JP2014230679A - 検知方法,検知装置および検知プログラム - Google Patents

検知方法,検知装置および検知プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】精度良い排尿の事前検知が可能となる技術を提供する。
【解決手段】検知部100において,特徴量取得部200は,検知対象者の排尿に関連する複数の特徴量の値を取得する。パターン管理部400は,検知対象者について取得された複数の特徴量の値を組み合わせて,検知対象者の状態を示す特徴量パターンを求める。情報記憶部500には,過去の特徴量パターンと尿失禁発生との関係が記録された実績情報が記憶されている。算出部600は,情報記憶部500の実績情報を用いて,パターン管理部400により求められた特徴量パターンから,検知対象者の排尿の可能性を示す値を算出する。
【選択図】図2

Description

本発明は,排尿を事前に検知する検知方法,検知装置および検知プログラムに関するものである。
例えば,夜尿などの尿失禁をしてしまう人について,排尿を事前に検知したいという要望がある。従来,排尿を事前に検知する技術としては,例えば,カテーテルを用いて膀胱内圧力を計測する技術や,超音波センサを用いて膀胱内尿量・膀胱容量を計測する技術などがある。
なお,患者の入眠後の所定時間内の体温が,入眠後の最低体温から所定温度以上上昇した場合に,夜尿の前兆を報知する技術が知られている。また,使用者の過去の排泄間隔,排泄時刻といった履歴情報から排泄時期を推定し,報知信号を送出する技術が知られている。また,排尿頻度情報(平均排尿頻度の情報や最新排尿時刻の情報など)を用いて,被介護者の次の排泄時刻を予測し,通知する技術が知られている。また,脈拍や呼吸等の使用者の生体信号,温度や湿度等の使用者の周囲環境,食物や水等の使用者の摂取物などに基づいて,使用者の体調を判定する技術が知られている。
特公平7−36831号公報 特開平8−80285号公報 特開2005−50202号公報 特開平8−71046号公報
上述のカテーテルを用いて膀胱内圧力を計測する技術は,侵襲性が高く,使用者への負担が大きいという問題がある。また,超音波センサを用いて膀胱内尿量・膀胱容量を計測する技術は,侵襲性は低いが,機器の装着に手間がかかることや,計測位置の特定に経験が必要となることなどから,一般の使用者が継続的に計測を行うことが困難であるという問題がある。
また,使用者の排尿頻度や過去の排尿時刻などの情報を用いて後の排泄時刻を予測する技術を用いても,使用者の状態や周囲の環境,水分の摂取状況などがいつも同じであるとは限らないことから,精度良く排尿を予測することは難しかった。
一側面では,本発明は,精度良い排尿の事前検知が可能となる技術を提供することを目的とする。
1態様では,検知方法は,コンピュータが,排尿の事前検知を行う対象者の排尿に関連する複数の特徴量の値を取得し,取得された複数の特徴量の値から対象者の状態を示す特徴量の値の組合せを求め,記憶部に記憶された過去の特徴量の値の組合せと尿失禁発生との関係が記録された実績情報を用いて,求められた特徴量の値の組合せから,対象者の排尿の可能性を示す値を算出する。
1態様では,精度良い排尿の事前検知が可能となる。
本実施の形態による検知システムの例を示す図である。 本実施の形態による検知部の構成例を示す図である。 本実施の形態による検知部を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。 本実施の形態による特徴量取得部の構成例を示す図である。 本実施の形態による温度・重み対応データの例を示す図である。 本実施の形態によるタイプ判別部の構成例を示す図である。 本実施の形態のタイプ判別部による尿失禁タイプ判別処理フローチャートである。 本実施の形態の膀胱容量判別部による自律神経バランスを用いた膀胱容量判別処理フローチャートである。 本実施の形態による特徴量パターンデータの例を示す図である。 本実施の形態による履歴データの例を示す図である。 本実施の形態のパターン管理部による特徴量パターン管理処理フローチャートである。 本実施の形態による算出部の構成例を示す図である。 本実施の形態の算出部による尿失禁発生度算出処理(1)フローチャートである。 尿失禁発生度算出の例(2)を説明する図である。 本実施の形態の算出部による尿失禁発生度算出処理(2)フローチャートである。 重みの算出に用いる関数の例を説明する図である。 本実施の形態の算出部による尿失禁発生度算出処理(3)フローチャートである。 本実施の形態の算出部による尿失禁発生度算出処理(4)フローチャートである。 ベイシアンネットワークを利用して確率を表現する例を説明する図である。 経過時間に応じた確率の算出を説明する図である。 特徴量の値が変化した場合の例を説明する図である。
以下,本実施の形態について,図を用いて説明する。以下の説明では,排尿の事前検知を行う対象者を検知対象者と呼ぶ。なお,本実施の形態における尿失禁には,夜尿も含むものとする。
図1は,本実施の形態による検知システムの例を示す図である。
図1に示す検知システムは,検知対象者の尿失禁を予防するために,検知対象者の排尿を事前に検知するサービスを行うコンピュータシステムの例である。図1に示す検知システムは,サーバ10,ユーザ装置20,センサ30,ネットワーク40を有する。
サーバ10は,本実施の形態による検知システムにおいて,検知対象者の排尿を事前に検知するサービスを提供するコンピュータである。サーバ10は,例えばクラウドコンピューティングなどによって実現される。サーバ10は,排尿を事前に検知する処理を行う検知部100を備える。
ユーザ装置20は,検知対象者やその関係者などのユーザが使用する,例えばPC(Personal computer )や携帯電話端末などのコンピュータである。検知対象者の関係者は,例えば検知対象者の家族,介護者,医者などである。例えば,検知対象者が夜尿症の子供である場合,その子供の親などが検知対象者の関係者となる。各ユーザ装置20は,インターネットなどのネットワーク40を介して,例えばクラウド上にあるサーバ10にアクセス可能である。
センサ30は,排尿の事前検知に関して,目的とする特徴量を得るために使用される各センサ類である。センサ30には,検知対象者の身体に装着するものとしないものとがある。本実施の形態では,検知対象者に装着するセンサ30として,例えば,加速度センサやジャイロセンサ,筋電センサなどの侵襲性が低いセンサ30を用いるものとする。検知対象者に装着しないセンサとしては,例えば,室内に設置される温度センサや湿度センサなどがある。
図2は,本実施の形態による検知部の構成例を示す図である。
図1に示す検知システムにおいて,検知部100は,特徴量取得部200,タイプ判別部300,パターン管理部400,情報記憶部500,算出部600,出力部700を備える。
特徴量取得部200は,検知対象者の排尿に関連する複数の特徴量の値を取得する。例えば,特徴量取得部200は,各種センサが計測したセンサ値や,検知対象者またはその関係者がユーザ装置20などを用いて入力した情報から特定または推定される特徴量を取得する。
タイプ判別部300は,検知対象者の尿失禁の種別を示す尿失禁タイプを判別する。尿失禁タイプは,例えば症状や原因などで分類した尿失禁の種別である。
パターン管理部400は,特徴量取得部200により取得された複数の特徴量の値から,検知対象者の状態を示す特徴量の値の組合せを求める。以下では,検知対象者の状態を示す特徴量の値の組合せを,特徴量パターンと呼ぶ。
情報記憶部500は,排尿の事前検知に用いる様々な情報を記憶する記憶部である。例えば,情報記憶部500は,過去の特徴量パターンと尿失禁発生との関係が記録された実績情報を記憶する。実績情報は,例えば,検知対象者の特徴量パターンの変遷が記録された履歴情報である。情報記憶部500に記憶される実績情報には,さらに過去の特徴量パターンと尿失禁タイプとの関係が記録されていてもよい。
算出部600は,情報記憶部500に記憶された実績情報を用いて,パターン管理部400により求められた検知対象者の特徴量パターンから,該検知対象者の排尿の可能性を示す値を算出する。
例えば,算出部600は,パターン管理部400により特徴量パターンが得られてからの経過時間と,情報記憶部500の実績情報から得られる,過去における該特徴量パターンが得られてから尿失禁が発生するまでの時間との関係から,検知対象者の排尿の可能性を示す値を算出する。また,例えば,算出部600は,情報記憶部500の実績情報から得られる,パターン管理部400により求められた特徴量パターンの過去の件数と,該特徴量パターンが得られてから所定時間の経過後に尿失禁が発生した件数との関係から,検知対象者の排尿の可能性を示す値を算出する。所定時間は,例えば,パターン管理部400により特徴量パターンが得られてからの経過時間に,あらかじめ設定された時間を加えた時間である。また,例えば,算出部600は,情報記憶部500の実績情報から,過去において,パターン管理部400により求められた特徴量パターンの次に得られた特徴量パターンを抽出し,抽出された特徴量パターンについて,実績情報を用いて,検知対象者の排尿の可能性を示す値を算出する。
算出部600が,さらに,特徴量ごとに得られる,特定の値が取得されてからの経過時間,特定の値が取得された頻度,または尿失禁に対する影響度に基づいて補正値を求め,算出された検知対象者の排尿の可能性を示す値を,求められた補正値を用いて補正するようにしてもよい。また,情報記憶部500の実績情報に特徴量パターンと尿失禁タイプとの関係が記録されている場合に,算出部600が,その実績情報を用いて,検知対象者について求められた特徴量パターンと,判別された対象者の尿失禁の種別とから,検知対象者の排尿の可能性を示す値を算出するようにしてもよい。
出力部700は,検知対象者が排尿する可能性が高いと判断された場合に,その旨を出力する。例えば,出力部700は,算出部600により算出された検知対象者の排尿の可能性を示す値が所定の閾値より高い場合に,検知対象者が排尿する可能性が高いと判断し,ユーザ装置20に対してその旨を出力する。
図3は,本実施の形態による検知部を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。
図2に示す検知部100を実現するコンピュータ1は,例えば,CPU(Central Processing Unit )2,主記憶となるメモリ3,記憶装置4,通信装置5,媒体読取・書込装置6,入力装置7,出力装置8等を備える。記憶装置4は,例えばHDD(Hard Disk Drive )等の外部記憶装置や,補助記憶装置などである。媒体読取・書込装置6は,例えばCD−R(Compact Disc Recordable )ドライブやDVD−R(Digital Versatile Disc Recordable )ドライブなどである。入力装置7は,例えばキーボード・マウス等の入力機器などである。出力装置8は,例えばディスプレイ等の表示装置などである。
図2に示す検知部100および検知部100が備える各機能部は,コンピュータ1が備えるCPU2,メモリ3等のハードウェアと,ソフトウェアプログラムとによって実現することが可能である。コンピュータ1が実行可能なプログラムは,記憶装置4に記憶され,その実行時にメモリ3に読み出され,CPU2により実行される。
コンピュータ1は,可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り,そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また,コンピュータ1は,サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに,逐次,受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。さらに,このプログラムは,コンピュータ1で読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。
以下,本実施の形態による検知対象者の排尿を事前検知する技術について,より具体的な例を用いて説明する。以下では,排尿を事前検知する例として,主に夜尿症を持つ人の夜尿を事前検知する例を想定した説明を行う。
〔特徴量の取得〕
ここでは,特徴量取得部200による特徴量の取得について,説明する。
例えば,検知対象者の身体に装着された各種センサ30や,検知対象者の周囲の環境に配置された各種センサ30が計測したセンサ値は,ユーザ装置20からサーバ10に送られる。また,検知対象者やその関係者がユーザ装置20に入力した情報が,サーバ10に送られる。サーバ10において,検知部100の特徴量取得部200は,ユーザ装置20から得られたセンサ値や入力情報から,目的とする特徴量の値を特定または推定する。
ユーザ装置20が,センサ値や入力情報から目的とする特徴量の値の特定または推定を行い,得られた特徴量の値をサーバ10に送るようにしてもよい。この場合,特徴量取得部200は,ユーザ装置20から送られた特徴量の値を取得する。
特徴量取得部200により取得された検知対象者の特徴量のデータは,情報記憶部500に記憶される。
図4は,本実施の形態による特徴量取得部の構成例を示す図である。
特徴量取得部200は,検知対象者による特定の行動を検知する特定行動検知部201を備える。例えば,特定行動検知部201は,検知対象者の身体に装着された加速度センサやジャイロセンサなどから得られる移動量の積算値を,所定の時間範囲で算出する。特定行動検知部201は,算出された積算値が所定の値を超えた場合に,目的とする検知対象者の特定行動を検知したと判断する。
また,例えば,特定行動検知部201は,検知対象者の身体に装着された加速度センサから得られる身体の向きや体動を判断し,検知対象者が同軸方向への特定周期での繰り返し行動を行っていることを検知する。特定周期は,例えば,周期計算に用いるために時系列データを見る窓幅を保存したテーブルを用意し,その窓幅で加速度センサのデータの自己相関などを取ることで得られる周期である。
また,例えば,特定行動検知部201は,検知対象者の睡眠時にその近傍に設置されたマイクで得られる音声から,特定音量の音声を検出する。特定行動検知部201は,検出した音声が,特定時間や特定周波数などに合致した場合,目的とする音声を検知したと判断する。なお,検知対象者の身体の向きとマイクとの位置関係によって,特定音量を変化させてもよい。
また,例えば,特定行動検知部201は,検知対象者の身体に装着された加速度センサやジャイロセンサから得られる身体の向きや体動を判断し,検知対象者が特定の姿勢変化や細かい搖動を行っていることを検知する。ここで検知する検知対象者の細かい搖動は,例えば寝返りの搖動などである。
また,例えば,特定行動検知部201は,検知対象者の身体に装着された加速度センサやジャイロセンサ,筋電センサなどから得られる下肢の体動を検出し,検知対象者が特定の姿勢行動を取っていること,例えば内股行動または蟹股行動を取っていることを検知する。
また,例えば,特定行動検知部201は,検知対象者の身体に装着された筋電センサやGSR(Galvanic Skin Resistance:皮膚電気抵抗)センサから得られる装着部位近傍の筋状態を検出し,検知対象者が筋弛緩または筋緊張していることを検知する。
特徴量取得部200は,検知対象者の不明体動を検知する不明体動検知部202を備える。例えば,加速度の標準的な振れ幅の値を保存したテーブルを用意しておくものとする。例えば,不明体動検知部202は,加速度の振れ幅がテーブルに保存された値の範囲外で,かつ自己相関などを取って周期性が認められない場合に,不明体動があったと判断する。
特徴量取得部200は,検知対象者の睡眠時における姿勢を検知する睡眠姿勢検知部203を備える。例えば,睡眠姿勢検知部203は,検知対象者の身体に装着された加速度センサやジャイロセンサにより得られる身体の装着部位の向きを判断し,重力方向や睡眠初期位置からの回転方向を検出することで,検知対象者の睡眠姿勢を検知する。
特徴量取得部200は,検知対象者の睡眠時における睡眠の深さを検知する睡眠深度検知部204を備える。例えば,睡眠深度検知部204は,検知対象者の身体に装着された心拍センサから得られる心拍間隔を検出し,睡眠深度(REM,NREM−浅,NREM−深)を検知する。ここで,REMはレム睡眠を表し,NREMはノンレム睡眠を表すものとする。NREM−浅はノンレム睡眠で睡眠深度が浅い状態を表し,NREM−深はノンレム睡眠で睡眠深度が深い状態を表すものとする。睡眠深度を求める技術が記載された文献としては,例えば,参考文献1や参考文献2などが挙げられる。
[参考文献1] 特開2004−89267号公報
[参考文献2] 特開2010−148575号公報
なお,医学的に,検知された睡眠深度がNREM−深である場合,時間が経過するにつれて夜尿が発生する可能性が高くなるとされている。検知された睡眠深度がNREM−深である場合,時間が経過するにつれて夜尿が発生する可能性が高くなるように重みを上昇させるようにしてもよい。
また,例えば,睡眠深度検知部204は,検知対象者の顔面や頭部に装着された筋電センサや脳波センサにより得られる眼球運動や,検知対象者の身体に装着された心拍センサやジャイロセンサから得られる心拍数や呼吸数や,検知対象者の身体に装着された加速度センサやジャイロセンサにより得られる体動などを単独もしくは組み合わせて用いて,検知対象者のREM睡眠状態を検知する。
特徴量取得部200は,検知対象者の心拍数を検知する心拍数検知部205を備える。例えば,心拍数検知部205は,検知対象者の身体に装着された心拍センサにより得られる心拍間隔を検出し,所定の期間で心拍間隔を除した値を心拍数として検知する。また,例えば,心拍数検知部205は,検知対象者の顔画像を撮影し,得られた画像の3つの波長帯(R,G,B)について信号処理により脈波波形を抽出し,周期変化の検知により算出される心拍数を検知する。あるいは,得られた画像の3つの波長帯(R,G,B)について独立成分分析を行い,得られた上位3位までの独立信号に対して離散フーリエ変換を行い,3つの信号それぞれのスペクトルを積算した結果のピークを用いて算出される心拍数を検知する。このような技術が記載された文献としては,例えば参考文献3などが挙げられる。
[参考文献3]
Ming-Zher Poh ,Daniel J. McDuff,and Rosalind W. Picard,“Non-contact ,automated cardiac pulse measurements using video imaging and blind source separation”,Optics Express,Vol. 18 ,Issue 10,pp. 10762-10774 ,2010
特徴量取得部200は,自律神経バランス検知部206を備える。例えば,自律神経バランス検知部206は,心拍数検知部205により心拍数を検知する過程で得られる心拍間隔に対して周波数解析を用い,特定の周波数帯のうち低い周波数帯の成分LF(Low Frequency )と,特定の周波数帯のうち高い周波数帯の成分HF(High Frequency)とを抽出する。心拍間隔の周波数状況から検知対象者の緊張状態がわかる。検知対象者の緊張が高いほど,高い周波数帯の成分が多く抽出されるようになる。自律神経バランス検知部206は,検知対象者の自律神経バランスを表す特徴量として,LFとHFとの比を求める。心拍間隔から自律神経機能を算出する技術が記載された文献としては,例えば参考文献4などが上げられる。
[参考文献4]
Heart rate variability,European Heart Journal(1996)17,354-381
特徴量取得部200は,検知対象者の日中時の宅内における行動パターンを検知する日中宅内行動パターン検知部207を備える。例えば,日中宅内行動パターン検知部207は,検知対象者の身体に装着された加速度センサやジャイロセンサにより得られる歩数や身体の転回方向などの情報と,宅内情報とから,検知対象者が“どの時間にどの部屋にいたか”を検出することで,検知対象者の宅内での移動遷移パターンを検知する。
特徴量取得部200は,検知対象者のサーカディアンリズムに関連する情報を検知する概日周期検知部208を備える。例えば,概日周期検知部208は,GPS(Global Positioning System :全地球測位システム)から,または検知対象者等が入力した郵便番号や住所などの位置を特定する情報から得られる検知対象者が存在する場所の緯度・経度と日時とから得られる日の出や日の入りなどの情報をもとに,日中/夜間を特定または推定する。また,例えば,概日周期検知部208は,検知対象者の近傍に置かれた照度センサにより得られる照度から,日中/夜間を推定したり,また,例えば,概日周期検知部208は,検知対象者の近傍に置かれた温度センサや湿度センサから得られるセンサ値を取得し,取得されたセンサ値と日時とから,日中/夜間を推定する。または,その両方を組み合わせても良い。
特徴量取得部200は,検知対象者のプロファイルを検知するユーザプロファイル検知部209を備える。例えば,ユーザプロファイル検知部209は,検知対象者やその関係者がユーザ装置20を用いて入力した情報から,検知対象者がおむつを装着しているか否かを検知する。
また,例えば,ユーザプロファイル検知部209は,検知対象者の近傍に置かれたマイクや,検知対象者の近傍に設置された人感センサなどから,検知対象者とその家族とが同室にいることを検出し,検知対象者とその家族とが同室で就寝可能な状態であることを検知する。また,例えば,ユーザプロファイル検知部209は,検知対象者やその関係者がユーザ装置20を用いて入力した情報やログイン履歴などの情報から,検知対象者の家族が検知対象者と同室にいることを特定または推定することで,検知対象者とその家族とが同室で就寝可能な状態であることを検知する。
また,例えば,ユーザプロファイル検知部209は,検知対象者やその関係者がユーザ装置20を用いて入力した情報から,検知対象者が身体に痛みを感じているなど,検知対象者が尿意よりも強い愁訴状況にあることを特定または推定する。
特徴量取得部200は,検知対象者の血圧の変動を検知する血圧変動検知部210を備える。例えば,血圧変動検知部210は,検知対象者の身体に装着された容積脈波計測センサにより計測されるPWV(Pulse Wave Velocity :脈波伝播速度)を取得し,PWVの変化量から血圧変動を検知する。血圧変動を検知する技術が記載された文献としては,例えば,参考文献5などが挙げられる。
[参考文献5] 特許第3178195号公報
特徴量取得部200は,検知対象者の血圧を検知する血圧検知部211を備える。例えば,血圧検知部211は,検知対象者に腕帯(カフ)を巻き,圧迫による血管の膨らみから起こる振動を検知するオシロメトリック法や,腕帯内に組み込まれたマイクロフォンでコロトコフ音を検知するコロトコフ法などを用いて得られる血圧を検知する。
特徴量取得部200は,検知対象者の体温を検知する体温検知部212を備える。例えば,体温検知部212は,検知対象者の身体に装着された体温センサなどで計測された体温を取得する。例えば,体温検知部212は,得られた体温そのものの値や,得られた体温を所定の値の範囲で区分した値,所定期間に得られた体温の平均値などが,特定の温度である場合や,その変化量が特定の温度の範囲に含まれる場合などに,検知対象者の体温が検知されたと判断する。体温を所定の値の範囲で区分した値は,例えば,36.0℃〜36.4℃までは同じ区分で36.0℃とする,36.5℃〜36.9℃までは同じ区分で36.5℃とするなど,ある程度の体温の値の範囲を同じ区分にまとめて1つの体温の値で表したものである。
特徴量取得部200は,検知対象者の身体の冷え状態を検知する身体冷え検知部213を備える。例えば,身体冷え検知部213は,検知対象者の身体に装着された体表温センサや検知対象者を映したサーモグラフィカメラの映像から計測された,装着箇所または撮影箇所近傍の体表温を取得する。例えば,身体冷え検知部213は,得られた体表温そのものの値や,得られた体表温を所定の値の範囲で区分した値,所定の期間に得られた体表温の平均値などが,特定の温度である場合や,その変化量が特定の温度の範囲に含まれる場合などに,検知対象者の身体の冷え状態が検知されたと判断する。取得する検知対象者の身体の冷え状態を示す特徴量が,実際に計測される体表温ではなく,検知対象者が手足などの末端部位の冷えを感じているか否かなどの情報であってもよい。
なお,身体の冷え状態によって,尿失禁の発生確率に対する重み付けを変化させるようにしてもよい。具体的には,身体冷え検知部213により検知された検知対象者の身体の冷え状態が所定の値以下である場合に,時間が経過するにつれて尿失禁が発生する可能性が高くなるように,重みを上昇させるようにしてもよい。
特徴量取得部200は,検知対象者の居室内の温度を検知する室内温度検知部214を備える。例えば,室内温度検知部214は,検知対象者の居室に設置された温度センサにより計測された温度を取得する。例えば,室内温度検知部214は,得られた温度そのものの値や,得られた温度を所定の値の範囲で区分した値,所定の期間に得られた温度の平均値などを,目的とする室内温度として検知する。なお,室内温度検知部214が取得する温度は,検知対象者の居室で直接計測された温度でなくてもよい。例えば,室内温度検知部214が取得する温度が,検知対象者の居室の近くの部屋で計測された温度であってもよいし,概日周期検知部208により得られた検知対象者がいる場所の情報を利用して発見される,近隣の同一住居タイプの世帯で計測された温度であってもよい。
特徴量取得部200は,検知対象者の居室内の温度を推定する推定室内温度検知部215を備える。例えば,推定室内温度検知部215は,気象庁が発表する情報から得られる検知対象者の周辺地域の気温と,検知対象者やその関係者がユーザ装置20などを用いて入力した住居タイプの情報とから,推定室内温度を算出する。住居タイプは,例えば,“アパート”,“マンション”“一戸建て”などである。なお,推定室内温度検知部215により得られる推定室内温度が,例えば,検知対象者の居室の近くの部屋について算出される推定室内温度であってもよいし,概日周期検知部208により得られた検知対象者がいる場所の情報を利用して発見される,近隣の同一住居タイプ世帯について算出される推定室内温度であってもよい。
特徴量取得部200は,検知対象者の近傍の温度を検知する対象者近傍温度検知部216を備える。例えば,対象者近傍温度検知部216は,室内温度検知部214により検知された室内温度や,推定室内温度検知部215により検知された推定室内温度,身体冷え検知部213により検知された検知対象者の体表温,体温検知部212により検知された検知対象者の体温などを用いて,検知対象者の近傍温度を求める。例えば,就寝中の布団の中の温度である。
特徴量取得部200は,検知対象者の居室内の湿度を検知する室内湿度検知部217を備える。例えば,室内湿度検知部217は,検知対象者の居室に設置された湿度センサにより計測された湿度を取得する。例えば,室内湿度検知部217は,得られた湿度そのものの値や,得られた湿度を所定の値の範囲で区分した値,所定の期間に得られた湿度の平均値などを,目的とする室内湿度として検知する。なお,室内湿度検知部217が取得する湿度は,検知対象者の居室で直接計測された湿度でなくてもよい。例えば,室内湿度検知部217が取得する湿度が,検知対象者の居室の近くの部屋で計測された湿度であってもよいし,概日周期検知部208により得られた検知対象者がいる場所の情報を利用して発見される,近隣の同一住居タイプの世帯で計測された湿度であってもよい。
特徴量取得部200は,検知対象者の居室内の湿度を推定する推定室内湿度検知部218を備える。例えば,推定室内湿度検知部218は,気象庁が発表する情報から得られる検知対象者の周辺地域の湿度と,検知対象者やその関係者がユーザ装置20などを用いて入力した住居タイプの情報とから,推定室内湿度を算出する。なお,推定室内湿度検知部218により得られる推定室内湿度が,例えば,検知対象者の居室の近くの部屋について算出される推定室内湿度であってもよいし,概日周期検知部208により得られた検知対象者がいる場所の情報を利用して発見される,近隣の同一住居タイプ世帯について算出される推定室内湿度であってもよい。
特徴量取得部200は,検知対象者の近傍の湿度を検知する対象者近傍湿度検知部219を備える。例えば,対象者近傍湿度検知部219は,室内湿度検知部217により検知された室内湿度や,推定室内湿度検知部218により検知された推定室内湿度,検知対象者の身体に装着された湿度センサにより計測された湿度などを用いて,検知対象者の近傍湿度を求める。例えば,就寝中の布団の中の湿度である。
なお,検知対象者の周囲の温度や湿度によって,尿失禁の発生確率に対する重み付けを変化させるようにしてもよい。例えば,周囲温度が常温(20℃程度)の場所にいても,そのことが原因で排尿が促進される可能性は低い。しかし,周囲温度が低い(例えば15℃程度以下)の場所にいる場合,そのことで排尿が促進される可能性が高く,その場所で時間が経過するにしたがって排尿する可能性が高くなる。例えば,対象者近傍温度検知部216により検知された検知対象者の近傍の温度が所定の閾値以下である場合に,時間が経過するにつれて尿失禁が発生する可能性が高くなるように,重みを上昇させるようにしてもよい。
特徴量取得部200は,検知対象者の近傍の大気圧を検知する対象者近傍気圧検知部220を備える。例えば,対象者近傍気圧検知部220は,検知対象者の近傍に設置された大気圧計により計測された大気圧や,気象庁が発表する情報から得られる検知対象者の周辺地域の大気圧を取得する。例えば,対象者近傍気圧検知部220は,取得された大気圧そのものの値や,取得された大気圧を所定の値の範囲で区分した値,所定の期間に取得された大気圧の平均値を,目的とする大気圧として検知する。なお,気圧変動は,例えば,絶対値や,相対値,所定の範囲で区分した値などで表されるものとする。
特徴量取得部200は,検知対象者の発汗状態を検知する発汗状態検知部221を備える。例えば,発汗状態検知部221は,検知対象者の身体に装着されたGSRセンサにより計測された装着部位の皮膚電気抵抗を取得する。発汗状態検知部221は,得られた皮膚電気抵抗値そのものの値や,得られた皮膚電気抵抗値を所定の値の範囲で区分した値,所定の期間に得られた皮膚電気抵抗値の平均値が,特定値や特定範囲に合致した場合に,また,検知対象者の近傍温度や近傍湿度が,特定値や特定範囲に合致した場合に,検知対象者の発汗状態が検知されたと判断する。
特徴量取得部200は,検知対象者が摂取した水分の量を検知する水分摂取量検知部222を備える。例えば,水分摂取量検知部222は,検知対象者やその関係者がユーザ装置20を用いて入力した情報から,検知対象者が摂取した水分量を特定または推定する。また,例えば,水分摂取量検知部222は,検知対象者の水分摂取前後の体重と,水分摂取前後の間隔時間とを取得する。水分摂取量検知部222は,所定の間隔時間内に体重の増加があることを検出することで,水分摂取量を検知する。なお,あらかじめ水道や飲料を保存している場所が分かっている場合には,日中宅内行動パターン検知部207により得られた検知対象者の位置情報を用いて,検知対象者の水分摂取を推定してもよい。
特徴量取得部200は,検知対象者が水分を摂取してからの経過時間を検知する水分摂取後経過時間検知部223を備える。例えば,水分摂取後経過時間検知部223は,水分摂取量検知部222により検知対象者の水分摂取が検知された時刻を記録しておき,その時刻からの経過時間を計測する。
特徴量取得部200は,検知対象者が摂取した水分の種類を検知する摂取水分種類検知部224を備える。ここでは,水分の種類は,「水」,「緑茶」,「牛乳」など,人が水分を摂取できる飲み物の種類を示す。例えば,摂取水分種類検知部224は,検知対象者やその関係者がユーザ装置20を用いて入力した情報から,検知対象者が摂取した水分の種類を特定または推定する。
特徴量取得部200は,検知対象者が排尿したことを検知する排尿検知部225を備える。例えば,排尿検知部225は,検知対象者の下腹部に装着されたGSRセンサや筋電センサなどにより計測された,下腹部の皮膚電気抵抗や筋電の値を取得する。排尿検知部225は,計測された皮膚電気抵抗や筋電が所定の値を超えた場合に,検知対象者の排尿が検知されたと判断する。また,例えば,下腹部に装着したにおい,温度または体表温センサおよび湿度センサの値が,排尿による下着や衣服内など下腹部近傍の環境変化によって,それぞれ閾値を超えた場合に,検知対象者の排尿が検知されたと判断する。
特徴量取得部200は,検知対象者の排尿が検知されてからの経過時間を検知する排尿後経過時間検知部226を備える。例えば,排尿後経過時間検知部226は,排尿検知部225により排尿が検知された時刻を記録しておき,その時刻からの経過時間を計測する。排尿後経過時間検知部226は,計測した経過時間そのものの値や,計測した経過時間を所定の値の範囲で区分した値などを,目的とする排尿後経過時間として検知する。
特徴量取得部200は,検知対象者による排尿の量を検知する排尿量検知部227を備える。例えば,排尿量検知部227は,検知対象者やその関係者がユーザ装置20を用いて入力した情報から,排尿量を特定または推定する。また,例えば,排尿量検知部227は,検知対象者の膀胱容量と,水分摂取量検知部222により得られた水分摂取量(L),対象者近傍温度検知部216により得られた検知対象者の近傍温度,排尿後経過時間検知部226により得られた排尿後経過時間(Δt)から排尿量を推定する。排尿量は,例えば次の式(1)で求めることができる。
排尿量=(1+1/(−T*e(Δt)))*L ・・・(1)
式(1)において,Tは,検知対象者の近傍温度に応じた重みの値を示す。なお,eはエクスポネンシャル(exp)を表す。
図5は,本実施の形態による温度・重み対応データの例を示す図である。
図5に示す温度・重み対応データ510は,排尿量を推定する際に用いる温度と重みとの対応が記録されたデータの一例を示す。例えば,図5に示す温度・重み対応データ510は,情報記憶部500にあらかじめ記憶保持されているものとする。排尿量を求める際には,排尿量検知部227は,図5に示す温度・重み対応データ510から,対象者近傍温度検知部216により得られた検知対象者の近傍温度に対応する重みを取得する。排尿量検知部227は,取得した重みや各特徴量の値を上記の式(1)に代入して,排尿量を求める。
特徴量取得部200は,検知対象者が尿失禁をしたことを検知する尿失禁検知部228を備える。例えば,尿失禁検知部228は,検知対象者の下腹部に装着された水分検知センサや,下腹部付近の湿度センサ,下腹部付近の体表温センサなどの値を取得する。例えば,水分検知センサは,インピーダンスや静電容量の変化により水分を検知する。尿失禁検知部228は,取得したセンサ値が,所定の期間で所定の値を超えた場合や,所定の範囲以上に変化した場合に,検知対象者の尿失禁が検知されたと判断する。また,例えば,尿失禁検知部228は,検知対象者やその関係者がユーザ装置20を用いて入力した情報から,検知対象者の尿失禁を特定または推定する。また,例えば,尿失禁検知部228は,検知対象者の下着の重量を取得し,取得した重量と使用前の下着の重量とを比較することで,検知対象者が尿失禁したことを検知する。なお,尿失禁検知部228は,尿失禁が検知された場合,その尿失禁検知時刻を記憶する。
特徴量取得部200は,検知対象者の尿失禁が検知されてからの経過時間を検知する尿失禁後経過時間検知部229を備える。例えば,尿失禁後経過時間検知部229は,尿失禁検知部228により尿失禁を検知した際に記憶された尿失禁検知時刻からの経過時間を計測する。尿失禁後経過時間検知部229は,計測した経過時間そのものの値や,計測した経過時間を所定の値の範囲で区分した値などを,目的とする尿失禁後経過時間として検知する。なお,ここでは,尿失禁後経過時間は,次の尿失禁または排尿が検知されるまで計測されるものとする。
特徴量取得部200は,検知対象者の尿失禁量を検知する尿失禁量検知部230を備える。例えば,尿失禁量検知部230は,検知対象者やその関係者が尿失禁の検知後にユーザ装置20を用いて入力した情報から,尿失禁量を特定または推定する。また,例えば,尿失禁量検知部230は,尿失禁が検知される前後の検知対象者の下着の重量差から,尿失禁量を特定または推定する。特徴量として検知する尿失禁量の値は,例えば,尿失禁量そのものの値でもよいし,尿失禁量を所定の値の範囲で区分した値でもよいし,所定の期間における尿失禁量の平均値であってもよい。また,例えば下着の重量差で尿失禁量を求める場合,検知対象者の発汗量の情報を用いて,下着が吸収したと推定される汗の量を差し引いて,尿失禁量を求めるようにしてもよい。
特徴量取得部200は,検知対象者の排尿の頻度を検知する尿頻度検知部231を備える。例えば,尿頻度検知部231は,尿失禁検知部228が尿失禁を検知した時刻や,排尿検知部225が排尿を検知した時刻の履歴情報から,尿頻度を算出する。また,例えば,尿頻度検知部231は,検知対象者やその関係者がユーザ装置20を用いて入力した情報から,尿頻度を特定または推定する。例えば,検知対象者やその関係者が1時間あたり1回などのように直接に尿頻度を入力する場合,尿頻度検知部231は,入力された尿頻度の値に特定する。また,例えば,検知対象者やその関係者が19時に排尿,20時に排尿などのように排尿時刻を入力する場合,尿頻度検知部231は,それらの情報から1時間あたりの排尿回数を算出し,算出された値を尿頻度の値として推定する。
特徴量取得部200は,検知対象者の身体のバランス保持状態を表す重心動揺を検知する重心動揺検知部232を備える。例えば,重心動揺検知部232は,検知対象者の身体に装着された加速度センサや,ジャイロセンサ,重心動揺計などを用いて得られる,検知対象者の日中の重心動揺を検知する。
特徴量取得部200は,検知対象者が歩行状態であると特定または推定される時間を検知する歩行時間検知部233を備える。例えば,歩行時間検知部233は,検知対象者の身体に装着された加速度センサにより得られる加速度値が,所定の値を超えた場合や特定の変化量であった場合に,歩行による着地状態が検知されたと判断する。歩行時間検知部233は,歩行による着地状態が検知されたと判断される加速度が繰り返し得られている間,検知対象者が歩行状態であると判断する。歩行時間検知部233は,検知対象者が歩行状態であると判断される時間を,歩行時間として検知する。
特徴量取得部200は,検知対象者の歩行の特徴を示す歩行パターンを検知する歩行パターン検知部234を備える。例えば,歩行パターン検知部234は,歩行時間検知部233により検知された歩行による着地状態をカウントして,ステップ数を算出する。歩行パターン検知部234は,算出されたステップ数を歩行時間検知部233により検知された歩行時間で除することで,検知対象者の歩行パターンを求める。この例で求められる歩行パターンは,単位時間あたりのステップ数となる。
特徴量取得部200は,検知対象者が準静止状態であることを検知する準静止検知部235を備える。例えば,準静止検知部235は,検知対象者の身体に装着された加速度センサやジャイロセンサなどを用いて得られる体動そのものの値や,所定の期間における体動の平均値が所定の値以下である場合に,検知対象者が準静止状態であることが検知されたと判断する。また,例えば,準静止検知部235は,検知対象者の身体に装着された加速度センサやジャイロセンサなどを用いて得られる体動の,所定の期間における積算値が所定の値以下である場合に,検知対象者が準静止状態であることが検知されたと判断する。準静止検知部235は,検知対象者が準静止状態であるとされた時間を計測する。
特徴量取得部200は,検知対象者の着席状態を検知する着席検知部236を備える。例えば,着席検知部236は,検知対象者の身体に装着された加速度センサやジャイロセンサの計測結果を用いて,検知対象者の着席状態を検知する。また,例えば,着席検知部236は,ベッドや椅子などに装着された加速度センサにより計測された値を取得し,得られた値の所定期間での変化量から,検知対象者の着席状態を検知する。また,例えば,着席検知部236は,ベッドや椅子などに装着された圧力感知センサにより計測された値を取得し,得られた値の所定期間での変化量から,検知対象者の着席状態を検知する。
特徴量取得部200は,検知対象者の起立状態を検知する起立検知部237を備える。例えば,起立検知部237は,ベッドや椅子などに装着された加速度センサにより計測された値を取得し,得られた値の所定期間での変化量から,検知対象者の起立状態を検知する。また,例えば,起立検知部237は,ベッドや椅子などに装着された圧力感知センサにより計測された値を取得し,得られた値の所定期間での変化量から,検知対象者の起立状態を検知する。
特徴量取得部200は,検知対象者が着席状態である時間を計測する着席時間検知部238を備える。例えば,着席時間検知部238は,検知対象者の着席時間として,着席検知部236により着席状態が検知された時間から,起立検知部237により起立状態が検知されるまでの時間を検知する。なお,着席検知部236により着席状態が検知された時間や,起立検知部237により起立状態が検知された時間は,着席状態や起立状態が検知されるたびに記憶されているものとする。
特徴量取得部200は,検知対象者の状態が移行したことによる心拍変動を検知する心拍変動検知部239を備える。例えば,心拍変動検知部239は,着席検知部236により着席状態が検知された後に,起立検知部237により起立状態が検知された際に,着席状態から起立状態に移行した前後の検知対象者の心拍数を取得する。心拍変動検知部239は,取得された着席状態から起立状態に移行した前後の心拍数の差を算出することで,検知対象者が着席状態から起立状態に移行したことによる心拍変動を検知する。検知対象者の状態移行は,行動や姿勢,動作などの状態移行であり,起立と着席の間に限るものでは無い。例えば,横臥から歩行でも良いし,側臥から仰向けや着席から食事への移行でも良い。
特徴量取得部200は,検知対象者の塩分摂取量を検知する塩分摂取量検知部240を備える。例えば,塩分摂取量検知部240は,検知対象者やその関係者がユーザ装置20を用いて入力した食事情報などから,検知対象者の塩分摂取量を特定または推定する。
特徴量取得部200は,検知対象者の排尿促進信号を検知する排尿促進信号検知部241を備える。例えば,排尿促進信号検知部241は,検知対象者の頭部に装着されたHEG(Hemoencephalography :脳血流)センサから得られる前頭前野の脳血流の酸化ヘモグロビンの吸光量変化を取得する。例えば,可視光(波長660nm)と赤外光(波長940nm)の2種類の光を用いて,酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの光の吸収の度合いを測定できる。排尿促進信号検知部241は,酸化ヘモグロビンの吸光度の変化と,睡眠深度の時間変化や体動の時間変化,対象者周辺温度の時間変化,対象者周辺湿度の時間変化の相関を算出する。算出した相関が所定の相関係数以下のときに,酸化ヘモグロビンの増加が見られた場合,排尿促進信号検知部241は,排尿促進信号が検知されたと判断する。
なお,排尿促進信号の検知回数や排尿促進信号が検知されたときの酸化ヘモグロビンの増加量の積算量が所定値を超えた場合,検知回数や積算量に応じて,尿失禁の発生確率に対する重みを変化させるようにしてもよい。
特徴量取得部200は,検知対象者の尿の濃度を検知する尿濃度検知部242を備える。例えば,尿濃度検知部242は,検知対象者やその関係者がユーザ装置20を用いて入力した情報から,検知対象者の排尿の濃度を特定または推定する。また,例えば,尿濃度検知部242は,屈折法やビウレット法などを用いて計測された排尿の尿蛋白の濃度から,尿濃度を検知する。
特徴量取得部200は,室内酸素濃度を検知する室内酸素濃度検知部243を備える。例えば,室内酸素濃度検知部243は,ジルコニア式などの酸素濃度計を用いて計測された室内酸素濃度を取得する。
特徴量取得部200は,検知対象者の呼吸数を検知する呼吸数検知部244を備える。例えば,呼吸数検知部244は,検知対象者の上半身前面に装着されたジャイロセンサを用いて肺の膨張・縮小に起因する装着部位の上下動を検出し,得られた波形が所定の値以上となった場合の波形の数を,呼吸数として検知する。また,例えば,呼吸数検知部244は,検知対象者の鼻の下に取り付けられたサーミスタ検出部により得られる,鼻呼吸の呼気の温度と吸気の温度とを取得し,鼻呼吸の呼気と吸気の温度差による抵抗値の変化を,呼吸数として検知する。また,例えば,呼吸数検知部244は,検知対象者の胸部付近に装着されたひずみセンサにより検出される呼吸による胸部の膨張・縮小を,呼吸数として検知する。ひずみセンサは,装着部位の変形を計測するセンサである。
特徴量取得部200は,検知対象者の呼吸の深さを検知する呼吸深度検知部245を備える。例えば,呼吸深度検知部245は,検知対象者の上半身前面に装着されたジャイロセンサにより検出された呼吸の波形の振幅が,所定の値を超えた場合には深い呼吸が検知されたと判断し,所定の値を下回った場合には浅い呼吸が検知されたと判断する。また,例えば,呼吸深度検知部245は,検知対象者の鼻の下に取り付けられたサーミスタ検出部により検出された呼吸で得られる抵抗値が,所定の値を超えた場合には深い呼吸が検知されたと判断し,所定の値を下回った場合には浅い呼吸が検知されたと判断する。なお,検知の基準となる所定の値を,室内温度検知部214により検知される室内温度や,推定室内温度検知部215により検知される推定室内温度,対象者近傍温度検知部216により検知される対象者近傍温度などによって,変化させてもよい。
特徴量取得部200は,検知対象者が就寝した時刻を検知する就寝時刻検知部246を備える。例えば,就寝時刻検知部246は,検知対象者の身体に装着された加速度センサやジャイロセンサなどから得られる体動を用いて,検知対象者が就寝したことを検知する。検知対象者の就寝が検知された時刻が,検知対象者の就寝時刻となる。また,例えば,就寝時刻検知部246は,特定の特徴量の値が所定の値以下となった場合や,所定期間における特定の特徴量の値の平均値が所定の値以下となった場合に,その時刻を就寝時刻として検知する。特定の特徴量は,例えば,心拍数検知部205により検知された心拍数,血圧検知部211により検知された血圧,体温検知部212により検知された体温,呼吸数検知部244により検知された呼吸数などである。また,例えば,就寝時刻検知部246は,検知対象者やその関係者がユーザ装置20を用いて入力した情報から,検知対象者の就寝時刻を特定または推定する。また,例えば,就寝時刻検知部246は,検知対象者の近傍に設置されたマイクから得られる検知対象者の特定周波数の音量を検出し,検出した音量の所定時間の積算値が所定の値以下となった時点を,就寝時刻として検知する。なお,検知の基準となる特定周波数を,検知対象者の身体の向きとマイクの位置とによって変化させてもよい。
特徴量取得部200は,検知対象者が就寝してからの経過時間を検知する就寝後経過時間検知部247を備える。例えば,就寝後経過時間検知部247は,就寝時刻検知部246により検知された就寝時刻からの経過時間を計測する。就寝後経過時間検知部247は,計測した経過時間そのものの値や,計測した経過時間を所定の値の範囲で区分した値を,目的とする就寝後経過時間として検知する。
特徴量取得部200は,検知対象者の筋電波形を検知する筋電波形検知部248を備える。例えば,筋電波形検知部248は,検知対象者に装着された筋電センサから得られる筋電波形を検知する。
特徴量取得部200は,検知対象者の心電波形を検知する心電波形検知部249を備える。例えば,心電波形検知部249は,検知対象者に装着された心電センサから得られる心電波形を検知する。
特徴量取得部200は,検知対象者の睡眠時間を検知する睡眠時間検知部250を備える。例えば,加速度の睡眠時の振れ幅の値を保存したテーブルを用意しておくものとする。睡眠時間検知部250は,睡眠姿勢検知部203により検知された検知対象者の身体の向きが仰臥位,側臥位または伏臥位であり,検知対象者の身体に装着された加速度センサから得られる加速度の振れ幅がテーブルに保存された値の範囲内で,かつ自己相関などを取って周期性が認められる時間帯を,検知対象者の睡眠時間とみなす。なお,加速度の振れ幅が大きくなるまたは周期性がなくなるといった“途中覚醒状態”が出た場合でも,その状態の期間が入眠から90分程度の場合や,検知対象者の過去の履歴で途中覚醒になる頻度が高い経過時間で,かつ一定時間(例えば30分程度)以内の場合には,その時間帯を睡眠時間とみなしてもよい。
例えば,睡眠時間検知部250により得られる睡眠時間,睡眠深度検知部204により得られる睡眠深度,自律神経バランス検知部206により得られる自律神経バランス,発汗状態検知部221により得られる発汗状態などの各特徴量の値の組合せと,精神状態との対応が保存されたテーブルが用意されているものとする。このテーブルを参照することで,検知対象者について取得された睡眠時間,睡眠深度,自律神経バランス,発汗状態などの各特徴量の値の組合せから,検知対象者の精神状態を推定することができる。検知対象者の精神状態は,日々変更される。
このように,特徴量取得部200は,尿失禁に関連すると考えられる様々な特徴量の取得を行う。なお,ここまで説明した特徴量は,本実施の形態による排尿の事前検知で使用する特徴量の一例であり,排尿の事前検知で使用する特徴量としては,任意の設計が可能である。すなわち,必ずしもここで説明した特徴量のすべてを排尿の事前検知で利用する必要はなく,また,ここで説明した特徴量以外の特徴量を排尿の事前検知に利用するようにしてもよい。
例えば,排尿の事前検知に利用する特徴量の情報として,投薬服薬の有無,薬の種類や服薬時刻などの情報を,特徴量取得部200により取得するようにしてもよい。また,例えば,排尿の事前検知に利用する特徴量の情報として,夜尿もしくは失禁後に着替えたかどうかの情報を,特徴量取得部200により取得するようにしてもよい。また,例えば,排尿の事前検知に利用する特徴量の情報として,夜尿もしくは失禁後に起床または覚醒したかどうかの情報を,特徴量取得部200により取得するようにしてもよい。また,例えば,排尿の事前検知に利用する特徴量の情報として,夜尿や失禁が一定時間内の何回目であるか(例えば夜尿なら1晩の2回目など)を,特徴量取得部200により取得するようにしてもよい。また,例えば,排尿の事前検知に利用する特徴量の情報として,夜尿や尿失禁の予想排出量を,特徴量取得部200により取得するようにしてもよい。また,例えば,排尿の事前検知に利用する特徴量の情報として,夜尿や尿失禁を防ぐための最適事前排尿時刻(事前にトイレに行くのに最適なタイミング)を,特徴量取得部200により取得するようにしてもよい。また,例えば,排尿の事前検知に利用する特徴量の情報として,夜尿や尿失禁を防ぐための最適排尿時刻(夜尿や尿失禁が発生すると予測された場合のトイレに行くのに最適なタイミング)を,特徴量取得部200により取得するようにしてもよい。
なお,特徴量の取得に使用されるセンサ30の中には,環境の変化にすぐに対応できず,取得されるセンサ値が緩慢にしか変化できないものもある。例えば,温度センサには,環境の温度変化が急な場合に,センサ値がその温度変化にすぐにはついていけず,センサ値が緩慢に変化していくものもある。このような場合に,特徴量取得部200が取得する特徴量として,使用したセンサ30の時定数を考慮して,過去の履歴やモデルを用いて算出された予測値を用いるようにすることもできる。
〔尿失禁タイプの判別〕
ここでは,タイプ判別部300による尿失禁タイプの判別について,説明する。
尿失禁は,その症状や原因などに応じて,複数のタイプに分類することができる。本実施の形態では,尿失禁の症状や原因などに応じて分類した尿失禁の種別を,尿失禁タイプと呼ぶ。本実施の形態による検知部100では,検知対象者の尿失禁タイプに応じて,該検知対象者の排尿の事前検知を行う。尿失禁タイプに応じた排尿の予測を行うことにより,より精度が高い排尿の事前検知を行うことが可能となる。
例えば,尿失禁の症状や原因としては,尿量の多少,膀胱容量の大小,心理的ストレスや睡眠障害等の有無,膀胱や腎臓等の身体の異常など,様々な症状や原因が考えられる。本実施の形態の例では,尿量の多少と膀胱容量の大小とに応じて,尿失禁を4つの尿失禁タイプに分類する。尿量は,膀胱に溜まる尿の量を示す。膀胱容量は,膀胱に溜めることができる尿の量を示す。ここでは,膀胱容量は,膀胱の大小に限らず,人が尿意を発生する量を示すものとする。例えば,膀胱が十分な大きさであっても,少量の尿が溜まっただけで尿意を発して排尿してしまう人もいる。
本実施の形態の例において,膀胱容量は正常の範囲であるが,尿量が多くて尿失禁してしまう場合,尿失禁タイプは「多尿型」となる。逆に,尿量は正常の範囲であるが,膀胱容量が小さくて尿失禁してしまう場合,尿失禁タイプは「膀胱型」となる。尿量が多く,さらに膀胱容量が小さくて尿失禁してしまう場合,尿失禁タイプは「混合型」となる。尿量も膀胱容量も正常の範囲である場合,尿失禁タイプは「正常型」となる。
図6は,本実施の形態によるタイプ判別部の構成例を示す図である。
タイプ判別部300は,検知対象者の尿失禁タイプを判別する。タイプ判別部300による尿失禁タイプの判別が行われるタイミングは,例えば,検知対象者の属性情報や膀胱容量,尿量などの尿失禁タイプに関連する情報が更新されるタイミングや,検知対象者についての排尿を事前に検知するための処理が実行されるタイミングなどである。タイプ判別部300は,膀胱容量判別部301,尿量判別部302,尿失禁タイプ判別部303,膀胱容量更新部304,尿量更新部305を備える。
膀胱容量判別部301は,検知対象者の膀胱容量の大きさを判別する。本実施の形態の例では,膀胱容量判別部301は,検知対象者の膀胱容量の大きさを,同年代,同じ体格,同性における一般的な膀胱容量と比較して,「大きい」,「普通」,「小さい」の3段階に分類するものとする。ここでは,「大きい」,「普通」を正常な膀胱容量の範囲として扱うものとする。
膀胱容量判別部301は,検知対象者の年齢,性別,身長,体重などの属性情報を取得する。検知対象者の属性情報は,例えば,ユーザ装置20を操作する検知対象者やその関係者によって登録され,検知対象者の識別情報と対応付けて情報記憶部500に記憶される。また,膀胱容量判別部301は,超音波センサやGSRセンサ等を用いた計測によって得られた,検知対象者の膀胱容量を取得する。
膀胱容量判別部301は,検知対象者の年齢,性別,身長,体重などの属性情報から,同様の属性を持つ人の一般的な膀胱容量を特定する。なお,ここでは,年齢,性別,身長,体重などの属性と,その属性に応じた一般的な膀胱容量との対応情報が,情報記憶部500にあらかじめ保持されているものとする。膀胱容量判別部301は,所定の閾値を用いて,一般的な膀胱容量に対する検知対象者の膀胱容量の大きさを判別する。
尿量判別部302は,検知対象者の尿量の多さを判別する。本実施の形態の例では,尿量判別部302は,検知対象者の尿量の多さを,一般的な尿量と比較して,「多い」,「普通」,「少ない」の3段階に分類するものとする。ここでは,「普通」,「少ない」を,正常な尿量の範囲として扱うものとする。
尿量判別部302は,ユーザ装置20を操作する検知対象者やその関係者が入力した,検知対象者の尿量の情報を取得する。検知対象者の尿量の情報は,例えば医者の診断結果などから得られる。尿量判別部302は,例えば,検知対象者の属性に応じた所定の閾値を用いて,検知対象者の尿量の多さを判別する。
尿失禁タイプ判別部303は,検知対象者の膀胱容量の大きさと,検知対象者の尿量の多さとの組合せから,検知対象者の尿失禁タイプを判別する。検知対象者の尿失禁タイプが,上記の4つのタイプのいずれかに特定される。
ここで,検知対象者の尿失禁タイプは変化する可能性がある。例えば超音波センサ等を用いて調べたときから時間が経過して,膀胱容量が変わってしまっていると,尿失禁タイプも変わってしまっている可能性がある。本実施の形態によるタイプ判別部300は,膀胱容量更新部304と尿量更新部305とによって,検知対象者の膀胱容量や尿量の変化に対応する。
膀胱容量更新部304は,例えば特徴量取得部200により取得された,検知対象者の最新の排尿量のデータが存在する場合に,その排尿量のデータを用いて,膀胱容量判別部301により判定された検知対象者の膀胱容量の大きさを更新する。例えば,膀胱容量更新部304は,検知対象者の属性情報と最新の排尿量とから推定される膀胱容量の大きさが,膀胱容量判別部301により判別された検知対象者の膀胱容量の大きさと異なる場合,検知対象者の膀胱容量の大きさを,検知対象者の最新の排尿量から推定される膀胱容量の大きさで更新する。
尿量更新部305は,例えば特徴量取得部200により取得された,検知対象者の最新の尿失禁量のデータが存在する場合に,その尿失禁量のデータを用いて,尿量判別部302により判別された検知対象者の尿量の多さを更新する。例えば,尿量更新部305は,検知対象者の属性情報と最新の尿失禁量とから推定される尿量の多さが,尿量判別部302により判定された検知対象者の尿量の多さと異なる場合,検知対象者の尿量の多さを,検知対象者の最新の尿失禁量から推定される尿量の多さで更新する。
図7は,本実施の形態のタイプ判別部による尿失禁タイプ判別処理フローチャートである。
タイプ判別部300において,膀胱容量判別部301は,検知対象者の膀胱容量の大きさを判別する(ステップS10)。例えば,膀胱容量判別部301は,検知対象者の属性情報から導かれる一般的な膀胱容量との比較により,計測により得られた検知対象者の膀胱容量の大きさを判別する。「大きい」,「普通」,「小さい」などの膀胱容量の大きさが得られる。
尿量判別部302は,検知対象者の尿量の多さを判別する(ステップS11)。例えば,尿量判別部302は,検知対象者の属性から導かれる一般的な尿量との比較により,医者の診断などにより得られた検知対象者の尿量の多さを判別する。「多い」,「普通」,「少ない」などの尿量の多さが得られる。
膀胱容量更新部304は,検知対象者の最新の排尿量のデータが情報記憶部500にあるかを判定する(ステップS12)。検知対象者の最新の排尿量のデータがなければ(ステップS12のNO),タイプ判別部300は,ステップS16の処理に進む。
検知対象者の最新の排尿量のデータがあれば(ステップS12のYES),膀胱容量更新部304は,検知対象者の属性情報と最新の排尿量とから膀胱容量の大きさを推定する(ステップS13)。膀胱容量更新部304は,膀胱容量判別部301により判別された膀胱容量の大きさが,排尿量から推定された膀胱容量の大きさと一致するかを判定する(ステップS14)。膀胱容量の大きさが一致する場合には(ステップS14のYES),タイプ判別部300は,ステップS16の処理に進む。膀胱容量の大きさが一致しない場合には(ステップS14のNO),排尿量から推定された膀胱容量の大きさで,判別された膀胱容量の大きさを更新する(ステップS15)。
尿量更新部305は,検知対象者の最新の尿失禁量のデータが情報記憶部500にあるかを判定する(ステップS16)。検知対象者の最新の尿失禁量のデータがなければ(ステップS16のNO),タイプ判別部300は,ステップS20の処理に進む。
検知対象者の最新の尿失禁量のデータがあれば(ステップS16のYES),尿量更新部305は,検知対象者の属性情報と最新の尿失禁量とから尿量の多さを推定する(ステップS17)。尿量更新部305は,尿量判別部302により判別された尿量の多さが,尿失禁量から推定された尿量の多さと一致するかを判定する(ステップS18)。尿量の多さが一致する場合には(ステップS18のYES),タイプ判別部300は,ステップS20の処理に進む。尿量の多さが一致しない場合には(ステップS18のNO),尿失禁量から推定された尿量の多さで,判別された尿量の多さを更新する(ステップS19)。
尿失禁タイプ判別部303は,膀胱容量の大きさと尿量の多さとの組合せから,尿失禁タイプを判別する(ステップS20)。
ここで,夜間の膀胱容量は,自律神経バランスを用いて推定できる。自律神経バランスにより,人の夜間睡眠中の膀胱容量は,日中の膀胱容量より増加する。夜間睡眠中における検知対象者の尿失禁タイプを特定するためには,検知対象者の夜間睡眠中の膀胱容量を得る必要があるが,超音波センサ等を用いて夜間睡眠中の膀胱容量を調べることは困難である。以下では,日中に調べた検知対象者の膀胱容量から,夜間睡眠時の検知対象者の膀胱容量を推定して,検知対象者の膀胱容量の大きさを判別する処理の例を説明する。
図8は,本実施の形態の膀胱容量判別部による自律神経バランスを用いた膀胱容量判別処理フローチャートである。
図8に示す膀胱容量判別処理フローチャートは,図7に示す尿失禁タイプ判別処理フローチャートにおけるステップS10の処理に対応する。
膀胱容量判別部301は,超音波センサやGSRセンサ等を用いた計測によって得られた,検知対象者の日中の膀胱容量を取得する(ステップS30)。膀胱容量判別部301は,特徴量取得部200により取得された,検知対象者の日中における自律神経バランスと夜間における自律神経バランスとを,情報記憶部500から取得する(ステップS31)。
膀胱容量判別部301は,日中の自律神経バランスと夜間の自律神経バランスとの比を算出する(ステップS32)。膀胱容量判別部301は,検知対象者の日中の膀胱容量と,検知対象者の日中と夜間の自律神経バランスの比とから,検知対象者の夜間の膀胱容量を推定する(ステップS33)。膀胱容量判別部301は,検知対象者の属性情報から導かれる一般的な夜間の膀胱容量に対する,検知対象者の夜間の膀胱容量の大きさを判別する(ステップS34)。
この処理は,自律神経のバランスにより,夜間睡眠中の膀胱容量が日中よりも増加するという知見に基づいたものであり,特に,夜尿症の人は,正常者と比較して睡眠時の自律神経バランスの変動に異常が生じていることを利用したものである。これにより,検知対象者は夜間に超音波センサを用いた計測を行わずに済むため,計測による睡眠の妨害や,それによる夜間の膀胱容量の誤判別を回避することができる。
なお,例えば,検知対象者の尿失禁タイプを自宅や病院などで調べ,調べた結果として得られた尿失禁タイプを,検知対象者やその関係者がユーザ装置20から入力することで,検知部100に登録できるようにしてもよい。このとき,検知部100は,例えば,検知対象者と登録された尿失禁タイプとを対応付けたデータを用意して,情報記憶部500に記憶する。
〔特徴量パターンの管理〕
ここでは,パターン管理部400による特徴量パターンの管理について,説明する。
パターン管理部400は,検知対象者の各特徴量について,それぞれ特徴量取得部200により取得された最新の値を組み合わせた特徴量パターンを生成する。
パターン管理部400が特徴量パターンを生成するタイミングについては,任意の設計が可能である。例えば,パターン管理部400が,一定の時間間隔で特徴量パターンを生成するようにしてもよいし,いずれかの特徴量の値が変化したタイミングで特徴量パターンを生成するようにしてもよい。
本実施の形態の例では,パターン管理部400は,いずれかの特徴量の値が変化したタイミングで,特徴量パターンの生成を行うものとする。より具体的には,パターン管理部400は,尿失禁以外の特徴量について,特徴量の値が特定の値になった,特徴量の値が所定範囲に含まれた,特徴量の値が所定の範囲外となったなどの変化があった場合に,その変化時点での各特徴量の値を組み合わせた特徴量パターンを生成する。なお,不明体動検知部202によって不明体動が検知された場合に,いずれかの特徴量に変化があっても特徴量パターンを生成しないようにしてもよい。
図9は,本実施の形態による特徴量パターンデータの例を示す図である。
図9に示す特徴量パターンデータ520は,情報記憶部500に記憶された,特徴量パターンを記録して管理するデータの一例を示す。図9に示す特徴量パターンデータ520において,特定行動(もぞもぞ行動)〜心電波形の各項目は,特徴量取得部200により値が取得される各特徴量の項目である。パターンIDは,特徴量パターンを一意に識別する識別情報である。ここでは,すべての項目について値の組合せが同じ特徴量パターンであれば,それらのパターンIDは同じとなる。
パターン管理部400は,生成した特徴量パターンが,情報記憶部500の特徴量パターンデータ520に記録された既存の特徴量パターンのいずれかと一致する場合,特徴量パターンデータ520から生成した特徴量パターンのパターンIDを取得する。また,パターン管理部400は,生成した特徴量パターンが,情報記憶部500の特徴量パターンデータ520に記録された既存の特徴量パターンのいずれとも一致しない場合に,生成した特徴量パターンを特徴量パターンデータ520に新規登録する。このとき,パターン管理部400は,生成した特徴量パターンに対して新規のパターンIDを付与する。
図10は,本実施の形態による履歴データの例を示す図である。
図10に示す履歴データ530は,情報記憶部500に記憶された過去の特徴量パターンと尿失禁発生との関係が記録された実績情報の一例を示す。図10に示す履歴データ530は,検知対象者の特徴量パターンの変遷を管理する履歴情報である。図10に示す履歴データ530は,特徴量パターンの履歴が検知対象者ごとに管理されたデータの例となる。図10に示す履歴データ530には,ユーザID“u#01”の検知対象者の,日付“2012/2/28”〜における特徴量パターンの変遷が記録されている。なお,図10に示す履歴データ530と同様に,他の検知対象者や,他の日付についての特徴量パターンの変遷の履歴を管理する履歴データ530も,情報記憶部500に記憶されているものとする。
図10に示す履歴データ530は,ユーザID,日付,時刻,パターンID,尿失禁タイプ,前パターン,後パターン,尿失禁フラグ,尿失禁までの時間などの情報を持つ。ユーザIDは,検知対象者を一意に識別する識別情報である。日付は,該レコードの特徴量パターンが得られた日付を示す。時刻は,該レコードの特徴量パターンが得られた時刻を示す。パターンIDは,該当検知対象者について,該当日付,該当時刻に得られた特徴量パターンのパターンIDである。このパターンIDの項目に示される特徴量パターンが,該レコードの特徴量パターンである。尿失禁タイプは,該当検知対象者の尿失禁タイプを示す。前パターンは,該レコードの特徴量パターンの直前に得られた特徴量パターンを示す。後パターンは,該レコードの特徴量パターンの次に得られた特徴量パターンを示す。尿失禁フラグは,尿失禁が発生したか否かを示し,尿失禁フラグ“TRUE”は,該レコードの特徴量パターンの状態で検知対象者の尿失禁が検知されたことを示す。尿失禁フラグ“FALSE”は,該レコードの特徴量パターンの状態で検知対象者の尿失禁が検知されていないことを示す。尿失禁までの時間は,該特徴量パターンが得られた時刻から尿失禁が検知されるまでの時間を示す。
パターン管理部400は,検知対象者についていずれかの特徴量の値が変化し,その変化後の特徴量パターンが得られた際に,情報記憶部500の履歴データ530に,得られた特徴量パターンのデータを記録する。例えば,パターン管理部400は,履歴データ530の新規レコードに,該当検知対象者のユーザID,尿失禁タイプ,得られた特徴量パターンの日付,日時,パターンIDを記録する。また,パターン管理部400は,変更直前の該当検知対象者の状態を示す特徴量パターンのパターンIDを,新規レコードの前パターンに記録する。また,パターン管理部400は,得られた特徴量パターンのパターンIDを,変更直前の該当検知対象者の状態を示す特徴量パターンのレコードの後パターンに記録する。
特徴量取得部200により検知対象者の尿失禁が検知された場合,パターン管理部400は,情報記憶部500の履歴データ530における該当検知対象者の現在の状態を示す特徴量パターンのレコードの尿失禁フラグを“TRUE”に更新する。また,パターン管理部400は,該当検知対象者の各特徴量パターンについて,それぞれ特徴量パターンが得られた時刻から尿失禁が検知されるまでの時間を算出し,履歴データ530における尿失禁までの時間の項目に記録する。
図11は,本実施の形態のパターン管理部による特徴量パターン管理処理フローチャートである。
パターン管理部400は,特徴量取得部200により検知対象者の尿失禁が検知されたかを判定する(ステップS40)。尿失禁が検知された場合(ステップS40のYES),パターン管理部400は,履歴データ530に,尿失禁の情報を記録する(ステップS41)。例えば,パターン管理部400は,履歴データ530において,検知対象者の現在の状態を示す特徴量パターンのレコードの尿失禁フラグや,各特徴量パターンのレコードの尿失禁までの時間を記録する。パターン管理部400は,ステップS44の処理に進む。
尿失禁が検知されていない場合(ステップS40のNO),パターン管理部400は,特徴量取得部200により得られる検知対象者の尿失禁以外の特徴量に変化があったかを判定する(ステップS42)。尿失禁以外の特徴量に変化がない場合(ステップS42のNO),パターン管理部400は,ステップS40の処理に戻る。尿失禁以外の特徴量に変化があった場合(ステップS42のYES),パターン管理部400は,特徴量取得部200により検知対象者の不明体動が検知されたかを判定する(ステップS43)。不明体動が検知された場合(ステップS43のYES),パターン管理部400は,ステップS40の処理に戻る。不明体動が検知されなかった場合(ステップS43のNO),パターン管理部400は,検知対象者の状態が変化したと判断し,ステップS44の処理に進む。
パターン管理部400は,各特徴量についてそれぞれ取得された最新の値を組み合わせて,現在の検知対象者の状態を示す特徴量パターンを生成する(ステップS44)。パターン管理部400は,特徴量パターンデータ520に,生成した特徴量パターンと同じ特徴量パターンがすでにあるかを判定する(ステップS45)。生成した特徴量パターンと同じものがすでにあれば(ステップS45のYES),パターン管理部400は,特徴量パターンデータ520から,該当する特徴量パターンのパターンIDを,生成した特徴量パターンのパターンIDとして取得する(ステップS46)。生成した特徴量パターンと同じものがまだなければ(ステップS45のNO),パターン管理部400は,生成した特徴量パターンに新規のパターンIDを付与する(ステップS47)。このとき,パターン管理部400は,生成した特徴量パターンのデータを,特徴量パターンデータ520に記録する(ステップS48)。
パターン管理部400は,履歴データ530に,生成された特徴量パターンの情報を記録する(ステップS49)。例えば,パターン管理部400は,履歴データ530において,生成された特徴量パターンについての新規のレコードを生成し,ユーザID,日付,時刻,パターンID,尿失禁タイプ,前パターン等の情報を記録する。また,パターン管理部400は,履歴データ530において,該当検知対象者の直前の状態を示す特徴量パターンのレコードの後パターンの項目に,生成された特徴量パターンのパターンIDを記録する。
〔排尿の可能性を示す値の算出〕
ここでは,算出部600による検知対象者の排尿の可能性を示す値の算出について,説明する。
図12は,本実施の形態による算出部の構成例を示す図である。
算出部600は,例えば一定間隔などの所定のタイミングで,情報記憶部500に記憶された履歴データ530から,検知対象者の排尿の可能性を示す値を算出する。ここでは,排尿の可能性を示す値を,尿失禁発生度と呼ぶ。算出部600は,パターン抽出部601,尿失禁発生度算出部602,補正値算出部603,補正部604,最頻後パターン抽出部605を備える。
パターン抽出部601は,検知対象者の履歴データ530から,検知対象者の現在の状態を示す特徴量パターンを取得する。以下では,検知対象者の現在の状態を示す特徴量パターンを,現特徴量パターンと呼ぶ。
また,パターン抽出部601は,履歴データ530から,現特徴量パターンと同じ特徴量パターンのデータを抽出する。より具体的には,例えば,パターン抽出部601は,すべての履歴データ530から,現特徴量パターンと同じパターンIDを持つ特徴量パターンのレコードを抽出する。これにより,検知対象者の現特徴量パターンと同じである,過去の特徴量パターンの実績データが収集される。
また,履歴データ530から抽出する特徴量パターンを,さらに,現特徴量パターンのレコードと同じ尿失禁タイプを持つレコードに,絞り込むようにしてもよい。尿失禁タイプで絞り込むことにより,さらに検知対象者の状態に近い過去の実績データが収集されるようになる。
なお,パターン抽出部601が特徴量パターンのデータを抽出する対象の履歴データ530は,例えば,該当検知対象者の過去の履歴データ530のみであってもよいし,該当検知対象者以外の人を含む過去の履歴データ530であってもよい。また,パターン抽出部601が特徴量パターンのデータを抽出する対象の履歴データ530は,例えば,過去の全履歴データ530であってもよいし,直近の過去の所定期間の履歴データ530であってもよい。
尿失禁発生度算出部602は,尿失禁発生度を算出する。尿失禁発生度算出のより具体的な例については,後述する。
補正値算出部603は,尿失禁発生度を補正する補正値を算出する。補正値は,例えば,特定の特徴量に関して時間経過や頻度に応じて求められる重みや,各特徴量ごとの尿失禁発生に対する影響度などである。
補正部604は,補正値算出部603により求められた補正値で,尿失禁発生度算出部602により求められた尿失禁発生度を補正する。例えば,補正部604は,尿失禁発生度算出部602により求められた尿失禁発生度に,補正値算出部603により求められた補正値を掛け合わせる。
最頻後パターン抽出部605は,パターン抽出部601により履歴データ530から抽出された各特徴量パターンについて,それぞれ後パターンのデータを履歴データ530から抽出する。最頻後パターン抽出部605は,抽出された後パターンのうち,最頻の後パターンを特定する。このとき,尿失禁発生度算出部602は,最頻後パターン抽出部605により抽出された最頻の後パターンのデータを用いて,尿失禁発生度を算出する。
尿失禁発生度を算出する方法としては,様々な方法が考えられる。以下では,尿失禁発生度を算出する方法の例を,いくつか説明する。
<尿失禁発生度算出の例(1)>
尿失禁発生度算出の例(1)は,特徴量パターンが得られてから尿失禁が発生するまでの時間の過去の実績に基づいて,検知対象者の現特徴量パターンが得られてからの経過時間から,検知対象者の排尿の可能性を予測する例である。
図13は,本実施の形態の算出部による尿失禁発生度算出処理(1)フローチャートである。
算出部600において,パターン抽出部601は,検知対象者の履歴データ530から,該検知対象者の現特徴量パターンのデータを取得する(ステップS50)。パターン抽出部601は,全履歴データ530から,検知対象者と同じ尿失禁タイプで,検知対象者の現特徴量パターンと同じ特徴量パターンのデータを抽出する(ステップS51)。
尿失禁発生度算出部602は,抽出された全特徴量パターンの尿失禁までの時間の平均値Tを算出する(ステップS52)。ここでは,Tとして,尿失禁までの時間の平均値を算出しているが,例えば尿失禁までの時間の中央値,最小値,最大値など,Tの算出には任意の設計が可能である。尿失禁発生度算出部602は,検知対象者について,現特徴量パターンが得られてから現在までの経過時間tを算出する(ステップS53)。
尿失禁発生度算出部602は,例えば次の式(2)にしたがって,尿失禁発生度Pを算出する(ステップS54)。
P=t/T ・・・式(2)
このように,同じ尿失禁タイプ,特徴量タイプにおける過去の尿失禁までの時間の実績Tと,該特徴量タイプが得られてから現在までの経過時間tとから,検知対象者の排尿の可能性を予測できる。
<尿失禁発生度算出の例(2)>
尿失禁発生度算出の例(2)は,特徴量パターンが得られてから尿失禁が発生するまでの時間についての過去の実績に基づいて,現在時刻以後の特定の時刻の尿失禁発生度を算出する例である。
図14は,尿失禁発生度算出の例(2)を説明する図である。
図14(A)は,検知対象者の現特徴量パターンが得られてからの時間の流れを示す。図14(A)において,生成時刻は,検知対象者の現特徴量パターンが生成されて得られた時刻を示す。現在時刻は,尿失禁発生度の算出を実行する時刻を示す。予測時刻は,尿失禁発生度を予測する対象の時刻を示す。尿失禁発生度算出の例(2)では,現在時刻の段階で,予測時刻における尿失禁発生度を算出する。
図14(A)において,経過時間ta は,生成時刻から現在時刻までの時間を示す。設定時間tb は,現在時刻から予測時刻までの時間を示す。設定時間tb としては,任意の時間があらかじめ設定されているものとする。すなわち,尿失禁発生度算出の例(2)で算出する尿失禁発生度は,現在時刻から設定時間tb 後の予測時刻における尿失禁発生度となる。
図14(B)は,パターン抽出部601により履歴データ530から抽出される,検知対象者の現特徴量パターンと同じ特徴量パターンについて,生成により得られてから尿失禁が発生するまでの時間の流れを示す。特徴量パターンが生成されてから,尿失禁が発生するまでの時間が,履歴データ530に記録された尿失禁までの時間tc である。
尿失禁発生度算出の例(2)では,尿失禁までの時間tc が,
尿失禁までの時間tc =経過時間ta +設定時間tb ・・・式(3)
である特徴量パターンの件数から,予測時刻の尿失禁発生度を算出する。なお,式(3)において,tc =ta +tb ±αとして,時間にある程度の範囲(±α)を許すようにしてもよい。
図15は,本実施の形態の算出部による尿失禁発生度算出処理(2)フローチャートである。
算出部600において,パターン抽出部601は,検知対象者の履歴データ530から,該検知対象者の現特徴量パターンのデータを取得する(ステップS60)。パターン抽出部601は,全履歴データ530から,検知対象者と同じ尿失禁タイプで,検知対象者の現特徴量パターンと同じ特徴量パターンのデータを抽出する(ステップS61)。
尿失禁発生度算出部602は,抽出された全特徴量パターンの件数Nをカウントする(ステップS62)。尿失禁発生度算出部602は,抽出された特徴量パターンのうち,尿失禁までの時間tc が,経過時間ta +設定時間tb と一致する特徴量パターンの件数nをカウントする(ステップS63)。
尿失禁発生度算出部602は,例えば次の式(4)にしたがって,尿失禁発生度Pを算出する(ステップS64)。
P=n/N ・・・式(4)
このように,特徴量パターンが得られてから尿失禁が発生するまでの時間の過去の実績に基づいて,現在時刻以後の特定の時刻における検知対象者の排尿の可能性を予測できる。
<尿失禁発生度算出の例(3)>
尿失禁発生度算出の例(3)は,例えば尿失禁発生度算出の例(1)や例(2)などの方法で算出された尿失禁発生度を補正する例である。
上述の特徴量の取得に関する説明でも触れたが,例えば,検知対象者の身体の冷え状態や周囲の温度・湿度,睡眠深度などの一部の特徴量については,特徴量の値が特定の値になってからの経過時間が,排尿の促進に影響すると考えられる。また,例えば,排尿促進信号の特徴量については,排尿促進信号の有無だけではなく,排尿促進信号の頻度も,排尿の促進に影響すると考えられる。このような特徴量について,尿失禁発生度算出の例(3)では,経過時間や頻度に応じて値が変化する重みを算出し,その重みを用いて,算出された尿失禁発生度に対する補正を行う。
例えば,補正値算出部603は,重みを求める特定の特徴量ごとに,それぞれ経過時間や頻度に応じた重みを算出する。特徴量ごとの重みの算出については,例えば,経過時間や頻度などの値と重みとの対応が記録されたテーブルを用いて重みを求めてもよいし,特定の関数に値を代入して重みを算出してもよい。また,重みの計算に所定の時定数を与えることで,重みの値を緩慢に変化させることもできる。
図16は,重みの算出に用いる関数の例を説明する図である。
図16(A)は,シグモイド関数のグラフを示す。図16(B)は,ガウス関数のグラフを示す。このような関数を利用して,経過時間や頻度などに応じて変化する重みを求めることができる。例えば,図16に示す各関数において,横軸に経過時間や頻度を取り,縦軸に重みを取ると考えると,経過時間や頻度から重みを算出することができる。各特徴量についてどのような関数を用いるかは,任意の設計が可能である。
補正値算出部603は,例えば,特徴量ごとに算出された重みを積算するなどにより,補正値を算出する。補正部604は,例えば,尿失禁発生度に対して補正値を掛けるなどにより,尿失禁発生度の補正を行う。
また,特徴量パターンが得られた際に,その直前の特徴量パターンから値が変化した特徴量を,尿失禁発生度の補正に用いる特定の特徴量としてもよい。補正部604は,例えば,該当特徴量について補正値算出部603により算出された重みである補正値を,尿失禁発生度に掛けるなどにより,尿失禁発生度の補正を行う。
また,所定回数の連続する特徴量パターンの変遷において,値が変化していない特徴量を,尿失禁発生度の補正に用いる特定の特徴量としてもよい。補正値算出部603は,該当特徴量について,例えば,特徴量パターンの変遷において連続して値が変化しなかった回数を所定の関数に代入して,補正値を算出する。
また,所定の期間で所定の回数以上に頻繁に値が変化している特徴量を,尿失禁発生度の補正に用いる特定の特徴量としてもよい。補正値算出部603は,該当特徴量について,例えば図16に示すような所定の関数に対して特徴量の値が変化する頻度を代入することで,補正値を算出する。
また,履歴データ530の解析により,それぞれの特徴量について,尿失禁の発生に対する影響度を求めることができる。このとき,補正値算出部603は,特徴量パターンを構成する各特徴量の影響度を積算するなどにより,補正値を算出する。
図17は,本実施の形態の算出部による尿失禁発生度算出処理(3)フローチャートである。
算出部600は,例えば図13に示す尿失禁発生度算出処理(1)や図15に示す尿失禁発生度算出処理(2)により,尿失禁発生度を算出する(ステップS70)。
算出部600において,補正値算出部603は,特徴量ごとの影響度を求め,特徴量ごとの影響度を積算することにより,影響度による補正値を算出する(ステップS71)。各特徴量が尿失禁の発生に対して与える影響度は,例えば,特徴量パターンに含まれる各特徴量の値と尿失禁フラグの値との関係を,履歴データ530に蓄積されたすべての特徴量パターンの履歴について解析することで,統計的に求めることができる。
補正値算出部603は,特徴量ごとの重みを求め,特徴量ごとの重みを積算することにより,重みによる補正値を算出する(ステップS72)。特徴量ごとの重みは,例えば,値が変化してからの経過時間や,値が変化する頻度などから,所定の関数などを用いて求めることができる。
補正部604は,影響度による補正値や,重みによる補正値を用いて,尿失禁発生度を補正する(ステップS73)。
このように,特徴量ごとの影響度や,特徴量ごとの経過時間や頻度に応じた重みを用いて,尿失禁発生度を補正することで,より精度が高い排尿の予測が可能となる。
<尿失禁発生度算出の例(4)>
尿失禁発生度算出の例(4)は,現特徴量パターンと同じ特徴量パターンの後パターンについて,尿失禁の発生に関する過去の実績から,尿失禁発生度を算出する例である。
図18は,本実施の形態の算出部による尿失禁発生度算出処理(4)フローチャートである。
算出部600において,パターン抽出部601は,検知対象者の履歴データ530から,該検知対象者の現特徴量パターンのデータを取得する(ステップS80)。パターン抽出部601は,全履歴データ530から,検知対象者と同じ尿失禁タイプで,検知対象者の現特徴量パターンと同じ特徴量パターンのデータを抽出する(ステップS81)。
最頻後パターン抽出部605は,全履歴データ530から,抽出された各特徴量パターンの後パターンのデータを抽出する(ステップS82)。最頻後パターン抽出部605は,抽出された後パターンのうち,最も出現頻度が高い後パターンを特定する(ステップS83)。以下では,最も出現頻度が高い後パターンを,最頻後パターンと呼ぶ。
尿失禁発生度算出部602は,最頻後パターンの件数Mをカウントする(ステップS84)。尿失禁発生度算出部602は,最頻後パターンのうち,尿失禁が発生した件数,すなわち尿失禁フラグが“TRUE”である件数mをカウントする(ステップS85)。
尿失禁発生度算出部602は,例えば次の式(5)にしたがって,尿失禁発生度Pを算出する(ステップS86)。
P=m/M ・・・式(5)
これにより,現特徴量パターンの次に遷移する可能性が高い特徴量パターンについて,検知対象者の排尿の可能性を予測できる。
<尿失禁発生度算出の例(5)>
尿失禁発生度算出の例(5)は,ベイジアンネットワークの技術を利用して,尿失禁発生度を求める例である。ベイジアンネットワークでは,因果関係が有向グラフで表され,変数の関係が条件付き確率で表される。
図19は,ベイジアンネットワークを利用して確率を表現する例を説明する図である。
図19において,中央のグラフは,特徴量間の因果関係を示すグラフである。図19に示すグラフでは,特徴量Eの値は,特徴量Aの値と特徴量Bの値との影響を受けることが示されている。
例えば,特徴量Aは,もぞもぞ行動の有無を示す特徴量であるものとする。ここでは,もぞもぞ行動“なし”をA=0またはa’で表し,もぞもぞ行動“あり”をA=1またはaで表すものとする。また,特徴量Aの確率はP(A)で表され,もぞもぞ行動が“なし”である確率すなわちA=0である確率はP(a’)と表され,もぞもぞ行動が“あり”である確率すなわちA=1である確率はP(a)と表されるものとする。
例えば,特徴量Bは,睡眠深度の深浅を示す特徴量であるものとする。ここでは,睡眠深度“浅い”をB=0またはb’で表し,睡眠深度“深い”をB=1またはbで表すものとする。また,特徴量Bの確率はP(B)で表され,睡眠深度が“浅い”である確率すなわちB=0である確率はP(b’)と表され,睡眠深度が“深い”である確率すなわちB=1である確率はP(b)と表されるものとする。
例えば,特徴量Eは,尿失禁の有無を示す特徴量であるものとする。ここでは,尿失禁“なし”をE=0またはe’で表し,尿失禁“あり”をE=1またはeで表すものとする。また,特徴量Eの確率はP(E)で表され,尿失禁が“なし”である確率すなわちE=0である確率はP(e’)と表され,尿失禁が“あり”である確率すなわちE=1である確率はP(e)と表されるものとする。
また,例えば,特徴量Aの値と特徴量Bの値の条件が付いた場合の特徴量Eの確率を,P(E|A,B)と表すものとする。例えば,もぞもぞ行動が“あり”,かつ睡眠深度が“深い”場合に,尿失禁が“あり”である確率は,P(e|a,b)と表される。他の条件付き確率についても,同様に表現されるものとする。
図19において,確率データ541は,例えば履歴データ530における過去の実績に基づいて求められた,特徴量Aの各値が得られる確率が記録されたデータの一例を示す。確率データ542は,例えば履歴データ530における過去の実績に基づいて求められた,特徴量Bの各値が得られる確率が記録されたデータの一例を示す。確率データ543は,例えば履歴データ530における過去の実績に基づいて求められた,特徴量Eの各値が得られる確率が記録されたデータの一例を示す。なお,確率データ543については,特徴量Eの各値の確率が,特徴量Aの値と特徴量Bの値とに応じた条件付き確率となっている。
例えば,検知対象者が尿失禁した(E=1)ときに,検知対象者のもぞもぞ行動があった(A=1)確率P(a|e)は,図19に示す確率データ541〜543を用いて,
P(a|e)=P(e|a)P(a)/P(e)
=0.94002 ×0.001 /0.00252 =0.37302
と求められる。
また,例えば,検知対象者が尿失禁した(E=1)ときに,検知対象者の睡眠が深かった(B=1)確率P(b|e)は,図19に示す確率データ541〜543を用いて,
P(b|e)=P(e|b)P(b)/P(e)
=0.29066 ×0.002 /0.00252 =0.23068
と求められる。
なお,P(e),P(e|a),P(e|b)については,図19に示す確率データ541〜543を用いて,次のように算出される。
P(e)=P(e|a,b)+P(e|a’,b)
+P(e|a,b’)+P(e|a’,b’)
=P(e|a,b)P(a,b)+P(e|a’,b)P(a’,b)
+P(e|a,b’)P(a,b’)+P(e|a’,b’)P(a’,b’)
=0.950 ×0.001 ×0.002 +0.290 ×0.999 ×0.002
+0.940 ×0.001 ×0.998 +0.001 ×0.999 ×0.988
≒0.00252
P(e|a)=P(e|a,b’)P(b’)+P(e|a,b)P(b)
=0.940 ×0.998 +0.950 ×0.002
=0.94002
P(e|b)=P(e|a’,b)P(a’)+P(e|a,b)P(a)
=0.290 ×0.999 +0.950 ×0.001
=0.29066
なお,P(a,b)は,aかつbである確率を表しており,
P(a,b)=p(a)P(b)
である。他の特徴量Aと特徴量Bの値の組合せについても同様である。
図20は,経過時間に応じた確率の算出を説明する図である。
図20において,上段左は,経過時間t=0における特徴量A,B,Eについての各確率データ541〜543を示し,上段右は,経過時間t=10における特徴量A,B,Eについての各確率データ544〜546を示すものとする。なお,経過時間t=0における各確率データ541〜543は,図19に示す各確率データ541〜543と同じものである。
例えば,情報記憶部500に,経過時間t=0における各確率データ541〜543と,経過時間t=10における各確率データ544〜546しか記憶されていないものとする。このとき,経過時間t=0およびt=10以外の経過時間tにおける確率は,線形回帰を用いて予測することができる。
ここでは,経過時間t=5における特徴量A,B,Eについての確率を,線形回帰を用いて算出するものとする。例えば,経過時間t=5におけるP(a’)は,経過時間t=0におけるP(a’)と,経過時間t=10におけるP(a’)とを用いて,次のように求めることができる。なお,以下では,経過時間t=5におけるP(a’)をP5 (a’),経過時間t=0におけるP(a’)をP0 (a’),経過時間t=10におけるP(a’)をP10(a’)と表すものとする。
5 (a’)=P0 (a’)−(P0 (a’)−P10(a’))/2
=0.999 −(0.999 −0.500 )/2
≒0.750
他の確率についても同様に求めると,経過時間t=5における特徴量A,B,Eについての各確率データは,図20下段に示す各確率データ547〜549となる。
図21は,特徴量の値が変化した場合の例を説明する図である。
図21に示すグラフは,特徴量パターンの変遷において,特徴量Aの値がA=0からA=1に変化した場合の例を示す。このとき,特徴量Bの値はB=1のままであったものとする。
特徴量Aの値がA=0からA=1に変化する経路を経路αとすると,経路αの変遷が発生する確率P(α)は,
P(α)=P(a|a’)P(a)
となる。この状況で,尿失禁が発生する条件付き確率P(e|α,b)は,
P(e|α,b)=P(α,b|e)P(e)/P(α,b)
と求めることができる。
ここまでの説明では,説明を簡単にするために,尿失禁の有無を含む3つの特徴量に対してベイジアンネットワークを適用した例を説明したが,任意の数の特徴量に対してベイジアンネットワークを適用することが可能である。
〔排尿の事前検知結果の出力〕
ここでは,出力部700による検知対象者の排尿の事前検知結果の出力について,説明する。
出力部700は,例えば,算出部600により算出された尿失禁発生度と,所定の閾値との比較を行う。比較の結果,検知対象者が排尿する可能性が高いと判断された場合,出力部700は,その旨をユーザ装置20に通知する。ユーザ装置20は,サーバ10から,検知対象者が排尿する可能性が高い旨の通知を受けると,例えば音声などにより,検知対象者やその関係者に対する警告を行う。
例えば,指定された出力先のユーザ装置20が携帯電話端末である場合に,出力部700が,その携帯電話端末に対して電子メールを送信するようにしてもよい。この場合,電子メールを受けた携帯電話端末の着信メロディーが,検知対象者やその関係者に対する警告となる。
以上説明したように,本実施の形態の検知部100では,複数の特徴量の値を組合せた特徴量パターンの変遷と尿失禁の情報とを含む過去の履歴情報を用いて,検知対象者の状態を示す特徴量パターンから,該検知対象者の排尿の可能性を予測する。これにより,精度良く,検知対象者の排尿を事前に検知することが可能となる。
以上,本実施の形態について説明したが,本発明はその主旨の範囲において種々の変形が可能であることは当然である。
例えば,本実施の形態では,サーバ10が備える検知部100により,検知対象者の排尿を事前検知する例を説明したが,検知対象者の排尿を事前検知する検知部100が,検知対象者やその関係者が操作するユーザ装置20に備えられていてもよい。このとき,検知部100は,検知対象者個人の履歴のみに基づいて該検知対象者の排尿の事前検知を行うようにしてもよいし,サーバ10から他者の履歴を取得して,その履歴を含めて検知対象者の排尿の事前検知を行うようにしてもよい。
10 サーバ
20 ユーザ装置
30 センサ
40 ネットワーク
100 検知部
200 特徴量取得部
300 タイプ判別部
400 パターン管理部
500 情報記憶部
600 算出部
700 出力部

Claims (8)

  1. コンピュータが,
    排尿の事前検知を行う対象者の排尿に関連する複数の特徴量の値を取得し,
    前記取得された複数の特徴量の値から,前記対象者の状態を示す特徴量の値の組合せを求め,
    記憶部に記憶された過去の特徴量の値の組合せと尿失禁発生との関係が記録された実績情報を用いて,前記求められた特徴量の値の組合せから,前記対象者の排尿の可能性を示す値を算出する処理とを実行する
    ことを特徴とする検知方法。
  2. 前記実績情報には,さらに過去の特徴量の値の組合せと尿失禁の種別との関係が記録されており,
    前記コンピュータが,さらに,前記対象者の尿失禁の種別を判別する処理を実行し,
    前記対象者の排尿の可能性を示す値を算出する処理は,前記実績情報を用いて,前記求められた特徴量の値の組合せと,前記判別された前記対象者の尿失禁の種別とから,前記対象者の排尿の可能性を示す値を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の検知方法。
  3. 前記対象者の排尿の可能性を示す値を算出する処理は,前記求められた特徴量の値の組合せが得られてからの経過時間と,前記実績情報から得られる,過去における前記求められた特徴量の値の組合せが得られてから尿失禁が発生するまでの時間との関係から,前記対象者の排尿の可能性を示す値を算出する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の検知方法。
  4. 前記対象者の排尿の可能性を示す値を算出する処理は,前記実績情報から得られる前記求められた特徴量の値の組合せの過去の件数と,前記実績情報から得られる,前記求められた特徴量の値の組合せが得られてから所定時間の経過後に尿失禁が発生した件数との関係から,前記対象者の排尿の可能性を示す値を算出する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の検知方法。
  5. 前記対象者の排尿の可能性を示す値を算出する処理は,前記実績情報から,過去に前記求められた特徴量の値の組合せの次に得られた特徴量の値の組合せを抽出し,抽出された特徴量の値の組合せについて,前記実績情報を用いて,前記対象者の排尿の可能性を示す値を算出する
    ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の検知方法。
  6. 前記対象者の排尿の可能性を示す値を算出する処理は,さらに,特徴量ごとに得られる,特定の値が取得されてからの経過時間,特定の値が取得された頻度,または尿失禁に対する影響度に基づいて補正値を求め,前記算出された前記対象者の排尿の可能性を示す値を,求められた補正値を用いて補正する
    ことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の検知方法。
  7. 排尿の事前検知を行う対象者の排尿に関連する複数の特徴量の値を取得する特徴量取得部と,
    前記取得された複数の特徴量の値から,前記対象者の状態を示す特徴量の値の組合せを求めるパターン管理部と,
    過去の特徴量の値の組合せと尿失禁発生との関係が記録された実績情報を記憶する情報記憶部と,
    前記実績情報を用いて,前記求められた特徴量の値の組合せから,前記対象者の排尿の可能性を示す値を算出する算出部とを備える
    ことを特徴とする検知装置。
  8. コンピュータに,
    排尿の事前検知を行う対象者の排尿に関連する複数の特徴量の値を取得し,
    前記取得された複数の特徴量の値から,前記対象者の状態を示す特徴量の値の組合せを求め,
    記憶部に記憶された過去の特徴量の値の組合せと尿失禁発生との関係が記録された実績情報を用いて,前記求められた特徴量の値の組合せから,前記対象者の排尿の可能性を示す値を算出する
    処理を実行させるための検知プログラム。
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