[第1の実施形態]
以下、本発明をパチンコ遊技機に具体化した第1の実施形態について図1〜図15を参照して説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する演出実行手段としての演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11には、複数の図柄列(本実施形態では3列)を変動表示させて行う図柄変動ゲーム(以下、「変動ゲーム」と示す)を含み、該変動ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される。なお、演出表示装置11の変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄、以下、「飾図」と示す)を用いて行われる。
また、演出表示装置11の右下には、7セグメント型の特別図柄表示装置12が配設されている。特別図柄表示装置12では、特別図柄(以下、「特図」と示す)を変動させて表示する変動ゲームが行われる。特図は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。本実施形態において、変動ゲームは、特別図柄表示装置12において、特図の変動表示が開始されてから確定停止表示される迄を1回として実行される。
本実施形態において特別図柄表示装置12には、複数種類(本実施形態では、101種類)の特図の中から、大当り抽選の抽選結果に対応する1つの特図が選択され、その選択された特図が変動ゲームの終了によって個別に確定停止表示される。101種類の特図は、大当りを認識し得る図柄となる100種類の大当り図柄(大当り表示結果)と、はずれを認識し得る図柄となる1種類のはずれ図柄(はずれ表示結果)とに分類される。また、大当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。
また、本実施形態において演出表示装置11には、複数の図柄列毎に[1]〜[7]の7種類の数字が飾図として表示されるようになっている。そして、本実施形態において演出表示装置11は、特別図柄表示装置12に比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾図は特図に比較して遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、演出表示装置11に確定停止表示された図柄から大当り又ははずれを認識し得る。
そして、演出表示装置11には、特別図柄表示装置12の表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特別図柄表示装置12に大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。本実施形態において、飾図による大当り図柄としては、全列の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせである(例えば、[222][777]など)。
また、特別図柄表示装置12にはずれ図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。本実施形態において、飾図によるはずれ図柄としては、全列の図柄が異なる図柄となる図柄組み合わせ(例えば、[135][246]など)、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる図柄となる図柄組み合わせである(例えば、[151][767]など)。
また、演出表示装置11では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に図柄の変動表示が停止するようになっており、特定の2列(本実施形態では左右の2列)に同一の図柄が一旦停止表示された場合、リーチ状態が形成される。ここで、一旦停止表示とは、画像表示部GHにおいてゆれ変動状態で表示されている状態であり、画像表示部GHにおいて図柄が確定停止している確定停止表示とは区別される。本実施形態では、複数の図柄列のうち左列が第1停止列、右列が第2停止列(直前停止列)、中列が第3停止列(最終停止列)となり、左列及び右列(以降、「左右列」と称する)がリーチ状態を形成するリーチ形成列となる。
特別図柄表示装置12の下方には、複数個(本実施形態では2個)の特図保留発光部を備えた特別図柄保留表示装置13が配設されている。特別図柄保留表示装置13は、機内部で記憶した変動ゲームにおける特図用の始動保留球の記憶数を遊技者に報知する。なお、以下、変動ゲームにおける特図用の始動保留球の記憶数を「保留記憶数」と示す。保留記憶数は、遊技盤10に配設した始動手段としての始動入賞口14に遊技球が入賞することで「1」加算される一方で、変動ゲームの開始により「1」減算される。したがって、変動ゲーム中に始動入賞口14へ遊技球が入賞すると、保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では「4」)まで累積される。
また、特別図柄保留表示装置13の下方には、普通図柄表示装置20が配設されている。普通図柄表示装置20では、複数種類の普通図柄を変動させて表示する普通図柄変動ゲームが行われる。普通図柄は、普通当りか否かの内部抽選(普通当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。なお、以下、普通図柄を「普図」と示し、普通図柄ゲームを「普図ゲーム」と示す。また、この普図ゲームにおいても変動ゲームと同じように、遊技盤10に配設した作動ゲート19に遊技球が通過(入球)することで普図用の始動保留球(普図始動保留球)が記憶される。この普図始動保留球の記憶数(普図保留記憶数)は、作動ゲート19への遊技球の通過により、所定の上限数(本実施形態では「4」)を上限として「1」加算される一方で、普図ゲームの開始により「1」減算される。なお、本実施形態において、変動ゲームと普図ゲームとは同時に実行可能である。
演出表示装置11の下方には、遊技球の入賞口14aを有する始動入賞口14が配設されている。始動入賞口14の奥方には入賞した遊技球を検知する始動口スイッチSW1(図3に示す)が配設されている。始動入賞口14は、入賞した遊技球を始動口スイッチSW1で検知することにより、変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
また、始動入賞口14は普通電動役物とされ、普通電動役物ソレノイドSOL1(図3に示す)の作動により開閉動作を行う開閉手段としての開閉羽根16を備えている。始動入賞口14は、開閉羽根16の開動作により入口が拡大されて遊技球が入賞(入球)し易い開状態(第1状態)とされる一方で、開閉羽根16の閉動作により入口が拡大されずに遊技球が入賞し難い閉状態(第2状態)とされる。
また、演出表示装置11の左方には、作動ゲート19が配設されている。作動ゲート19の奥方には、通過した遊技球を検知するゲートスイッチSW4(図3に示す)が配設されている。作動ゲート19は、通過した遊技球をゲートスイッチSW4で検知することにより、普図ゲームの始動条件を付与し得る。普図ゲームは、始動入賞口14の開閉羽根16を開状態とするか否かの抽選結果を導出するために行われる演出である。即ち、普通当り抽選に当選すると、開閉羽根16の開放によって始動入賞口14に遊技球を入賞させ易くなり、遊技者は、変動ゲームの始動条件と賞球を容易に獲得できる機会を得ることができる。
また、始動入賞口14の下方には、大入賞口ソレノイドSOL2(図3に示す)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉17を備えた大入賞口18が配設されている。大入賞口18の奥方には、入賞した遊技球を検知するカウントスイッチSW3(図3に示す)が配設されている。大入賞口18は、入賞した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(例えば、9個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口18は、大当り遊技中に大入賞口扉17の開動作によって開放されることで遊技球の入賞が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。
この大当り遊技は、大当り抽選で大当りに当選し、特別図柄表示装置12の変動ゲームで大当り図柄が確定停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出の終了後には、大入賞口18が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口18の開閉が所定回数行われる迄であり、1回のラウンド遊技中に大入賞口18に、規定個数(入賞上限個数)の遊技球が入賞する迄の間、又は規定時間(ラウンド遊技時間)が経過するまでの間、開放される。ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、規定ラウンド数のラウンド遊技が終了すると、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り遊技の終了後に、遊技者に有利な確変状態が付与される場合がある。確変状態は、確定停止表示された大当り図柄(特図)の種類が予め定めた確変図柄であることを条件として付与される。この確変状態では、大当り遊技終了後に大当り抽選の抽選確率(当選確率)が低確率(本実施形態では、3/935)から高確率(本実施形態では、30/935)に変動する。本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。
また、確変状態は、確変大当りとなった場合、大当り遊技終了後、次回の大当りが生起されるまでの間、付与される。このように、確変状態は、大当り抽選の抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、遊技者にとって有利であり、遊技者は、確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
また、大当り遊技の終了後には、変動短縮状態(以下、「変短状態」と示す)が付与される場合がある。この変短状態では、変短状態が付与されていないとき(非変短状態)と比べて、はずれ表示結果が確定停止表示される変動ゲームの変動時間が短縮される場合がある。また、変短状態では、開閉羽根16を開動作させるか否かの抽選結果を導出する普図ゲームの変動時間が、非変短状態と比べて短縮される。また、変短状態では、普図ゲームの普通当り抽選の抽選確率(当選確率)が低確率(通常状態、本実施形態では、10/251)から高確率(本実施形態では、250/251)に変動する。また、変短状態では、普通当り抽選に当選した際、変短状態が付与されていない場合とは異なる動作パターンで開閉羽根16が開閉動作するようになっている。なお、本実施形態において、変短状態が付与されていないとき(非変短状態時)に普通当り抽選に当選する場合には、開閉羽根16が1回開放し、開放してから300ms経過するまで開放状態を維持するようになっている。その一方で、変短状態時に普通当り抽選に当選する場合には、開閉羽根16が3回開放するとともに、1回の開放において開放してから1800msが経過するまで開放状態を維持するようになっている。つまり、開閉羽根16は、変短状態時には、非変短状態と比較して、1回の普通当りに対応する合計開放時間が長く、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。
なお、普通当りとなった場合に開閉羽根16が開放されるが、閉鎖する前であっても、入賞上限個数(例えば、10球)の遊技球が入賞したときには、開閉羽根16は閉鎖するようになっている。同様に、所定回数開放していなくても、入賞上限個数の遊技球が入賞したときには、開閉羽根16は閉鎖するようになっている。また、変短状態は、大当り遊技の種類に応じて、予め定めた回数(本実施形態では、40回)の変動ゲームが行われるまでの間又は、次回の大当り遊技が付与されるまでの間、付与される。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機に規定する大当り遊技について図2を参照して以下に説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り抽選に当選した場合、図2に示す3種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与されるようになっている。そして、3種類の大当り遊技のうち、何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り抽選に当選した場合に決定する特図(大当り図柄)に応じて決定されるようになっている。本実施形態において特別図柄表示装置12に確定停止表示される100種類の特図の大当り図柄は、図2に示すように、特図毎に分類される。
そして、図柄Aには特別図柄表示装置12に確定停止表示される大当り図柄のうち50種類の大当り図柄が振り分けられている。同様に、図柄Bには特別図柄表示装置12に確定停止表示される大当り図柄のうち30種類の大当り図柄が振り分けられている。図柄Cには特別図柄表示装置12に確定停止表示される大当り図柄のうち20種類の大当り図柄が振り分けられている。
大当り図柄が特別図柄表示装置12に確定停止表示されたときに付与される大当り遊技は、9ラウンド大当り遊技であり、規定ラウンド数が「9回」に設定される。この大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入賞上限個数が「9球」に設定されている。また、大当り遊技では、オープニング時間として「10(秒)」が、エンディング時間として「13(秒)」がそれぞれ設定されている。大当り遊技では、各ラウンド遊技における大入賞口18の開放回数として「1回」が、各ラウンド遊技時間として「25(秒)」がそれぞれ設定されている。なお、図2には図示しないが、大当り遊技における各ラウンド間のインターバル時間(ラウンド間インターバル)は、「2.0(秒)」にそれぞれ設定されている。
なお、図柄Aに分類される大当り図柄が特別図柄表示装置12に確定停止表示されたときに付与される大当り遊技を、「9R特別確変大当り遊技」と示す。また、図柄Bに分類される大当り図柄が特別図柄表示装置12に確定停止表示されたときに付与される大当り遊技を、「9R通常確変大当り遊技」と示す。また、図柄Cに分類される大当り図柄が特別図柄表示装置12に確定停止表示されたときに付与される大当り遊技を、「9R非確変大当り遊技」と示す。
また、9R特別確変大当り遊技、9R通常確変大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技の終了後に確変状態が付与されるようになっている。その一方で、9R非確変大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技の終了後に確変状態が付与されないようになっている。
また、9R特別確変大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技の終了後に、次回の大当り遊技が付与されるまで(「次回まで」と示す)変短状態が付与されるようになっている。その一方で、9R通常確変大当り遊技、9R非確変大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技の終了後に40回の変動ゲームが終了するまでを上限回数として変短状態が付与されるようになっている。
このように、本実施形態では、9R通常確変大当り遊技、又は9R非確変大当り遊技が決定された場合、同じ上限回数(40回)で変短状態が付与される。よって、変短状態の上限回数から、9R通常確変大当り遊技、及び9R非確変大当り遊技の何れが付与されたかを特定することができないようになっており、予め定められた回数の変動ゲームで変短状態が終了したときには、該変短状態の終了からは確変状態が付与されているか否かが特定できないようになっている。
その一方で、9R特別確変大当り遊技が決定された場合、予め定められた回数(40回)ではなく、次回の大当り遊技が付与されるまでの間、変短状態が付与される。よって、変短状態の上限回数から、予め定められた回数の変動ゲームが終了するまでは、9R特別確変大当り遊技、9R通常確変大当り遊技、又は9R非確変大当り遊技の何れが付与されたかを特定することができないようになっている。また、変短状態の上限回数から、予め定められた回数の変動ゲームが終了しても変短状態が継続されることではじめて、9R特別確変大当り遊技が付与されたことを特定することができるようになっており、該変短状態の終了から確変状態が付与されていることが特定できるようになっている。
次に、パチンコ遊技機の制御構成について図3を参照して説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機の機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30が配設されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、統括制御基板31と、表示制御基板32と、が配設されている。統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、表示制御基板32を制御する。表示制御基板32は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、演出表示装置11の表示態様(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの表示画像など)を制御する。
ここで、主制御基板30、統括制御基板31及び表示制御基板32の具体的構成について以下に説明する。
まず、主制御基板30について図3を参照して以下に説明する。
主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aのメイン制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1,SW3,SW4が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、特別図柄表示装置12、特別図柄保留表示装置13、普通図柄表示装置20、普通電動役物ソレノイドSOL1、及び大入賞口ソレノイドSOL2が接続されている。
また、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数、特図振分乱数、リーチ判定用乱数、及び変動パターン振分用乱数の値などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。当り判定用乱数は、大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。特図振分乱数は、大当り図柄となる特図の決定で用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選で大当りに当選しなかった場合、すなわちはずれの場合にリーチを形成するか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動ゲームにおける変動パターンを決定するための乱数である。なお、本実施形態において、リーチ判定用乱数、変動パターン振分用乱数が、図柄変動ゲームの変動内容を決定するための変動内容決定用乱数として機能する。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。例えば、主制御用RAM30cには、普図ゲームにおいて普通当りとなるか否かを判定する場合に用いる普通当り判定用乱数が記憶されている。
主制御用ROM30bには、メイン制御プログラム、各種の判定値(大当り判定値、及びリーチ判定値など)が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る数値(0〜952までの全953通りの整数)の中から定められている。本実施形態では、非確変状態では大当り判定値として3個の値が設定されており、大当り抽選で当選する確率は953分の3となり、その一方で、確変状態では大当り判定値として30個の値が設定されており、大当り抽選で当選する確率は953分の30となる。また、リーチ判定値は、はずれを決定する場合にリーチを形成するか否かの内部抽選(リーチ判定)で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜240までの全241通りの整数)の中から定められている。
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機におけるリーチ判定値について図4を参照して以下に説明する。
本実施形態において、リーチ判定値は、遊技状態と減算後の保留記憶数とによって異なる。具体的には、図4に示すように、非確変状態、非変短状態では、リーチ判定値として、減算後の保留記憶数が「0」又は「1」であるときには、「0」〜「33」が規定されている(リーチ確率34/241)。同じように、リーチ判定値として、減算後の保留記憶数が「2」であるときには、「0」〜「18」が(リーチ確率19/241)、減算後の保留記憶数が「3」であるときには、「0」〜「4」が(リーチ確率5/241)、それぞれ規定されている。なお、この状態において、保留記憶数に拘わらずリーチ状態が形成されるリーチ判定値(「0」〜「4」)を共通リーチ判定値と示し、保留記憶数によってはリーチ状態が形成されるか否かが異なるリーチ判定値(「5」〜「33」)を非共通リーチ判定値と示す。
また、確変状態、非変短状態では、減算後の保留記憶数が「0」又は「1」であるときには、リーチ確率が38/241、減算後の保留記憶数が「2」であるときには、リーチ確率が23/241、減算後の保留記憶数が「3」であるときには、リーチ確率が3/241となる。また、非確変状態、変短状態では、減算後の保留記憶数に拘わらず、リーチ確率が10/241となり、確変状態、変短状態では、減算後の保留記憶数に拘わらず、リーチ確率が7/241となる。
また、主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、変動ゲームが開始してから変動ゲームが終了するまでの間の演出(遊技演出)のベースとなるパターンであって、変動ゲームの変動内容(演出内容)及び変動時間(演出時間)を特定し得る。本実施形態において、複数種類の変動パターンは、大当り変動用の変動パターン、はずれリーチ変動用の変動パターン、及びはずれ変動用の変動パターンに分類できる。大当り変動は、大当り遊技が付与されると決定された場合に行われる変動であり、演出表示装置11では、リーチ演出を経て、変動ゲームが最終的に大当り図柄を確定停止表示させるように展開される演出が実行される。はずれリーチ変動は、大当り遊技が付与されないと決定された場合に行われる変動であり、演出表示装置11では、リーチ演出を経て、変動ゲームが最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出が実行される。はずれ変動は、大当り遊技が付与されないと決定された場合に行われる変動であり、演出表示装置11では、リーチ演出を経ないで、変動ゲームが最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出が実行される。
なお、本実施形態では、9R特別確変大当り遊技、9R通常確変大当り遊技、又は9R非確変大当り遊技が決定された場合に同じ大当り変動用の変動パターンを決定する。よって、変動ゲームの演出内容から、9R特別確変大当り遊技、9R通常確変大当り遊技、及び9R非確変大当り遊技の何れが付与されたかを特定することができないようになっている。
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機における変動パターンについて図5を参照して以下に説明する。
本実施形態では、図5に示すように、変動パターンとして、それぞれ異なる変動時間の変動パターンP01,P02,P11〜P13,P21〜P23が設定されている。具体的に、変動時間としては、変動パターンP11が23.2(秒)に、変動パターンP22が49.6(秒)に、それぞれ規定されている。
これら変動パターンP01,P02,P11〜P13,P21〜P23は、付与される大当り遊技の種類や、はずれとなる場合においてリーチ演出を実行するか否かによって選択される。具体的には、変動パターンP11〜P13が大当り変動用の変動パターンとして規定されている。また、変動パターンP21〜P23がはずれリーチ変動用の変動パターンとして規定されている。また、変動パターンP01,P02がはずれ変動用の変動パターンとして規定されている。
そして、ノーマルリーチ(以下、「NR」と示す)演出を実行する変動パターンとして、変動パターンP11,P21が規定されている。また、ロングリーチ(以下、「LR」と示す)演出を実行する変動パターンとして、変動パターンP12,P22が規定されている。また、スーパーリーチ(以下、「SR」と示す)演出を実行する変動パターンとして、変動パターンP13,P23が規定されている。また、変動パターンP01,P02は、リーチ演出を実行しない通常変動となる変動パターンであり、特に、変動パターンP02は、保留記憶数が多い場合や変短状態時に、変動ゲームの変動時間を短縮する場合に選択される。
また、このようなリーチ演出では、その種類により大当り期待度が異なる。この大当り期待度とは、大当り遊技が付与される場合の出現率と大当り遊技が付与されない場合の出現率を合算した全体出現率に対し、大当り遊技が付与される場合の出現率の割合を示すものである。具体的には、NR演出が実行される場合、大当り期待度が低となり、LR演出が実行される場合、大当り期待度が中となり、SR演出が実行される場合、大当り期待度が高となる。なお、はずれ変動用の変動パターンが選択された場合、リーチ演出が実行されず、大当り遊技が付与されることがないため、大当り期待度が最低となる。
次に、統括制御基板31について図3を参照して以下に説明する。
統括制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する統括制御用CPU31aと、統括制御用CPU31aの統括制御プログラムを格納する統括制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM31cが設けられている。統括制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。また、統括制御用CPU31aには、表示制御基板32が接続されている。統括制御用CPU31aは、各種制御コマンドを入力すると、統括制御プログラムに基づいて各種制御を実行する。
次に、表示制御基板32について図3を参照して以下に説明する。
表示制御基板32には、表示制御動作を所定の手順で実行する表示制御用CPU32aと、表示制御用CPU32aの表示制御プログラムを格納する表示制御用ROM32bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる表示制御用RAM32cが設けられている。表示制御用ROM32bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。表示制御用RAM32cには、パチンコ遊技機の表示動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。また、表示制御用CPU32aには、演出表示装置11が接続されている。表示制御用CPU32aは、各種制御コマンドを入力すると、表示制御プログラムに基づいて各種制御を実行する。
次に、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づいて実行する特別図柄入力処理、特別図柄開始処理などの各種処理について以下に説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(本実施形態では、4ms)毎に各種処理を実行する。なお、本実施形態では、以下に説明する各種処理を実行する主制御用CPU30aが乱数取得手段、当り判定手段、変動内容決定手段として機能し、主制御用RAM30cが保留記憶手段として機能する。
まず、特別図柄入力処理について以下に説明する。
最初に、主制御用CPU30aは、始動口スイッチSW1から検知信号を入力しているか否かに基づいて、始動入賞口14に遊技球が入賞したか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が上限数の「4」未満であるか否かを判定する。保留記憶数が「4」未満である場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数を「1」加算する。保留記憶数を更新(「1」加算)した主制御用CPU30aは、更新後(加算後)の保留記憶数を表示するように特別図柄保留表示装置13の表示内容を制御する。次に、主制御用CPU30aは、各種乱数の値(本実施形態では当り判定用乱数の値など)を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を保留記憶数に対応する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。また、主制御用CPU30aは、保留記憶数を指定する保留指定コマンドを統括制御基板31に出力する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
次に、特別図柄開始処理について以下に説明する。
最初に、主制御用CPU30aは、変動ゲームの実行中、又は大当り遊技中か否かの実行条件を判定する。この判定結果が肯定(変動ゲーム中、又は大当り遊技中である)の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
その一方で、この判定結果が否定(変動ゲーム中ではなく、かつ大当り遊技中ではない)の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する保留判定処理を実行する。保留記憶数が「1」以上の場合、保留記憶数を「1」減算し、更新後(減算後)の保留記憶数を表示するように特別図柄保留表示装置13の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、保留記憶数を指定する保留指定コマンドを統括制御基板31に出力する。そして、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている当り判定用乱数の値を読み出す。
続いて、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられた当り判定用乱数の値と大当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの大当り判定をする。なお、本実施形態において、主制御用CPU30aは、変動ゲームの大当り確率を、非確変状態では低確率(本実施形態では、3/935)で、確変状態では高確率(本実施形態では、30/935)で大当り判定を行うこととなる。
この大当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、大当りとなる変動ゲームであることを示す大当りフラグに「1」を設定し、大当り変動となる変動ゲームを実行させるための大当り変動処理を実行する。大当り変動処理において主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられた特図振分乱数の値を主制御用RAM30cから読み出し、該特図振分乱数の値に基づいて、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特図(最終停止図柄)として大当り図柄を決定する。続いて、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられた変動パターン振分用乱数の値に基づいて、大当り変動用の変動パターンの中から何れかを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
その一方で、上記大当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数の値が大当りとなる値ではないことからはずれを特定する。このため、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられたリーチ判定用乱数の値を読み出すとともに、リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値を比較し、両値が一致するか否かのリーチ判定を行う。なお、リーチ判定値として、確変状態や変短状態が付与されているか否か、減算後の保留記憶数によって異なる値が定められており、リーチ演出を実行させるか否かを決定する確率が異なる場合がある。
このリーチ判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ判定に当選したことから、はずれリーチ変動となる変動ゲームを実行させるためのリーチ変動処理を実行する。リーチ変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特図としてはずれ図柄を決定するとともに、保留記憶数に対応付けられた変動パターン振分用乱数の値に基づいて、はずれリーチ変動用の変動パターンの中から何れかを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
その一方で、リーチ判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ判定に当選しなかったことから、作動フラグから値を読み出し、該値に基づいて、はずれ変動となる変動ゲームを実行させるためのはずれ変動処理を実行する。はずれ変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特図としてはずれ図柄を決定する。続いて、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられた変動パターン振分用乱数の値に基づいて、はずれ変動用の変動パターンの中から何れかを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
その後、特別図柄開始処理とは別の処理において、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理において決定した決定事項にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで統括制御基板31(統括制御用CPU31a)に出力する。具体的に、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU30aは、特図を指定する特図用の特図指定コマンドを変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。また、主制御用CPU30aは、特図の確定停止表示に際して全図柄停止コマンドを統括制御基板31に出力する。
このように、主制御用CPU30aは、大当りを決定した場合、決定した変動パターンに基づく変動ゲームの終了後、最終停止図柄に基づいて特定された種類の大当り遊技の制御を開始し、統括制御基板31の統括制御用CPU31aに対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。主制御用CPU30aは、変動ゲームが終了すると、オープニングコマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、ラウンドの開始毎にラウンドコマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、大入賞口18を開放させるときに、開放信号を出力し、大入賞口18を閉鎖させるときに、閉鎖信号を出力する。また、主制御用CPU30aは、最後のラウンドのラウンド遊技が終了すると、インターバル時間の経過後にエンディングコマンドを出力する。そして、主制御用CPU30aは、エンディング時間の経過後、大当りフラグに「0」を設定し(クリアし)、大当り遊技を終了させる。
また、主制御用CPU30aは、大当り遊技の種類に拘わらず、大当り遊技の開始時に、確変フラグ、作動フラグ、及び作動回数をクリアする(「0」を設定する)。この作動回数は、変短状態が付与された回数を計数するためのカウンタである。
また、主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後に、確変状態を付与する場合には、確変フラグに「1」を設定する一方、確変状態を付与しない場合には、確変フラグに「0」を設定する。そして、主制御用CPU30aは、確変フラグに対応する確変指定コマンドを統括制御基板31に出力する。確変指定コマンドは、確変状態が付与されているか否かを示すコマンドである。
また、主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後に、変短状態を付与する場合には、変短状態を付与することを示す作動フラグに「1」を設定する一方、変短状態を付与しない場合には、変短フラグに「0」を設定する。そして、主制御用CPU30aは、作動フラグに対応する変短指定コマンドを統括制御基板31に出力する。変短指定コマンドは、変短状態が付与されているか否かを示すコマンドである。
また、主制御用CPU30aは、予め定めた回数(本実施形態では、40回)を上限回数として変短状態が付与される場合には、その回数を示す値を作動回数として主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。また、主制御用CPU30aは、変動ゲームが実行される毎に作動回数を「1」減算し、値が「0」となると、作動フラグをクリアするとともに(「0」を設定する)、変短終了コマンドを統括制御基板31に出力する。この変短終了コマンドは、変短状態が終了した旨を示すコマンドである。
次に、普図ゲームに関する普通図柄入力処理について以下に説明する。
普通図柄入力処理において、主制御用CPU30aは、遊技球が作動ゲート19を通過したと判定した場合、主制御用RAM30cに記憶されている普図保留記憶数が上限数の「4」未満であるか否かを判定する。そして、その判定結果が肯定(普図保留記憶数<「4」)の場合、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数を「1」加算し、普図保留記憶数を書き換える。続いて、主制御用CPU30aは、普通当り判定用乱数の値を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を普図保留記憶数に対応付けられた主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定し、普通図柄入力処理を終了する。
次に、主制御用CPU30aは、以下のような処理を所定の制御周期(本実施形態では、4ms)毎に実行する。主制御用CPU30aは、まず、普図が変動表示中又は普通当り遊技中ではない場合において、読み出した普図保留記憶数が「0」よりも大きいときには、普図保留記憶数の数を「1」減算し、当該普図保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている普通当り判定用乱数の値を取得する。そして、主制御用CPU30aは、取得した普通当り判定用乱数の値が主制御用ROM30bに記憶されている普通当り判定値と一致するか否かを判定して普通当り判定を行い、判定結果に対応する普図を、普通図柄表示装置20にて確定停止表示される最終停止図柄として決定する。そして、主制御用CPU30aは、普図の変動表示を開始させるように普通図柄表示装置20の表示内容を制御するなど、普図ゲームに関する各種処理を実行する。
そして、主制御用CPU30aは、普通当りを決定した場合、普図ゲームの終了後、普通当り遊技に関する制御を実行する。また、主制御用CPU30aは、普図ゲームが開始したときに変短状態が付与されているか否かによって異なる開放態様にて、開閉羽根16を開放させるよう普通電動役物ソレノイドSOL1を制御する。
なお、本実施形態において、主制御用CPU30aは、普図ゲームの普通当り抽選の抽選確率を、非変短状態では低確率(本実施形態では、10/251)で、変短状態では高確率(本実施形態では、250/251)で普通当り判定を行うこととなる。また、主制御用CPU30aは、変短状態が付与されているか否かに応じた普図ゲームの変動パターンを選択し、決定する。これにより、主制御用CPU30aは、変短状態では、非変短状態よりも普図ゲームの変動時間を短くさせるよう制御するとともに、1回の普通当りに対応する合計開放時間を長く開放させるよう制御する。
次に、各種演出を含む変動ゲームを実行させるために統括制御用CPU31aが実行する制御内容について以下に説明する。
主制御用CPU30aから所定の制御コマンドを所定のタイミングで入力すると、統括制御用CPU31aは、統括制御プログラムに基づいて、入力した制御コマンドに応じた制御を行う。具体的には、統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板32に出力する。また、統括制御用CPU31aは、オープニングコマンド、ラウンドコマンド及びエンディングコマンドを入力すると、当該オープニングコマンド、ラウンドコマンド及びエンディングコマンドを表示制御基板32に出力する。また、統括制御用CPU31aは、確変指定コマンド、変短指定コマンド、及び変短終了コマンドを入力すると、当該コマンドに対応する値を統括制御用RAM31cに設定する。
また、統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特図指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターン及び当該特図指定コマンドにより指定された最終停止図柄に基づいて、演出表示装置11に表示させる飾図を決定する。そして、統括制御用CPU31aは、決定した飾図を指定する飾図柄指定コマンドを表示制御基板32に出力する。また、統括制御用CPU31aは、全図柄停止コマンドを入力すると、当該コマンドを表示制御基板32に出力する。
より詳しくは、統括制御用CPU31aは、大当り図柄の場合、飾図を大当り図柄の中から決定する。本実施形態では、大当り図柄として、特図が図柄Aである場合には、[111][333][555][777]の中から決定し、特図が図柄B,Cである場合には、[222][444][666]の中から決定する。
このように、本実施形態では、9R通常確変大当り遊技、又は9R非確変大当り遊技が決定された場合、大当り図柄の種類が同じとなる。このため、大当り図柄から、9R通常確変大当り遊技、及び9R非確変大当り遊技の何れが付与されたかを特定することができないようになっている。
次に、表示制御基板32の表示制御用CPU32aが表示制御プログラムに基づいて実行する各種処理について以下に説明する。
表示制御用CPU32aは、統括制御基板31(統括制御用CPU31a)から制御コマンドを入力すると、表示制御プログラムに基づいて、入力した制御コマンドに応じた制御を行う。具体的には、表示制御用CPU32aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンで飾図を変動表示させて変動ゲームを開始させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。そして、表示制御用CPU32aは、全図柄停止コマンドを入力すると、飾図柄指定コマンドで指定された飾図を確定停止表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。この制御により、演出表示装置11では変動ゲームが行われる。
次に、表示制御用CPU32aは、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。また、表示制御用CPU32aは、ラウンドコマンドを入力すると、各ラウンド演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。また、表示制御用CPU32aは、エンディングコマンドを入力すると、エンディング演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。
本実施形態では、先読み予告演出(予告演出)が実行される。先読み予告演出とは、該先読み予告演出の対象となる変動ゲームの実行が制御される前に、該変動ゲームの大当り期待度を示唆する演出である。また、本実施形態では、保留先読み予告演出(第1予告演出)、背景先読み予告演出(第2予告演出)の2種類の先読み予告演出がある。
保留先読み予告演出とは、保留記憶数を示す保留画像を、通常時における青色とは異なる緑色、赤色、虹色の表示態様で表示させることによって、その保留記憶数に対応する変動ゲームおける大当り期待度を示唆する演出である。なお、以下、このように大当り期待度を示唆する対象となる変動ゲームを、予告演出の実行の契機となることから、「予告契機図柄変動ゲーム」と示す。その一方で、背景先読み予告演出とは、保留画像などを用いることなく、背景となる画像を変更させる演出である。つまり、保留先読み予告演出は、大当り期待度を示唆する対象となる変動ゲームを報知する演出であるが、背景画像先読み予告演出は、予告契機図柄変動ゲームを報知しない演出である。また、これら2種類の先読み予告演出は、連続する複数回の変動ゲームを跨り実行可能な連続予告演出である。
このような連続予告演出について図6〜図8を参照して以下に説明する。
演出表示装置11の画像表示部GHでは、変動ゲームが開始されると、図6(a)に示すように、左列、中列、右列の全列において図柄(飾図)が変動表示される。この場合において、始動入賞口14に遊技球が入賞したときには、図6(b)に示すように、画像表示部GHには、保留記憶数を示す1つの保留画像H1が表示される。また、変動ゲーム中に、再度、始動入賞口14に遊技球が入賞した場合には、保留記憶数が「2」となり、図6(c)に示すように、2つの保留画像H1,H2が表示される。また、飾図が確定停止表示されて、変動ゲームが終了した後には、図6(d)に示すように、飾図の変動表示が開始され、次の変動ゲームが開始されるが、保留記憶数が「2」から「1」となるように1つの保留画像H1が表示される。
また、通常時の保留画像は青色で表示されるが、青色以外で保留画像が表示されることで、その保留画像に対応する変動ゲームにおける大当り期待度を示唆する保留先読み予告演出が実行されることがある。例えば、図7(a)に示すように、3つの保留画像H1〜H3が表示され、1つ目、2つ目の保留画像H1,H2が青色で表示され、3つ目の保留画像H3が青色以外で表示される。この場合、3つ目の保留画像H3は、3つ目の保留記憶数に対応する変動ゲームにおける大当り期待度を示唆しており、緑色、赤色、虹色の順で大当り期待度が高くなる。
そして、図7(b)に示すように変動ゲームが終了した後に、次の変動ゲームが開始されると、図7(c)に示すように、2つの保留画像H1,H2が表示され、2つ目の保留画像H2が青色以外で表示される。これにより、2回目の保留先読み予告演出が実行される。続いて、図7(d)に示すように変動ゲームが終了した後に、次の変動ゲームが開始されると、図7(e)に示すように、1つの保留画像H1が表示され、1つ目の保留画像H1が青色以外で表示される。これにより、3回目の保留先読み予告演出が実行される。そして、図7(f)に示すように変動ゲームが終了した後に、次の変動ゲームが開始されると、図7(g)に示すように、保留画像が表示されず、図7(h)に示すように、大当りとなる場合がある。
また、本実施形態では、保留先読み予告演出以外にも、背景の画像を変化させる背景先読み予告演出が実行される場合がある。例えば、図8(a)に示すように、変動ゲームが開始されると、背景が点滅する警告画像を表示する特殊演出が実行される。なお、この警告画像は、保留記憶数に拘わらず同じように表示されるため、何れの変動ゲームが予告契機図柄変動ゲームであるかは特定し難い。そして、図8(b)に示すように変動ゲームが終了した後に、次の変動ゲームが開始されると、図8(c)に示すように、2回目の警告画像が表示される。続いて、図8(d)に示すように変動ゲームが終了した後に、次の変動ゲームが開始されると、図8(e)に示すように、3回目の警告画像が表示され、図8(f)に示すように、大当りとなる場合がある。なお、この特殊演出は、大当り期待度が高い特殊の変動パターンが決定された場合にも同じように実行されることがある。
ここで、主制御用CPU30aによって実行される事前判定処理について図9を参照して以下に説明する。この事前判定処理は、始動入賞口14への入賞に伴って取得された各種の乱数を、該入賞に対応する変動ゲームの実行よりも前に(事前に)判定する処理である。主制御用CPU30aは、本処理を所定周期毎に実行するようになっている。
最初に、主制御用CPU30aは、図9に示すように、始動入賞口14へ遊技球が入賞検知されたか否かを判定する(ステップS101)。この判定結果が否定の場合(遊技球が入賞検知されていない)、主制御用CPU30aは、事前判定処理を終了する。その一方で、ステップS101の判定結果が肯定の場合(遊技球が入賞検知された)、変動ゲーム中であるか否かを判定する(ステップS102)。主制御用CPU30aは、ステップS102の判定結果が肯定の場合(変動ゲーム中である)、ステップS103に移行する。その一方で、主制御用CPU30aは、ステップS102の判定結果が否定の場合(変動ゲーム中ではない)、大当り遊技中である、又は、始動保留球が記憶されておらず、変動ゲームが実行されていないと判定し、事前判定処理を終了する。このように、主制御用CPU30aは、大当り遊技中や、始動保留球が記憶されていない場合には、先読みコマンドを出力せずに、先読み予告演出を実行させないように制御することとなる。
ステップS103において、主制御用CPU30aは、現在の遊技状態として変短状態が付与されているか否かを判定する。ステップS103の判定結果が肯定の場合(変短状態が付与されている)、主制御用CPU30aは、事前判定処理を終了する。このように、主制御用CPU30aは、変動ゲームにおいて変短状態が付与されている場合には、先読みコマンドを出力せずに、先読み予告演出を実行させないように制御することとなる。
その一方で、ステップS103の判定結果が否定の場合(変短状態が付与されていない)、主制御用CPU30aは、現在の遊技状態における大当り判定値を取得したか否かを判定する(ステップS104)。この処理において、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理において主制御用RAM30cに記憶された当り判定用乱数の値が、現在の遊技状態における大当り判定値と一致するか否かによって、大当り判定値を取得したか否かを判定する。ステップS105の判定結果が肯定の場合(大当り判定値を取得した)、主制御用CPU30aは、ステップS105に移行する。その一方で、ステップS104の判定結果が否定の場合(大当り判定値を取得していない)、主制御用CPU30aは、ステップS107に移行する。
ステップS105において、主制御用CPU30aは、複数の大当り先読みコマンドD3H01H〜D3H04Hから、保留記憶数に対応する大当り先読みコマンドを決定し、主制御用RAM30cに記憶する。そして、主制御用CPU30aは、複数の図柄先読みコマンドD6H00H〜D6H63Hから、特別図柄入力処理において主制御用RAM30cに記憶された特図振分乱数の値に対応する図柄先読みコマンドを決定し、主制御用RAM30cに記憶し(ステップS106)、事前判定処理を終了する。
大当り先読みコマンドD3H01H〜D3H04Hは、図10(a)に示すように、変動ゲームにおいて大当りとなることと、大当りとなる保留記憶数とを示すコマンドである。具体的には、大当り先読みコマンドD3H01Hは、保留記憶数が「1」である変動ゲームが大当りとなることを示す。また、大当り先読みコマンドは、図柄先読みコマンドと共に出力される。
また、図柄先読みコマンドD6H00H〜D6H63Hは、図10(b)に示すように、特図振分乱数の値に対応しており、特図の種類を示すコマンドである。また、特図の種類を示すことで大当り遊技の種類を示すこともできる。具体的には、図柄先読みコマンドD6H00Hは、変動ゲームにおいて、図柄Aが確定停止表示され、9R特別確変大当り遊技が付与されることを示す。
その後、事前判定処理とは別の処理で、主制御用CPU30aは、ステップS105において決定した大当り先読みコマンドと、ステップS106において決定した図柄先読みコマンドとを1の先読みコマンドとして統括制御基板31に出力する。これによって、主制御用CPU30aは、未だ実行されていない保留中の変動ゲームのうち、入賞時において取得された各種乱数の値に基づく判定の対象となった変動ゲームの保留記憶数と、その変動ゲームにおいて大当りとなるか否かと、特図の種類(大当り遊技の種類)とを指定する先読みコマンドを統括制御基板31に出力する。なお、先読みコマンドは、上述した保留指定コマンドとともに統括制御基板31に出力されることとなる。
図9のステップS107において、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理において主制御用RAM30cに記憶されたリーチ判定用乱数の値に基づいて、現在の遊技状態における共通リーチ判定値を取得したか否かを判定する。ステップS107の判定結果が肯定の場合(共通リーチ判定値を取得した)、主制御用CPU30aは、ステップS108に移行する。その一方で、ステップS107の判定結果が否定の場合(共通リーチ判定値を取得していない)、主制御用CPU30aは、ステップS109に移行する。
ステップS108において、主制御用CPU30aは、複数のはずれ先読みコマンドD5H01H〜D5H04H、D4H01H〜D4H04H、D9H01H〜D9H04Hから、変動パターン振分用乱数に対応するはずれ先読みコマンドを決定し、事前判定処理を終了する。
このはずれ先読みコマンドD5H01H〜D5H04H、D4H01H〜D4H04H、D9H01H〜D9H04Hは、変動ゲームの開始時における保留記憶数に拘わらずリーチ演出が実行されるコマンドである。また、はずれ先読みコマンドD5H01H〜D5H04H、D4H01H〜D4H04H、D9H01H〜D9H04Hは、図10(c)に示すように、特別図柄入力処理において主制御用RAM30cに記憶された変動パターン振分用乱数の値及び保留記憶数に対応する。なお、変動パターン振分用乱数の値によって、リーチ演出の種類が認識可能である。このリーチ演出の種類としては、NR演出、LR演出、SR演出に区分けされる。また、これらリーチ演出の種類は、NR演出、LR演出、SR演出の順番で大当り期待度が高くなっている。
このリーチ演出の種類は、図11に示すように、現在の遊技状態によって選択確率が異なる。非確変状態、非変短状態では、変動パターン振分用乱数が「0」〜「183」であるとNR演出が、「184」〜「245」であるとLR演出が、「246」〜「250」であるとSR演出が選択されることとなる。その一方で、確変状態、非変短状態では、変動パターン振分用乱数が「0」〜「159」であるとNR演出が、「160」〜「241」であるとLR演出が、「242」〜「250」であるとSR演出が選択されることとなる。
図9のステップS109において、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理において主制御用RAM30cに記憶されたリーチ判定用乱数の値に基づいて、現在の遊技状態における非共通リーチ判定値を取得したか否かを判定する。ステップS109の判定結果が肯定の場合(非共通リーチ判定値を取得した)、主制御用CPU30aは、ステップS110に移行する。一方、ステップS109の判定結果が否定の場合(非共通リーチ判定値を取得していない)、主制御用CPU30aは、事前判定処理を終了する。
ステップS110において、主制御用CPU30aは、複数のはずれ先読みコマンドD7H01H〜D7H04Hからはずれ先読みコマンドを決定し、事前判定処理を終了する。なお、この処理において、主制御用CPU30aは、変動パターン振分用乱数に拘わらず、保留記憶数に対応するはずれ先読みコマンドを決定することとなる。
このはずれ先読みコマンドD7H01H〜D7H04Hは、変動ゲームの開始時における保留記憶数によってリーチ演出が実行される場合があるコマンドである。このリーチ演出の種類としては、実行される場合、NR演出、LR演出、SR演出の何れかである(図10及び図11では「XR」と示す)。はずれ先読みコマンドD7H01H〜D7H04Hは、図10(c)に示すように、変動パターン振分用乱数に拘わらず、保留記憶数に対応する。具体的には、図11に示すように、非確変状態、非変短状態では、非共通リーチ判定値「5」〜「33」である場合、確変状態、非変短状態では、非共通リーチ判定値「3」〜「37」である場合に、XR演出が選択されることとなる。
その後、事前判定処理とは別の処理で、主制御用CPU30aは、ステップS108,S110において決定したはずれ先読みコマンドを1の先読みコマンドとして統括制御基板31に出力する。これによって、主制御用CPU30aは、保留中の変動ゲームのうち、入賞時において取得された各種乱数の値に基づく判定の対象となった変動ゲームの保留記憶数と、その変動ゲームにおけるはずれとなる変動パターンを指定する先読みコマンドを統括制御基板31に出力することとなる。なお、先読みコマンドは、上述した保留指定コマンドとともに統括制御基板31に出力されることとなる。
一方、統括制御用CPU31aは、先読みコマンドを入力した場合、その先読みコマンドにより特定される保留記憶数に対応させて、先読みコマンドを統括制御用RAM31cの所定領域に記憶する。また、統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドの入力毎に、保留記憶数を「1」減少させた始動保留球に対応して先読みコマンドを設定する。
ここで、統括制御用CPU31aによって実行される保留記憶数制御処理について図12を参照して以下に説明する。この保留記憶数制御処理は、保留指定コマンドや先読みコマンドの入力に伴い、保留画像の表示制御を行うための処理である。統括制御用CPU31aは、保留記憶数制御処理を所定周期毎に実行するようになっている。なお、本実施形態では、以下に説明する各種処理を実行する統括制御用CPU31aが演出制御手段として機能する。
まず、図12に示すように、統括制御用CPU31aは、保留指定コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS201)。この判定結果が否定の場合(保留指定コマンドを入力しない)、統括制御用CPU31aは、保留記憶数制御処理を終了する。一方、ステップS201の判定結果が肯定の場合(保留指定コマンドを入力した)、先読みコマンドを入力したか否かを判定する(ステップS202)。この判定結果が否定の場合(先読みコマンドを入力しない)、統括制御用CPU31aは、ステップS210に移行する。一方、ステップS202の判定結果が肯定の場合(先読みコマンドを入力した)、統括制御用CPU31aは、入力した保留指定コマンドに基づいて、保留記憶数が増加するか否かを判定する(ステップS203)。具体的には、統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cに記憶された現在の保留記憶数と、保留指定コマンドにより指定される保留記憶数とを比較して、保留記憶数が増加するか否かを判定することとなる。この判定結果が否定の場合(保留記憶数が増加する)、統括制御用CPU31aは、ステップS210に移行する。一方、ステップS203の判定結果が肯定の場合(保留記憶数が増加しない)、統括制御用CPU31aは、ステップS204に移行する。
ステップS210において、統括制御用CPU31aは、減算後の保留記憶数を示す保留画像の表示態様を決定し、保留記憶数制御処理を終了する。具体的な一例を挙げると、統括制御用CPU31aは、保留記憶数が「3」から「2」に減少する旨の保留指定コマンドを入力した場合には、保留記憶数「2」に対応する保留画像の表示態様を、減算後の保留記憶数「1」に対応させるように更新する。同じように、統括制御用CPU31aは、保留記憶数「3」に対応する保留画像の表示態様を、減算後の保留記憶数「2」に対応させるように、保留記憶数「3」に対応する保留画像の表示態様を、消去させる表示態様として、それぞれ更新する。
ステップS204において、統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cの所定領域に割り当てられた実行フラグから値を読み出し、その値に基づいて先読み予告演出が既に実行中であるか否かを判定する。これによって、統括制御用CPU31aは、先読み予告演出の重複実行を規制することとなる。なお、この実行フラグには、保留先読み予告演出が実行されている場合には「1」が、背景先読み予告演出が実行されている場合には「2」が、何れの先読み予告演出が実行されていない場合には「0」が、それぞれ設定される。ステップS204の判定結果が肯定の場合(先読み予告演出が既に実行中である)、統括制御用CPU31aは、ステップS205〜S208を実行することなく、入賞した保留記憶数を示す保留画像の表示態様を通常時(青色)として決定し(ステップS209)、保留記憶数制御処理を終了する。具体的な一例を挙げると、統括制御用CPU31aは、保留記憶数が「2」から「3」に増加する旨の保留指定コマンドを入力した場合には、保留記憶数を示す3つ目の保留画像を青色で表示させるように決定する。その一方で、ステップS204の判定結果が否定の場合(先読み予告演出が実行中ではない)、統括制御用CPU31aは、ステップS205に移行する。
ステップS205において、統括制御用CPU31aは、実行中の変動ゲームに対応する先読みコマンドに基づいて、実行中の変動ゲームが大当りとなるか否かを判定する。ステップS205の判定結果が肯定の場合(実行中の変動ゲームが大当りとなる)、統括制御用CPU31aは、ステップS206〜S208を実行することなく、入賞した保留記憶数を示す保留画像の表示態様を通常時(青色)として決定し(ステップS209)、保留記憶数制御処理を終了する。その一方で、ステップS205の判定結果が否定の場合(実行中の変動ゲームが大当りとならない)、統括制御用CPU31aは、ステップS206に移行する。
ステップS206において、統括制御用CPU31aは、入力した先読みコマンドが、保留記憶数が1以下の先読みコマンドであるか否かを判定する。ステップS206の判定結果が肯定の場合(保留記憶数が1以下の先読みコマンドである)、統括制御用CPU31aは、ステップS207,S208を実行することなく、入賞した保留記憶数を示す保留画像の表示態様を通常時(青色)として決定し(ステップS209)、保留記憶数制御処理を終了する。その一方で、ステップS206の判定結果が否定の場合(保留記憶数が1以下の先読みコマンドではない)、統括制御用CPU31aは、ステップS207に移行する。
ステップS207において、統括制御用CPU31aは、特定の保留記憶数で特定の変動パターンとなるか否かを判定する。なお、本実施形態において、特定の保留記憶数とは、保留記憶数が「1」である場合のみであり、特定の保留記憶数として実行が保留されている変動ゲームを「特定図柄変動ゲーム」と示す。また、特定の変動パターンとは、リーチ状態を形成する可能性のある変動パターンであり、大当り先読みコマンド、はずれ先読みコマンド(XR演出を含む)が対応付けられている変動パターンである。ステップS207の判定結果が肯定の場合(特定の保留記憶数で特定の変動パターンとなる)、統括制御用CPU31aは、ステップS208を実行することなく、入賞した保留記憶数を示す保留画像の表示態様を通常時(青色)として決定し(ステップS209)、保留記憶数制御処理を終了する。その一方で、ステップS207の判定結果が否定の場合(特定の保留記憶数で特定の変動パターンとならない)、統括制御用CPU31aは、ステップS208に移行する。
このように、統括制御用CPU31aは、入力した先読みコマンドによっては、ステップS208を実行させることなく、先読み予告演出の実行を規制することとなる。
具体的な一例について図14を参照して以下に説明する。なお、図14においては、実行中の変動ゲームを「0」、保留記憶数が「1」〜「4」である変動ゲームを「1」〜「4」とし、その変動ゲーム毎に対応して設定された先読みコマンドを示す。始動保留球が記憶されていない保留記憶数は横棒で示し、始動保留球が記憶されていない場合や先読みコマンドの種類に拘わらないことを「X」で示す。
図14(a)に示すように、保留記憶数が「0」であり、変動ゲームが実行されていない状態や、図14(b)に示すように、保留記憶数が「0」であり、変動ゲームが実行されている状態で、保留記憶数が「1」である先読みコマンドを入力したときには、統括制御用CPU31aは、先読み予告演出の実行を規制する。また、図14(c)に示すように、実行中の変動ゲームが大当りとなる場合には、他の保留記憶数に拘わらず、統括制御用CPU31aは、先読み予告演出の実行を規制する。
また、図14(d)に示すように、実行中の変動ゲームがはずれとなるが、保留記憶数が「1」である特定図柄変動ゲームにおける変動パターンがリーチ演出を含む場合には、他の保留記憶数に拘わらず、統括制御用CPU31aは、先読み予告演出の実行を規制する。なお、本実施形態では、図14(d)に示す場合では、保留記憶数によってリーチ演出が実行されるか否かが異なる場合も同じように、統括制御用CPU31aは、先読み予告演出の実行を規制することとなる。また、既に先読み予告演出が実行されている場合には、統括制御用CPU31aは、先読み予告演出の実行を規制する。
このように先読み予告演出の実行が規制されるが、図14(e)に示すように、保留記憶数が2以上の先読みコマンドであり、その時点において保留記憶数が1である変動ゲームの変動パターンがリーチ演出を含むものではない場合には、統括制御用CPU31aは、ステップS208に移行し、先読み予告演出を実行させるか否かを決定することとなる。また、この場合には、特定図柄変動ゲームではない非特定図柄変動ゲーム(本実施形態では、保留記憶数が「2」〜「4」)における変動パターンに拘わらず、統括制御用CPU31aは、先読み予告演出を実行可能に制御することとなる。
ステップS208において、統括制御用CPU31aは、先読み予告演出決定処理を実行する。この処理において、統括制御用CPU31aは、図13に示す先読み予告演出決定テーブルを参照し、入力した先読みコマンドに基づいて、先読み予告演出を実行させるか否か、実行させる場合にはその先読み予告演出の種類を決定する。そして、統括制御用CPU31aは、先読み予告演出を実行させると決定した場合には、先読み予告演出の種類を示す値を実行フラグに設定する。
ここで、ステップS208において参照される先読み予告演出決定テーブルについて図13を参照して以下に説明する。
先読み予告演出決定テーブルは、先読み予告演出を実行させるか否かと、実行させる場合には先読み予告演出の種類とを決定するためのテーブルであり、統括制御用ROM31bに記憶されている。先読み予告演出決定テーブルには、図13に示すように、先読みコマンドと、現在の遊技状態と、先読み予告演出の実行可否及び種類と、その実行可否及び種類を決定するための乱数とが対応付けられている。
先読みコマンドとしては、保留記憶数「2」〜「4」毎に、図柄Aで大当りとなる先読みコマンド、図柄B,Cで大当りとなる先読みコマンド、SR演出、LR演出ではずれとなる先読みコマンド、NR演出ではずれとなる先読みコマンドに分類されている。なお、XR演出ではずれとなる先読みコマンドは、変動ゲームの開始時における保留記憶数によってリーチ演出が実行されるか否かが異なるため、XR演出ではずれとなる先読みコマンドに基づいては、先読み予告演出が実行されない。また、先読みコマンドを入力しない変動ゲームでも先読み予告演出が実行されない。また、現在の遊技状態としては、変短状態が付与されていない場合に限り先読みコマンドが出力されることから、確変状態が付与されている場合と、付与されていない場合とに分類されている。また、先読み予告演出の実行可否及び種類としては、先読み予告演出を実行しない場合と、保留先読み予告演出のみを実行させる場合と、背景先読み予告演出のみを実行させる場合と、に分類されており、複数種類の先読み予告演出の重複実行は規制されている。
具体的な一例を挙げると、非確変状態において、保留記憶数が「2」、図柄Aで大当りとなる先読みコマンド(D3H02H、D6H00H)が入力されると、91/255の確率で保留先読み予告演出が実行され、9/255の確率で背景先読み予告演出が実行され、155/255の確率で先読み予告演出が実行されない。その一方で、確変状態において、保留記憶数が「3」、NR演出が実行されてはずれとなる先読みコマンド(D9H03H)が入力されると、1/255の確率で保留先読み予告演出が実行され、254/255の確率で先読み予告演出が実行されない。
このように、先読み予告演出決定テーブルが参照されることで、現在の遊技状態と、入力された先読みコマンドとに基づいて、先読み予告演出の実行可否及び種類が決定されることとなる。特に、大当りとなる場合には、保留記憶数が「2」である場合よりも保留記憶数が「3」である場合のほうが、先読み予告演出が実行され易く、保留記憶数が「3」である場合よりも保留記憶数が「4」である場合のほうが、先読み予告演出が実行され易い。その一方で、はずれとなる場合には、保留記憶数が「2」である場合よりも保留記憶数が「3」である場合のほうが、先読み予告演出が実行され難く、保留記憶数が「3」である場合よりも保留記憶数が「4」である場合のほうが、先読み予告演出が実行され難い。このため、先読み予告演出が実行される場合には、保留記憶数が多いほうが、大当り期待度が高くなり、言い換えると、先読み予告演出が連続して実行される変動ゲームの回数が多い場合には少ない場合よりも大当り期待度が高くなる。また、確変状態が付与されている場合には、確変状態が付与されていない場合よりも高い確率で先読み予告演出が実行される。
保留記憶数制御処理に戻り、ステップS208において、統括制御用CPU31aは、保留先読み予告演出を実行させると決定した場合には、保留先読み予告演出において保留画像の表示態様を、通常時(青色)以外(緑色、赤色、虹色)から決定する。なお、統括制御用CPU31aは、先読みコマンドが大当りであるか否か、大当りである場合にはその特図の種類(大当りの種類)、はずれである場合にはその変動パターン(リーチ演出の種類)に基づいて決定する。そして、統括制御用CPU31aは、入力した先読みコマンドに対応し、保留先読み予告演出の契機となった変動ゲーム(予告契機図柄変動ゲーム)に対応して、保留画像の表示態様を示すデータを統括制御用RAM31cの所定領域に記憶する。具体的な一例を挙げると、保留記憶数が「3」である場合に、保留画像の表示態様が赤色になるように保留先読み予告演出を実行させると決定したときには、保留記憶数が「3」に対応する変動ゲームに、統括制御用CPU31aは、赤色の表示態様を示すデータを対応付けて記憶することとなる。そして、統括制御用CPU31aは、入賞した保留記憶数を示す保留画像の表示態様を、ステップS208において決定した表示態様として決定し(ステップS209)、保留記憶数制御処理を終了する。このように、統括制御用CPU31aは、実行が保留されている全ての変動ゲーム(予告契機図柄変動ゲームを含まない)において保留先読み予告演出を実行させる制御を行うこととなる。
その一方で、統括制御用CPU31aは、背景先読み予告演出を実行させると決定した場合には、次に実行される変動ゲームから、入力した先読みコマンドに対応する変動ゲームまでの全ての変動ゲームに対応して、背景先読み予告演出を実行させる旨のデータを統括制御用RAM31cの所定領域に記憶する。具体的な一例を挙げると、保留記憶数が「3」である場合に、背景先読み予告演出を実行させると決定したときには、保留記憶数が「1」〜「3」に対応する全ての変動ゲームに、統括制御用CPU31aは、背景先読み予告演出を実行させる旨のデータを対応付けて記憶することとなる。このように、統括制御用CPU31aは、実行が保留されている全ての変動ゲーム(予告契機図柄変動ゲームを含む)において保留先読み予告演出を実行させる制御を行うこととなる。そして、統括制御用CPU31aは、入賞した保留記憶数を示す保留画像の表示態様を通常時(青色)として決定し(ステップS209)、保留記憶数制御処理を終了する。
その後、保留記憶数制御処理とは別の処理で、統括制御用CPU31aは、ステップS209,S210において決定された保留画像を含み、全ての保留記憶数に対応する保留画像の表示態様を特定し、特定した全ての保留画像の表示態様を指定する保留画像指定コマンドを表示制御基板32に出力する。
ここで、統括制御用CPU31aによって実行される特殊演出制御処理について図15を参照して以下に説明する。この特殊演出制御処理は、大当り期待度を示唆する特殊演出の実行を制御するための処理である。統括制御用CPU31aは、特殊演出制御処理を変動パターン指定コマンド及び特図指定コマンドの入力に伴い実行するようになっている。なお、本実施形態では、以下に説明する各種処理を実行する統括制御用CPU31aが演出制御手段として機能する。
まず、図15に示すように、統括制御用CPU31aは、背景先読み予告演出を実行させるか否かを判定する(ステップS221)。この処理において、統括制御用CPU31aは、ステップS208における決定により変動ゲームに背景先読み予告演出を実行させる旨のデータが対応付けられている場合には、背景先読み予告演出を実行させると判定することとなる。ステップS221の判定結果が肯定の場合(背景先読み予告演出を実行させる)、統括制御用CPU31aは、ステップS223に移行する。その一方で、ステップS221の判定結果が否定の場合(背景先読み予告演出を実行させない)、統括制御用CPU31aは、ステップS222に移行する。
ステップS222において、統括制御用CPU31aは、入力した変動パターン指定コマンドが特殊の変動パターンであるか否かを判定する。本実施形態において、特殊の変動パターンとは、特定の変動パターンに含まれ、SR演出を実行可能な変動パターンP13,P23である。ステップS222の判定結果が肯定の場合(特殊の変動パターンである)、統括制御用CPU31aは、ステップS223に移行する。その一方で、ステップS222の判定結果が否定の場合(特殊の変動パターンではない)、統括制御用CPU31aは、ステップS223を実行させることなく、特殊演出制御処理を終了する。
ステップS223において、統括制御用CPU31aは、特殊演出を実行させる演出指定コマンドを統括制御用RAM31cの所定領域にセットし、特殊演出制御処理を終了する。特殊演出としては、予告契機図柄変動ゲームにおける大当り期待度を示唆する背景先読み予告演出として実行される場合と、現在の変動ゲームで大当り期待度が高い特殊の変動パターンである場合とで実行される。このため、特殊演出が実行されることで、現在の変動ゲームで大当り期待度が高いのか、次回以降の変動ゲームで大当り期待度が高いのかの何れかとなる。
その後、特殊演出制御処理とは別の処理で、統括制御用CPU31aは、ステップS223において統括制御用RAM31cの所定領域にセットされた演出指定コマンドを表示制御基板32に出力する。
次に、表示制御基板32の表示制御用CPU32aは、保留画像指定コマンドを入力すると、画像表示部GHにおいて保留画像を表示、消去させる。つまり、演出表示装置11は、始動保留球の個数(保留記憶数)を、該始動保留球に対応する保留画像を用いて個数を表示することとなる。また、表示制御用CPU32aは、保留画像指定コマンドに対応する表示態様(例えば、「青色」や「緑色」など)で保留画像を表示させる。特に、表示制御用CPU32aは、保留先読み予告演出として、予告契機図柄変動ゲームに対応する保留画像を特定可能に表示させる制御を行う。なお、本実施形態において、演出表示装置11が保留記憶数表示部として機能し、図6〜図8に示すように、画像表示部GHの保留画像を表示させる領域が記憶数表示部に相当する。
また、表示制御用CPU32aは、特殊演出を実行させる旨の演出指定コマンドを入力した場合には、特殊演出を示す画像を表示させる演出表示装置11を制御する。これによって、背景先読み予告演出を実行させる場合や、特殊の変動パターンが決定された場合には、表示制御用CPU32aは、特殊演出を実行させることとなる。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)予告契機図柄変動ゲームを報知する保留先読み予告演出(第1予告演出)と、予告契機図柄変動ゲームを報知しない背景先読み予告演出(第2予告演出)とを重複して実行させない。このため、保留先読み予告演出では予告契機図柄変動ゲームを報知する一方で、背景先読み予告演出では予告契機図柄変動ゲームを報知しないというように、複数種類の先読み予告演出を円滑に進行させるとともに、それら複数種類の先読み予告演出の意義を維持することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
(2)背景先読み予告演出では予告契機図柄変動ゲームが報知されないため、連続して実行される変動ゲームの回数が遊技者には認識できず、背景先読み予告演出の実行が連続することにより、大当りとなることに対する期待感を高揚させることができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
(3)入賞前に既に実行が保留されている変動ゲーム(保留図柄変動ゲーム)のうち、1つ目の保留記憶数として実行が保留されている特定図柄変動ゲームでの変動パターンが、特定の変動パターン(例えば、主に、リーチ演出を含む変動パターン)である場合には、先読み予告演出の実行を規制する。その一方で、特定の変動パターンではない場合には、先読み予告演出を実行可能にする。このため、予告契機図柄変動ゲームまでの変動ゲームにおける変動パターンを考慮した演出を実行させることができ、先読み予告演出を円滑に進行させることができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
(4)遊技球が入球したときに実行が保留されている保留図柄変動ゲームのうち、最初に実行される特定図柄変動ゲームで特定の変動内容となる場合、先読み予告演出の実行を規制する。このため、先読み予告演出の実行が開始される変動ゲームを、その変動パターンに応じて制御させることができ、先読み予告演出を円滑に進行させることができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
(5)背景先読み予告演出が実行される場合や、変動パターンP13,P23(特殊の変動パターン)と決定された場合には、特殊演出が実行される。このため、特殊演出が実行されることで、背景先読み予告演出が実行されているか、変動パターンP13,P23が決定されたかが容易には特定することができず、何れであるかを予測させることで、特殊演出に注目させることができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
(6)特殊演出が実行されることで、先読み予告演出が実行されているか、はずれ変動パターンP01,P02(通常変動)よりも相対的に大当り期待度が高い変動パターンP13,P23が決定されたかが容易には特定することができない。このため、先読み予告演出が実行されているか、大当り期待度が高い変動パターンであるかの何れであるかを予測させることで、特殊演出に対する期待感を高揚させることができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
(7)特殊演出が実行された場合には、その変動ゲームで大当り期待度が高い特殊の変動パターンで変動ゲームが実行されているか、それ以降の変動ゲームでも連続して特殊演出が実行され、大当り期待度を示唆する背景先読み予告演出が実行されるかの何れかである。特殊演出が実行された変動ゲームで、特定の変動パターンのうち大当り期待度が低い非特殊の変動パターンで変動ゲームが実行されることはない。このため、特殊演出が実行される変動ゲームか、それ以降の変動ゲームで大当り期待度が高くなるため、特殊演出の意義を高めることができ、特殊演出に対する期待感を高揚させることができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
(8)予告契機図柄変動ゲームに対応する始動保留球の保留記憶数が大きいときには、小さいときよりも高い確率で、先読み予告演出を実行させる。このため、先読み予告演出を実行させるためにも、保留記憶数を大きくするように遊技球の発射を促進させることができ、遊技に能動的に参加する意識を与えることによって、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
(9)特定図柄変動ゲームでリーチ演出を含む変動内容となった場合には、先読み予告演出の実行を規制するとともに、リーチ演出を含まない変動パターンP01,P02となった場合には、先読み予告演出を実行可能にする。このため、予告契機図柄変動ゲームまでにおける変動ゲームの変動パターンでリーチ演出を含むか否かを考慮した演出を実行させることができ、先読み予告演出を円滑に進行させることができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
尚、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・上記実施形態において、制御が行われている先読み予告演出とは異種の先読み予告演出はもちろんのこと、同種の先読み予告演出も実行させないが、これに限らず、例えば、制御が行われている先読み予告演出とは異種の先読み予告演出のみを実行させずに、同種の先読み予告演出であれば実行させるように構成してもよい。この場合、図12のステップS204を実行させることなく、ステップS208の終了後に、設定されている実行フラグに基づいて、異種の先読み予告演出の重複実行を規制する。具体的には、実行フラグが「1」である場合、保留先読み予告演出が既に実行されているため、ステップS208において背景先読み予告演出の実行を決定しないように制御する一方、ステップS208において保留先読み予告演出の実行を決定するように制御する。また、同じように、実行フラグが「2」である場合、背景先読み予告演出が既に実行されているため、ステップS208において保留先読み予告演出の実行を決定しないように制御する一方、ステップS208において背景先読み予告演出の実行を決定するように制御する。
・上記実施形態において、特定の保留記憶数として1つ目の保留記憶数のみとしたが、これに限らず、例えば、1つ目、2つ目の保留記憶数のみとしてもよく、1つ目の保留記憶数を少なくとも含めばよい。また、上記実施形態において、保留記憶数が「1」である特定図柄変動ゲームにおける変動パターンがリーチ演出を含む場合、背景先読み予告演出だけ実行を規制し、保留先読み予告演出の実行を規制しないようにしてもよい。
・上記実施形態において、特定の保留記憶数に対応する特定図柄変動ゲームで特定の変動パターンが決定された場合、特定図柄変動ゲームでの先読み予告演出の実行が規制されるが、非特定図柄変動ゲームでの先読み予告演出を実行可能に制御してもよい。つまり、少なくとも特定図柄変動ゲームでの先読み予告演出の実行が規制されればよい。
・上記実施形態において、大当り先読みコマンド、はずれ先読みコマンドが入力された場合に、特定の変動パターンが決定されると事前に判定したが、これに限らず、例えば、リーチ状態を形成しない変動パターンを含むようにしてもよい。また、例えば、図柄Aで大当りとなる大当り先読みコマンドのみを入力した場合や、SR演出が実行されるはずれ先読みコマンドのみを入力した場合に、特定の変動パターンが決定されると事前に判定してもよい。
・上記実施形態において、特殊の変動パターンが決定された場合、背景先読み予告演出に関する制御が行われていないことを条件として、特殊演出を実行させ、背景先読み予告演出に関する制御が行われていることを条件として、特殊演出ではない非特殊演出を実行させるようにしてもよい。また、例えば、特殊の変動パターンが決定された場合には、特殊演出を実行しないように構成してもよい。
・上記実施形態において、連続する変動ゲーム毎に同じ演出態様となるように先読み予告演出を実行させたが、これに限らず、例えば、連続する変動ゲームの連続回数毎に異なる演出態様となってもよい。特に、保留先読み予告演出において、変動ゲーム毎に、大当り期待度が異なる(高くなる)ように表示態様を異ならせてもよい。また、背景先読み予告演出においても、予告契機図柄変動ゲームを報知しなければ、連続回数を示す演出態様であってもよい。
・上記実施形態において、変短状態が付与されていない場合に限り、先読み予告演出を実行させたが、これに限らず、変短状態が付与されているときにも先読み予告演出を実行させてもよい。また、1種類の変動ゲームが実行される構成であったが、これに限らず、例えば、第1の変動ゲーム、第2の変動ゲームというように、2種類以上の変動ゲームが実行される構成であってもよい。
・上記実施形態において、大当り抽選に当選しなかったが、大入賞口18を開放させる小当り遊技を大当り遊技以外でも付与できるように制御されてもよい。
・上記実施形態において、統括制御基板31と表示制御基板32との構成(機能)を別の基板に設けてもよい。また、上記実施形態において、統括制御基板31と表示制御基板32とを一体に設けてもよい。
・上記実施形態において、各種演出を音声の出力、ランプの点滅、可動体の変位により実行してもよく、これらの組み合わせであってもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記演出制御手段は、前記特定図柄変動ゲームでの変動内容が特定の変動内容ではない場合には、実行が保留されている全ての図柄変動ゲームにおける予告演出を実行可能に制御する。
(ロ)前記演出制御手段は、前記特定図柄変動ゲームでの変動内容が特定の変動内容ではない場合には、前記保留図柄変動ゲームのうち該特定図柄変動ゲームではない非特定図柄変動ゲームに対応する変動内容決定用乱数に拘わらず、該特定図柄変動ゲームにおける予告演出を実行可能に制御する。