JP2005053708A - フラットパネルディスプレイ用ガラス - Google Patents

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Noriyuki Yoshida
紀之 吉田
Masataka Takagi
雅隆 高木
Ken Choju
研 長壽
Hiroki Yamazaki
博樹 山崎
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Abstract

【目的】従来以上に優れた泡品位を有するフラットパネルディスプレイ用ガラスを提供することである。
【構成】本発明のフラットパネルディスプレイ用ガラスは、質量百分率で、SiO 50〜70%、Al 0〜12%、MgO 0〜10%、CaO 0〜15%、SrO 0〜15%、BaO 0〜10%、NaO 0〜10%、KO 0〜15%、ZrO 0〜10%、P 0〜3%、B 0〜5%未満、ヘリウム及び/またはネオンを0.0001〜2μl/g(0℃、1atm)含有することを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラットパネルディスプレイ用ガラス、特にプラズマディスプレイ用ガラス基板として使用されるフラットパネルディスプレイ用ガラスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、フラットパネルディスプレイ用基板としては、ディスプレイ装置を製造する際の様々な熱処理よるガラス基板の熱変形や熱収縮を防止するために、高い歪点を有するガラスが使用されている。そして、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板には、表示欠陥となる泡を含まないことが要求される。
【0003】
フラットパネルディスプレイ用ガラスは、高い歪点を有するため、ガラスの粘度も高く、窓ガラス等に使用されるソーダ石灰ガラスに比べて、より高温で溶融が行われる。フラットパネルディスプレイ用ガラスの溶融では、通常1200〜1400℃でガラス化反応が起こり、約1500℃の高温で脱泡、均質化が行われる。このため少なくとも脱泡、均質化が行われる高温域で清澄ガスを放出することができる清澄剤を使用する必要がある。
【0004】
このようなフラットパネルディスプレイ用ガラスの適切な清澄剤やその組合わせが特許文献1及び2の実施例に開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−133778号公報
【特許文献2】
特開2001−226138号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、ディスプレイの大型化、高精細化に伴い、より高い泡品位が要求されるようになってきており、従来の清澄方法では、高い泡品位のガラスを供給することが難しくなってきている。
【0007】
本発明の目的は、従来以上に優れた泡品位を有するフラットパネルディスプレイ用ガラスを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、フラットパネルディスプレイ用ガラスに清澄効果をもたらす成分として、不活性ガス成分であるヘリウムやネオンを溶融ガラス中に所定量含有させることによって、溶融ガラス中の気泡を完全に除去し、或いは著しく減少させることが可能であることを見いだし、本発明として提案するものである。
【0009】
即ち、本発明のフラットパネルディスプレイ用ガラスは、質量百分率で、SiO 50〜70%、Al 0〜12%、MgO 0〜10%、CaO 0〜15%、SrO 0〜15%、BaO 0〜10%、NaO 0〜10%、KO 0〜15%、ZrO 0〜10%、P 0〜3%、B 0〜5%未満、ヘリウム及び/またはネオンを0.0001〜2μl/g(0℃、1atm)含有することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
溶融ガラス中で、一般に各元素は弱い結合力をもつ網目状態となり、高温であるほど、それぞれの元素位置は相対的に高速に伸縮振動、回転振動、偏角振動をともなった不規則な位置変動を激しくおこなっている。しかしながら後述するように、ヘリウムやネオンは原子構造における電子配列が閉殻構造のため非常に反応性が低く、かつその大きさが小さい。従って、ヘリウムやネオンは溶融ガラスを構成する各種元素と結合し難く、また上記の振動する網目の空隙を経路として通過していくに充分な小ささであることから、溶融ガラス中に欠陥として存在する泡にも、周囲の元素に影響されることなく容易に拡散していくことが可能である。
【0011】
このため、微細な泡欠陥を多数内在する溶融ガラスにヘリウムまたはネオンを接触させることで、溶融ガラス中に内在する微細な泡の泡径を急速に膨張させることができる。その結果、泡径の大きくなった泡は、浮力が大きくなり高速に浮上することで速やかに溶融ガラスが清澄されることになる。このようにして、ヘリウムやネオンは溶融ガラスの清澄効果をもたらすが、その効果は後述する各種の清澄剤成分が、溶融ガラス中に含有される環境であるほど強力になる。これは、上述したヘリウムやネオンそのものの清澄効果や各種清澄剤成分そのものによる清澄効果もあるが、これに加えて、各種清澄剤成分によって発生した微細な泡にヘリウムやネオンが拡散することによる相乗効果が加わるためである。
【0012】
本発明で使用するヘリウム、ネオンについては、いずれも不活性ガス、希ガスと称する分類がなされることもあり、安定な閉殻構造をなすため、単原子分子として存在する。ヘリウムについては、希ガス元素の中でも最も軽い元素であり、構造的にも大きさが非常に小さく、Van der Waals力による引力が非常に小さく、絶対零度でも常圧では固体化することがなく液体を呈する成分である。またネオンは、希ガス中ではヘリウムに次いでその大きさが小さいガスで、ヘリウム同様単原子分子で安定構造をとる。このため、ヘリウム、ネオンとも高温溶融して製造し、冷却されたガラス組成物中では、他の構成成分によって構築されたガラス網目構造の空孔に捕捉された状態で存在している。
【0013】
ヘリウム及び/またはネオンは、いずれもガラス構造の網目形成には関与しないが、単独あるいは合量でガラス中に0.0001μl/g以上含有することで清澄効果を与える。0.0001μl/gより少ないと充分な清澄効果を与えることが不可能である。さらに0.06μl/g以上の含有は、確実な清澄効果を発揮することを可能にする。そしてガラス中に含有するガス化可能な成分の含有量が多い様な過酷な条件下でも清澄効果を実現するためには、より好ましくは0.1μl/g以上含有することで充分な清澄効果を溶融ガラスに付与することが可能である。一方、2μl/gを越える含有量では、ガラス組成物を再加熱すると、いわゆるリボイルと呼ばれる再発泡が生じるため好ましくない。またガラス組成物、加熱条件によっても違いはあるものの、よりリボイルしにくい含有上限値は1.5μl/g以下である。そしてこの1.5μl/gという上限値は、ヘリウム及び/またはネオン以外の清澄剤が共存するガラス組成物の場合は、リボイルがより発生しやすくなるため、下方へシフトし1.0μl/gとなる。
【0014】
よって、ヘリウム及びネオンの合量は以下の範囲が好適である。まずヘリウム、ネオン以外の清澄剤が溶融ガラス中に共存しない場合には、より厳しい条件下でも清澄効果があり、かつリボイルしにくい含有範囲は0.1μl/g〜1.5μl/gである。また、ヘリウム、ネオン以外の清澄剤が溶融ガラス中に共存する場合には0.1μl/g〜1.0μl/gである。
【0015】
また、本発明のガラス組成物にヘリウムやネオンを添加する方法については、ヘリウムやネオンを高濃度に含有する物質やカレットガラスを原料として溶融する方法、ヘリウムやネオン雰囲気中で原料を溶融する方法、溶融状態のガラスにヘリウムやネオン雰囲気を接触させる方法、が挙げられる。
【0016】
溶融状態のガラスにヘリウムやネオン雰囲気を接触させるには、ガラス溶解室内にヘリウムやネオンを導入する他、耐火性ノズルを用いてバブリングする方法がある。また、ガス透過性のある容器を用いてガラスを溶解し、容器周囲をヘリウムやネオン雰囲気にする方法もある。バブリングではノズル先端に多孔性耐火物を用いると、ガラス中にヘリウムやネオンを拡散させやすく、効率が良い。
【0017】
また、本発明のフラットパネルディスプレイ用ガラスは、上記のヘリウム及び/またはネオンの範囲に加えて、清澄剤成分としてSO(硫酸塩)及び/またはCl(塩化物)を含有させることが望ましい。SO、Clの含有量は、ガラス中の残存量として、それぞれSO 0.001〜1%、Cl 0.01〜1%であることが好ましい。
【0018】
SO、Clは、単独で用いてもよいが、より高い清澄効果を得るためには両者を併用することが好ましい。
【0019】
SO、Clは、ヘリウム及び/またはネオンと共存することで、高い清澄効果を発揮するものであり、高温溶融によって熱分解、酸化還元反応などによって変成してもその一部が冷却後のガラス組成物中に残留する成分である。
【0020】
硫酸塩は、1200〜1500℃程度の温度域で分解し、分解により多量の清澄ガス(二酸化硫黄、酸素ガス)を発生する。SOは1400℃の高温でも分解するため、フラットパネルディスプレイ用ガラスのようなガラス化反応過程が高温となるガラスには最適である。
【0021】
塩化物は、1200℃以上の温度域で分解、揮発して清澄ガスを発生するが、特に1400℃以上の高温域で分解、揮発が激しくなり、多量の清澄ガスを発生するため、均質化溶融の清澄に効果的である。
【0022】
従って清澄ガス発生温度域の異なる清澄剤を併用することにより、比較的低温で起こるガラス化反応時から高温の均質化溶融時にかけての広い温度域で清澄ガスを発生させることが可能となり、ヘリウム及び/またはネオンと共存することで、より高い清澄効果を発揮する。
【0023】
また、清澄剤の添加方法については、特に限定されるものではなく、溶融原料成分として添加してもよいし、溶融したガラスに後から添加してもよい。また、ヘリウムやネオンの添加時に同時に添加することも可能である。さらに、溶融時の容器や溶融ガラス中に浸漬する耐熱性材料からの溶出成分として上記成分を意図的にガラス中に添加することも可能である。また清澄剤をヘリウムやネオンと交互に添加したり、清澄効果を確認しながら添加量を徐々に増減することで最適な添加量に調整することも可能である。
【0024】
次に、本発明のフラットパネルディスプレイ用ガラスにおける清澄成分以外の成分について説明する。
【0025】
SiOは、ガラスのネットワークフォーマーである。含有量が50〜70%であれば、歪点が高く、熱収縮や熱変形の小さいガラス基板が得られやすい。好ましい範囲は52〜68%であり、より好ましくは54〜68%である。尚、SiOの含有量が多くなると、熱膨張係数が小さくなり周辺材料との整合性が取れなくなったり、ガラスの高温粘度が高くなり、溶融、成形が難しくなる。また、含有量が少なくなると、熱膨張係数が大きくなり周辺材料との整合性が取れなくなったり、ガラスの歪点が低下して熱変形や熱収縮が起こりやすくなる。
【0026】
Alは、ガラスの歪点を高める成分である。含有量が0〜12%であれば、ガラスの高温粘度を低く抑えることができ、しかも、歪点が高く、熱収縮や熱変形の小さいガラス基板が得られやすい。好ましい範囲は0〜10%であり、より好ましくは1〜10%である。尚、Alの含有量が多くなると、ガラスの高温粘度が高くなり、溶融、成形が難しくなる。
【0027】
MgOは、ガラスの高温粘度を低下させて溶融性や成形性を高めたり、体積電気抵抗率を成分である。含有量が0〜10%であれば、ガラスの高温粘度を低く維持した上で、ガラスを失透しにくくすることができる。好ましい範囲は0〜9%であり、より好ましくは0.5〜8%である。
【0028】
CaOは、ガラスの高温粘度を低下させて溶融性や成形性を高めたり、体積電気抵抗率を成分である。含有量が0〜15%であれば、ガラスの高温粘度を低く維持した上で、ガラスを失透しにくくすることができる。好ましい範囲は0〜12%であり、より好ましくは1〜11%である。
【0029】
SrOは、ガラスの高温粘度を低下させてガラスの溶融性や成形性を高めたり、体積電気抵抗率を高める成分である。含有量が0〜15%であれば、ガラスの高温粘度を低く維持した上で、ガラスを失透しにくくすることができる。好ましい範囲は0〜12%であり、より好ましくは1〜12%である。
【0030】
BaOは、SrOと同様にガラスの高温粘度を低下させてガラスの溶融性や成形性を高めたり、体積電気抵抗率を高める成分である。含有量が0〜10%であれば、ガラスの高温粘度を低く維持した上で、ガラスを失透しにくくすることができる。好ましい範囲は0〜9%である。
【0031】
NaOは、ガラスの熱膨張係数を制御したり、ガラスの高温粘度を低下させてガラスの溶融性や成形性を高める成分である。含有量が10%以下であれば、周辺材料と整合する熱膨張係数と高温粘度の低いガラスを得ることができる。好ましい範囲は8%以下であり、より好ましくは6%以下である。尚、NaOの含有量が多くなると、ガラスの熱膨張係数が大きくなり、周辺材料と整合する熱膨張係数が得にくくなったり、ガラスの歪点が低下する傾向にあり、製造する際の熱工程で、熱変形や熱収縮が起こりやすくなる。
【0032】
Oは、NaOと同様にガラスの熱膨張係数を制御したり、ガラスの高温粘度を低下させてガラスの溶融性や成形性を高める成分である。含有量が15%以下であれば、周辺材料と整合する熱膨張係数と高温粘度の低いガラスを得ることができる。好ましい範囲は2〜12%であり、より好ましくは4〜11%である。尚、KOの含有量が多くなると、ガラスの熱膨張係数が大きくなり、周辺材料と整合する熱膨張係数が得にくくなったり、ガラスの歪点が低下する傾向にあり、製造する際の熱工程で、熱変形や熱収縮が起こりやすくなる。
【0033】
ZrOは、ガラスの歪点を高める成分である。含有量が10%以下であれば、他の特性に悪影響を与えることなく、ガラスの歪点を上昇させることができる。好ましい範囲は8%以下であり、より好ましくは7%以下である。ZrOの含有量が多くなると、失透ブツが発生する傾向にあり、成形が難しくなる。
【0034】
は、生産工程における割れの発生を抑える成分である。含有量が3%以下であれば、ガラスが乳白することなく、クラック抵抗を上昇させることができる。好ましい範囲は2%以下、より好ましくは1%以下である。
【0035】
は、生産工程における割れの発生を抑えたり、ガラスの高温粘度を低下させてガラスの溶融性や成形性を高める成分である。含有量が5%未満であれば、歪点を維持した上で高温粘度の低いガラスを得ることができる。好ましい範囲は4%以下であり、より好ましくは3%以下である。
【0036】
尚、本発明において、上記成分以外にも、紫外線着色を防止するために、TiOを3%まで、液相温度を低下させて、成形性を向上させるために、Y、La、Nbを各3%まで、着色剤として、Fe、CoO、NiO、Cr、Ndを各2%まで添加することが可能である。
【0037】
次に本発明のフラットパネルディスプレイ用ガラスを製造する方法を述べる。
【0038】
まず、上記の組成を有するガラスとなるようにガラス原料調合物を用意する。尚、原料等からヘリウムやネオンを導入する場合は、予めそのように処理した原料等を使用する。またSO、Cl等の清澄剤を併用する場合には、ガラス原料調合物に、硫酸塩、塩化物等を添加すればよい。硫酸塩としては、BaSO、CaSO等が使用できる。塩化物としてはBaCl、SrCl、CaCl等が使用できる。
【0039】
硫酸塩の添加量は、ガラス原料調合物100質量%に対し、SO換算で0.01〜3質量%であり、この添加量でガラス中のSOは0.001〜1%となる。硫酸塩が0.01%より少ないとガラス化過程で発生したガスを追い出し難くなり、3%より多いと再発泡しやすくなり、逆に、ガラス中に泡が残存しやすくなる。硫酸塩の好ましい添加量は、SO換算で0.01〜3%、より好ましくは0.05〜2.5%、さらに好ましくは、0.05〜2%である。SOの好ましい含有量は、0.001〜1%、より好ましくは0.01〜0.8%、さらに好ましくは、0.05〜0.6%である。
【0040】
塩化物の添加量は、ガラス原料調合物100質量%に対し、Cl換算で0.01〜2質量%であり、この添加量でガラス中のClは0.01〜1%となる。塩化物が0.01%より少ない場合は均質化溶融時にガラス融液中に残った泡を除去し難くなる。一方、塩化物が2%より多いと揮発量が多くなりすぎてガラスが変質し易くなる。塩化物の好ましい添加量は、Cl換算で0.01〜2%、より好ましくは0.01〜1.6%、さらに好ましくは、0.01〜1.2%である。Clの好ましい含有量は、0.01〜1%、より好ましくは0.01〜0.8%、さらに好ましくは、0.01〜0.6%である。
【0041】
また本発明では、上記以外の清澄剤、例えばSb、F等を合量で1%まで添加して使用することも可能である。但し、フロート法で成形する場合、Sbは還元されるため、導入は避けるべきである。
【0042】
続いて調合したガラス原料を溶融する。尚、ガラス溶融時にヘリウムやネオンを導入する場合は、上記したような種々の手法から適切な方法を選択して実施する。
【0043】
その後、溶融ガラスを所望の形状に成形する。ディスプレイ用途に使用する場合、フロート法、オーバーフローダウンドロー法、スロットダウンドロー法、ロールアウト法等の方法を用いて薄板状に成形する。
【0044】
このようにして、質量百分率で、SiO 50〜70%、Al 0〜12%、MgO 0〜10%、CaO 0〜15%、SrO 0〜15%、BaO0〜10%、NaO 0〜10%、KO 0〜15%、ZrO 0〜10%、P 0〜3%、B 0〜5%未満、ヘリウム及び/またはネオンを0.001〜2μl/g(0℃、1atm)含有する本発明のフラットパネルディスプレイ用ガラスを得ることができる。尚、ガラス中のヘリウムやネオンの含有量は、10〜500mgの試料を1600℃に加熱した炉内のMoルツボ内に移動(落下)させ、20分間保持した後、10−9Torrの真空状態にして放出されたガスを高感度希ガス質量分析計で測定した値を採用している。
【0045】
【実施例】
以下、本発明のフラットパネルディスプレイ用ガラスを実施例及び比較例に基づいて詳細に説明する。
(実施例1)
表1は本発明の実施例(試料No.1〜6)を、表2は比較例(試料No.7〜12)をそれぞれ示している。
【0046】
【表1】
Figure 2005053708
【0047】
【表2】
Figure 2005053708
【0048】
各試料は次のようにして調製した。まず、予め、所定の組成となるように調整したガラス500g相当のバッチを白金製ルツボ中に入れ、そのルツボを予め1550℃、4時間、気密構造とした雰囲気炉中に設置した。そして4時間後に、炉内にHeあるいはNeが95%以上の雰囲気ガスを導入し、さらに所定温度で30分間保持した。その後、ガラスを取り出し、ガラス状カーボン型で作成した型に流し出して成型し冷却した。尚、比較例である試料No.7〜12は、溶融雰囲気を大気中とした以外は、上記と同じ条件下で作製した。
【0049】
次に、ガラスと同じ屈折率を持つ浸液中に試料を保持しながら、試料中の残存泡の泡数を20倍から100倍の倍率の実体顕微鏡によって計測した。
【0050】
表から明らかなように、実施例である試料No.1〜6は、残存する泡数が63個/100g以下と少なかった。
【0051】
これに対し、比較例である試料No.7〜12は、残存する泡数が1325個/100g以上と非常に多かった。
【0052】
尚、He、Neのガラス含有量については、試料を1600℃に加熱した炉内のMoルツボ内に移動(落下)させ、20分間保持した後、10−9Torrの真空状態にして放出されたガスをダブルコレクター型希ガス質量分析計(VG5400)で測定した。
(実施例2)
表3〜5は本発明の実施例(試料No.13〜27)を示している。
【0053】
【表3】
Figure 2005053708
【0054】
【表4】
Figure 2005053708
【0055】
【表5】
Figure 2005053708
【0056】
各試料は、実施例1と同様にして作製し、評価した。
【0057】
その結果、ヘリウム及び/またはネオンと清澄剤を併用した実施例(試料No.13〜27)は、残存する泡数6.2個/100g以下と非常に少なく、十分な清澄効果を確認できた。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のフラットパネルディスプレイ用ガラスは、表示欠陥となる泡が存在しないため、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンス、電界放射型ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ用ガラス基板として好適である。

Claims (5)

  1. 質量百分率で、SiO 50〜70%、Al 0〜12%、MgO 0〜10%、CaO 0〜15%、SrO 0〜15%、BaO0〜10%、NaO 0〜10%、KO 0〜15%、ZrO 0〜10%、P 0〜3%、B 0〜5%未満、ヘリウム及び/またはネオンを0.0001〜2μl/g(0℃、1atm)含有することを特徴とするフラットパネルディスプレイ用ガラス。
  2. さらに清澄剤成分として、SO及び/またはClを含有することを特徴とする請求項1記載のフラットパネルディスプレイ用ガラス。
  3. SOの含有量が0.001〜1%であることを特徴とする請求項2記載のフラットパネルディスプレイ用ガラス。
  4. Clの含有量が0.01〜1%であることを特徴とする請求項2記載のフラットパネルディスプレイ用ガラス。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のガラスからなることを特徴とするフラットパネルディスプレイ用ガラス基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011173757A (ja) * 2010-02-25 2011-09-08 Nippon Electric Glass Co Ltd ガラス板
JP2012254926A (ja) * 2005-08-15 2012-12-27 Avanstrate Inc ガラス組成物

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