JP5776273B2 - 熱中症予防システム - Google Patents

熱中症予防システム Download PDF

Info

Publication number
JP5776273B2
JP5776273B2 JP2011076164A JP2011076164A JP5776273B2 JP 5776273 B2 JP5776273 B2 JP 5776273B2 JP 2011076164 A JP2011076164 A JP 2011076164A JP 2011076164 A JP2011076164 A JP 2011076164A JP 5776273 B2 JP5776273 B2 JP 5776273B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
living body
heat stroke
risk
prevention system
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011076164A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012210233A (ja
Inventor
雄司 朝田
雄司 朝田
小椋 敏彦
敏彦 小椋
幸哉 澤野井
幸哉 澤野井
賢治 橋野
賢治 橋野
伊藤 伸一
伸一 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Omron Healthcare Co Ltd
Original Assignee
Omron Healthcare Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Omron Healthcare Co Ltd filed Critical Omron Healthcare Co Ltd
Priority to JP2011076164A priority Critical patent/JP5776273B2/ja
Publication of JP2012210233A publication Critical patent/JP2012210233A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5776273B2 publication Critical patent/JP5776273B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

この発明は熱中症予防システムに関し、熱中症の危険があるとき報知するシステムに関する。
従来、この種のシステムとしては、特許文献1(特開2005−334021号公報)に開示されたスポーツ事故防止システムのように、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)を用いて、現地点のWBGT(湿球黒球温度)データを取得し、WBGTが所定値以上なら警告するシステムが知られている。同システムは、生体信号(体温、血圧、脈拍、インピーダンス)をモニタし、いずれかが所定値以上なら警告するようになっている。
また、特許文献2(特開2010−131209号公報)に開示された耳栓型鼓膜温計測機器のように、鼓膜温から熱ストレインを評価し熱中症の警報を出すシステムが知られている。同システムは、耳栓型機器の中に加速度センサを組み込み、歩行量、作業量を含めた情報を取得する機能を備えている。
特開2005−334021号公報 特開2010−131209号公報
しかしながら、上記従来のシステムは、生体信号を測定するためにセンサを生体に直に密着させないといけない構成となっているため、使い勝手(ユーザビリティ)が悪いという問題がある。
そこで、この発明の課題は、熱中症の危険があるとき報知する熱中症予防システムであって、使い勝手が良いものを提供することにある。
上記課題を解決するため、第1の局面では、この発明の熱中症予防システムは、
生体に装着されるべき筐体と、
上記筐体に搭載され、上記生体とともに移動することによって上記生体の活動量をリアルタイムで計測する活動量計測部と、
上記生体の周囲の温度を含む環境情報を取得する環境情報取得部と、
上記活動量と上記環境情報とに基づいて、上記生体が熱中症となるリスクを表すリスク指標を求めるリスク算出部と、
上記リスク指標を表す情報を報知するリスク報知部とを備え
上記活動量計測部は、現時点から遡った直近の一定長さの期間を算出期間として設定し、上記算出期間についての上記生体の運動強度の寄与を上記活動量として算出することを特徴とする。
本明細書で、「生体に装着」とは、生体に対して直に取り付けられても良いし、上記生体の着衣を介して間接に(例えばポケットに装着して)取り付けられても良いことを意味する。
本明細書で、「活動量」(単位[Ex])は、生体が行った運動の強度(単位[METs];METabolic equivalents)にその運動を行った時間(単位[h];hour)を乗じたものとして表される(単位としては[Ex]=[METs・h]となる。)。運動強度(単位[METs])は、安静時に対して運動の強さが何倍に相当するかを意味する。なお、消費カロリ[kcal]は、活動量[Ex]に生体の体重[kg]を乗じたもの、すなわち、消費カロリ[kcal]=活動量[Ex]×体重[kg]である。
この第1の局面の熱中症予防システムでは、筐体に搭載された活動量計測部が、生体とともに移動することによって上記生体の活動量をリアルタイムで計測する。それとともに、環境情報取得部が、上記生体の周囲の温度を含む環境情報を取得する。リスク算出部が、上記活動量と上記環境情報とに基づいて、上記生体が熱中症となるリスクを表すリスク指標を求める。そして、リスク報知部が、上記リスク指標を表す情報を報知する。したがって、ユーザ(典型的には、上記生体を有する被験者を指す。ただし、リスク指標に基づいて被験者のためのケアをする者等であっても良い。以下同様。)は、上記リスク指標によって熱中症の危険(リスク)があることを認識でき、したがって、安静にするなどの対策をとって熱中症を予防することができる。また、この熱中症予防システムでは、上記筐体が上記生体に装着されれば、上記活動量計測部が上記生体とともに移動して機能を発揮する。したがって、上記筐体(この筐体に搭載された上記活動量計測部を含む。)を上記生体に直に密着させる必要がなく、上記生体の着衣を介して間接に(例えばポケットに装着して)取り付ければ良い。したがって、この熱中症予防システムは、使い勝手が良い。
また、この熱中症予防システムでは、上記活動量計測部は、現時点から遡った直近の一定長さの期間を算出期間として設定し、上記算出期間についての上記生体の運動強度の寄与を上記活動量として算出する。したがって、上記活動量をリアルタイムで簡単に算出できる。
第2の局面では、この発明の熱中症予防システムは、
生体に装着されるべき筐体と、
上記筐体に搭載され、上記生体とともに移動することによって上記生体の活動量をリアルタイムで計測する活動量計測部と、
上記生体の周囲の温度を含む環境情報を取得する環境情報取得部と、
上記活動量と上記環境情報とに基づいて、上記生体が熱中症となるリスクを表すリスク指標を求めるリスク算出部と、
上記リスク指標を表す情報を報知するリスク報知部とを備え、
上記活動量計測部は、上記生体の運動強度が安静レベルを超えた所定レベル以上で継続しているとき、上記運動強度の寄与を上記活動量として累積してゆくとともに、現時点よりも所定時間以前の上記運動強度の寄与分を、上記活動量から順次除去してゆくことを特徴とする。
この第2の局面の熱中症予防システムでは、第1の局面におけるのと同様に、ユーザは、上記リスク指標によって熱中症の危険(リスク)があることを認識でき、したがって、安静にするなどの対策をとって熱中症を予防することができる。また、上記筐体(この筐体に搭載された上記活動量計測部を含む。)を上記生体に直に密着させる必要がなく、上記生体の着衣を介して間接に(例えばポケットに装着して)取り付ければ良い。したがって、この熱中症予防システムは、使い勝手が良い。また、この熱中症予防システムでは、上記活動量計測部は、上記生体の運動強度が安静レベルを超えた所定レベル以上で継続していれば、上記運動強度の寄与を上記活動量として累積してゆく。したがって、上記生体の活動量をリアルタイムで精度良く計測できる。また、上記生体の運動強度が上記安静レベルを超えた所定レベル以上で継続しているときであっても、現時点よりも所定時間以前の運動による疲労は、次第に解消してゆくと考えられる。そこで、この熱中症予防システムでは、上記活動量計測部は、上記生体の運動強度が安静レベルを超えた所定レベル以上で継続しているとき、現時点よりも所定時間以前の上記運動強度の寄与分を、上記活動量から順次除去してゆく。したがって、上記生体の活動量をリアルタイムで精度良く計測できる。
第1の局面においても、一実施形態の熱中症予防システムでは、上記活動量計測部は、上記生体の運動強度が安静レベルを超えた所定レベル以上で継続しているとき、現時点よりも所定時間以前の上記運動強度の寄与分を、上記活動量から順次除去してゆくことを特徴とする。
これにより、上記生体の活動量をリアルタイムで精度良く計測できる。
一実施形態の熱中症予防システムでは、上記活動量計測部は、上記生体の運動強度が所定レベル未満で所定時間継続したとき、上記活動量を初期化することを特徴とする。
上記生体の運動強度が所定レベル未満で所定時間継続したとき、上記生体の疲労は回復すると考えられる。そこで、この一実施形態の熱中症予防システムでは、上記活動量計測部は、上記生体の運動強度が所定レベル未満で所定時間継続したとき、上記活動量を初期化する。したがって、上記生体の活動量をリアルタイムで精度良く計測できる。
一実施形態の熱中症予防システムでは、
上記環境情報取得部は、
上記筐体に搭載され、GPS衛星と通信して上記生体の地球上での現在位置を求めるGPS受信部と、
所定のサーバと通信して、上記現在位置に基づいて、上記生体のための湿球黒球温度を上記環境情報として取得する湿球黒球温度取得部とを有することを特徴とする。
ここで、WBGT(湿球黒球温度)とは、人体の熱収支に影響の大きい湿度、輻射熱、気温の3つを取り入れた指標で、乾球温度、湿球温度、黒球温度の値を使って計算される。
具体的には、WBGT(湿球黒球温度)は、屋外と屋内とのそれぞれについて、次のように計算される。
屋外:WBGT = 0.7×湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度
屋内:WBGT(屋内) = 0.7×湿球温度+0.3×黒球温度
この一実施形態の熱中症予防システムでは、上記環境情報取得部に含まれたGPS受信部が、GPS衛星と通信して上記生体の地球上での現在位置を求める。さらに、湿球黒球温度取得部が、所定のサーバと通信して、上記現在位置に基づいて、上記生体のための湿球黒球温度を上記環境情報として取得する。これに応じて、上記リスク算出部は、上記活動量と上記湿球黒球温度とに基づいて、上記生体が熱中症となるリスクを表すリスク指標を求める。これにより、リスク指標を精度良く求めることができる。
なお、上記生体が屋外と屋内とのいずれに居るかが不明なときは、上記生体の安全のため、上記リスク算出部は、屋外について規定されたWBGTを用いるのが望ましい。
一実施形態の熱中症予防システムでは、上記生体が屋外と屋内とのいずれに居るかを表す屋外屋内情報を入力する第1入力部を備えたことを特徴とする。
この一実施形態の熱中症予防システムでは、第1入力部が、上記生体が屋外と屋内とのいずれに居るかを表す屋外屋内情報を入力する。したがって、上記生体が屋外と屋内とのいずれに居るかに応じて、上記リスク算出部は、屋外または屋内について正しく規定されたWBGTを用いて上記リスク指標を求めることができる。これにより、リスク指標を精度良く求めることができる。
一実施形態の熱中症予防システムでは、上記環境情報取得部は、上記筐体に搭載され、上記生体の周囲の環境温度を上記環境情報として取得する温度センサを有することを特徴とする。
この一実施形態の熱中症予防システムでは、上記環境情報取得部に含まれた温度センサが、上記生体の周囲の環境温度を上記環境情報として取得する。これに応じて、上記リスク算出部は、上記活動量と上記環境温度とに基づいて、上記生体が熱中症となるリスクを表すリスク指標を求める。これにより、リスク指標を簡単に求めることができる。
一実施形態の熱中症予防システムでは、
上記生体に固有の年齢またはボディマス指数を少なくとも含む固有情報を入力する第2入力部と、
上記固有情報に基づいて上記リスク指標をシフトする補正を行う第1リスク補正部とを備えたことを特徴とする。
ここで、ボディマス指数(BMI;Body Mass Index)は、体重と身長の関係から算出されるヒトの肥満度を表す体格指数である。体重がw[kg]、身長がt[m]の人のBMIは、BMI=w/tで表される。
5歳以下の子供は体温調節機能が未発達であるため、65歳以上の高齢者は体の機能低下(発汗量が少なくなる)のため、BMIが25以上の肥満者は熱生産量が多い割には体表面積が少なくて体に熱がこもり易いため、それぞれ熱中症にかかりやすい傾向がある。そこで、この一実施形態の熱中症予防システムでは、第2入力部が、上記生体に固有の年齢またはボディマス指数を少なくとも含む固有情報を入力する。第1リスク補正部は、上記固有情報に基づいて上記リスク指標をシフトする補正を行う。したがって、熱中症の危険を精度良く報知することができる。
一実施形態の熱中症予防システムでは、
上記生体のインピーダンスを表すインピーダンス情報を入力する第3入力部と、
上記インピーダンス情報に基づいて上記リスク指標をシフトする補正を行う第2リスク補正部とを備えたことを特徴とする。
上記生体のインピーダンスが大ならば、上記生体内の水分が少なくて体温調節機能が低下するため、熱中症にかかりやすい傾向がある。そこで、この一実施形態の熱中症予防システムでは、第3入力部が、上記生体のインピーダンスを表すインピーダンス情報を入力する。第2リスク補正部は、上記インピーダンス情報に基づいて上記リスク指標をシフトする補正を行う。したがって、熱中症の危険を精度良く報知することができる。
一実施形態の熱中症予防システムでは、上記活動量計測部が計測した運動強度の履歴に基づいて、上記生体の直近の睡眠時間を算出して、上記睡眠時間に基づいて上記リスク指標をシフトする補正を行う第3リスク補正部とを備えたことを特徴とする。
上記生体が睡眠不足であれば、体温調節機能が低下するため、熱中症にかかりやすい傾向がある。そこで、この一実施形態の熱中症予防システムでは、第3リスク補正部は、上記活動量計測部が計測した運動強度の履歴に基づいて、上記生体の直近の睡眠時間を算出して、上記睡眠時間に基づいて上記リスク指標をシフトする補正を行う。したがって、熱中症の危険を精度良く報知することができる。
一実施形態の熱中症予防システムでは、所定のサーバと通信して、前日の最高気温と今日の最高気温とを表す情報を取得して、前日の最高気温と今日の最高気温との差に基づいて上記リスク指標をシフトする補正を行う第4リスク補正部を備えたことを特徴とする。
前日の最高気温よりも今日の最高気温が或る程度以上高ければ、上記生体は高い気温に順応していないため、熱中症にかかりやすい傾向がある。そこで、この一実施形態の熱中症予防システムでは、第4リスク補正部は、所定のサーバと通信して、前日の最高気温と今日の最高気温とを表す情報を取得して、前日の最高気温と今日の最高気温との差に基づいて上記リスク指標をシフトする補正を行う。したがって、熱中症の危険を精度良く報知することができる。
ここで、今日の「最高気温」としては、現時点が例えば午前中であり、実際の「最高気温」が未だ確定していないときは、「予想最高気温」を用いる。現時点が例えば夕方であり、実際の「最高気温」が既に確定しているときは、実際の「最高気温」を用いる。
一実施形態の熱中症予防システムでは、
上記筐体に搭載され、紫外線を検出する紫外線センサと、
上記紫外線センサの出力に基づいて上記生体が屋外に居るか屋内に居るかを判断して、上記生体が屋外に居るとき上記リスク指標をシフトする補正を行う第5リスク補正部とを備えたことを特徴とする。
上記生体が屋内ではなく、屋外に居れば、熱中症にかかりやすい傾向がある。そこで、この一実施形態の熱中症予防システムでは、紫外線センサが紫外線を検出する。第5リスク補正部は、上記紫外線センサの出力に基づいて上記生体が屋外に居るか屋内に居るかを判断して、上記生体が屋外に居るとき上記リスク指標をシフトする補正を行う。したがって、熱中症の危険を精度良く報知することができる。
以上より明らかなように、この発明の熱中症予防システムは、熱中症の危険があるとき報知する熱中症予防システムであって、使い勝手が良いものとなる。
この発明の一実施形態の熱中症予防システムのブロック構成を示す図である。 この発明の別の実施形態の熱中症予防システムのブロック構成を示す図である。 この発明のさらに別の実施形態の熱中症予防システムのブロック構成を示す図である。 上記各熱中症予防システムにおける活動量の算出の仕方をグラフで示す図である。 上記活動量と環境情報(WBGT、乾球温度)とに基づいてリスク指標を求めるための2次元判定マップを示す図である。 上記活動量と環境情報(WBGT、乾球温度)とに基づいてリスク指標を求めるための2次元判定マップを示す図である。 消費カロリとWBGTとに基づいて警告指標を求めるための2次元判定マップを示す図である。 上記各熱中症予防システムにおけるリスク指標の求め方のフローを示す図である。 図8における環境情報取得の具体的なフローを示す図である。 図8における環境情報取得の別のフローを示す図である。 リスク補正要因を例示する図である。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、この発明の一実施形態の熱中症予防システム(全体を符号90で示す。)のブロック構成を示している。
この熱中症予防システム90は、生体に装着されるべき筐体10と、この筐体10に搭載された制御部11、操作入力部12、電源部13、電源接続部14、表示・音声報知部15、加速度センサ16、GPS受信部17、インターネット接続部18および紫外線センサ19を備えている。
制御部11は、ソフトウェアによって動作するCPU(中央演算処理ユニット)を含み、後述の各種処理を実行する。
操作入力部12は、図示しない入力キーを含み、ユーザからのオンオフ操作や各種情報を入力するために働く。入力される情報としては、上記生体の体重、年齢、BMI(Body Mass Index;ボディマス指数)、生体インピーダンス、睡眠時間などが挙げられる。
電源部13は、この例では乾電池からなる。この電源部13は、コネクタからなる電源接続部14を介して、筐体10内の各部へ電力を供給する。
表示・音声報知部15は、この例では図示しないLCD(液晶表示素子)と、スピーカとを含んでいる。LCDは、制御部11から各種情報(後述のリスク指標を含む。)を受けて表示する。それとともに、スピーカは、制御部11が求めたリスク指標(または警告)を音声によってユーザへ報知する。なお、スピーカに代えて圧電ブザーを備えて、制御部11が求めたリスク指標(または警告)をアラーム音によってユーザへ報知しても良い。
加速度センサ16は、生体に装着された筐体10とともに移動することによって上記生体の運動(体動)を検出する。この加速度センサ16の出力は、制御部11に入力される。そして、制御部11によって、上記生体の運動強度および活動量がリアルタイムで算出されて、計測される。
GPS受信部17は、GPS衛星と通信して、筐体10を装着した生体の地球上での現在位置を求める。このGPS受信部17が求めた現在位置は、制御部11に入力される。
インターネット接続部18は、この例では無線LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)インターフェイスからなり、インターネットを介して通信するために働く。なお、インターネット上には、地球上の位置毎のWBGT(湿球黒球温度)や予想最高気温などを環境情報として提供できるサーバ100が存在する。
紫外線センサ19は、上記生体が居る環境の紫外線を検出する。この紫外線センサ19の出力は、制御部11に入力される。制御部11は、この紫外線センサ19の出力に基づいて、上記生体が屋外に居るか屋内に居るかを表す屋外屋内情報を取得できる。具体的には、制御部11は、紫外線センサ19の出力が或る閾値以上であれば上記生体が屋外に居ると判断する一方、紫外線センサ19の出力が上記閾値未満であれば上記生体が屋内に居ると判断する。
この熱中症予防システム90は、制御部11による制御によって、全体として図8に示すフローに従って動作する。
i) まず、図8中のステップS1に示すように、生体の活動量を計測する。
具体的には、図1中の加速度センサ16が生体の運動(体動)を検出する。そして、制御部11が加速度センサ16とともに活動量計測部として働いて、加速度センサ16の出力を用いて上記生体の活動量(単位[Ex])をリアルタイムで算出して計測する。
例えば図4中に示すように、上記生体の運動強度(実線Fで表す。)が時間とともに変化するものとする。現時点をtとする。
この算出例では、現時点tから遡った直近の一定長さ(この例では0.5[h])の期間を算出期間Δtとして設定し、上記算出期間Δtについての上記生体の運動強度Fの寄与を活動量として算出する。この算出例では、活動量[Ex]は、上記生体の運動強度Fを時刻t2から現時点tまで積分したものであり、図4中に密にハッチングを施した領域の面積に相当する。この算出例では、上記活動量をリアルタイムで簡単に算出できる。
この算出期間Δtの長さは、10分間乃至2[h]程度であるのが望ましい。その理由は、短すぎると、長時間運動を継続した場合のリスクが反映されないし、逆に長すぎると、短時間に激しい運動した場合のリスクが反映されないからである。熱中症のリスクが生じる場合を想定すると、0.5[h]乃至1.0[h]程度「激しい運動」をしたときが標準的であると考えられるから、算出期間Δtの長さは0.5[h]から1.0[h]までであるのがより望ましい。
ここで、「激しい運動」とは、運動強度が6METs(軽いジョギング)以上の運動であると想定する。
この例では、上記算出期間Δtにおける上記生体の平均運動強度(単位[METs])を併せて算出する。また、ユーザが予め操作入力部12を介して体重[kg](この例では60[kg]とする。)を入力しているものとし、上記生体の活動量とともに、上記算出期間Δtにおける上記生体の消費カロリ[kcal](=活動量[Ex]×体重[kg])を併せて算出する。
ii) 次に、図8中のステップS2に示すように、上記生体の周囲の温度を含む環境情報を取得する。
この例では、上記環境情報として、次のようにしてWBGT(湿球黒球温度)を求める。
まず、図9中のステップS11,S12に示すように、GPS受信部17がGPS衛星と通信して、筐体10を装着した生体の地球上での現在位置を求める。
次に、ステップS13に示すように、制御部11は、紫外線センサ19の出力に基づいて、上記生体が屋外に居るか屋内に居るかを表す屋外屋内情報を取得する。
次に、ステップS14に示すように、制御部11が湿球黒球温度取得部として働いて、サーバ100と通信して、上記現在位置と上記屋外屋内情報とに基づいて、上記生体のためのWBGT(湿球黒球温度)を取得する。
ここで、WBGT(湿球黒球温度)(単位[℃])は、屋外と屋内とのそれぞれについて、次のように計算される。
屋外:WBGT = 0.7×湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度
屋内:WBGT(屋内) = 0.7×湿球温度+0.3×黒球温度
なお、上記屋外屋内情報を、ユーザが予め操作入力部12を第1入力部として用いて入力するようにしても良い。そのようにした場合、上記屋外屋内情報として正しい情報を入力できる。また、紫外線センサ19を省略でき、装置の構成を簡素化できる。
iii) 次に、図8中のステップS3に示すように、ステップS1で求めた活動量とステップS2で求めた環境情報としてのWBGTとに基づいて、上記生体が熱中症となるリスクを表すリスク指標を求める。
この例では、制御部11が予め図5に示す2次元判定マップを設定している。
この2次元判定マップは、WBGT[℃]を横軸とし、活動量[Ex]を縦軸としている。なお、縦軸の活動量[Ex]に沿って、既述の算出期間Δt(=0.5[h])における上記生体の(平均)運動強度[METs]と、上記生体の体重が60[kg]である場合の消費カロリ[kcal]とを併せて示している。横軸のWBGT[℃]に沿って示す「乾球温度[℃]」については後述する。
この2次元判定マップでは、日本体育協会による「熱中症予防のための運動指針」に習って、熱中症の危険が増大する順に5段階で、「ほぼ安全」領域aと、「注意」領域bと、「警戒」領域cと、「厳重警戒」領域dと、「運動中止」領域eとを設定している。
「ほぼ安全」領域aでは、通常は熱中症の危険性は小さいが、適宜水分の補給は必要である。「注意」領域bでは、死亡事故が発生する可能性がある。熱中症の兆候に注意するとともに運動の合間に積極的に水を飲むようにする。「警戒」領域cでは、積極的に休憩をとり、水分を補給し、激しい運動では30分間おきくらいに休憩をとるべきである。「厳重警戒」領域dでは、熱中症の危険が高いので激しい運動や持久走など熱負担の大きい運動は避ける。運動する場合には積極的に休憩をとり水分補給を行う。体力のない者、暑さに馴れていない者は運動を中止する。「運動中止」領域eでは、皮膚温より気温の方が高くなる。特別の場合以外は運動を中止する。
この2次元判定マップでは、活動量が3[Ex]のレベルL3をまたがって、領域aがサブ領域a1,a2を含み、領域bがサブ領域b1,b2を含み、領域cがサブ領域c1,c2を含み、また、領域dがサブ領域d1,d2を含んでいる。レベルL3以上のサブ領域a2,b2,c2,d2は、レベルL3未満のサブ領域a1,b1,c1,d1に対してそれぞれ左へ1段階シフトしている。これは、算出期間Δt(=0.5[h])における生体の活動量が3[Ex]以上であれば、3[Ex]未満である場合に比して、熱中症の危険が実質的に1段階高まることを表している。なお、このレベルL3は、運動強度では既述の「激しい運動」であるか否かの境界を表す6[METs]、上記生体の体重が60[kg]である場合の消費カロリでは180[kcal]にそれぞれ相当する。
図8中のステップS3では、制御部11は、リスク算出部として働いて、ステップS1で求めた活動量とステップS2で求めた環境情報としてのWBGTと組み合わせが、この2次元判定マップ中のどの領域に相当するかを判別する。この判別結果に基づいて、上記生体のためのリスク指標が、「ほぼ安全」、「注意」、「警戒」、「厳重警戒」、「運動中止」のいずれであるかを求める。
iv) 次に、図8中のステップS4に示すように、上記リスクを補正する要因(リスク補正要因)があるか否かを判断する。
リスク補正要因としては、図11に例示するように、上記生体の固有情報としての「年齢・BMI」、「生体インピーダンス」、「睡眠時間」、「前日と今日の最高気温の差」、「屋外か屋内か」などが挙げられる。
a) リスク補正要因として生体の年齢・BMIを挙げている理由は、5歳以下の子供は体温調節機能が未発達であるため、65歳以上の高齢者は体の機能低下(発汗量が少なくなる)のため、BMIが25以上の肥満者は熱生産量が多い割には体表面積が少なくて体に熱がこもり易いため、それぞれ熱中症にかかりやすい傾向があるからである。そこで、この例では、上記生体が5歳以下の子供、65歳以上の高齢者、またはBMIが25以上の肥満者であれば、リスク補正要因有りと判断する。
これらの固有情報は、予め、操作入力部12を第2入力部としてユーザが入力しても良いし、制御部11がインターネット接続部18を介して外部機器(パーソナルコンピュータなど)から取り込んでも良い。
なお、BMIに代えて、上記生体の体重w[kg]と身長t[m]とを入力し、BMI=w/tに基づいて、BMIを算出しても良い。
b) リスク補正要因として生体インピーダンスを挙げている理由は、上記生体のインピーダンスが大ならば、上記生体内の水分(体重に対する水分の割合。これを「体水分」と呼ぶ。)が少なくて体温調節機能が低下するため、熱中症にかかりやすい傾向があるからである。
この生体インピーダンスは、予め、操作入力部12を介してユーザが入力しても良いし、制御部11がインターネット接続部18を第3入力部として働かせて外部機器(図3中に示す体組成計101など)から取り込んでも良い。
なお、上記体水分は、例えば特開2008−284354号公報に開示されているように、体水分の単位体積当たりの抵抗をC(既知)としたとき、
体水分=C×身長/人体抵抗
なる式で算出される。つまり、身長およびインピーダンス(人体抵抗)が分かれば、算出され得る。
例えば、標準的な体水分は、男性で55%〜65%とされている。そこで、一つの例としては、体水分が50%未満であれば、リスク補正要因有りと判断することができる。
それに代えて、別の例としては、上記生体の過去1週間の体水分の平均値を記憶しておき、現時点の体水分がその平均値よりも例えば5ポイント(%の数値を指す。)下回っていれば、リスク補正要因有りと判断することができる。この判断の閾値は、3ポイントから10ポイントの範囲内で設定するのが望ましい。
なお、体水分の閾値に代えて、上記式に基づいて、インピーダンスの閾値を設定しても良い。
c) リスク補正要因として睡眠時間を挙げている理由は、生体が睡眠不足であれば体温調節機能が低下するため、熱中症にかかりやすい傾向があるからである。そこで、この例では、直近(最後)の睡眠時間が4時間未満であれば、リスク補正要因有りと判断する。
この睡眠時間としては、予め、操作入力部12を介してユーザが直近の睡眠時間を入力しても良いし、「睡眠不足」という情報を直接入力しても良い。または、それに代えて、電源13が前日から継続してオンされていれば、制御部11が加速度センサ16の出力を用いて上記生体の運動強度の履歴に基づいて算出しても良い。
d) リスク補正要因として前日と今日の最高気温の差を挙げている理由は、前日の最高気温よりも今日の最高気温が或る程度以上高ければ、生体が高い気温に順応していないため、熱中症にかかりやすい傾向があるからである。そこで、この例では、前日の最高気温よりも今日の最高気温が4℃以上高ければ、リスク補正要因有りと判断する。
上記「前日の最高気温」と「今日の最高気温」は、予め、操作入力部12を介してユーザが入力しても良い。または、それに代えて、制御部11がインターネット接続部18を介してサーバ100から取り込んでも良い。ここで、今日の「最高気温」としては、現時点が例えば午前中であり、実際の「最高気温」が未だ確定していないときは、「予想最高気温」を用いる。現時点が例えば夕方であり、実際の「最高気温」が既に確定しているときは、実際の「最高気温」を用いる。
e) 図11中の最下段に示す「屋外か屋内か」は、この例ではリスク補正要因に加える必要は無いと考えられる。図5の2次元判定マップの横軸のWBGT[℃]自体に、「屋外か屋内か」を反映する要素が含まれているからである。「屋外か屋内か」をリスク補正要因とする例については、後述する。
v) 次に、何らかのリスク補正要因があると判断されたときは(ステップS4でYES)、図8中のステップS5に進んで上記リスク指標をシフトする補正を行う。なお、リスク補正要因が無いと判断されたときは、後述のステップS6へ進む。
リスク指標をシフトする補正の仕方としては、この例では、図11中の「年齢・BMI」、「生体インピーダンス」、「睡眠時間」、「前日と今日の最高気温の差」のいずれかのリスク補正要因があるとき、図8中のステップS3で求めたリスク指標を1段階高くシフトする補正を行う。
例えば、図8中のステップS3で求めたリスク指標が「ほぼ安全」であるとき、リスク指標を「注意」に引き上げる。また、図8中のステップS3で求めたリスク指標が「注意」であるとき、リスク指標を「警戒」に引き上げる。
なお、複数(例えば3つ以上)のリスク補正要因があるとき、リスク指標を2段階高くシフトする補正を行っても良い。
vi) 次に、図8中のステップS6に示すように、リスク指標(補正された場合は、補正後のリスク指標)を表示・音声報知部15によって、ユーザへ報知する。
具体的には、制御部11が表示・音声報知部15とともにリスク報知部として働いて、表示・音声報知部15のLCDに、図8中のステップS3で求めたリスク指標またはステップS5で補正されたリスク指標を表示する。それとともに、表示・音声報知部15のスピーカは、表示されたリスク指標(または警告を発生したこと)を音声によってユーザへ報知する。
なお、表示・音声報知部15がスピーカに代えて圧電ブザーを備えている場合は、表示されたリスク指標(または警告を発生したこと)をアラーム音によってユーザへ報知する。
vii) この後、図8中のステップS1に戻って、ステップS1からS8までの処理をリアルタイムで繰り返す。
このようにした場合、ユーザは、上記リスク指標によって熱中症の危険(リスク)があることを認識でき、したがって、安静にするなどの対策をとって熱中症を予防することができる。
例えば、リスク指標が「ほぼ安全」であれば、適宜水分を補給する。リスク指標が「注意」であれば、熱中症の兆候に注意するとともに運動の合間に積極的に水を飲むようにする。リスク指標が「警戒」であれば、積極的に休憩をとり、水分を補給し、激しい運動では30分間おきくらいに休憩をとる。リスク指標が「厳重警戒」であれば、熱中症の危険が高いので激しい運動や持久走など熱負担の大きい運動は避ける。運動する場合には積極的に休憩をとり水分補給を行う。体力のない者、暑さに馴れていない者は運動を中止する。リスク指標が「運動中止」であれば、特別の場合以外は運動を中止する。これにより、熱中症を予防することができる。
また、この熱中症予防システム90では、筐体10が生体に装着されれば、加速度センサ16が上記生体とともに移動して機能を発揮する。したがって、筐体10(この筐体10に搭載された加速度センサ16を含む。)を上記生体に直に密着させる必要がなく、上記生体の着衣を介して間接に(例えばポケットに装着して)取り付ければ良い。したがって、この熱中症予防システム90は、使い勝手が良い。
(第2実施形態)
上の実施形態では、図8中のステップS1で、現時点tから遡った直近の一定長さの期間を算出期間Δtとして設定し、上記算出期間Δtについての上記生体の運動強度Fの寄与を活動量として算出した。それに対して、この実施形態では、一定長さの算出期間を設定せず、制御部11が加速度センサ16とともに活動量計測部として働いて、生体の継続した運動(1回の運動)による運動強度Fの寄与を活動量として算出する。
図4中に示したように、上記生体の運動強度Fが時間とともに変化するものとする。現時点をtとする。
この算出例では、運動強度Fが安静レベル(1[METs])を超えた所定レベル(この例では「普通歩行」のレベルである3[METs])以上になった時点t1を運動開始時点と判定する。そして、3[METs]以上の運動強度Fが継続している限り、運動強度Fの寄与を活動量として累積してゆく。この算出例では、基本的に、生体の運動強度Fを運動開始時点t1から現時点tまで積分したものに相当する。
ただし、3[METs]以上の運動強度Fが継続しているときであっても、現時点tよりも所定時間(この例ではΔt=0.5[h])以前の運動による疲労は、次第に解消してゆくと考えられる。そこで、例えばΔt=0.5[h]〜1.0[h]までの運動強度Fの寄与分に対して0.8倍、Δt=1.0[h]以前の運動強度Fの寄与分に対して0.7倍というように、それぞれ重み係数を掛けて、活動量から順次除去してゆく。
また、生体の運動強度Fが所定レベル(図4の例では「散歩程度のゆっくりした歩行」のレベルである2[METs])未満で所定時間継続したとき、生体の疲労は回復すると考えられる。そこで、例えば2[METs]未満の運動強度Fが所定時間(例えば0.5[h]とする。図4中に、時刻t3からt4までの「休憩時間」として示す。)継続したとき、1回の運動が終了したと判定して、活動量を初期化(ゼロに)する。
ここで、休憩時間が何[h]継続すれば、疲労が回復する(活動量を初期化すべき)かどうかは、生体のタイプなどに依存すると考えられる。そこで、上記生体が5歳以下の子供、65歳以上の高齢者、BMIが25以上の肥満者、「睡眠不足」者などである場合は、休憩時間0.5[h]ではなく、休憩時間が0.75[h]継続したとき、初めて1回の運動が終了したと判定するのが望ましい。
この算出例によれば、上記生体の活動量をリアルタイムで精度良く計測できる。
図6は、この算出例で活動量を計測した場合に適した、より細分化された2次元判定マップを示している。
この2次元判定マップは、WBGT[℃]を横軸とし、活動量[Ex]を縦軸としている。なお、縦軸の活動量[Ex]に沿って、上記生体の体重が60[kg]である場合の消費カロリ[kcal]を併せて示している。横軸のWBGT[℃]に沿って示す「乾球温度[℃]」については後述する。
この2次元判定マップでは、日本体育協会による「熱中症予防のための運動指針」に習って、「ほぼ安全」領域Aと、「注意」領域Bと、「警戒」領域Cと、「厳重警戒」領域Dと、「運動中止」領域Eとを設定している。各領域A,B,C,D,Eの意味は、図5中の領域a,b,c,d,eの意味と同様である。領域Aがサブ領域A1,A2を含み、領域Bがサブ領域B1,B2,B3を含み、領域Cがサブ領域C1,C2,C3を含み、また、領域Dがサブ領域D1,D2,D3を含み、領域Eがサブ領域E1,E2を含んでいる。領域Nは、熱中症が発生しないと考えられる「安全」領域であり、この例では活動量が1[Ex]以下、かつWBGTが28[℃]以下の領域としている。
この2次元判定マップでは、活動量が1[Ex]のレベルL1、活動量が3[Ex]のレベルL2、活動量が6[Ex]のレベルL3で、熱中症の危険が順次高まることを表している。
なお、このレベルL1は、活動量が1[Ex]を超えているか否かに代えて、継続中の運動の平均運動強度が2METsを超えているか否かの境界としても良い。また、レベルL3は、活動量が6[Ex]を超えているか否かに代えて、運動の継続時間が0.5[h]を超えているか否かの境界としても良い。
この実施形態では、図8中のステップS3で、制御部11は、リスク算出部として働いて、ステップS1で求めた活動量とステップS2で求めた環境情報としてのWBGTと組み合わせが、図6の2次元判定マップ中のどの領域に相当するかを判別する。この判別結果に基づいて、上記生体のためのリスク指標が、「安全」、「ほぼ安全」、「注意」、「警戒」、「厳重警戒」、「運動中止」のいずれであるかを求める。したがって、先の実施形態に比して、リスク指標を精度良く求めることができる。
(第3実施形態)
図7は、図5および図6の2次元判定マップに代えて、消費カロリとWBGTとに基づいて警告指標を求めるための2次元判定マップを示している。
この2次元判定マップは、WBGT[℃]を横軸とし、上記生体の体重が60[kg]である場合の消費カロリ[kcal]を縦軸としている。なお、縦軸の消費カロリ[kcal]は、本実施形態の算出例で求められた活動量[Ex]に記生体の体重60[kg]を乗じて求められる。
この2次元判定マップでは、「作業者に関する指針」(JIS(日本工業規格)Z8504)に習って、消費カロリ[kcal]を「0 安静」、「1 軽作業」、「2 中程度の作業」、「3 激しい作業」、「4 極めて激しい作業」という5つの代謝区分を設定している。「警告」領域Pは熱中症の危険が有る領域である。「警告なし」領域Nは、熱中症の危険が無いか又は少ない領域である。この2次元判定マップでは、「0 安静」から「1 軽作業」へ、また「1 軽作業」から「2 中程度の作業」へというように代謝区分が上がる毎に、「警告」領域Pが段階的に広がっている。つまり、代謝区分が上がる毎に、熱中症の危険が順次高まることを表している。
なお、この2次元判定マップにおいて、「警告」領域Pと「警告なし」領域Nとの間の境界は、作業者が熱(気温)に順化しておらず、かつ気流を感じない場合を想定して設定している。
この2次元判定マップを用いた場合、図8中のステップS6で、表示・音声報知部15は、複数段階のリスク指標(「ほぼ安全」、「注意」、「警戒」、「厳重警戒」、「運動中止」)に代えて、単に「警告」か「警告なし」かを表す情報をユーザに報知する。したがって、ユーザは、熱中症の危険が有るか無いかを明確に認識することができる。
(第4実施形態)
図2は、この発明の別の実施形態の熱中症予防システム(全体を符号91で示す。)のブロック構成を示している。なお、図2では、図1中の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する(後述の図3でも同様。)。
この熱中症予防システム91は、図1の熱中症予防システム90に対して、GPS受信部17とインターネット接続部18に代えて、生体の周囲の環境温度(乾球温度)を検知する温度センサ20が筐体10に搭載されている点が異なっている。また、紫外線センサ19が省略されている。
この熱中症予防システム91では、図8中のステップS2で、図10中のステップS21に示すように、制御部11が温度センサ20を介して、環境情報として、WBGTに代えて生体の周囲の環境温度(乾球温度)を取得する。これに応じて、図8中のステップS3で、制御部11がリスク算出部として働いて、ステップS1で求めた活動量とステップS2で求めた環境温度(乾球温度)とに基づいて、生体が熱中症となるリスクを表すリスク指標を求める。
ここで、制御部11は、図5または図6の2次元判定マップを用いる。このとき、横軸は、WBGTに代えて、WBGTの下側に沿って記載した乾球温度[℃]を表すものとする。
この熱中症予防システム91では、環境情報を取得するためにGPS衛星と通信したりサーバ100と通信したりする必要が無い。したがって、リスク指標を簡単に求めることができる。また、図1の熱中症予防システム90に比して、熱中症予防システム91の構成を簡素化できる。
また、この熱中症予防システム91では、図1の熱中症予防システム90と同様に、筐体10が生体に装着されれば、加速度センサ16が上記生体とともに移動して機能を発揮する。したがって、筐体10を上記生体に直に密着させる必要がなく、上記生体の着衣を介して間接に(例えばポケットに装着して)取り付ければ良い。したがって、この熱中症予防システム91は、使い勝手が良い。
なお、この熱中症予防システム91では、インターネット接続部18と紫外線センサ19が省略されている。このため、図11中に示したリスク補正要因としての「年齢・BMI」、「生体インピーダンス」、「睡眠時間」、「前日と今日の最高気温の差」、「屋外か屋内か」は、操作入力部12を介してユーザが入力する。
この例では、リスク補正要因としての「屋外か屋内か」については、予めユーザが操作入力部12を第1入力部として用いて、生体が屋外と屋内とのいずれに居るかを表す屋外屋内情報を入力するものとする。屋外屋内情報として上記生体が屋外に居ることが入力されているとき、制御部11は、図8中のステップS4で「リスク補正要因有り」と判断して(ステップS4でYES)、図8中のステップS5では、図8中のステップS3で求めたリスク指標を1段階高くシフトする補正を行う。なお、「屋外か屋内か」以外に他のリスク補正要因があるとき、既述のようにリスク指標を2段階高くシフトする補正を行っても良い。一方、屋外屋内情報として上記生体が屋内に居ることが入力されているとき、制御部11は、図8中のステップS4でリスク補正要因無し(ステップS4でNO)と判断する。
(第5実施形態)
図3は、この発明の別の実施形態の熱中症予防システム(全体を符号92で示す。)のブロック構成を示している。
この熱中症予防システム92では、図2の熱中症予防システム91に対して、インターネット接続部18と紫外線センサ19が追加されている点が異なっている。
この熱中症予防システム92では、図2の熱中症予防システム91と同様に、図8中のステップS3で、制御部11がリスク算出部として働いて、ステップS1で求めた活動量とステップS2で求めた環境温度(乾球温度)とに基づいて、生体が熱中症となるリスクを表すリスク指標を求める。したがって、リスク指標を簡単に求めることができる。
一方、この熱中症予防システム92は、インターネット接続部18と紫外線センサ19を備えているので、図11中に示したリスク補正要因についてとしての「年齢・BMI」、「生体インピーダンス」、「睡眠時間」、「前日と今日の最高気温の差」、「屋外か屋内か」については、操作入力部12を介してユーザが入力するのに限られず、制御部11がインターネット接続部18または紫外線センサ19を介して、自動的に情報を取得することができる。
例えば「生体インピーダンス」については、制御部11がインターネット接続部18を第3入力部として働かせて図3中に示す体組成計101から取り込むことができる。
また、この熱中症予防システム92では、既述の熱中症予防システム90,91と同様に、筐体10が生体に装着されれば、加速度センサ16が上記生体とともに移動して機能を発揮する。したがって、筐体10(この筐体10に搭載された加速度センサ16を含む。)を上記生体に直に密着させる必要がなく、上記生体の着衣を介して間接に(例えばポケットに装着して)取り付ければ良い。したがって、この熱中症予防システム92は、使い勝手が良い。
なお、以上の実施形態では、図5、図6および図7の3種類の2次元判定マップを示したが、それらに限られるものではない。例えば、熱中症の危険が高まるレベルを変更した別の2次元判定マップを用いても良い。
10 筐体
11 制御部
12 操作入力部
15 表示・音声報知部
16 加速度センサ
17 GPS受信部
18 インターネット接続部
19 紫外線センサ

Claims (12)

  1. 生体に装着されるべき筐体と、
    上記筐体に搭載され、上記生体とともに移動することによって上記生体の活動量をリアルタイムで計測する活動量計測部と、
    上記生体の周囲の温度を含む環境情報を取得する環境情報取得部と、
    上記活動量と上記環境情報とに基づいて、上記生体が熱中症となるリスクを表すリスク指標を求めるリスク算出部と、
    上記リスク指標を表す情報を報知するリスク報知部とを備え、
    上記活動量計測部は、現時点から遡った直近の一定長さの期間を算出期間として設定し、上記算出期間についての上記生体の運動強度の寄与を上記活動量として算出することを特徴とする熱中症予防システム。
  2. 生体に装着されるべき筐体と、
    上記筐体に搭載され、上記生体とともに移動することによって上記生体の活動量をリアルタイムで計測する活動量計測部と、
    上記生体の周囲の温度を含む環境情報を取得する環境情報取得部と、
    上記活動量と上記環境情報とに基づいて、上記生体が熱中症となるリスクを表すリスク指標を求めるリスク算出部と、
    上記リスク指標を表す情報を報知するリスク報知部とを備え、
    上記活動量計測部は、上記生体の運動強度が安静レベルを超えた所定レベル以上で継続しているとき、上記運動強度の寄与を上記活動量として累積してゆくとともに、現時点よりも所定時間以前の上記運動強度の寄与分を、上記活動量から順次除去してゆくことを特徴とする熱中症予防システム。
  3. 請求項に記載の熱中症予防システムにおいて、
    上記活動量計測部は、上記生体の運動強度が安静レベルを超えた所定レベル以上で継続しているとき、現時点よりも所定時間以前の上記運動強度の寄与分を、上記活動量から順次除去してゆくことを特徴とする熱中症予防システム。
  4. 請求項1から3までのいずれか一つに記載の熱中症予防システムにおいて、
    上記活動量計測部は、上記生体の運動強度が所定レベル未満で所定時間継続したとき、上記活動量を初期化することを特徴とする熱中症予防システム。
  5. 請求項1からまでのいずれか一つに記載の熱中症予防システムにおいて、
    上記環境情報取得部は、
    上記筐体に搭載され、GPS衛星と通信して上記生体の地球上での現在位置を求めるGPS受信部と、
    所定のサーバと通信して、上記現在位置に基づいて、上記生体のための湿球黒球温度を上記環境情報として取得する湿球黒球温度取得部とを有することを特徴とする熱中症予防システム。
  6. 請求項に記載の熱中症予防システムにおいて、
    上記生体が屋外と屋内とのいずれに居るかを表す屋外屋内情報を入力する第1入力部を備えたことを特徴とする熱中症予防システム。
  7. 請求項1からまでのいずれか一つに記載の熱中症予防システムにおいて、
    上記環境情報取得部は、上記筐体に搭載され、上記生体の周囲の環境温度を上記環境情報として取得する温度センサを有することを特徴とする熱中症予防システム。
  8. 請求項1からまでのいずれか一つに記載の熱中症予防システムにおいて、
    上記生体に固有の年齢またはボディマス指数を少なくとも含む固有情報を入力する第2入力部と、
    上記固有情報に基づいて上記リスク指標をシフトする補正を行う第1リスク補正部とを備えたことを特徴とする熱中症予防システム。
  9. 請求項1からまでのいずれか一つに記載の熱中症予防システムにおいて、
    上記生体のインピーダンスを表すインピーダンス情報を入力する第3入力部と、
    上記インピーダンス情報に基づいて上記リスク指標をシフトする補正を行う第2リスク補正部とを備えたことを特徴とする熱中症予防システム。
  10. 請求項1からまでのいずれか一つに記載の熱中症予防システムにおいて、
    上記活動量計測部が計測した運動強度の履歴に基づいて、上記生体の直近の睡眠時間を算出して、上記睡眠時間に基づいて上記リスク指標をシフトする補正を行う第3リスク補正部とを備えたことを特徴とする熱中症予防システム。
  11. 請求項1から10までのいずれか一つに記載の熱中症予防システムにおいて、
    所定のサーバと通信して、前日の最高気温と今日の最高気温とを表す情報を取得して、前日の最高気温と今日の最高気温との差に基づいて上記リスク指標をシフトする補正を行う第4リスク補正部を備えたことを特徴とする熱中症予防システム。
  12. 請求項1、2、3、4、5、7、8、9、10または11に記載の熱中症予防システムにおいて、
    上記筐体に搭載され、紫外線を検出する紫外線センサと、
    上記紫外線センサの出力に基づいて上記生体が屋外に居るか屋内に居るかを判断して、上記生体が屋外に居るとき上記リスク指標をシフトする補正を行う第5リスク補正部とを備えたことを特徴とする熱中症予防システム。
JP2011076164A 2011-03-30 2011-03-30 熱中症予防システム Active JP5776273B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011076164A JP5776273B2 (ja) 2011-03-30 2011-03-30 熱中症予防システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011076164A JP5776273B2 (ja) 2011-03-30 2011-03-30 熱中症予防システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012210233A JP2012210233A (ja) 2012-11-01
JP5776273B2 true JP5776273B2 (ja) 2015-09-09

Family

ID=47264744

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011076164A Active JP5776273B2 (ja) 2011-03-30 2011-03-30 熱中症予防システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5776273B2 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6047801B2 (ja) * 2013-03-19 2016-12-21 株式会社タニタ 湿球黒球温度測定装置
JP6382776B2 (ja) * 2015-08-21 2018-08-29 日本電信電話株式会社 ウェアラブルセンサシステム
JP6521858B2 (ja) * 2015-12-29 2019-05-29 三菱電機ビルテクノサービス株式会社 熱中症予防支援装置及びプログラム
JP6993857B2 (ja) * 2017-12-05 2022-01-14 倉敷紡績株式会社 体調管理システム
JP6939683B2 (ja) * 2018-04-06 2021-09-22 スターライト工業株式会社 熱中症危険度算出システム、熱中症危険度算出プログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、及び、熱中症危険度算出方法
JP7213481B2 (ja) * 2018-04-10 2023-01-27 国立大学法人大阪大学 作業負担推定方法、体調評価方法、熱中症発症リスク評価方法、および、プログラム
JP7274709B2 (ja) * 2018-05-17 2023-05-17 株式会社安藤・間 危険予知活動支援システム、危険予知活動支援方法、及びプログラム
JP6946241B2 (ja) 2018-07-11 2021-10-06 株式会社東芝 電子機器、システムおよび体調推定方法
JP7390783B2 (ja) * 2018-08-02 2023-12-04 スターライト工業株式会社 表示システム
JP7169840B2 (ja) * 2018-10-19 2022-11-11 東京瓦斯株式会社 情報処理システムおよびプログラム
JP7211231B2 (ja) * 2019-04-10 2023-01-24 スターライト工業株式会社 熱中症危険度算出システム、熱中症危険度算出プログラム、及び、コンピュータ読み取り可能な記録媒体
JP7219679B2 (ja) * 2019-06-28 2023-02-08 鹿島建設株式会社 熱中症危険性評価方法及び熱中症危険性評価システム
JP2021039637A (ja) * 2019-09-05 2021-03-11 Assest株式会社 熱中症リスク判別プログラム及びシステム

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3861136B2 (ja) * 2001-04-19 2006-12-20 いであ株式会社 医学気象予報配信システム、医学気象予報配信方法、医学気象予報配信プログラム
JP2005334021A (ja) * 2004-05-24 2005-12-08 Nec Fielding Ltd スポーツ事故防止システム
JP4129477B1 (ja) * 2007-07-31 2008-08-06 株式会社チノン 熱指標測定装置
JP2009119068A (ja) * 2007-11-15 2009-06-04 Panasonic Electric Works Co Ltd 運動支援システム
JP2010096733A (ja) * 2008-10-14 2010-04-30 Tsuruga Electric Corp 熱中症指標測定表示装置及び熱中症指標報知システム
JP2010253204A (ja) * 2009-04-28 2010-11-11 Tanita Corp 身体活動検出装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012210233A (ja) 2012-11-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5776273B2 (ja) 熱中症予防システム
US10339781B2 (en) Methods and apparatus for monitoring alterness of an individual utilizing a wearable device and providing notification
CN111387960B (zh) 运动监控方法和体力监控方法
KR20180111926A (ko) 각성도 예측 시스템 및 방법
KR0138506B1 (ko) 스트레스 레벨 측정장치
US20040049132A1 (en) Device for body activity detection and processing
US10586620B2 (en) Device for calculating amount of retained physical activity, method for calculating amount of retained physical activity and system for calculating amount of retained physical activity
JP2014230679A (ja) 検知方法,検知装置および検知プログラム
US20200060546A1 (en) A System and Method for Monitoring Human Performance
EP1163878A1 (en) Device for body activity detection and processing
JP2017169732A (ja) 情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
JP2008086480A (ja) 活動量計
JP2010165088A (ja) 歩数計、および歩数の計測方法
EP1163877A1 (en) System for body activity detection and processing
JP2020191085A (ja) 熱ストレスの影響推定装置、熱ストレスの影響推定方法、及び、コンピュータプログラム
JP2018068910A (ja) 疾病予測方法
JP2019069207A (ja) 眠気算出装置
EP3699918A1 (en) Method and apparatus for assessing acclimatization to environmental conditions and to assess fitness level taking into account the environmental conditions and the level of acclimatization
JP4296115B2 (ja) 電子歩数計
CA2410698A1 (en) Body activity detection and processing
CN112971735B (zh) 一种中暑及因热引起的头晕晕倒的监测方法及可穿戴设备
WO2023145904A1 (ja) 被験者に関する状態の変化の影響を定量化するためのシステム、方法、およびプログラム
JP2021122581A (ja) 生体情報処理方法、および、生体情報処理システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140121

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141202

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150121

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150609

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150622

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5776273

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150