JP5754121B2 - ガラス製造装置、ガラス製造装置の製造方法及びガラスの製造方法 - Google Patents

ガラス製造装置、ガラス製造装置の製造方法及びガラスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス製造装置、ガラス製造装置の製造方法及びガラスの製造方法に関する。
従来、ガラスの工業的な製造方法として、ガラス原料を溶融する工程と、溶融ガラスを清澄する工程と、清澄後のガラスを成形する工程とを備える方法が一般的に用いられている。ガラスの製造を行うための容器としては、耐火物により形成された容器や、Pt(白金)またはPtを含む合金により形成された容器(以下、「Pt容器」とする。)などが挙げられる。
液晶ディスプレイなどのディスプレイ用の基板ガラスなどのように、異物や泡に関して高い品位が求められるガラス製品を製造する際には、清澄工程以降の槽や移送管としてPt容器が用いられることが多い。Pt容器をガラスの製造に用いた場合、容器から溶融ガラス中に異物などが混入しにくいためである。
しかしながら、Pt容器をガラスの製造に用いた場合、Pt容器の溶融ガラス側の表面に泡が発生する場合がある。この泡が発生する原因は、特許文献1等によれば、ガラス中に含まれる水(水酸基)が分解することで生じた水素がPt容器を透過して外部に放出されることによって、Pt容器の表面付近に位置する溶融ガラスにおける酸素濃度が増大するためであると考えられる。すなわち、水(水酸基)の分解により生じた水素がPt容器を透過して外部に放出される一方、Pt容器を透過しない酸素がPt容器の表面近傍に位置する溶融ガラス中に残存することにより、Pt容器の表面付近に位置する溶融ガラスの酸素濃度が増大し、泡が発生するものと考えられる。
このような問題に鑑み、従来、ガラス中の水分に起因する泡の発生を抑制する方法が種々提案されている。
例えば、下記の特許文献1では、ガラスの含水量の指標であるβ−OH値を約0.5/mm未満とすることにより泡の発生を抑制する方法が提案されている。
下記の特許文献2では、容器内側の水素分圧に対し容器外側の水素分圧を制御することにより泡の発生を抑制する方法が提案されている。
下記の特許文献3〜5では、水素の透過を抑制するコーティング被膜をPt容器の外表面上に形成することにより泡の発生を抑制する方法が提案されている。
特表2001−500098号公報 特表2001−503008号公報 特表2004−523449号公報 特表2006−522001号公報 特開2006−76871号公報
しかしながら、特許文献1において提案されている、ガラスのβ−OH値を約0.5/mm未満とする方法では、泡の発生を十分に抑制できない場合がある。具体的には、例えば、β−OH値が低いガラスとなるようバッチ成分を選択したとしても、溶融雰囲気からガラス融液に溶け込む水分量が多くなると、結果としてガラスのβ−OH値が高くなり、泡が発生してしまう場合がある。特に、ガラス製造装置が大型であり、ガラス製造装置内におけるガラスの滞留時間が長くなる場合には、溶融雰囲気からガラス融液に溶け込む水分量が多くなる傾向にある。このため、ガラスのβ−OH値が高くなりやすく、泡の発生がより顕著になる。
特許文献2に記載の方法では、Pt容器の内外の水素分圧を制御するための装置が必要となる。このため、特許文献2に記載の方法を実施するためには、大型であり複雑なガラス製造装置が必要となる。さらに、Pt容器外側の水素分圧がPt容器内側の水素分圧よりも低くなると、酸素の泡が生じてしまう虞がある。一方、Pt容器外側の水素分圧がPt容器内側の水素分圧よりも高くなりすぎると、ガラス成分の一部を還元してPt容器と合金を形成する虞がある。このため、Pt容器の内外の水素分圧を高精度に制御する必要がある。従って、ガラスの製造が困難となる。
それに対して、特許文献3〜5に記載のように、水素の透過を抑制するコーティング被膜を形成する方法であれば、ガラス融液への水分の溶解や、Pt容器内外の水素分圧に関わらず、泡の発生を抑制することができる。
しかしながら、この種の技術は、その性質上、被膜が無欠陥であることが望まれる。つまり被膜に亀裂等の欠陥があると、そこから水素が容易に透過し、白金界面での泡の発生を防止することができなくなる。ところが実際の施工では無欠陥の被膜を効率よく形成することが非常に難しい。また高温雰囲気、操業温度の変動等の影響によって、操業中に被膜が劣化したり、破損したりする可能性がある。しかも被膜の欠陥が微小である場合、その欠陥の発見には困難が予想される。さらに補修を行うには操業を中断する必要がある。
従って、特許文献3〜5に記載のコーティング被膜を形成したとしても、泡の発生を確実に抑制することは困難である。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、Pt容器を用いたガラス製造装置においてガラス融液中に泡が発生することを抑制することにある。
本発明に係る第1のガラス製造装置は、Pt容器と、水素透過抑制層と、耐火部材とを備えている。Pt容器は、PtまたはPt合金からなる。水素透過抑制層は、Pt容器の外表面を覆っている。水素透過抑制層は、セラミック粒子が分散したガラスからなる。セラミック粒子の表面からは針状結晶が延びている。耐火部材は、Pt容器の外側に配置され、水素透過抑制層を保持している。
本発明に係る第1のガラス製造装置では、水素透過抑制層にガラスが含まれている。このガラスによって、水素の透過が抑制されている。また、ガラスには、表面から針状結晶が延びているセラミック粒子が分散している。この針状結晶がガラス保持材として機能することにより、ガラスが流動し易い場合であっても、耐火部材の隙間や耐火部材内へのガラスの流失が抑制されている。よって、ガラスの粘度が低くなる高温雰囲気中においても水素透過抑制層による水素透過抑制効果が効果的に発現し続ける。その結果、ガラス融液中の水分に起因する泡の発生を長期間にわたって抑制することができる。
なお、本発明において、「セラミック粒子」とは、セラミックスを含む粒子を意味する。セラミック粒子には、セラミックス以外の添加剤が添加されていてもよい。
本発明において、「容器」には、槽、管、各種成形用部材が含まれるものとする。
本発明において、「Pt合金」とは、Ptを含む合金を意味する。
隣り合うセラミック粒子の表面から延びる針状結晶同士が接触していることが好ましい。この場合、針状結晶のガラス保持材としての機能がより向上する。針状結晶のガラス保持材としての機能をより高める観点からは、隣り合うセラミック粒子の表面から延びる針状結晶同士が錯綜していることがより好ましい。
針状結晶は、ムライトであることが好ましい。ムライトの針状結晶は、高温雰囲気中においても安定である。従って、高い融点を有するガラスを製造するために、Pt容器の温度を高くした場合であっても、水素透過抑制層の中のガラスの流出を効果的に抑制できる。その結果、泡の発生を効果的に抑制することができる。ここで、「ムライト(Mullite)」とは、単鎖構造を持つアルミノケイ酸塩鉱物、すなわち酸化アルミニウムと二酸化ケイ素の化合物である。
セラミック粒子も耐熱性の高いものであることが好ましい。具体的には、セラミック粒子は、アルミナ、ムライト及びシリカからなる群から選ばれた1種類以上からなることが好ましい。
セラミック粒子の形状は特に限定されないが、セラミック粒子は、球形であることが好ましい。
なお、本明細書において、「球形」とは、最大直径と最小直径との差が最大直径の10%以下である形状を意味する。
セラミック粒子の最小粒子径は、1mm以上であることが好ましい。セラミック粒子の粒子径が小さすぎるとPt容器の支持材としての機能が十分に実行されない場合がある。セラミック粒子の最小粒子径を1mm以上にすることにより、セラミック粒子のPt容器支持材としての機能をさらに高めることができる。但し、セラミック粒子の粒子径が大きすぎると、水素透過抑制層のうち、セラミック粒子が位置している部分におけるガラスの厚みが薄くなりすぎ、その部分の水素透過抑制能が低くなりすぎる場合がある。従って、セラミック粒子の最大粒子径は、6mm以下であることが好ましい。
水素透過抑制層を構成するガラスの種類は特に限定されない。水素透過抑制層を構成するガラスは、製造されるガラスと同種のガラスであることが好ましい。具体的には、製造されるガラスが、無アルカリガラスの場合、水素透過抑制層を構成するガラスは、無アルカリガラスであることが好ましい。
本発明において、「無アルカリガラス」とは、アルカリ金属を実質的に含んでいないガラスを意味する。アルカリ金属を実質的に含んでいないとは、アルカリ金属以外の原料に不純物として含まれるアルカリ金属以外にアルカリ金属を含んでいないことを意味する。一般的には、無アルカリガラスに含まれるアルカリ成分の含有率は、0.2重量%以下である。
また本発明に係る第2のガラス製造装置は、PtまたはPt合金からなるPt容器と、Pt容器の外表面を覆っており、球形のセラミック粒子が分散したガラスからなる水素透過抑制層と、Pt容器の外側に配置され、水素透過抑制層を保持する耐火部材とを備えている。
本発明に係る第1のガラス製造装置の製造方法は、上記Pt容器、水素透過抑制層及び耐火部材を備えるガラス製造装置を製造するための方法に関する。本発明に係るガラス製造装置は、Pt容器と耐火部材とで区画形成される空間にセラミック粒子が配置された状態で、ガラスの軟化温度以上の温度にまでPt容器を加熱する加熱工程と、加熱工程の後に、前記空間にガラスを供給し、ガラスとセラミック粒子とを反応させることにより針状結晶を成長させる工程とを備えている。この方法により、上記本発明に係るガラス製造装置を好適に製造することができる。
また、本発明に係る第2のガラス製造装置の製造方法は、Pt容器と耐火部材とで区画形成される空間に球形のセラミック粒子を投入する工程と、ガラスの軟化温度以上の温度にまでPt容器を加熱する加熱工程と、加熱工程の後に、空間にガラスを供給する工程とを備えている。この方法によれば、セラミック粒子の充填が容易になり、上記本発明に係るガラス製造装置を好適に製造することができる。
本発明に係るガラスの製造方法は、上記本発明に係るガラス製造装置を用いてガラスを製造する方法である。上述のように、本発明に係るガラス製造装置では、ガラス製造中において、水素透過抑制層により、水素の透過が好適に抑制された状態が長期間にわたって継続する。従って、本発明に係るガラスの製造方法によれば、泡の残存が抑制されたガラスを長期間にわたって安定的に製造することができる。
なお、本発明に係るガラスの製造方法は、どのような種類のガラスにも好適なものであるが、無アルカリガラスの製造により好適に適用される。
本発明によれば、Pt容器を用いたガラス製造装置においてガラス融液中に泡が発生することを抑制することができる。
本発明を実施した一実施形態に係るガラス製造装置の模式的側面図である。 本発明を実施した一実施形態における槽の略図的断面図である。 本発明を実施した一実施形態における管の略図的断面図である。 実施例において形成した水素透過抑制層の一部分の拡大写真である。
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について説明する。但し、以下の実施形態は単なる一例である。本発明は、以下の実施形態に何ら限定されない。
(ガラス製造装置1の構成)
図1は、本実施形態に係るガラス製造装置の模式的側面図である。図1に示すガラス製造装置1は、液晶ディスプレイパネル用ガラス基板などとして使用される無アルカリガラスを製造するための装置である。もっとも、本発明において、製造されるガラスの種類は特に限定されない。本発明は、無アルカリガラス以外のガラスの製造にも好適に適用することができる。
図1に示すように、ガラス製造装置1は、溶融槽31と、清澄槽32と、攪拌槽33と、状態調節槽34と、成形槽(オーバーフロー槽)35を備えている。
溶融槽31は、投入されたガラス原料(バッチやカレット)の溶解を行うための容器である。溶融槽31は、第1の移送管36によって清澄槽32に接続されている。
清澄槽32は、溶融槽31から供給されたガラス融液を清澄するための容器である。清澄槽32は、第2の移送管37によって攪拌槽33に接続されている。
攪拌槽33は、清澄されたガラス融液を攪拌し、均一化させるための容器である。攪拌槽33は、第3の移送管38と、状態調節槽34と、第4の移送管39とによって成形槽35に接続されている。成形槽35は、ガラス融液を所望の形状に成型するための容器である。
本実施形態では、攪拌槽33と状態調節槽34とは、図2に示す槽10によって構成されている。また、移送管37,38,39は、図3に示す管20により構成されている。
図2及び図3に示すように、槽10及び管20のそれぞれは、Pt容器11と、水素透過抑制層12と、耐火部材15とを備えている。
Pt容器11は、PtまたはPt合金からなる。Pt合金の具体例としては、例えば、Ptに加えてIr、Rh、Auなどのうちの少なくとも一種を含む合金が挙げられる。図2に示すように、槽10においては、Pt容器11は、有底箱形状等に形成されている。一方、管20においては、Pt容器11は、パイプ状に形成されている。
Pt容器11の外側には、耐火部材15が配置されている。耐火部材15は、Pt容器11を支持し、Pt容器11の変形や破損を抑制するための部材である。耐火部材15の材質は、高い耐熱性を有するものである限りにおいて特に限定されない。耐火部材15は、例えば、アルミナ、ムライト、ジルコニア及びシリカからなる群から選ばれた1種以上からなる焼成耐火物や電鋳耐火物により形成することができる。
Pt容器11と耐火部材15との間には、クリアランスが設けられている。そのクリアランスに上記水素透過抑制層12が設けられている。水素透過抑制層12は、Pt容器11の、ガラス融液14側とは反対側の外表面11aを覆うように設けられている。また、水素透過抑制層12は、耐火部材15によってPt容器11の表面から脱落することなく安定して保持される。
水素透過抑制層12の厚みは、特に限定されない。水素透過抑制層12の厚みは、例えば、2mm〜10mm程度とすることができる。なお、水素透過抑制層12の厚みは、均一でなくてもよい。
水素透過抑制層12は、セラミック粒子12aが分散しているガラス12bからなる。
ガラス12bの種類は特に限定されないが、製造されるガラスと同種のガラスであることが好ましい。具体的には、製造されるガラスが、無アルカリガラスの場合、ガラス12bは、無アルカリガラスであることが好ましい。より具体的には、ガラス12bは、質量%で、SiO 40〜70%、Al 5〜20%、B 0〜15%、MgO 0〜10%、CaO 0〜25%、SrO 0〜15%及びBaO 0〜15%を含有する無アルカリガラスであることがより好ましい。
セラミック粒子12aは、アルミナ、ムライト及びシリカからなる群から選ばれた1種類以上からなる。
セラミック粒子12aの最小粒子径は、1mm以上であることが好ましく、2mm以上であることがより好ましい。セラミック粒子12aの最大粒子径は、6mm以下であることが好ましく、5mm以下であることがより好ましい。
なお、セラミック粒子12aの粒子径は、ガラス製造装置1の各所において異なっていてもよい。例えば、耐火部材15とPt容器11との間のクリアランスが大きい部分と、小さい部分とで異なっていてもよい。
セラミック粒子12aの形状は、特に限定されないが、球形であることが好ましい。
セラミック粒子12aの表面からは、針状結晶が延びている。この針状結晶は、隣り合うセラミック粒子12a間で接触していることが好ましい。さらには、隣り合うセラミック粒子12aの表面からの針状結晶同士が錯綜していることがより好ましい。
針状結晶は、ムライトであることが好ましい。
ムライトである針状結晶を成長させる観点からは、ガラス12bが珪酸塩系ガラスであり、セラミックス粒子12aがアルミナからなることが好ましい。
(ガラス製造装置1の製造方法)
次に、ガラス製造装置1の製造方法について説明する。
まず、耐火部材15を設置する。次に、耐火部材15の上にPt容器11を設置する。次に、耐火部材15とPt容器11との間にセラミック粒子12aを挿入する。ここで、本実施形態では、セラミック粒子12aが球形である。このため、セラミック粒子12aの挿入を円滑に行うことができる。その後、Pt容器11を、ガラス12bの軟化温度以上の温度にまで加熱する。具体的には、Pt容器11を、ガラスの溶融を行う温度にまで加熱する。
その後、セラミック粒子12aが挿入されている耐火部材15とPt容器11との間の隙間にガラスを供給する。この供給工程において、Pt容器11は、ガラス12bの軟化温度以上の温度にまで加熱されている。このため、ガラス12bは、ガラス融液として耐火部材15とPt容器11との間の隙間に広がっていく。それと共に、ガラス12bとセラミック粒子12aとが接触する。これにより、ガラス12bとセラミック粒子12aとが反応し、セラミック粒子12aの表面から針状結晶が成長し、水素透過抑制層12が形成される。このため、ガラス製造装置1でガラスを製造しているときには、水素透過抑制層12のガラス12bは、ガラス融液として存在している。なお、本実施形態では、ガラスカレットを供給するが、ガラス融液を直接流し込むようにしてもよい。
(ガラス製造装置1を用いたガラスの製造方法)
次に、ガラス製造装置1を用いたガラスの製造方法について説明する。
溶融槽31に、バッチやカレットなどのガラス原料を投入する。投入されたガラス原料は、溶融槽31内において融解し、ガラス融液となる。ガラス融液は、移送管36を経由して清澄槽32に移送される。そして清澄槽32において清澄が行われる。具体的には、ガラス融液が清澄槽32内に滞留している間に、泡の浮力によって泡がガラス融液中を浮上する。その結果、ガラス融液中の泡が除去される。
清澄槽32内のガラス融液は、移送管37を経由して攪拌槽33に移送される。そして、攪拌槽33において攪拌されることにより均質化される。均質化されたガラスは、移送管38、状態調節槽34及び移送管39を経由して成形槽35に移送される。そして、成形槽35により所望の形状に成形される。以上の工程によりガラスの製造が行われる。
以上説明したように、本実施形態では、ガラス12bを含む水素透過抑制層12がPt容器11の外表面11aを覆うように設けられている。このため、ガラス融液からPt容器11を経由してPt容器11外に水素が放出されることが効果的に抑制される。従って、Pt容器内表面近傍のガラス融液14中に酸素の泡が生じることを抑制することができる。その結果、泡のないガラスを製造することができる。
また、水素透過抑制層12には、表面から針状結晶が延びているセラミック粒子12aが含まれている。このセラミック粒子12aがPt容器11の支持材として機能する。よって、Pt容器11の変形を抑制することができる。また、針状結晶によって、融液状態にあるガラス12bの流失が抑制される。従って、長期間にわたって泡の発生を抑制することができる。
セラミック粒子12aのPt容器11支持材としての機能を高める観点からは、セラミック粒子12aの最小粒子径が1mm以上であることが好ましく、2mm以上であることがより好ましい。但し、セラミック粒子12aの粒子径が大きすぎると、水素透過抑制層12のセラミック粒子12aが位置している部分におけるガラス12bの厚みが薄くなりすぎ、かえって泡が発生しやすくなる場合がある。従って、セラミック粒子12aの最大粒子径は、6mm以下であることが好ましく、5mm以下であることがより好ましい。
同様に、セラミック粒子12aの支持材としての機能を高める観点からは、セラミック粒子12aは、耐熱性が高く、高温下において高剛性であることが好ましい。従って、セラミック粒子12aは、アルミナ、ムライト、及びシリカからなる群から選ばれた1種類以上からなることが好ましい。なお、セラミック粒子12aは、互いに異なるセラミック粒子からなる複数種類のセラミック粒子を含んでいても良い。
ガラス12bの流出をより効果的に抑制する観点からは、本実施形態のように、隣り合うセラミック粒子12aの針状結晶同士が接触さらには錯綜していることが好ましい。
針状結晶のガラス保持材としての機能を高める観点からは、針状結晶は、耐熱性が高く、高温下において高剛性であることが好ましい。従って、針状結晶は、ムライトであることが好ましい。
同様に、ムライトである針状結晶を成長させる観点からは、ガラス12bが珪酸塩系ガラスであり、セラミック粒子12aがアルミナからなることが好ましい。
ガラス12bは、製造されるガラスと同種のガラスであることが好ましい。具体的には、製造されるガラスが無アルカリガラスの場合、ガラス12bは、無アルカリガラスであることが好ましい。より具体的には、ガラス12bは、質量%で、SiO 40〜70%、Al 5〜20%、B 0〜15%、MgO 0〜10%、CaO 0〜25%、SrO 0〜15%及びBaO 0〜15%を含有する無アルカリガラスであることがより好ましい。
なお、本実施形態では、ガラス製造装置のうち、清澄工程よりも下流側の部分に、外表面が水素透過抑制層12で覆われたPt容器11を用いる例について説明した。但し、本発明は、この構成に限定されない。例えば、ガラス製造装置の全体を、外表面が水素透過抑制層12で覆われたPt容器11により構成してもよい。
以下、本発明について、具体的な実施例に基づいて、さらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
(実施例)
有底円筒状のPt容器を、円柱状の凹部が形成された耐火部材に、5mmのクリアランスをおいてセットした。そのクリアランスに粒子径が1mmである球状のアルミナ粒子を挿入した。次に、Pt容器を1500℃で保持した。その状態で、Pt容器と耐火部材との間のクリアランスに、ガラスカレット(質量%で、SiO 56%、Al 15%、B 11%、CaO 10%、SrO 6%及びBaO 2%)を随時供給した。供給したガラスカレットは、クリアランスにおいて融解し、クリアランス内に広がっていった。ガラスがクリアランス全体に供給され、水素透過抑制層が形成された後に、室温まで徐冷した。その後、水素透過抑制層を光学顕微鏡を用いて観察した。図4に光学顕微鏡写真を示す。
図4に示すように、アルミナ粒子の表面から針状結晶が放射状に延びていることが分かる。また、隣り合うアルミナ粒子の表面からの針状結晶同士が錯綜していることが分かる。
(実験例)
1500℃における粘度が102.1dPa・s、1400℃における粘度が102.6dPa・s、1300℃における粘度が103.1dPa・s及び1200℃における粘度が103.6dPa・sである前記ガラスと、粒子径が2mm、3mmまたは4mmの球形のアルミナ粒子とを、重量比でガラス:アルミナ粒子=1:1となるように混合したものを、逆三角錐状の凹部を有するPt容器内に挿入した。次に、Pt容器を1500℃、1400℃、1300℃又は1200℃で種々の時間保持した。その後、室温まで徐冷した。これにより、アルミナ粒子が分散した三角錐状のガラスブロックを作製した。なお、この状態で、アルミナ粒子の表面から針状結晶が析出し、また、その結晶は、保持した時間に比例して、より成長していた。
次にこの三角錐状のガラスブロックをPt平板上に載置し、ガラスブロック作製時と同じ温度(1500℃、1400℃、1300℃又は1200℃)で20分保持した。その状態で、ガラスブロックの形状を観察することにより、ガラスの流動性を評価した。結果を下記の表1に示す。なお、表1の時間は、ガラスのブロック形状が変わらなくなった時間、つまり、ガラスの流動可能な時間を示している。
上記表1に示す結果から、ガラスの粘度(即ち、使用温度域)やセラミック粒子の粒子径を変化させることにより、ガラスブロックの形状が変わらなくなる時間、つまり、ガラスの流動可能な時間を調整できることが分かる。例えば、ガラスを低粘度域で使用し、粒子径の大きなセラミック粒子を用いることにより、ガラスの流動可能な時間を長くことができることが分かる。一方、ガラスを高粘度域で使用し、粒子径の小さなセラミック粒子を使用することにより、ガラスの流動可能な時間を短くすることができることが分かる。この結果から、例えば、Pt容器が大きい場合には、Pt容器と耐火物部材と区画形成される空間の体積が大きくなり、Pt容器外側全体を被覆するためには、ガラスの流動可能な時間を長くする必要があり、粒子径の大きなセラミック粒子と高粘性のガラスを使用することが好ましいことが分かる。それに対して、Pt容器が小さい場合には、ガラスの流動可能な時間を短くする必要があり、粒子径の小さなセラミック粒子と低粘性のガラスを使用することが好ましいことが分かる。
従って、白金容器の大きさ、使用温度に適したガラスの粘度、セラミック粒子の粒子径を適宜選定することにより、白金容器全体を水素不透過層で完全に被覆することができると考えられる。
1…ガラス製造装置
10…槽
11…Pt容器
11a…Pt容器の外表面
12…水素透過抑制層
12a…セラミック粒子
12b…ガラス
14…ガラス融液
15…耐火部材
20…管
31…溶融槽
32…清澄槽
33…攪拌槽
34…状態調節槽
35…成形槽
36…第1の移送管
37…第2の移送管
38…第3の移送管
39…第4の移送管

Claims (8)

  1. PtまたはPt合金からなるPt容器と、
    前記Pt容器の外表面を覆っており、表面から針状結晶が延びているセラミック粒子が分散したガラスからなる水素透過抑制層と、
    Pt容器の外側に配置され、水素透過抑制層を保持する耐火部材と、
    を備え
    前記セラミック粒子は球形で、かつその最小粒子径が1mm以上であり、隣り合う前記セラミック粒子の表面から放射状に延びる針状結晶同士が接触している、ガラス製造装置。
  2. 前記針状結晶は、ムライトである、請求項に記載のガラス製造装置。
  3. 前記セラミック粒子は、アルミナ、ムライト及びシリカからなる群から選ばれた1種以上からなる、請求項1または2に記載のガラス製造装置。
  4. 前記水素透過抑制層を構成するガラスは、無アルカリガラスである、請求項1〜のいずれか一項に記載のガラス製造装置。
  5. 請求項1〜に記載のガラス製造装置の製造方法であって、
    前記Pt容器と前記耐火部材とで区画形成される空間にセラミック粒子が配置された状態で、前記水素透過抑制層を構成するガラスの軟化温度以上の温度にまで前記Pt容器を加熱する加熱工程と、
    前記加熱工程の後に、前記空間にガラスを供給し、前記ガラスと前記セラミック粒子とを反応させることにより前記針状結晶を成長させる工程と、
    を備えるガラス製造装置の製造方法。
  6. 請求項1〜に記載のガラス製造装置の製造方法であって、
    前記Pt容器と前記耐火部材とで区画形成される空間に球形のセラミック粒子を投入する工程と、
    前記水素透過抑制層を構成するガラスの軟化温度以上の温度にまで前記Pt容器を加熱する加熱工程と、
    前記加熱工程の後に、前記空間にガラスを供給する工程と、
    を備えるガラス製造装置の製造方法。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に記載のガラス製造装置を用いた、ガラスの製造方法。
  8. 無アルカリガラスを製造する方法である、請求項に記載のガラスの製造方法。
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