴーストは、上流に存在するステーションで形成される画像濃度の最大値(トナーのり量の最大値)によって、その発生度合いが変化する(表1)。したがって、画像濃度データとして、上流側のステーションの画像濃度の最大値を検出することができれば、その値に応じて最適な暗部コントラスト(Va)を求めることができ、必要最低限の帯電電圧Vpを設定することが可能となる。
(1−5)感光体のE−V特性に関する説明
次に、図5(a)、図5(b)、図6(a)、図6(b)、図10(a)を用いて、感光ドラムのE−V曲線の変化特性に関して説明する。
感光ドラム11表面の感光層は、プリント動作にともない、放電を繰り返し受けるとともに、クリーニングブレード14や現像ローラ13との摺擦により、表面が削られる。その結果、感光層の膜厚が減少し、表面電位特性に変化が生じる。図5(a)に、膜厚の異なる感光ドラムに対して、それぞれ帯電バイアス電圧を調整することで、感光ドラム表面の一次帯電電位を揃えた場合の、E−V曲線を示す。膜厚減少に伴い、表面電荷密度が上
昇することによって、E−V曲線の傾きが小さくなる。即ち、感光層の経時的な膜厚変化、及び、製造時の感光層膜厚(初期膜厚)によって、感光体電位は変化する。
また、帯電バイアス出力値を所定の値に固定した場合、上記の感光層膜厚変化に伴って、一次帯電電位が上昇する。これは、静電容量の増加に伴い、帯電ローラと感光ドラム間での放電開始電圧が小さくなることに起因するものである。図5(b)は、帯電電圧を所定の値に固定し、感光層の膜厚が異なる感光ドラムを帯電した場合の、E−V曲線である。具体的には、帯電バイアス電圧の出力値を−1040(V)に固定し、感光層の膜厚が18(μm)の感光ドラムと、感光層の膜厚が13(μm)の感光ドラムのE−V曲線である。感光層の膜厚の変化により、一次帯電電位の上昇と、E−V曲線の傾き変化が生じる。感光層の膜厚が18(μm)のときは、所望の暗部電位Vd=−440(V)及び明部電位Vl=−150(V)が得られるレーザ露光出力値は、それぞれE1=0.028(μJ/cm)、E2=0.23(μJ/cm)である。この場合、一定の帯電電圧にてレーザ露光出力値を変更せずに感光層の膜厚が13(μm)になるまでプリントテストを行った場合、暗部電位(Vd)及び明部電位(Vl)が、いずれも目標値からずれて、それぞれ、Vdm、Vlmとなってしまうことが分かる。このため、レーザ露光量E1およびE2は、感光層膜厚に応じて、調整することが好ましい。
図6(a)は、帯電電圧及び現像電圧を固定して、感光ドラムの使用情報に応じてレーザ露光出力値を変更しなかった場合における、Vd及びVlの電位推移を模式的に示した図である。感光ドラムの使用量として印刷枚数を用いている。上述したように、感光層の膜厚変化によりE−V曲線が変化することで、暗部電位(Vd)及び明部電位(Vl)が上昇する。その結果、白地部コントラスト(Vb´)が増大し、現像コントラスト(Vc´)が減少し、画像濃度、カブリ、ライン幅、階調性等の画像品質が低下してしまう。
一方、図6(b)は、帯電電圧及び現像電圧を固定して、感光ドラムの使用情報(感光層の膜厚の変化)に応じて、レーザ露光量E1及びE2を変更した場合における、Vd及びVlの電位の変化を模式的に示した図である。この場合は、図5(b)のように、感光層膜厚が13(μm)になったときには、レーザ露光出力値を、それぞれE1=0.063(μJ/cm)、E2=0.32(μJ/cm)にする。こうすることで、感光層の膜厚が18(μm)のときと同様に、所望の暗部電位Vd=−440(V)及び明部電位Vl=−150(V)を得ることができる。このように、感光体の膜厚情報に基づいて、レーザ露光量E1及びE2を制御することで、寿命を通して安定した暗部電位(Vd)及び明部電位(Vl)を維持することが可能になる。但し、この場合は、感光層の膜厚変化によりE−V曲線が変化することで、一次帯電電位V0が上昇するため、必要以上の暗部コントラスト(Va´)が形成されることになる。
また、感光ドラムのE−V曲線の変化要因として、感光層の感度バラつきがある。これは、製造条件、材料等に起因するものであり、感光ドラム個々の特性である。図10(a)は、感度の異なる膜厚が13(μm)の感光ドラムを所定の一次帯電電位に帯電した場合のE−V曲線である。図10(a)のように、感光層の感度は、E−V曲線の傾きに影響する。この場合も、感度の高い感光ドラムを想定して、レーザ露光出力値E1及びE2を設定した場合、感度の低いドラムに対しては、目標とする暗部電位(Vd)及び明部電位(Vl)が得られず、各々、Vdk、Vlkとなってしまう。このため、レーザ露光量E1及びE2は、感光層感度に応じて、調整することが好ましい。
このとき、感光層感度が、レーザ露光量E1及びE2に及ぼす影響度合いは、同じとは限らない。この膜厚に関係しない、製造、材料の特性に応じた感光層の感度特性に関する情報は、感光層感度に関する情報k1及びk2として、製造時にメモリ17に記憶される。すなわち、k1は、レーザ露光量E1に及ぼす感光層感度の影響度、k2は、レーザ露
光量E2に及ぼす感光層感度の影響度をそれぞれ表している。
(1−6)高圧電源回路に関する概略構成の説明
図4は、本実施例における帯電バイアス電源(帯電用電源)602及び現像バイアス電源601と各プロセスカートリッジとの接続について説明する配線図である。図4に示したように、プロセスカートリッジ10Y〜10Kの帯電ローラ12Y〜12Kには、共通の帯電バイアス電源602が接続されている。すなわち、帯電ローラ12Y〜12Kへは同一の帯電バイアス電圧が印加されるように構成されている。また同様に、プロセスカートリッジ10Y〜10Kの現像ローラ13Y〜13Kには、共通の現像バイアス電源601が接続されている。この場合も、現像ローラ13Y〜13Kへは同一値の現像バイアス電圧が印加されるように構成されている。このように、本実施例の画像形成装置1では、プロセスカートリッジ10Y〜10Kに対する帯電電圧及び現像電圧電源を共通化することで、装置の小型化及び低コスト化の実現を可能としている。
尚、本実施例では、帯電バイアス電源602はDC電圧出力可変の構成とし、一方、現像バイアス電源601はツェナーダイオード素子を用いて、DC固定出力値をする構成である。また、1次転写バイアス電源から各1次転写ローラへ印加するDCバイアス電圧を共通化した画像形成装置も適用可能である。
(1−7)帯電電圧設定に関する説明
制御部100は、画像情報取得手段としての画像処理部103が取得した多次色印字率情報と予め求められた表1から、各プロセスカートリッジ10Y〜10Kに対する、必要な暗部コントラスト(Va)を決定する。即ち、各プロセスカートリッジ10Y〜10Kのそれぞれに対して、上流ステーションの多次色部の印字率の最大値が100%以上の場合、暗部コントラストVa=60(V)と、暗部電位Vd=−440(V)を確保できるように一次帯電電位(V0)を決定する。次に、本発明における制御手段及び取得手段としての制御部100は、各プロセスカートリッジ10Y〜10Kのメモリ17Y〜17Kから初期膜厚に関する情報mi(μm)、膜厚変化量に関する情報mj(μm)を各々読み出す。そして、それらの情報から、膜厚(mi−mj)(μm)を算出する。続いて、制御部100は、以下の(式1)に基づいて、各プロセスカートリッジ10Y〜10Kに対して必要な帯電電圧の下限値(Vp−Y、Vp−M、Vp−C、Vp−K)を、それぞれ算出する。最後に、制御部100は、求められたVp−Y〜Vp−Kの内、最大の値を、各プロセスカートリッジ10Y〜10Kに対する共通の帯電電圧(Vp)として、決定する。つまりVp−Y、Vp−M、Vp−C、Vp−Kのすべてを下回らない帯電電圧Vpを選択するとよい。ここで、膜厚変化量mj(μm)は、プリント枚数t(枚)から算出されるものであり、初期膜厚mi(μm)と合わせて、随時、メモリ17に書き込まれる情報である。
Vp=α×(mi−mj)+V0−β (式1)
mj=ε×t (式2)
α、β、ε:係数
(1−8)レーザパワー制御に関する説明
次に、図7を参照して、本実施例における、非画像部露光量(E1)及び画像部露光量(E2)のレーザパワーの設定方法に関して、以下に説明する。図7(a)は、レーザパワーE1の算出方法、図7(b)はレーザパワーE2の算出方法をそれぞれ説明する図である。本実施例においては、感光ドラム11の製造時の膜厚(初期膜厚)と、感光ドラム11の使用履歴情報から、E−V曲線を精度よく予測して、レーザパワーを制御することで、所望の暗部電位(Vd)及び明部電位(Vl)を形成する。具体的には、感光体のE−V曲線の実使用領域を、図7(a)及び図7(b)のように、それぞれ傾きの異なる一
次関数で近似する。そして、目標とする暗部電位Vd=−440(V)及び明部電位Vl=−150(V)を得るために必要な、レーザパワーE1及びE2を各々算出する。制御部100は、プロセスカートリッジのメモリ17Y〜17Kから初期膜厚に関する情報mi(μm)、膜厚変化量に関する情報mj(μm)、感光層感度に関する情報k1及びk2をそれぞれ読み出す。次に、制御部100は、上述した方法によって決定された全プロセスカートリッジに対する共通の帯電電圧(Vp)と、以下の(式3)〜(式7)に基づいて、各プロセスカートリッジ10Y〜10Kに対する、各レーザパワーE1及びE2を算出する。
E1=k1×(Vd+V0)/γ (式3)
E2=k2×(Vl+V0)/η (式4)
V0=Vp−α×(mi−mj)+β (式5)
γ=ω×(mi−mj)+τ (式6)
η=μ×γ (式7)
α、β、ω、τ、μ:係数
ここで、初期膜厚mi(μm)、感光層感度に関する情報k1及びk2は、製造時にメモリ17に書き込まれる情報である。レーザパワーE1、E2はいずれも膜厚の変化(mj)に応じて比例的に増加していくが、その増加率(mj=0のときのレーザパワーに対する増加率)は、感光層の感度特性に応じて異なるものである(図5(a)参照)。したがって、本実施例では、感光層の膜厚と、感光層の感度特性(k1及びk2)に基づいて、E1、E2の各出力値を個別に算出している。尚、本実施例においては、(式1)〜(式7)は一次関数としたが、感光体及び画像形成装置の特性に応じて適宜決定されるものであり、多項の式あるいは、複数の曲線からなる式であってもかまわない。本実施例では、予め感光ドラムの膜厚と、帯電電圧と、一次帯電電の関係を実験的に求めることで相関づけを行ったものであり、数式はこれに限定されるものではない。また、感光層の膜厚変化量の算出に関しては、感光ドラムの使用頻度を表す指標として、プリント枚数(画像形成回数)の他、帯電バイアスの印加時間、感光ドラムの回転時間や総回転数のいずれかを選択、若しくは、組み合わせても適用可能である。更に、係数α、β、ε、ω、τ、μは、感光体及び画像形成装置の特性に応じて、任意に最適化される係数である。温湿度等の画像形成装置が使用される雰囲気状態を検知するセンサを有している場合は、検知した雰囲気状態に応じて補正される構成とすることで、より詳細な制御を行うことが可能である。本実施例においては、感光体感度に関する情報k1=1、k2=1、係数α=−10、β=360、ω=−80、τ=−700、μ=0.7、ε=2.5×10−3を用いた。
(1−9)感光体表面電位制御を説明するフローチャート
次に、図1のフローチャートを用いて、本実施例における、レーザパワー制御方法に関して説明する。ホスト200からプリント信号が入力される(S101)と、画像形成装置1内の画像情報取得手段としての画像処理部103は、各色の画像濃度データを取得する(S102)。続いて、画像形成装置1内の通信部101は、各プロセスカートリッジ10Y〜10Kに搭載されたメモリ17Y〜17Kと通信を行ない、各メモリに格納されている種々の情報を読み出す(S103〜S105)。読み出す情報は、初期膜厚mi、初期感度(感光層感度に関する情報)k1及びk2、膜厚変化量mjである。
次に、制御部100は、(式1)に基づいて、各プロセスカートリッジ10Y〜10Kに対する帯電電圧の下限値(Vp−Y、Vp−M、Vp−C、Vp−K)を、それぞれ算出する。そして、求められたVp−Y〜Vp−Kの内、最大の値を、各プロセスカートリッジ10Y〜10Kに対する共通の帯電電圧(Vp)として、決定する(S106)。続いて、制御部100は、(式3)〜(式7)に基づいて、各プロセスカートリッジに対する、第一レーザパワーE1を決定し(S107)、同様に第二レーザパワーE2を決定す
る(S108)。画像形成動作を行い(S109)、プリント枚数tを計測する(S110)。そして、制御部100は、計測結果から(式2)に基づいて、膜厚変化量mjを算出し(S111)、算出結果を、通信部101を介して、各プロセスカートリッジのメモリ17に書き込み(上書き)する(S112)。
すなわち、本実施例におけるレーザパワー制御方法の要旨は、感光ドラム11の表面において、中間転写ベルト30において各色のトナー像が重ね合わせられる領域に対応する領域における表面電位をいかに制御するかである。先の画像形成における転写電圧印加後かつ次の画像形成における帯電電圧印加前の表面電位と、次の画像形成における帯電電圧の印加により形成される表面電位と、の間に必要な所定の大きさ以上の電位差が形成される必要がある。そのような帯電電位を、画像濃度データに基づいて、各感光体ごとに予測する。そして、予測された帯電電位を形成するために帯電ローラ12に印加する帯電電圧の大きさを、感光層膜厚に基づいて、各感光ドラム11ごとに予測する。該予測された帯電電圧のなかで最も大きな帯電電圧を、各帯電ローラ12に印加する。該印加された帯電電圧により形成される各感光ドラム11の表面電位の大きさに合せて、各感光ドラム11に対する第一レーザパワーE1、第二レーザパワーE2の出力を個々に制御する。本実施例では、下記表2のように、上記各予測値を予め実験等で求めておきテーブルで用意している。
(表2)
Figure 0005777687
上述した制御を行った一例として、各プロセスカートリッジの感光体膜厚がイエロー(Y):18(μm)、マゼンタ(M):15(μm)、シアン(C):13(μm)、ブラック(K):10(μm)のものを用いた。そして、各プロセスカートリッジにおいて、印字率200%の赤色を含む画像Aと、印字率80%の青色を含む画像Bを各々プリントを行った。この場合、表2(a)で示すように、画像Aの場合は、多次色転写ゴースト抑制の観点から、各プロセスカートリッジに対して必要となる一次帯電電位(V0)は、Y:−440(V)、M:−440(V)、C:−500(V)、K:−500(V)となる。即ち、それぞれの感光体膜厚から、感光体ドラム11を適切に帯電するのに必要な帯電電圧(Vp)の下限値は、表2(a)で示すように、Y:−980(V)、M:−950(V)、C:−990(V)、K:−960(V)となる。これらVp−Y=−980(V)、Vp−M=−950(V)、Vp−C=−990(V)、Vp−K=−960(V)を下回らないよう、これらの中でその大きさ(絶対値)が最大値となる、−990(V)が共通の帯電電圧(Vp)として決定される。この結果、−990(V)の帯電電圧(Vp)により帯電した各プロセスカートリッジの感光体ドラム11は、表2に記載の一次帯電電位(V0)になる。すなわち、各色のドラムの電位は、Y:−450(V)、M:−480(V)、C:−500(V)、K:−530(V)となって、必要とされた一次帯電電位を上回る電位となる。そして画像形成に必要な暗部電位Vd=−440(V)を形成するために、必要なバックグラウンド露光量(E1)は、Y:0.004(μJ/cm)、M:0.021(μJ/cm)、C:0.034(μJ/cm)、K:0.06(μJ/cm)となる。また、画像形成に必要な明部電位Vl=−150Vを形成するために、必要なバックグラウンド露光量(E2)は、Y:0.20(μJ/cm)、M:0.248(μJ/cm)、C:0.287(μJ/cm)、K:0.362(μJ/cm)となる。なお本実施例において、V0、Vpの値はマイナスである。説明において電位の下限値や最大値といった場合、それらの絶対値の大きさが下限や最大となる値という意味である。
一方、画像Bの場合は、最大でも印字率90%の多次色部であるため、多次色転写ゴーストが発生する恐れがない。そのため、表2(b)で示すように、各プロセスカートリッジの感光体ドラム11に対して必要な一次帯電電位(V0)は、全色−440(V)となる。即ち、それぞれの感光体膜厚から、必要な帯電電圧(Vp)の下限値は、Y:−980(V)、M:−950(V)、C:−930(V)、K:−900(V)となり、その最大値である、−980(V)が共通の帯電電圧(Vp)として決定される。この結果、各色の感光体ドラム11の一次帯電電位(V0)は、表2(b)に記載されたように、Y:−440(V)、M:−470(V)、C:−490(V)、K:−520(V)となる。そして、画像形成に必要な暗部電位Vd=−440(V)を形成するために、必要なバックグラウンド露光量(E1)は、それぞれ、Y:0(μJ/cm)、M:0.01(μJ/cm)、C:0.02(μJ/cm)、K:0.05(μJ/cm)となる。また、画像形成に必要な明部電位Vl=−150(V)を形成するために、必要なバックグラウンド露光量(E2)は、Y:0.194(μJ/cm)、M:0.240(μJ/cm)、C:0.279(μJ/cm)、K:0.352(μJ/cm)となる。
このように、多次色印字率が低い場合は、感光ドラムに対する露光量を最小化できていることが分かる。尚、画像A及び画像Bいずれもゴースト画像の発生はなかった。これは、マゼンダ(M)とシアン(C)とブラック(K)に対応する帯電電位の下限値Vp−M,Vp−C,Vp−Kが、その色に対応する感光体ドラムよりも上流に位置する感光体ドラムで形成される現像剤像の濃度に応じて変化するからである。これにより多次色転写ゴースト画像が発生しない大きさのVpを設定することが可能となる。
例えば、シアンの感光体ドラムに対応するVp−Cの値は、シアンの現像剤像よりも先に中間転写ベルト30に転写されるイエローの現像剤像とマゼンダの現像剤像の画像濃度によって決定される。イエローとマゼンダの画像濃度の積算値が大きい場合(画像Aを形成する場合)は、この画像濃度の積算値が小さい場合(画像Bを形成する場合)よりも、画像形成中にシアンの感光体ドラム11の表面電位が不均一になりやすい。つまり画像Aを形成する場合に、シアンの感光体ドラム11が中間転写ベルト30に形成されたイエローとマゼンダのトナー像に触れると、そのトナー像に触れた領域と触れなかった領域との間で、感光体ドラム11の表面電位が大きく変わってしまう。そのまま画像形成を続ける
と、シアンの感光体ドラム11の表面電位には、感光体ドラム11の2周目以降、イエローとマゼンダの画像の影響が生じてしまう可能性がある。
しかし本実施例では、画像Aの場合は画像Bの場合よりもVp−Cを大きくしている。このため、表2に示すように、画像Aを形成する際の帯電電位Vpは−990Vが選択され、画像Bを形成する際のVpである−980Vよりもその絶対値(大きさ)が大きくなる。これにより画像Aの形成中に、シアンの感光体ドラム11の表面電位が中間転写ベルト30との接触で不均一になったとしても、その感光体ドラム11の電位を帯電によって均一に戻しやすくなる。つまりは画像Aを形成している間、感光体ドラム11の表面電位11が安定する。シアンで形成されるトナー像の中に、マゼンダやイエローで形成された画像の影響が生じることが抑制される。
なお、マゼンダの感光体ドラム11に対応するVp−Mは、マゼンダの現像剤像よりも先に中間転写ベルト30に転写されるイエローの現像剤像の画像濃度に基づいて決められる。またブラックの感光体ドラム11に対応するVp−Kは、ブラック(K)の現像剤像よりも先に中間転写ベルト30に転写されるイエロー(Y)とマゼンダ(M)とシアン(C)の現像剤像の画像濃度をすべて積算した積算値に基づいて決めている。これにより、マゼンダやブラックの感光体ドラム11でも、シアンの感光体ドラム11と同様の表面電位を安定化できる。上流側の感光体ドラム11で形成された画像の影響が、下流側の感光体ドラム11で形成する画像に生じること(ゴースト画像が生じること)が抑制できる。
尚、本実施例におけるレーザパワーは、表面速度120(mm/sec)で回転駆動している感光体表面が受ける、露光量として定義したものであり、それぞれの露光量を得るために、制御部100はレーザ出力値の制御を行うものとする。また、本実施例においては、予め求められた表1に基づき、段階的に暗部コントラストを変更したが、多次色印字率と暗部コントラストの関係を関数で定義しておき、より詳細に制御することも可能である。
以上説明したように、本実施例は、多次色印字率の最大値を検知して、帯電電圧と露光量の制御を行う。そのため、多次色転写ゴースト画像の発生なく、最小の露光量によって、所望の非画像部電位(Vd)及び、画像部電(Vl)を形成することができる。また、帯電電圧及び現像電圧の電源を各々共通化することで電源数を極小化できるので、装置の小型化、低コスト化を図ることができる。
(実施例2)
本発明の実施例2における画像形成装置、感光ドラム、潜像設定、高圧電源構成は、実施例1と同様である。本実施例は、感光ドラムの露光履歴(被露光量)を考慮することで、E−V曲線の予測精度を更に向上させて、レーザパワーE1及びE2を制御することを特徴とする。
(2−1)感光体のE−V特性に関する説明
感光体ドラムの使用に伴う、電位の変化要因として、感光層膜厚の変化に加えて、レーザ露光による感度の変化(低下)が生じる。これは、本実施例のように非画像部露光量を最小に抑制制御した場合でも、感光体の使用にともないわずかに発生する。これは、非画像部露光(E1)と画像部露光(E2)が繰り返されることで、感光層内に残留電荷が蓄積することが原因である。そのため、画像形成回数に加えて、レーザ露光面積即ち画像データ数に応じて、感度変化の度合いが異なり、累積の露光エネルギーが多くなる程、残留電荷量が増加する。一例として、図10(b)に、0%印字率及び5%印字率で20000(枚)のプリントを行った後の、13(μm)の感光ドラムのE−V曲線を示す。プリント画像データの履歴(いわゆる、被露光履歴)によって、E−V曲線が変化することが分かる。露光履歴のない感光ドラムを想定して、レーザ露光出力値E1及びE2を設定した場合、露光履歴のあるドラムに対しては、目標とする暗部電位(Vd)及び明部電位(
Vl)が得られず、各々、Vdp、Vlpとなってしまう。このため、本実施例においては、感光ドラムの露光履歴(被露光量)を検出して、露光履歴が大きい場合は、レーザパワーE1及びE2が大きくになるように補正することで、精度よく暗部電位(Vd)及び明部電位(Vl)を形成する。本実施例における感光ドラムは、露光履歴によってE−V曲線が図10(b)のように変化するため、レーザパワーE1に対する補正率よりも、レーザパワーE2に対する補正率を大きくすることが好ましい。
(2−2)本実施例における、感光体表面電位制御に関する説明
本実施例においては、各プロセスカートリッジの感光体の露光履歴(ρ)を検出する。具体的には、制御部100は、プリント画像データからピクセル数を計測し、積算ピクセル値(P)を算出することで、画像部露光量(E2)要因による露光履歴を求める。一方、非画像部露光量(E1)要因による露光履歴は、画像形成回数(プリント枚数)を用いることができる。例えば、5%の印字率で1000(枚)プリントした場合、積算ピクセル値P=5000と計測し、露光履歴(ρ)は以下の(式10)から、5.8×10−3と算出される。露光履歴(ρ)は、プリントが行われる毎に、随時メモリ17に書き込まれる情報である。
制御部100は、実施例1で説明した方法と同様に、多次色印字率に応じて、暗部コントラスト(Va)を設定し、(式1)を用いて、共通の帯電電圧(Vp)を決定する。
次に、制御部100は、メモリ17Y〜17Kから、初期膜厚に関する情報mi(μm)、膜厚変化量に関する情報mj(μm)、感光層感度に関する情報k1及びk2、露光履歴(ρ)を読み出す。取得された情報と、(式5)〜(式10)を用いて、暗部電位Vd=−440(V)及び明部電位Vl=−150(V)を得るために必要な、レーザパワーE1及びE2(μJ/cm)をそれぞれ算出する。
E1=(1+ρ)×k1×(Vd−V0)/γ (式8)
E2=(1+λ×ρ)×k2×(Vl−V0)/η (式9)
ρ=ζ×P +δ×t (式10)
δ、λ、ζ:係数
本実施例においては、係数λ=1.1、δ=1.8×10−6、ζ=8×10−7を用いた。また、実施例1と同様に、感光体感度に関する情報k1=1、k2=1、係数α=−10、β=360、ω=−80、τ=−700、μ=0.7、ε=2.5×10−3を用いた。尚、各数式及び各係数は、感光体及び画像形成装置の特性に応じて適宜決定されるものであり、これに限定されるものではない。
(2−3)感光体表面電位制御を説明するフローチャート
図9のフローチャートを用いて、本実施例における、レーザパワー制御方法に関して説明する。ホスト200からプリント信号が入力される(S901)と、画像形成装置1内の画像情報取得手段としての画像処理部103は、各色の画像濃度データを取得する(S902)。続いて、画像形成装置1内の通信部101は、各プロセスカートリッジ10Y〜10Kに搭載されたメモリ17Y〜17Kと通信を行ない、各メモリに格納されている種々の情報を読み出す(S903〜S906)。読み出す情報は、初期膜厚mi、初期感度(感光層感度に関する情報)k1及びk2、膜厚変化量mj、露光履歴(ρ)である。
次に、制御部100は、(式1)に基づいて、各プロセスカートリッジ10Y〜10Kに対する帯電電圧の下限値(Vp−Y、Vp−M、Vp−C、Vp−K)を、それぞれ算出する。そして、求められたVp−Y〜Vp−Kの内、最大の値を、各プロセスカートリッジ10Y〜10Kに対する共通の帯電電圧(Vp)として、決定する(S907)。続
いて、制御部100は、(式5)〜(式10)に基づいて、各プロセスカートリッジに対する、第一レーザパワーE1を決定し(S908)、同様に第二レーザパワーE2を決定する(S909)。画像形成動作を行い(S910)、プリント枚数(t)を計測する(S911)。そして、制御部100は、計測結果から(式2)に基づいて、膜厚変化量mjを算出し(S912)、算出結果を、通信部101を介して、各プロセスカートリッジのメモリ17に書き込み(上書き)する(S913)。続いて、制御部100は、プリント枚数(t)とともに計測された積算ピクセル値(P)から、(式10)に基づいて、露光履歴(ρ)を算出する(S914)。そして、算出結果を、通信部101を介して、各プロセスカートリッジのメモリ17に書き込み(上書き)する(S915)。
上述した制御を行った一例として、シアン10Cステーションにおいて、初期膜厚が18(μm)の感光ドラムを用い、5%印字率の画像を、20000(枚)プリントを行った後、印字率200%の赤色を含む画像Cのプリントを行った。このとき、シアン10Cステーションの感光体膜厚が最も大きいものとする。画像Cのプリント時、制御部100は13(μm)の膜厚に変化したシアン10Cステーションの感光ドラムに対して、暗部コントラストVa=60(V)、一次帯電電位V0=−500(V)となるように帯電電圧Vp=−990(V)を帯電電圧として設定する。次に、レーザ出力値を各々E1=0.0384(μJ/cm)、E2=0.324(μJ/cm)に設定することで、暗部電位Vd=−450(V)及び明部電位Vl=−150(V)を得ることができる。
尚、本発明のレーザパワーE1とE2は、パルス幅変調により、発光時間を変更して形成された2水準の露光量である場合でも、適用可能である。更に、光源はレーザダイオードに限定するものではなく、LED等を用いた場合でも適用可能である。また、本実施例においては、露光履歴(ρ)の算出結果を各プロセスカートリッジのメモリ17に格納する形態としたが、他の方法でもよい。例えば、積算ピクセル値(P)とプリント枚数(t)をそれぞれメモリ17に格納し、制御部100が随時、露光履歴(ρ)を算出する方法でも本発明は適用可能である。
また、実施例では、帯電手段に印加されるバイアスがDC電圧であるDC帯電方式で説明した。これは、DC帯電方式の方が、不均一帯電による画像不良が発生しやすいからである。しかしながら、本発明はDC帯電に限定されるものではない。例えばDC電圧にAC電圧を重畳して帯電を行う、いわゆるAC帯電方式であっても、非画像部と画像部とを露光して電位形成を行うような画像形成装置であれば本発明を適用することができる。
(まとめ)
上記実施例1、2では、制御部100は、前の画像形成において形成された画像(現像剤像)の画像濃度に基づいて、その後の画像形成において帯電電位Vpと、レーザパワーE1、E2を制御するようにした。帯電電圧Vpの大きさおよびレーザパワーE1,E2の大きさを必要最低限に保ち、感光体ドラムの消耗を抑えることができる。この際、制御部100は、各色の感光体ドラム11ごとに必要な帯電電圧の下限値としてVp−Y、Vp−M、Vp−C、Vp−Kを設定し、実際に印加する帯電電圧Vpをこれらすべての下限値を下回らないよう設定した。制御部100は、先に中間転写ベルト30への転写が行われる現像剤像の画像濃度に基づき、その後に中間転写ベルト30へ転写される現像剤像が形成される感光体ドラム11に対して、帯電電圧の下限値を設定するものである。例えばシアン(C)の感光体ドラム11に対して設定される下限値Vp−Cは、イエロー(Y)、マゼンダ(M)の現像剤像の画像濃度に基づき決定される。これにより、各帯電ローラに帯電電圧を印加する帯電バイアス電源602が共通であっても、各感光体ドラム11を均一に帯電するのに十分な帯電電位Vpを設定することができ、多次色転写ゴーストの発生を抑えることができる。
1…画像形成装置、100…制御部、101…通信部、102…レーザパワー制御部、103…画像処理部、20…レーザ露光ユニット、11…感光ドラム、13…現像ローラ、12…帯電ローラ、17…メモリ、601…現像バイアス電源、602…帯電バイアス電源

Claims (12)

  1. 記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、
    複数の感光体と、
    互いに共通の帯電用電源から帯電電圧を印加され、前記複数の感光体を帯電する複数の帯電手段と、
    前記帯電手段により帯電された後の前記複数の感光体の表面に、第一のレーザパワーで露光して非画像部電位を形成し、第二のレーザパワーで露光して画像部電位を形成する露光手段と、
    互いに共通の現像用電源から現像電圧を印加され、前記複数の感光体において前記画像部電位が形成された領域に現像剤を付着させて現像剤像を形成する複数の現像手段と、
    転写電圧を印加され、前記複数の感光体上に形成された現像剤像を転写媒体に順次重ね合わせる様に転写させる転写手段と、
    前記複数の感光体のそれぞれで形成される現像剤像の画像濃度に基づいて、前記帯電用電源から印加する帯電電圧の大きさ、前記第一のレーザパワーおよび前記第二のレーザパワーの出力を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、感光体ごとに前記帯電電圧の大きさの下限値を設定し、それらすべての下限値を下回らない大きさの帯電電圧を前記帯電用電源から前記複数の帯電手段に印加させ、かつ感光体ごとに個別に前記第一のレーザパワーおよび前記第二のレーザパワーの出力を制御するものであって、
    前記複数の感光体のうち前記転写媒体へ2番目以降に現像剤像を転写する感光体は、先に前記転写媒体への転写が行われる現像剤像の画像濃度に基づき前記下限値設定されることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、先に前記転写媒体への転写が行われる全ての現像剤像の画像濃度に基づき、その後に転写媒体へ転写される現像剤像が形成される感光体に対して、前記下限値を設定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御手段は、先に前記転写媒体へ転写が行われる全ての現像剤像の画像濃度を積算して、その積算した値が大きくなるほど、後に前記転写媒体に転写される現像剤像が形成
    される感光体に対して、前記下限値を大きく設定することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記画像形成装置は、前記複数の感光体のそれぞれの感光層の膜厚を取得する取得手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記感光体に対して、その感光層の膜厚に基づいて前記下限値を設定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記画像形成装置は、前記複数の感光体のそれぞれの感光層の膜厚を取得する取得手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記感光体を露光するためのレーザパワーの出力を、その感光層の膜厚に基づいて設定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記取得手段は、感光層の初期膜厚と、前記感光体の使用頻度に基づいて算出される膜厚変化量と、に基づいて感光層の膜厚を算出することを特徴とする請求項4または5に記載の画像形成装置。
  7. 前記感光体の使用頻度は、画像形成回数、前記感光体の総回転数、前記帯電手段に対する帯電電圧の印加時間の少なくとも一つに基づいて算出されることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記制御手段は、前記感光体を露光するためのレーザパワーの出力を、その感光体の被露光量に基づいて、制御することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記被露光量は、形成される画像のピクセル数、画像形成回数のうち、少なくとも一つに基づいて算出されることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記複数の感光体をクリーニングする複数のクリーニング手段を更に備え、
    前記帯電手段、前記現像手段、前記クリーニング手段のうち少なくとも一つと、前記感光体が、対応する構成ごとにプロセスカートリッジとして一体に構成され、それぞれ画像形成装置の装置本体に対して着脱可能であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  11. 前記複数の感光体の感光層の初期膜厚、感度特性、使用頻度、被露光履歴を少なくとも含む前記複数の感光体に関する情報を記憶する複数の記憶手段を更に備え、
    前記複数の記憶手段が、対応する前記プロセスカートリッジにそれぞれ一体に構成されていることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  12. 前記制御手段は、感光体ごとに設定された前記下限値のうち、最も大きな下限値を前記帯電用電源から前記複数の帯電手段に印加させる帯電電圧の大きさとして設定することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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