JP2008201617A - ガラスの製造方法 - Google Patents

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【課題】白金とガラス融液との接触に起因する泡の発生を防止することが可能なガラスの製造方法を提供する。
【解決手段】溶解工程、清澄工程、均質化工程、及び成形工程を含み、前記工程中の少なくとも一部を白金容器P内で行うガラスの製造方法において、前記白金容器Pの外側雰囲気のpH値を調節することを特徴とする。 pH値の調整は、水に溶解すると水素イオンを放出する性質を有するガス状酸化物を雰囲気中に供給することによる。あるいは、白金容器Pの外側を不定形耐火物Mで覆い該不定形耐火物MのpH値を調整することによる。
【選択図】図2

Description

本発明はガラスの製造方法に関するものであり、電子デバイス用板ガラス、特に液晶ディスプレイ用基板ガラスのような高い品質が求められるディスプレイ用基板ガラスの製造に好適なガラスの製造方法に関するものである。
ガラスを工業的に生産する場合、ガラス原料を溶解し、清澄、均質化した後、ガラス融液を成形装置に供給して所望の形状に成形する方法が一般的に用いられている。特に液晶ディスプレイの基板ガラスのような高品質が求められる板ガラスでは、製造装置からの汚染等によって表示欠陥となる異物や泡が発生しないように、清澄、供給等の各工程を白金容器内で行っている。
ところが従来、白金とガラス融液との接触に起因して泡が発生するという問題が指摘されている。この現象は、ガラス中の水が分解し、分解によって生じた水素が白金容器の壁を透過して外部に移動し、その結果、白金容器の界面近傍に酸素濃度が高いガラスが存在することになり、これによって酸素の泡が発生することによるものであると考えられている(例えば特許文献1)
そこでこの問題を解決すべく、特許文献1では、泡の原因となるガラス中の水を低下させることを提案している。また特許文献2〜4では、水素の透過を防止するための被膜を白金容器の外側に施すことを提案している。
特表2001−500098号公報 特表2004−523449号公報 特表2006−522001号公報 特開2006−76871号公報
特許文献1に係る発明は、ガラス中の水分をβ−OHで表し、このβ−OH値を0.5/mm未満に調節することによって、白金界面での泡の発生を防止しようというものである。同文献では、ハロゲン等の乾燥剤を添加する等、原料を選択することでβ−OH値を0.5/mm未満に調節している。ところが近年の液晶基板用ガラスの急激な需要拡大に対応して、大量生産を可能とするためにガラス溶解炉が大型化してきている。溶解炉が大型化すると、炉内のステイタイムが長くなることから、溶融雰囲気中からガラス中に溶け込む水分量が多くなる傾向がある。またガラスの清澄剤として従来広く使用されているAs23、Sb23等の有害物質の使用が制限されつつある。これらの清澄剤を使用できない場合には、溶解炉内でのガラスのステイタイムを長くするといった方法が採用されることがあり、やはりガラス中の水分が多くなる傾向にある。従って、原料の選択によってガラス中のβ−OH値を低下させることには限界がある。
特許文献2〜4に係る発明は、いずれも白金容器外側に水素不透過の被膜を形成することによって水素の白金透過を妨げ、もって白金界面での泡の発生を防止しようというものである。この種の技術は、その性質上、被膜が無欠陥であることが望まれる。つまり被膜に亀裂等の欠陥があると、そこから水素が容易に透過し、白金界面での泡の発生を防止することができなくなる。ところが実際の施工では無欠陥の被膜を効率よく形成することが非常に難しい。また高温雰囲気、操業温度の変動等の影響によって、操業中に被膜が劣化したり、破損したりする可能性がある。しかも被膜の欠陥が微小である場合、その欠陥の発見には困難が予想される。さらに補修を行うには操業を中断する必要がある。
本発明の課題は、白金とガラス融液との接触に起因する泡の発生を防止することが可能なガラスの製造方法を提供するものである。
本発明者等は、上記課題を達成すべく被膜の改良に取り組む過程で、ある実験結果に着目した。以下にその実験内容及び考察結果を示す。
外表面に水素不透過被膜を形成した白金容器を用意し、実炉と同様の構造となるように、この白金容器を、不定形耐火物を用いて耐火物構造体内に固定した。ところが使用した不定形耐火物の種類によって、白金界面での発泡状態が異なるという結果を得た。発泡が殆ど認められなかったものは、不定形耐火物成分であるアルミナ中に含まれる不純物量が少なく、一方、著しい発泡が見られたものは、純度の低い(即ち、Na等の不純物を多量に含む)アルミナが使用されていた。
そこで本発明者等は、次のような仮説を立てた。(1)白金を透過する水素は、水素原子としてではなく、水素イオンである。水素原子と水素イオンは、その大きさが全く異なる。(2)ガラス中の水素イオン濃度と雰囲気中の水素イオン濃度に差があると、平衡になるように水素イオンが移動しようとする。(3)容器に形成された被膜には水素イオンを透過する程度の欠陥が存在している。(4)被膜外側の不定形耐火物中に不純物が多い場合には、Na等の影響で、不定形耐火物がアルカリ性になっている。(5)H+の数とOH-の数を乗じた値は常に一定(例えば常温では10-14)であるので、不定形耐火物、つまり被膜外側がアルカリ性であれば、その雰囲気に存在する水素イオンは少ない。(6)従って、雰囲気がアルカリ性(雰囲気中のH+が少ない状態)の場合、水素イオンが白金を透過してガラスから外部雰囲気へと移動し易い状態にあり、その結果として白金界面で発泡が生じる。
本発明者等は、以上の考察に基づき、本発明を提案するに至った。
即ち、本発明のガラスの製造方法は、溶解工程、清澄工程、均質化工程、及び成形工程を含み、前記工程中の少なくとも一部を白金容器内で行うガラスの製造方法において、前記白金容器の外側雰囲気のpH値を調節することを特徴とする。
溶解工程は、ガラス原料を溶解し、ガラス化する工程である。清澄工程は、ガラス化されたガラス融液を、清澄剤等の働きによって清澄する工程である。均質化工程は、ガラス融液を攪拌し、均質化する工程である。成形工程は、ガラス融液を所望の形状に成形する工程である。なお成形方法は特に限定されるものではないが、例えば板ガラス成形方法であることが好ましい。特に液晶ディスプレイ用基板ガラス等の高品位の板ガラスを得たい場合には、オーバーフローダウンドロー法を採用することが望ましい。また必要に応じて上記以外の工程、例えばガラス融液を成形に適した状態に調節する状態調節工程を均質化工程後に別途行ってもよい。
本発明においては、ガラス融液の汚染等を防止するために、上記工程の少なくとも一部を白金容器内で行う。特に清澄工程及び供給工程を白金製の容器内で行うことが望ましい。なお本発明において、「白金」とは、白金族元素又は白金族元素合金を意味する。また「容器」とは、ガラス融液と外部雰囲気とが容器の壁によって区切られており、ガラス融液の保持、移送等に供される槽状、ポット状、パイプ状等種々の形態を有する構造物(構造物が複数の部材で構成されている場合は、個々の部材を含む)である。また白金でそれ自体を形成した構造物のみならず、少なくともガラス融液の接触部分が白金箔で内張された構造物も含む。
本発明においては、白金容器の外側雰囲気のpH値を調節することを特徴とする。「白金容器の外側雰囲気」とは、白金容器の壁を介してガラス融液と相対する雰囲気を指し、容器外表面が接する大気の雰囲気、及び/又は容器外表面と接する、或いは隣接する部材内部の雰囲気を意味する。「pH値を調節する」とは、pH値を低下又は上昇させることを意味し、ガラス製造期間中に、連続的又は間欠的に外部雰囲気のpH値を調節するという方法のみならず、白金容器の周辺材料として、雰囲気のpH値を適正なレベルに保つことが可能な材料を選択し使用する方法等も含む。
ガラスの製造期間中に、連続的又は間欠的にpH値を調節する方法としては、例えば水に溶解すると水素イオンを放出する性質を有するガス状酸化物、例えば、CO2、SOX、NOX等を雰囲気中へ供給する方法が例示できる。この種のガス状酸化物を雰囲気中に供給すると、雰囲気中の水に溶解して水素イオンを放出する結果、雰囲気のpH値を下げることが可能になる。これを実施する具体的な手段としては、例えば燃焼ガスを雰囲気中に供給すればよい。
雰囲気のpH値を適正なレベルに保つことが可能な材料を選択し使用する方法としては、例えば白金容器の周辺材料(モルタル、キャスタブル等の不定形耐火物、及び耐火物構造体等)に、pH値を上昇させる成分の含有量を制限した材料を使用したり、pH値を低下させる成分を添加した材料を使用したりすればよい。
pH値の調節の程度は、白金容器内表面近傍のガラス融液の水素イオン濃度と、白金容器外表面近傍の外部雰囲気の水素イオン濃度が、白金を介して平衡状態となるように、外部雰囲気のpH値を上昇、或いは低下させることが望ましい。ガラス融液中及び外部雰囲気中の水素イオン濃度を考慮した場合、通常はガラス融液中の水素イオン濃度の方が高くなるため、外部雰囲気のpH値を低下させることが望ましい。
本発明のガラスの製造方法においては、例えば水素イオンの透過の制限、白金の揮発防止、白金容器の保護、強化等の目的で白金容器の外表面に無機質被膜が形成されていることが好ましい。被膜の材質は、その目的に合ったものを選択すればよい。例えば水素イオンの透過を制限したい場合には、ガラス、ガラスとフィラー(例えばシリカやアルミナ)の混合材等からなる材料を用いて被膜を形成すればよい。なお無機質被膜を形成する場合における「白金容器の外側雰囲気」とは、容器に形成された被膜の表面が接する大気の雰囲気、及び/又は被膜表面と接する、或いは隣接する部材内部の雰囲気を意味する。
本発明のガラスの製造方法においては、例えば白金容器の固定、保護、強化等の目的で、白金容器の外表面がモルタル、キャスタブル等の不定形耐火物で覆われていることが好ましい。例えば白金容器を耐火物製の構造物中に固定する場合には、両者の間隙に不定形耐火物を充填して固定することができる。不定形耐火物としてはアルカリ金属成分やアルカリ土類金属成分を含まず、且つB23やP25を含有するAl23−SiO2系不定形耐火物等が使用可能である。容器外表面が不定形耐火物で覆われる場合における「白金容器の外側雰囲気」とは、容器外表面が接する大気の雰囲気、及び/又は不定形耐火物内部の雰囲気が該当する。また容器の外表面に被膜が形成され、さらにその外側が不定形耐火物で覆われた場合における「白金容器の外側雰囲気」とは、容器に形成された被膜の表面が接する大気の雰囲気、及び/又は被膜表面と接する不定形耐火物内部の雰囲気が該当する。
白金容器(被膜が形成されている場合を含む)が不定形耐火物で覆われている場合、外側雰囲気のpH値の調整が、不定形耐火物のpH値の調節であることが好ましい。さらにガラス融液中及び外部雰囲気中の水素イオン濃度を考慮した場合、通常はガラス融液中の水素イオン濃度の方が高くなるため、外部雰囲気のpH値を低下させることが望ましい。不定形耐火物のpH値を調整する方法としては、不定形耐火物のpH値を上昇させる成分の含有量を制限したり、不定形耐火物のpH値を低下させる成分を添加したりすればよい。
不定形耐火物のpH値を上昇させる成分としては、例えばNa、K等のアルカリ金属成分、Ca、Mg等のアルカリ土類金属成分等がある。これらは通常、不純物として不定形耐火物に混入する。本発明においては、例えばアルカリ金属成分の含有量を合量で0.1重量%以下、及び/又はアルカリ土類金属成分の含有量を合量で0.1重量%以下に制限した不定形耐火物を使用することが好ましい。
不定形耐火物のpH値を低下させる成分としては、B23、P25等がある。本発明においてはB23の含有量が1.0重量%以上、P25の含有量が0.1重量%以上である不定形耐火物を使用することが好ましい。なお、B23の含有量、及びP25の含有量が多くなりすぎると、不定形耐火物の密着性,強度等の不都合が生じることがある。それゆえB23の含有量の上限は25重量%以下、P25の含有量の上限は10重量%以下であることが望ましい。
本発明のガラスの製造方法においては、種々の組成のガラスを製造することが可能であるが、特に無アルカリガラスを製造する方法であることが好ましい。また無アルカリガラスの組成は、質量%表示でSiO2 50〜70%、Al23 7〜20%、B23 7〜17%、MgO 0〜10%、CaO 0〜15%、SrO 0〜15%、BaO 0〜30%含有するものであることが好ましい。無アルカリガラス、特に上記組成を有する無アルカリガラスは、一般に溶融温度が高く、ガラスと耐火物の反応が生じやすいため、清澄、供給等の各工程を白金容器内で行うことが多い。従って、これらのガラスを製造する場合には、本発明の効果を最大限に享受することができる。なお本発明における「無アルカリ」とは、ガラス中に含まれるアルカリ金属成分の合量が0.1重量%未満であることを意味する。また上記無アルカリガラスには、上記成分以外にも、例えば清澄剤等を必要に応じて添加してもよい。
本発明のガラスの製造方法は、種々の用途に使用されるガラスの製造に適用することが可能であるが、特にディスプレイ基板として使用されるガラスの製造に適用することが好ましい。ディスプレイ基板用途の場合、耐火物との反応による異物等が発生しないように、清澄、供給等の各工程を白金容器内で行うことが多い。従って、この用途に使用するガラスを製造する場合には、本発明の効果を最大限に享受することができる。なおディスプレイ基板としては、非常に高い品質が求められる液晶ディスプレイ用基板が挙げられる。またこれ以外にもプラズマディスプレイ用基板、フィールドエミッションディスプレイ用基板等に使用されるガラスを製造することが可能である。
本発明の方法によれば、白金容器外側の水素イオン濃度を高めることができ、水素イオンが白金容器内部から容器外部に移動し難い状態にすることができる。その結果、白金界面近傍のガラス融液の酸素濃度が高まり難くなり、白金とガラス融液の接触に起因する泡の発生を効果的に防止することが可能となる。
以下、図面を参照しながら本発明の方法を説明する。図1は、本発明方法を実施するためのガラス製造装置の一例を示している。また図2は、装置断面を示す説明図である。
図中、1は溶解槽、2は清澄槽、3は攪拌槽、4は状態調節槽、5は成形装置、6、7、8、9は接続管である。gは溶融ガラスを、Gは成形された板状ガラスを示している。また溶解槽1及び成形装置5は耐火物にて作製されている。それ以外の容器、即ち清澄槽2、攪拌槽3、状態調節槽4,接続管6、7、8、9はすべて白金製(白金容器P)であり、耐火物構造体R内に不定形耐火物Mを介して固定されている(図2)。また各白金容器Pの外表面には、ガラス、アルミナ及びシリカの混合材料を焼成してなる緻密な無機質被膜Fが形成されている。なお耐火物構造体Rの外側に燃焼装置を設け、耐火物構造体Rの外側雰囲気中にCO2等を含む燃焼ガスを供給することができるようにしてもよい。
溶解槽1は、接続管6を介して清澄槽2に接続されている。溶解槽1に供給されたガラス原料は、溶解槽1内で溶解、ガラス化される。その後、ガラス融液gは接続管6を通って清澄槽2に導かれる。
清澄槽2は、接続管6を介して溶解槽1と、また接続管7を介して攪拌槽3と接続されている。溶解槽1から供給されたガラス融液gは、清澄槽2内で脱泡される。その後、ガラス融液gは接続管7を通って攪拌槽3へ導かれる。
攪拌槽3は、接続管7を介して清澄槽2と、また接続管8を介して状態調節槽4に接続されている。清澄槽2から導かれたガラス融液gは、攪拌槽3内のスターラー10で攪拌され、均質化される。その後、ガラス融液gは接続管8を通って状態調節槽4に導かれる。
状態調節槽4は、接続管8を介して攪拌槽3と、また接続管9を介して成形装置5に接続されている。攪拌槽3から導かれたガラス融液gは、状態調節槽4内で成形に適した温度、粘度に調整される。その後、ガラス融液gは接続管9を通って成形装置5に導かれる。
成形装置5は、接続管9を介して状態調節槽4と接続されている。成形装置5としては、例えばオーバーフローダウンドロー装置等の板ガラス成形装置が採用される。状態調節槽4から導かれたガラス融液gは、成形装置5によって所定の形状、例えば板状ガラスGに成形された後、図示しない取り出し装置により取り出される。
さらに上記のガラス製造装置は、白金容器Pを耐火物構造体R内に固定するための不定形耐火物として、アルカリ金属成分及びアルカリ土類金属成分の含有量がそれぞれ0.1重量%、且つB23含有量が20重量%、P25含有量が5重量%のAl23−SiO2系不定形耐火物を使用している。
次に、上記ガラス製造装置を用いてガラスを製造する方法を説明する。
まずガラス原料を溶解槽1に供給し、ガラス原料を溶解、ガラス化する。続いてガラス融液を清澄槽2内で清澄し、攪拌槽3に導く。攪拌槽3では、ガラス融液をスターラー10にて攪拌し均質化させる。ガラス溶融の初期で発生した泡の多くは、この清澄、攪拌工程を通して除去される。
続いて攪拌槽3から状態調節槽4にガラス融液を導き、成形に適した温度、粘度に調整し、成形装置5へ送る。
その後、供給されたガラス融液を成形装置5にて板状に成形する。
上記製造方法及び装置において、溶解槽1から出た溶融ガラスgは、白金容器P内を移動して成形装置5へと導かれる。つまり溶融ガラスgは移動中に白金と接触している。一方、白金容器Pの外表面を覆う不定形耐火物Mは、アルカリ金属成分及びアルカリ土類金属成分を実質的に含まず、且つB23,P25等を含むことで、従来使用されている不定形耐火物に比べて、不定形耐火物M内のpH値が低い状態に調節されている。つまり白金容器Pの外部雰囲気が、水素イオンの多い状態に維持される。従って、ガラス中の水分に起因する水素イオンが白金界面近傍に多量に存在していたとしても、水素イオンが白金容器Pの壁を透過し難くなり、白金界面近傍での酸素泡の発生が起こり難くなる。
また耐火物構造体Rの外側に燃焼装置を設けている場合には、耐火物構造体Rの外側雰囲気に、燃焼装置により発生させた燃焼ガスを供給することができる。燃焼ガスを外部雰囲気に供給すれば、燃焼ガス中のCO2等が雰囲気中或いは燃焼ガス中の水分に溶解して酸となり、外部雰囲気を水素イオンの多い状態、つまりpH値が低い状態に維持することが可能となる。
なお、本実施例においては一つの工程を一つの装置(槽)で行う例を示したが、本発明を実施する装置はこれに限られるものではない。例えば一つの装置内で溶解工程、清澄工程が行われることもあれば、溶解工程を複数の溶解槽で行うこともある。
本発明の製造方法は、液晶ディスプレイ用基板等のディスプレイ用基板ガラスだけでなく、その他の電子デバイス用板ガラス、例えばCCDやLDのカバーガラス等を製造する場合にも適用できる。
本発明を実施するためのガラス製造装置の一例を示す説明図である。 ガラス製造装置断面を示す説明図である。
符号の説明
1 溶解槽
2 清澄槽
3 攪拌槽
4 状態調節槽
5 成形装置
6、7、8、9 接続管
10 スターラー

Claims (15)

  1. 溶解工程、清澄工程、均質化工程、及び成形工程を含み、前記工程中の少なくとも一部を白金容器内で行うガラスの製造方法において、前記白金容器の外側雰囲気のpH値を調節することを特徴とするガラスの製造方法。
  2. pH値を低下させることを特徴とする請求項1のガラスの製造方法。
  3. 水に溶解すると水素イオンを放出する性質を有するガス状酸化物を雰囲気中へ供給することにより、外側雰囲気のpH値を調整することを特徴とする請求項1又は2のガラスの製造方法。
  4. ガス状酸化物が、CO2、SOX、NOXの何れかであることを特徴とする請求項3のガラスの製造方法。
  5. 白金容器外表面に無機質被膜が形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかのガラスの製造方法。
  6. 白金容器の外側が、不定形耐火物で覆われていることを特徴とする請求項1〜5の何れかのガラスの製造方法。
  7. 不定形耐火物のpH値を調整することにより、外側雰囲気のpH値を調整することを特徴とする請求項6のガラスの製造方法。
  8. 不定形耐火物のpH値を予め低下させておくことを特徴とする請求項6又は7のガラスの製造方法。
  9. アルカリ金属成分の含有量が0.1重量%以下である不定形耐火物を使用することを特徴とする請求項6〜8の何れかのガラスの製造方法。
  10. アルカリ土類金属成分の含有量が0.1重量%以下である不定形耐火物を使用することを特徴とする請求項6〜9の何れかのガラスの製造方法。
  11. 23の含有量が1.0重量%以上である不定形耐火物を使用することを特徴とする請求項6〜10の何れかのガラスの製造方法。
  12. 25の含有量が0.1重量%以上である不定形耐火物を使用することを特徴とする請求項6〜11の何れかのガラスの製造方法。
  13. 無アルカリガラスの製造方法であることを特徴とする請求項1〜12の何れかのガラスの製造方法。
  14. 無アルカリガラスの組成が、質量%表示でSiO2 50〜70%、Al23 7〜20%、B23 7〜17%、MgO 0〜10%、CaO 0〜15%、SrO 0〜15%、BaO 0〜30%含有することを特徴とする請求項13のガラスの製造方法。
  15. ディスプレイ基板として使用されるガラスの製造方法であることを特徴とする請求項1〜14の何れかのガラスの製造方法。
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