JP2012121740A - ガラス製造装置及びそれを用いたガラス製造方法 - Google Patents

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宏明 原
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Abstract

【課題】コスト高を招来させることなく、白金容器近傍のガラス領域において泡の発生を防止し得るガラス製造装置及びガラス製造方法を提供する。
【解決手段】ガラス製造装置は、溶解工程、清澄工程、供給工程、均質化工程、及び成形工程中の少なくとも一部に使用されるガラス製造装置。ガラス製造装置は、白金又は白金合金からなる白金容器11の外側に焼成耐火物15を備えている。白金容器11と焼成耐火物15がガラス層12を介して密着している。
【選択図】図2

Description

本発明は、ガラス製造装置及びそれを用いたガラス製造方法に関し、例えば電子デバイス用ガラス、特に高品質が要求される液晶ディスプレイ用板ガラス、有機ELディスプレイ用板ガラスの製造に好適なガラス製造装置及びそれを用いたガラス製造方法に関する。
ガラスを工業的に生産する場合、ガラス原料を溶解し、清澄、均質化した後、得られたガラス融液を成形装置に供給して所望の形状に成形する方法が一般的に用いられる。また、ディスプレイ用板ガラスのように高品質が要求される用途の場合、表示欠陥(異物、泡等)が発生しないように、清澄工程、供給工程等の製造工程では、白金又は白金合金からなる白金容器が一般的に用いられる。
ところで、特許文献1、2には、白金容器とガラス融液の接触に起因して泡が発生するという問題が記載されている。特許文献1、2によると、この現象は、ガラス融液と白金容器の外側の水素濃度差によって発生する。具体的には、白金容器の外側の水素濃度よりガラス融液中の水素濃度が高いと、ガラス融液中の水素が白金容器を透過し、白金容器の外側に拡散し易くなり、結果として白金容器近傍のガラス領域において酸素が飽和状態に達して、酸素泡が発生し易くなる。
この問題を解決すべく、特許文献1では、泡の原因となるガラス中の水分量を低下させる方法が提案されている。また、特許文献2では、白金容器の外側の雰囲気に水素又は水蒸気を導入する方法が提案されている。さらに、特許文献3〜5では、水素の透過を防止するために、白金容器の外表面に皮膜を形成する方法が提案されている。
特表2001−500098号公報 特表2001−503008号公報 特表2004−523449号公報 特表2006−522001号公報 特開2006−76871号公報
特許文献1に記載の方法は、ガラス中の水分量をβ−OHで表し、このβ−OH値を0.5/mm未満に調整することにより、白金容器とガラス融液との界面における泡の発生を防止する方法である。そして、同文献では、ハロゲン等の乾燥剤等のガラス原料を選択することにより、ガラスのβ−OH値を0.5/mm未満に調整している。しかし、近年、液晶ディスプレイ用板ガラスの急激な需要拡大に対応するために、大量生産を可能とすべく溶解槽が大型化してきている。溶解槽が大型化すると、ガラス融液が溶解槽内に長時間滞在するようになる。この場合、溶融雰囲気中からガラス融液中に拡散する水分量が増加し易くなるため、ガラスのβ−OH値を0.5/mm未満に調整し難くなる。また、近年、環境的観点から、清澄剤であるAs、Sb等の使用が制限されつつある。これらの清澄剤の使用が制限される場合には、溶解槽内におけるガラス融液の滞在時間を長くする手法が採用される場合があり、この場合も、上記と同様にして、ガラス融液中の水分量が増加し易くなる。したがって、ガラス原料の選択により、ガラスのβ−OH値を0.5/mm未満に低下させる方法は、生産効率上、問題がある。
また、特許文献2に記載の方法は、白金容器の外側の雰囲気に水素又は水蒸気を導入することにより、水素がガラス融液から白金容器の外側に透過する事態を防止して、白金容器近傍のガラス領域において泡の発生を防止する方法である。しかし、この方法は、水素濃度の厳密な制御が必要であるため、コスト高の要因となる。具体的には、水素ガス濃度が高過ぎると、白金容器の壁を通して、白金容器の外側からガラス融液に水素が過剰に供給されて、その過剰な水素がガラス成分の一部を還元して、結果として、その還元成分が白金容器と合金を形成するおそれがある(特許文献2参照)。一方、水素ガス濃度が低過ぎると、発泡防止効果が乏しくなる(特許文献2参照)。
さらに、特許文献3〜5に記載の方法は、白金容器の外表面に水素透過性が低い皮膜を形成して、白金容器近傍のガラス領域において泡の発生を防止する方法である。この方法の場合、水素の透過を完全に防止するためには、無欠陥の皮膜が要求される。つまり皮膜に亀裂等の欠陥があると、その部分から水素が透過し、白金容器近傍のガラス領域において泡の発生を防止し難くなる。しかし、実際の施工において、白金容器の外表面に無欠陥の皮膜を効率的に形成することは困難である。また、高温雰囲気、操業温度の変動等の影響により、操業中に皮膜が劣化したり、破損したりする可能性もある。しかも皮膜の欠陥が微小である場合には、その欠陥の発見が困難になる。さらに、欠陥の補修を行う際には操業を中断する必要がある。したがって、特許文献3〜5に記載の方法も、コスト高の要因となる。
そこで、本発明は、コスト高を招来させることなく、白金容器近傍のガラス領域において泡の発生を防止し得るガラス製造装置及びガラス製造方法を創案することを技術的課題とする。
本発明者等は、鋭意検討の結果、白金容器の外側に焼成耐火物を配置すると共に、白金容器と焼成耐火物とをガラス層で密着させることにより、上記技術的課題を解決できることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明のガラス製造装置は、溶解工程、清澄工程、供給工程、均質化工程、及び成形工程中の少なくとも一部に使用されるガラス製造装置において、白金又は白金合金からなる白金容器の外側に焼成耐火物を備えると共に、白金容器と焼成耐火物とがガラス層を介して密着していることを特徴とする。
ここで、「白金容器」は、ガラス融液を収容し得る限り、その形状が限定されず、ポット形状、パイプ形状等が含まれる。更に、「白金容器」は、白金又は白金合金のみで形成された容器のみならず、ガラス融液との接触部分が白金または白金合金で内張りされた容器も含む。
また、「白金又は白金合金」は、白金族元素又は白金族元素を主成分として含む合金を指すが、耐熱性の観点から、白金又は白金を主成分として含む合金が好ましい。
さらに、「ガラス層」は、ガラスを含む限り特に限定されず、アルミナ等のセラミックとガラスの混合物、結晶化ガラス等を含む。
本発明のガラス製造装置は、白金容器の外側に焼成耐火物を備えると共に、白金容器と焼成耐火物がガラス層を介して密着している。このようにすれば、高温雰囲気において、ガラス層に含まれるガラス成分が焼成耐火物のガラス層側の部分にも浸透し易くなるため、ガラス層の厚みが実質的に大きくなり易い。ガラス層の厚みが大きくなると、ガラス融液から白金容器の外側への水素の移動が抑制されるため、白金容器近傍のガラス領域において、酸素飽和層が形成され難くなる。なお、ガラス層は、白金又は白金合金よりも水素の透過速度が低い性質を有する。また、このようにすれば、焼成耐火物の目地がガラス層に含まれるガラス成分により塞がれる。これによっても水素の透過が抑制されるものと考えられる。さらに、このようにすれば、白金容器の位置固定を行い易くなる。
なお、白金容器近傍のガラス領域における泡の発生原因として、特許文献1に記載の泡の発生原因以外に、種々の原因が提案されている。本発明のガラス製造装置を用いた場合に、特許文献1に記載の泡の発生原因以外の原因を抑制する方向に作用して、発泡抑制効果が得られている可能性もあり得る。
本発明のガラス製造装置において、焼成耐火物のガラス層側の気孔内に、ガラス層に含まれるガラス成分が耐火物の粒界に沿って浸透していることが好ましい。このようにすれば、ガラス層の厚みが実質的に大きくなるため、ガラス融液から白金容器の外側への水素の移動が適正に抑制され、結果として、白金容器内側近傍のガラス領域において、酸素飽和層が形成され難くなる。
焼成耐火物の気孔率は、5体積%以上であることが好ましい。このようにすれば、高温雰囲気において、ガラス層に含まれるガラス成分が焼成耐火物のガラス層側の部分に浸透し易くなる。
焼成耐火物は、シリカ又はアルミナを主成分として含むことが好ましい。ここで、「シリカ又はアルミナを主成分として含む」とは、焼成耐火物中の成分の内、最も含有量が多い成分がシリカ又はアルミナの場合(好ましくはシリカ又はアルミナの含有量が90質量%以上の場合)を指す。
ガラス層に含まれるガラス成分は、実質的にアルカリ金属酸化物を含まないことが好ましい。ここで、「ガラス層に含まれるガラス成分が実質的にアルカリ金属酸化物を含まない」とは、ガラス層に含まれるガラス成分中のアルカリ金属酸化物(LiO、NaO、及びKO)の含有量が2000ppm(質量)以下の場合を指す。
本発明のガラス製造方法は、上記のガラス製造装置を、溶解工程、清澄工程、供給工程、均質化工程、及び成形工程中の少なくとも一部に用いて、ガラスを製造することを特徴とする。
本発明のガラス製造方法は、無アルカリガラスを製造する方法であることが好ましい。ここで、「無アルカリガラス」とは、ガラス組成中のアルカリ金属酸化物(LiO、NaO、及びKO)の含有量が2000ppm(質量)以下のガラスを指す。
本発明のガラス製造方法において、成形工程がダウンドロー法による板ガラスの成形工程であることが好ましい。
本発明の一実施形態に係るガラス製造装置及びガラス製造方法を説明するための模式的側面図である。 本発明の一実施形態に係る均質化槽を説明するための略図的断面図である。 本発明の一実施形態に係る供給管を説明するための略図的断面図である。
本発明のガラス製造装置は、溶解工程、清澄工程、供給工程、均質化工程、及び成形工程中の少なくとも一部に使用される。一般的に、連続生産されるガラスの製造工程は、溶解工程、清澄工程、供給工程、均質化工程、及び成形工程を含んでいる。溶解工程は、ガラス原料を溶解し、ガラス化する工程である。清澄工程は、溶解工程で得られたガラス融液を清澄剤等の働きによって清澄する工程である。供給工程は、各工程間にガラス融液を移送する工程である。均質化工程は、ガラス融液を攪拌し、均質化する工程である。成形工程は、ガラス融液を所望の形状に成形する工程である。なお、必要に応じて、上記以外の工程、例えばガラス融液を成形に適した状態に調節する状態調節工程を均質化工程後に取り入れてもよい。
本発明のガラス製造装置は、清澄工程以降の工程に適用することが好ましく、特に供給管に適用することが好ましい。清澄工程以降の工程でガラス融液中に泡が発生した場合、その泡を除去することが困難である。よって、本発明のガラス製造装置は、これらの工程に適用する意義が大きい。
成形工程は、特に限定されないが、高品質が要求される板ガラスの成形工程であることが好ましい。また、ディスプレイ用板ガラス等の場合、ダウンドロー法、特にオーバーフローダウンドロー法、スロットダウンドロー法で板ガラスを成形することが望ましい。ダウンドロー法で板ガラスを成形する場合、通常、清澄工程以降の工程で白金容器が使用される。よって、本発明のガラス製造装置は、ダウンドロー法で板ガラスを成形する場合に、特に有効である。
本発明のガラス製造装置は、白金容器と焼成耐火物がガラス層を介して密着している。ガラス層により白金容器と焼成耐火物を密着させる方法として、種々の方法を採用することができる。例えば、予め白金容器と焼成耐火物の間に隙間を設けた後、その隙間にガラス粉末を充填し、熱処理を施す方法を採用することができる。この場合、白金容器と焼成耐火物の間の隙間は、1mm〜10mmであることが好ましく、1mm〜5mmであることがより好ましく、特に3mm〜5mmであることが好ましい。隙間が1mmより小さいと、隙間全域にガラス層を形成することが困難になるおそれがある。一方、隙間が10mmより大きいと、白金容器の位置固定が不十分になり、白金容器が変形し易くなるおそれがある。なお、ガラス層により白金容器と焼成耐火物を密着させる方法として、予め白金容器の外表面にガラス層を形成した上で焼成耐火物を接触させた後、熱処理する方法を採用することもできる。
焼成耐火物の気孔率は、5体積%〜50体積%であることが好ましく、10体積%〜30体積%であることがより好ましく、10体積%〜20体積%であることが更に好ましい。焼成耐火物の気孔率が5体積%未満であると、ガラス層に含まれるガラス成分が焼成耐火物の気孔内に浸透し難くなる。一方、焼成耐火物の気孔率が50体積%より大きいと、焼成耐火物がガラス層に含まれるガラス成分により浸食され過ぎて、白金容器の位置固定が困難となるおそれがある。
本発明のガラス製造装置において、焼成耐火物は、シリカ又はアルミナを主成分として含むことが好ましい。この焼成耐火物は、耐熱性が高く、安価である。シリカを主成分として含む焼成耐火物として、例えばコバレントマテリアル株式会社製GLASSUNが挙げられる。
ガラス層に含まれるガラス成分は、実質的にアルカリ金属酸化物を含まないことが好ましい。ガラス層に含まれるガラス成分は、ガラス組成として、質量%で、SiO 40〜70%、Al 5〜20%、B 0〜15%、MgO 0〜10%、CaO 0〜25%、SrO 0〜15%、及びBaO 0〜15%を含有することが好ましい。このようにすれば、工程温度が高温になっても、高粘性を維持し易くなるため、ガラス層が脱落する事態を防止し易くなり、長期に亘って、白金容器近傍のガラス領域において発泡を防止し易くなる。
ガラス層は、結晶化ガラスを含むことが好ましく、特にムライトが析出した結晶化ガラスを含むことが好ましい。このようにすれば、工程温度が高温になっても、形状を維持できるため、ガラス層が脱落する事態を防止し易くなり、長期に亘って、白金容器近傍のガラス領域において発泡を防止し易くなる。
ガラス層は、φ0.3mm以上のアルミナボールを含んでいてもよい。このようにすれば、アルミナボールがスペーサー機能を発揮して、白金容器の変形を防止し易くなる。
ガラス層に含まれるガラス成分(結晶化ガラスを含む)の割合は、水素の透過速度を確実に低下させる観点から、30質量%以上、特に50質量%以上が好ましい。
ガラス層の厚みは1mm〜10mmであることが好ましく、1mm〜5mmであることがより好ましく、特に3mm〜5mmであることが好ましい。ガラス層の厚みが1mmより小さいと、ガラス層を形成することが困難になるおそれがある。一方、ガラス層の厚みが10mmより大きいと、白金容器を位置固定し難くなるおそれがある。
本発明のガラス製造方法は、上記のガラス製造装置を、溶解工程、清澄工程、供給工程、均質化工程、及び成形工程中の少なくとも一部に用いて、ガラスを製造することを特徴とするため、本発明のガラス製造装置と同様の技術的特徴を有している。このため、当該装置の好ましい態様、効果等は、当該方法の好ましい態様、効果等と実質的に同一になる。
本発明のガラス製造方法は、種々のガラスを製造することが可能である。その中でも、無アルカリガラスを製造することが好ましい。無アルカリガラスは、一般的に溶融温度が高い。このため、無アルカリガラスを製造する際、清澄工程、均質化工程等の各工程を白金容器内で行う必要性が高く、この場合、本発明の効果が大きくなる。
無アルカリガラスは、ガラス組成として、質量%で、SiO 40〜70%、Al 5〜20%、B 0〜15%、MgO 0〜10%(好ましくは0〜1%)、CaO 0〜15%(好ましくは5〜10%)、SrO 0〜15%、BaO 0〜15%、及びSnO 0〜1%(好ましくは0.1〜1%)を含有することが好ましい。このようにすれば、ディスプレイ用板ガラスの要求特性(低密度、高歪点、耐薬品性、低膨張性、耐失透性等)を満たし易くなる。また、無アルカリガラスは、実質的にAs、Sbを含有していないことが好ましい。これらの清澄剤は、清澄性に優れるが、上記の通り、環境的観点から、その使用を制限することが好ましい。ここで、「実質的にAs、Sbを含有していない」とは、ガラス組成中のAs、Sbの含有量が1000ppm(質量)以下の場合を指す。
本発明のガラス製造方法は、種々の用途のガラスの製造に適用可能であるが、高い泡品位が要求されるディスプレイ用板ガラス(特に、液晶ディスプレイ用板ガラス、有機ELディスプレイ用板ガラス)の製造方法として好適である。なお、本発明のガラス製造方法は、プラズマディスプレイ用板ガラスの製造にも適用可能である。
次に、図面を用いて、本発明のガラス製造装置及びガラス製造方法を詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係るガラス製造装置及びガラス製造方法を説明するための模式的側面図である。図1に示すガラス製造装置1は、液晶ディスプレイパネル用板ガラス等に使用される無アルカリガラスを製造するためのガラス製造装置である。
図1に示すように、ガラス製造装置1は、溶解槽31と、清澄槽32と、均質化槽(攪拌槽)33と、状態調節槽34と、成形槽(オーバーフロー槽)35と、供給管36、37、38、39とを備えている。
溶解槽31は、投入されたガラス原料(バッチ、カレット等)を溶解して、ガラス融液を得る溶解工程を行うための容器である。溶解槽31は、供給管36によって清澄槽32に接続されている。
清澄槽32は、溶解槽31から供給されたガラス融液を清澄する清澄工程を行うための白金容器である。清澄槽32は、供給管37によって均質化槽33に接続されている。
均質化槽33は、清澄されたガラス融液を攪拌し、均一化する均質化工程を行うための白金容器である。均質化槽33は、供給管38によって状態調節槽34に接続されている。
状態調節槽34は、ガラス融液を成形に適した状態に調節する白金容器である。状態調節槽34は、供給管39によって成形槽35に接続されている。なお、供給管36、37、38、39は、供給工程を行うためのものである。
成形槽35は、ガラス融液を所望の形状に成形する成形工程を行うための容器である。図1では、成形槽35は、断面形状(紙面と直行する断面形状)が略楔形を呈しており、成形槽35の上部にオーバーフロー溝が形成されている。供給管38によってガラス融液をオーバーフロー溝に供給した後、そのガラス融液をオーバーフロー溝から溢れさせて、成形槽35の両側の側壁面(紙面の表裏両側に位置する側面)に沿って流下させる。そして、その流下させたガラス融液をそれぞれ成形体の下頂部で融合させて、板状に成形する。
図2は、均質化槽33の略図的断面図である。なお、清澄槽32、状態調節槽34も同様の構造を有している。図3は、供給管37の略図的断面図である。なお、供給管38,39も供給管37と同様の構造を有している。
図2、図3から明らかなように、均質化槽33、供給管37、38、39は、白金容器11の外側に焼成耐火物15を備えると共に、ガラス層12を介して白金容器11と焼成耐火物15が密着した状態となっている。また、焼成耐火物15のガラス層12側の気孔内に、ガラス層に含まれるガラス成分が浸透している。これにより、ガラス成分が浸透した層15aが形成されている。図2に示すように、均質化槽33の白金容器11は、ポット形状であり、上部に開口を有している。一方、図3に示すように、供給管37、38、39は、パイプ形状である。
ガラス層12に含まれるガラス成分は、結晶化ガラス(実質的にアルカリ金属酸化物を含んでいない)を含み、スペーサーとしてアルミナボールを含んでいる。焼成耐火物15は、シリカを主成分として含んでいる。結晶化ガラスは、ガラス組成として、質量%で、SiO 40〜70%、Al 5〜20%、B 0〜15%、MgO 0〜10%、CaO 0〜25%、SrO 0〜15%、及びBaO 0〜15%を含有し、実質的にアルカリ金属酸化物を含有していない。なお、ガラス層12の厚みは5mmである。
ガラス融液14は、無アルカリガラス(日本電気硝子株式会社製OA−10G)である。
図1〜3に記載のガラス製造装置1によれば、清澄槽32でガラス融液14中の初期泡を除去し得ると共に、その後の工程で泡の発生を抑制することができる。
なお、図1〜3に記載のガラス製造装置1は、単なる例示であり、本発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の変更が可能である。例えば、溶解工程と清澄工程を単一の白金容器で行ってもよいし、一つの工程を複数の白金容器で行ってもよい。
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。但し、以下の実施例は単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
(実施例1)
35mm×35mm×10mm厚の焼成耐火物(コバレントマテリアル株式会社製GLASSUN、コバレントマテリアル株式会社製M390)の上に、ガラス層を介して、30mm×30mm×0.05mm厚の白金箔を載置した。次に、この白金箔の上に、水分量が550ppmの無アルカリガラス(日本電気硝子株式会社製OA−10G)を配置した。これらの実験試料を電気炉に投入し、1500℃まで加熱し、1500℃で15分間保持した。実験試料を電気炉から取り出して、冷却した後、無アルカリガラスを観察した。なお、観察後に、焼成耐火物の断面を観察したところ、焼成耐火物の表層の空隙には、ガラス層に含まれるガラス成分が浸透していることが確認された。
(実施例2)
35mm×35mm×10mm厚の焼成耐火物(コバレントマテリアル株式会社製M390)の上に、ガラス層を介して、30mm×30mm×0.05mm厚の白金箔を載置した。次に、この白金箔の上に、水分量が550ppmの無アルカリガラス(日本電気硝子株式会社製OA−10G)を配置した。これらの実験試料を電気炉に投入し、1500℃まで加熱し、1500℃で15分間保持した。実験試料を電気炉から取り出して、冷却した後、無アルカリガラスを観察した。なお、観察後に、焼成耐火物の断面を観察したところ、焼成耐火物の表層の空隙には、ガラス層に含まれるガラス成分が浸透していることが確認された。
(比較例)
35mm×35mm×10mm厚の焼成耐火物(コバレントマテリアル株式会社製GLASSUN)の上に、30mm×30mm×0.05mm厚の白金箔を直接載置したこと以外は、上記実施例と同様に実験を行った。
その結果、実施例における実験では、無アルカリガラス中に泡がほとんど観察されなかった。一方、比較例における実験では、無アルカリガラスの白金箔界面に多数の泡が観察された。
1…ガラス製造装置
11…白金容器
12…ガラス層
14…ガラス融液
15…焼成耐火物
15a…ガラス成分が浸透した層
31…溶解槽
32…清澄槽
33…均質化槽(攪拌槽)
34…状態調節槽
35…成形槽(オーバーフロー槽)
36〜39…供給管

Claims (8)

  1. 溶解工程、清澄工程、供給工程、均質化工程、及び成形工程中の少なくとも一部に使用されるガラス製造装置において、
    白金又は白金合金からなる白金容器の外側に焼成耐火物を備えると共に、前記白金容器と前記焼成耐火物とがガラス層を介して密着していることを特徴とするガラス製造装置。
  2. 前記焼成耐火物のガラス層側の気孔内に、前記ガラス層に含まれるガラス成分が浸透していることを特徴とする請求項1に記載のガラス製造装置。
  3. 前記焼成耐火物の気孔率が5体積%以上であることを特徴とする請求項2に記載のガラス製造装置。
  4. 前記焼成耐火物が、シリカ又はアルミナを主成分として含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のガラス製造装置。
  5. 前記ガラス層に含まれるガラス成分が、実質的にアルカリ金属酸化物を含まないことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のガラス製造装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のガラス製造装置を、溶解工程、清澄工程、供給工程、均質化工程、及び成形工程中の少なくとも一部に用いて、ガラスを製造することを特徴とするガラス製造方法。
  7. 無アルカリガラスを製造する方法であることを特徴とする請求項6に記載のガラス製造方法。
  8. 前記成形工程がダウンドロー法による板ガラスの成形工程であることを特徴とする請求項6又は7に記載のガラス製造方法。
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