JP2016189807A - 脈波計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】大気圧が変動しても正確な圧脈波情報を測定できる脈波計測装置を提供する。【解決手段】脈波計測装置1は、圧脈波測定部10と脈波検証部50とを備え、脈波検証部50で得られた検証脈波情報と、圧脈波測定部10で得られた圧脈波情報とを同期し、所定のモデル圧脈波情報と類似する圧脈波情報のみを出力する。【選択図】図1

Description

本発明は、人体に装着して人体の脈波、特に動脈血管の圧力波を示す圧脈波を測定する脈波計測装置に関する。
現在、心機能のモニタリングとして、種々の手法が提案されている。たとえば、心筋の電位から心臓の動きを検知する心電計や、心臓が全身に血液を送り出す圧力を検知する血圧計、血管の容積変化を検知する容積脈波計、血液の流速を検知する血流速計等があげられる。このような装置の応用先は、循環器機能の診断を行う医療分野に限らない。一例をあげると、心機能モニタリングによる、運転手等の眠気や心機能異常の検知、スポーツトレーニング状況の管理、高齢者や病気予後の見守り(病状急変のモニタリング)等、幅広い用途への応用が見込まれている。
これらの心機能モニタリング手法のうち、実際に心臓が血液を駆出する能力を実測できるのは、圧脈波を検出する手法である。圧脈波とは動脈血管に伝わる圧力波であり、心臓が伸縮して血液を動脈に押し出す能力(圧力)と血管壁から反射する圧力とを示す。心臓が収縮する期間(心臓が血液を送り出す期間)に得られた圧脈波情報(圧脈波を測定した計測データ)を積分することで、心臓が押し出す血液量(駆出量)を知ることができる。
圧脈波を検知する手法としては、動脈にカテーテルを挿入して圧力を実測する手法と、人体の外側から動脈部分を押圧し、その時の動脈から人体表面へと伝わる圧力変化を検知する手法とがある。カテーテルを挿入する手法は、測定対象者の動きの制限や、侵襲手法であるために感染症の危険性という課題がある。このため、検査機関や病院内での医療診断用途に限定される。一方、押圧手法で圧脈波を正確に検知しつづけるには、人体の動作に対して、常に一定の押圧力で押し付ける機構が不可欠であった(特許文献1参照)。
特開2000−245702号公報
動脈から体表に伝達する圧力変化(圧脈波)を圧脈波情報として正確に検出するには、まず、高分解能の圧力センサを常に一定の押圧力で押し付けことが必須となる。押圧力が一定であるため、体内から伝わる圧力波を正確に検知できるものの、人体外側の圧力変化、つまり大気圧の変化が圧脈波に加算されて圧脈波情報として検出されることとなる。例えば、測定対象者が自動車運転手の場合、ドアや窓の開閉、対向車とのすれ違い、車外の天候(強風)等により車内の大気圧が大きく変化するため、この大気圧変化を加算した形で圧脈波情報を検知してしまう。このような大気圧変動時に得られた圧脈波情報は、正確な情報かどうかの判断が難しく、また、誤った圧脈波情報から誤判定を下してしまうという課題があった。
さらに、このような気圧変化は、大気圧の絶対値に対して非常に微小である。このため、測定対象者周囲に設置した一般的な絶対圧センサ等を用いて、大気圧の変動分を検知して圧脈波情報から除去するには精度不足で行うことができないという課題もあった。
そこで、本発明の目的は、測定者周囲に大気圧の変動があっても、正確な圧脈波情報を検出することができる脈波計測装置を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の第1の特徴は、動脈血管を伝わる圧力波である圧脈波を測定する脈波計測装置であって、外部と連通し底面が可撓性を有するキャビティを有し、前記キャビティの底面を前記皮膚に接触させた状態で、前記キャビティの内気圧と大気圧との差圧に関する信号を出力する差圧センサと、前記差圧センサの出力に基づいて、圧脈波情報を算出する演算処理部と、心筋電位、容積脈波、血流速のうち少なくともいずか一つに関する検証脈波情報を検出する脈波検証部と、前記圧脈波情報と前記検証脈波情報とが入力される波形同期処理部と、を備え、前記波形同期処理部は、前記検証脈波情報と前記圧脈波情報とを比較し、前記圧脈波情報を選択して出力することを特徴とする。
当該発明によると、大気圧変動があっても、大気圧変動分を除去した正確な圧脈波情報を検出することができる脈波計測装置を提供することができる。
また、本発明の第2の特徴は、前記波形同期処理部は、前記検証脈波情報と前記圧脈波情報との時間差を検出した後、前記検証脈波情報と前記圧脈波情報との同期処理を行うことを特徴とする。
当該発明によると、圧脈波情報と検証脈波情報との時刻同期が正確にできるため、大気圧変動があっても、大気圧変動分を除去した正確な圧脈波情報を検出することができる脈波計測装置を提供することができる。
また、本発明の第3の特徴は、前記波形同期処理部は、前記同期処理した前記圧脈波情報のうち、予め記録した正常波形と類似した前記圧脈波情報のみを選択して出力することを特徴とする。
当該発明によると、圧脈波情報から正常波形を判別できるため、正確な圧脈波情報を検出することができる。
また、本発明の第4の特徴は、前記波形同期処理部は、前記同期処理した前記圧脈波情報のうち、類似した波形が複数得られた場合に該類似波形を平均処理して得られた波形と類似した前記圧脈波情報のみを選択して出力することを特徴とする。
当該発明によると、圧脈波情報は個人差があるが、測定対象者に依存した圧脈波情報を平均処理から得られるため、正確な圧脈波情報を検出することができる。
また、本発明の第5の特徴は、前記波形同期処理部から出力された前記圧脈波情報に基づいて、心機能を判定することを特徴とする。
当該発明によると、正確な圧脈波情報から心機能を判定するため、より正確な心機能判定を行うことができる。
また、本発明の第6の特徴は、前記演算処理部は、前記皮膚が脈動した際に、前記差圧センサの出力信号に基づいて、前記キャビティの内気圧と大気圧との差圧を算出する差圧算出部と、前記差圧算出部により算出した差圧と大気圧に基づいて、前記キャビティの内気圧を算出するキャビティ内気圧算出部と、前記差圧算出部により算出した差圧に基づいて、外部と前記キャビティとの間を流通する空気の流通モル数を算出する空気流通モル数算出部と、前記空気流通モル数算出部により算出した流通モル数に基づいて、前記キャビティ内の空気モル数を算出する空気モル数算出部と、前記空気モル数算出部により算出した空気モル数と前記キャビティ内気圧算出部により算出したキャビティの内気圧に基づいて、前記キャビティ内の体積を算出する体積算出部と、前記体積算出部により算出したキャビティ内の体積に基づいて前記皮膚の時間変位を算出する変位算出部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の第7の特徴は、前記演算処理部は、前記差圧の大きさに応じた前記空気の流通モル数を予め記憶する流通モル数データベース部を有し、前記空気流通モル数算出部は、前記流通モル数データベース部より、前記差圧算出部により算出した前記差圧の大きさに応じた前記空気流通モル数を抽出することを特徴とする。
また本発明の第8の特徴は、前記流通モル数データベース部は、予め、前記キャビティの両端での圧力差と空気の流通量との関係性を数値計算で求め、当該関係性と前記差圧に基づいて、前記空気流通モル数を算出することで生成されたものであることを特徴とする。
また、本発明の第9の特徴は、前記空気の温度情報を取得する気温取得部を有し、前記空気モル数算出部は、前記温度情報と前記流通モル数に基づいて前記キャビティ内の空気モル数を算出することを特徴とする。
また、本発明の第10の特徴は、前記大気圧を取得する大気圧取得部を有することを特徴とする。
また、本発明の第11の特徴は、前記キャビティの側壁の歪みによる変位量を検出する歪み検出部を有し、前記体積算出部は、前記歪み検出部の検出する変位量を用いて前記キャビティ内の体積を算出することを特徴とする。
当該発明によると、体内の動脈血管から伝わる圧力波である圧脈波を皮膚の振動を経て、キャビティの内気圧に変換して正確な圧脈波情報を検出することができる。
したがって、本発明は、大気圧変動があっても、正確な圧脈波情報を検出することができる脈波計測装置を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る脈波計測装置1の概略構成を示す模式図である。 図1の圧脈波測定部10の概略構成を示す模式図である。 図1の圧脈波測定部10のブロック図である。 図1の脈波検証部50のブロック図である。 図2に示す差圧センサ5の断面図である。 本発明の第1の実施形態にかかる圧脈波測定部10の機能の流れを示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態にかかる「差圧と空気流入量の参照テーブル」である。 圧脈波計測装置1で得られた圧脈波情報と心電信号を示すグラフである。 圧脈波計測装置1で得られた安静時の圧脈波情報と心電信号を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態に係る脈波検証部250のブロック図である。 本発明の第3の実施形態にかかる脈波計測装置1の機能の流れを示すフローチャートである。 本発明の第4の実施形態にかかる脈波計測装置1の機能の流れを示すフローチャートである。 本発明の第5の実施形態にかかる脈波計測装置1の機能の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明に係る脈波計測装置の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
(全体構成)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る脈波計測装置1の構成を示す。本実施形態では脈波計測装置1は、手首に取り付けられた圧脈波測定部10と、胸部に取り付けられた脈波検証部50とからなる。
図2に圧脈波測定部10の構成を示す。圧脈波測定部10は腕時計に類似した形態からなり、装置本体3と、装置本体3の側面に固定されたバンド2と、により構成される。
バンド2は、例えば、環状の弾性材等により構成され、装置本体3をユーザの皮膚4に密着するように装着させる。
装置本体3は、その下部(皮膚4側)に差圧センサ5を持つ。差圧センサ5は、下部が皮膚4に密着し、上部は開口6を介して外気と連通している。当該差圧センサ5の構造については、後段で詳述する。また、装置本体3は、その内部に後述する種々の機能を持つ素子が搭載された制御基板7を持つ。
図3は圧脈波測定部10のブロック図を示す。圧脈波測定部10は、差圧センサ5の他に、制御基板7に相当する、制御部11と、電源12と、記憶部13と、演算処理部14と、通信部60、判定部70とを有する。
制御部11は、例えば、CPUやROM等を含んで構成され、装置本体3の全体の駆動を統括的に制御する。
電源12は、例えば、乾電池などの各種の1次電池やバッテリーなどの2次電池などの電力源であり、装置本体3に備わる各部に対して電力を供給する。
記憶部13は、例えば、各種の不揮発性メモリ等で構成され、制御部11にて実行される駆動プログラムや各種のデータ、後述する参照テーブルを記憶する。
演算処理部14は、差圧センサ5の出力に基づいて差圧を算出する差圧算出部15と、後述の差圧センサ5に備わるキャビティ内部の気圧を算出するキャビティ内気圧算出部16と、上記キャビティに流通する空気のモル数を算出する空気流通モル数算出部17と、上記キャビティ内の空気のモル数を算出する空気モル数算出部18と、上記キャビティの体積を算出する体積算出部19と、脈動による皮膚の変位を算出する変位算出部20と、を有する。なお、演算処理部14に備わる各部の機能については、後段の(変位算出フローについて)で詳述する。
通信部60は、圧脈波測定部10外部との間で情報を送受信する通信装置であり、例えば、特定小電力無線やBluetooth(登録商標)等で構成される。送受信は主に脈波検証部50との間で行うが、測定対象者が保持するスマートフォンとの送受信や、他の通信サービスを経由して外部のサーバー等に情報通信する構成も可能である。
判定部70は、例えば、CPUやROM等を含んで構成される。入力された複数の信号情報同士を比較し、最終的に測定対象者の正常な圧脈波情報の出力や心機能判定等の結果出力を行う。
図4に脈波検証部50の構成を示す。脈波検証部50は、測定対象者の胸部にベルト52で取り付けられた心電検知部51から構成されている。
心電検知部51はその内部に、心電センサ53、電源54、処理部55、記憶部56、通信部57を有する。
心電センサ53は、皮膚に密着させた電極の電位から、心筋電位を検知するものである。
電源54は、例えば、乾電池などの各種の1次電池やバッテリーなどの2次電池などの電力源であり、心電検知部51に備わる各部に対して電力を供給する。
処理部55は、例えば、CPUやROM等を含んで構成され、心電検知部51の全体の駆動を統括的に制御する。
記憶部56は、例えば、各種の不揮発性メモリ等で構成され、処理部55にて実行される駆動プログラムや各種のデータ等を記憶する。
通信部57は、心電検知部51と圧脈波測定部10との間で情報を送受信する通信装置であり、例えば、特定小電力無線やBluetooth(登録商標)等で構成される。
(差圧センサの構成)
次いで、差圧センサ5の構成について説明する。図5は差圧センサ5の断面図を示し、(a)は初期状態を表す時刻T0における断面を、(b)は時刻T0以降で皮膚の脈動が生じた時刻T1における断面を、それぞれ示す。差圧センサ5は、例えば、上下に亘って貫通する貫通穴を有する上面視ロ字状のフレームであるセンサフレーム31と、センサフレーム31の上面を基端として片持ち梁状に突出したカンチレバー32と、を有する。当該差圧センサ5は、ユーザの皮膚のうち脈動によって変位する皮膚部分33に密着させることによって、センサフレーム31(側壁)と皮膚部分33(可撓性を有する底面)とで構成された空間であるキャビティ34を形成する。
なお、図示を略したが、ユーザの皮膚と離間した状態でキャビティ34の下部は必ずしも解放されている必要は無く、皮膚部分33に密着する可撓性の薄い膜をセンサフレーム31の下面に固着しておいてもよい。
ここで、キャビティ34内部の体積、圧力、空気のモル数をそれぞれV、Pin、N、とし、時刻T0とT1における値であることを示すためにそれぞれ、V(0)、Pin(0)、N(0)、V(1)、Pin(1)、N(1)、とする。
(差圧センサの構造と動作)
次に、図5を用いて差圧センサ5の具体的構造を説明する。差圧センサ5はセンサフレーム31に囲まれた貫通穴を持ち、その上部側の口の大部分はカンチレバー32によって覆われる。カンチレバー32はたとえば300nm程度の極めて薄いSiから成る略長方形の板状梁であり、センサフレーム31に一端が固定される。カンチレバー32は一辺がたとえば100ミクロン程度のサイズであり、その上下の気圧にわずかでも差があればその差圧によって撓む。
カンチレバー32の固定端付近は上面近傍のみP(リン)などの不純物をドープすることでピエゾ抵抗として機能するので、顕著なピエゾ抵抗効果を発揮する。また、カンチレバー32の側面とセンサフレーム31の間は1ミクロン前後の微小なギャップとなっており、このギャップを介して外気とキャビティ34の間を空気が流通する。カンチレバー32は一端のみが固定されているため、全周囲を固定されるダイヤフラム型のセンサに比べ、わずかな力でも撓むことができ、高感度なセンサとして機能する。
ここで、図5(b)に示すように、時刻T1において皮膚部分33がその下部の動脈が脈動したことで下方へ変位したとする。すると、キャビティ内部の体積Vは増加し、気圧Pinは減少する。その結果、カンチレバー32は気圧Pinと外部の気圧との差圧により下部方向に撓む。すると、差圧センサ5は、カンチレバー32に作りこまれたピエゾ抵抗素子の電気抵抗値が変化するので、図示を略したブリッジ回路を介して、当該カンチレバー32の撓み量に対応した信号を出力する。
ここで、カンチレバー32の撓み量とキャビティ34内外の圧力差(差圧)の関係は、予め実測して「ピエゾ抵抗値と差圧の参照テーブル」として、記憶部13に記憶される。したがって、差圧算出部15は、差圧センサ5の出力信号と記憶部13の参照テーブルとにより差圧を算出できる。
さらに、キャビティ34内の圧力Pinが減少すると、外気からキャビティ34内へ空気が流入する。この際、当該空気の流入量をモル数で表した量をΔNとする。このように、皮膚部分33が変位すると、V、Pin、Nがすべて変化する。なお、差圧とΔNの関係は、圧脈波測定部10に流量計を組み込んだ実験や、カンチレバー32の変位と空気流出入の関係を連成解析した計算機シミュレーションによって予め取得しておき、「差圧と空気流入量の参照テーブル」として、記憶部13に記憶される。
(圧脈波情報算出フローについて)
次いで、本発明の第1の実施形態にかかる圧脈波測定部10による圧脈波情報算出の流れについて、図6に示す説明図(フローチャート)に沿って説明する。なお、大気圧が変化せず、一定の状態の場合について説明する。
まず、初期状態を表す時刻T0において、キャビティ34内の体積V(0)はセンサフレーム31の設計寸法から既知である。また、キャビティ34内の圧力Pin(0)は大気圧と同一である。そのため、空気モル数算出部18は、気体の状態方程式PV=NRKから、気温Kを用いればモル数N(0)=Pin(0)V(0)/RKが得られる(STEP1)。なお、気温Kや大気圧は、制御部11からの制御信号に基づき、脈波計測装置1と接続された又は脈波計測装置1内に備わる気温計(図示省略)や絶対圧測定用の圧力センサ(図示省略)により、演算処理部14(空気モル数算出部18)へ電気信号として伝送される。
次に、脈波計測装置1が変位の測定を開始した後、時刻T1において皮膚部分33が脈動によって変位してカンチレバー32が撓み、差圧センサ5よりピエゾ抵抗値に関する信号が演算処理部14に出力される(STEP2)。
次に、差圧算出部15は、記憶部13に記憶されている「ピエゾ抵抗値と差圧の参照テーブル」を参照して、ピエゾ抵抗値から差圧を算出する。また、キャビティ内気圧算出部16は、大気圧を一定と仮定し、大気圧から上記算出した差圧を減算してキャビティ34内の圧力Pin(1)を算出する(STEP3)。
次に、空気流通モル数算出部17は、記憶部13に記憶されている「差圧と空気流入量の参照テーブル」を参照して、STEP3にて算出した差圧から空気流入量ΔNを算出する(STEP4)。ここで、「差圧と空気流入量の参照テーブル」は、例えば図7に示すように、差圧ΔPの値(Pa)に応じた単位時間当たりの空気流入量Qの値(mol/sec)が、差圧ΔPの大きさに応じてテーブル化されたものである。
次に、空気モル数算出部18は、STEP4にて算出された空気流入量ΔNを時刻T0での空気モル数N(0)に加えることで、時刻T1におけるキャビティ34内部の空気モル数N(1)を算出する(STEP5)。
次に、体積算出部19は、STEP3にて算出したPin(1)とSTEP5にて算出したN(1)とを、再度気体の状態方程式に代入することで、キャビティ34内の体積V(1)を算出する(STEP6)。
次に、変位算出部20は、センサフレーム31自体は変形しないと仮定するとキャビティ34の断面積は変化しないので、体積の変化(V(1)―V(0))をキャビティ34の断面積で除算することで、皮膚部分33の変位を算出する(STEP7)。ここで得られた皮膚部分33の変位は、皮膚部分33近傍の動脈血管に伝わる圧力波に起因する。このため、皮膚部分33の変位を検知することで、圧脈波情報を検出することが可能となる。
そして、制御部11は、測定を継続するかどうかを判断して(STEP8)、継続すると判断した場合(STEP8;Y)、引き続き演算処理部14にステップ2以降の処理を繰り返し実行させ、継続しないと判断した場合(STEP8;N)、本処理を終了する。
なお、STEP4において、空気流通モル数算出部17は、上述の「差圧と空気流入量の参照テーブル」から空気流入量ΔNを算出する際に、単位時間当たりの空気流入量Qときざみ時間(T1−T0)を積算している。このきざみ時間は必要に応じて設定可能であり、短くすると計算量が多くなるが高精度な結果が得られ、長くすると精度は落ちるが短時間で計算できることから、状況に応じて最適な長さを設定する。
また、演算処理部14は、図6に示すフローチャートの処理手順に替えて、ピエゾ抵抗値の取得(STEP2)を先に所定時間のあいだ繰り返し実行し結果データを記憶部13に格納した後で、順次記憶部13からピエゾ抵抗値を読みだして上記STEP3以降の処理を行うようにしてもよい。また、演算処理部14は、ピエゾ抵抗値の取得(STEP2)を行った際に、取得したピエゾ抵抗値が所定値未満となる状態が所定時間継続していると判断した場合、その判断した時点を初期状態を表す時刻T0とし、STEP1以降の処理を実行することとしてもよい。
以上により、圧脈波測定部10は、動脈血管の皮膚部分33のわずかな変位をとらえることで、動脈血管の圧力波から圧脈波情報を検知することができる。具体的には、カンチレバー32の撓みから発生するピエゾ抵抗値として取得し、外気とキャビティ34の間の空気の流出入量を考慮に入れた気体の状態方程式を解くことによって、皮膚部分33の変位を算出することができ、この変位を圧脈波情報として利用することができる。また、圧脈波測定部10は、一端のみが固定されたカンチレバー32を利用することにより、わずかな差圧でも大きく撓む高感度検出が可能となり、カンチレバー32とセンサフレーム31の間を介して空気が流出入する影響を考慮に入れながら皮膚部分33の変位を高精度に算出することで、高感度で正確な圧脈波情報の検出が実現できる。
(大気圧変動時の圧脈波情報検知について)
上述の圧脈波情報算出フローは、大気圧が一定の場合、つまり大気圧の圧力変動がない場合を述べた。しかし、実際に本実施形態に係る脈波計測装置1を使用する場合、常に大気圧が変動しない状態とは限らない。圧脈波情報算出フローは、大気圧Poutとキャビティ内の気圧Pinとの差圧から最終的に圧脈波情報を求める演算処理である以上、大気圧Poutが変動した場合に圧脈波情報算出フローで得られる圧脈波情報は、大気圧Poutの変動が加算されることとなる。
その一例を図8(a)に示す。図8(a)は大気圧が変動した状態で算出した圧脈波情報である。期間Aにおいて、大気圧が変動したため、圧脈波情報が前後の波形と異なり、1回の脈波で二つのピークを持つ波形となっている。このような大気圧変動で変形した圧脈波情報に基づいて判断を行うと、例えば脈拍数の急上昇等の異常判定を下してしまうこととなる。
そこで、脈波検証部50から得られる検証脈波情報を用いて、大気圧Poutが変動している場合でも正確な圧脈波情報を検知する方法について、図8及び図9を用いて説明する。
まず、脈波計測装置1装着時に、静かな環境下かつ安静状態で、圧脈波測定部10により圧脈波情報を、脈波検証部50により検証脈波情報である心電情報を所定時間測定する(図9参照)。ここでは、1周期毎の波形が類似した圧脈波情報及び心電情報を複数周期測定することが望ましい。
次に、得られた心電情報を、脈波検証部50内の通信部57により圧脈波測定部10に送信する。受信した心電情報は、検出した圧脈波情報と同じく圧脈波測定部10内部に設けられた判定部70で処理される。まず、正常な圧脈波情報と心電情報を比較し、同期処理を行う。心電波形は心筋の収縮を表す電位であり、圧脈波情報は圧脈波測定部10まで伝達された圧力波の情報であるため、体内の動脈血管を伝達する時間差Cが発生する。この時間差Cの情報を求めるため、例えば、心電情報の極大値の時刻と、その時刻以降の最も近い時刻での圧脈波情報の極大値の時刻とを求め、各々の極大値の時刻の差を時間差Cとして求める。
次に、測定対象の状況下で心電情報と圧脈波情報とを取得する(図8参照)。得られた心電情報から、心拍の周期B1、B2、B3を求める。時間差Cと心拍周期B1、B2、B3を利用して、心電情報の心拍周期B1、B2、B3に対応する圧脈波情報の拍動周期b1、b2、b3を取り出す。圧脈波情報の拍動周期b1、b2、b3各々と、予め記憶蓄積しておいた正常な圧脈波情報とを比較して、正常な拍動周期の圧脈波情報のみを取り出す。ここでは、拍動周期b3のみを取り出し、正常な圧脈波情報として、判定部70から出力する。
さらに、周期b3の圧脈波情報を利用して、心機能評価を行うこともできる。例えば、拍動周期b3に基づいて脈拍数を算出する、周期b3の最初の時刻から痕までと極小値から周期b3の最後の時刻までを積分し、その積分値から心臓の血液駆出能力を判定する、または、圧脈波情報の極大値の高さと痕の高さの比を算出して動脈血管硬度の判定やストレス判定を行う等の処理を行うこともできる。
なお、ここでは、正常な圧脈波情報の判定に、既知のモデル波形情報を利用したが、複数の拍動周期の圧脈波情報を取得し、拍動周期毎に切り出した後、拍動周期毎に比較して、非常に類似もしくは一致する2つ以上の圧脈波情報の平均値を正常波形と判定してもよい。また時間差Cは一度ではなく、複数回の心拍周期と拍動周期とから極大値の時刻差を測定し、平均化して求めてもよい。圧脈波情報の極大値、極小値、痕の時刻情報は、測定状況によって判別が難しい場合があるため、圧脈波情報に対し、微分処理を行うことで、極大値の時刻情報を得ることもできる。
また、測定前の安静時の圧脈波情報もしくは心電情報において、周期毎のばらつきが大きい場合、対応する特定周期の一拍同士を同期させ、時間差Cを求める必要がでてくる。この場合、同期させる圧脈波情報と心電情報とが、どれだけの時間差があるかわからない以上、双方の情報から一周期毎を切り出し、類似した周期を有する圧脈波情報の一周期と心電情報の一周期とを求め、時間差Cを求める。
また、不整脈により、脈拍数が非常に大きい値や非常に小さい値となる場合、圧脈波情報と比較せず心機能異常と判断してもよい。さらに、心電情報の心拍一周期の間に、圧脈波情報において、複数のピークを有する場合や心拍周期に同期しない場合、平坦な圧脈波情報が得られる場合等は、圧脈波測定部10取り付け方法に異常があると判断して、測定対象者に再度取り付けし直しを要求してもよい。また、一定時間内に、心拍情報と圧脈波情報との同期ができない場合、異常判断して取り付け見直しや安静維持を測定対象者に要求してもよい。
圧脈波測定部10の取り付け、特に差圧センサ5の取り付けについては、皮膚と密着を要するため、わずかでも隙間があると圧力波が伝達されず、脈拍に同期した圧脈波情報が得られない。このため、取り付け見直しややり直しを測定対象者に要求する処理があるとよい。
さらに、意図して皮膚と密着させず、圧脈波情報を検知しない差圧センサを別途設け、この差圧センサの出力信号と圧脈波情報を検知する差圧センサ5との出力信号との差分信号を圧脈波情報として利用することもできる。隙間を設けた差圧センサは、脈拍ではなく、大気圧の変動を検知するため、圧脈波情報を検知する差圧センサ5の出力信号と差分をとることで、大気圧の変動分の出力信号を除去することができる。
また、心電情報も体動等で皮膚に密着した電極が動き、心筋の神経伝達による電位ではなく、体動によるノイズや筋電を心電波形と誤認識してしまうことがある。このため、脈波検証部50や圧脈波検証部10に加速度センサ等の慣性センサを設け、心電情報と圧脈波情報との同期時に、慣性センサの出力信号に基づいて安静判定を行ってもよい。安静判定が否である場合、再度、同期やり直しを行う処理にすることが望ましい。
圧脈波情報はとりわけ、大気圧の揺らぎに起因した極低周波数の変動が重畳しやすいため、脈拍の周波数より低い周波数のハイパスフィルタを経由して出力を取り出す方が望ましい。これにより、大気圧の揺らぎを除去すると同時にバイアスレベルが平坦になるため、極大値の判別等が容易に行うことが可能となる。
なお、ここでは圧脈波測定部10を手首に取り付ける構成を示したが、体表近傍に動脈がある箇所に設置してもよい。例えば、頸動脈のある首部、ひじの内側、ひざ裏、足の付け根、足の甲やくるぶしに取り付けても圧脈波情報を得ることが可能であり、測定対象者の動きを制限しない箇所に取り付けることが望ましい。
以上により、大気圧の変動があっても、正確な圧脈波情報を判定して検出することができる。さらに、正常な圧脈波情報のみから判断するため、正確な心機能の判定が可能となる。
(第2の実施形態)
次いで、本発明の第2実施形態に係る脈波計測装置1について、説明する。なお、前述の第1実施形態と同様の構成は同じ符号を付し、説明を省略する。
第1の実施形態に係る脈波計測装置1と異なる点は、脈波検証部50を心電センサではなく光電式脈波センサを用いて構成する点である。
本実施形態に係る脈波計測装置を構成する脈波検証部250の構造を図10に示す。脈波検証部250は、光電式脈波センサ253、電源54、処理部55、記憶部56、通信部57から構成される。
光電式脈波センサ253は光源と受光部とからなり、測定対象者に向けて光源から光を発し、その反射光もしくは透過光を受光部で受光する。反射光もしく透過光の光強度情報に基づいて、光照射された血管を流れる血液の容積変化を検知し、容積脈波を測定する装置である。光電式脈波センサ253は、主に指先や耳朶に装着されるのが一般的であるが、近年では腕時計の裏蓋側に配置し、手首でも脈拍数を検知することも可能になってきている。ここでの説明では、クリップ式のバネで指先233を挟んで本体51を固定する構成とする。
次に、脈波検証部250が取得する検証脈波情報について説明する。
光電式脈波センサ253は、照射した光の反射光もしくは透過光の強度で血管を流れる血液の容積変化を検知して出力する。血液の容積変化は、動脈の圧力波と非常に類似した変化であるため、光電式脈波センサ253の出力信号は圧脈波情報と類似した波形を有する。
次に、大気圧が変動した場合に、正常な圧脈波情報を求める手法について説明する。
上述の第一実施形態と同様、測定対象者の安静時における、脈波検証部250を用いて検証脈波情報である容積脈波情報を、圧脈波測定部10を用いて圧脈波情報を取得する。次いで、容積脈波情報及び圧脈波情報の極大値もしくは極小値を利用して、それぞれの脈波情報を脈拍周期毎に切り出し、時間差を求める。そして、測定対象状況における圧脈波情報及び容積脈波情報を脈拍周期毎に切り出し、上述同様、正常な圧脈波情報のみを取り出す。その後、所定の脈拍数検知や心機能判定等の処理を行う。
また、検証脈波情報として、容積脈波情報をそのまま利用するのではなく、二階微分した加速度脈波情報を用いることもできる。加速度脈波情報は容積脈波情報と比較して急峻な極大値が得られやすく、この極大値と極大値の間を心拍周期として判別しやすいため、こちらを利用してもよい。
なお、脈波検証部50に光電式脈波センサ253ではなく、血流速センサを用いてもよい。血管を流れる血液の流速は、一般的に超音波やレーザーを照射し、反射波のドップラー現象を利用して検知する。このため、検証脈波情報として、血流速情報を測定して利用することも可能である。
以上により、大気圧の変動があっても、正確な圧脈波情報を判定して検出することができる。さらに、検証脈波情報を光学式に得られるため、皮膚に金属を接する必要がなく、金属アレルギーのある測定対象者でも利用することが可能となる。
(第3の実施形態)
次いで、本発明の第3の実施形態に係る圧脈波測定部10の処理の流れについて、図11を用いて説明する。
図11は、本発明の第3の実施形態にかかる圧脈波測定部10による皮膚部分33の変位算出処理を説明するためのフローチャートである。なお、第1実施形態と同一の処理については同一の名称を付けて説明を省略する。ここで、圧脈波測定部10による変位算出処理が第1実施形態における変位算出処理と相違するのは、気温が時間変動する場合であっても正確に圧脈波情報を測定できる点である。
まず、演算処理部14は、脈波測定部10と接続された、又は装置本体3内に備わる温度センサなどによって空気の気温K(0)を取得する(STEP11)。なお、初期状態においてはキャビティ34の体積V(0)はセンサフレーム31の設計で決まっていることと、キャビティ34内の圧力Pin(0)は大気圧と同一であるということは、第1実施形態と同一である。そのため、空気モル数算出部18は、これらV(0)、Pin(0)、K(0)を気体の状態方程式に代入してモル数N(0)を算出する(STEP12)。
この後、ピエゾ抵抗値取得(STEP13)からモル数更新(STEP16)までのステップは第1実施形態における変位算出処理と同一である。
次いで、演算処理部14は、時刻T(1)における気温K(1)を取得して(STEP17)。そして、体積算出部19は、そのK(1)を使って気体の状態方程式から体積V(1)を算出する(STEP18)。その後の処理は第1実施形態と同一である。
本実施形態に係る脈波測定部10においては、測定中に気温が変動した場合でもそれを継続的に測定して温度を考慮に入れて処理を行うことにより、常に正確で高感度な圧脈波情報の測定が可能になる。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る圧脈波測定部10について、図12を用いて説明する。
図12は、本発明の第4の実施形態にかかる圧脈波測定部10による皮膚部分4の変位算出処理を説明するためのフローチャートである。なお、第1実施形態と同一の処理については同一の名称を付けて説明を省略する。ここで、圧脈波測定部10による変位算出処理が第1実施形態における変位算出処理との相違するのは、大気圧が非常に大きく変動する場合であっても正確に脈波を測定できる点である。
まず、演算処理部14は、圧脈波測定部10と接続された、又は装置本体3内に備わる絶対圧を測定可能な圧力センサや、差圧センサ5とほぼ同体積V(0)のキャビティを有する差圧センサ(図示省略)などを別途設置して、大気圧を取得する(STEP21)。
そして、空気モル数算出部18は、初期状態においてキャビティ34内の圧力Pin(0)は大気圧と同一であるので、STEP21にて測定した大気圧をPin(0)として、モル数N(0)を算出する(STEP22)。
次いで、演算処理部14は、差圧センサ5よりピエゾ抵抗値を取得し(STEP23)、圧力センサや差圧センサにより時刻T(1)における大気圧を取得する(STEP24)。
そして、演算処理部14は、STEP24にて取得した大気圧と、STEP23にて取得したピエゾ抵抗値に基づいて算出される差圧から、キャビティ34内の圧力を更新してPin(1)とする(STEP25)。その後の処理は第1実施形態と同一である。
本実施形態に係る圧脈波測定部10おいては、測定中に大気圧が非常に大きく変動した場合でもそれを継続的に測定して大気圧の変動を考慮に入れて処理を行うことにより、常に正確で高感度な圧脈波測定が可能になる。
(第5の実施形態)
次いで、本発明の第5の実施形態に係る圧脈波測定部10について、図13を用いて説明する。
図13は、本発明の第5の実施形態にかかる圧脈波測定部10による皮膚部分4の変位算出処理を説明するためのフローチャートである。ここで、圧脈波測定部10による変位算出処理が第1実施形態と同一の処理については同一の名称を付けて説明を省略する。ここで、圧脈波測定部10による変位算出処理が第1実施形態における変位算出処理と相違するのは、キャビティ34の側壁が時間変位する場合であっても正確に脈波を測定できる点である。
まず、演算処理部14は、圧脈波測定部10内に備わる歪センサ(図示省略)などによって、キャビティ34側壁(センサフレーム31の内周面)の変位情報を取得する(STEP31)。
そして、空気モル数算出部18は、この変位情報と、センサフレーム31の設計の両方を用いてキャビティ34の体積V(0)を算出し、それと大気圧とに基づいてキャビティ内のモル数N(0)を求める(STEP32)。その後の処理は、ピエゾ抵抗値取得(STEP33)から体積更新(STEP37)までは第1実施形態と同一である。
次いで、演算処理部14は、歪センサにより時刻T(1)における変位情報を取得し(STEP38)、最新のキャビティ断面積を用いて皮膚表面の変位量を算出する(STEP39)。その後の処理は第1実施形態と同一である。
本実施形態においては、測定中にキャビティ34側壁が変動した場合でもそれを継続的に測定して処理を行うことにより、常に正確で高感度な圧脈波情報の測定が可能になる。
なお、第3の実施形態、第4の実施形態、第5の実施形態ではそれぞれ温度、大気圧、キャビティ34側壁、が変動する場合について説明したが、これらが同時に変動する場合も同様の扱いで対応可能である。
1 脈波計測装置1
2 バンド
3 装置本体
4 皮膚
5 差圧センサ
6 開口
7 制御基板
10 圧脈波測定部
11 制御部
12 電源
13 記憶部
14 演算処理部
15 差圧算出部
16 キャビティ内気圧算出部
17 空気流通モル数算出部
18 空気モル数算出部
19 体積算出部
20 変位算出部
31 センサフレーム
32 カンチレバー
33 皮膚部分
34 キャビティ
50 脈波検証部
51 心電検知部
52 ベルト
53 電センサ
54 電源
55 処理部
56 記憶部
57 通信部
60 通信部
70 判定部
233 指先
V キャビティ34内部の体積
P キャビティ34内部の圧力
N キャビティ34内部の空気モル数
STEP1〜8 本発明の第1の実施形態に係る脈波の測定方法の各段階
STEP11〜20 本発明の第3の実施形態に係る脈波の測定方法の各段階
STEP21〜30 本発明の第4の実施形態に係る脈波の測定方法の各段階
STEP31〜40 本発明の第5の実施形態に係る脈波の測定方法の各段階

Claims (11)

  1. 動脈血管を伝わる圧力波である圧脈波を測定する脈波計測装置であって、
    外部と連通し底面が可撓性を有するキャビティを有し、前記キャビティの底面を前記皮膚に接触させた状態で、前記キャビティの内気圧と大気圧との差圧に関する信号を出力する差圧センサと、
    前記差圧センサの出力に基づいて、圧脈波情報を算出する演算処理部と、
    心筋電位、容積脈波、血流速のうち少なくともいずか一つに関する検証脈波情報を検出する脈波検証部と、
    前記圧脈波情報と前記検証脈波情報とが入力される波形同期処理部と、
    を備え、
    前記波形同期処理部は、
    前記検証脈波情報と前記圧脈波情報とを比較し、前記圧脈波情報を選択して出力することを特徴とする脈波計測装置。
  2. 前記波形同期処理部は、前記検証脈波情報と前記圧脈波情報との時間差を検出した後、前記検証脈波情報と前記圧脈波情報との同期処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の脈波計測装置。
  3. 前記波形同期処理部は、前記同期処理した前記圧脈波情報のうち、予め記録した正常波形と類似した前記圧脈波情報のみを選択して出力することを特徴とする請求項2に記載の脈波計測装置。
  4. 前記波形同期処理部は、前記同期処理した前記圧脈波情報のうち、類似した波形が複数得られた場合に該類似波形を平均処理して得られた波形と類似した前記圧脈波情報のみを選択して出力することを特徴とする請求項2に記載の脈波計測装置。
  5. 前記波形同期処理部から出力された前記圧脈波情報に基づいて、心機能を判定することを特徴とする請求項1から4いずれかに記載の脈波計測装置。
  6. 前記演算処理部は、
    前記皮膚が脈動した際に、前記差圧センサの出力信号に基づいて、前記キャビティの内気圧と大気圧との差圧を算出する差圧算出部と、
    前記差圧算出部により算出した差圧と大気圧に基づいて、前記キャビティの内気圧を算出するキャビティ内気圧算出部と、
    前記差圧算出部により算出した差圧に基づいて、外部と前記キャビティとの間を流通する空気の流通モル数を算出する空気流通モル数算出部と、
    前記空気流通モル数算出部により算出した流通モル数に基づいて、前記キャビティ内の空気モル数を算出する空気モル数算出部と、
    前記空気モル数算出部により算出した空気モル数と前記キャビティ内気圧算出部により算出したキャビティの内気圧に基づいて、前記キャビティ内の体積を算出する体積算出部と、
    前記体積算出部により算出したキャビティ内の体積に基づいて前記皮膚の時間変位を算出する変位算出部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の脈波計測装置。
  7. 前記演算処理部は、前記差圧の大きさに応じた前記空気の流通モル数を予め記憶する流通モル数データベース部を有し、
    前記空気流通モル数算出部は、前記流通モル数データベース部より、前記差圧算出部により算出した前記差圧の大きさに応じた前記空気流通モル数を抽出することを特徴とする請求項6に記載の脈波計測装置。
  8. 前記流通モル数データベース部は、予め、前記キャビティの両端での圧力差と空気の流通量との関係性を数値計算で求め、当該関係性と前記差圧に基づいて、前記空気流通モル数を算出することで生成されたものであることを特徴とする請求項7に記載の脈波計測装置。
  9. 前記空気の温度情報を取得する気温取得部を有し、
    前記空気モル数算出部は、前記温度情報と前記流通モル数に基づいて前記キャビティ内の空気モル数を算出することを特徴とする請求項6〜8の何れか一項に記載の脈波計測装置。
  10. 前記大気圧を取得する大気圧取得部を有することを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の脈波計測装置。
  11. 前記キャビティの側壁の歪みによる変位量を検出する歪み検出部を有し、
    前記体積算出部は、前記歪み検出部の検出する変位量を用いて前記キャビティ内の体積を算出することを特徴とする請求項6〜10の何れか一項に記載の脈波計測装置。
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