以下、遊技機の一実施形態を図1〜図11にしたがって説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機10には、遊技盤YBが装備されている。遊技盤YBには、パチンコ遊技機10に装備されている発射ハンドルHの回動操作によって、遊技球が発射される。
また、遊技盤YBの略中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有し、表示演出を行う表示手段としての演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11では、複数の図柄列(本実施形態では、3列)の装飾図柄を変動させて行う図柄変動ゲームと、当該図柄変動ゲームに関連して実行される各種の表示演出が実行される。本実施形態の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では、3列)の装飾図柄からなる図柄組み合わせ(表示結果)を導出する。図柄変動ゲームは、遊技盤YBに配設されている上始動入球装置15又は下始動入球装置17へ遊技球が入球することを契機に、実行される。
また、本実施形態において演出表示装置11には、各図柄列に[1]〜[8]の8種類の数字が装飾図柄として表示される。そして、大当り抽選に当選する場合、演出表示装置11には、大当りの図柄組み合わせが確定停止表示される。また、大当り抽選に非当選する場合、演出表示装置11には、はずれの図柄組み合わせが確定停止表示される。因みに、本実施形態の大当りの図柄組み合わせは、全列の装飾図柄が同一の図柄組み合わせ([222]や[777]等)である。また、本実施形態のはずれの図柄組み合わせは、全列の装飾図柄が異なる図柄組み合わせ([345]や[426]等)、又は1列の装飾図柄が他の2列の装飾図柄と異なる図柄組み合わせ([122]や[323]等)である。
上始動入球装置15は、演出表示装置11の下方に配設されている。上始動入球装置15は、当該上始動入球装置15へ遊技球が入球したことを検知可能な上始動スイッチSW1(図2に示す)を有している。上始動入球装置15へ遊技球が入球すると、大当りか否かを決めるための大当り抽選が行われる。
また、下始動入球装置17は、上始動入球装置15の下方に配設されている。下始動入球装置17は、開閉部材を有している。また、下始動入球装置17は、当該下始動入球装置17へ遊技球が入球したことを検知可能な下始動スイッチSW2(図2に示す)を有している。下始動入球装置17へ遊技球が入球すると、大当り抽選が行われる。また、下始動入球装置17の開閉部材は、電動役物ソレノイドSOL1(図2に示す)の作動によって開状態と閉状態に変位可能に構成されている。そして、開閉部材が開状態となるとき下始動入球装置17の入口が拡大されて遊技球が入球し易い開放状態となる。一方、開閉部材が閉状態となるとき下始動入球装置17の入口は閉鎖されて遊技球が入球し難い閉鎖状態となる。
また、下始動入球装置17の下方には、大入賞扉を有する大入賞装置20が配設されている。大入賞装置20は、当該大入賞装置20へ遊技球が入球したことを検知可能なカウントスイッチSW3(図2に示す)を有している。また、大入賞装置20の大入賞扉は、大入賞ソレノイドSOL2(図2に示す)の作動によって開状態と閉状態に変位可能に構成されている。そして、大入賞扉が開状態となるとき大入賞装置20が開放状態となり、大入賞装置20への遊技球の入球が許容される。一方、大入賞扉が閉状態となるとき大入賞装置20が閉鎖状態となり、大入賞装置20への遊技球の入球が許容されない。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り抽選に当選した場合、当該当選の対象となる図柄変動ゲームの終了後に、大入賞装置20が開放状態となる大当り遊技が生起される。本実施形態のパチンコ遊技機10では、大入賞装置20へ遊技球が入球すると、予め決められた個数の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技盤YBには、ゲート23が配設されている。ゲート23は、当該ゲート23へ遊技球が入球したことを検知可能なゲートスイッチSW4(図2に示す)を有している。ゲート23に遊技球が入球すると、普通当りか否かを決めるための普通当り抽選が行われる。また、この普通当り抽選に当選すると、当該抽選から所定時間の経過後、下始動入球装置17が開放状態となる普通当り遊技が生起される。
また、遊技盤YBには、LED等の発光部材が複数配置された発光部配置部材HSが配設されている。発光部配置部材HSには、複数の発光部材から構成される特別図柄表示装置25が配設されている。また、発光部配置部材HSには、複数の発光部材から構成される保留表示装置26が配設されている。また、発光部配置部材HSには、複数の発光部材から構成される普通図柄表示装置27が配設されている。
特別図柄表示装置25には、当該特別図柄表示装置25を構成する発光部材の点灯及び消灯の組み合わせによる特別図柄が、図柄変動ゲームが終了するタイミングで確定停止表示される。大当り抽選に当選した場合、特別図柄表示装置25には、図柄変動ゲームが終了するタイミングで大当り図柄に分類される特別図柄が確定停止表示される。一方、大当り抽選に非当選した場合、特別図柄表示装置25には、図柄変動ゲームが終了するタイミングではずれ図柄に分類される特別図柄が確定停止表示される。また、図柄変動ゲームの実行中、特別図柄表示装置25には、特別図柄が変動表示される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、図柄変動ゲームの実行を保留可能に構成されている。そして、保留表示装置26では、当該保留表示装置26を構成する発光部材の点灯や点滅、消灯によって、実行が保留されている図柄変動ゲームの回数(以下、「保留記憶数」という)が示される。
また、普通図柄表示装置27には、当該普通図柄表示装置27を構成する発光部材の点灯及び消灯の組み合わせによる普通図柄が確定停止表示される。このとき、普通当り抽選に当選した場合、普通図柄表示装置27には、普通当り図柄に分類される普通図柄が確定停止表示される。一方、普通当り抽選に非当選した場合、普通図柄表示装置27には、普通はずれ図柄に分類される普通図柄が確定停止表示される。
また、パチンコ遊技機10には、遊技者が操作可能な操作手段としての演出用ボタンBTが配設されている。また、パチンコ遊技機10には、音声演出を行う音声出力手段としてのスピーカSpが配設されている。また、パチンコ遊技機10には、発光演出を行う発光手段としての装飾ランプLaが配設されている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り抽選の当選確率が通常よりも高確率となる高確率抽選状態を生起可能に構成されている。本実施形態において、高確率抽選状態は、高確率抽選状態の終了条件が成立するまでの間、継続して生起される。なお、本実施形態における「高確率抽選状態の終了条件」は、大当り遊技が生起されることによって成立する。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、下始動入球装置17へ遊技球が入球する確率が通常よりも高確率となる入球率向上状態を生起可能に構成されている。入球率向上状態の生起中、入球率向上状態が生起されていないときと比較して、単位時間あたりに下始動入球装置17が開放状態となる機会(回数や時間)を増加させることで、下始動入球装置17へ遊技球が入球する確率を高めている。本実施形態において、入球率向上状態は、入球率向上状態の終了条件が成立するまでの間、継続して生起される。なお、本実施形態における「入球率向上状態の終了条件」は、大当り遊技が生起されること又は大当り抽選に当選することなく予め定められた入球率向上回数の図柄変動ゲームの実行が終了することによって成立する。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り抽選に当選した場合、確変大当り又は非確変大当りに基づく大当り遊技が生起される。確変大当りは、大当り遊技終了後に、高確率抽選状態が生起される大当りである。一方、非確変大当りは、大当り遊技終了後に、高確率抽選状態が生起されない大当りである。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10では、確変大当りと非確変大当りの何れであっても、大当り遊技終了後に入球率向上状態が生起される。
次に、図2に基づき、パチンコ遊技機10の制御構成について説明する。
パチンコ遊技機10の裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機10全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。また、パチンコ遊技機10の裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置11の表示態様(図柄、背景、文字等の表示画像等)や、装飾ランプLaの発光態様、スピーカSpの音声出力態様を制御する。
以下、主制御基板30及び演出制御基板31の具体的構成を説明する。
まず、主制御基板30について説明する。
図2に示すように、主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30a、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30b及び必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW4が接続されている。また、各種スイッチSW1〜SW4は、各種スイッチが遊技球を検知した際に出力する検知信号を主制御用CPU30aが入力できるように、主制御用CPU30aに接続されている。また、主制御用CPU30aには、特別図柄表示装置25、保留表示装置26及び普通図柄表示装置27が接続されている。また、主制御用CPU30aには、電動役物ソレノイドSOL1及び大入賞ソレノイドSOL2が接続されている。
また、主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄変動ゲームが開始してから当該図柄変動ゲームが終了するまでの変動時間を特定し得る。また、本実施形態における変動パターンは、演出表示装置11、装飾ランプLa及びスピーカSpにて行われる演出の演出内容を特定し得る。変動パターンには、大当りのときに決定される大当り演出用の変動パターンと、はずれのときに決定されるはずれ演出用の変動パターンと、がある。
また、主制御用ROM30bには、各種の判定値が記憶されている。例えば、主制御用ROM30bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値である。高確率抽選状態が生起されているときの大当り判定値の個数は、高確率抽選状態が生起されていないときの大当り判定値の個数よりも多くなっている。また、主制御用ROM30bには、普通当り判定値が記憶されている。普通当り判定値は、普通当り抽選で用いる判定値である。
また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ等)が記憶(設定)される。例えば、主制御用RAM30cには、高確率抽選状態の生起中であるか否かを示す主制御用高確率抽選状態フラグが記憶される。また、主制御用RAM30cには、入球率向上状態の生起中であるか否かを示す主制御用入球率向上状態フラグが記憶される。
また、主制御基板30内では、大当り判定用乱数や、特別図柄振分用乱数、変動パターン振分用乱数として使用される各種乱数が生成される。因みに、大当り判定用乱数は、大当り抽選に用いる乱数である。特別図柄振分用乱数は、大当りの種類を決定する際に用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動パターンを決定する際に用いる乱数である。なお、各種乱数として使用される乱数は、ハードウェア乱数であってもよいし、ソフトウェア乱数であってもよい。
次に、図2に基づき、演出制御基板31について説明する。
演出制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU31aと、演出制御用CPU31aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM31cが設けられている。演出制御用CPU31aには、演出表示装置11が接続されている。また、演出制御用CPU31aには、装飾ランプLaが接続されている。また、演出制御用CPU31aには、スピーカSpが接続されている。また、演出制御用CPU31aには、演出用ボタンBTが操作された際に出力される操作信号を入力可能に、演出用ボタンBTが接続されている。
また、演出制御用ROM31bには、各種画像表示データ(装飾図柄、背景画像、文字等の画像データ)、各種の発光用データ及び各種の音声用データが記憶されている。
また、演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ等)が記憶(設定)される。例えば、演出制御用RAM31cには、高確率抽選状態の生起中であるか否かを示す演出制御用高確率抽選状態フラグが記憶される。また、演出制御用RAM31cには、入球率向上状態の生起中であるか否かを示す演出制御用入球率向上状態フラグが記憶される。
以下、主制御基板30及び演出制御基板31が実行する制御内容を説明する。
まず、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期毎に、各種処理を実行する。
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
主制御用CPU30aは、上始動入球装置15又は下始動入球装置17へ入球した遊技球を検知した際に上始動スイッチSW1又は下始動スイッチSW2が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が上限数(本実施形態では、「4」)未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数を1加算し、保留記憶数を書き換える。それとともに、主制御用CPU30aは、1加算後の保留記憶数を表すように保留表示装置26の表示内容を制御する。
また、保留判定を肯定判定した主制御用CPU30aは、主制御基板30内で生成されている各種乱数(大当り判定用乱数、特別図柄振分用乱数及び変動パターン振分用乱数)の値を取得し、その値を保留記憶数に対応付けて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶(格納)する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。このように保留記憶数に対応付けて各種乱数の値を主制御用RAM30cに記憶することにより、図柄変動ゲームの実行が保留される。なお、主制御用CPU30aは、保留判定の判定結果が否定の場合、上限数を超える保留記憶数の書き換えを行わないとともに、前述した各乱数の値も取得することなく、特別図柄入力処理を終了する。
次に特別図柄開始処理について説明する。
主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの実行中又は大当り遊技の生起中か否かの実行条件判定を実行する。この実行条件判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、実行条件判定の判定結果が否定の場合、保留記憶数を読み出し、当該保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否かの保留数判定を実行する。この保留数判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、保留数判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数から1減算し、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている各種乱数(大当り判定用乱数、特別図柄振分用乱数及び変動パターン振分用乱数)の値を読み出す。更に、主制御用CPU30aは、1減算後の保留記憶数を表すように保留表示装置26の表示内容を変更させる。
また、各種乱数の値を読み出した主制御用CPU30aは、読み出した大当り判定用乱数の値が、主制御用ROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(大当り抽選)を行う。このとき、主制御用CPU30aは、高確率抽選状態の生起中であるか否かに応じた大当り判定値を用いて大当り抽選を行う。
そして、この大当り判定の判定結果が肯定の場合、つまり、大当りの場合、主制御用CPU30aは、大当りとなる図柄変動ゲームを実行させるための大当り変動処理を実行する。大当り変動処理において主制御用CPU30aは、読み出した特別図柄振分用乱数の値に基づいて、大当りの種類を決定する。本実施形態では、確変大当りに分類される大当り図柄及び非確変大当りに分類される大当り図柄の中から大当り図柄を決定することにより、特別図柄表示装置25に確定停止表示させる大当り図柄と大当りの種類を決定する。また、大当り変動処理において主制御用CPU30aは、読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき、複数種類の大当り演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する。そして、主制御用CPU30aは、大当り変動処理において変動パターンを決定すると、特別図柄開始処理を終了する。
一方、上記大当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値が大当りとなる値ではないことからはずれを認識する。そして、主制御用CPU30aは、はずれとなる図柄変動ゲームを実行させるためのはずれ変動処理を実行する。はずれ変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置25にはずれ図柄を確定停止表示させることを決定する。その後、主制御用CPU30aは、読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき、複数種類のはずれ演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する。そして、主制御用CPU30aは、はずれ変動処理において変動パターンを決定すると、特別図柄開始処理を終了する。
また、特別図柄開始処理において特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、決定した内容にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで演出制御用CPU31aに出力する。具体的に、主制御用CPU30aは、変動パターンを指定するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。同時に、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理にて決定した特別図柄を指定する特別図柄指定コマンドを演出制御用CPU31aに出力する。そして、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了を指示する全図柄停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力するとともに、決定した特別図柄を確定停止表示させるように特別図柄表示装置25の表示内容を制御する。
また、主制御用CPU30aは、大当り抽選に当選した場合、当該大当り抽選の当選対象となる図柄変動ゲームの終了後、大入賞装置20の開放状態及び閉鎖状態を制御し、大当り遊技を生起させる。
また、主制御用CPU30aは、主制御用高確率抽選状態フラグや主制御用入球率向上状態フラグの管理によって、遊技状態を制御する。具体的には、高確率抽選状態を生起させるとき、主制御用CPU30aは、高確率抽選状態の生起中であることを示す情報を主制御用高確率抽選状態フラグに設定する。また、高確率抽選状態を生起させないとき、主制御用CPU30aは、高確率抽選状態の生起中でないことを示す情報を主制御用高確率抽選状態フラグに設定する。
また、入球率向上状態を生起させるとき、主制御用CPU30aは、入球率向上状態の生起中であることを示す情報を主制御用入球率向上状態フラグに設定する。また、入球率向上状態を生起させないとき、主制御用CPU30aは、入球率向上状態の生起中でないことを示す情報を主制御用入球率向上状態フラグに設定する。
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが制御プログラムに基づき実行する各種の処理について説明する。
演出制御基板31の演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特別図柄指定コマンドを入力すると、当該コマンドの指示内容に応じて演出表示装置11に確定停止表示させる装飾図柄の図柄組み合わせを決定する。
具体的に、演出制御用CPU31aは、大当り図柄が指定された場合、大当りの図柄組み合わせの中から確定停止表示させる装飾図柄の図柄組み合わせを決定する。また、演出制御用CPU31aは、はずれ図柄が指定された場合、はずれの図柄組み合わせの中から確定停止表示させる装飾図柄の図柄組み合わせを決定する。
演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、各図柄列の装飾図柄を変動表示させて図柄変動ゲームを開始するように、演出表示装置11の表示内容を制御する。そして、演出制御用CPU31aは、全図柄停止コマンドを入力すると、確定停止表示させると決定した装飾図柄の図柄組み合わせを演出表示装置11に確定停止表示させる。
また、演出制御用CPU31aは、大当り遊技が生起されると、当該大当り遊技が終了するまでの間、所定の大当り中演出を実行するように、演出表示装置11の表示態様、スピーカSpの音声出力態様及び装飾ランプLaの発光態様を制御する。
また、演出制御用CPU31aは、演出制御用高確率抽選状態フラグや演出制御用入球率向上状態フラグの管理によって、遊技状態を特定できるようにする。具体的に、高確率抽選状態が生起されるとき、演出制御用CPU31aは、高確率抽選状態の生起中であることを特定可能な情報を演出制御用高確率抽選状態フラグに設定する。また、高確率抽選状態が生起されないとき、演出制御用CPU31aは、高確率抽選状態の生起中でないことを特定可能な情報を演出制御用高確率抽選状態フラグに設定する。
また、入球率向上状態が生起されるとき、演出制御用CPU31aは、入球率向上状態の生起中であることを特定可能な情報を演出制御用入球率向上状態フラグに設定する。また、入球率向上状態が生起されないとき、演出制御用CPU31aは、入球率向上状態の生起中でないことを特定可能な情報を演出制御用入球率向上状態フラグに設定する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り遊技の生起中における大入賞装置20の開放状態と閉鎖状態の態様や、大当り中演出の演出内容から、確変大当りと非確変大当りのうち何れの種類に基づく大当り遊技が生起されたかについて特定できないため、大当り遊技終了後の遊技状態を特定できない。そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、「大当り遊技終了後から、大当りとなることなく所定回数(本実施形態では、入球率向上回数と同一回数)の図柄変動ゲームの実行が終了するまでの期間」において、演出用ボタンBTを操作することにより遊技状態が特定できるチャンスとなる状態示唆演出を、演出表示装置11にて実行する。
図3(a)に示すように、状態示唆演出において演出表示装置11には、演出指標として、主人公のキャラクタを模した主人公画像Paが表示される。この主人公画像Paは、当該主人公画像Paで示す主人公が走る動作を伴って、所定の位置に表示される。また、状態示唆演出において演出表示装置11には、図3(a),(b)に示すように背景画像HGとして、「山」をモチーフとした画像が表示される。
そして、図3(b)に示すように、状態示唆演出において演出表示装置11に表示される背景画像HGは、時間の経過に伴って演出表示装置11の右側から左側に移動して表示される。これにより、主人公画像Paで示す主人公(以下、単に「主人公」という場合もある)が、左から右へ向かう矢印Yの方向へ走っているかのように見せる。
また、図4(a)に示すように、状態示唆演出において演出表示装置11には、演出要素としての障害物SBが表示される場合がある。この障害物SBは、背景画像HGと同様、演出表示装置11の右側から左側へ移動して表示される。
そして、図4(b)に示すように、主人公と障害物SBの位置関係が所定の位置関係となるタイミングで演出用ボタンBTが操作されると、主人公が障害物SBの上側を走るように演出が展開される。このとき、主人公が、図4(a)で示す上ルートTR上を通過するように、主人公がジャンプする動作を行った後に、再び走る動作を伴って所定の位置に表示される。
一方、図4(c)に示すように、主人公と障害物SBの位置関係が所定の位置関係となるタイミングで演出用ボタンBTをタイミングよく操作できなかった場合には、主人公が障害物SBの下側を走るように演出が展開される。このとき、主人公が、図4(a)に示す下ルートAR上を通過するように、主人公がジャンプする動作を行うことなく、主人公が走る動作を伴って所定の位置に表示される。また、このとき、演出用ボタンBTの操作に伴って、スピーカSpにてボイス演出が行われる。
因みに、図4(d)に示すように、演出用ボタンBTが操作されなかった場合には、主人公が障害物SBの下側を走るように演出が展開される。このとき、主人公が、図4(a)に示す下ルートAR上を通過するように、主人公がジャンプする動作を行うことなく、主人公が走る動作を伴って所定の位置に表示される。更に、このような演出用ボタンBTの操作がなかった際には、ボイス演出も行われない。
また、図3(a)に示すように、状態示唆演出において演出表示装置11には、メータMが表示される。このメータMは、左側から順に、第1メータ領域M1→第2メータ領域M2→第3メータ領域M3→第4メータ領域M4→第5メータ領域M5→最大メータ領域Mmの6つのメータ領域に分割されている。
本実施形態において状態示唆演出は、主人公がコインを獲得する内容で演出が展開される。主人公が獲得可能なコインの最大数は「100枚」に定めており、主人公が獲得したコインの累積枚数に応じて、メータ領域の色が変化する。なお、図面においては、色が変化したメータ領域には斜線を付して示す一方、色が変化していないメータ領域には斜線を付さずに示す。
因みに、本実施形態では、主人公が獲得したコインの累積枚数が「0枚」であれば全てのメータ領域の色は変化しない。また、主人公が獲得したコインの累積枚数が「1〜20枚」であれば第1メータ領域のみの色が変化し、主人公が獲得したコインの累積枚数が「21〜40枚」であればメータ領域M1,M2の色が変化する。同様に、主人公が獲得したコインの累積枚数が「41〜60枚」であればメータ領域M1〜M3の色が変化し、主人公が獲得したコインの累積枚数が「61〜80枚」であればメータ領域M1〜M4の色が変化する。また、主人公が獲得したコインの累積枚数が「81〜99枚」であればメータ領域M1〜M5の色が変化し、主人公が獲得したコインの累積枚数が「100枚」に達していれば全てのメータ領域M1〜M5,Mmの色が変化する。このように、本実施形態では、第1メータ領域M1→第2メータ領域M2→第3メータ領域M3→第4メータ領域M4→第5メータ領域M5→最大メータ領域Mmの順に、演出の展開に応じて色が変化するメータ領域の数が増えていく。
但し、状態示唆演出では、獲得したコインを主人公が喪失する内容で演出が展開される場合もある。このような場合、主人公が獲得したコインの枚数が減ることに伴って、色が変化するメータ領域の数が減少する場合もある。したがって、色が変化するメータ領域の数は、増加する場合もあれば、減少する場合もある。
そして、本実施形態では、高確率抽選状態の生起中であれば最大メータ領域Mmの色が変化し得る一方、高確率抽選状態の生起中でなければ最大メータ領域Mmの色が変化し得ない。このため、最大メータ領域Mmの色が変化した場合、現在の遊技状態が高確率抽選状態であることが、遊技者に報知される。
本実施形態では、状態示唆演出において、主人公が獲得したコインの累積枚数を増加させるための第1のボックス画像Baと、主人公が獲得したコインの累積枚数を減少させるための第2のボックス画像Bbが、演出表示装置11に表示される場合がある。また、ボックス画像Ba,Bb以外にも、主人公が獲得したコインの累積枚数が増加するか否かについて推測できない第3のボックス画像Bcが、状態示唆演出において演出表示装置11に表示される場合もある。
ボックス画像Ba,Bb,Bcは、背景画像HGや障害物SBと同様、演出表示装置11の右側から左側へ移動させて表示される。また、ボックス画像Ba,Bb,Bcは、主人公が通過可能な経路上に表示される。そして、主人公とボックス画像Ba,Bb,Bcの表示が重なるタイミングで、各ボックス画像に応じた態様で主人公を動作させ、当該主人公画像Paと表示が重なったボックス画像の表示が消去される。それとともに、演出表示装置11には、コインの累積枚数に増加又は減少するコインの枚数が数的に表示される。
以下、各ボックス画像Ba,Bb,Bcの違いについて説明する。
図5(a),(b)に示すように、第1のボックス画像Baが、主人公が通過可能な経路上に表示され、当該第1のボックス画像Baと主人公が重なると、主人公がコインを獲得する演出が行われるとともに獲得するコインの枚数が数的に表示され、コインの累積枚数が増加することで色が変化するメータ領域の数が増加し得る。一方、第1のボックス画像Baと主人公が重なる場合には、獲得したコインを主人公が喪失することはなく、色が変化するメータ領域の数が減少することもない。
図6(a),(b)に示すように、第2のボックス画像Bbが、主人公が通過可能な経路上に表示され、当該第2のボックス画像Bbと主人公が重なると、主人公が獲得したコインを喪失する演出が行われるとともに喪失するコインの枚数が数的に表示され、コインの累積枚数が減少することで色が変化するメータ領域の数が減少し得る。一方、第2のボックス画像Bbと主人公が重なる場合には、主人公がコインを獲得することはなく、色が変化するメータ領域の数が増加することもない。
また、図7(a),(b)に示すように、第3のボックス画像Bcが、主人公が通過可能な経路上に表示され、当該第3のボックス画像Bcと主人公が重なると、主人公がコインを獲得する演出が行われるとともに獲得するコインの枚数が数的に表示される場合がある。この場合、コインの累積枚数が増加することで色が変化するメータ領域の数が増加し得る。
その一方で、図7(a),(c)に示すように、第3のボックス画像Bcが、主人公が通過可能な経路上に表示され、当該第3のボックス画像Bcと主人公が重なると、獲得したコインを主人公が喪失する演出が行われるとともに喪失するコインの枚数が数的に表示される場合もある。この場合、コインの累積枚数が減少することで色が変化するメータ領域の数が減少する場合もある。
なお、第1のボックス画像Baや第3のボックス画像Bcと主人公が重なるときに、主人公が獲得し得るコインの枚数は、「1枚」、「2枚」、「5枚」及び「10枚」のうち何れかの枚数となる。この獲得するコインの枚数は、主人公が獲得したコインの累積枚数に加算されるコインの枚数であって、抽選によって決定される。また、第2のボックス画像Bbや第3のボックス画像Bcと主人公が重なるときに、主人公が喪失し得るコインの枚数は、「3枚」、「5枚」及び「10枚」のうち何れかの枚数となる。この喪失するコインの枚数は、主人公が獲得したコインの累積枚数から減算されるコインの枚数であって、抽選によって決定される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、主人公と障害物SBの位置関係が所定の位置関係となるタイミングで演出用ボタンBTがタイミングよく操作されなかったとき以外でも、障害物SBが表示されていないときに演出用ボタンBTが操作された際には、ボイス演出が行われる。
ここで、状態示唆演出を行うとき(本実施形態では、入球率向上状態の生起中)、演出制御用CPU31aが行う制御について説明する。
入球率向上状態の生起中、演出制御用CPU31aは、背景画像HGを画像表示部GHの右側から左側で移動して表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。また、入球率向上状態の生起中、演出制御用CPU31aは、主人公画像Paを表示させるとともに、当該主人公画像Paで示す主人公の各種動作を伴わせて表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。
また、入球率向上状態において、演出制御用CPU31aは、図柄変動ゲーム中に障害物SBを登場(表示)させるか否かを決めるための障害物抽選を行う。
図8(a)に示すように、障害物抽選に当選した場合、演出用ボタンBTの操作を有効とする有効期間として、第1期間と第2期間を連続して設定する。このとき、演出制御用CPU31aは、図柄変動ゲームの開始から所定時間が経過するまでを第2期間として設定し、当該所定時間が経過した後を第1期間として設定する。更に、演出制御用CPU31aは、第1期間の終了後から図柄変動ゲームの終了直前までを第2期間として設定する。このように、演出制御用CPU31aは、第1期間の前後に、当該第1期間と間隔を空けずに連続して第2期間をそれぞれ設定する。また、演出制御用CPU31aは、第1期間と第2期間は重複しないように設定する。また、第2期間は、第1期間よりも長い期間となっている。更に、第2期間は、第1期間よりも2倍以上(本実施形態では、10倍以上)長い期間となっている。
なお、第1期間にて演出用ボタンBTが1回操作された場合、演出制御用CPU31aは、当該第1期間において2回目以降の演出用ボタンBTの操作は有効としない。
また、第1期間を設定する際、演出制御用CPU31aは、第1期間中、主人公と障害物SBの位置関係が所定の位置関係となるように、演出表示装置11における障害物SBの表示を制御する。それとともに、演出制御用CPU31aは、第1期間以外の第2期間中、主人公と障害物SBの位置関係が所定の位置関係とならないように、演出表示装置11における障害物SBの表示を制御する。
また、図8(b)に示すように、障害物抽選に非当選した場合、演出制御用CPU31aは、図柄変動ゲームの開始から当該図柄変動ゲームの終了直前までの間、第2期間を設定する。
次に、状態示唆演出において表示させるボックス画像の種類や、当該ボックス画像によって主人公が獲得又は喪失するコインの枚数の決定に係る制御について説明する。
障害物抽選に当選した場合、演出制御用CPU31aは、上ルートTRや下ルートAR上にボックス画像Ba,Bb,Bcを表示させるか否かを決定するとともに、表示させるボックス画像の種類を決定する。なお、ボックス画像を表示させる際には、当該ボックス画像と主人公画像Paが重なるタイミングで主人公が獲得又は喪失するコインの枚数を決定する。
このとき、演出制御用CPU31aは、高確率抽選状態の生起中でない場合、主人公が獲得するコインが「100枚」に到達しないように、主人公が獲得又は喪失するコインの枚数を決定する。なお、演出制御用CPU31aは、既に主人公が獲得しているコインの枚数が「99枚」であって、高確率抽選状態の生起中でない場合、第1のボックス画像Baを表示させることを決定しない。また、演出制御用CPU31aは、高確率抽選状態の生起中であって、主人公が獲得したコインが「100枚」に到達している場合には、ボックス画像Ba,Bb,Bcを表示させることを決定しない。
また、演出制御用CPU31aは、ルートTR,ARのうち何れにもボックス画像を表示させる場合、下ルートAR上よりも上ルートTR上に遊技者にとって有利なボックス画像が表示され易いように、各ルートTR,AR上に表示させるボックス画像の種類と、主人公が獲得又は喪失するコインの枚数と、を決定する。
なお、遊技者にとって有利なボックス画像とは、コインを獲得できるボックス画像と、コインを獲得できないボックス画像では、コインを獲得できるボックス画像を意味する。また、何れもコインを獲得できるボックス画像である場合の遊技者にとって有利なボックス画像とは、獲得できるコインの枚数が多いボックス画像を意味する。また、何れもコインを喪失するボックス画像である場合の遊技者にとって有利なボックス画像とは、喪失するコインの枚数が少ないボックス画像を意味する。
また、演出制御用CPU31aは、ルートTR,ARのうち何れか一方にボックス画像を表示させる場合、当該ボックス画像が遊技者にとって有利なボックス画像であれば、下ルートARよりも上ルートTRに表示させることを決定し易い。一方、演出制御用CPU31aは、ルートTR,ARのうち何れか一方にボックス画像を表示させる場合、当該ボックス画像が遊技者にとって不利なボックス画像であれば、上ルートTRよりも下ルートARに表示させることを決定し易い。
以上のように、演出制御用CPU31aは、障害物SBを表示させる場合、下ルートARよりも上ルートTRの方が遊技者にとって有利に演出が展開されるように、表示させるボックス画像の種類と、当該ボックス画像と主人公画像Paが重なるタイミングで主人公が獲得又は喪失するコインの枚数と、を決定する。このため、演出上、下ルートARよりも上ルートTRの方が、主人公が獲得しているコインの累積枚数が減少する機会が少なくなり易い。すなわち、主人公と障害物SBの位置関係が所定の位置関係となるタイミングで演出用ボタンBTを操作しないときには、前記タイミングで演出用ボタンBTを操作したときよりも、コインの累積枚数が減少する機会が多くなる。
また、障害物抽選に非当選した場合、演出制御用CPU31aは、主人公画像Paで示す主人公が通過する経路上にボックス画像Ba,Bb,Bcを表示させるか否かを決定するとともに、表示させるボックス画像の種類を決定する。なお、ボックス画像を表示させる際には、当該ボックス画像と主人公画像Paが重なるタイミングで主人公が獲得又は喪失するコインの枚数を決定する。
このとき、演出制御用CPU31aは、高確率抽選状態の生起中でない場合、主人公が獲得するコインが「100枚」に到達しないように、主人公が獲得又は喪失するコインの枚数を決定する。なお、演出制御用CPU31aは、既に主人公が獲得しているコインの枚数が「99枚」であって、高確率抽選状態の生起中でない場合、第1のボックス画像Baを表示させることを決定しない。また、演出制御用CPU31aは、高確率抽選状態の生起中であって、主人公が獲得したコインが「100枚」に到達している場合には、ボックス画像Ba,Bb,Bcを表示させることを決定しない。
次に、各有効期間における演出用ボタンBTの操作に基づき演出制御用CPU31aが行う制御について説明する。
演出制御用CPU31aは、第1期間にて演出用ボタンBTからの操作信号を入力すると、主人公が上ルートTRを辿って通過するよう、主人公がジャンプする演出と、主人公が障害物SBの上側を走る演出を行うように演出表示装置11の表示内容を制御する。
また、演出制御用CPU31aは、第2期間にて演出用ボタンBTからの操作信号を入力すると、ボイス演出の演出内容を決定する。本実施形態では、ボイス演出の演出内容として、演出内容BE1〜BE10の計10種類の演出内容を備えている。
演出制御用CPU31aは、ボイス演出の演出内容を決定する際、高確率抽選状態の生起中であるか否かに応じて、異なる種類の演出内容決定テーブルを用いる。具体的に、演出制御用CPU31aは、高確率抽選状態の生起中、演出内容決定テーブルET11又は演出内容決定テーブルET21を用いて、ボイス演出の演出内容を決定する。一方、演出制御用CPU31aは、高確率抽選状態の生起中でないとき、演出内容決定テーブルET12又は演出内容決定テーブルET22を用いて、ボイス演出の演出内容を決定する。
更に、演出制御用CPU31aは、コインの累積枚数に応じて、異なる種類の演出内容決定テーブルを用いてボイス演出の演出内容を決定する。具体的に、高確率抽選状態の生起中、演出制御用CPU31aは、コインの累積枚数が規定枚数未満であれば演出内容決定テーブルET11を用いてボイス演出の演出内容を決定する。一方、高確率抽選状態の生起中、演出制御用CPU31aは、コインの累積枚数が規定枚数以上であれば演出内容決定テーブルET21を用いてボイス演出の演出内容を決定する。なお、本実施形態では、規定枚数を「75枚」に定めている。
また、高確率抽選状態の生起中でないとき、演出制御用CPU31aは、コインの累積枚数が規定枚数未満であれば演出内容決定テーブルET12を用いてボイス演出の演出内容を決定する。また、高確率抽選状態の生起中でないとき、演出制御用CPU31aは、コインの累積枚数が規定枚数以上であれば演出内容決定テーブルET22を用いてボイス演出の演出内容を決定する。
各演出内容決定テーブルET11,ET12,ET21,ET22には、ボイス演出の演出内容を決定する際に用いる演出内容決定用乱数の取り得る値が、演出内容毎に振り分けられている。なお、本実施形態において、演出内容決定用乱数が取り得る値は「0〜300」としており、これら301個の値が各演出内容決定テーブルET11,ET12,ET21,ET22において演出内容毎に振り分けられている。
このように、第1期間において演出用ボタンBTが操作されたことに基づき演出(主人公がジャンプする演出など)の実行制御を行うことが、第1期間にて演出用ボタンBTが操作されたことを判定することに相当し、当該判定を行う演出制御用CPU31aが第1判定手段として機能する。また、第2期間において演出用ボタンBTが操作されたことに基づきボイス演出の実行制御を行うことが、第2期間にて演出用ボタンBTが操作されたことを判定することに相当し、当該判定を行う演出制御用CPU31aが第2判定手段として機能する。
ここで、図9(a)〜(d)に基づき、各演出内容決定テーブルET11,ET12,ET21,ET22について、説明する。
図9(a),(c)に示すように、高確率抽選状態の生起中に用いられる演出内容決定テーブルET11,ET21では、演出内容BE10が決定され得るように「1個以上」の値が振り分けられている。
一方、図9(b),(d)に示すように、高確率抽選状態の生起中でないときに用いられる演出内容決定テーブルET12,ET22では、演出内容BE10が決定され得ないように「1個以上」の値が振り分けられていない。したがって、ボイス演出が演出内容BE10で行われた際には、高確率抽選状態が生起されていることを特定できる。
また、図9(a)〜(d)に示すように、演出内容BE1〜BE9は、全ての演出内容決定テーブルET11,ET12,ET21,ET22にて決定される可能性のあるボイス演出の演出内容である。この中でも演出内容BE8,BE9は、演出内容決定テーブルET11を用いた方が演出内容決定テーブルET12を用いるよりもボイス演出の演出内容として決定され易く、演出内容決定テーブルET21を用いる方が演出内容決定テーブルET22を用いるよりもボイス演出の演出内容として決定され易くなっている。すなわち、演出内容BE8,BE9は、コインの累積枚数に関係なく、高確率抽選状態が生起されていないときよりも高確率抽選状態が生起されているときに実行され易いボイス演出の演出内容となる。したがって、コインの累積枚数が規定枚数以上であるか否かに関係なく、演出内容BE8,BE9の何れかでボイス演出が行われた場合、高確率抽選状態が生起されていることへの期待度が高いことを特定できる。
また、図9(a),(b)に示すように、コインの累積枚数が規定枚数未満であるとき、演出内容BE1〜BE7は、演出内容決定テーブルET11,ET12の何れを用いた場合であっても略同一確率で決定されるボイス演出の演出内容となる。したがって、演出内容BE1〜BE7のうち何れかの演出内容でボイス演出が行われた際には、高確率抽選状態が生起されているか否かについて特定できない。
一方、図9(c),(d)に示すように、コインの累積枚数が規定枚数以上であるとき、演出内容BE1〜BE7は、演出内容決定テーブルET22を用いたときの方が、演出内容決定テーブルET21を用いたときよりもボイス演出の演出内容として決定され易い演出内容となる。したがって、主人公が獲得しているコインの累積枚数が規定枚数以上であることを特定できたとき、演出内容BE1〜BE7の何れかの演出内容でボイス演出が行われた際には、高確率抽選状態が生起されていることへの期待度が低いことを特定できる。但し、コインの累積枚数が規定枚数以上であって、高確率抽選状態の生起中でも、演出内容BE1〜BE7のうち何れかの演出内容が決定される確率の方が、演出内容BE8〜BE10のうち何れかの演出内容が決定される確率よりも高い。このため、コインの累積枚数が規定枚数以上であるときに、演出内容BE1〜BE7のうち何れかの演出内容でボイス演出が実行されたからといって、高確率抽選状態が生起されていないことを断定できない。
また、演出制御用CPU31aは、演出内容決定テーブルを用いてボイス演出の演出内容を決定すると、当該決定した演出内容のボイス演出を実行するようにスピーカSpの音声出力態様を制御する。
次に、メータMの表示態様に係る制御について、説明する。
演出制御用CPU31aは、障害物抽選の抽選結果や第1期間における演出用ボタンBTの操作に応じて、主人公が通過した経路を特定する。それとともに、演出制御用CPU31aは、主人公が通過した経路上にボックス画像を表示させた場合には、当該ボックス画像とともに決定した主人公が獲得又は喪失するコインの枚数を数的に表示させるとともに、当該枚数に基づきコインの累積枚数を増減させる。そして、演出制御用CPU31aは、コインの累積枚数に応じて、メータMを構成するメータ領域の色の変化を制御する。例えば、主人公が獲得しているコインの累積枚数が「33枚」であるとき、演出制御用CPU31aは、メータ領域M1,M2の色を変化させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。
また、入球率向上状態の生起中(状態示唆演出が行われる期間)において大当り遊技が生起された場合、演出制御用CPU31aは、当該大当り遊技の生起前までのコインの累積枚数をリセットし、大当り遊技終了後のコインの累積枚数を「0枚」に戻す。
なお、本実施形態において、第1期間にて演出用ボタンBTを操作することによって、主人公がジャンプして障害物SBの上側を走り、コインが増減する又は増減しない演出が第1操作演出に相当する。また、本実施形態において、障害物SBの上側に表示されたボックス画像によってコインの増減が数的に表示される演出又は障害物SBの上側にボックス画像が表示されずにコインが増減しないでコインの増減枚数が表示されない演出が、第1結果に相当する。そして、コインの累積枚数を増加させる演出(コインを獲得する演出)が増加用の第1結果に相当し、コインの累積枚数を減少させる演出(コインを喪失する演出)が減少用の第1結果に相当する。
また、本実施形態において、メータMにて表示されるコインの累積枚数が、累積結果に相当する。そして、本実施形態において、メータMが表示される演出表示装置11が、累積報知手段に相当する。また、本実施形態において、主人公がジャンプする演出などが行われる演出表示装置11が、第1操作演出実行手段として機能する。また、本実施形態において、主人公がジャンプする演出などを演出表示装置11に実行させるための制御を行う演出制御用CPU31aが、第1操作演出制御手段として機能する。
また、本実施形態において、第2期間にて演出用ボタンBTを操作することによって実行されるボイス演出が第2操作演出に相当する。また、本実施形態において、ボイス演出の演出内容が、第2結果に相当する。また、本実施形態において、ボイス演出を実行するスピーカSpが第2操作演出実行手段として機能する。また、本実施形態において、ボイス演出をスピーカSpに実行させるための制御を行う演出制御用CPU31aが、第2操作演出制御手段として機能する。また、本実施形態において、高確率抽選状態が生起されている可能性が高いことを特定できる演出内容BE8〜BE10が、遊技状態を特定な第2結果に相当する。また、本実施形態において、高確率抽選状態が生起されている可能性が高いことを特定できない演出内容BE1〜BE7が、遊技状態を特定不可能な第2結果に相当する。
また、本実施形態において、高確率抽選状態が生起されているか否かを示す情報が設定される主制御用高確率抽選状態フラグと演出制御用高確率抽選状態フラグが記憶されている主制御用RAM30c及び演出制御用RAM31cが、記憶手段として機能する。また、主制御用高確率抽選状態フラグと演出制御用高確率抽選フラグに設定される情報が、遊技状態情報に相当する。また、高確率抽選状態が、当選確率向上状態に相当する。
ここで、図10(a)〜(e)及び図11(a)〜(c)に基づき、入球率向上状態生起中における演出表示装置11の表示内容やスピーカSpの音声出力態様について、説明する。
なお、図10(a)におけるコインの累積枚数は、「90枚」であるものとし、高確率抽選状態が生起されているものとする。このため、図10(a)では、コインの累積枚数が「90枚」であることから、メータ領域M1〜M5の色が変化して表示される。
また、図10(b)に示すように、障害物SBが表示されていないとき(第2期間)に演出用ボタンBTが操作されると、ボイス演出がスピーカSpにて行われる。このとき、ボイス演出の演出内容として演出内容BE2が決定されたとすると、演出内容BE2のボイス演出がスピーカSpにて行われる。このように、コインの累積枚数が規定枚数を超えているにも係らず演出内容BE2でボイス演出が行われたことから、遊技者は高確率抽選状態が生起されていることへの期待度を低下させる。
その後、図10(c)に示すように、障害物SBが表示されたとする。このとき、上ルートTR上にボックス画像Baが表示され、下ルートAR上にボックス画像Bbが表示されたとする。
そして、図10(d)に示すように、主人公と障害物SBの位置関係が所定の位置関係となるタイミング(第1期間)で、タイミングよく演出用ボタンBTが操作されると、主人公が上ルートTR上を通過することになる。この結果、主人公はコインを獲得する。
このとき、図10(e)に示すように、主人公が獲得するコインの枚数として「10枚」が決定された際には、コインの累積枚数が「100枚」に達することから、全てのメータ領域M1〜M5,Mmの色が変化する。これにより、遊技者は、高確率抽選状態が生起されていることを特定できる。
一方、図11(a)に示すように、主人公と障害物SBの位置関係が所定の位置関係となるタイミングで、タイミングよく演出用ボタンBTが操作されなかったとき(第2期間で演出用ボタンBTが操作されたとき)には、ボイス演出がスピーカSpにて行われる。このとき、ボイス演出の演出内容として演出内容BE8が決定されたとすると、演出内容BE8のボイス演出がスピーカSpにて行われる。このように、コインの累積枚数が規定枚数を超えているときであっても、演出内容BE8でボイス演出が行われたことから、遊技者は高確率抽選状態が生起されていることへの期待度を向上させる。
また、主人公と障害物SBの位置関係が所定の位置関係となるタイミングで演出用ボタンBTが操作されなかったことから、主人公が下ルートAR上を通過することになる。この結果、主人公はコインを喪失する。
このとき、図11(b)に示すように、主人公が喪失するコインの枚数として「10枚」が決定された際には、主人公が獲得したコインの枚数が「80枚」となることから、メータ領域M5の色がもとの色へと戻り、メータ領域M1〜M4の色が変化している状態へと切り替わる。
その後、図11(c)に示すように、障害物SBが表示されていないとき(第2期間)に演出用ボタンBTが操作されると、ボイス演出がスピーカSpにて行われる。このとき、ボイス演出の演出内容として演出内容BE10が決定されたとすると、演出内容BE10のボイス演出がスピーカSpにて行われる。このように、演出内容BE10でボイス演出が実行されると、遊技者は、高確率抽選状態が生起されていることを特定する。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)一般的なパチンコ遊技機のうち演出用ボタンBTのような操作手段を備えた遊技機として、例えば、特開2010−167146号公報に記載の遊技機(以下、「第1の従来遊技機」という)がある。第1の従来遊技機では、タイミングよく操作手段が操作された場合には「成功」の結果が導出されるように演出が展開される一方、タイミングよく操作手段が操作されなかった場合には「失敗」の結果が導出されるように演出が展開される。このように、操作手段を操作するタイミングが演出の展開に影響することから、遊技者がタイミングをよく操作手段を操作しようとすることで、遊技者を演出に参加させて遊技に対する興趣を高めている。ところで、遊技者の中には、操作手段をタイミングよく操作することを苦手とする遊技者もいる。このような遊技者は、操作手段を操作するタイミングが演出の展開に影響する場合、操作手段を操作することを敬遠し、結果的に遊技に対する興趣を低下させてしまう虞があった。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1期間で操作手段としての演出用ボタンBTを操作できれば、コインの獲得枚数が遊技状態を特定可能な結果になるように、主人公がジャンプした後にコインの獲得又は喪失を示す結果を導出する演出(第1操作演出)が行われる。このため、第1期間にて演出用ボタンBTを操作するほど、コインの累積枚数が、遊技状態を特定可能な結果になっていく。したがって、タイミングよく演出用ボタンBTを操作することを得意とする遊技者は、障害物SBが表示されて第1期間が到来する度に、当該第1期間内にタイミングよく演出用ボタンBTを操作しようという意欲を高める。また、何回かの第1期間内にタイミングよく演出用ボタンBTを操作することによって、コインの累積枚数が遊技状態を特定可能な内容になっていく。このため、1回の第1期間内でタイミングよく演出用ボタンBTを操作できた後も、次の第1期間の到来に備えて演出用ボタンBTを操作するための意欲を維持させることができ、演出用ボタンBTの操作を楽しませることができる。
また、第2期間で演出用ボタンBTを操作した場合、遊技状態を特定可能な演出内容又は遊技状態を特定不可能な演出内容でボイス演出(第2操作演出)が実行される。この第2期間は第1期間よりも長い期間であるため、第1期間内で演出用ボタンBTを操作するよりは、第2期間内で演出用ボタンBTを操作する方が簡単なため、第1期間内に演出用ボタンBTを操作することを苦手とする遊技者であっても、第2期間内にタイミングよく演出用ボタンBTを操作することができる可能性がある。したがって、第2期間内に演出用ボタンBTを操作できれば遊技状態(高確率抽選状態が生起されているか否か)を特定できる可能性がある。これにより、第1期間内にタイミングよく演出用ボタンBTを操作することを苦手に思う遊技者であっても、演出用ボタンBTの操作態様が容易となる第2期間内での演出用ボタンBTの操作を行ってみようという意欲を高めることができる。
(2)コインの累積枚数は増減するため、第1期間内に演出用ボタンBT(操作手段)を操作することでコインの累積枚数が単純に増加するよりも、面白味があり、遊技者を楽しませることができる。
(3)遊技状態が遊技者にとって有利である場合、遊技状態が遊技者にとって有利でない場合と比較して、コインの累積枚数を減少させる内容の演出(コインを喪失する演出)が実行され難くした。これにより、コインを喪失する内容の演出が実行される割合(頻度)から、遊技状態が遊技者にとって有利であるか否かを推測できる可能性があるため、コインの累積枚数とともに、1回の第1期間における演出用ボタンBTの操作によってコインを喪失するか否かへの注目度を高めることができる。この結果、第1期間内にタイミングよく演出用ボタンBTを操作することを得意とする遊技者には、第1期間内でタイミングよく演出用ボタンBTを操作して遊技を楽しみたいという思いを抱かせることができ、第1期間が到来する度に演出用ボタンBTを操作したいという意欲を更に高めることができる。
(4)第1期間と第2期間は重複しないように設定される。このため、主人公が上ルートTRを通過するために主人公がジャンプする演出と、ボイス演出と、が同時期に実行されることによって遊技者を混乱させてしまうことを防止できる。更に、遊技者が実行させたいと思う演出を実行させることへの意欲を高め、第1期間と第2期間のそれぞれの期間内に演出用ボタンBTを操作することへの意欲を高めることができる。
(5)第1期間と第2期間は、連続して設定される。このため、第1期間内にタイミングよく演出用ボタンBT(操作手段)を操作しようとして当該操作のタイミングが第1期間外であっても、第2期間での演出用ボタンBTの操作として演出の展開に反映される可能性がある。したがって、第1期間でタイミングよく演出用ボタンBTを操作することを苦手とする遊技者は、第1期間内での演出用ボタンBTの操作を練習できるとともに、第1期間内での操作を狙って演出用ボタンBTを操作してみようという意欲を高めることができる。更に、このような遊技者が、第1期間内でタイミングよく操作手段を操作できた場合には、タイミングよく演出用ボタンBTを操作することへの自信を抱かせ、より積極的に第1期間内でタイミングよく演出用ボタンBTを操作しようという意欲を高めることができる。
(6)第1期間にてタイミングよく演出用ボタンBT(操作手段)を操作した際に行われる演出は、表示演出を実行する表示手段としての演出表示装置11にて行われる。一方、第2期間にて演出用ボタンBTを操作した際に行われる演出は、音声演出を実行する音声出力手段としてのスピーカSpにて行われる。
複数の遊技機が設置されているような遊技場において、スピーカSpによって行われる演出は、自らが遊技を行っている遊技機から音声出力されたものであるか否かを認識し難い。その一方で、演出表示装置11にて行われる演出は、自らが遊技を行っている遊技機にて行われたものであるか否かを確実に認識できる。つまり、第1期間内にタイミング良く演出用ボタンBTを操作した場合には、第2期間内に演出用ボタンBTを操作する場合よりも、認識し易い態様で演出(操作演出)が行われる。このように、第1期間内にタイミングよく演出用ボタンBTを操作した際のメリットを高めことで、意欲的に第1期間内でタイミングよく演出用ボタンBTを操作させることができる。
(7)第2期間内に演出用ボタンBT(操作手段)を操作することによってボイス演出(第2操作演出)が実行されたとしても、当該ボイス演出の演出内容が実際の制御状態を推測できる内容でない場合もある。このため、第1期間内にタイミングよく演出用ボタンBTを操作することを苦手とする遊技者であっても、第2期間にて演出用ボタンBTを操作することだけで満足することなく、第1期間内にタイミングよく演出用ボタンBTを操作する意欲を高めることができる。
(8)大当り抽選の当選確率は、遊技者が目視によって確認することができない。したがって、大当り抽選の当選確率について知るためには、高確率抽選状態(当選確率向上状態)が生起されているか否かを推測しなければならない。このため、第1期間や第2期間にて演出用ボタンBT(操作手段)を操作することへの意欲を高めることができる。
(9)一般的なパチンコ遊技機のうち演出用ボタンBTのような操作手段を備えた遊技機として、例えば、特開2011−234949号公報に記載の遊技機(以下、「第2の従来遊技機」という)がある。第2の従来遊技機では、ミニゲーム1〜ミニゲーム3を実行可能に構成されており、各種ミニゲームにおいて結果を導出するための操作手段の操作態様とともに、操作手段の操作態様の難易度を異ならせている。具体的に、第2の従来遊技機では、ミニゲーム1<ミニゲーム2<ミニゲーム3の順に操作態様の難易度を高くしている。このように、各種ミニゲームにおける操作手段の操作態様の難易度を異ならせることによって、様々な操作手段の操作態様でミニゲームを楽しませようとしている。ところで、ミニゲームの種類によって操作手段の操作態様の難易度を異ならせても、導出される結果にて遊技者が得られる結果が同じであれば、難易度の高いミニゲームは敬遠される虞がある。このように、操作手段の操作態様を異ならせることによって、遊技者が操作手段を操作することを敬遠する虞があった。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、ボイス演出(第2操作演出)が遊技状態を特定可能な演出内容(第2結果)で実行される確率は、コインの累積枚数が増加するほど高くなる。このため、第1期間にて演出用ボタンBT(操作手段)を操作することでコインの累積枚数が増加すれば、ボイス演出の演出内容から遊技状態を推測できる可能性が高くなる。これにより、第2期間にて演出用ボタンBTを操作することに加えて、第1期間で演出用ボタンBTを操作することへの意欲も高めることができる。また、コインの累積枚数と、ボイス演出の演出内容の選択率と、が絡み合うことにより、各期間における演出用ボタンBTの操作を更に楽しませることができる。
(10)第1期間にて演出用ボタンBT(操作手段)を操作したとしても、コインの累積枚数が減少する場合もある。つまり、第1期間にて演出用ボタンBTを操作すると、ボイス演出の演出内容として、遊技状態を特定可能な演出内容が決定され難くなることもある。このため、第1期間にて演出用ボタンBTを操作した際には、コインの累積枚数が増加するか否か(又は、減少するか否か)について注目させて、楽しませることができる。
(11)コインの累積枚数が規定枚数に到達すると、演出用ボタンBT(操作手段)を操作しない可能性が考えられる。しかし、下ルートAR上には、上ルートTR上よりもコインを喪失する結果が導出され易いように構成した。すなわち、第1期間にて演出用ボタンBTを操作しなかった場合には、第1期間にて演出用ボタンBTした場合よりも、コインの累積枚数が減少し易いように構成した。これにより、コインの累積枚数が規定枚数に到達した後も、第1期間にて演出用ボタンBTを操作することへの意欲を高く維持させることができる。
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・上記実施形態において、図12に示すように、障害物SBを表示させることなく第1期間を設定し、当該第1期間にて演出用ボタンBTが操作された場合には、主人公がジャンプルートJRを辿って通過するように動作させて、主人公の上方に表示させたボックス画像の表示位置まで主人公がジャンプするように演出を展開させてもよい。この場合、主人公とボックス画像の位置関係が所定の位置関係となったときを、第1期間となる。
・上記実施形態において、2回の第1期間において演出用ボタンBTをタイミングよく操作する態様で演出を展開させてもよい。例えば、障害物SBを2段階連続させて表示し、1回目の第1期間にてタイミングよく演出用ボタンBTが操作された場合には1個目の障害物SBの上側に主人公を移動させてもよい。更に、2回目の第1期間にてタイミングよく演出用ボタンBTが操作された場合には、2個目の障害物SBの上側に主人公を移動させてもよい。因みに、1回目の第1期間にてタイミングよく演出用ボタンBTが操作された場合であって、2回目の第1期間にてタイミングよく演出用ボタンBTが操作されなかった場合には、1個目の障害物SBから主人公が落下するような演出を行ってもよい。
・上記実施形態において、例えば、演出用ボタンBTを長押しすることによって、主人公が通常よりも早く走っているようにみせても良い。この場合、主人公画像Paを通常よりも進行方向(上記実施形態において、演出表示装置11の右方向)に表示させるとともに、当該主人公画像Paにエフェクト画像を付すことによって、主人公が通常よりも早く走っているようにみせてもよい。この場合、背景画像HGも、演出表示装置11の右側から左側の方向に、通常よりも早く移動させて表示させることが好ましい。なお、主人公が通常よりも早く走っているようにみせる演出を行う際には、障害物SBが表示される確率を高くして、主人公が早く走ったことによって障害物SBまで辿り着いたかのようにみせてもよい。このように、演出のバリエーションを増やすことによって、興趣を向上させることができるとともに、演出用ボタンBTを操作する意欲を更に高めることができる。
・上記実施形態において、規定枚数は「75枚」でなくても、「1枚」や「50枚」、「99枚」であってもよい。
・上記実施形態において、コインの累積枚数に応じて、ボイス演出の演出内容の決定態様を異ならせなくてもよい。
・上記実施形態において、第1期間にて演出用ボタンBTが操作された場合に行われる演出と、第2期間にて演出用ボタンBTが操作された場合に行われる演出は、同じ演出装置で行われるように構成してもよい。例えば、何れの演出も、演出表示装置11で行われるように構成してもよい。
・上記実施形態において、高確率抽選状態の終了条件として、図柄変動ゲームの実行回数によって成立する終了条件を追加してもよい。例えば、大当り遊技終了後に高確率抽選状態が生起されるとき、当該大当り遊技終了後から大当り抽選に当選することなく予め決められた確率向上回数の図柄変動ゲームの実行が終了したことを契機に、高確率抽選状態の終了条件が成立するように構成してもよい。なお、この確率向上回数は、入球率向上回数と同一回数であってもよいし、入球率向上回数よりも少ない回数又は多い回数であってもよい。
・上記実施形態において、コインの累積枚数や、ボイス演出の演出内容によって、実行中の図柄変動ゲームが大当りとなる可能性(大当り期待度)を報知するように構成してもよい。また、コインの累積枚数や、ボイス演出の演出内容によって特定可能とする事象は、大当り期待度や、高確率抽選状態が生起されている可能性に限らず、その他にも、例えば、実行が保留されている図柄変動ゲームの中に大当りとなる図柄変動ゲームが存在する可能性であってもよい。このように構成する場合、演出制御用CPU31aが、実行が保留されている図柄変動ゲームの内容を特定できるように、当該実行が保留された図柄変動ゲームの内容を特定可能な制御信号(所謂、先読みコマンド)が主制御用CPU30aから演出制御用CPU31aに出力されることが好ましい。
・上記実施形態において、第1期間の設定中には、第1期間である旨を遊技者に報知する演出を行うように構成してもよい。この場合、第1期間である旨を遊技者に報知する演出が行われる演出装置(例えば、演出表示装置11)が、第1期間報知手段として機能する。更に、第2期間の設定中には、第2期間である旨を遊技者に報知する演出を行うように構成してもよい。この場合、第2期間である旨を遊技者に報知する演出が行われる演出装置(例えば、演出表示装置11)が、第2期間報知手段として機能する。以上のように構成する場合、第1期間と第2期間のうち何れが設定されているかを認識し易くなるため、遊技者は、演出用ボタンBT(操作手段)をタイミングよく操作し易くなる。その結果、どのタイミングで演出用ボタンBTを操作すれば良いかが分からずに、演出用ボタンBTを操作する意欲を低下させてしまうことを抑制できる。更には、演出用ボタンBTを操作したらどうなるのだろうかという遊技者の好奇心を煽ることもでき、演出用ボタンBTを操作してみようという意欲を高めることができる。
・上記実施形態において、ボイス演出の演出内容(第2操作演出にて導出される第2結果)によって、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態であること、つまり、高確率抽選状態が生起されていることが遊技者に報知されないように構成してもよい。すなわち、ボイス演出の演出内容として、高確率抽選状態の生起中にのみ選択され得る演出内容BE10を備えなくてもよい。このように構成する場合、第1期間でタイミングよく演出用ボタンBT(操作手段)を操作しなければ、遊技状態が遊技者にとって有利であることが報知されることがない。このため、タイミングよく演出用ボタンBTを操作することを得意とする遊技者は、第1期間と第2期間のうち第1期間で演出用ボタンBTを操作することを選択することが予想される。このため、第1期間でタイミングよく演出用ボタンBTを操作させる操作態様で、遊技を楽しませ易くできる。
・上記実施形態において、第2期間は、第1期間よりも長い期間でなくてもよい。例えば、第1期間と同じ長さの期間であってもよいし、第1期間よりも短い期間であってもよい。
・上記実施形態において、第1期間と第2期間が重複するように設定してもよい。この場合、第1期間と第2期間が重複する期間(重複期間)にて、演出用ボタンBTが操作された際には、主人公がジャンプしてコインが増減し得る演出(第1操作演出)と、ボイス演出(第2操作演出)の何れもが実行されるように構成してもよい。
・上記実施形態において、演出用ボタンBTの操作に伴って主人公がジャンプする場合があるものの、主人公が障害物SBの上側を通過することができずに障害物SBの下側を通過する場合があってもよい。更に、この演出用ボタンBTの操作に基づいてボイス演出を実行してもよいし、実行しなくてもよい。
・上記実施形態において、第2期間にて演出用ボタンBTが1回操作された場合には、図柄変動ゲームが終了するまでの間、第2期間における2回目以降の演出用ボタンBTの操作に基づきボイス演出を実行しないように構成してもよい。
・上記実施形態において、第1期間や第2期間にて演出用ボタンBTが操作されたことに基づき、演出用ボタンBTの操作を有効としない無効期間を設定するように構成してもよい。このように構成する場合、第1期間にてタイミングよく演出用ボタンBTを操作するために、演出用ボタンBTを無効期間よりも短い間隔で連続的に操作(所謂、連打)したとしても、第1期間内に演出用ボタンBTを操作できない可能性が高めることができる。この結果、演出用ボタンBTをタイミングよく操作することに対する意欲を高めるとともに、第1期間にてタイミングよく演出用ボタンBTを操作できた際の喜びを高めることができる。
・上記実施形態において、第1期間の前後のうち何れか一方にのみ、第2期間を第1期間に連続して設定するように構成してもよい。
・上記実施形態において、第1期間と第2期間を、間隔を空けて設定するように構成してもよい。
・上記実施形態において、コインの累積枚数によって高確率抽選状態が生起されていることを遊技者に報知不可能に構成してもよい。
・上記実施形態において、ボイス演出の演出内容を決定する際、ボイス演出の演出内容で高確率抽選状態の生起中であることを示唆するか否かを抽選し、当該抽選に当選した際には、演出内容BE8〜BE10の中からボイス演出の演出内容が決定されるように構成してもよい。また、前記抽選に非当選した際には、演出内容BE1〜BE7の中からボイス演出の演出内容が決定されるように構成してもよい。
・上記実施形態において、上ルートTRと下ルートARにおいて、表示されるボックス画像の有利度が変化するように構成しなくてもよく、ルートTR,ARの種類に関係なく無作為にボックス画像が表示されるように構成してもよい。
・上記実施形態において、第1期間で演出用ボタンBTが操作されたときにのみ、コインの累積枚数が増減するように構成してもよい。
・上記実施形態において、コインの累積枚数は減少し得ないように構成してもよい。
・上記実施形態において、コインを獲得する際には獲得したコインの枚数を数字で表示しなくても、獲得するコインの枚数だけコインを示す画像を表示させることで獲得するコインの枚数を数的に表示させてもよい。同様に、コインを喪失する際には喪失したコインの枚数を数字で表示しなくても、喪失したコインの枚数だけコインの画像を落とすように表示させることで喪失するコインの枚数を数的に表示させてもよい。
・上記実施形態において、コインの累積枚数を数字で表示してもよい。
・上記実施形態において、大当りの種類を変更してもよい。例えば、大当り遊技における大入賞装置20の開放状態及び閉鎖状態の態様を異ならせた大当りを複数種類備えてもよい。
・上記実施形態において、演出表示装置11、装飾ランプLa及びスピーカSpをそれぞれ専用のCPUによって制御するように構成してもよい。このとき、各CPUは、単一の制御基板上に設けてもよいし、異なる制御基板上に設けてもよい。また、各CPUを設けることに伴い、各CPUがそれぞれ管理するROMやRAMを設けてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記第1操作演出制御手段は、前記第1期間にて前記操作手段が操作されなかった場合であっても、前記第1結果を導出させる制御を実行可能に構成され、前記第1期間にて前記操作手段が操作されなかった場合、前記第1期間にて前記操作演出が操作された場合と比較して、前記減少用の第1結果を導出させ易いことを特徴とする遊技機。
(ロ)前記第1操作演出制御手段は、前記第1結果が導出される毎に前記累積結果が、前記遊技状態を特定可能な結果となるように前記第1操作演出にて第1結果を導出させることを特徴とする遊技機。
(ハ)遊技状態には、大当り抽選の当選確率が通常の当選確率よりも高い当選確率に向上する当選確率向上状態があり、前記遊技状態情報は、遊技状態が前記当選確率向上状態であるか否かを示す制御情報であることを特徴とする遊技機。
(ニ)前記第1期間は、所定の演出領域内を移動する演出要素及び前記演出要素とは異なる演出指標の位置関係が所定の位置関係となる期間であって、前記第2期間は、前記演出要素と前記演出指標の位置関係が前記所定の位置関係とならない期間であることを特徴とする遊技機。
(ホ)遊技者が操作可能な操作手段と、遊技状態を特定可能な遊技状態情報が記憶される記憶手段と、第1期間において前記操作手段が操作されたか否かを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段の判定結果が肯定の場合、第1結果を導出する第1操作演出を第1操作演出実行手段に実行させる第1操作演出制御手段と、前記第1操作演出にて導出された第1結果を累積的に累積結果として遊技者に報知する累積報知手段と、第2期間において前記操作手段が操作されたか否かを判定する第2判定手段と、前記第2判定手段の判定結果が肯定の場合、第2結果を導出する第2操作演出を第2操作演出実行手段に実行させる第2操作演出制御手段と、を備え、前記操作手段が操作されたか否かを前記第2判定手段が判定可能な期間は、前記操作手段が操作されたか否かを前記第1判定手段が判定可能な期間よりも長くなっており、前記第1操作演出制御手段は、前記第1結果が導出される毎に前記累積報知手段にて報知される累積結果が、前記遊技状態を特定可能な結果となるように前記第1操作演出にて導出する第1結果を決定し、前記第2操作演出制御手段は、前記遊技状態を特定可能な第2結果及び前記遊技状態を特定不可能な第2結果の中から前記第2操作演出にて導出する第2結果を決定することを特徴とする遊技機。