JP2013001608A - ガラスの製造装置及びそれを用いたガラス製造方法 - Google Patents

ガラスの製造装置及びそれを用いたガラス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の技術的課題は、コスト高を招来させることなく、白金容器近傍のガラス領域で泡の発生を防止し得るガラス製造装置及びガラス製造方法を創案することである。
【解決手段】本発明のガラス製造装置は、溶解工程、清澄工程、供給工程、均質化工程、及び成形工程中の少なくとも一部に使用されるガラス製造装置において、白金又は白金合金からなる白金容器の外側にガラス層を備えると共に、前記ガラス層が多価金属イオンを酸化物換算で0.02〜5質量%含むことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガラス製造装置及びそれを用いたガラス製造方法に関し、例えば電子デバイス用ガラス、特に高品質が要求される液晶ディスプレイ用板ガラス、有機ELディスプレイ用板ガラスの製造に好適なガラス製造装置及びそれを用いたガラス製造方法に関する。
ガラスを工業的に生産する場合、ガラス原料を溶解、清澄、均質化した後、得られたガラス融液を成形装置に供給して所望の形状に成形する方法が一般的に用いられる。また、ディスプレイ用板ガラスのように高品質が要求される場合、清澄工程、供給工程等の製造工程では、表示欠陥(異物、泡等)が発生しないように、白金又は白金合金からなる白金容器が一般的に用いられる。
ところで、特許文献1には、白金容器とガラス融液の接触に起因して泡が発生するという問題が記載されている。特許文献1によると、白金容器の外側の水素濃度よりガラス融液中の水素濃度が高いと、ガラス融液中の水素が白金容器を透過し、白金容器の外側に拡散し易くなり、結果として白金容器近傍のガラス領域で酸素が飽和状態に達して、酸素泡が発生し易くなる。
白金容器近傍のガラス領域で泡の発生を防止するために、特許文献1では、泡の原因となるガラス中の水分量を低下させる方法が提案されている。また、特許文献2では、白金容器の外側の雰囲気に水素又は水蒸気を導入する方法が提案されている。更に、特許文献3〜5では、白金容器の外表面に皮膜を形成する方法が提案されている。
特表2001−500098号公報 特表2001−503008号公報 特表2004−523449号公報 特表2006−522001号公報 特開2006−76871号公報
特許文献1に記載の方法は、ガラス中の水分量をβ−OHで表し、このβ−OH値を0.5/mm未満に調整することにより、白金容器とガラス融液との界面における泡の発生を防止する方法である。そして、同文献では、ハロゲン等の乾燥剤をガラス原料に添加することにより、β−OH値を0.5/mm未満に調整している。
近年、溶解槽を大型化することにより、ガラスを大量生産し、液晶ディスプレイ用板ガラスの急激な需要拡大に対応することが検討されている。しかし、溶解槽が大型化すると、ガラス融液が溶解槽内に長時間滞在するようになる。この場合、溶融雰囲気中からガラス融液中に拡散する水分量が増加し易くなるため、β−OH値を0.5/mm未満に調整し難くなる。また、近年、環境的観点から、清澄剤であるAs、Sb等の使用が制限されつつある。これらの清澄剤の使用が制限される場合には、溶解槽内におけるガラス融液の滞在時間を長くする手法が採用される場合があり、この場合も、上記と同様にして、ガラス融液中の水分量が増加し易くなる。従って、ガラス原料の選択により、β−OH値を0.5/mm未満に低下させる方法は、生産効率の上で問題がある。
また、特許文献2に記載の方法は、白金容器の外側の雰囲気に水素又は水蒸気を導入することにより、白金容器近傍のガラス領域で泡の発生を防止する方法である。しかし、この方法は、水素濃度を常時、厳密に管理する必要があるため、コスト高の要因となる。具体的には、水素ガス濃度が高過ぎると、白金容器の壁を通じて、白金容器の外側からガラス融液に水素が過剰に供給されて、その過剰な水素がガラス成分の一部を還元して、結果として、その還元成分が白金容器と合金を形成するおそれがある(特許文献2参照)。一方、水素ガス濃度が低過ぎると、発泡防止効果が乏しくなる(特許文献2参照)。
また、特許文献3〜5に記載の方法は、水素の原子径やイオン径に着目して、白金容器の外表面に水素透過性が低い皮膜を形成して、白金容器近傍のガラス領域で泡の発生を防止する方法である。この方法の場合、無欠陥の皮膜が要求される。つまり皮膜に亀裂等の欠陥があると、その部分に対応する白金容器近傍のガラス領域で泡の発生を防止し難くなる。しかし、実際の施工において、白金容器の外表面に無欠陥の皮膜を効率的に形成することは困難である。また、高温雰囲気、操業温度の変動等の影響により、操業中に皮膜が劣化したり、破損したりする可能性もある。しかも皮膜の欠陥が微小である場合は、その欠陥の発見が困難になり、欠陥の補修を行う際には操業を中断する必要がある。従って、特許文献3〜6に記載の方法は、コスト高の要因となる。
そこで、本発明は、コスト高を招来させることなく、白金容器近傍のガラス領域で泡の発生を防止し得るガラス製造装置及びガラス製造方法を創案することを技術的課題とする。
本発明者等は、鋭意検討の結果、白金又は白金合金からなる白金容器の外側にガラス層を形成すると共に、該ガラス層に多価金属イオンを所定量導入することにより、上記技術的課題を解決できることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明のガラス製造装置は、溶解工程、清澄工程、供給工程、均質化工程、及び成形工程中の少なくとも一部に使用されるガラス製造装置において、白金又は白金合金からなる白金容器の外側にガラス層を備えると共に、前記ガラス層が多価金属イオンを酸化物換算で0.02〜5質量%含むことを特徴とする。このようにすれば、ガラス製造装置の使用時に、ガラス層中で多価金属イオンの価数変化が生じ、泡の発生を防止することが可能になる。更に、工程条件の厳密な管理が不要になると共に、ガラス層と白金容器の密着性を高めることも可能になる。
なお、発泡防止メカニズムの詳細は不明であるが、ガラス層中で多価金属イオンの価数変化が生じると、発生した電子又はイオンが白金容器の壁を通過して、ガラス融液と反応し、その反応により泡の発生を防止し得るものと推定される。
ここで、「白金容器」は、ガラス融液を収容し得る限り、その形状が限定されず、ポット形状、パイプ形状等が含まれる。更に、「白金容器」は、白金又は白金合金のみで形成された容器のみならず、ガラス融液との接触部分が白金または白金合金で内張りされた容器も含む。「白金又は白金合金」は、白金族元素又は白金族元素を主成分として含む合金を指すが、耐熱性の観点から、白金又は白金を主成分として含む合金が好ましい。「ガラス層」は、ガラスを含む限り特に限定されず、アルミナ等のセラミックとガラスの混合物、結晶化ガラス等を含む。
第二に、本発明のガラス製造装置は、前記多価金属イオンが、Feイオン、Mnイオン、Coイオン、Crイオン、Moイオン、Tiイオン、Vイオン、Niイオン、Ceイオン、Snイオンの一種又は二種以上であることが好ましい。
第三に、本発明のガラス製造装置は、前記多価金属イオンが、Feイオンであることが好ましい。
第四に、本発明のガラス製造装置は、前記ガラス層が、更に還元剤を含むことが好ましい。
第五に、本発明のガラス製造装置は、前記ガラス層中のAlの含有量が70質量%以下であることが好ましい。
第六に、本発明のガラス製造装置は、前記ガラス層が、実質的にアルカリ金属酸化物を含まないことが好ましい。ここで、「実質的にアルカリ金属酸化物を含まない」とは、アルカリ金属酸化物(LiO、NaO、及びKO)の含有量が2000ppm(質量)以下の場合を指す。
第七に、本発明のガラス製造方法は、上記のガラス製造装置を用いて、ガラス、特に無アルカリガラスを製造することを特徴とする。ここで、「無アルカリガラス」とは、ガラス組成中のアルカリ金属酸化物(LiO、NaO、及びKO)の含有量が2000ppm(質量)以下の場合を指す。
本発明の一実施形態に係るガラス製造装置及びガラス製造方法を説明するための模式的側面図である。 本発明の一実施形態に係る均質化槽を説明するための略図的断面図である。 本発明の一実施形態に係る供給容器を説明するための略図的断面図である。
本発明のガラス製造装置は、溶解工程、清澄工程、供給工程、均質化工程、及び成形工程中の少なくとも一部に使用される。一般に、連続生産されるガラスの製造工程は、溶解工程、清澄工程、均質化工程、及び成形工程を含んでいる。溶解工程は、ガラス原料を溶解し、ガラス化する工程である。清澄工程は、溶解工程で得られたガラス融液を清澄剤等の働きによって清澄する工程である。供給工程は、各工程間にガラス融液を移送する工程である。均質化工程は、ガラス融液を攪拌し、均質化する工程である。成形工程は、ガラス融液を所望の形状に成形する工程である。なお、必要に応じて、上記以外の工程、例えばガラス融液を成形に適した状態に調節する状態調節工程を均質化工程後に取り入れてもよい。
本発明のガラス製造装置は、清澄工程以降の工程に適用することが好ましく、特に供給工程に適用することが好ましい。清澄工程以降の工程でガラス融液中に泡が発生した場合は、その泡を除去することが困難である。よって、本発明のガラス製造装置は、これらの工程に適用する意義が大きい。
成形工程は、特に限定されないが、高品質が要求される板ガラスの成形工程であることが好ましい。また、ディスプレイ用板ガラス等の場合、ダウンドロー法、特にオーバーフローダウンドロー法、スロットダウンドロー法で板ガラスを成形することが望ましい。ダウンドロー法で板ガラスを成形する場合、通常、清澄工程以降で白金容器が使用される。よって、本発明のガラス製造装置は、ダウンドロー法で板ガラスを成形する場合に、特に有効である。
本発明のガラス製造装置において、ガラス層は、多価金属イオンを酸化物換算で0.02〜5質量%(好ましくは0.03〜3質量%、より好ましくは0.05〜1質量%)含む。このようにすれば、ガラス製造装置の使用時に、ガラス層中で多価金属イオンの価数変化が生じ、泡の発生を防止することが可能になる。多価金属イオンが酸化物換算で0.02質量%より少ないと、泡の発生を防止し難くなる。一方、多価金属イオンが酸化物換算で5質量%より多いと、ガラス層中に多価金属酸化物が溶解せず、未溶解のままで残存し、白金又は白金合金と反応して、合金を生成するため、結果として、白金容器を劣化させる虞がある。
本発明のガラス製造装置において、多価金属イオンは、Feイオン、Mnイオン、Coイオン、Crイオン、Moイオン、Tiイオン、Vイオン、Niイオン、Ceイオン、Snイオンの一種又は二種以上であることが好ましく、特にFeイオンが好ましい。これらの多価金属イオンは、ガラス製造装置の使用時に、高価金属イオンへの価数変化が起こり易く、また発泡防止効果が大きい。
本発明者等の調査によると、ガラス製造装置の使用時に、ガラス層中の多価金属イオンが高価金属イオンへの価数変化が起こり易い状態であれば、発泡防止効果が大きくなる。このような状態にするために、ガラス層には、還元剤を添加し溶融されたガラスを使用することが好ましい。還元剤としては、アルカリ金属以外の金属、或いは非金属元素であるCが好ましい。
還元剤の添加量は、0.01〜5質量%、0.05〜2質量%、特に0.1〜1質量%が好ましい。還元剤を過剰に添加したガラスを使用すると、ガラスに析出した金属コロイドが、白金又は白金合金と反応して、合金を生成し、結果として、白金容器を劣化させる虞がある。
本発明のガラス製造装置において、ガラス層中のAlの含有量が70質量%以下、60質量%以下、特に50質量%以下が好ましい。ガラス層中のAlの含有量が過剰であると、白金容器とガラス組成の密着性が低下して、局所的に発泡防止効果を享受し難くなると共に、ガラス層が白金容器から脱落する虞がある。
本発明のガラス製造装置において、ガラス層中のガラス成分は、実質的にアルカリ金属酸化物を含まないことが好ましい。更に、ガラス層中のガラス成分は、ガラス組成として、SiO 40〜70質量%、Al 5〜20質量%、B 0〜15質量%、MgO 0〜10質量%、CaO 0〜25質量%、SrO 0〜15質量%、BaO 0〜15質量%を含有することが好ましい。このようにすれば、工程温度が高温になっても、高粘性を維持し易くなるため、ガラス層が白金容器から脱落する事態を防止し易くなり、長期に亘って、白金容器近傍のガラス領域で発泡を防止し易くなる。
本発明のガラス製造装置において、ガラス層は、結晶化ガラスを含むことが好ましく、特にムライトが析出した結晶化ガラスを含むことが好ましい。このようにすれば、工程温度が高温になっても、形状を維持できるため、ガラス層が白金容器から脱落する事態を防止し易くなり、長期に亘って、白金容器近傍のガラス領域で発泡を防止し易くなる。
本発明のガラス製造装置において、ガラス層は、φ0.3mm以上のアルミナボールを含むことが好ましい。このようにすれば、アルミナボールがスペーサー機能を発揮して、白金容器の変形を防止し易くなる。
本発明のガラス製造装置において、ガラス層の厚みは1〜20mm、1〜10mm、特に5mm〜10mmが好ましい。ガラス層の厚みが1mmより小さいと、ガラス層を形成することが困難になる虞がある。一方、ガラス層の厚みが20mmより大きいと、白金容器を位置固定し難くなる虞がある。
本発明のガラス製造方法は、本発明のガラス製造装置を用いて、ガラスを製造することを特徴とする。よって、本発明のガラス製造方法の技術的特徴(好ましい態様、効果等)は、本発明のガラス製造装置と同様になる。
本発明のガラス製造方法は、種々のガラスの製造に適用可能であるが、特に無アルカリガラスの製造に適用することが好ましい。無アルカリガラスは、一般的に溶融温度が高い。よって、無アルカリガラスを製造する際、清澄工程、均質化工程等の各工程を白金容器内で行う必要性が高く、この場合、本発明の効果が大きくなる。
無アルカリガラスは、ガラス組成として、SiO 40〜70質量%、Al 5〜20質量%、B 0〜15質量%、MgO 0〜10質量%(好ましくは0〜1質量%)、CaO 0〜15質量%(好ましくは5〜10質量%)、SrO 0〜15質量%、BaO 0〜15質量%、及びSnO 0〜1質量%(好ましくは0.1〜1質量%)を含有することが好ましい。このようにすれば、ディスプレイ用板ガラスの要求特性(低密度、高歪点、耐薬品性、低膨張性、耐失透性等)を満たし易くなる。また、無アルカリガラスは、実質的にAs、Sbを含有していないことが好ましい。これらの清澄剤は、清澄性に優れるが、環境的観点から、その使用を制限することが好ましい。ここで、「実質的にAsを含有していない」とは、ガラス組成中のAsの含有量が1000ppm(質量)以下の場合を指す。「実質的にSbを含有していない」とは、ガラス組成中のSbの含有量が1000ppm(質量)以下の場合を指す。
本発明のガラス製造方法は、種々の用途のガラスの製造に適用可能であるが、高い泡品位が要求されるディスプレイ用板ガラス(特に、液晶ディスプレイ用板ガラス、有機ELディスプレイ用板ガラス)の製造方法として好適である。なお、本発明のガラス製造方法は、プラズマディスプレイ用板ガラスの製造にも適用可能である。
次に、図面を用いて、本発明のガラス製造装置及びガラス製造方法を詳細に説明する。
図1は、本実施形態のガラス製造装置及びガラス製造方法を説明するための模式的側面図である。図1に示すガラス製造装置1は、液晶ディスプレイパネル用板ガラス等に使用される無アルカリガラスを製造するためのガラス製造装置である。
図1に示すように、ガラス製造装置1は、溶解槽31と、清澄槽32と、均質化槽(攪拌槽)33と、状態調節槽34と、成形槽(オーバーフロー槽)35と、供給容器36、37、38、39とを備えている。
溶解槽31は、投入されたガラス原料(バッチ、カレット等)を溶解して、ガラス融液を得る溶解工程を行うための容器である。溶解槽31は、供給容器36によって清澄槽32に接続されている。
清澄槽32は、溶解槽31から供給されたガラス融液を清澄する清澄工程を行うための白金容器である。清澄槽32は、供給容器37によって均質化槽(攪拌槽)33に接続されている。
均質化槽(攪拌槽)33は、清澄されたガラス融液を攪拌し、均一化する均質化工程を行うための白金容器である。均質化槽(攪拌槽)33は、供給容器38によって状態調節槽34に接続されている。なお、供給容器36、37、38、39は、供給工程を行うための白金容器である。
状態調節槽34は、ガラス融液を成形に適した状態に調節する白金容器である。状態調節槽34は、供給容器39によって成形槽(オーバーフロー槽)35に接続されている。
成形槽(オーバーフロー槽)35は、ガラス融液を所望の形状に成形するための容器である。図1では、成形槽(オーバーフロー槽)35は、断面形状(紙面と直行する断面形状)が略楔形を呈しており、成形槽(オーバーフロー槽)35の上部にオーバーフロー溝が形成されている。供給容器38によってガラス融液をオーバーフロー溝に供給した後、そのガラス融液をオーバーフロー溝から溢れさせて、成形槽(オーバーフロー槽)35の両側の側壁面に沿って流下させる。そして、その流下させたガラス融液をそれぞれ成形体の下頂部で融合させて、板状に成形する。
図2は、均質化槽(攪拌槽)33の略図的断面図である。なお、清澄槽32、状態調節槽34も同様の構造を有している。図3は、供給容器37の略図的断面図である。なお、供給容器38も供給容器37と同様の構造を有している。
図2、3から明らかなように、均質化槽(攪拌槽)33、供給容器37は、白金容器11と耐火物15の隙間に、ガラス層12が形成されている。図2に示すように、均質化槽(攪拌槽)33の白金容器11は、ポット形状であり、上部に開口を有している。一方、図3に示すように、供給容器37は、パイプ形状である。
ガラス層12は、FeイオンをFe換算で0.02〜5質量%含むガラスと還元剤Alを0.01〜1質量%とを溶融して作製したものである。ガラス層12のガラス成分は、ガラス組成として、質量%で、SiO 40〜70%、Al 5〜20%、B 0〜15%、MgO 0〜10%、CaO 0〜15%、SrO 0〜15%、BaO 0〜15%、Fe 0.02〜5%を含有し、実質的にアルカリ金属酸化物を含有していない。なお、ガラス層12の厚みは5mmである。
ガラス融液14は、無アルカリガラス(例えば、日本電気硝子株式会社製OA−10G)である。
図1〜3に記載のガラス製造装置1によれば、清澄槽32でガラス融液14中の初期泡を除去し得ると共に、その後の工程で泡の発生を抑制することができる。
なお、図1〜3に記載のガラス製造装置は、単なる例示であり、本発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の変更が可能である。例えば、溶解工程と清澄工程を単一の白金容器で行ってもよいし、一つの工程を複数の白金容器で行ってもよい。
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。但し、以下の実施例は単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
(実施例1)
耐火坩堝にFeイオンを含むガラス(SiO 55.9質量%、Al 15.0質量%、B 11.0質量%、CaO 10.0質量%、SrO 6.0質量%、BaO 2.0質量%、Fe 0.1質量%)を投入し、電気炉を用いて、1500℃で3時間溶融した。次に、このガラス(注:白金容器の外側のガラス層に対応)の上に、25mm角で厚み0.05mmの白金箔を配置して、ガラスと白金箔とを密着させた。次に、白金箔の上に、無アルカリガラス(日本電気硝子株式会社製OA−10G、10mm×10mm×4.2mm厚)を配置した。続いて、この試料を1500℃で10分間保持した後、電気炉を冷却し、無アルカリガラスの様子を観察した。
(実施例2)
Feイオンを含むガラス(SiO 55.9質量%、Al 15.0質量%、B 11.0質量%、CaO 10.0質量%、SrO 6.0質量%、BaO 2.0質量%、Fe 0.1質量%)と金属Al 0.3質量%を一緒に溶融したこと以外は、上記実施例1と同様の条件で実験を行った。
(実施例3)
Moイオンを含むガラス(SiO 55.8質量%、Al 15.0質量%、B 11.0質量%、CaO 10.0質量%、SrO 6.0質量%、BaO 2.0質量%、MoO 0.2質量%)と金属Al 0.3質量%を一緒に溶融したこと以外は、上記実施例1と同様の条件で実験を行った。
(比較例1)
Feイオンを極少量含むガラス(SiO 55.9質量%、Al 15.0質量%、B 11.0質量%、CaO 10.0質量%、SrO 6.0質量%、BaO 2.0質量%、Fe 0.01質量%)を用いた以外は、上記実施例1と同様の条件で実験を行った。
(比較例2)
25mm角で厚み0.05mmの白金箔の上に、無アルカリガラス(日本電気硝子株式会社製OA−10G、10mm×10mm×4.2mm厚)を配置した。次に、この試料を電気炉に投入し、1500℃で10分間保持した後、電気炉を冷却し、無アルカリガラスの様子を観察した。なお、この実験は、白金容器の外側にガラス層がない場合を想定している。
実施例1〜3では、無アルカリガラス中に発泡がほとんど観察されなかった。この結果から、白金容器の外側のガラス層中に多価金属イオンを添加すると、無アルカリガラス中の泡を防止し得ることが分かる。
一方、比較例1では、無アルカリガラス中に発泡が認められた。この結果は、Feイオンの含有量が少ないことに起因していると考えられる。また、比較例2では、無アルカリガラス中に多数の発泡が認められた。この結果から、白金容器の外側にガラス層がないと、無アルカリガラス中に多数の泡が発生することが分かる。
1 ガラス製造装置
11 白金容器
12 ガラス層
14 ガラス融液
15 耐火物
31 溶解槽
32 清澄槽
33 均質化槽(攪拌槽)
34 状態調節槽
35 成形槽(オーバーフロー槽)
36〜39 供給容器

Claims (8)

  1. 溶解工程、清澄工程、供給工程、均質化工程、及び成形工程中の少なくとも一部に使用されるガラス製造装置において、
    白金又は白金合金からなる白金容器の外側にガラス層を備えると共に、前記ガラス層が多価金属イオンを酸化物換算で0.02〜5質量%含むことを特徴とするガラス製造装置。
  2. 前記多価金属イオンが、Feイオン、Mnイオン、Coイオン、Crイオン、Moイオン、Tiイオン、Vイオン、Niイオン、Ceイオン、Snイオンの一種又は二種以上であることを特徴とする請求項1に記載のガラス製造装置。
  3. 前記多価金属イオンが、Feイオンであることを特徴とする請求項1に記載のガラス製造装置。
  4. 前記ガラス層中のガラスが還元剤を添加し溶融されたガラスであることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のガラス製造装置。
  5. 前記ガラス層中のAlの含有量が70質量%以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のガラス製造装置。
  6. 前記ガラス層が、実質的にアルカリ金属酸化物を含まないことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のガラス製造装置。
  7. 請求項1〜6の何れか一項に記載のガラス製造装置を用いて、ガラスを製造することを特徴とするガラス製造方法。
  8. 無アルカリガラスを製造することを特徴とする請求項7に記載のガラス製造方法。
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