(本発明の一実施の形態に係るパチンコ遊技機1の構成等)
図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置から発射されて打ち込まれる。遊技盤2の所定位置(図1では遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報である特別図柄(特図)の可変表示(特図ゲーム)を行う、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。これらは、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどであればよい。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
特別図柄の可変表示とは、複数種類の特別図柄を更新表示などにより変動させる(変動可能に表示する)ことである(他の可変表示についても同じ)。可変表示の最後には、表示結果(可変表示結果)として所定の特別図柄が停止表示(導出表示)される。第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」と、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。第1特図の特図ゲームを「第1特図ゲーム」と、第2特図の特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報である飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。一例として、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)が行われる。画像表示装置5の画面上には、表示エリア5Hが配置されている。表示エリア5Hでは、実行が保留されている特図ゲームに対応する保留表示画像を表示する。特図ゲームの保留数は、特図保留記憶数ともいう。特図保留記憶数を特定可能に表示する第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとはそれぞれ、複数のLEDを含んで構成され、LEDの点灯個数によって第1特図保留記憶数(第1特図ゲームの保留記憶数)と第2特図保留記憶数(第2特図ゲームの保留記憶数)とを表示する。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、第1始動口スイッチ22A(図2参照)がオンし、これによって、当該遊技球の進入が検出される(このときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る)。普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用のソレノイド81(図2参照)によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、例えば、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が普通入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、第2始動口スイッチ22B(図2参照)がオンし、これによって、当該遊技球の進入が検出される(このときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る)。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、大入賞口扉用となるソレノイド82(図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23(図2参照)がオンし、これによって、当該遊技球の進入が検出される。このときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
遊技盤2の所定位置(図1では遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報である普通図柄(普図、普通図)の可変表示を行う。普通図柄の可変表示は普図ゲーム(普通図ゲーム)ともいう。普図ゲームは、遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づいて実行される。遊技球が通過ゲート41を通過したときには、図2のゲートスイッチ21がオンになり、これにより当該遊技球の通過が検出される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、遊技領域周辺部には遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9はLEDを含んで構成されている。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技球を保持(貯留)する上皿と、上皿からの余剰球などを保持(貯留)する下皿が設けられている。上皿を形成する部材にはプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作(例えば押下)を検出し、操作検出信号を演出制御基板12に出力するプッシュセンサ35Bが設けられている。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行(特図ゲーム、普図ゲームの実行など)を制御する機能(演出制御基板12に向けて演出制御コマンドを送信する機能を含む。)を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。一例として、CPU103がROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、主基板11の機能(遊技の進行の制御)を実現する。このとき、ROM101が記憶する各種データ(変動パターンや各種の決定テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数はCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるものであってもよい。I/O105は、各種信号が入力される入力ポートと、各種信号を伝送するための出力ポートとを備える。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。主基板11から演出制御基板12に伝送される演出制御コマンドは、中継基板15によって中継される。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて各種の演出(飾り図柄の可変表示を含む。)を実行する機能を有する。演出制御基板12には、演出制御用CPU120、ROM121、RAM122、表示制御部123、乱数回路124、I/O125が搭載されている。一例として、演出制御用CPU120がROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、演出制御基板12の機能(演出の実行)を実現する。このとき、ROM121が記憶する各種データ(演出制御パターンに用いるデータや各種の決定テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づき、画像表示装置5において表示する演出画像の映像信号を出力し、画像表示装置5に演出画像を表示する。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などが搭載されていればよい。乱数回路124は、演出動作を制御するときに使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるものであってもよい。演出制御基板12に搭載されたI/O125は、主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号を伝送するための出力ポートとを備える。
音声制御基板13は、演出制御基板12からの効果音信号に基づき、スピーカ8L,8Rから音声(効果音信号が指定する音声)を出力させる機能を有する。ランプ制御基板14は、演出制御基板12からの電飾信号に基づき、遊技効果ランプ9の点灯/消灯駆動(電飾信号が示す駆動内容による点灯/消灯)を行う機能を有する。画像表示装置5は、液晶パネルなどの表示パネルと、表示パネルを駆動するドライバ回路を備える。表示制御部123からI/O125を介して画像表示装置5に供給された映像信号は、ドライバ回路に入力される。ドライバ回路は、映像信号が表す画像を表示パネルに表示させる。これにより、画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
(遊技の進行や演出の進行など)
パチンコ遊技機1の打球操作ハンドルを遊技者が回転操作すると、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が通過ゲート41を通過したときには、普図ゲームが開始される。すでに他の普図ゲームが実行されている下記の開放制御中など、普図ゲームを開始できないときには、4つなどを上限として普図ゲームの実行は保留される。保留された普図ゲームは、開始可能になったときに開始される。
普図ゲームで停止表示される可変表示結果には、普図当り図柄(例えば「7」などの普図)と、普図ハズレ図柄(例えば「−」などの普図)と、がある。普図当り図柄が停止表示(導出)されるときは、可変表示結果が「普図当り」のときである。普図ハズレ図柄が停止表示されるときは、可変表示結果が「普図ハズレ」のときである。「普図当り」のときには、普通可変入賞球装置6Bの可動翼片を所定期間傾動位置とする開放制御(第2始動入賞口が開放状態になる。)が行われる。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入したときには、第1特図ゲームが開始される。遊技球が、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入したときには、第2特図ゲームが開始される。すでに他の特図ゲームが実行されている、後述の大当り遊技状態に制御されているときなど、特図ゲームを開始できないとき(開始条件が成立していないとき)には、4つなどを上限として特図ゲームの実行は保留される。保留された特図ゲームは、開始条件の成立により実行される。
特図ゲームで停止表示される可変表示結果には、大当り図柄(例えば「3」、「7」などの特図)と、ハズレ図柄(例えば「−」などの特図)と、がある。大当り図柄が停止表示(導出)されるときは、可変表示結果が「大当り」のときである。ハズレ図柄が停止表示(導出)されるときは、可変表示結果が「ハズレ」のときである。第1又は第2特図ゲームの可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)のときには、遊技者にとって有利な有利状態としての大当り遊技状態に制御される。可変表示結果が「ハズレ」のときには、大当り遊技状態には制御されない。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が開放状態となる。開放状態は、所定期間(例えば29秒間)の経過タイミングと、所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。この開放状態をラウンド遊技(ラウンド)という。大当り遊技状態では、当該ラウンド遊技が、所定の上限回数(例えば「15回」)に達するまで繰返し実行される(ラウンド遊技以外の期間では、大入賞口が閉鎖する)。「大当り」には、「非確変」、「確変」という大当り種別が設定されている。大当り種別が「非確変」のときには、「3」の大当り図柄が停止表示される。大当り種別が「確変」のときには、「7」の大当り図柄が停止表示される。大当り種別が「確変」のときの「大当り」を「確変大当り」、大当り種別が「非確変」のときの「大当り」を「非確変大当り」ともいう。「確変大当り」に基づく大当り遊技状態を「確変大当り遊技状態」ともいう。「非確変大当り」に基づく大当り遊技状態を「非確変大当り遊技状態」ともいう。
確変大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御される。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されるまで継続する。確変状態は、遊技者にとって有利な遊技状態である。確変大当り遊技状態又は非確変大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間(可変表示の期間)が通常状態よりも短くなる時短状態に制御される。時短状態は、所定回数(実施の形態では、100回)の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の終了条件が先に成立するまで、継続する。時短状態は、遊技者にとって有利な遊技状態である。時短状態では、通常状態などの非時短状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを開放状態と閉鎖状態とに変化させる。例えば、普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図の可変表示の期間であり、普図変動時間ともいう)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御などにより、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で開放状態と閉鎖状態とに変化させればよい。このような制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、遊技状態は、通常状態よりも遊技者にとって有利な状態となる。
通常状態とは、大当り遊技状態等の有利状態や、時短状態や、確変状態等の遊技者にとって有利な状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
時短状態は「高ベース」と、時短状態でない遊技状態は「低ベース」「非時短状態」と、確変状態は「高確」ともいわれる。確変状態でない遊技状態は、「低確」、「非確変」ともいわれる。確変状態及び時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース」ともいわれる。確変状態となっているが時短状態になっていないときの遊技状態は、「高確低ベース」ともいわれる。確変状態となっていないが時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース」ともいわれる。通常状態は、「低確低ベース」ともいわれる。
画像表示装置5の「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示(これも演出の一種である。)が開始される。第1、第2特図ゲームにおいて可変表示結果(確定特別図柄ともいう)が停止表示されるときには、飾り図柄の可変表示の表示結果(可変表示結果)となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)が停止表示(導出表示)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様などのことである。実施の形態では、可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。リーチ演出として、演出態様がそれぞれ異なるノーマルリーチ、スーパーリーチA(ノーマルリーチから発展する)、及び、スーパーリーチB(ノーマルリーチから発展する)が用意されている。実施の形態では、大当り期待度は、スーパーリーチB>スーパーリーチA>ノーマルリーチ(スーパーリーチに発展しないノーマルリーチ)の順で高い。大当り期待度は、例えば、特図ゲームの可変表示結果が「大当り」となる割合であり、ここでは、飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる割合でもある。
特図ゲームの可変表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、確変大当りのときに「7」、非確変大当りのときに「6」など)が揃って停止表示される。実施の形態では、後述する図3(B)に示すように、「非確変」には、大当り中に昇格演出(失敗)が実行される非確変大当りと、昇格演出自体を実行しない非確変大当りの2種類があり、「確変」には、大当り中に昇格演出(成功)が実行される確変大当りと、昇格演出自体を実行しない確変大当りの2種類がある。昇格演出は、確変昇格演出のことであり、大当り中の所定ラウンド(例えば、7ラウンド)において実行され、確変大当りへの昇格に成功又は失敗したことを表示する演出である。大当り種別が「非確変(昇格演出失敗)」のときには、同一の飾り図柄「6」が揃って停止表示され、大当り中の7ラウンドにおいて確変昇格演出(失敗)が実行される。大当り種別が「確変(昇格演出成功)」のときには、同一の飾り図柄「6」が揃って停止表示され、大当り中の7ラウンドにおいて確変昇格演出(成功)が実行される。なお、確変昇格演出は、7ラウンド以外のラウンドや複数ラウンドにわたって実行されるものや、ファンファーレ演出、エンディング演出などに実行されるものであってもよい。また、昇格演出は、ラウンド継続を報知するラウンド昇格演出などであってもよい。
可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄が停止表示されることや、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(リーチハズレ組合せ)の確定飾り図柄が停止表示されることもある。
パチンコ遊技機1の主要な動作を、フローチャートなどを参照して説明する。各動作(各処理)では、フローチャートに現れていない処理などが行われる場合がある。
(主基板11の主要な動作)
主基板11では、CPU103が遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理は、所定期間(例えば2ミリ秒)ごとに供給されるCTC(カウンタ/タイマ回路)からの割込み要求信号によるタイマ割り込みが発生するごと、つまり、割込み要求信号の供給間隔である所定時間(2ms)ごとに実行される。遊技制御用タイマ割込み処理では、CPU103は、スイッチ処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理などを実行し、遊技制御用タイマ割込み処理がタイマ割り込みごとに繰り返し実行されることで、遊技の制御などが実現される。
スイッチ処理では、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから検出信号が入力されたかを判定することによって、各スイッチがオンとなったか否か(つまり、遊技球の進入又は通過があったか否か)をスイッチごとに判定する。この判定の結果は、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理において使用される。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。特別図柄プロセス処理は、スイッチ処理での判定結果などに基づいて、特図ゲームの保留や実行、大当り遊技状態などを実現するための処理である。普通図柄プロセス処理は、スイッチ処理での判定結果などに基づいて、普図ゲームの保留や実行、普図当りのときの普通可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)の開放状態などを実現するための処理である。コマンド制御処理は、特別図柄プロセス処理などで送信設定された演出制御コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して実際に伝送させる処理である。
(特別図柄プロセス処理で送信設定される演出制御コマンド)
次に、特別図柄プロセス処理にて送信設定され、コマンド制御処理にて主基板11から演出制御基板12に送信される演出制御コマンドについて説明する。図3(A)に、主な演出制御コマンドの例を示す。変動パターン指定コマンド81XX(H)、表示結果指定コマンド8CXX(H)、図柄確定指定コマンド8F00(H)等が予め用意されている。「XX」はEXTデータであり、「(H)」は16進数であることを示す。
(特別図柄プロセス処理)
図4は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。以下で説明する各フラグ、各カウンタ、各タイマは、RAM102に設けられる。特別図柄プロセス処理において、CPU103は、始動入賞判定処理を実行する(S101)。例えば、CPU103は、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか(スイッチ処理でオンと判定されたか。他のスイッチについても同じ。)を判定する。オンの場合には、第1特図保留記憶数が上限数(例えば、4)に達しているかを判定し、上限数に達していない場合には、第1始動入賞が発生したとして、乱数回路104又は遊技用乱数更新処理で更新される遊技用乱数値のうちから、特図表示結果(特別ゲームの可変表示結果)決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を抽出し、抽出した数値を第1保留データとして、RAM102の第1特図保留記憶部に保持する。第2始動口スイッチ22Bがオンであるかを判定する。オンの場合には、第2特図保留記憶数が上限数(例えば、4)に達しているかを判定し、上限数に達していない場合には、第2始動入賞が発生したとして、前記と同様に乱数値MR1〜MR3を抽出し、抽出した数値を第2保留データとして、RAM102の第2特図保留記憶部に保持する。第1保留データ及び第2保留データは、始動入賞順に保持される。第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数は、第1保留データや第2保留データの数や、各記憶数をカウントするカウンタによって特定すればよい(以下、同じ。)。始動入賞判定処理では、第1始動入賞があったときに、第1始動入賞指定コマンド、第1特図保留記憶数の加算指定コマンドの送信設定が行われ、第2始動入賞があったときに、第2始動入賞指定コマンド、第2特図保留記憶数の加算指定コマンドの送信設定が行われる。
CPU103は、S101を実行した後、特図プロセスフラグの値に応じて、S110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。下記の時短フラグは、時短状態のときにオンになるフラグで、確変フラグは、確変状態のときにオンになるフラグである。
S110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が「0」のときに実行される。例えば、CPU103は、第2特図保留記憶数が「0」でないときには、第2特図ゲームを実行するための処理を行い、特図プロセスフラグの値を「1」に更新して本処理を終了する。第2特図保留記憶数が「0」で、第1特図保留記憶数が「0」でないときには、第1特図ゲームを実行するための処理を行い、特図プロセスフラグの値を「1」に更新して本処理を終了する。両者が「0」のときは、本処理を終了する。
第2特図ゲームを実行するための処理では、第2特図保留記憶部に保持されている第2保留データ(乱数値MR1〜MR3)のうち最も古い第2保留データを第2特図保留記憶部からRAM102の所定バッファに読み出す。読み出された第2保留データは、第2特図保留記憶部から削除される。そして、所定バッファに読み出した第2保留データのうち、乱数値MR1と、大当り決定テーブル(ROM101に格納されている。以下、決定テーブルについて同じ)と、に基づいて、今回実行する第2特図ゲームの可変表示結果(「大当り」又は「ハズレ」)を決定する。「大当り」とする決定割合は、確変状態のとき(確変フラグがオンのとき)の方が、非確変状態のとき(確変フラグがオフのとき)よりも高い。「大当り」と決定した場合には、乱数値MR2と大当り種別決定テーブルとに基づいて、大当り種別(「確変」又は「非確変」)を決定する。実施の形態では、「非確変」、「非確変(昇格演出失敗)」、「確変」、「確変(昇格演出成功)」のいずれかを決定する。前記の決定結果や第2特図ゲームを実行する旨の情報はRAM102に保持され、適宜参照される(他の決定などについても同じ)。第1特図ゲームを実行するための処理でも、上記第2特図ゲームを実行するための処理と同様の処理を行い、第1保留データの所定バッファへの読み出し、第1特図ゲームの可変表示結果の決定(大当り種別の決定を含む)などを行う。
S111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が「1」のときに実行される。例えば、CPU103は、変動パターンを決定(選択)し、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームの実行開始の設定を行う。変動パターンは、可変表示の実行時間(特図変動時間)や、飾り図柄の可変表示のパターンを指定するものである。実施の形態では、図5に示すように、ハズレ時変動パターンとして、PA1−1、PA2−1、PA3−2〜PA3−4がある。大当り時変動パターンとして、B3−2〜PB3−4がある。PA1−1、PA2−1は、非リーチを指定する。PA2−1は、特図変動時間(特図ゲームの実行期間)が通常(PA1−1)よりも短くなっている時短用(短縮有り)のパターンである。PA3−2、PB3−2は、ノーマルリーチの実行(スーパーリーチへの発展無し)を指定し、PA3−3、PB3−3は、スーパーリーチA(ノーマルリーチから発展する。)の実行を指定し、PA3−4、PB3−4は、スーパーリーチB(ノーマルリーチから発展する。)の実行を指定する。
CPU103は、今回の可変表示結果が「大当り」のときには、所定バッファに読み出した第1、第2保留データのうちの乱数値MR3と大当り用の変動パターン決定テーブルとに基づいて、PB3−2〜PB3−4のいずれかを今回の変動パターンとして決定する。可変表示結果が「ハズレ」のときで且つ非時短状態のとき(時短フラグがオフのとき)には、乱数値MR3と第1ハズレ用の変動パターン決定テーブルとに基づいて、PA1−1、PA3−2〜PA3−4のいずれかを今回の変動パターンとして決定する。可変表示結果が「ハズレ」のときで且つ時短状態のとき(時短フラグがオンのとき)には、乱数値MR3と第2ハズレ用の変動パターン決定テーブルとに基づいて、PA2−1、PA3−2〜PA3−4のいずれかを今回の変動パターンとして決定する。変動パターンの決定割合は、ハズレ時は、PA1−1又はPA2−1>PA3−2>PA3−3>PA3−4の順で高い。大当り時は、PB3−4>PB3−3>PB3−2の順で高い。このため、スーパーリーチB>スーパーリーチA>ノーマルリーチの順で大当り期待度が高い。
変動パターンの決定後、例えば、駆動信号を第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bに供給開始し、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームの実行を開始する。上記の決定結果や現在の遊技状態(確変フラグや時短フラグの状態で特定できる)などを指定する、表示結果指定コマンド、第1又は第2特図保留記憶数の減算指定コマンド、変動パターン指定コマンドの送信設定を行い、特図プロセスフラグの値を「2」にしてから、本処理を終了する。
S112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が「2」のときに実行される。例えば、CPU103は、特図ゲームが開始してからの経過時間(タイマなどによって測定すればよい。他の経過時間についても同じ。)が、今回の変動パターンに対応する特図変動時間に達したか(可変表示結果の導出タイミングであるか)を判定し、達していないときには、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを実行する駆動信号を第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bに供給して特別図柄を変動させる処理を行ってから本処理を終了する。一方、特図変動時間に達したときには、所定の駆動信号を第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bに供給し、今回の可変表示結果の図柄(「ハズレ」のときは「−」、「確変大当り」のときは「7」、「非確変大当り」のときは「3」など)を停止表示(導出表示)させ、図柄確定指定コマンドの送信設定を行い、特図プロセスフラグの値を「3」に更新する。タイマ割り込みの発生毎にS112が繰り返し実行されることによって、特図ゲームの実行が実現される。
S113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が「3」のときに実行される。例えば、CPU103は、今回の可変表示結果が「大当り」のときは、時短フラグ、確変フラグをオフにリセットなどする。その後、当り開始指定コマンドの送信設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新して本処理を終了する。「ハズレ」で時短状態のときは、時短状態において実行可能な所定回数の可変表示が実行されたかを判定し(例えば、カウンタなどによってカウントすればよい。)、所定回数の可変表示が実行されている場合には、時短フラグをオフにリセットし、特図プロセスフラグの値を「0」にするなどして本処理を終了する。「ハズレ」で時短状態でない、所定回数の可変表示が未実行の場合にも、特図プロセスフラグの値を「0」にするなどして本処理を終了する。
S114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が「4」のときに実行される。例えば、当り開始指定コマンドの送信設定を行ってからの経過時間が、予め設定されているファンファーレ待ち時間(大当り遊技状態におけるファンファーレの開始から終了するまでの待ち時間)に達したかを判定し、達していなければ、大当り開放前処理を終了する。ファンファーレ待ち時間に達したときには、ラウンド遊技の開始のため、大入賞口を開放状態とする処理(ソレノイド駆動信号の供給)などを行い、特図プロセスフラグを「5」に更新する。タイマ割り込みの発生毎にS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機(ファンファーレの終了までの待機)及び大入賞口の開放などが実現される。
S115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が「5」のときに実行される。例えば、CPU103は、ラウンド遊技を終了するタイミングになったかを判定する。カウントスイッチ23がオンの回数(大入賞口に進入した遊技球の数)が所定値(例えば「9」)になったり(カウンタなどでカウントすればよい。)、ラウンド遊技を開始してから(大入賞口を開放状態としてから)の経過時間がラウンド遊技の上限期間(例えば、29秒)に達したりして、ラウンド遊技を終了するタイミングとなったときには、大入賞口を閉鎖状態に戻してラウンド遊技を終了させる処理(ソレノイド82をオフにする処理)などを行う。このとき、終了したラウンド遊技が、最後のラウンド遊技(例えば、15ラウンド目)であるとき(カウンタなどでカウントすればよい。)、当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグの値を「7」に更新し、本処理を終了する。最後のラウンド遊技でないときは、特図プロセスフラグを「6」に更新し、本処理を終了する。現在がラウンド遊技を終了するタイミングでないときは、そのまま本処理を終了する(大入賞口を開放状態に維持する処理などを行ってもよい)。タイマ割り込みの発生毎にS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持され、最後に大入賞口が閉鎖される。
S116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が「6」のときに実行される。例えば、CPU103は、ラウンド遊技が終了してから(大入賞口を閉鎖してから)の経過時間が、所定の閉鎖時間(ラウンド遊技のインターバル期間)に達したかを判定し、達していない場合には、閉鎖状態が維持され、本処理は終了する。所定の閉鎖時間に達したときには、ラウンド遊技の開始のため、大入賞口を開放状態とする処理などを実行し、特図プロセスフラグの値を「5」に更新し、本処理を終了する。S114で大入賞口が開放されてからタイマ割り込みの発生ごとにS115、S116が繰り返し実行されることによって、各ラウンド遊技が実現される。
S117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が「7」のときに実行される。例えば、最後のラウンド遊技を終了してから(大入賞口を閉鎖してから)の経過時間が、予め定められたエンディング待ち時間(大当り遊技状態におけるエンディングの開始から終了するまでの待ち時間)に達したかを判定し、達していないときには、本処理を終了する。エンディング待ち時間に達したときには、エンディングが終了するので、今回の大当り種別が「確変」のときに時短フラグ及び確変フラグをオンにし、「非確変」のときに、時短フラグをオンにして、確変フラグをオフのままにする。そして、特図プロセスフラグの値を「0」に更新して本処理を終了する。
(演出制御基板12の動作)
演出制御用CPU120は、電源が投入されると、図7に示す演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S51)。その後、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S54)。コマンド解析処理において演出制御用CPU120は、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドの内容を確認する。遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図3参照)であるのか解析し、解析結果に対応した設定や制御などを行う。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S55)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して画像表示装置5の表示制御を実行する。次いで、演出制御用CPU120は、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行する(S56)。次いで、演出制御用CPU120は、異常又はエラーが発生している場合には、異常等報知を実行する報知制御処理を実行し(S57)、この後、S52に移行する。報知制御処理では、不正行為による磁気異常などの異常検出があった場合や、賞球過多や賞球不足、その他の動作エラーが発生した場合には、各種の異常やエラーなどの報知処理(例えば異常やエラーの発生を報知する報知表示を画像表示装置5に表示させるなど)が可能である。
(コマンド解析処理)
コマンド解析処理では、演出制御コマンド受信用バッファに格納されている受信コマンド(演出制御基板12が受信した演出制御コマンド)を解析し(例えば、MODEデータを確認する)、当該受信コマンドがどの演出制御コマンドであるかを特定し、特定した演出制御コマンドに応じた処理を行う。図6に、コマンド解析処理による解析によって特定された演出制御コマンドと、その演出制御コマンドに対応してコマンド解析処理にて行われる処理内容と、の関係を示す。図中における各フラグ、各格納領域は、RAM122に設けられる。フラグについて「セット」とは、当該フラグをオン状態にすることである。各フラグの状態や各格納領域に格納されたコマンドは、適宜のタイミングでリセットや消去されるようにすればよい。特図保留記憶数の加算指定コマンドや減算指定コマンドを受信したときには、それに応じて表示エリア5Hの保留表示画像の数を増減させてもよい。
(演出制御プロセス処理)
演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理において各種演出の実行を開始するための開始設定(演出の開始設定)、開始設定した演出を実行する演出動作制御などを行う。以下で説明する各フラグ、各タイマ、各カウンタなどはRAM122に設けられる。
演出の開始設定は、例えば、演出制御パターンをRAM122に使用パターンとしてセットし、かつ、プロセスタイマに、前記でセットした演出制御パターンに応じた初期値を設定することを含む。プロセスタイマのタイマ値は、初期値の設定後、タイマ割り込みの発生毎に所定タイミング(演出制御プロセス処理開始時、後述の演出動作制御時など)において減算される。演出制御パターンは、各種演出(飾り図柄の可変表示を含む。)を実行するためのデータの集まりであって、プロセスタイマのタイマ値と比較されるプロセスタイマ判定値と、当該判定値に対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、点灯制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御パターンを構成するデータは、ROM121に格納されている。
演出動作制御は、演出の開始設定でセットした演出制御パターンに基づいて演出の実行する制御である。具体的には、プロセスタイマの現在のタイマ値に合致するプロセスタイマ判定値に対応する演出制御実行データのうちの、表示制御データに従った表示制御指令を表示制御部123に伝送して画像表示装置5に画像を表示させたり、音声制御データに従った効果音信号を音声制御基板13に伝送してスピーカ8L,8Rから音声を出力させたり、点灯制御データに従った電飾信号をランプ制御基板14に伝送して遊技効果ランプ9を点灯/消灯させたりして、演出を実行する制御を行う。タイマ割り込みの発生毎に演出動作制御が繰り返し行われることで、各種の演出の実行が実現される。
図8に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値に応じて、S170〜S175のいずれかを実行する。S170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。そして、第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が「1」のときに実行される処理である。図9に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄などを決定する(S321)。例えば、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、可変表示内容に基づいて、最終停止図柄を決定する。一例として、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた可変表示内容には、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「非確変(大当り)」、「確変(大当り)」がある。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にはならずに、非リーチ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「非確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が時短状態となる。可変表示内容が「確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態となる。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて異なる(不一致の)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタなどにより更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタなどにより更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタなどにより更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタなどにより更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタなどにより更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算又は減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
可変表示内容が「非確変(大当り)」や「確変(大当り)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124又は演出用ランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、可変表示内容が「非確変(大当り)」と「確変(大当り)」のいずれであるかや、大当り中昇格演出が実行されるか否かなどに応じて、通常図柄(例えば偶数を示す飾り図柄)と確変図柄(例えば奇数を示す飾り図柄)のいずれを確定飾り図柄とするかが決定されればよい。大当り中昇格演出は、画像表示装置5において大当りを想起させるが確変状態を想起させないような飾り図柄の組合せ(非確変大当り組合せ)が一旦は停止表示されてから、大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に確変状態となるか否かを報知する演出である。
具体的な一例として、可変表示内容が「非確変(大当り)」である場合には、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。また、可変表示内容が「確変(大当り)」で大当り中昇格演出を実行しないと決定されたときには、複数種類の確変図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これに対して、可変表示内容が「確変(大当り)」であっても大当り中昇格演出を実行すると決定されたときには、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これにより、確定飾り図柄として確変図柄が揃って導出表示されたにもかかわらず、大当り中昇格演出が実行されてしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすればよい。
S321の処理の後、保留表示変化演出の実行設定を行う変化演出設定処理が実行される(S322)。変化演出設定処理では、保留表示データ記憶部の記憶内容などに基づいて保留表示変化演出の実行条件が成立したときに、保留表示変化演出の実行設定が行われる。なお、変化演出設定処理では、「擬似連」の可変表示演出が実行されるか否かなどに基づいて保留表示変化演出の実行条件が成立したときに、保留表示変化演出の実行設定が行われるようにしてもよい。
S322の処理の後、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(S323)。例えば、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、複数用意された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、演出制御用CPU120は、S322の変化演出設定処理による保留表示変化演出の実行設定に対応して、複数用意された演出制御パターン(表示変化演出制御パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
S323の処理の後、演出制御用CPU120は、例えばスーパーリーチ演出の場合に第1演出表示領域EA1を変形させる表示領域変形演出設定処理(S323A)を実行する。図10(B)に示すように、画像表示装置5は、飾り図柄の可変表示、第1保留表示部5HRの第1保留表示や第2保留表示部5HLの第2保留表示、リーチ演出などの所定演出表示(例えばスーパーリーチA演出の第1演出画像GA1などの表示)、プッシュボタン31Bの画像BP(操作促進表示)などが表示可能な四角形状の第1演出表示領域EA1と、第1演出表示領域EA1よりも大きい四角形状で例えば黒色の第2演出表示領域EA2とが、図10(A)に示すように重畳して表示可能な構成である。
RAM122(図2)は、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する演出制御用データ保持エリアを有する。演出制御用データ保持エリアには、例えば図10(C)に示すように、異常・エラー表示、第1演出表示領域EA1の表示、第2演出表示領域EA2の表示などの各表示の優先順位と、各表示フラグの状態とが記憶可能である。各表示の表示優先順位は、図10(C)に示す通りである。表示フラグの状態が「オン」であるときには表示中であり、「オフ」では非表示であることを示す。表示優先順位の高いものが優先的に表示される。つまり、表示優先順位の番号が小さいほど上位の表示階層に位置する。このため、下位の表示において上位の表示と重なる部分は隠れて見えない。
図9に示す表示領域変形演出設定処理(S323A)では、例えばスーパーリーチ演出において第1演出表示領域EA1を変形させる表示領域変形演出の実行設定などが行われる。さらに、表示領域変形演出では、スーパーリーチ演出において第1演出表示領域EA1に表示される演出画像の種類に応じて表示面積の変化態様が異なる。例えば、図14(A1)に示すスーパーリーチAの第1演出画像GA1が第1演出表示領域EA1に表示される場合には、図14(A2)、(A3)に示すように第1演出表示領域EA1が第1演出画像GA1の特徴に応じた第1形状(例えば台形状)に変化するという表示面積の変化態様(第1変化態様)となる。また、図14(B1)に示すスーパーリーチBの第2演出画像GA2が第1演出表示領域EA1に表示される場合には、図14(B2)、(B3)に示すように第1演出表示領域EA1が第2演出画像GA2の特徴に応じた第2形状(例えば逆台形状)に変化するという表示面積の変化態様(第2変化態様)となる。
上記の表示領域変形演出は、表示されている画像(例えば第1,第2演出画像GA1,GA2)の特徴(特性)を活かすように該画像が変形する演出としている。例えば、演出表示領域を台形変形させることにより、該画像をあたかも覗けるような感じに見せることや、該画像(例えばキャラクタ)が上に飛ぶときに立体的に見せることや、該画像(例えばキャラクタ)が真正面から放ったパンチを該パンチが出てくる一端側を飛び出させるようにして迫力を増して見せることが可能となる。こうすることによって、実行される演出をより臨場感があるように見せることができる。
図11(A)に示す表示領域変形演出設定処理では、演出制御用CPU120は、主基板11からの変動パターン指定コマンドに示された変動パターンに基づいて、スーパーリーチ変動パターンであるかを判定する(S501)。スーパーリーチ変動パターンであると判定された場合(S501;Yes)には、表示領域変形演出の有無及び種類を決定する(S502)。詳しくは、S502の処理では、演出制御用CPU120は、表示領域変形演出決定用乱数を示す数値データを抽出するとともに、この抽出した数値データと図11(B)又は(C)に示す表示領域変形決定用テーブルとを用いて、表示領域変形演出を実行するか否かを決定する。
図11(B)に示すように、スーパーリーチA(ハズレ)変動パターンの場合は、「実行なし」が15%、「実行あり」で「第1変化態様小パターンPTA−1(変形小)」が55%の確率で決定され、「実行あり」で「第1変化態様大パターンPTA−2(変形大)」が30%の確率で決定される。これに対して、スーパーリーチA(大当り)変動パターンの場合は、「実行なし」が10%、「実行あり」で「第1変化態様小パターンPTA−1(変形小)」が20%の確率で決定され、「実行あり」で「第1変化態様大パターンPTA−2(変形大)」が70%の確率で決定される。大当りの場合には、ハズレの場合よりも表示領域変形演出が実行され易くなっており、表示領域変形演出について大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。また、スーパーリーチA(大当り)変動パターンの場合は、スーパーリーチA(ハズレ)変動パターンの場合よりも、「第1変化態様大パターンPTA−2(変形大)」の表示領域変形演出が実行され易くなっており、表示領域変形演出について第1演出表示領域EA1が大きく変形することから、大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。また、スーパーリーチA(大当り)変動パターンの場合にも、「第1変化態様小パターンPTA−1(変形小)」が実行されるため、「第1変化態様小パターンPTA−1(変形小)」の表示領域変形演出についても大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。
図11(C)に示すように、スーパーリーチB(ハズレ)変動パターンの場合は、「実行なし」が10%、「実行あり」で「第2変化態様小パターンPTB−1(変形小)」が60%の確率で決定され、「実行あり」で「第2変化態様大パターンPTB−2(変形大)」が30%の確率で決定される。これに対して、スーパーリーチB(大当り)変動パターンの場合は、「実行なし」が5%、「実行あり」で「第2変化態様小パターンPTB−1(変形小)」が25%の確率で決定され、「実行あり」で「第2変化態様大パターンPTB−2(変形大)」が70%の確率で決定される。大当りの場合には、ハズレの場合よりも表示領域変形演出が実行され易くなっており、表示領域変形演出について大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。また、スーパーリーチB(大当り)変動パターンの場合は、スーパーリーチB(ハズレ)変動パターンの場合よりも、「第2変化態様大パターンPTB−2(変形大)」の表示領域変形演出が実行され易くなっており、表示領域変形演出について第1演出表示領域EA1が大きく変形することから、大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。また、スーパーリーチB(大当り)変動パターンの場合にも、「第2変化態様小パターンPTB−1(変形小)」が実行されるため、「第2変化態様小パターンPTB−1(変形小)」の表示領域変形演出についても大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。
なお、変化態様については小と大の2種類(図11(B)、(C)参照)に限らず、3種類以上としてもよい。また、スーパーリーチ変動パターンには、擬似連変動を有する変動パターンを含めるようにしてもよい。例えば、擬似連変動の回数が多いほど期待度が高くなるような決定割合にしてもよい。大当りか否かと擬似連変動の回数とに応じて決定割合を異なるように設定すればよい。
S502の処理の後、表示領域変形演出が有りに決定されたか否かを判定する(S503)。表示領域変形演出が有りに決定された場合(S503;Yes)には、表示領域変形演出の実行有りを示す表示領域変形演出フラグをオン状態にセットする(S504)。S504の処理の後、S502で決定された種類の表示領域変形演出に対応する変化態様パターンを設定する(S505)。つまり、S502において決定された変化態様小パターン又は変化態様大パターンを設定する。S501にてスーパーリーチ変動パターンでないと判定された場合(S501;No)や、S503にて表示領域変形演出が無しの場合や、S505の処理の後には、表示領域変形演出設定処理を終了する。
図9に戻って、S323Aの処理に続いて、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(S324)。そして、画像表示装置5の画面上にて飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(S325)。このときには、例えばS323の処理にて決定された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)に含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDPに対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
S325の処理の後には、飾り図柄の可変表示が開始されることに対応して、第1保留表示部5HRの第1保留表示や第2保留表示部5HLの第2保留表示などを更新するための設定を行う(S326)。例えば、第1特図ゲームが実行(開始)される場合には、第1保留表示部5HRにおいて保留番号が「1」に対応した表示部位(左端の表示部位)を消去(消化)するとともに、他の保留番号「2」〜「4」に対応した表示部位における第1保留表示を1つずつ左方向に移動(シフト)させる。一方、第2特図ゲームが実行(開始)される場合には、第2保留表示部5HLにおいて、保留番号が「1」に対応した表示部位(右端の表示部位)を消去(消化)するとともに、他の保留番号「2」〜「4」に対応した表示部位における第2保留表示を1つずつ右方向に移動(シフト)させる。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(S327)、可変表示開始設定処理を終了する。
図8に戻って、S172の可変表示中処理は、演出プロセスフラグの値が「2」のときに実行される処理である。図12に示す可変表示中演出処理では、演出制御用CPU120は、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(S341)。一例として、S341の処理では、演出制御プロセスタイマのタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。S341にて可変表示時間が経過していない場合には(S341;No)、演出制御用CPU120は、保留表示変化演出を実行するための保留表示変化演出期間であるか否かを判定する(S342)。保留表示変化演出期間は、例えば図9に示すS323の処理にて決定された演出制御パターン(表示変化演出制御パターン)において予め定められていればよい。保留表示変化演出期間である場合には(S342;Yes)、保留表示変化演出を実行するための制御が行われる(S343)。S343の処理では、表示変化演出制御パターンの設定に基づいて作成した各種指令を、表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させる。これにより、画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示させること、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、遊技効果ランプ9および装飾用LEDを点灯、点滅又は消灯させること、あるいは、これらの一部又は全部を組み合わせることで、所定の演出装置にて保留表示変化演出を実行できればよい。
S342にて保留表示変化演出期間ではないと判定されたときや(S342;No)、S343の処理の後には、演出制御用CPU120は、リーチ演出を実行するためのリーチ演出期間であるか否かを判定する(S346)。リーチ演出期間は、例えば変動パターンに応じて決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。S346にてリーチ演出期間であると判定されたときには(S346;Yes)、リーチ演出を実行するための制御が行われる(S347)。S347の処理の後には、演出制御用CPU120は、表示領域変形演出フラグがオンであるか否かを判定する(S347A)。表示領域変形演出フラグがオンである場合には(S347A;Yes)、プッシュボタン操作有効期間であるか否かを判定する(S347B)。プッシュボタン操作有効期間である場合には(S347B;Yes)、プッシュボタン31Bの操作があったか否かを判定する(S347C)。プッシュボタン31Bの操作があった場合には(S347C;Yes)、プッシュボタン操作フラグをオン状態にセットする(S347D)。S347Bにてプッシュボタン操作有効期間ではないと判定されたときや(S347B;No)、S347Cにてプッシュボタン31Bの操作がないと判定されたときや(S347C;No)、S347Dの処理の後には、第1演出表示領域変形演出を実行するための第1演出表示領域変形演出期間であるか否かを判定する(S347E)。第1演出表示領域変形演出期間である場合には(S347E;Yes)、保留表示を第2演出表示領域EA2に表示し(S347F)、第1演出表示領域変形演出を実行するための第1演出表示領域変形演出実行処理が行われる(S347G)。
図13に示す第1演出表示領域変形演出実行処理では、演出制御用CPU120は、画像データの転送指示を行う(S701)。ここでは、演出制御用CPU120は、まず、表示制御部123のVRAMの表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が画像表示装置5に表示される。次に、演出制御用CPU120は、表示制御部123のVDPのアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM121の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAMの転送先アドレス)などを設定した後、ROM121からVRAMへの画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDPは、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM121からVRAMに転送する。その後、VDPは、転送終了割込信号を演出制御用CPU120に対して出力する。
S701の処理の後には、VDPからの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定する(S703)。転送終了割込信号が入力された場合には(S703;Yes)、プッシュボタン操作フラグがオンであるか否かを判定する(S704)。転送終了割込信号が入力されていない場合には(S703;No)、転送終了割込信号が入力されるのを待つ。プッシュボタン操作フラグがオンである場合には(S704;Yes)、第1演出表示領域変形演出用のパラメータ設定を行う(S705)。例えば、第1演出表示領域変形演出用の演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、演出制御用CPU120は、S701でVRAMに転送した画像データに基づいてVRAMの表示領域A又はBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAMの座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDPに指示する。VDPは、アトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。一方、プッシュボタン操作フラグがオンでない場合(S704;No)、第1演出表示領域非変形演出用のパラメータ設定を行う(S705)。例えば、第1演出表示領域非変形演出用の演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。
S705の処理の後や、S706の処理の後には、描画指示を行う(S707)。描画指示では、演出制御用CPU120は、VDPに画像の描画開始を指示する。VDPは、演出制御用CPU120の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。S707の処理の後には、画像の描画終了に基づくVDPからの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定する(S709)。生成終了割込み信号が入力されていない場合(S709;No)には、生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。一方、生成終了割込み信号が入力された場合(S709;Yes)には、RAM408の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)し(S711)、第1演出表示領域変形演出実行処理を終了する。
図12に戻って、S347Aにて表示領域変形演出フラグがオンではないと判定されたときや(S347A;No)、S347Eにて第1演出表示領域変形演出期間ではないと判定されたときや(S347E;No)、S347Gの処理の後には、演出制御用CPU120は、例えば変動パターンに対応して決定された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた可変表示中における演出を実行するための制御が行われる(S348)。
S341にて可変表示時間が経過した場合には(S341;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(S349)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(S349;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。S349にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(S349;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(S350)。また、S350の処理では、飾り図柄の可変表示における最終停止図柄を導出表示させる。そして、S350の処理の後には、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(S351)。また、S351Aの処理では、表示領域変形演出フラグとプッシュボタン操作フラグとをオフ状態にリセットする(S351A)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(S352)、可変表示中演出処理を終了する。
図8に戻って、S173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が「3」のときに実行される処理である。演出制御用CPU120は、最終停止図柄を導出表示させてからの現在の経過時間(所定のタイマで計測すればよい)が、予め設定されている当り開始指定コマンド受信待ち時間に達したかを判定し、達していないときに、当り開始指定コマンドの受信があった場合(当り開始指定コマンド受信フラグがオンのとき)、大当り中演出(大当り遊技状態中に実行されるファンファーレ開始からエンディングの前までの演出)の開始設定(演出制御パターンのセットなど)を行う。その後、演出プロセスフラグの値を「4」に更新し、本処理を終了する。当り開始指定コマンド受信待ち時間に達しておらず、当り開始指定コマンドの受信もない場合は、そのまま本処理を終了する。現在の経過時間が前記の待ち時間に達している場合、特図ゲームの可変表示結果が「ハズレ」と判断して、演出プロセスフラグの値を「0」に更新し、本処理を終了する。現在の経過時間が前記の待ち時間に達しておらず、当り開始指定コマンド受信待ち時間は経過していないことになるので、そのまま本処理を終了する。
S174の当り中処理は、演出プロセスフラグの値が「4」のときに実行される処理である。演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態での演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L,8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯、消灯等させることといった、アタッカーとしての大入賞口扉が開放状態となる所定期間における各種の演出動作を制御する。当り中処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“5”に更新する。S175のエンディング処理は、演出プロセスフラグの値が「5」のときに実行される処理であり、大当り遊技状態終了時のエンディングを実行するための処理である。
(スーパーリーチAの演出画面例)
図14(A1)に示すスーパーリーチA演出が開始され、プッシュボタン31Bの画像BPが表示される。遊技者がプッシュボタン31Bを操作すると、第1演出表示領域EA1が図14(A2)又は(A3)に示す第1変化態様となる。この実施形態では、遊技者がプッシュボタン31Bを1回操作すると、第1演出表示領域EA1が図14(A2)又は(A3)に示す第1変化態様となるが、操作有効期間中では複数回の操作が可能であり、操作されるごとに所定のピッチで変化していく(例えば傾いていく)ようにしてもよい。また、操作回数が所定の上限数に到達すると、第1演出表示領域EA1が図14(A2)又は(A3)に示す第1変化態様(最終の変化態様)となるようにしてもよい。図11(A)に示すS505にて第1変化態様小パターンPTA−1(変形小)に決定されていれば、図14(A2)に示すように第1演出表示領域EA1が第1の台形状(上辺が下辺に比べてやや短くなった台形、言い換えれば、第1演出表示領域EA1の上辺側が第1角度だけ奥側に倒れたような態様)に変化し、第1変化態様大パターンPTA−2(変形大)に決定されていれば、図14(A3)に示すように第1演出表示領域EA1が第2の台形状(上辺が第1の台形状のときよりもさらに短くなった台形、言い換えれば、第1演出表示領域EA1の上辺側が第2角度(第1角度よりも大きい角度)だけ奥側に倒れたような態様)に変化する。また、遊技者がプッシュボタン31Bを操作しない場合には、図14(A4)に示すように第1演出表示領域EA1が変形しない。なお、ボタン操作が無い場合にも、図11(A)に示すS505にて決定されたパターンに従って、図14(A2)又は(A3)に示すように第1演出表示領域EA1を変形させるようにしてもよいし、表示領域変形演出以外の代替演出を表示するようにしてもよい。
(スーパーリーチBの演出画面例)
図14(B1)に示すスーパーリーチB演出が開始され、プッシュボタン31Bの画像BPが表示される。遊技者がプッシュボタン31Bを操作すると、第1演出表示領域EA1が図14(B2)又は(B3)に示す第2変化態様となる。この実施形態では、遊技者がプッシュボタン31Bを1回操作すると、第1演出表示領域EA1が図14(B2)又は(B3)に示す第2変化態様となるが、操作有効期間中では複数回の操作が可能であり、操作されるごとに所定のピッチで変化していく(例えば傾いていく)ようにしてもよい。また、操作回数が所定の上限数に到達すると第1演出表示領域EA1が図14(B2)又は(B3)に示す第2変化態様(最終の変化態様)となるようにしてもよい。図11(A)に示すS505にて第2変化態様小パターンPTB−1(変形小)に決定されていれば、図14(B2)に示すように第1演出表示領域EA1が第1の逆台形状(下辺が上辺に比べてやや短くなった逆台形、言い換えれば、第1演出表示領域EA1の下辺側が第1角度だけ奥側に倒れたような態様)に変化し、第2変化態様大パターンPTB−2(変形大)に決定されていれば、図14(B3)に示すように第1演出表示領域EA1が第2の逆台形状(下辺が第1の逆台形状のときよりもさらに短くなった台形、言い換えれば、第1演出表示領域EA1の下辺側が第2角度(第1角度よりも大きい角度)だけ奥側に倒れたような態様)に変化する。また、遊技者がプッシュボタン31Bを操作しない場合には、図14(B4)に示すように第1演出表示領域EA1が変形しない。なお、ボタン操作が無い場合にも、図11(A)に示すS505にて決定されたパターンに従って、図14(B2)又は(B3)に示すように第1演出表示領域EA1を変形させるようにしてもよいし、表示領域変形演出以外の代替演出を表示するようにしてもよい。
上記実施の形態では、第1演出表示領域EA1に表示される演出画像の種類に応じて表示面積の変化態様が異なる。例えば、第1演出表示領域EA1に第1演出画像GA1が表示される場合(図14(A1))には、第1演出表示領域EA1が第1演出画像GA1の特徴に応じた第1形状(例えば台形状)に変化するという表示面積の変化態様(第1変化態様)となり(図14(A2)、(A3))、第1演出表示領域EA1に第2演出画像GA2が表示される場合(図14(B1))には、第1演出表示領域EA1が第2演出画像GA2の特徴に応じた第2形状(例えば逆台形状)に変化するという表示面積の変化態様(第2変化態様)となる(図14(B2)、(B3))。このように演出画像の特徴に応じた表示面積の変化態様となるので、演出画像の表示演出効果を向上させることができる。これにより、演出表示の興趣を向上させることができる。
また、第1演出表示領域EA1又は第2演出表示領域EA2の変化の割合に応じて、遊技に関する期待度(例えば大当り状態となる大当り期待度)が異なる。例えば図11(B)、(C)に示すように、表示面積の変化態様が大きいほど(演出表示領域の傾き方がより急であるほど)期待度が高いとしている。また、一方の演出表示領域の表示面積が広がる(形状が全く又はほぼ変わらずに広がることを含む)ほど期待度が高いとしたりしてもよい。これにより、第1演出表示領域EA1又は第2演出表示領域EA2の変化の割合に注目させることができる。なお、遊技に関する期待度は、大当り期待度に限らず、確変大当りに昇格する確変昇格期待度、リーチが発生するリーチ期待度、有利なリーチ演出に発展するリーチ発展期待度などであってもよい。
また、可変表示の所定期間にのみ、表示面積の割合が変化可能であるので、該所定期間内に集中して表示面積の変化に注目させることができる。例えば、可変表示のスーパーリーチ演出中に第1演出表示領域EA1に表示される演出画像に対してボタン操作で該第1演出表示領域EA1の傾きを変えるようにしたり、該スーパーリーチ演出の一例である後述の図17に示すバトル演出(例えば、敵対する2種類のキャラクタが押し合うことにより、第1演出表示領域EA1と第2演出表示領域EA2とが変化する演出を含む)の実行中にボタン操作で一方のキャラクタの演出表示領域が広がるようにしたりしてもよい。
また、第1演出表示領域EA1の一端の長さを該一端とは反対の他端の長さよりも短くすることによって、第2演出表示領域EA2との表示面積の割合を変化させる。つまり、図14(A2)、(B2)などに示すように、第1演出表示領域EA1の一端側を奥行き方向に傾けたような態様に変化させる。このため、第1演出表示領域EA1の演出画像の向き(つまり、演出画像面の鉛直方向)を変化させることができ、第1演出表示領域EA1の演出画像の見え方が変わる。つまり、第1演出表示領域EA1の演出画像があたかも異なる方向を向いているように見せることができる。言い換えれば、変化前の第1演出表示領域EA1の演出画像を見ていた視線方向とは異なる方向から、変化後の第1演出表示領域EA1の演出画像を見ている感じになり、演出画像について異なる印象遊技者に与えることができる。
また、演出表示領域の表示面積が変化しても、遊技の進行に係る所定画像(例えば保留表示など)の表示態様を変化させない。例えば、変形前の第1演出表示領域EA1に表示されていた保留表示(図14(A1)、(B1))を非変形の第2演出表示領域EA2に移動させて表示する(図14(A2)、(B2)等)ことや、第1演出表示領域EA1の変形に関わらず該第1演出表示領域EA1の保留表示を同一態様のままで表示させることなどにより、保留表示の表示態様を変化させない。これにより、所定画像の適切な表示を確保でき、遊技の進行を把握することができる。所定画像は、保留表示、小図柄、第4図柄などの少なくとも一つを含むとしてもよい。小図柄には、第1特図ゲームに対応して可変表示される第1小図柄と、第2特図ゲームに対応して可変表示される第2小図柄とが含まれる。第4図柄は、現在可変表示中の状態であるのか否かを示す図柄である。
また、遊技者の動作を検出する動作検出手段(例えばプッシュセンサ35B)の検出に基づいて第1演出表示領域EA1又は第2演出表示領域EA2の表示面積が変化可能であり、第1演出表示領域EA1又は第2演出表示領域EA2の表示面積の変化が実行された場合の方が、該表示面積の変化が実行されない場合に比べて期待度が高い。これにより、表示面積の変化が実行されるか否かを確かめるために、遊技者は動作検出手段の検出に応じた動作を行い、より遊技に参加させることができ、興趣を向上させることができる。
この発明は、上記実施の形態などに限定されず、さらに様々な変形及び応用が可能である(上記構成を削除してもよい)。以下に上記実施の形態の変形例を示す。下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせても良い。
変形例1の画像表示装置5は、図15(B)に示すように同一大きさで且つ同一形状である第1演出表示領域EA1と第2演出表示領域EA2とを重畳させて、図15(A)に示す演出画面を形成する構成である。第1演出表示領域EA1の変形により露出する第2演出表示領域EA2の出現領域に、遊技の進行に係る所定画像(保留表示など)を表示させてもよい。また、図15(A)に示すように、第1演出表示領域EA1によって第2演出表示領域EA2が隠れて見えないようになっており、表示面積の割合が変化していくにつれて、図15(C)に示すように第1演出表示領域EA1が傾くことによって第2演出表示領域EA2が現れ、さらに変化していく過程で互いの面積が変化していくようにしてもよい。
変形例2の画像表示装置5は、図16(A)に示す変形しない第2演出表示領域EA2の露出領域に、前記所定画像(例えば保留表示など)を表示するので、前記所定画像を適正に表示できる。
変形例3では、図17に示すスーパーリーチ演出のバトル演出画像の種類に応じて、表示面積の変化態様を異ならせるようにしている。図17(A1)に示すスーパーリーチAの第1バトル演出のときには、画像表示装置5の演出画面の左半分に第1演出表示領域EA1が表示され、右半分に第2演出表示領域EA2が表示され、プッシュボタン31Bが操作されると、図11(A)に示すS505にて決定されたパターンが第3変化態様小パターンPTC−1(変形小)であれば、図17(A2)に示すように第1演出表示領域EA1が第3の台形状(右辺が左辺に比べてやや短くなった台形、言い換えれば、第1演出表示領域EA1の右辺側が第1角度だけ奥側に近づいたような態様)に変化し、第3変化態様大パターンPTC−2(変形大)であれば、図17(A3)に示すように第1演出表示領域EA1が第3の台形状(右辺が第3の台形状のときよりもさらに短くなった台形、言い換えれば、第1演出表示領域EA1の右辺側が第2角度(第1角度よりも大きい角度)だけ奥側に近づいたような態様)に変化する。また、遊技者がプッシュボタン31Bを操作しない場合には、図17(A4)に示すように第1演出表示領域EA1が変形しない。なお、ボタン操作が無い場合にも、図11(A)に示すS505にて決定されたパターンに従って、図17(A2)又は(A3)に示すように第1演出表示領域EA1を変形させたり、表示領域変形演出以外の代替演出を表示したりしてもよい。
図17(B1)に示すスーパーリーチBの第2バトル演出のときには、画像表示装置5の演出画面の左半分に第2演出表示領域EA2が表示され、右半分に第1演出表示領域EA1が表示され、プッシュボタン31Bが操作されると、図11(A)に示すS505にて決定されたパターンが第4変化態様小パターンPTD−1(変形小)であれば、図17(B2)に示すように第1演出表示領域EA1が第4の台形状(左辺が右辺に比べてやや短くなった台形、言い換えれば、第1演出表示領域EA1の左辺側が第1角度だけ奥側に近づいたような態様)に変化し、第4変化態様大パターンPTD−2(変形大)であれば、図17(B3)に示すように第1演出表示領域EA1が第4の台形状(左辺が第3の台形状のときよりもさらに短くなった台形、言い換えれば、第1演出表示領域EA1の左辺側が第2角度(第1角度よりも大きい角度)だけ奥側に近づいたような態様)に変化する。また、遊技者がプッシュボタン31Bを操作しない場合には、図17(B4)に示すように第1演出表示領域EA1が変形しない。なお、ボタン操作が無い場合にも、図11(A)に示すS505にて決定されたパターンに従って、図17(B2)又は(B3)に示すように第1演出表示領域EA1を変形させたり、表示領域変形演出以外の代替演出を表示したりしてもよい。
変形例4では、図18(A)に示す当り中処理(S174)の昇格演出制御(S906)において表示領域変形演出を実行する。図18(A)に示すように、演出制御用CPU120は、現在が大当り終了タイミングであるかを判定する(S901)。終了タイミングは演出制御パターンにて規定されていればよい。終了タイミングでなければ(S901;No)、大当り演出動作制御(S902)を行う。そして、S902の処理の実行した後、昇格演出実行有りか否かを判定する(S904)。例えば、図3(B)に示す表示結果指定コマンド8C02(H)又は8C04(H)を受信している場合には、昇格演出実行有りに決定される。昇格演出実行有りのときには(S904;Yes)、昇格演出実行タイミングであるか否かを判定する(S905)。昇格演出実行タイミングであるときには(S905;Yes)、昇格演出制御(表示領域変形演出による場合を含む)を実行する(S906)。例えば、S906の処理では、演出制御用CPU120は、表示領域変形演出決定用乱数を示す数値データを抽出するとともに、この抽出した数値データと図18(B)に示す表示領域変形決定用テーブルとを用いて、表示領域変形演出を実行するか否かを決定する。一方、昇格演出実行無しのとき(S904;No)や、昇格演出実行タイミングでないときには(S905;No)、S906の処理の後、本処理を終了する。
昇格演出画面例としては、大当り種別が「非確変(昇格演出失敗)」又は「確変(昇格演出成功)」の場合には、大当り中の所定ラウンド(例えば、7ラウンド)になると、昇格演出が実行される。昇格演出は例えば2体のキャラクタがバトルし、2体のうち遊技者側のキャラクタが勝利すると確変昇格成功となり、遊技者側のキャラクタが敗北すると確変昇格失敗となるバトル演出を含む。昇格演出において表示領域変形演出を実行する場合には、図17に示す表示領域変形演出を実行すればよい。
前述の実施の形態では、図14(A1)や図17(A1)等に示すようにプッシュボタン31Bの画像BPを表示しているが、非表示としてもよい。非表示であっても、プッシュボタン操作有効期間においてボタン操作がされると、図14、図17等に示す表示領域変形演出を実行してもよい。また、プッシュボタン操作有効期間において、画像BPを非表示とし、プッシュボタン31Bを発光(点灯、点滅など)させてもよい。前述の実施の形態等における表示領域変形演出の実行後に、リーチ態様の飾り図柄を変化させる(例えば、飾り図柄「2」が「7」に変化)ようにしてもよい。前述の実施の形態等では、動作検出手段としてプッシュセンサ35Bを用いた例について説明したが、これに限らず、赤外線センサ等の非接触式の動作検出手段やタッチパネルなどの接触式の動作検出手段を設け、遊技者の動作を検出するようにしてもよい。前述の実施の形態等では、スーパーリーチ演出中において表示領域変形演出を実行するようにしているが、例えば、当該可変表示中の予告、先読み予告、擬似連発生時、リーチ成立時、スーパーリーチ演出以外のリーチ演出(ノーマルリーチ演出など)中において実行するようにしてもよい。
識別情報(特図、飾り図柄、普図など)の可変表示は識別情報が点滅することも含む。例えば特図において、全てのセグメントが消灯したパターンと少なくとも一部のセグメントを点灯させた1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)とを交互に繰り返すものも可変表示に含まれる。可変表示にて停止表示される特別図柄は、停止表示の前(変動中)に表示される特別図柄とは異なる図柄であってもよい(飾り図柄、普通図柄についても同様)。本発明の遊技機は、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機やスロットマシンなどにも適用することができる。