[第1の実施形態]
以下、本発明をパチンコ遊技機に具体化した第1の実施形態について図1〜図7を参照して説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示手段、演出実行手段としての演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11には、複数の図柄列(本実施形態では3列)を変動表示させて行う図柄変動ゲーム(以下、「変動ゲーム」と示す)を含み、該変動ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される。なお、演出表示装置11の変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄、以下、「飾図」と示す)を用いて行われる。
また、演出表示装置11の右下には、7セグメント型の特別図柄表示装置12が配設されている。特別図柄表示装置12では、特別図柄(以下、「特図」と示す)を変動させて表示する変動ゲームが行われる。特図は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。本実施形態において、変動ゲームは、特別図柄表示装置12において、特図の変動表示が開始されてから確定停止表示される迄を1回として実行される。
本実施形態において特別図柄表示装置12には、複数種類(本実施形態では、101種類)の特図の中から、大当り抽選の抽選結果に対応する1つの特図が選択され、その選択された特図が変動ゲームの終了によって個別に確定停止表示される。101種類の特図は、大当りを認識し得る図柄となる100種類の大当り図柄(大当り表示結果)と、はずれを認識し得る図柄となる1種類のはずれ図柄(はずれ表示結果)とに分類される。また、大当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。
また、本実施形態において演出表示装置11には、複数の図柄列毎に[1]〜[7]の7種類の数字が飾図として表示されるようになっている。そして、本実施形態において演出表示装置11は、特別図柄表示装置12に比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾図は特図に比較して遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、演出表示装置11に確定停止表示された図柄から大当り又ははずれを認識し得る。
そして、演出表示装置11には、特別図柄表示装置12の表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特別図柄表示装置12に大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。本実施形態において、飾図による大当り図柄としては、全列の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせである(例えば、[222][777]など)。
また、特別図柄表示装置12にはずれ図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。本実施形態において、飾図によるはずれ図柄としては、全列の図柄が異なる図柄となる図柄組み合わせ(例えば、[135][246]など)、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる図柄となる図柄組み合わせである(例えば、[151][767]など)。
また、演出表示装置11では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に図柄の変動表示が停止するようになっており、特定の2列(本実施形態では左右の2列)に同一の図柄が一旦停止表示された場合、リーチ状態が形成される。ここで、一旦停止表示とは、画像表示部GHにおいてゆれ変動状態で表示されている状態であり、画像表示部GHにおいて図柄が確定停止している確定停止表示とは区別される。本実施形態では、複数の図柄列のうち左列が第1停止列、右列が第2停止列(直前停止列)、中列が第3停止列(最終停止列)となり、左列及び右列がリーチ状態を形成するリーチ形成列となる。
特別図柄表示装置12の下方には、複数個(本実施形態では2個)の特図保留発光部を備えた特別図柄保留表示装置13が配設されている。特別図柄保留表示装置13は、機内部で記憶した変動ゲームにおける特図用の始動保留球の記憶数を遊技者に報知する。なお、以下、変動ゲームにおける特図用の始動保留球の記憶数を「保留記憶数」と示す。保留記憶数は、遊技盤10に配設した始動入賞口14に遊技球が入賞することで「1」加算される一方で、変動ゲームの開始により「1」減算される。したがって、変動ゲーム中に始動入賞口14へ遊技球が入賞すると、保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では「4」)まで累積される。
また、特別図柄保留表示装置13の下方には、普通図柄表示装置20が配設されている。普通図柄表示装置20では、複数種類の普通図柄を変動させて表示する普通図柄変動ゲームが行われる。普通図柄は、普通当りか否かの内部抽選(普通当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。なお、以下、普通図柄を「普図」と示し、普通図柄ゲームを「普図ゲーム」と示す。また、この普図ゲームにおいても変動ゲームと同じように、遊技盤10に配設した作動ゲート19に遊技球が通過(入球)することで普図用の始動保留球(普図始動保留球)が記憶される。この普図始動保留球の記憶数(普図保留記憶数)は、作動ゲート19への遊技球の通過により、所定の上限数(本実施形態では「4」)を上限として「1」加算される一方で、普図ゲームの開始により「1」減算される。なお、本実施形態において、変動ゲームと普図ゲームとは同時に実行可能である。
演出表示装置11の下方には、遊技球の入賞口14aを有する始動入賞口14が配設されている。始動入賞口14の奥方には入賞した遊技球を検知する始動口スイッチSW1(図3に示す)が配設されている。始動入賞口14は、入賞した遊技球を始動口スイッチSW1で検知することにより、変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
また、始動入賞口14は普通電動役物とされ、普通電動役物ソレノイドSOL1(図3に示す)の作動により開閉動作を行う開閉手段としての開閉羽根16を備えている。始動入賞口14は、開閉羽根16の開動作により入口が拡大されて遊技球が入賞(入球)し易い開状態(第1状態)とされる一方で、開閉羽根16の閉動作により入口が拡大されずに遊技球が入賞し難い閉状態(第2状態)とされる。
また、演出表示装置11の左方には、作動ゲート19が配設されている。作動ゲート19の奥方には、通過した遊技球を検知するゲートスイッチSW4(図3に示す)が配設されている。作動ゲート19は、通過した遊技球をゲートスイッチSW4で検知することにより、普図ゲームの始動条件を付与し得る。普図ゲームは、始動入賞口14の開閉羽根16を開状態とするか否か(始動入賞口14に遊技球を入賞可能とするか)の抽選結果を導出するために行われる演出である。即ち、普通当り抽選に当選すると、開閉羽根16の開放によって始動入賞口14に遊技球を入賞させ易くなり、遊技者は、変動ゲームの始動条件と賞球を容易に獲得できる機会を得ることができる。
また、始動入賞口14の下方には、大入賞口ソレノイドSOL2(図3に示す)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉17を備えた大入賞口18が配設されている。大入賞口18の奥方には、入賞した遊技球を検知するカウントスイッチSW3(図3に示す)が配設されている。大入賞口18は、入賞した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(例えば、9個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口18は、大当り遊技中に大入賞口扉17の開動作によって開放されることで遊技球の入賞が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。
この大当り遊技は、大当り抽選で大当りに当選し、特別図柄表示装置12の変動ゲームで大当り図柄が確定停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出の終了後には、大入賞口18が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口18の開閉が所定回数行われる迄であり、1回のラウンド遊技中に大入賞口18に、規定個数(入賞上限個数)の遊技球が入賞する迄の間、又は規定時間(ラウンド遊技時間)が経過するまでの間、開放される。ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、規定ラウンド数のラウンド遊技が終了すると、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り遊技の終了後に、遊技者に有利な確変状態が付与される場合がある。確変状態は、確定停止表示された大当り図柄(特図)の種類が予め定めた確変図柄であることを条件として付与される。この確変状態では、大当り遊技終了後に大当り抽選の抽選確率(当選確率)が低確率(本実施形態では、3/935)から高確率(本実施形態では、30/935)に変動する。本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。
また、確変状態は、確変大当りとなった場合、大当り遊技終了後、次回の大当りが生起されるまでの間、付与される。このように、確変状態は、大当り抽選の抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、遊技者にとって有利であり、遊技者は、確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
また、大当り遊技の終了後には、変動短縮状態(以下、「変短状態」と示す)が付与される場合がある。この変短状態では、変短状態が付与されていないとき(非変短状態)と比べて、はずれ表示結果が確定停止表示される変動ゲームの変動時間が短縮される場合がある。また、変短状態では、開閉羽根16を開動作させるか否かの抽選結果を導出する普図ゲームの変動時間が、非変短状態と比べて短縮される。また、変短状態では、普図ゲームの普通当り抽選の抽選確率(当選確率)が低確率(通常状態、本実施形態では、10/251)から高確率(本実施形態では、250/251)に変動する。また、変短状態では、普通当り抽選に当選した際、変短状態が付与されていない場合とは異なる動作パターンで開閉羽根16が開閉動作するようになっている。なお、本実施形態において、変短状態が付与されていないとき(非変短状態時)に普通当り抽選に当選する場合には、開閉羽根16が1回開放し、開放してから300ms経過するまで開放状態を維持するようになっている。その一方で、変短状態時に普通当り抽選に当選する場合には、開閉羽根16が3回開放するとともに、1回の開放において開放してから1800msが経過するまで開放状態を維持するようになっている。つまり、開閉羽根16は、変短状態時には、非変短状態と比較して、1回の普通当りに対応する合計開放時間が長く、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。
なお、普通当りとなった場合に開閉羽根16が開放されるが、閉鎖する前であっても、入賞上限個数(例えば、10球)の遊技球が入賞したときには、開閉羽根16は閉鎖するようになっている。同様に、所定回数開放していなくても、入賞上限個数の遊技球が入賞したときには、開閉羽根16は閉鎖するようになっている。また、変短状態は、大当り遊技の種類に応じて、予め定めた回数(本実施形態では、40回)の変動ゲームが行われるまでの間又は、次回の大当り遊技が付与されるまでの間、付与される。
また、パチンコ遊技機の遊技盤10の下方には、遊技者により操作可能な演出ボタン70が配設されている。演出用操作手段としての演出ボタン70は、押しボタン式であり、操作されると、演出ボタン70に接続されている統括制御基板31(図3に示す)に操作信号が出力される。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機に規定する大当り遊技について図2を参照して以下に説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り抽選に当選した場合、図2に示す3種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与されるようになっている。そして、3種類の大当り遊技のうち、何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り抽選に当選した場合に決定する特図(大当り図柄)に応じて決定されるようになっている。本実施形態において特別図柄表示装置12に確定停止表示される100種類の特図の大当り図柄は、図2に示すように、特図毎に分類される。
そして、図柄Aには特別図柄表示装置12に確定停止表示される大当り図柄のうち50種類の大当り図柄が振り分けられている。同様に、図柄Bには特別図柄表示装置12に確定停止表示される大当り図柄のうち30種類の大当り図柄が振り分けられている。図柄Cには特別図柄表示装置12に確定停止表示される大当り図柄のうち20種類の大当り図柄が振り分けられている。
大当り図柄が特別図柄表示装置12に確定停止表示されたときに付与される大当り遊技は、9ラウンド大当り遊技であり、規定ラウンド数が「9回」に設定される。この大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入賞上限個数が「9球」に設定されている。また、大当り遊技では、オープニング時間として「10(秒)」が、エンディング時間として「13(秒)」がそれぞれ設定されている。大当り遊技では、各ラウンド遊技における大入賞口18の開放回数として「1回」が、各ラウンド遊技時間として「25(秒)」がそれぞれ設定されている。なお、図2には図示しないが、大当り遊技における各ラウンド間のインターバル時間(ラウンド間インターバル)は、「2.0(秒)」にそれぞれ設定されている。
なお、図柄Aに分類される大当り図柄が特別図柄表示装置12に確定停止表示されたときに付与される大当り遊技を、「9R特別確変大当り遊技」と示す。また、図柄Bに分類される大当り図柄が特別図柄表示装置12に確定停止表示されたときに付与される大当り遊技を、「9R通常確変大当り遊技」と示す。また、図柄Cに分類される大当り図柄が特別図柄表示装置12に確定停止表示されたときに付与される大当り遊技を、「9R非確変大当り遊技」と示す。
また、9R特別確変大当り遊技、9R通常確変大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技の終了後に確変状態が付与されるようになっている。その一方で、9R非確変大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技の終了後に確変状態が付与されないようになっている。
また、9R特別確変大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技の終了後に、次回の大当り遊技が付与されるまで(「次回まで」と示す)変短状態が付与されるようになっている。その一方で、9R通常確変大当り遊技、9R非確変大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技の終了後に40回の変動ゲームが終了するまでを上限回数として変短状態が付与されるようになっている。
このように、本実施形態では、9R通常確変大当り遊技、又は9R非確変大当り遊技が決定された場合、同じ上限回数(40回)で変短状態が付与される。よって、変短状態の上限回数から、9R通常確変大当り遊技、及び9R非確変大当り遊技の何れが付与されたかを特定することができないようになっており、予め定められた回数の変動ゲームで変短状態が終了したときには、該変短状態の終了からは確変状態が付与されているか否かが特定できないようになっている。
その一方で、9R特別確変大当り遊技が決定された場合、予め定められた回数(40回)ではなく、次回の大当り遊技が付与されるまでの間、変短状態が付与される。よって、変短状態の上限回数から、予め定められた回数の変動ゲームが終了するまでは、9R特別確変大当り遊技、9R通常確変大当り遊技、又は9R非確変大当り遊技の何れが付与されたかを特定することができないようになっている。また、変短状態の上限回数から、予め定められた回数の変動ゲームが終了しても変短状態が継続されることではじめて、9R特別確変大当り遊技が付与されたことを特定することができるようになっており、該変短状態の終了から確変状態が付与されていることが特定できるようになっている。
次に、パチンコ遊技機の制御構成について図3を参照して説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機の機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30が配設されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、統括制御基板31と、表示制御基板32と、が配設されている。統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、表示制御基板32を制御する。表示制御基板32は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、演出表示装置11の表示態様(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの表示画像など)を制御する。
ここで、主制御基板30、統括制御基板31及び表示制御基板32の具体的構成について以下に説明する。
まず、主制御基板30について図3を参照して以下に説明する。
主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aのメイン制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1,SW3,SW4が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、特別図柄表示装置12、特別図柄保留表示装置13、普通図柄表示装置20、普通電動役物ソレノイドSOL1、及び大入賞口ソレノイドSOL2が接続されている。
また、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数、特図振分乱数、及びリーチ判定用乱数の値などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。当り判定用乱数は、大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。特図振分乱数は、大当り図柄となる特図の決定で用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選で大当りに当選しなかった場合、すなわちはずれの場合にリーチを形成するか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。例えば、主制御用RAM30cには、普図ゲームにおいて普通当りとなるか否かを判定する場合に用いる普通当り判定用乱数が記憶されている。
主制御用ROM30bには、メイン制御プログラム、各種の判定値(大当り判定値、及びリーチ判定値など)が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る数値(0〜952までの全953通りの整数)の中から定められている。本実施形態では、非確変状態では大当り判定値として3個の値が設定されており、大当り抽選で当選する確率は953分の3となり、その一方で、確変状態では大当り判定値として30個の値が設定されており、大当り抽選で当選する確率は953分の30となる。また、リーチ判定値は、はずれを決定する場合にリーチを形成するか否かの内部抽選(リーチ判定)で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜240までの全241通りの整数)の中から定められている。
また、主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、変動ゲームが開始してから変動ゲームが終了するまでの間の演出(遊技演出)のベースとなるパターンであって、変動ゲームの変動内容(演出内容)及び変動時間(演出時間)を特定し得る。本実施形態において、複数種類の変動パターンは、大当り変動用の変動パターン、はずれリーチ変動用の変動パターン、及びはずれ変動用の変動パターンに分類できる。大当り変動は、大当り遊技が付与されると決定された場合に行われる変動であり、演出表示装置11では、リーチ演出を経て、変動ゲームが最終的に大当り図柄を確定停止表示させるように展開される演出が実行される。はずれリーチ変動は、大当り遊技が付与されないと決定された場合に行われる変動であり、演出表示装置11では、リーチ演出を経て、変動ゲームが最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出が実行される。はずれ変動は、大当り遊技が付与されないと決定された場合に行われる変動であり、演出表示装置11では、リーチ演出を経ないで、変動ゲームが最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出が実行される。
なお、本実施形態では、9R特別確変大当り遊技、9R通常確変大当り遊技、又は9R非確変大当り遊技が決定された場合に同じ大当り変動用の変動パターンを決定する。よって、変動ゲームの演出内容から、9R特別確変大当り遊技、9R通常確変大当り遊技、及び9R非確変大当り遊技の何れが付与されたかを特定することができないようになっている。
次に、統括制御基板31について図3を参照して以下に説明する。
統括制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する統括制御用CPU31aと、統括制御用CPU31aの統括制御プログラムを格納する統括制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM31cが設けられている。統括制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。また、統括制御用CPU31aには、表示制御基板32が接続されている。統括制御用CPU31aは、各種制御コマンドを入力すると、統括制御プログラムに基づいて各種制御を実行する。
また、統括制御用CPU31aには、演出ボタン70が接続されており、演出ボタン70から操作信号を入力することができるようになっている。すなわち、統括制御用CPU31aは、演出ボタン70が操作されたことを検知することができる。
次に、表示制御基板32について図3を参照して以下に説明する。
表示制御基板32には、表示制御動作を所定の手順で実行する表示制御用CPU32aと、表示制御用CPU32aの表示制御プログラムを格納する表示制御用ROM32bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる表示制御用RAM32cが設けられている。表示制御用ROM32bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。表示制御用RAM32cには、パチンコ遊技機の表示動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。また、表示制御用CPU32aには、演出表示装置11が接続されている。表示制御用CPU32aは、各種制御コマンドを入力すると、表示制御プログラムに基づいて各種制御を実行する。
次に、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づいて実行する特別図柄入力処理、特別図柄開始処理などの各種処理について以下に説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(本実施形態では、4ms)毎に各種処理を実行する。なお、本実施形態では、以下に説明する各種処理を実行する主制御用CPU30aが当り判定手段として機能する。
まず、特別図柄入力処理について以下に説明する。
最初に、主制御用CPU30aは、始動口スイッチSW1から検知信号を入力しているか否かに基づいて、始動入賞口14に遊技球が入賞したか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が上限数の「4」未満であるか否かを判定する。保留記憶数が「4」未満である場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数を「1」加算する。保留記憶数を更新(「1」加算)した主制御用CPU30aは、更新後(加算後)の保留記憶数を表示するように特別図柄保留表示装置13の表示内容を制御する。次に、主制御用CPU30aは、各種乱数の値(本実施形態では当り判定用乱数の値など)を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を保留記憶数に対応する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
次に、特別図柄開始処理について以下に説明する。
最初に、主制御用CPU30aは、変動ゲームの実行中、又は大当り遊技中か否かの実行条件を判定する。この判定結果が肯定(変動ゲーム中、又は大当り遊技中である)の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
その一方で、この判定結果が否定(変動ゲーム中ではなく、かつ大当り遊技中ではない)の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する保留判定処理を実行する。保留記憶数が「1」以上の場合、保留記憶数を「1」減算し、更新後(減算後)の保留記憶数を表示するように特別図柄保留表示装置13の表示内容を制御する。そして、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている当り判定用乱数の値を読み出す。
続いて、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられた当り判定用乱数の値と大当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの大当り判定をする。なお、本実施形態において、主制御用CPU30aは、変動ゲームの大当り確率を、非確変状態では低確率(本実施形態では、3/935)で、確変状態では高確率(本実施形態では、30/935)で大当り判定を行うこととなる。
この大当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、大当りとなる変動ゲームであることを示す大当りフラグに「1」を設定し、大当り変動となる変動ゲームを実行させるための大当り変動処理を実行する。大当り変動処理において主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられた特図振分乱数の値を主制御用RAM30cから読み出し、該特図振分乱数の値に基づいて、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特図(最終停止図柄)として大当り図柄を決定する。続いて、主制御用CPU30aは、大当り変動用の変動パターンの中から何れかを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
その一方で、上記大当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数の値が大当りとなる値ではないことからはずれを特定する。このため、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられたリーチ判定用乱数の値を読み出すとともに、リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値を比較し、両値が一致するか否かのリーチ判定を行う。なお、リーチ判定値として、確変状態や変短状態が付与されているか否か、減算後の保留記憶数によって異なる値が定められており、リーチ演出を実行させるか否かを決定する確率が異なる場合がある。
このリーチ判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ判定に当選したことから、はずれリーチ変動となる変動ゲームを実行させるためのリーチ変動処理を実行する。リーチ変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特図としてはずれ図柄を決定するとともに、はずれリーチ変動用の変動パターンの中から何れかを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
その一方で、リーチ判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ判定に当選しなかったことから、作動フラグから値を読み出し、該値に基づいて、はずれ変動となる変動ゲームを実行させるためのはずれ変動処理を実行する。はずれ変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特図としてはずれ図柄を決定する。続いて、主制御用CPU30aは、はずれ変動用の変動パターンの中から何れかを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
その後、特別図柄開始処理とは別の処理において、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理において決定した決定事項にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで統括制御基板31(統括制御用CPU31a)に出力する。具体的に、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU30aは、特図を指定する特図用の特図指定コマンドを変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。また、主制御用CPU30aは、特図の確定停止表示に際して全図柄停止コマンドを統括制御基板31に出力する。
このように、主制御用CPU30aは、大当りを決定した場合、決定した変動パターンに基づく変動ゲームの終了後、最終停止図柄に基づいて特定された種類の大当り遊技の制御を開始し、統括制御基板31の統括制御用CPU31aに対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。主制御用CPU30aは、変動ゲームが終了すると、オープニングコマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、ラウンドの開始毎にラウンドコマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、大入賞口18を開放させるときに、開放信号を出力し、大入賞口18を閉鎖させるときに、閉鎖信号を出力する。また、主制御用CPU30aは、最後のラウンドのラウンド遊技が終了すると、インターバル時間の経過後にエンディングコマンドを出力する。そして、主制御用CPU30aは、エンディング時間の経過後、大当りフラグに「0」を設定し(クリアし)、大当り遊技を終了させる。
また、主制御用CPU30aは、大当り遊技の種類に拘わらず、大当り遊技の開始時に、確変フラグ、作動フラグ、及び作動回数をクリアする(「0」を設定する)。この作動回数は、変短状態が付与された回数を計数するためのカウンタである。
また、主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後に、確変状態を付与する場合には、確変フラグに「1」を設定する一方、確変状態を付与しない場合には、確変フラグに「0」を設定する。そして、主制御用CPU30aは、確変フラグに対応する確変指定コマンドを統括制御基板31に出力する。確変指定コマンドは、確変状態が付与されているか否かを示すコマンドである。
また、主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後に、変短状態を付与する場合には、変短状態を付与することを示す作動フラグに「1」を設定する一方、変短状態を付与しない場合には、変短フラグに「0」を設定する。そして、主制御用CPU30aは、作動フラグに対応する変短指定コマンドを統括制御基板31に出力する。変短指定コマンドは、変短状態が付与されているか否かを示すコマンドである。
また、主制御用CPU30aは、予め定めた回数(本実施形態では、40回)を上限回数として変短状態が付与される場合には、その回数を示す値を作動回数として主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。また、主制御用CPU30aは、変動ゲームが実行される毎に作動回数を「1」減算し、値が「0」となると、作動フラグをクリアするとともに(「0」を設定する)、変短終了コマンドを統括制御基板31に出力する。この変短終了コマンドは、変短状態が終了した旨を示すコマンドである。
次に、普図ゲームに関する普通図柄入力処理について以下に説明する。
普通図柄入力処理において、主制御用CPU30aは、遊技球が作動ゲート19を通過したと判定した場合、主制御用RAM30cに記憶されている普図保留記憶数が上限数の「4」未満であるか否かを判定する。そして、その判定結果が肯定(普図保留記憶数<「4」)の場合、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数を「1」加算し、普図保留記憶数を書き換える。続いて、主制御用CPU30aは、普通当り判定用乱数の値を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を普図保留記憶数に対応付けられた主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定し、普通図柄入力処理を終了する。
次に、主制御用CPU30aは、以下のような処理を所定の制御周期(本実施形態では、4ms)毎に実行する。主制御用CPU30aは、まず、普図が変動表示中又は普通当り遊技中ではない場合において、読み出した普図保留記憶数が「0」よりも大きいときには、普図保留記憶数の数を「1」減算し、当該普図保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている普通当り判定用乱数の値を取得する。そして、主制御用CPU30aは、取得した普通当り判定用乱数の値が主制御用ROM30bに記憶されている普通当り判定値と一致するか否かを判定して普通当り判定を行い、判定結果に対応する普図を、普通図柄表示装置20にて確定停止表示される最終停止図柄として決定する。そして、主制御用CPU30aは、普図の変動表示を開始させるように普通図柄表示装置20の表示内容を制御するなど、普図ゲームに関する各種処理を実行する。
そして、主制御用CPU30aは、普通当りを決定した場合、普図ゲームの終了後、普通当り遊技に関する制御を実行する。また、主制御用CPU30aは、普図ゲームが開始したときに変短状態が付与されているか否かによって異なる開放態様にて、開閉羽根16を開放させるよう普通電動役物ソレノイドSOL1を制御する。
なお、本実施形態において、主制御用CPU30aは、普図ゲームの普通当り抽選の抽選確率を、非変短状態では低確率(本実施形態では、10/251)で、変短状態では高確率(本実施形態では、250/251)で普通当り判定を行うこととなる。また、主制御用CPU30aは、変短状態が付与されているか否かに応じた普図ゲームの変動パターンを選択し、決定する。これにより、主制御用CPU30aは、変短状態では、非変短状態よりも普図ゲームの変動時間を短くさせるよう制御するとともに、1回の普通当りに対応する合計開放時間を長く開放させるよう制御する。
次に、各種演出を含む変動ゲームを実行させるために統括制御用CPU31aが実行する制御内容について以下に説明する。
主制御用CPU30aから所定の制御コマンドを所定のタイミングで入力すると、統括制御用CPU31aは、統括制御プログラムに基づいて、入力した制御コマンドに応じた制御を行う。具体的には、統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドを表示制御基板32に出力する。同様に、統括制御用CPU31aは、オープニングコマンド、ラウンドコマンド及びエンディングコマンドを入力すると、当該オープニングコマンド、ラウンドコマンド及びエンディングコマンドを表示制御基板32に出力する。また、統括制御用CPU31aは、確変指定コマンド、変短指定コマンド、及び変短終了コマンドを入力すると、当該コマンドに対応する値を統括制御用RAM31cに設定する。
また、統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特図指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターン及び当該特図指定コマンドにより指定された最終停止図柄に基づいて、演出表示装置11に表示させる飾図を決定する。
より詳しくは、統括制御用CPU31aは、大当り図柄の場合、飾図を大当り図柄の中から決定する。本実施形態では、大当り図柄として、[111][222][333][444][555][666][777]の中から決定する。
このように、本実施形態では、9R特別確変大当り遊技、9R通常確変大当り遊技、又は9R非確変大当り遊技が決定された場合、大当り図柄の種類が同じとなる。このため、よって、大当り図柄から、9R特別確変大当り遊技、9R通常確変大当り遊技、及び9R非確変大当り遊技の何れが付与されたかを特定することができないようになっている。
また、統括制御用CPU31aは、指定された最終停止図柄が、はずれ図柄の場合であって、はずれリーチ変動用の変動パターンが指定された場合、リーチ状態を形成するはずれ図柄の中から飾図を決定する。また、統括制御用CPU31aは、指定された最終停止図柄が、はずれ図柄の場合であって、はずれ変動用の変動パターンが指定された場合、飾図をはずれ図柄の中から決定する。そして、統括制御用CPU31aは、決定した飾図を指定する飾図柄指定コマンドを表示制御基板32に出力する。また、統括制御用CPU31aは、全図柄停止コマンドを入力すると、当該コマンドを表示制御基板32に出力する。
次に、表示制御基板32の表示制御用CPU32aが表示制御プログラムに基づいて実行する各種処理について以下に説明する。
表示制御用CPU32aは、統括制御基板31(統括制御用CPU31a)から制御コマンドを入力すると、表示制御プログラムに基づいて、入力した制御コマンドに応じた制御を行う。具体的には、表示制御用CPU32aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンで飾図を変動表示させて変動ゲームを開始させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。そして、表示制御用CPU32aは、全図柄停止コマンドを入力すると、飾図柄指定コマンドで指定された飾図を確定停止表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。この制御により、演出表示装置11では変動ゲームが行われる。
次に、表示制御用CPU32aは、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。また、表示制御用CPU32aは、ラウンドコマンドを入力すると、各ラウンド演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。また、表示制御用CPU32aは、エンディングコマンドを入力すると、エンディング演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。
本実施形態では、演出ボタン70の操作に応じて演出表示装置11の表示内容を変化させる操作演出が実行される。この操作演出について図4を参照して以下に説明する。
操作演出では、キャラクタが競り合う競り合い演出と、その競り合いの結果を示す成功演出及び失敗演出とが実行される。競り合い演出では、図4(a)に示すように、演出表示装置11の画像表示部GHにおいて、境界線BLによって左右方向に2分割した表示領域のうちの一方(右方)の第1表示領域GHxと、他方(左方)の第2表示領域GHyとが表示されている。また、この第1表示領域GHxには味方キャラクタXが表示され、第2表示領域GHyには敵キャラクタYが表示されている。
表示画面には、境界線BLを表示させるための複数段階の表示位置が規定されており、中心を「0」として、左方向に「30」、右方向に「−30」の段階が規定されている(合計61段階)。そして、演出ボタン70の操作や時間の経過に応じて、境界線BLが左右方向に移動することとなる。具体的には、図4(b)に示すように、演出ボタン70の操作に応じて境界線BLが左方向(優勢方向)に移動表示されることで、第1表示領域GHxの表示領域を広がり、味方キャラクタXが優勢となっているように表示される。その一方で、図4(c)に示すように、時間の経過に応じて境界線BLが右方向(劣勢方向)に移動表示されることで、第2表示領域GHyの表示領域を広がり、味方キャラクタXが劣勢となっているように表示される。
そして、操作有効期間が終了すると、競り合い演出が終了し、図4(d)に示す成功演出が実行されるか、図4(e)に示す失敗演出が実行される。成功演出では、図4(d)に示すように、境界線BLが消滅し、味方キャラクタXのみが画像表示部GHに表示される。その一方で、失敗演出では、図4(e)に示すように、境界線BLが消滅し、敵キャラクタYのみが画像表示部GHに表示される。なお、成功演出が実行された場合には、確変状態の付与が確定することとなり、失敗演出が実行された場合には、確変状態の付与が確定しない。
ここで、操作演出に関する制御内容について図5及び図6を参照して以下に説明する。
まず、統括制御用CPU31aによって実行される操作演出統括制御処理について図5を参照して以下に説明する。この操作演出統括制御処理は、演出ボタン70の操作有効期間が設定された変動パターン指定コマンドを入力したときに実行される処理である。統括制御用CPU31aは、本処理を所定周期毎に実行するようになっている。なお、本実施形態では、以下に説明する各種処理を実行する統括制御用CPU31aが第1抽選手段、第2抽選手段、表示制御手段、演出制御手段として機能する。
最初に、統括制御用CPU31aは、図5に示すように、操作有効期間であるか否かを判定する(ステップS100)。ステップS100の判定結果が肯定の場合(操作有効期間である)、統括制御用CPU31aは、ステップS101に移行する。一方、ステップS101の判定結果が否定の場合(操作有効期間ではない)、統括制御用CPU31aは、操作演出統括制御処理を終了する。
なお、本実施形態において、統括制御用CPU31aは、入力した変動パターン指定コマンドが特定の変動パターンを指定するコマンドである場合、変動ゲームの開始から所定時間が経過したときに操作有効期間を開始させる。また、本実施形態において、特定の変動パターンとは、変短状態が付与されたときに選択可能であり、大当り変動用の変動パターンである。
操作有効期間が開始する際には、別処理にて、統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cに位置付けられ、操作有効期間であるか否かを示す操作有効期間フラグをオンにセットするとともに、操作有効期間を計数するための操作有効期間タイマに規定値をセットする。統括制御用CPU31aは、操作有効期間フラグをオンにセットされている場合には、操作有効期間であると認識可能であるとともに、操作有効期間タイマを更新することで、予め定められた操作有効期間が満了したか否かも認識可能である。また、統括制御用CPU31aは、原則として、操作有効期間の開始から予め定められた時間が経過すると操作有効期間を終了(満了)させるが、操作有効期間の開始から予め定められた時間が経過する前に操作有効期間を終了させる場合もある。
ステップS101において、統括制御用CPU31aは、操作有効期間が満了したか否かを判定する。なお、この処理において、統括制御用CPU31aは、操作有効期間フラグがオンであり、操作有効期間タイマが「0」である場合には、操作有効期間(変動ゲーム)が開始してから予め定められた時間が経過し、操作有効期間が満了する。その一方で、統括制御用CPU31aは、予め定められた時間が経過する前に操作有効期間が終了した場合、操作有効期間が満了しなかったと判定することとなる。ステップS101の判定結果が肯定の場合(操作有効期間が満了した)、統括制御用CPU31aは、ステップS121に移行する。一方、ステップS101の判定結果が否定の場合(操作有効期間が満了していない)、統括制御用CPU31aは、ステップS102に移行する。
ステップS102において、統括制御用CPU31aは、演出ボタン70からの操作信号を検知したか否かを判定する。ステップS102の判定結果が肯定の場合(操作信号を検知した)、統括制御用CPU31aは、ステップS103に移行する。一方、ステップS102の判定結果が否定の場合(操作信号を検知しなかった)、統括制御用CPU31aは、操作演出統括制御処理を終了する。
ステップS103において、統括制御用CPU31aは、入力した特図指定コマンドに基づいて、確定停止表示される図柄が図柄Aであるか否かを判定する。ステップS103の判定結果が肯定の場合(図柄Aである)、統括制御用CPU31aは、高確率(本実施形態では3/5)での第1抽選処理を実行するとともに(ステップS104)、第2抽選処理を実行し(ステップS105)、ステップS107に移行する。一方、ステップS103の判定結果が否定の場合(図柄Aではない)、統括制御用CPU31aは、低確率(本実施形態では2/5)での第1抽選処理を実行し(ステップS106)、ステップS107に移行する。
この第1抽選は、演出ボタン70からの操作信号に応じて行われ、演出ボタン70の操作に応じて境界線BL(図4参照)を優勢方向に遷移させるか否かを決定するための抽選である。また、第2抽選は、予め定められた操作有効期間が終了(操作有効期間が満了)する前に、成功演出を実行させるか否かを決定するための抽選である。
なお、本実施形態において、統括制御用CPU31aは、演出ボタン70の操作に応じて第1抽選を行い、図柄Aである場合、ステップS104で3/5の確率で第1抽選に当選し、図柄Aではない場合、ステップS106で2/5の確率で第1抽選に当選する。このように、統括制御用CPU31aは、図柄Aであるときのほうが、図柄Aではないときよりも高い確率で第1抽選に当選する。また、本実施形態において、統括制御用CPU31aは、演出ボタン70の操作に応じて第2抽選を行い、ステップS105では1/199の確率で第2抽選に当選する。このように、統括制御用CPU31aは、図柄Aである場合に限り、第2抽選に当選する。
ステップS107において、統括制御用CPU31aは、第2抽選に当選したか否かを判定する。ステップS107の判定結果が肯定の場合(第2抽選に当選した)、統括制御用CPU31aは、成功演出コマンドを統括制御用RAM31cの所定領域にセットし(ステップS108)、操作演出統括制御処理を終了する。この成功演出コマンドは、確変状態が付与されることが確定する成功演出を実行させるためのコマンドである。そして、統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cに割り当てられた操作有効期間フラグをオフにセットし、予め定められた時間が経過する前に(操作有効期間を満了させることなく)、操作有効期間を終了させることとなる。一方、ステップS107の判定結果が否定の場合(第2抽選に当選していない)、統括制御用CPU31aは、ステップS109に移行する。
ステップS109において、統括制御用CPU31aは、第1抽選に当選したか否かを判定する。ステップS109の判定結果が肯定の場合(第1抽選に当選した)、統括制御用CPU31aは、遷移実行コマンドを統括制御用RAM31cの所定領域にセットし(ステップS110)、操作演出統括制御処理を終了する。この遷移実行コマンドは、演出ボタン70の操作に応じて境界線BLを優勢方向に遷移させる旨のコマンドである。また、統括制御用CPU31aは、この遷移実行コマンドよりも成功演出コマンドを優先してセットされることとなる。一方、ステップS109の判定結果が否定の場合(第1抽選に当選していない)、統括制御用CPU31aは、操作演出統括制御処理を終了する。
図5のステップS101の判定結果が否定の場合、図5のステップS121において、統括制御用CPU31aは、入力した特図指定コマンドに基づいて、確定停止表示される図柄が図柄Aであるか否かを判定する。ステップS121の判定結果が肯定の場合(図柄Aである)、統括制御用CPU31aは、成功演出コマンドを統括制御用RAM31cの所定領域にセットし(ステップS122)、操作演出統括制御処理を終了する。
その一方で、ステップS121の判定結果が否定の場合(図柄Aではない)、統括制御用CPU31aは、失敗演出コマンドを統括制御用RAM31cの所定領域にセットし(ステップS123)、操作演出統括制御処理を終了する。この失敗演出コマンドとは、確変状態が付与されることが確定しない失敗演出を実行させるためのコマンドである。
その後、操作演出統括制御処理とは別の処理において、統括制御用CPU31aは、操作演出統括制御処理において決定した決定事項にしたがって生成した遷移実行コマンド、成功演出コマンド、失敗演出コマンドを所定のタイミングで表示制御基板32(表示制御用CPU32a)に出力する。
次に、表示制御基板32の表示制御用CPU32aが、表示制御プログラムに基づいて実行する操作演出表示制御処理について図6を参照して以下に説明する。この操作演出表示制御処理は、演出ボタン70の操作有効期間が設定された変動パターン指定コマンドを入力したときに実行される処理である。表示制御用CPU32aは、本処理を所定周期(本実施形態では、4ms)毎に実行するようになっている。なお、本実施形態では、以下に説明する各種処理を実行する表示制御用CPU32aが表示制御手段、演出制御手段として機能する。
最初に、表示制御用CPU32aは、図6に示すように、操作有効期間が開始するか否かを判定する(ステップS201)。なお、本実施形態において、表示制御用CPU32aも、統括制御用CPU31aと同じように、入力した変動パターン指定コマンドが特定の変動パターンを指定するコマンドである場合において、変動ゲームの開始から所定時間が経過したときに、操作有効期間であるか否かを示す操作有効期間フラグをオンにセットし、操作有効期間を開始させる。この操作有効期間フラグは、表示制御用RAM32cの所定領域に割り当てられている。ステップS201の判定結果が肯定の場合(操作有効期間が開始する)、表示制御用CPU32aは、表示制御用RAM32cの所定領域に割り当てられた優劣フラグに初期値(本実施形態では、「0」)をセットする(ステップS202)。そして、表示制御用CPU32aは、表示制御用RAM32cの所定領域に割り当てられたカウントタイマに初期値(本実施形態では、400ms)をセットする(ステップS203)。この優劣フラグとは、図4(a)に示すように、境界線BLの表示位置(表示段階)を示すデータであり、演出ボタン70の操作や時間の経過に応じて変更される。また、この優劣フラグは、「0」を中心として、最大「30」、最小「−30」の整数を取り得る範囲としている。また、このカウントタイマとは、前回に境界線BLを双方の何れかに遷移させてから、予め定められた時間が経過したか否かを計数するためのカウンタである。なお、操作有効期間の開始時には、カウントタイマで、操作有効期間が開始されてからの時間が計数される。その後、表示制御用CPU32aは、図6に示すように、ステップS211に移行する。一方、ステップS201の判定結果が否定の場合(操作有効期間が開始しない)、表示制御用CPU32aは、ステップS202、S203を実行することなく、ステップS211に移行する。
ステップS211において、表示制御用CPU32aは、操作有効期間であるか否かを判定する。なお、本実施形態において、表示制御用CPU32aも、統括制御用CPU31aと同じように、操作有効期間を開始させてから予め定められた操作有効期間が満了するまで、操作有効期間を継続させるが、操作有効期間が満了する前に成功演出コマンドが入力された場合、操作有効期間フラグをオフにセットし、操作有効期間を中断させることとなる。ステップS211の判定結果が肯定の場合(操作有効期間である)、表示制御用CPU32aは、ステップS212に移行する。一方、ステップS211の判定結果が否定の場合(操作有効期間ではない)、表示制御用CPU32aは、操作演出表示制御処理を終了する。
ステップS212において、表示制御用CPU32aは、遷移実行コマンドを入力したか否かを判定する。ステップS213の判定結果が肯定の場合(遷移実行コマンドを入力した)、表示制御用CPU32aは、優劣フラグの数値を「1」だけ加算し(ステップS213)、カウントタイマに初期値(本実施形態では、400ms)をセットし(ステップS214)、ステップS218に移行する。なお、表示制御用CPU32aは、優劣フラグが最大値(本実施形態では、「30」)である場合には、優劣フラグを変更することなく、そのまま維持する。一方、ステップS212の判定結果が否定の場合(遷移実行コマンドを入力していない)、表示制御用CPU32aは、ステップS215に移行する。
ステップS215において、表示制御用CPU32aは、カウントタイマが規定値となったか否かを判定する。本実施形態において、規定値としては「0」が相当する。ステップS215の判定結果が肯定の場合(カウントタイマが規定値となった)、表示制御用CPU32aは、優劣フラグの数値を「1」だけ減算し(ステップS216)、カウントタイマに初期値(本実施形態では、400ms)をセットし(ステップS214)、ステップS218に移行する。なお、表示制御用CPU32aは、優劣フラグが最小値(本実施形態では、「−30」)である場合には、優劣フラグを変更することなく、そのまま維持する。
一方、ステップS215の判定結果が否定の場合(カウントタイマが規定値となっていない)、表示制御用CPU32aは、カウントタイマの値を4msだけ更新し(ステップS217)、ステップS218に移行する。なお、本実施形態においては、表示制御用CPU32aは、カウントタイマに初期値として400msをセットし、本処理を実行する毎に、4ms減算させるが、これに限らず、初期値として0msをセットし、本処理を実行する毎に、4ms加算させてもよい。
そして、ステップS218において、表示制御用CPU32aは、競り合い演出を実行させる競り合い演出実行処理を実行し、ステップS221に移行する。この競り合い演出では、表示制御用CPU32aは、図4(a)〜図4(c)に示すように、優劣フラグに対応する表示位置に境界線BLを表示させることとなる。
このように、表示制御用CPU32aは、前回に境界線BLを遷移させてから、予め定められた時間が経過する前に遷移実行コマンドを入力すると、優劣フラグの値が最大値となっていなければ、優劣フラグの値を「1」だけ加算し、境界線BLを優勢方向に1段階だけ遷移させる。その一方で、表示制御用CPU32aは、遷移実行コマンドが入力せずに、前回に境界線BLを遷移させてから予め定められた時間が経過すると、優劣フラグの値が最小値となっていなければ、優劣フラグの値を「1」だけ減算し、境界線BLを劣勢方向に1段階だけ遷移させることとなる。
図6に示すように、ステップS221において、表示制御用CPU32aは、成功演出コマンドを入力したか否かを判定する。ステップS221の判定結果が肯定の場合(成功演出コマンドを入力した)、表示制御用CPU32aは、成功演出を実行させる成功演出実行処理を実行し(ステップS222)、操作演出表示制御処理を終了する。また、表示制御用CPU32aは、表示制御用RAM32cに割り当てられた操作有効期間フラグをオフにセットし、操作有効期間を終了させることとなり、特に、予め定められた時間が経過する前に、成功コマンドを入力した場合には、操作有効期間を満了させることなく、終了させることとなる。一方、ステップS221の判定結果が否定の場合(成功演出コマンドを入力していない)、表示制御用CPU32aは、ステップS223に移行する。
ステップS223において、表示制御用CPU32aは、失敗演出コマンドを入力したか否かを判定する。ステップS223の判定結果が肯定の場合(失敗演出コマンドを入力した)、表示制御用CPU32aは、失敗演出を実行させる失敗演出実行処理を実行し(ステップS224)、表示制御用RAM32cに割り当てられた操作有効期間フラグをオフにセットし、操作有効期間を終了させ、操作演出表示制御処理を終了する。一方、ステップS223の判定結果が否定の場合(失敗演出コマンドを入力していない)、表示制御用CPU32aは、操作演出表示制御処理を終了する。
このように、表示制御用CPU32aは、成功演出コマンド、失敗演出コマンドの入力に対応して、成功演出、失敗演出を実行させることとなる。失敗演出は、予め定められた操作有効期間が終了したこと(操作有効期間の満了)を契機に実行されるが、成功演出は、それ以外に、予め定められた操作有効期間が終了する前に(操作有効期間の満了前に)実行されることがある。
このような制御が行われた結果、本実施形態のパチンコ遊技機では、特定の変動パターンで、所定時間が経過したときに、操作有効期間が開始されることとなる。ここで、具体的な制御内容、演出内容の一例について図4及び図7を用いて以下に説明する。
操作有効期間が開始されたときには、図4(a)に示すように、遊技者が自己を投影する対象となる味方キャラクタXと、味方キャラクタXの対戦者として登場する敵キャラクタYとの競り合い演出が、演出表示装置11の画像表示部GH(表示画面)で実行されるようになっている。この競り合い演出では、演出表示装置11の画像表示部GHを境界線BLによって左右方向に2分割した表示領域のうちの一方(右方)の第1表示領域GHxに味方キャラクタXが表示され、他方(左方)の第2表示領域GHyに敵キャラクタYが表示されるようになっている。
競り合い演出が実行されている場合、図7(a)に示すように、統括制御用CPU31aは、操作有効期間に演出ボタン70の操作により操作信号を入力すると、第1抽選を行うこととなる。そして、その結果、統括制御用CPU31aは、タイミングT1に示すように、その第1抽選に当選しなかった場合には、遷移実行コマンドを表示制御用CPU32aに出力しない。その一方で、統括制御用CPU31aは、タイミングT2に示すように、第1抽選に当選した場合には、遷移実行コマンドを表示制御用CPU32aに出力することとなる。
そして、表示制御用CPU32aは、遷移実行コマンドを入力すると、優劣フラグを「1」だけ加算し、「0」から「1」に変更させる。なお、この場合、カウントタイマの値は、直前に境界線を遷移させてから、若しくは操作有効期間が開始されてからの時間が規定時間T未満となっている。
このように、遊技者により演出ボタン70に応じて第1抽選に当選すると、境界線BLが、味方キャラクタXが優勢になるように第1表示領域GHxの表示領域を広げる優勢方向(左方向)へ1段階だけ移動表示される。また、例えば、境界線BLが優勢方向に連続して遷移すると、図4(b)に示すように、第1表示領域GHxと第2表示領域GHyとが6対4となる画像が表示される。
図7(a)に示すように、表示制御用CPU32aは、カウントタイマの値に基づいて、遷移実行コマンドを入力することなく、直前に境界線を遷移させてから、若しくは操作有効期間が開始されてからの時間が規定時間Tに至ったときには、タイミングT3に示すように、優劣フラグを「1」だけ減算し、「1」から「0」に変更させる。
これにより、遊技者により演出ボタン70が操作されない場合や、遊技者により演出ボタン70が操作されたが第1抽選に当選しなかった場合、時間の経過により、敵キャラクタYが優勢(味方キャラクタXが劣勢)になるように第2表示領域GHyの表示領域を広げる劣勢方向(右方向)へ1段階だけ移動表示されることもあるようになっている。また、例えば、境界線BLが劣勢方向に連続して遷移すると、図4(c)に示すように、第1表示領域GHxと第2表示領域GHyとが4対6となる画像が表示される。
また、統括制御用CPU31aは、図柄Aが確定停止表示される場合において、操作有効期間が満了するときには、タイミングT4に示すように、成功演出コマンドを表示制御用CPU32aに出力する。その一方で、統括制御用CPU31aは、図柄B,Cが確定停止表示される場合において、操作有効期間が満了するときには、タイミングT4と同じタイミングで、失敗演出コマンドを表示制御用CPU32aに出力する。
そして、表示制御用CPU32aは、成功演出コマンド又は失敗演出コマンドを入力すると、操作有効期間を終了させ、該コマンドに対応して画像(成功画像又は失敗画像)を表示させて、成功演出又は失敗演出を実行させることとなる。
成功演出が実行される場合には、図4(d)に示すように、境界線BLが消滅し、味方キャラクタXのみが画像表示部GHに表示された場合には、競り合い演出において味方キャラクタXの勝利となる。その一方で、失敗演出が実行される場合には、図4(e)に示すように、境界線BLが消滅し、敵キャラクタYのみが画像表示部GHに表示された場合には、競り合い演出において敵キャラクタYの勝利となる。
味方キャラクタXが勝利し、画像表示部GH全体に亘って味方キャラクタXのみが表示されることを「第1の表示結果」とし、敵キャラクタYのみが表示されることを「第2の表示結果」とする。
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、第1の表示結果と第2の表示結果の間には、演出ボタン70の操作や、時間の経過に基づいて演出表示装置11の画像表示部GHでの画像を遷移させて複数の表示段階が表示されるようになっている。複数の表示段階が表示されるとは、画像が複数の段階に亘って遷移して同じ画像が連続して表示されたり、異なる画像が複数回に亘って表示されたりすることであり、画像が遷移することである。このように、演出表示装置11に、第1の表示結果及び第2の表示結果の画像を表示させるとともに、演出ボタン70の操作や時間の経過に基づいて画像表示部GHの画像を遷移させて、第1の表示結果と第2の表示結果の間に存在する複数の表示段階を表示させるように構成されている。
また、統括制御用CPU31aは、図7(b)に示すように、図柄Aが確定停止表示される場合において、演出ボタン70の操作に応じて第2抽選を行い、当選した場合には、操作有効期間が満了する前であっても、タイミングT5に示すように、成功演出コマンドを表示制御用CPU32aに出力する。
そして、表示制御用CPU32aは、タイミングT4と同じように、成功演出コマンドを入力すると、操作有効期間を終了させ、図4(d)に示すように、該コマンドに対応して成功画像を表示させて、成功演出を実行させることとなる。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)画像表示部GHの画像を一方向に遷移させることを操作に応じて管理する一方で、他方向に遷移させることを時間の経過により管理することができる。このため、演出ボタン70が操作されたことに応じて、画像表示部GHの画像を他方向に遷移させずに、一方向に遷移させることで、画像表示部GHの画像を一方向と他方向とに頻繁に遷移させることで生じる画像の乱れを抑制することができ、演出ボタン70の操作に基づいて行われる演出を遊技者に視認し易くすることができる。
(2)前回の遷移から予め定められた時間が経過する前に演出ボタン70の操作が行われた場合には、画像表示部GHの画像を他方向に遷移させずに一方向に遷移させる。このため、画像表示部GHの画像を遷移させた直後に、他方向に遷移させることがなく、画像表示部GHの画像を一方向と他方向とに頻繁に遷移させることで生じる画像の乱れを抑制することができ、演出ボタン70の操作に基づいて行われる演出を遊技者に視認し易くすることができる。
(3)演出ボタン70の操作に応じて行われる第1抽選の結果により、画像表示部GHの画像を一方向に遷移する場合と遷移しない場合とが決定される。このため、演出ボタン70の操作に応じて画像表示部GHの画像を一方向に遷移させる機会を減少させることで、画像表示部GHの画像を一方向と他方向とに頻繁に遷移させることで生じる画像の乱れを抑制することができ、演出ボタン70の操作に基づいて行われる演出を遊技者に視認し易くすることができる。
(4)また、演出ボタン70の操作に応じた画像表示部GHの画像の遷移態様に多様性を持たせることができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
(5)図柄Aが確定停止表示される大当りとなると判定された場合には、図柄B,Cが確定停止表示される大当りとなると判定された場合よりも高い確率で第1抽選に当選するため、演出ボタン70の操作に応じた画像表示部GHの画像の遷移態様により、大当りの種類が予測でき、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
(6)また、図柄Aが確定停止表示されると、確変状態が付与されるため、確変状態が付与されるか否かが予測でき、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
(7)図柄Aが確定停止表示される大当りとなると判定された場合には、図柄Aが確定停止表示される大当りとなると判定されなかった場合よりも高い確率で第1抽選に当選するため、演出ボタン70の操作に応じた画像表示部GHの画像の遷移態様により、当りと判定されたか否かが予測でき、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
(8)図柄Aが確定停止表示される大当りとなると判定された場合には、演出ボタン70の操作に応じて、有効操作期間中に成功演出を実行させる可能性があり、より一層、演出ボタン70の操作を促すことができ、遊技に能動的に参加する機会を提供することによって、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明を具体化した第2の実施形態について以下に説明する。なお、以下の説明では、既に説明した実施形態と同一構成及び同一制御内容について同一符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
この第2実施形態では、予め定められた操作有効期間が終了する前における境界線BLの表示位置(表示段階)に応じて、成功演出又は失敗演出を実行させる。
具体的には、表示制御用CPU32aは、確定停止表示される図柄が図柄Aである場合において、予め定められた操作有効期間が終了する前に、ステップS213とS214の間で、優劣フラグが第1の値(例えば、「20」や「30」)となったか否かを判定する。そして、表示制御用CPU32aは、優劣フラグが第1の値となったと判定した場合、成功演出を実行させ、操作有効期間を終了させる。
同じように、表示制御用CPU32aは、確定停止表示される図柄が図柄B,Cである場合において、ステップS216とS214の間で、優劣フラグが第2の値(例えば、「−20」や「−30」)となったときには、失敗演出を実行させ、操作有効期間を終了させる。
このように、操作有効期間が満了する前であっても、境界線BLを優勢方向に遷移させ、図柄Aが確定停止表示され、確変状態が付与される大当りとなることを確定させるために、より一層、演出ボタン70の操作を促すことができ、遊技に能動的に参加する機会を提供することによって、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
特に、図柄Aが確定停止表示される場合には、大当り遊技の終了後に予め定められた回数の変動ゲームが終了するまで、確変状態が付与されているか否かが特定できないため、より一層、演出ボタン70の操作を促すことができ、遊技に能動的に参加する機会を提供することによって、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
[第3の実施形態]
次に、本発明を具体化した第3の実施形態について以下に説明する。
第3実施形態では、予め定められた操作有効期間が満了したときにおける境界線BLの表示位置(表示段階)に応じて、成功演出又は失敗演出を実行させる。
具体的には、表示制御用CPU32aは、確定停止表示される図柄が図柄Aである場合において、予め定められた操作有効期間の満了時に、優劣フラグが第3の値以上(例えば、「0」)であったときには、成功演出を実行させるが、第3の値未満であったときには、失敗演出を実行させる。
このように、境界線BLを優勢方向に遷移させ、操作有効期間が満了した場合に、図柄Aが確定停止表示され、確変状態が付与される大当りとなることを確定させるために、より一層、演出ボタン70の操作を促すことができ、遊技に能動的に参加する機会を提供することによって、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
特に、図柄Aが確定停止表示される場合には、大当り遊技の終了後に予め定められた回数の変動ゲームが終了するまで、確変状態が付与されているか否かが特定できないため、より一層、演出ボタン70の操作を促すことができ、遊技に能動的に参加する機会を提供することによって、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
尚、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・上記実施形態において、図柄Aが確定停止表示される場合であっても、第2抽選において当選しなかったときには、失敗演出を実行可能にしてもよい。
・上記実施形態において、図柄B,Cが確定停止表示される場合に、境界線BLを予め定められた段階(例えば、「20」)以上に遷移させないようにしてもよい。
・上記実施形態において、操作有効期間が開始された場合に、中心ではない表示段階から境界線BLを表示させてもよい。
・上記実施形態において、演出ボタン70の操作、又は時間の経過に応じて、境界線BLを1段階ずつ遷移させたが、これに限らず、境界線BLを複数段階遷移させてもよい。
・上記実施形態において、境界線BLの表示段階が特定段階(例えば、「10」)となるまでは、時間の経過に応じて境界線BLを劣勢方向に遷移させずに、境界線BLの表示段階が特定段階となってからはじめて、時間の経過に応じて境界線BLを劣勢方向に遷移させてもよい。
・上記実施形態において、例えば、図柄A,Bの何れかが確定停止表示されるように、大当り遊技の終了後に確変状態が付与されるか否かにより、第1抽選、第2抽選、成功演出、失敗演出を実行させてもよい。これにより、図柄A,Bが確定停止表示され、確変状態が付与される大当りとなることを確定させるために、より一層、演出ボタン70の操作を促すことができ、遊技に能動的に参加する機会を提供することによって、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。特に、図柄Aが確定停止表示される場合には、大当り遊技の終了後に予め定められた回数の変動ゲームが終了するまで、確変状態が付与されているか否かが特定できない。また、図柄B,Cが確定停止表示される場合には、大当り遊技の終了後に予め定められた回数の変動ゲームが終了しても、確変状態が付与されているか否かが特定できない。このため、より一層、演出ボタン70の操作を促すことができ、遊技に能動的に参加する機会を提供することによって、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
・上記実施形態において、確変状態が付与されるか否かに拘わらず、変短状態が付与されるか否かにより、第1抽選、第2抽選、成功演出、失敗演出を実行させてもよい。また、大入賞口18の開放時間が相対的に長い大当り遊技、短い大当り遊技がある場合に、何れが付与されるかにより、第1抽選、第2抽選、成功演出、失敗演出を実行させてもよい。
・上記実施形態において、確変状態、変短状態が付与されるか否かに拘わらず、単に、大当り遊技が付与されるか否かにより、第1抽選、第2抽選、成功演出、失敗演出を実行させてもよい。大当り遊技が付与されることを確定させるために、より一層、演出ボタン70の操作を促すことができ、遊技に能動的に参加する機会を提供することによって、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
・上記実施形態において、境界線BLの遷移を基準として、演出ボタン70の操作がない時間に応じて境界線BLを劣勢方向に遷移させたが、これに限らず、例えば、演出ボタン70の操作や、境界線BLの優勢方向への遷移に拘わらず、単に時間が経過したことを契機に、境界線BLを劣勢方向に遷移させてもよい。
・上記実施形態において、第1抽選を行うことなく、操作信号の入力により、統括制御用CPU31aから表示制御用CPU32aに遷移実行コマンドを出力してもよい。
・上記実施形態において、第2抽選を行うことなく、操作有効期間の満了前に、成功演出を実行させなくてもよい。また、確変状態が付与されることが確定しない大当りとなる場合に、操作有効期間の満了前に、失敗演出を実行させてもよい。また、上記実施形態において、操作有効期間中に成功演出や失敗演出自体を実行させなくてもよい。
・上記実施形態において、変短状態が付与された場合に選択される特定の変動パターンが決定された場合に、操作演出を実行させたが、これに限らず、例えば、遊技状態に拘わらず、操作演出を実行させてもよい。
・上記実施形態において、大当り抽選に当選しなかったが、大入賞口18を開放させる小当り遊技を大当り遊技以外でも付与できるように制御されてもよい。
・上記実施形態において、操作有効期間の開始や終了を示すコマンドを統括制御用CPU31aから表示制御用CPU32aに出力してもよい。
・上記実施形態において、統括制御基板31と表示制御基板32との構成(機能)を別の基板に設けてもよい。また、上記実施形態において、統括制御基板31と表示制御基板32とを一体に設けてもよい。
・上記実施形態において、成功演出や失敗演出等の各種演出を音声の出力、ランプの点滅、可動体の変位により実行してもよく、これらの組み合わせであってもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記演出制御手段は、前記第2抽選手段による第2抽選に当選したときには、前記演出用操作手段の操作を有効とする操作有効期間が終了する前に、前記当り確定演出を前記演出実行手段に実行させることを特徴とする。
(ロ)前記表示制御手段は、前記表示画面の画像を一方向又は他方向に遷移させて前記複数の表示段階を表示させた後、一方向に遷移させずに予め定められた時間が経過したときには前記表示画面の画像を更に他方向に遷移させて、前記複数の表示段階を表示させることを特徴とする。
(ハ)遊技結果が当りとなるか否かを判定する当り判定手段を備え、前記当り判定手段の判定結果が肯定の場合において、当りの抽選確率を通常状態よりも高確率に変更する確変状態を付与するときには、付与しないときよりも高い確率で、第1抽選に当選することを特徴とする。
(ニ)遊技結果が当りとなるか否かを判定する当り判定手段を備え、前記当り判定手段の判定結果が肯定の場合において、当りの抽選確率を通常状態よりも高確率に変更する確変状態を付与すると特定可能な当り遊技となるときには、該当り遊技とならないときよりも高い確率で、第1抽選に当選することを特徴とする。
(ホ)遊技結果が当りとなるか否かを判定する当り判定手段と、前記表示制御手段は、前記当り判定手段による判定結果が肯定の場合、前記演出用操作手段の操作に応じて前記表示画面の画像を予め定められた表示段階まで一方向に遷移させ、前記当り判定手段による判定結果が否定の場合、前記演出用操作手段の操作に応じて前記表示画面の画像を表示段階までは一方向に遷移させないことを特徴とする。