JP2021122581A - 生体情報処理方法、および、生体情報処理システム - Google Patents

生体情報処理方法、および、生体情報処理システム Download PDF

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健 清野
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Abstract

【課題】被評価者の生体情報を取得する生体情報取得部として、複数の形態のものからのデータを処理可能な生体情報処理方法、ならびに、複数の形態の生体情報取得部を採用することができる生体情報取得システムを提供する。
【解決手段】生体情報取得部で被評価者の生体情報を取得する工程と、取得された前記生体情報に基づいて当該被評価者の状態を表す指標を算出する工程とを備え、異なる2種類以上の前記生体情報取得部により取得された前記生体情報を、共通パラメータに変換して前記指標を算出する。
【選択図】図1

Description

本願は、被評価者から得られた生体情報に基づいて、当該被評価者の体調評価などを行う生体情報処理方法、および、生体情報処理システムに関する。
近年、無線LANなどインターネットへの接続環境が整備されるとともに、ブルートゥース(登録商標)などの近距離での情報伝達を可能とする手段の発達、さらに、スマートフォンなどの高性能のモバイル機器や、体温や心拍数、発汗量などの身体データを測定することができる小型センサ機器の普及により、センサ機器で取得された被評価者の生体情報に基づいてその体調を評価する評価システムや、評価結果に基づいて被評価者の健康状態を管理して近年問題化している熱中症の発症リスクを軽減させる体調管理システムが実用化されている。
このような体調の評価管理を行う生体情報処理システムの例として、被評価者の身体の動きを把握する三次元加速度センサと心拍を検出する生体情報取得部とを備えたウェアラブルな生体信号を検出する検出装置を用いて、被評価者が熱中症を発症するリスクを常に評価して、そのリスクを低減させる方策を採れるようにした熱中症リスク管理システムが提案されている(特許文献1参照)。
特開2018−130531号公報
上記従来の熱中症リスク管理システムでは、アンダーシャツの胸元に、着用者の心拍検知する電位計と、着用者の身体の動きを検出可能な3次元加速度センサ、服内温度を検出可能な温度センサを有する生体情報取得部が配置され、この生体情報取得部で取得された生体情報を被測定者が所持するスマートフォンなどの通信機器を介してインターネット上のクラウドサーバの情報処理部に送信される。情報処理部では、各人ごとに、さらには、同じ環境で作業する作業者の集団について、熱中症を発症するリスクを評価して、熱中症を発症するリスクが高くなっている作業者に対して休憩を取ることを指示することで、熱中症の発症リスクを低減する。
被測定者の脈拍、身体の動き、体温などを検出するセンサを備えた生体情報取得部としては、上記従来の熱中症リスク管理システムで用いられたような、被測定者の身体にシャツ等を用いて電位計などを付着させるウェアラブルな衣服タイプ以外にも、着脱の容易性や生体情報取得部を装着していることの違和感を低減することができる、振動または光学方式によって脈拍を検出する腕時計型のタイプや、耳たぶや指先に装着して被測定者の脈拍を光学的に検出するタイプなど、生体情報を取得する方式や装置の形状、装着方法などが異なる各種のものが提案されている。
これら各種の生体情報取得部では、その構成上の制約から取得される生体情報の種類やその精度が異なる。また、これらの生体情報取得部は、それぞれが固有の生体情報処理システムに組み込まれていて、生体情報のデータを検出する頻度やデータ送信の頻度の設定が異なっている。さらに、それぞれの生体情報取得部の形状や装着場所、採用されているシステム内でのデータ転送能力、生体情報取得部内に組み込まれているデータ処理機能の違いから、取得されたデータを生体情報取得部から送出されるまでにどの程度データ処理が行われているかという、データ処理仕様も異なる。このため、従来、生体情報取得部を用いた生体情報処理システムでは、被評価者が装着する生体情報取得部はそのシステムに固有のものに限定されていた。
しかし、生体情報処理システムにおいては、より多くの被測定者の生体情報が集まることによって、生体情報に基づいて判断される体調評価などの評価結果の精度が向上する。このように取得される生体情報の数を増やして評価結果の精度向上を図ることや、より安価に生体情報処理システムを構築すること、また、被測定者の置かれた環境や、運動や仕事の種類など被測定者の動作の種類や激しさ等の違いに応じてより適切な形態で生体情報を取得すること、さらに、個々の被測定者の好みなどに応じてより負担の少ない状態での生体情報の取得を目指す上では、タイプの異なる各種の生体情報取得部からの生体情報を使用することがでる生体情報処理システムとすることが好ましい。
本願は、上記従来技術の有する課題を解決することを目的とするものであり、被評価者の生体情報を取得する生体情報取得部として、複数の形態のものからのデータを処理可能な生体情報処理方法、ならびに、複数の形態の生体情報取得部を採用することができる生体情報処理システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本願で開示する生体情報処理方法は、生体情報取得部で被評価者の生体情報を取得する工程と、取得された前記生体情報に基づいて当該被評価者の状態を表す指標を算出する工程とを備え、異なる2種類以上の前記生体情報取得部により取得された前記生体情報を、共通パラメータに変換して前記指標を算出することを特徴とする。
また、本願で開示する生体情報処理システムは、被評価者の生体情報を取得する異なる2種類以上の生体情報取得部と、取得された前記生体情報に基づいて、当該被評価者の状態を表す指標を算出するデータ処理部とを備え、前記データ処理部は、前記生体情報取得部が取得した前記生体情報を共通パラメータに変換して前記指標を算出することを特徴とする。
上記構成により、本願で開示する生体情報処理方法は、2種類以上の生体情報取得部で取得された被評価者の生体情報を用いて、当該被評価者の状態を表す各種の指標を算出すること、すなわち、異なる種類の生体情報取得部から取得した生体情報を共通のパラメータに変換することで、データ精度やデータ仕様の違いを吸収することができる。このため、多くの被評価者の生体情報を用いて高い精度で被評価者の状態を表す指標を算出することができるとともに、被評価者がより好ましいタイプの生体情報取得部を選択することが可能となる。
また、上記構成とすることで、本願で開示する生体情報処理システムは、システムとして採用する生体情報処理部の選択肢が広がり、より低コストで、かつ、精度が高く、被評価者に受け入れられやすい生体情報処理システムを実現することができる。
図1は、実施形態として説明する熱中症発症リスク管理システムの各部の構成を示すブロック図である。 図2は、本実施形態で説明する熱中症発症リスク管理システムに用いられる、第1の生体情報取得部の構成を説明する図である。 図3は、本実施形態で説明する熱中症発症リスク管理システムに用いられる、第2の生体情報取得部を説明する図である。 図4は、本実施形態で説明する熱中症発症リスク管理システムに用いられる、第3の生体情報取得部を説明する図である。 図5は、本実施形態で説明する熱中症発症リスク管理システムにおける、熱中症発症リスクの評価方法を説明するフローチャートである。 図6は、加速度偏差に対する心拍応答を示す標準心拍応答の測定結果を示す図である。図6(a)は、約300万点のデータをすべてプロットした図を、図6(b)は、加速度データに対する心拍応答の中央値を用いて得られた標準心拍応答を示す。 図7は、本実施形態にかかる生体情報処理方法における、心拍指数と体力指数との推定方法を説明する図である。 図8は、本実施形態において説明する作業負担推定方法において、作業負担指数を求める第1の補正マップを説明する図である。 図9は、本実施形態において説明する作業負担推定方法において、作業負担指数を求める第2の補正マップを説明する図である。
本願で開示する生体情報処理方法は、生体情報取得部で被評価者の生体情報を取得する工程と、取得された前記生体情報に基づいて当該被評価者の状態を表す指標を算出する工程とを備え、異なる2種類以上の前記生体情報取得部により取得された前記生体情報を、共通パラメータに変換して前記指標を算出する。
上記の構成を有することで、本願で開示する生体情報処理方法は、被評価者が装着する生体情報取得部の選択の幅が広がってより多くの被評価者の生体情報を、被評価者の負担が少ない方法で取得することができ、取得された生体情報を用いて正確な指標を算出することができる。
上記生体情報処理方法において、前記指標が、前記被評価者が受けている負荷の影響度合いを示す作業負担指数、前記被評価者の体調の平常状態からの変化度合いを示す体調評価指数、および、前記被評価者が熱中症を発症するリスクの度合いを示す熱中症発症リスク指数のうちの少なくともいずれか一つであることが好ましい。このようにすることで、多くの被評価者の状態を表す実用的な指標を得ることができる。
また、前記生体情報が、心拍データ、加速度データ、および、METs(代謝当量の推定値)のうちの少なくともいずれか一つであることが好ましい。このようにすることで、個人ごとの特性の違いや、生体情報取得部の仕様の違いを補正し、被評価者の状態を的確に判断する上で必要な生体情報を得ることができ、被評価者の状態を表す指標を正確に算出することができる。なお、心拍データには、心拍数や心拍時間間隔を含む。また、生体情報には、エネルギー消費量の推定値を含んでいても良い。
さらに、前記心拍データに用いられる前記共通パラメータが中央心拍数であることが好ましい。このようにすることで、生体情報取得部における心拍データの取得方法やデータ処理仕様にかかわらず、被評価者の正確な心拍データを得ることができる。
さらにまた、前記加速度データ、または、前記METs(代謝当量の推定値)に用いられる前記共通パラメータが加速度偏差であることが好ましい。このようにすることで、生体情報取得部における被評価者の身体の動きを把握する方法やデータ処理方法にかかわらず、被評価者の動作を正確に把握することができる。
本願で開示する生体情報処理システムは、被評価者の生体情報を取得する異なる2種類以上の生体情報取得部と、取得された前記生体情報に基づいて、当該被評価者の状態を表す指標を算出するデータ処理部とを備え、前記データ処理部は、前記生体情報取得部が取得した前記生体情報を共通パラメータに変換して前記指標を算出することを特徴とする。
上記の構成を有することで、本願で開示する生体情報処理システムは、生体情報取得部の選択の余地が広がり、被評価者が自己の好みや測定中の身体の状態に対応した生体情報取得部を選択でき、容易により多くの被評価者の生体情報を用いてその状態を表す指標を算出することができ、低コストで正確な評価結果が得られる生体情報管理システムを実現することができる。
以下、本願で開示する生体情報処理方法、および、生体情報処理システムの実施形態について、図面を用いて説明する。
(実施の形態)
[システムの全体構成]
まず、本願で開示する生体情報処理システムの一例についてその全体構成を説明する。
本実施形態では、作業者の動作や環境温度、心拍数などに基づいて、作業によって受ける負担の大きさを示す作業負担指数と、作業者の熱的負荷の大きさを示す熱的負荷指数とに基づいて、当該作業者の体調を評価して熱中症発症リスクを評価・管理する熱中症発症リスク管理システムについて例示する。本実施形態にかかる熱中症発症リスク管理システムは、例えば、一つの建設現場で働く複数の作業者を被評価者として好適に用いられるものであり、各作業者から得られた生体情報に基づいて熱中症を発症するリスクを評価し、熱中症の発症リスクが高まっている作業者には警告を与えて適宜の休憩を取らせるなどの対策を施すことによって、建設現場での熱中症の発症リスクを低減させることを目的とするシステムである。
図1は、本実施形態にかかる熱中症発症リスク管理システムの各部の構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態にかかる熱中症発症リスク管理システムは、被評価者である作業者10と、作業者10の生体情報に基づいてその体調評価を行うとともに、熱中症の発症リスクを評価するインターネット20上のクラウドサーバ21と、被評価者である作業者10と一定数の作業者10が含まれる作業グループを監督する管理者である現場監督30と、さらに、複数の現場監督30をその管理下に置いて全体を把握し、熱中症発症リスク評価システムの運用と維持管理等を行う事業所40とによって構成されている。なお、上記は一般的な建設現場を想定した汎用例であって、一人の現場監督30が管理する作業者10が一人の場合や、現場監督と事業所が不可分の状態となっている場合、事業所が複数含まれてより大規模に建設現場全体を管理する場合など、実際に本実施形態の熱中症発症リスク管理システムが導入される現場の構成に応じて、適宜異なる形態を採り得ることは言うまでもない。
本実施形態で説明する熱中症発症リスク管理システムでは、作業者10は、自身の心拍データや、身体の動きを示す加速度データ、環境温度としての服内温度データといった生体情報の少なくとも一つ以上を検出可能な、生体情報取得部である測定装置11をそれぞれ装着している。そして、この測定装置11は、少なくとも2種類が用いられている。
例えば、一部の作業者は、第1の測定装置として、服内温度を検出する温度センサと、心拍データを検出する電位計と、体の動きを検出するための3次元加速度センサとを備えた生体センサ11aが胸部に装着されたアンダーシャツを着用している。また、他の作業者は、第2の測定装置として、耳たぶに装着して光学的に脈拍を測定する測定部と着衣の身体の中心に近い位置に装着する3次元加速度センサを内蔵する本体部とを備えたワイヤレスタイプの脈拍計11bを装着している。さらに別の作業者は、第3の測定装置として、微細な振動として脈拍を検知可能な脈センサと3次元加速度センサ、さらに、気温と湿度を検出するセンサが内蔵された腕時計タイプのセンシングユニット11cを装着している。
なお、本実施形態にかかる熱中症発症リスク管理システムにおいて採用可能な生体情報取得部は、上記例示したものに限られず、被評価者の心拍データ、身体の動きを示す加速度センサ、環境温度測定する温度センサなどを備えた各種の生体情報取得部を採用することができる。
なお、本実施形態にかかる熱中症発症リスク管理システムで採用した第1の生体情報取得部である生体センサ11aを作業者10の胸部または身体の中心に使い部分の体表面に密着させる手段としては、生体センサ11aをベルトを用いて固定するベルト方式や、生体センサ11aを粘着性を有するシート上に配置した測定パッチ方式など、各種の手段を採用することができる。なお、生体情報取得部である測定装置11の具体的な構成や、それぞれの測定装置11により取得された作業者10の生体情報データのデータ処理の詳細については、後に詳述する。
本実施形態にかかる熱中症発症リスク管理システムでは、作業者10はそれぞれ携帯端末としてのスマートフォン12を所持している。測定装置11と作業者10が所持するスマートフォン12とは、ブルートゥース(登録商標)などの短距離間通信によって常時接続されていて、測定装置11が取得する生体情報は、随時スマートフォン12に送られている。
スマートフォン12は、データ受信部15とデータ送信部16とを備えていて、無線LANや携帯電話の情報キャリアを介して常時ネットワーク環境としてのインターネット20に接続されている。本実施形態の熱中症発症リスク管理システムでは、スマートフォン12によって各作業者10の識別データと紐つけられるとともに、スマートフォン12が被評価者情報送信部13を有していて、スマートフォン12のデータ送信機能を利用して、作業者の識別情報とリンクした状態での生体情報をインターネット20上に配置されたクラウドサーバ21に送信している。
なお、作業者が装着する測定装置と作業自体を識別するIDなどとの紐付けは、作業者がスマートフォンに使用する測定装置の名称や管理番号を入力する方法、スマートフォンの画像認識機能を利用して測定装置に添付された2次元、または、3次元の識別コードを読み込む方法、スマートフォンと測定装置との間の短距離通信における識別コードを利用する方法、その他作業者がスマートフォン上のアプリケーションを利用して選択する方法など、各種の方法が利用できる。また、スマートフォン自体が、作業者個人の所有物ではなくシステム利用の一環として貸し出す場合には、作業者の認識を、スマートフォンを用いたデータ入力、識別コードの読み込み、顔認証システムの利用、その他の方法が採用できる。
また、スマートフォン12は、データを受信したり、音声を発したり、画像を表示したりすることができるため、本実施形態にかかる熱中症発症リスク管理システムでは、作業者10に対して熱中症の発症リスクを伝達して休憩すること促す警告報知機能を果たすための警告報知部14や、各作業者10自身やその作業者10が属するグループ全体についての熱中症発症リスク評価結果を見やすく表示する機能を果たすための画像表示部17を備えている。
クラウドサーバ21は、内部にデータ受信部23とデータ送信部26とを備えていて、インターネット20を介した情報の授受を行う。また、クラウドサーバ21は、データ処理部としての評価判定部22を備えていて、熱中症発症リスク管理システムの対象となる作業者10全員の生体情報データを取得し、それぞれの作業者10について、作業により受けている負荷の影響度合いを示す作業負担指数、体調が当該作業者の普段の平常状態からどの程度変化しているかを示す体調評価指数を算出し、これらの指数に基づいて、各作業者10が熱中症を発症するリスクの度合いを示す熱中症発症リスク指数を算出する。また、評価判定部22では、作業内容や作業環境の共通性などによって形成された作業者10のグループに対しての熱中症の発症リスクを管理することができる。
本実施形態にかかる熱中症発症リスク管理システムでは、個々の作業者10の熱中症発症リスクを管理して、特に熱中症発症リスクが高いと判断された場合には、その情報を伝達して当該作業者が熱中症発症リスクを低減する対策を採ることを促す。このため、クラウドサーバ21は、熱中症発症リスクを評価、判定し、熱中症の発症リスクが高まっている場合にはその旨を当該作業者に警告する警告情報を作成する。
また、クラウドサーバ21は、気象情報取得部25を有していて、インターネット20を介して気象情報を提供する情報サイトから気象情報を取得して、作業者10が作業している地域での気温や湿度、日照量などの現在時刻での気象条件や、今後数時間内における変化を見込んだ気象予報を取得することができ、熱中症の発症リスクの評価に気象条件を加味することができる。
さらに、クラウドサーバ21はデータ記録部24を備えていて、熱中症発症リスク管理システムに登録されている作業者10それぞれからの測定データ、警告情報の作成履歴などを時系列に記録することができる。これにより、例えば、各作業者10への当日の現時点までの体調評価や、前日までの体調評価の結果を踏まえて熱中症の発症リスクを管理したり、過去の同じような気象条件における熱中症発症リスクの評価結果を踏まえて、より正確な熱中症の発症リスク評価を行ったりすることができる。
クラウドサーバ21は、インターネット20を介して、被評価者である作業者10の作業を建築現場で監督する管理者である現場監督30が使用する管理者情報端末としてのパソコン31と接続されている。このため、作業者10が作業する作業現場にいる現場監督30は、パソコン31のデータ受信部33によって、クラウドサーバ21から随時送信される作業者10の生体情報のデータや、評価判定部22によって警告情報が生成されたか否かなどを把握することができる。
クラウドサーバ21の評価判定部22は、作業者10が装着する測定装置11から得られた心拍データ、加速度データ、服内温度データに基づいて、作業者10の体調を評価し、さらに、作業負担指数を算出して、服内温度情報と、インターネットを経由して取得した作業地の環境温度情報とを加味して、作業者10の熱中症発症リスク指数を算出する。
なお、評価判定部22で行われる、作業者10の作業負担推定や熱中症発症リスク評価の具体的な内容については、後に説明する。
クラウドサーバ21は、データ記録部24に記録された判定対象の作業者10の過去の履歴情報としての履歴データや、気象情報取得部25で取得した作業地域の気象情報、さらには、判定対象の作業者と同じ現場で働いている、判定対象の作業者以外の作業者から取得された各種情報の変化などの環境情報に基づいて、作業者10個人の熱中症発症リスクの評価結果を補正して、より現実に即した熱中症発症リスクの管理を行うことができる。
なお、本実施形態で例示する熱中症発症リスク管理システムにおいて、評価判定部22を備えるのはクラウドサーバ21に限られない。例えば、管理者情報端末や事業所の管理コンピュータ上に、クラウドサーバ21の各種機能を実装してもよく、その機能が実現できるのであれば、評価判定部が実装される場所や機器は問わない。
現場監督30のパソコン31は、作業者10を含めた当該現場監督30が監督する作業現場に所属する作業者10についての測定装置11で得られた各種の情報や警告情報が生成されたか否かを管理する情報管理部32を備えている。情報管理部32は、クラウドサーバ21から送信された情報に基づいて、それぞれの作業者10から得られた情報や警告情報が生成されたか否かの熱中症発症リスク評価の基準となる情報を常に最新情報として把握している。また、情報管理部32は、取得した各作業者10の熱中症発症リスクの評価判定結果やその他の環境情報を表示画像処理部35へと出力し、表示画像処理部35で液晶モニタなどの表示デバイス36上に表示される画面内容が調整される。
このようにして、現場監督30は、自分が監督する作業現場で働く作業者10の情報や熱中症発症リスクなどを、全体として一元的に、または、作業者個々の詳細情報として見やすい画面で把握することができる。なお、表示画像処理部35で処理された表示デバイス36に表示される具体的な画面内容については、適宜形成されるシステムによって求められる情報を見やすく表示できればよいため、本明細書での具体的な詳細の説明は省略する。
さらに、現場監督30のパソコン31では、警告情報を通知した後に当該作業者10から得られる生体情報の変化や、作業者10からの警告情報の受領確認を受け取ることで、作業者10が熱中症の発症を予防するための対策を行ったか否かを確認することができ、作業者10が熱中症の発症を予防するための対応をとっていない場合には、対象の作業者10に繰り返して警告情報を伝達するなど、作業者10のさらなる注意喚起を行うことができる。
なお、上記説明では、作業者10に熱中症を発症するリスクが高くなっていることを報知する警告情報を、クラウドサーバ21の評価判定部22で生成する例を説明したが、警告情報を、現場監督30のパソコン31に設置された情報管理部32で生成することができる。また、評価判定部22と、情報管理部32の双方で警告情報を生成するように設定することもできる。このようにすることで、作業現場を実際に監督している現場監督30のパソコン31から、評価判定部22での判定結果に先んじて警告情報を生成して対象となる作業者10に伝達することで、作業現場の実情に応じて熱中症の発症リスクをより低減することができる場合がある。
クラウドサーバ21の評価判定部22、または、現場監督30のパソコン31で生成された警告情報は、現場監督30のパソコン31のデータ送信部34から、無線LANなどのローカルネットワークや携帯電話の情報キャリアを含めたネットワークを介して作業者10が装備するスマートフォン12に送信される。警告情報を受け取ったスマートフォン12の警告報知部14は、音声、画面表示、ランプの点灯または点滅、振動などの各種の情報伝達手段を用いて、作業者10に対して、自分が熱中症を発症するリスクが高まっていることを報知する。警告情報を確認した作業者10は、スマートフォン12のタッチパネルまたは操作ボタンなどを通じて警告情報を受け取った旨を報告するとともに、作業を中断して休息をとるなど熱中症を予防するための対策を実行する。
作業者10のスマートフォン12は、作業者10が警告情報を確認して作業を中断したことを監督者30のパソコン31に送信し、監督者30は、作業者10が熱中症の発症を予防する対策をとったことを確認できる。
さらに、本実施形態で説明する熱中症発症リスク管理システムでは、現場監督30が把握している作業現場での熱中症発症リスクデータを、作業者10のスマートフォン12に送信して、作業者10が、自分が働いている作業現場での熱中症発症リスクの現状を確認することができる。例えば、自分以外の作業者の熱中症発症リスクが高くなっていることが確認できれば、各作業者自身が熱中症の発症を積極的に予防する対応を採ることが可能となる。また、他に熱中症発症リスクの警告情報を受け取って作業を中断した作業者がいることがわかれば、現場監督30からの自分宛の警告情報により素直に応じることが期待できる。
さらに、作業者10が所有するスマートフォン12で、当該作業者10の現在までの熱中症発症リスクの変化や、生体センサ11で取得された自身の心拍数、加速度データから計算された体調評価指数の変化や、消費カロリーなどの関連情報を画面に表示して、作業者10自身が参照することができる。これら、作業者10が所有するスマートフォンでの表示画面についても、それぞれの目的に応じて必要事項を見やすく表示することができればよいため、本明細書での詳細な説明は省略する。
クラウドサーバ21は、インターネット20を通じて作業者10が所属する会社や事業所40内の管理コンピュータ41にも接続されていて、現場監督30のパソコン31に送信された作業者10の測定結果情報や、クラウドサーバ21が熱中症の発症リスクを判断するために用いた各種の情報を、リアルタイムで、事業所40の管理コンピュータ41に対して送信する。事業所40の管理コンピュータ41は、自身のデータ受信部42とデータ送信部43とを備えているため、インターネットを介して現場監督30のパソコン31とも接続されていて、現場監督30から作業者10に対して警告情報が正しく伝達されたか、作業者10が熱中症の予防対策をとったか、などの情報を確認し、必要に応じて所定の指示を行うことができる。このため、作業者10の熱中症発症リスクの回避を効果的にバックアップすることができる。
また、クラウドサーバ21、現場監督30のパソコン31、および、事業所40の管理コンピュータ40は、インターネット20環境上で接続されているため、パソコン31や管理コンピュータ40の側からクラウドサーバ21にアクセスすることができ、クラウドサーバ21でのデータ処理内容を制御したり、評価判定部22での判定プログラムを更新したり、クラウドサーバ21から熱中症予防管理に必要な情報を適宜取り出したりすることができる。
なお、上記説明においては、作業者が装備する携帯端末としてスマートフォンを例示したが、作業者の携帯端末はスマートフォンには限られず、携帯電話機やタブレット機器、さらには、熱中症発症リスク管理システムに特化した、情報の送受信が可能な専用の小型端末機器を用いることができる。また、現場監督が操作する管理者情報端末としては、例示したパソコンとして、デスクトップパソコン、ノートパソコン、タブレット型パソコン、小型サーバ機器などの、ネットワークを通じた情報の送受信とデータ表示、データ記録などが可能な各種の情報機器を採用することができる。
さらに、上記説明では、現場監督の管理者情報端末から作業者の携帯端末に警告情報を送信する形態を説明したが、警告情報がクラウドサーバの評価判定部で生成される場合には、クラウドサーバから直接作業者の携帯端末に警告情報を送信するようにシステムを構成することもできる。
さらに、作業者、現場監督、事業所内の管理部門を結ぶ情報伝達手段としては、上記例示したものに限られず、データの送受信を行う各種の情報通信手段を利用できることは言うまでもない。
[生体情報取得部]
(第1の測定装置)
まず、生体情報取得部としての測定装置11の第1の形態について、被評価者である作業者の胸部に密着させて生体情報を取得するタイプの生体センサについて説明する。
図2は、本実施形態にかかる熱中症発症リスク管理システムで作業者が着用する、第1の生体情報取得部である生体センサが装着されたアンダーシャツの構成例を示す図である。図2(a)が、生体センサが装着されたアンダーシャツの表面を示し、図2(b)がアンダーシャツの裏面、すなわち、作業者の体表面に対向して接触する側を示している。
図2に示すように、作業者10が着用するアンダーシャツ18の胸部には、生体センサ11aが配置されている。より具体的には、生体センサ11aは、アンダーシャツ18の表面18aの胸部中央部分に配置された、データ取得送信ユニット11a1と、このデータ取得送信ユニット11a1に接続され、アンダーシャツ18の裏面18b、つまり、皮膚に接する側の部分に左右方向に延在して配置された電極部11a2とから構成されている。
本実施形態にかかる熱中症発症リスク管理システムで第1の生体情報取得部を装着した作業者10は、生体センサ11aによって作業者10の心拍、服内温度、動作を検出するものであり、アンダーシャツ18の裏面に配置された心拍検出手段である電極が胸部に接触することで、表面電位の変化から作業者10の心拍を検出することができるようになっている。また、服内温度を検出する温度センサ(図示省略)と、3次元方向の加速度を検出する加速度センサチップ(図示省略)は、データ取得送信ユニット11a1内に収容されている。前述したように、本実施形態にかかる熱中症発症リスク管理システムでは、各作業者が所持するスマートフォン12を測定された生体情報の中継器として使用するため、データ取得送信ユニット11a1は、最低限のデータ処理回路、短距離通信を行うデータ送信部と各センサを含めたこれらの電子回路を駆動するための電源のみが含まれていればよく、データ取得送信ユニット11a1を小型軽量化して、胸部に装着されたアンダーシャツ18を着用する作業者10の違和感を軽減することができる。
なお、上述したとおり、本実施形態で説明する熱中症発症リスク管理システムにおいて、作業者10の胸部等に接触して心拍データ、服内温度データ、動作により生じる加速度データを取得する生体センサ11aを装着するための各種の方法が知られているが、測定用パッチとして胸部に直接貼り付ける方法や伸縮性のある装着ベルトを用いル方法などと比較して、図2に示したように生体センサ11aを作業者10が着用するアンダーシャツ18に固着する方法によれば、作業者10が、生体センサ11aを装着することに対する特別な意識を緩和して必要な情報を取得することができる。また、仮に作業者10の発汗や作業中の体のひねりなどが生じた場合でも、アンダーシャツ18に固着された生体センサ11aが、作業者10の体表面から最終的に外れてしまうことはなく、その装着位置も実質的に変化しない状態を維持することができる。このため、生体センサ11aが作業者10の胸部から離れた瞬間は、心拍の一部を心拍データとして取得できないことがあるものの、心拍データが全く取得できない状況が継続して続く事態は回避することができる。
なお、作業者10の心拍データを取得するための生体センサ11aの配置場所としては、上記した作業者の胸部以外にも、作業者の腰部、背中、上腕部や脚部などを採用することができる。ただし、生体センサ11aに内蔵される加速度センサや温度センサが良好な測定データを取得できる範囲に限ることが好ましいことは言うまでも無い。また、本実施形態で説明したような、工事現場で働く作業者を被評価者として熱中症の発症リスクを管理するシステムとしてではなく、たとえば、トレーニングを行うスポーツ選手などの体調評価として熱中症の発症リスクの評価を行う場合などでは、被評価者がスポーツウェアを着用することが考えられ、この場合も上半身に着用されるウェアの胸部に生体センサを配置することが最も合理的である。
(第2の測定装置)
次に、生体情報取得部としての測定装置11の第2の形態の一例として、光学的に血管の収縮を検出して作業者の脈拍を心拍データとして検出するとともに、3次元加速度センサによって作業者の身体の動きを検出するタイプのセンサについて説明する。
図3は、本実施形態にかかる熱中症発症リスク管理システムで作業者の生体情報を取得する、第2の測定装置であるワイヤレスタイプの脈拍計を装着している状態を示す図である。
図3に示すように、ワイヤレスタイプの脈拍計11bは、バネなどで付勢された一対の測定片11b1、11b2で耳たぶを挟むようにして装着する脈拍検知部分と、この脈拍検知部分と有線接続された本体部11b3とから構成されている。
脈拍検知部分では、一対の測定片11b1、11b2の一方にLEDなどの光源が、他方にCCDなどの受光素子が互いに対向するように配置されていて、バネなどの付勢手段によって耳たぶに密着、固定できるようになっている。CCDにより撮影された耳の血管の収縮から、作業者11の脈拍を検出する。本体部11b3には、脈拍検知部で検知された血管の収縮画像から適宜ノイズ成分を除外して脈拍数のデータを出力する制御回路や、脈拍計全体の動作電源、3次元加速度センサ、データ送信部などが内蔵されている。
図3に示すタイプのワイヤレスタイプの脈拍計11bでは、被評価者である作業者11の身体の動きをより正確に把握するために、3次元加速度センサが配置されている本体部11b3を、作業者10の体幹に近い上半身に固着することが好ましく、図示するように、作業者10の身体の動きとは異なる動きが生じにくい衿の後方部分に装着することが好ましいとされている。
図3に示した市販されているワイヤレスタイプの脈拍計11bは、環境温度を測定する機能を備えていないが、図示するように衿の後方側に本体部11b3を装着するようにすれば、被評価者である作業者10が本体部11b3を装着することについて感じる違和感は、図2で示した生体センサ11aを胸部に装着する場合と比較して小さい。このため、本体部11b3内部に、温度計や湿度計などの環境条件を把握する各種のセンサを内蔵することが可能である。また、同様の理由から、本体部11b3の内部にインターネット環境に生体情報を直接送信可能な送信部を備えることができ、この場合には、作業者10が被評価者情報送信部13を備えていたスマートフォン12を所持する必要がなくなる。作業者10にスマートフォン12を所持させない場合には、スマートフォン12が果たしていた警告報知部14の機能を発揮させるために、ワイヤレスタイプの脈拍計11bの本体部11b3内部に、音声による警告報知機能を内蔵すれば良い。
なお、図3に示した第2の測定装置としてのワイヤレスタイプの脈拍計では、耳たぶの血管の収縮を測定して心拍データを取得したが、耳たぶ以外の個所、例えば指先部分などでも、光学的に脈拍を検知することができる。また、図3に示すワイヤレスタイプの脈拍計では、脈拍検知部分と本体部とが有線接続されたものを例示したが、脈拍測定部分の動作電源が容易に確保できるのであれば、短距離間の無線接続によって脈拍測定部分と本体部とを接続することも可能である。
(第3の測定装置)
続いて、生体情報取得部としての測定装置11の第3の形態について、脈拍を検知する振動センサと、動作を検出する加速度センサ、気温、湿度などの環境条件を測定するセンサを内部に備えた装置本体を、ベルトを用いて手首に装着する腕時計タイプのセンサを説明する。
図4は、本実施形態にかかる熱中症発症リスク管理システムで作業者の生体情報を取得する、第3の測定装置である腕時計タイプのセンシングユニットを示す図である。
図4に示すように、センシングユニット11cは、手首に接触させて装着する装置本体11c1と時計バンド型の固着ベルト11c2とから構成されていて、外観は腕時計と同様のものである。なお、図4に例示するセンシングユニット11cは、メンテナンスが容易に行えることなどを目的として、装置本体11c1は、固定ベルト11c2に対して着脱可能とされている。
腕時計型のセンシングユニット11cは、装置本体11c1が手首の外側(手の甲側)になるように装着され、手首と接触する側(固定ベルト11c2の内側)には、被評価者である作業者10の手首外側に押しつけられて脈拍を検出可能な、パルス検知部が配置されている(図示省略)。また、装置本体11c1の内部には、温度や湿度、気圧などの環境情報を測定するセンサや、作業者10の動作を検知する3次元加速度センサが配置されていて、装置本体11c1の外側表面には、図示するように、これらセンサに対応した部分に小さな開口部が形成されている。また、装置本体の側面部分には、装置本体内部に配置された2次電池に電力を供給し、内部のメモリ素子との間のデータ交換が可能となる接続電極が配置されていて(図示省略)、専用のクレイドルに載置してセンシングユニット11cの動作電池の充電とパソコンなどとのデータ交換が可能となっている。
また、腕時計型の測定装置としては、装置本体部分の表面に画像表示デバイスが配置されて現在時間を表示する時計機能を有する、いわゆるスマートウォッチと称されるものが含まれる。スマートウォッチには、赤外線の吸収に基づいて心拍数を測定する光学式心拍センサを搭載し、かつキャリア通信機能を有するタイプも存在する。このようなスマートウォッチを用いることで、測定装置で取得した心拍情報等の生体情報をインターネット経由でクラウドサーバに直接送信可能である。
本実施形態にかかる熱中症発症リスク管理システムに使用される、図4に例示したセンシングユニット11cのような腕時計型の測定装置では、装置本体11c1の内部に、作業者10が所持するスマートフォン12に測定された生体情報を送信する送信部を有している。なお、第3の測定装置も、被評価者の手首部分外側に装着されるものであるため、第2の測定装置であるワイヤレス脈拍計と同様に、作業者10が装置本体11c1を装着することについて感じる違和感は、図2で示した生体センサ11aを胸部に装着する場合と比較して小さい。このため、図4に示すセンシングユニット11cにおいても、装置本体11c1の内部に、インターネット環境に生体情報を直接送信可能な送信部を備えることができる。また、作業者10が被評価者情報送信部14を有するスマートフォン12を所持しない場合には、装置本体11c1が警告報知部14の機能を発揮することになるが、スマートウォッチの場合を含めて、作業者10への警告報知機能や、熱中症発症リスクのデータを画像等で示す構成は採用しやすい。
[熱中症発症リスク評価方法]
次に、本実施形態にかかる熱中症発症リスク管理システムにおける暑熱環境評価について、作業者個人についての熱中症発症リスク評価の具体的内容について説明する。
本実施形態にかかる熱中症発症リスク評価方法は、被評価者が装着する測定装置が備える心拍検出手段によって検出された被評価者の心拍データと、3次元の加速度センサにより取得された加速度データとに基づいて被評価者の行った作業の強度を示す作業負担指数を算出する。また、測定装置から得られた被評価者の服内温度と、被評価者が作業している現場の環境温度とに基づいて、被評価者の暑熱負荷指数を算出する。そして、これら算出された作業負担指数と暑熱負荷指数とに基づいて、熱中症を発症するリスクを示す熱中症発症リスク指数を算出する。
なお、以下の熱中症発症リスク評価方法の説明に当たっては、図1を用いて説明した本実施形態にかかる熱中症発症リスク管理システムの各構成部分を適宜例示して説明する。
図5は、本実施形態で説明する熱中症発症リスク管理システムでの、評価判定部における熱中症発症リスク評価の流れを示すフローチャートである。
本実施形態にかかる熱中症発症リスク評価システムでは、インターネット上のクラウドサーバ21が備える制御手段である評価判定部22が、被評価者である作業者10が装着している生体情報取得部としての第1の測定装置である生体センサ11aから得られたデータと、クラウドサーバ21内の各構成部分から取得されたデータに基づいて、作業者10の作業負担指数と暑熱負荷指数とを算出して熱中症発症リスク指数を算出する。
図5に示すように、評価判定部22での評価が始まる(START)と、評価判定部22は、被評価者の作業負担指数の算出を開始する。
なお、評価判定部22での評価の開始(START)は、作業者10自身、または、管理者である現場監督30などが測定装置である生体センサ11aの電源スイッチを「ON」にする、タイマーによって作業開始時間となると自動的に生体センサ11の動作が開始するように設定されている、生体センサ11aを備えたアンダーシャツ18を作業者が着用したことを生体センサ11a自体が検出して動作を開始する、などの各種方法で設定することができる。
作業負担指数の算出を行うために、評価判定部22は、まず、データ記録部24に評価対象の作業者10の過去のデータとして心拍データと加速度データである履歴データが記録されているか否かを確認する(ステップS101)。
当該作業者10が過去に本実施形態で説明する熱中症発症リスク管理システムでの評価対象となって、データ記録部24に作業者10の履歴データが記録されている場合(ステップS101で「Yes」の場合)は、その履歴データの集合から、加速度に対して心拍数が線形に変化する線形区間を求め、その線形区間に含まれる履歴データに対して回帰直線を求める。この履歴データから求めた回帰直線は、当該作業者の心拍応答の特徴(個性)を表している。この回帰直線の傾きを心拍応答係数αr、切片を切片心拍数βrと定義し算出する(ステップS102)。
その後、評価判定部22は、生体センサ11aで測定された作業者10の心拍データの検出を行う(ステップS103)。
一方、当該作業者10の履歴データが存在していない場合、また、データは存在しているが前回のデータが記録されてから一定の期間(一例として1ヶ月)が経過している場合は、評価判定部22は当該作業者10の正しい標準化心拍数を算出できないと判断して、心拍データに基づかず加速度データのみから当該作業者10の作業負担指数を算出する。評価判定部22は、作業者10の動作を示す数値である加速度偏差を算出(ステップS110)し、加速度偏差のみに基づいて、作業者10の作業負担指数を算出する(ステップS111)。この場合、加速度偏差に適当な係数を掛ける等、所定の数式を用いて作業負担指数に変換すればよい。
データ記録部24に作業者10の履歴データが記録されている場合(ステップS101で「Yes」の場合)、心拍データを検出するに当たって評価判定部22は心拍データの信頼性を確保する。本実施形態の熱中症発症リスク管理システムでは、上述したように被評価者である作業者10の心拍データをより良好に取得できるよう、作業者10が着用するアンダーシャツ18の裏面18bに生体センサ11aの電極部11a2が配置されている。しかし、作業者の体の動きや体表面の発汗などの影響で、心拍を正しく検出できないことがある。このため、本実施形態の熱中症発症リスク管理システムでは、被評価者である作業者10の心拍データを正しく測定できていない場合に、誤ったデータで作業負担指数を算出して熱中症の発症リスク評価を誤ることがないように、心拍データが正しく取得できているか否かを確認している。
まず、評価判定部22は、心拍データの信頼性を評価するために心拍波形検出率を算出する(ステップS104)。
生体センサからサンプリングした生データは、被評価者の皮膚と電極との接触不良等の影響で、一定割合のノイズ(異常な心拍データ)が含まれている可能性がある。そこで1拍ごとのデータ(心拍間隔)に対して、例えば、心拍間隔が0.33秒以上かつ1.33秒以下であって、かつ、1つ前のデータとの差(差分心拍間隔)が0.15秒以下のデータを正常と判定してラベリングする。
正常/異常を判定する閾値は、任意に設定可能であるが、生理学的な見地に基づいて有り得ない心拍間隔のデータを除去できるように適当な数値を設定すればよい。そして、測定データを所定の時間幅でk個 の部分区間に分け、各部分区間ごとに正常とラベリングされたデータが区間全データ中に何割含まれているかを心拍波形検出率Qとして計算する。
次に、評価判定部22は、各部分区間ごとに心拍波形検出率を判定する(ステップS105)。
心拍波形検出率が基準値(例えば50%)以上であれば当該区間について信頼性があると判断し(ステップS105で「Yes」の場合)、心拍データを用いて作業負担指数を算出する(ステップS106)。
一方、心拍波形検出率が基準値(50%)未満であれば信頼性がないと判断し(ステップS105で「No」の場合)、当該区間については加速度データを用いて作業負担指数を算出するステップS110に進む。
なお、上記説明において基準値は一例であり、生体センサの性能や対象者の職種等によって適宜調整すればよい。例えば、動作の激しい職種では閾値を低く、動作の少ない職種では閾値を高く設定してもよい。
心拍波形検出率が50%以上である場合(ステップS105で「Yes」の場合)には、評価判定部22は、得られた心拍データから中央心拍数を算出する(ステップS106)。ここでは、ステップS104で設定した部分区間に対して、各部分区間ごとの代表値(中央値)をもって中央心拍数データとする。代表値は区間平均値であってもよいが、好ましくは、区間中央値である。測定装置から取得したデータにイレギュラーな値が少数含まれていても、その影響を排除できるからである。
さらに、評価判定部22は、同時に生体センサ11aから得られた加速度データから、作業者10の動作状況を示す数値である加速度偏差を算出する(ステップS107)。
次に、履歴データと予め作成した標準心拍応答モデルとに基づいて、中央心拍数を補正し、標準化心拍数を求める(ステップS108)。
具体的には、心拍応答係数および切片心拍数、ならびに、標準心拍応答モデルのパラメータである標準心拍応答係数および標準切片心拍数を用いて、中央心拍数データを以下の数式(式1)で標準化心拍数に変換する。
HRS[k]=(αs/αr)(HR[k]−βr)+βs (式1)
ここで、
・中央心拍数データ :HR[k]
・標準化心拍数 :HRS[k]
・心拍応答係数 :αr
・切片心拍数 :βr
・標準心拍応答係数 :αs
・標準切片心拍数 :βs
である。なお、ここでkは、部分区間の番号を表す。
標準心拍応答モデルとは、大人数を測定対象として得られた大規模データを基に作成された心拍応答モデルである。加速度(身体の動き)に対するヒトの標準的な心拍応答を表したモデルで、各種パラメータ及び所定の数式で表現できる。
標準心拍応答モデルを求めるための測定結果の一例を、図6に示す。
図6(a)は大規模データの全て(約300万点)をプロットしたもので、濃淡はデータの密度を表している。図6(a)中に示す線51が5%のデータラインを、線52が25%のデータラインを、線53が50%のデータラインを、線54が75%のデータラインを、線55が95%のデータラインを示している。
これに対して各区間の中央値を求めたものが図6(b)の×印であり、各中央値に対して当てはめた近似曲線FHR(符号56)が標準心拍応答モデルを表している。
近似曲線FHRは種々の曲線あてはめ手法によって求めることができ、加速度偏差ARMSを与えたとき、推定標準化心拍数FHRを与える関数FHR(ARMS)として表現できる。また、FHRの直線的に変化している部分(加速度が0.05あたり〜0.45あたりの区間)の傾きが標準心拍応答係数に相当し、近似曲線の切片が標準切片心拍数に相当する。
なお、大規模データは、当該現場における複数の作業員の過去数日間のデータであってもよいし、別の現場で予めサンプリングしておいた蓄積データであってもよい。好ましくは、当該作業者と同様の作業に従事する大人数の作業者を測定対象として得られた大規模データを基に、標準心拍応答モデルを作成するのがよい。これは当該作業に最適化された心拍応答モデルであり、その作業に従事する作業者の典型的な心拍応答を表すと考えられる。大規模データの基になる人数に特に決まりはないが、サンプリング数が多い方がより高精度に心拍応答を近似できる。好ましくは5人以上、より好ましくは50人以上である。蓄積期間についても特に決まりはないが、好ましくは同じ現場で2日以上、より好ましくは5日以上のデータを取得することが好ましい。
このようにして得られた標準化心拍数と加速度偏差とに基づいて、評価判定部22は作業者10の作業負担指数を算出する(ステップS109)。
このとき、評価判定部22は、標準化心拍数を用いるか、それとも推定標準化心拍数を用いるかを、標準化心拍応答モデルに基づいて作成された補正マップを利用して判定する。測定装置である生体センサ11から得られた心拍データと3次元加速度センサの数値から、中央心拍数と加速度偏差とを求める具体的方法、補正マップを用いた心拍データの選択基準等については、後に詳述する。
一方、心拍波形検出率Qが基準値(上記例では50%)以上ではない場合(ステップS105で「No」の場合)には、評価判定部22は、得られた心拍データの信憑性が低いと判断して中央心拍数の算出は行わずに、生体センサ11aから得られた加速度データから作業者10の動作状況を示す数値である加速度偏差を算出する(ステップS110)。この場合には、加速度偏差のみに基づいて、評価判定部22は作業者10の作業負担指数を算出する(ステップS111)。
ステップS111で得られた作業負担指数は、ステップS109で得られた作業負担の数値と比較して、心拍データが反映されていない分精度が劣ると考えられるが、作業者10の動作が連続して行われていることから、心拍データが得られていないことを理由としてその間の作業負担指数を算出しないよりも連続して作業負担指数が得られていることが好ましい。
さらに評価判定部22は、生体センサ11aから得られた作業者10の服内温度データと、作業者10が作業する現場での環境温度データとに基づいて、作業者10の暑熱負荷指数を算出する(ステップS112)。作業現場の環境温度データは、クラウドサーバ21の気象情報取得部25により取得された作業現場の周囲の気温データ、作業者が屋内で作業している場合などではその作業場に配置された温度センサから得られる温度情報などに基づいて、取得することができる。
なお、作業者10の服内温度データと環境温度データとに基づいて暑熱負荷指数を算出する具体的な手順については、追って詳述する。
そして、評価判定部22は、得られた作業負担指数と暑熱負荷指数とに基づいて、当該作業者10の熱中症発症リスクを熱中症発症リスク指数として算出する(ステップS113)。
本実施形態に示す熱中症発症リスク評価システムにおける熱中症発症リスク指数は、作業負担指数と暑熱負荷指数との線形和として判断できる。このため、熱中症発症リスク指数の値が大きいほど、当該作業者が熱中症を発症するリスクが高くなり、熱中症発症リスク指数の大きさを領域として規定することで、熱中症発症リスクが、高い(=危険)な状態にあるのか、やや高い(=注意)な状態にあるのか、それとも低い(=安全)な状態にあるのかをランク付けすることができる。このため、評価判定部22で算出された熱中症発症リスク指数のランクに応じて、作業者10自身が、または、監督者である現場監督30が、作業を停止して休憩する、作業負担を減らす、または、服内温度を下げるなどして暑熱負荷を低減する、などの対応を採ることができ、熱中症の発症を効果的に回避することが可能となる。
[熱中症発症リスクの評価方法]
ここで、本実施形態にかかる熱中症発症リスク評価システムにおいて行われる、個々の作業者についての熱中症発症リスク評価指標である、熱中症発症リスク指数を算出するアルゴリズムについて説明する。
(作業負担の推定)
<a.前処理>
まず、心拍データと加速度データについて、作業負担指数を算出する前処理を行う。
心拍データの前処理は、図5のフローチャートを用いて説明したとおり、作業者10が装着している生体センサ11aが検出した心拍データから、中央心拍数を算出する(図5におけるステップS106)ことで行われる。
より具体的には、部分区間の心拍波形検出率が50%以上であった場合に、部分区間に含まれる心拍データの取得間隔から部分区間あたり(例えば、過去1分間あたり)の心拍数に換算して中央心拍数HRを得る。
一方、加速度センサによって得られた加速度データについては、以下の手続きによって過去1分間の平均値ΔAを求める。
1)不等時間間隔データの指数移動平均
x軸、y軸、z軸それぞれの方向の加速度データ{Ax(t)}、{Ay(t)}、{Az(t)}について、時定数を10secとして、統計学の手法である指数移動平均法を用いてそれぞれの軸方向における加速度データの指数移動平均を求める。時定数は特に限定されないが、例えば5〜10secの範囲で加速度センサの性能に応じて適宜決定すればよい。
ここでは、x軸、y軸、z軸それぞれの方向の指数移動平均を、それぞれ{Sx(t)}、{Sy(t)}、{Sz(t)}とする。
2)指数移動平均の除去
各軸の加速度データから、上述の指数移動平均を除去し、トレンド除去された時系列加速度を求める
たとえば、x軸の場合は、「Ax(t)−Sx(t)」となる。
3)2乗和の計算
トレンド除去された時系列加速度について、以下の式(式2)を用いて各時刻での2乗を計算して和を求める
Figure 2021122581
4)1分ごとの加速度の平均
上記求めた2乗和「ΔA2(t)」の1分ごとの平均値「ΔA2 ave」を計算する。ここでは、データ点数の数で割って平均値とする。また、加速度の2乗平均「ΔA2 ave」の平方根「ΔAave」を計算する。ここで、ΔAaveは加速度偏差ARMSである。
<b.異常値の除去>
心拍データから得られた心拍数のデータについて、非数値データと、心拍数が40以下のものと180以上のものとを異常値として除去する。
また、加速度データについては、非数値データと、「ΔAが0.05以下、もしくは、0.55以上のデータを異常値として除外する。
<c.切片心拍数と心拍応答係数の計算>
履歴データの集合に関して、加速度偏差に対して中央心拍数が線形に変化する線形応答区間を設定し、その線形応答区間に含まれるデータに対して回帰直線を求める。この回帰直線の傾きが心拍応答係数αr、切片が切片心拍数βrとなる。
回帰直線の当てはめ方法については、特に限定しない。例えば、加速度偏差が0.05〜0.4の区間を線形応答区間と設定し、その間をm個の部分区間(mは例えば3〜7)に分ける。次に、各部分区間に関して中央心拍数と加速度偏差の中央値をそれぞれ求める。そして、求めたm点の中央値座標に対して回帰直線をあてはめる(図7参照)。
<d.作業負担指数の計算>
図5において、ステップS108で示したように、被測定者である作業者10の履歴データがある場合は、この履歴データと標準心拍応答モデルとに基づいて、標準化心拍数HRSが計算される。標準化心拍数HRSを算出することで、被測定者個々の特性による心拍データから作業負担指数を算出する上での個人差を補正することができる。
一方、推定標準化心拍数は、標準心拍応答モデルの近似式FHR(ARMS)を用いて、被測定者の加速度偏差ARMSから標準的な心拍数を推定するものである。実際の作業負担指数算出においては、標準化心拍数と推定標準化心拍数のどちらを信頼するかがポイントとなる。本実施例では、標準心拍応答モデルに基づいて作成した補正マップを用いて、どちらの心拍数を選択するかを判定し、補正心拍数HRsを得る。
図8は、補正マップの第1の例である。
図8に示すように、補正マップには、標準切片心拍数βsをy軸切片とし直線部分の傾きが標準心拍応答係数αsである近似曲線FHR71が記載されている。ここで近似曲線FHR71を判定線とする。なお、加速度偏差が0.45を超える部分からは、図7に示すように判定線71は直線ではなくなり、加速度偏差に対する中央心拍数の上昇度合いが低下していくことが判明している。
図8に示す補正マップでは、被測定者である作業者の動作を示す加速度偏差が0.2である部分に境界線72が設けられている。加速度偏差が0.2よりも小さい領域では、動作による心拍数の変化よりも情動による影響が大きく現れ、加速度偏差が0.2よりも大きい領域では、体が動くことによる心拍数の変動が大きいと考えられるからである。
図8に示す補正マップでは、心拍数と加速度偏差との関係がマップ中ハッチングで示された領域73および領域77の範囲となるように補正される。たとえば、加速度偏差が0.2までの範囲では、標準化心拍数が大きく判定線71よりも上側に位置する場合には、図中矢印74として示すように判定線71の数値、すなわち推定標準化心拍数が補正心拍数HRsとして用いられ、標準化心拍数が標準切片心拍数βsよりも小さい場合には、標準切片心拍数βsの値を補正心拍数HRsとして採用する。また、標準化心拍数が判定線71以下かつ標準切片心拍数βs以上の場合は、標準化心拍数をそのまま補正心拍数HRsとして採用する。このようにすることで、加速度偏差が0.2よりも小さな領域では、推定標準化心拍数よりも大きな標準化心拍数が検出された場合は情動による影響としてこれを排除することができる。
一方、加速度偏差が0.2よりも大きな領域では、前述の標準心拍応答係数αsと同じ傾き、すなわち、近似曲線FHRの直線部分と平行に、心拍数値が大きすぎると判断される領域を規定する平行線76を引いて、この平行線76と判定線71とで挟まれた領域77内が正しい心拍数が検出できたと判断する。この領域77に該当する場合には、そのままの標準化心拍数を補正心拍数HRsとして用いて作業負担指数が計算される。標準化心拍数が、上限を示す平行線76よりも大きい場合は、図中矢印78として示すように、平行線76上の値を補正心拍数HRsとして採用することでエラーの影響を排除する。また、判定線71よりも下側の領域に現れた数値は、図中矢印79として示すように判定線71上の数値、すなわち推定標準化心拍数を補正心拍数HRsとして採用することで、被測定者が一定以上の動きをしているにもかかわらず低すぎる心拍数値が作業負担指数の算出に用いられることを回避できる。
図9に示す補正マップは、検出された心拍データの信頼性がより高いと判断される場合に使用される補正マップである。
心拍データの信頼性が高い場合としては、生体センサ11より取得された心拍データの検出率が判定基準(一例として50%)よりも高く、例えば、80%を超える状態が続いているような場合が想定できる。
図9に示す補正マップは、基本的には図7に示した補正マップと同様であるが、加速度偏差が0.2以上であって、標準化心拍数が判定線81よりも低い領域にある場合が異なっている。図9に示す、心拍データの信頼性が高い場合には、判定線81の下方に、加速度偏差0.2における標準切片心拍数βsの位置から判定線81に平行な下限を規定する境界線88を引いて、境界線88と判定線81との間の領域89の標準化心拍数を補正心拍数HRsとしてそのまま用いるとともに、標準化心拍数が境界線88よりも小さい場合には、図中矢印91として示すように境界線88上の値が補正心拍数HRsとして採用される。
このようにすることで、広い範囲で標準化心拍数を採用して、より精度の高い作業負担指数を算出することができる。
<e.作業負担の評価>
補正マップを用いて得られた補正心拍数HRcに基づいて、以下のように作業負担指数Wを計算する。
まず、以下の数式(式3)を用いて補正心拍数HRcを代謝当量METs(Metabolic equivalents)に変換する。
METs=aMETs×HRc+bMETs (式3)
ここで、aMETsとbMETsは所定のパラメータであり、呼吸計測実験に基づいて決定することができる。
次に、以下の数式(式4)を用いて代謝当量METsを作業負担指数Wに変換する。
W=aW×METs+bW (式4)
ここで、aWとbWは所定のパラメータである。
例えば、aW=0,2、bW=−0.2と設定した場合、作業負担の評価としては、作業負担指数Wが0.6以上であれば高代謝率の作業、すなわち、負担が大きい作業、Wの数値が1以上の場合は、きわめて代謝率の高い作業、すなわち作業者への負担がとても大きな作業とすることができる。
(暑熱負荷の評価)
測定装置11により得られた服内温度Tiと、環境温度として得られた外気温Toとを用いて、暑熱負荷指数Hを以下の式(式5)によって求める。
Figure 2021122581
なお、暑熱負荷指数Hが0より小さい場合は、H=0とする。
暑熱負荷指数Hが0.6以上の場合は、暑熱負荷が比較的高い状態、暑熱負荷指数Hが1以上である場合は、暑熱負荷が極めて高い状態であると評価することができる。
(熱中症発症リスクの評価)
上記計算によって得られた作業負担指数Wと暑熱負荷指数Hとを用いて、下記式(式6)として示すように、評価対象の作業者10の熱中症発症リスク評価指数Rを求める。
Figure 2021122581
ここで、aは、評価対象の作業者の暑熱順化に対応して規定される数値であり、暑熱順化ありの場合a=−1.8、暑熱順化なしの場合a=−1.3とする。
以上のようにして求めた熱中症発症リスク評価数値Rについて、Rが0.6未満の場合は発症リスクが低リスク、Rが0.6以上で1.0未満の場合は要注意の警戒レベル、Rが1.0以上の場合は高リスクであり熱中症発症の危険レベル、と判定することができる。
なお、実際に熱中症の発生まで検証することはできないため、熱中症の発症リスクの判断基準を定めるに当たっては、熱中症の発症リスクをより厳しく判断できるように、すなわち、より安全サイドにたって決定すべきである。
(熱中症発症リスクの連続評価)
作業者10が装着する測定装置である生体センサ11から得られる測定結果などに基づいて、当該作業者の熱中症発症リスクを連続的に評価する場合には、暑熱負荷指数Hと作業負担指数Wそれぞれの指数移動平均値を、サンプリングの間隔を1分間として以下の式(式7)、(式8)から求める。
Figure 2021122581
なお、ここでw1=2/31、w2=2/11とする。
さらに以下の式(式9)から、熱中症発症リスク指数Rの指数移動平均値が求まる。
Figure 2021122581
たとえば、熱中症発症リスク指数Rの指数移動平均値が1以上の状態が30分以上続いた場合には、熱中症を発症するリスクが極めて高い状態であると判断されて、作業者に休憩を促すなどの熱中症を発症しないように対応策を採る。
(2次元マップでの表示)
上記の式(式6)からわかるように、本実施形態にかかる熱中症発症リスク管理システムにおいて熱中症発症リスクを表す指数Rは、作業者10に対する暑熱負荷指数Hと、作業負担指数Wとの線形和として表現される。
このことを利用して、熱中症発症リスク指数を、暑熱負荷指数と作業負担指数とをそれぞれ軸とする2次元のマップ上に熱中症発症リスク指標として表示することができる。たとえば、2次元のマップ上に、管理者である現場監督30が管理する複数人の作業者10それぞれにおける、現在時点での熱中症発症リスク指数に応じた記号を表示することで、 現場監督30は、管理対象の作業者の全体的なリスク指標を一目で把握することができる。なお、作業者10の熱中症発症リスクの程度を表示する表示画像について、具体的な説明は省略する。
[第1の測定装置以外で得られた生体情報の取り扱い]
以上のように、本実施形態にかかる熱中症発症リスク管理システムでは、図2に示したアンダーシャツの胸部に装着された第1の測定装置である生体センサ11aによって取得された生体情報に基づいて、各作業者の体調評価を行い熱中症の発症リスク評価が行われる。したがって、上述した第2の測定装置としてのワイヤレスタイプの脈拍計11bや、第3の測定装置としてのセンシングユニット11cで得られた生体情報を、第1の測定装置で得られた生体情報に換算することで、異なる種類の生体情報取得部を装着した作業者を熱中症発症リスク管理システムで共通して管理することができる。
本実施形態にかかる熱中症発症リスク管理システムでは、心拍データの共通のパラメーとして中央心拍数を、加速度データの共通のパラメータとしての加速度偏差を用いることで、異なる測定装置によって得られた生体情報の統合を行う。
(第2の測定装置により取得された生体情報の処理方法)
ワイヤレスタイプの脈拍計11bでは、心拍データとして計測された脈波間隔が毎秒出力されている。この点において、心拍ごとに心拍間隔が出力されていた生体センサ11aとデータ出力のタイミングが異なる。
生体センサ11aでは、上述のように心拍データの信頼性を心拍波形検出率を推定することで判断し、正常な心拍データであると判断できたもののみを用いて中央心拍数HRを求めた。これに対応させて、ワイヤレスタイプの脈拍計11bの脈拍データにおいても、各秒ごとに出力される脈拍データの内、信頼性が低いものは切り捨てて信頼性が高いと考えられる数値のみを用いた。
より具体的には、値が0であるデータ、45bpm未満または180bpmより大きなデータは、信頼性が低いとして切り捨てた。また、同じ脈拍が連続することは生理学的にも不自然であることから、同じ脈拍データが5回以上連続した場合は、5拍目以降のデータは不良データとして切り捨てた。
このようにして、信頼性の高いデータのみを用いて、30秒ごとに窓幅60秒の中央心拍数の1分間中央値を、中央心拍数HRとした。
加速度データについては、ワイヤレスタイプの脈拍計11bでは図3に示したように衿の後方部分などの頭部または首部の周辺や上半身で測定されることから、加速度データの内の高周波成分のみを抽出した。一例として、0.1Hz以下の低周波数成分をカットオフ周波数とするハイパスフィルタを通過させることで、被評価者である作業者10の動作ではないノイズ成分が除去されるものと考えられる。
そして、ハイパスフィルタを通過した加速度データに対して、x方向、y方向、z方向それぞれのデータの1分間における2乗偏差を求める。
このようにして求めた、中央心拍数と加速度偏差の値は、第1の測定装置である生体センサ11aにより取得された中央心拍数と加速度偏差と同じであると考えられるため、以下、上述のようにして、作業負担指数を算出できる。
なお、上述したように、市販されているワイヤレスタイプの脈拍計11bは、温度や湿度などの環境条件を測定するセンサを有していないものも存在する。このため、暑熱負荷指数を算出するに当たっては、クラウドサーバ21の気象情報取得部25で取得されたデータなどを用いて、作業者10の置かれている環境条件を推定することが好ましい。なお、この場合において、服内温度センサのデータと、WBGTとの比較などについての研究資料(一例として信州大学での実験データ等)が公開されているため、適宜その内容を参酌することで、より精度の高い暑熱負荷指数の算出につながると期待できる。
(第3の測定装置により取得された生体情報の処理方法)
センシングユニット11cとして、心拍データとして計測された脈波間隔が一定の間隔で(例えば毎分)出力されている。また、被測定者の動作状況については、METs推定値が、同様に一定の間隔で(例えば毎分)出力される。
この場合、1分間の脈拍間隔データを、所定の係数、一例として0.984を掛けることによって生体センサ11aで出力される心拍間隔との対応がとれ、中央心拍値が求められる。この係数は、心拍間隔の統計分布の非対称性、および、脈波測定機器の特性により、1分間の心拍間隔の中央値と平均値に差が生じることを補正するためのものである。
また、METsデータと加速度データとが、歩行や軽度のジョギングなどにおいては線形に対応することを用いて、例えば、実際に2つの測定装置によるデータを同時に取得することで相関係数を求めて、出力されるMETsデータを加速度データに変換することができる。その結果の得られた変換された加速度データから、生体センサ11aで求めた場合と同様にして加速度変位を求める。
なお、センシングユニット11cは、被評価者である作業者10の腕に装着されるため、作業者10の身体全体の動きの他に、装着された腕の細かな動作を加速度データとして検出する。このため、例えば作業現場においても、大きな部材を運んで組み立てるような作業と、細かな部品を取り扱う手先を使用する細かな作業とでは測定結果としての加速度データが異なる。このような場合には、同じような作業を行っている作業者10を適宜グループ化して、グループごとに判定基準を異ならせるなどの対策を施すことにより、測定データの信憑性を向上させることができる。
このようにして、センシングユニット11cにより取得された心拍データとMETsデータとを用いて、中央心拍数と加速度偏差とを求めることで、生体センサ11aで得られたデータと同様にして、作業負担指数を算出できる。
なお、センシングユニット11cは、温度や湿度などの環境条件を測定するセンサを有している。ただし、測定個所が手首部分であり、生体センサ11aが測定する服内温度とは当然に異なる。このため、暑熱負荷指数を算出するに当たっては、上述のワイヤレス脈拍計11bの場合と同様に、クラウドサーバ21の気象情報取得部25で取得されたデータなどを用いて、作業者10の置かれている環境条件を推定したり、別途服内温度と露出した体表部分の温度との相関を取るなどして、適宜温度データを補正して暑熱負荷指数を算出することが好ましい。
以上説明したように、本願で開示する生体情報処理方法、生体情報処理システムでは、異なる生体情報取得部により取得された被評価者の生体情報について、共通の指標を用いて相互に変換することで、生体情報取得部の形態により制限されることなく、被評価者を共通したシステム内に含めた評価、管理を行うことができる。
この結果、例えば、被評価者がより好ましいと思うタイプの生体情報を選択して使用することや、既に所有している生体情報取得部をそのまま利用することが可能となるなど、顧客のニーズに合わせて、より多くの被評価者を評価対象とする生体情報処理システムをより安価に構築することができる。被評価者の数が増えることで、生体情報処理システムにおけるデータ処理例が増加するため、過去のデータを用いた補正が可能となり、生体情報から得られる評価結果の精度をより向上させることができる。
また、測定装置の違いによる取得データの精度の相違についても、多くのデータを参照することでその傾向を把握することが可能となるため、異なる生体情報取得部により取得されたデータの変換の精度を向上させることができる。
なお、上記実施形態では、心拍データの共通のパラメータとして中央心拍数を用いた場合を示したが、中央心拍数以外にも、平均心拍数などをパラメータとして用いることができる。
また、上記実施形態では、加速度データの共通のパラメータとして加速度偏差を用いたが、加速度偏差以外にも、合成加速度の2乗偏差平方根などをパラメータとして用いることができる。
また、上記実施形態では、本願で開示する生体情報処理システムとして、建設現場などで働く作業者を被評価者とした熱中症発症リスク管理システムを例示したが、上記例示したものには限られず、複数の被評価者の生体情報を取得することができ、取得された生体情報に基づいてそれぞれの被評価者の作業負担指数、体調評価指数、暑熱負荷指数、運動負荷指数、その他の各指数を評価する生体情報処理システムとして利用することができる。
例えば、運動選手のトレーニング時における体調管理や、高齢者施設での入所者の体調管理システムなど、被評価者や測定される生体情報、その評価目的が異なる幅広い内容での生体情報処理を行うシステムに利用できる。
本願で開示する生体情報処理方法、生体情報処理システムは、被評価者が装着する生体情報取得部が限定されないため、より大人数を被評価者とする生体情報の処理方法を実現でき、汎用性の高い生体情報処理システムを安価に構成でき、極めて有用である。
10 作業者(被評価者)
11a 生体センサ(第1の測定装置、生体情報取得部)
11b ワイヤレスタイプ脈拍計(第2の測定装置、生体情報取得部)
11c センシングユニット(第3の測定装置、生体情報取得部)
22 評価判定部(データ処理部)

Claims (6)

  1. 生体情報取得部で被評価者の生体情報を取得する工程と、
    取得された前記生体情報に基づいて当該被評価者の状態を表す指標を算出する工程とを備え、
    異なる2種類以上の前記生体情報取得部により取得された前記生体情報を、共通パラメータに変換して前記指標を算出することを特徴とする、生体情報処理方法。
  2. 前記指標が、前記被評価者が受けている負荷の影響度合いを示す作業負担指数、前記被評価者の体調の平常状態からの変化度合いを示す体調評価指数、および、前記被評価者が熱中症を発症するリスクの度合いを示す熱中症発症リスク指数のうちの少なくともいずれか一つである、請求項1に記載の生体情報処理方法。
  3. 前記生体情報が、心拍データ、加速度データ、および、METsのうちの少なくともいずれか一つである、請求項1または2に記載の生体情報処理方法。
  4. 前記心拍データに用いられる前記共通パラメータが中央心拍数である、請求項3に記載の生体情報処理方法。
  5. 前記加速度データ、または、前記METsに用いられる前記共通パラメータが加速度偏差である、請求項3または4に記載の生体情報処理方法。
  6. 被評価者の生体情報を取得する異なる2種類以上の生体情報取得部と、
    取得された前記生体情報に基づいて、当該被評価者の状態を表す指標を算出するデータ処理部とを備え、
    前記データ処理部は、前記生体情報取得部が取得した前記生体情報を共通パラメータに変換して前記指標を算出することを特徴とする、生体情報処理システム。
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