JP5765514B2 - ガラス板 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス板に関し、特にプラズマディスプレイパネル(以下、PDP)に好適なガラス板に関する。
PDPは、次のようにして作製される。まず、前面ガラス板の表面にITO膜やネサ膜等からなる透明電極を成膜し、その上に前面誘電体材料を塗布した後、500〜600℃程度の温度で焼成して、誘電体層を形成する。また、Al、Ag、Ni等からなる電極が形成された背面ガラス板に、背面誘電体材料を塗布した後、500〜600℃程度の温度で焼成し、誘電体層を形成し、更にその上に隔壁材料を塗布した後、500〜600℃程度の温度で焼成して、隔壁を形成する。次に、前面ガラス板と背面ガラス板を対向させて電極等の位置合わせを行った後に、封着材料を用いて、両ガラス板の周囲を500〜600℃程度の温度でフリットシールする。
上記のガラス板は、一般的に、熱膨張係数が約84×10−7/℃のソーダ石灰ガラスや高歪点ガラス(歪点が570℃超のガラス)からなり、フロート法、ロールアウト法等によって板厚1.8〜3.0mmに板状に成形されたものが使用されてきた。また、誘電体材料、隔壁材料、封着材料等の周辺材料の熱膨張係数は、ソーダ石灰ガラス等の熱膨張係数に整合するように、70〜90×10−7/℃の範囲に調整されている。
高歪点ガラスは、ソーダ石灰ガラスよりも歪点が高いため、熱処理工程において、ガラス板の熱変形や熱収縮が小さい。しかも、高歪点ガラスは、体積電気抵抗率が高いため、ガラス中のアルカリ成分の移動度が小さく、ガラス中のアルカリ成分とITO膜やネサ膜等の薄膜電極との反応性が低い。このため、高歪点ガラスを用いると、前面ガラス板と背面ガラス板を対向させる際、電極等の位置合わせ精度が向上するとともに、電極材料の電気抵抗値を安定化することができる。これらの理由から、現在、高歪点ガラスは、PDPのガラス板として広く用いられている(特許文献1参照)。
特開平8−290938号公報
近年、ディスプレイの低価格化のトレンドを受けて、ガラス板のコストダウンの要求が高まっている。ディスプレイを低価格化する方法として、ガラス板にソーダ石灰ガラスを使用するとともに、ガラス板の歪点の低下に整合するように、周辺材料を低融点化し、焼成温度を低下することが検討されている。
しかし、ディスプレイの製造工程には、電極のパターニング等のマスクを使用する工程がある。このため、焼成温度とガラス板の歪点の関係(現状、焼成温度500〜600℃に対して、高歪点ガラスの歪点は580℃)を大幅に変更すると、マスクの設計が複雑になり、コスト削減効果が小さくなる。また、周辺材料の大幅な低融点化は、技術的に困難である。以上の点を考慮すると、ソーダ石灰ガラスは、歪点が低過ぎるため、ディスプレイの低価格化に貢献することが困難である。そこで、現状では、ディスプレイの低価格化を図るために、ガラス板の歪点を焼成温度の低下幅に連動した最適な値に規制する必要があり、具体的にはガラス板の歪点を530〜580℃に規制する必要がある。このようにすれば、マスクの最適化や周辺材料の低融点化も容易になる。
さらに、現在、高精細なディスプレイが主流であるため、電極の幅が小さく、しかも薄くなっている。このような状況下で、ガラス板にソーダ石灰ガラスを使用すると、ディスプレイの製造工程において、ガラス板中のアルカリ成分と薄膜電極が反応し、断線を引き起こすおそれがある。
そこで、本発明は、530〜580℃の歪点を有し、且つガラス板中のアルカリ成分と薄膜電極が反応し難いガラス板を創案し、ディスプレイの低価格化を推進することを技術的課題とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、ガラス板のガラス組成範囲を厳密に規制することにより、上記技術的課題を解決できることを見出し、本発明として、提案するものである。すなわち、本発明のガラス板は、ガラス組成として、質量%で、SiO 55〜70%、Al 0〜6%未満、MgO 0〜8%、CaO 0〜8%、SrO 11〜20%、BaO 0〜8%、SrO+BaO(SrO、BaOの合量) 11〜25%、MgO+CaO+SrO+BaO(MgO、CaO、SrO、BaOの合量) 11〜30%、Na3.5〜9%未満、KO 6超〜15%、NaO+KO(NaO、KOの合量) 9〜15%、ZrO 0〜%、Al+ZrO(Al、ZrOの合量) 0〜6%未満を含有し、10dPa・sにおける温度が1150℃未満であり、且つ歪点が530〜580℃であることを特徴とする。ここで、「歪点」は、ASTM C336−71に基づいて測定した値を指す。
本発明のガラス板は、ガラス組成範囲が厳密に規制されているため、好適な特性(特に歪点)を有している。特に、ガラス組成中のSrO+BaOの含有量を10〜25%、Al+ZrOの含有量を0〜6%未満に規制することにより、歪点を530〜580℃に調整しやすくなり、且つ体積電気抵抗率を高めることができる。また、ガラス組成中のSrOの含有量を10〜20%に規制することにより、BaOの含有量を低減することができ、結果として、密度の低下により、ガラス板の運搬コストを低廉化することができる。さらに、ガラス組成中のNaO+KOの含有量を9〜15%に規制することにより、溶融温度を低下させつつ、熱膨張係数の調整が容易になる。
本発明のガラス板は、歪点が530〜580℃に規制されている。このようにすれば、マスクの設計が複雑にならず、周辺材料の設計も容易になり、結果として、ディスプレイの低価格化を達成しやすくなる。
本発明のガラス板は、150℃におけるlog10ρが11.5以上であることが好ましい。ここで、「ρ」は、体積電気抵抗率(Ω・cm)を指している。
本発明のガラス板は、30〜380℃における平均熱膨張係数が75〜90×10−7/℃であることが好ましい。ここで、「熱膨張係数」は、直径5.0mm、長さ20mmの円柱状の試料を測定試料として、ディラトメーターで測定した値である。
本発明のガラス板は、102.5dPa・sにおける温度が1430℃未満であることが好ましい。ここで、「102.5dPa・sにおける温度」は、白金球引き上げ法により測定した値を指す。
本発明のガラス板は、10dPa・sにおける温度が1130℃以下であることが好ましい。ここで、「10dPa・sにおける温度」は、白金球引き上げ法により測定した値を指す。
本発明のガラス板は、密度が2.8g/cm未満であることが好ましい。ここで、「密度」は、周知のアルキメデス法で測定した値を指す。
本発明のガラス板は、アルカリ溶出量が1.0mg以下であることが好ましい。ここで、「アルカリ溶出量」は、JIS R3502に基づいて測定した値を指す。
本発明のガラス板は、PDPに用いることが好ましい。
本発明のガラス板において、上記のようにガラス組成範囲を限定した理由を以下に説明する。
SiOは、ガラス骨格を形成する成分である。その含有量は55〜70%、好ましくは60〜68%である。SiOの含有量が多くなると、高温粘度が高くなり、溶融性や成形性が低下したり、熱膨張係数が低くなり過ぎて、周辺材料の熱膨張係数に整合し難くなる。一方、SiOの含有量が少なくなると、熱膨張係数が高くなり過ぎて、耐熱衝撃性が低下しやすくなる。
Alは、歪点を高める成分である。その含有量は0〜6%未満、好ましくは0.2〜5%未満、より好ましくは0.5〜4%である。Alの含有量が多くなると、歪点が上昇し過ぎたり、高温粘度が著しく高くなり、溶融性や成形性が低下したり、熱膨張係数が低くなり過ぎて、周辺材料の熱膨張係数に整合し難くなる。一方、Alの含有量が少なくなると、アルカリ溶出量が多くなるため、長期の使用によりガラス板が白濁しやすくなり、ディスプレイ等に適用し難くなる。
MgOは、体積電気抵抗率を高めるとともに、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高め、更には歪点を高める成分である。その含有量は0〜8%、好ましくは1〜5%未満である。MgOの含有量が多くなると、歪点が高くなり過ぎたり、耐失透性が低下しやすくなるため、板状に成形し難くなる。一方、MgOの含有量が少なくなると、体積電気抵抗率が低下したり、高温粘度が上昇して、溶融性や成形性が低下しやすくなる。
CaOは、MgOと同様に、体積電気抵抗率を高めるとともに、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高め、更には歪点を高める成分である。その含有量は0〜8%、好ましくは1〜7%である。CaOの含有量が多くなると、歪点が高くなり過ぎたり、耐失透性が低下しやすくなるため、板状に成形し難くなる。一方、CaOの含有量が少なくなると、体積電気抵抗率が低下したり、高温粘度が上昇して、溶融性や成形性が低下しやすくなる。
SrOは、体積電気抵抗率を高めるとともに、歪点を上昇させずに、密度の上昇も抑え、更に高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。その含有量は11〜20%、好ましくは11〜18%、より好ましくは12.5〜17%である。SrOの含有量が多くなると、耐失透性が低下しやすくなるため、板状に成形し難くなる。一方、SrOの含有量が少なくなると、体積電気抵抗率が低下したり、高温粘度が上昇して、溶融性や成形性が低下しやすくなる。
BaOは、体積電気抵抗率を高めるとともに、歪点を上昇させずに、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。その含有量は0〜8%、好ましくは1〜6%である。BaOの含有量が多くなると、耐失透性が低下しやすくなるため、板状に成形し難くなる。一方、BaOの含有量が少なくなると、体積電気抵抗率が低下したり、高温粘度が上昇して、溶融性や成形性が低下しやすくなる。
SrO+BaOの含有量を規制すれば、歪点を不当に上昇させずに、体積電気抵抗率を高めることができる。SrO+BaOの含有量は11〜25%、好ましくは11〜22%、より好ましくは12.5〜20%、更に好ましくは13〜17%である。SrO+BaOの含有量が多くなると、ガラスが失透しやすくなる。また、SrO+BaOの含有量が少なくなると、体積電気抵抗率が低下しやすくなる。
MgO+CaO+SrO+BaOの含有量を規制すれば、耐失透性を低下させることなく、高温粘度を低下させて、溶融性と成形性を高めることができる。MgO+CaO+SrO+BaOの含有量は11〜30%、好ましくは12超〜28%、より好ましくは15超〜27%である。MgO+CaO+SrO+BaOの含有量が多くなると、ガラスが失透しやすくなる。一方、MgO+CaO+SrO+BaOの含有量が少なくなると、高温粘度が上昇して、溶融性や成形性が低下しやすくなる。
NaOは、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分であり、また熱膨張係数を調整しやすくする成分でもある。その含有量は3.5〜9%未満、好ましくは3.5〜8%、より好ましくは3.5〜6%である。NaOの含有量が多くなると、低積抵抗率が低下しやすくなるとともに、歪点が低下する傾向にあり、歪点を530〜570℃に調整し難くなる。また、NaOの含有量が多くなると、熱膨張係数が高くなり過ぎて、周辺材料の熱膨張係数に整合し難くなる。一方、NaOの含有量が少なくなると、高温粘度が上昇して、溶融性や成形性が低下しやすくなる。また、NaOの含有量が少なくなると、熱膨張係数が低くなり過ぎて、周辺材料の熱膨張係数に整合し難くなる。
Oは、体積電気抵抗率を低下させることなく、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。また、KOは、熱膨張係数を調整しやすくする成分でもある。その含有量は6超〜15%、好ましくは6.1〜13%、より好ましくは6.4〜12%である。KOの含有量が多くなると、歪点が低下する傾向にあり、歪点を530〜570℃に調整し難くなる。また、KOの含有量が多くなると、熱膨張係数が高くなり過ぎて、耐熱衝撃性が低下したり、周辺材料の熱膨張係数に整合し難くなる。一方、KOの含有量が少なくなると、高温粘度が上昇して、溶融性や成形性が低下しやすくなる。また、KOの含有量が少なくなると、熱膨張係数が低くなり過ぎて、周辺材料の熱膨張係数に整合し難くなる。
NaO+KOの含有量を規制すれば、熱膨張係数を調整しやすくなるとともに、溶融性を高めやすくなる。NaO+KOの含有量は9〜15%、好ましくは9.5〜13%である。NaO+KOの含有量が多くなると、熱膨張係数が高くなり過ぎて、耐熱衝撃性が低下したり、周辺材料の熱膨張係数に整合し難くなる。一方、NaO+KOの含有量が少なくなると、高温粘度が上昇して、溶融性が低下しやすくなるとともに、熱膨張係数が低くなり過ぎて、周辺材料の熱膨張係数に整合し難くなる。
ZrOは、高温粘度を上昇させずに、歪点を著しく高める成分である。その含有量は0〜%、好ましくは0.3〜%である。ZrOの含有量が多くなると、失透ブツが発生しやすくなり、成形性が低下したり、歪点が過度に上昇してしまう。一方、ZrOの含有量が少なくなると、歪点が低下しやすくなる。
Al+ZrOの含有量を規制すれば、歪点を530〜580℃に調整しやすくなる。Al+ZrOの含有量は6%未満、好ましくは5%未満、より好ましくは4%以下である。また、Al+ZrOの含有量は0.2%以上、特に0.5%以上が好ましい。このようにすれば、耐水性を高めることができる。
上記成分以外にも以下の成分を添加することができる。
ZnOは、高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分である。その含有量は0〜5%、0〜3%、特に0〜1%が好ましい。ZnOの含有量が多くなると、原料コストが大幅に高騰する。
LiOは、ガラスの高温粘度を低下させて、溶融性や成形性を高める成分であり、また熱膨張係数を調整しやすくする成分でもある。その含有量は0〜5%、0〜3%、特に0〜1%が好ましい。LiOの含有量が多くなると、歪点が著しく低下する傾向にあり、歪点を530〜570℃に調整し難くなることに加えて、熱膨張係数が高くなり過ぎて、耐熱衝撃性が低下したり、周辺材料の熱膨張係数に整合し難くなる。
なお、上記成分以外にも、例えば、紫外線着色を防止するためにTiOを5%まで、耐クラック性を高めるためにPを4%まで、液相温度を低下させて、成形性を高めるためにY、La、Nbを各3%まで、着色剤としてFe、CoO、NiO、Cr、Ndを各2%まで、溶融助剤としてBを4%まで、清澄剤としてAs、Sb、SnO、SO、C、F、Cl等を合量で1%まで添加することができる。但し、フロート法で板状に成形する場合、As、Sbはフロートバス中で還元されて金属異物となるため、その導入は極力避けるべきである。
本発明のガラス板において、歪点は530〜580℃、好ましくは530〜570℃、特に540〜560℃である。このようにすれば、マスクの設計が複雑にならず、周辺材料の設計も容易になり、結果として、ディスプレイの低価格化を達成しやすくなる。
本発明のガラス板において、150℃におけるlog10ρは11.5以上、特に12.0以上が好ましい。このようにすれば、ガラス板中のアルカリ成分と薄膜電極の反応を防止しやすくなり、断線を引き起す確率が顕著に低下する。
本発明のガラス板において、熱膨張係数は75〜90×10−7/℃、80〜90×10−7/℃、特に82〜88×10−7/℃が好ましい。このようにすれば、ガラス板の熱膨張係数が、周辺材料の熱膨張係数に整合しやすくなる。また、ガラス板の熱膨張係数を85×10−7/℃近辺に設定すれば、従来の焼成条件やマスクを採用しやすくなり、ディスプレイのコストダウンに貢献しやすくなる。
本発明のガラス板において、102.5dPa・sにおける温度は1430℃未満、特に1420℃以下が好ましい。このようにすれば、溶融温度が低下し、溶融装置にかかる負担を軽減することができ、結果として、ガラス板の製造コストを低廉化しやすくなる。
本発明のガラス板において、10dPa・sにおける温度は1150℃未満、特に1130℃以下が好ましい。このようにすれば、成形温度が低下し、成形装置にかかる負担を軽減することができ、結果として、ガラス板の製造コストを低廉化しやすくなる。
本発明のガラス板において、密度は2.8g/cm未満、特に2.7g/cm以下が好ましい。このようにすれば、ガラス板の運搬コストが低下するとともに、ディスプレイの軽量化を図ることができる。
本発明のガラス板において、アルカリ溶出量は1.0mg以下、特に0.5mg以下が好ましい。このようにすれば、長期の使用により、ガラス板の表面が白濁する不具合を防止しやすくなる。
次に、本発明のガラス板を製造する方法を説明する。まず、上記のガラス組成になるようにガラス原料を調合する。次に、調合済みのガラス原料を連続溶融炉に投入して、加熱溶融し、脱泡した後、成形装置に供給して板状に成形し、更に徐冷する。このようにして、ガラス板を製造することができる。ガラス板の成形方法として、フロート法、スロットダウンドロー法、オーバーフローダウンドロー法、リドロー法等の様々な方法を採用することができる。特に、フロート法は、比較的安価に大型のガラス板を効率良く成形できるため、好ましい。
実施例に基づいて、本発明のガラス板を詳細に説明する。
表1、2は、試料No.1〜11を示している。なお、試料No.11は、市販の高歪点ガラス板を示している。
次のようにして表中の各試料を作製した。
まず表中のガラス組成になるようにガラス原料を調合したバッチを白金坩堝に入れ、1550℃で3時間溶融した後、カーボン板上に流し出して板状に成形した。こうして得られた各試料について、熱膨張係数、密度、歪点、高温粘度、150℃における体積電気抵抗率log10ρ、アルカリ溶出量の各種特性を評価した。その結果を表1、2に示す。
熱膨張係数は、直径5.0mm、長さ20mmの円柱状の試料を測定試料として、ディラトメーターで測定した値であり、また30〜380℃における平均値である。
密度はアルキメデス法にて測定した値である。
歪点は、ASTM C336−71に基づいて測定した値である。
10dPa・sにおける温度は、白金球引き上げ法により測定した値である。なお、10dPa・sにおける温度は、溶融ガラスを板状に成形する際の目安になる温度であり、この温度が低い程、成形装置にかかる負担を軽減することができる。
102.5dPa・sにおける温度は、白金球引き上げ法により測定した値である。なお、102.5dPa・sにおける温度は、ガラスを溶融する際の目安になる温度であり、この温度が低い程、低温でガラスを溶融することができる。
体積電気抵抗率log10ρ(単位:Ω・cm)は、ASTM D257に基づいて測定した値である。
アルカリ溶出量は、JIS R3502に基づいて測定した値である。なお、アルカリ溶出量は、耐水性の目安になる特性であり、アルカリ溶出量が低い程、耐水性に優れる。
表1から明らかなように、試料No.1〜10は、ガラス組成が適正に規制されているため、熱膨張係数が75〜90×10−7/℃、密度が2.8mg/cm未満、歪点が530〜580℃、10dPa・sにおける温度が1150℃未満、102.5dPa・sの温度が1430℃未満、150℃における体積電気抵抗率log10ρが11.5Ω・cm以上およびアルカリ溶出が1.0mg以下であった。一方、試料No.11は、ガラス組成が適正に規制されていないため、密度が2.8mg/cm、歪点が580℃、10dPa・sにおける温度が1150℃、102.5dPa・sの温度が1430℃であった。
本発明のガラス板は、PDPに好適であるが、この用途に限られるものではなく、液晶ディスプレイ、各種形式のフィールドエミッションディスプレイ(FED)等のフラットパネルディスプレイにも使用可能であり、CIS系太陽電池、色素増感系太陽電池等の太陽電池用基板およびカバーガラスにも適用することができる。

Claims (7)

  1. ガラス組成として、質量%で、SiO 55〜70%、Al 0〜6%未満、MgO 0〜8%、CaO 0〜8%、SrO 11〜20%、BaO 0〜8%、SrO+BaO 11〜25%、MgO+CaO+SrO+BaO 11〜30%、Na3.5〜9%未満、KO 6超〜15%、NaO+KO 9〜15%、ZrO 0〜%、Al+ZrO 0〜6%未満を含有し、10dPa・sにおける温度が1150℃未満であり、且つ歪点が530〜580℃であることを特徴とするガラス板。
  2. 150℃におけるlog10ρが11.5以上であることを特徴とする請求項1に記載のガラス板。
  3. 30〜380℃における平均熱膨張係数が75〜90×10−7/℃であることを特徴とする請求項1または2に記載のガラス板。
  4. 102.5dPa・sにおける温度が1430℃未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガラス板。
  5. 10dPa・sにおける温度が1130℃以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガラス板。
  6. 密度が2.8g/cm未満であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガラス板。
  7. アルカリ溶出量が1.0mg以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のガラス板。
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