JP5762337B2 - ハニカム構造体の乾燥方法 - Google Patents
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押出成形後のハニカム構造体は、含水率が40質量%程度であり、このまま焼成工程を行うと、ハニカム構造体にひびや割れ等が発生してしまう。これを防止するためには、予めハニカム構造体の含水率を10質量%程度へ低下させるべく、乾燥工程が必要となる。
マイクロ波乾燥方法は、自然乾燥方法や調湿乾燥方法と比べて乾燥時間を大幅に短縮することが可能であり、生産効率を向上させることができる。乾燥方法としては、電界分布を均一にした乾燥炉内へ、ハニカム構造体を設置するバッチ式による乾燥方法や、ハニカム構造体を乾燥炉内へ連続的に通過させて乾燥させる連続式による乾燥方法が知られている(例えば、引用文献1、2等)。
ただし、押出成形により成形されたハニカム構造体は、坏土状原料が金型を通過して押出される際に、原料の硬さや原料中の粗粒、原料が押出される速度等の条件により、掠れる等して隅角部や隅角部付近に凹凸が発生してしまう場合がある。また、ハニカム構造体は、金型から押出されたハニカム状原料を所定の長さに切断して形をなすものであるところ、原料が押出される速度が速くて切断位置がずれる場合や、原料の硬さや切断速度、切断に用いるピアノ線の切れ味が悪くなる等の条件により、ハニカム面の隅角部や端部で凹みやバリといった凹凸が発生する場合がある。
このような凹凸のあるハニカム構造体について、その表面の隅角部や端部等を被覆材で被覆してマイクロ波により乾燥しても、被覆材によるマイクロ波からの保護効果が低下することにより、白化やひび、割れ等が発生して不良品となってしまう。
凹凸のあるハニカム構造体の場合、その表面の隅角部や端部等を被覆材で完全に被覆することは難しく、被覆の不十分な隅角部や端部と被覆材との間に隙間ができてしまうことがわかった。そして、このような隙間ができた状態でマイクロ波により乾燥を行うと、その隙間からマイクロ波が侵入し、結果として白化やひび、割れ等の発生につながることを確認した。
このような白化等の原因を踏まえた上で、本発明者は、ハニカム構造体の白化やひび、割れ等を防止するべく鋭意検討を行った。その結果、ハニカム構造体の凹凸部分を平坦化すれば、被覆材を被覆しても隙間が生じることがなく、マイクロ波により乾燥しても、白化等の発生を防止し、乾燥が良好に行えることがわかった。また、ハニカム構造体と被覆材との隙間を、マイクロ波からハニカム構造体を保護する被覆テープで被覆すれば、隙間にマイクロ波が侵入することを防ぐことが可能となり、白化等を防止できることがわかった。これらの方法により、マイクロ波による乾燥が良好に行えることで乾燥工程の歩留まりが上がり、生産効率が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
まず、本発明の乾燥方法は、ハニカム構造体を対象とする。ハニカム構造体は、その形状が一定のものではなく、ハニカム面が四角形や五角形、六角形といった多角形形状である多角柱状のものや、ハニカム面が円形状である円柱状のものが挙げられる。
そして、本発明の乾燥方法は、このようなハニカム構造体の表面の所定部分の凹凸部を平坦化する平坦化工程と、所定部分にマイクロ波からハニカム構造体を保護する被覆材を被覆する被覆材被覆工程と、その後ハニカム構造体にマイクロ波を照射する照射工程と、を少なくとも含む。
平坦化工程と被覆材被覆工程は、いずれかの工程を先に行うことができる。たとえば、ハニカム構造体表面の凹凸部を平坦化した後に、被覆材を被覆することができる。また、被覆材を被覆した後に、凹凸によるハニカム構造体と被覆材との間の隙間を平坦化することも可能である。
なお、マイクロ波は、周波数が300MHz〜30GHz(波長1cm〜1m)の電波の総称であり、ハニカム構造体に照射するマイクロ波はこの範囲の周波数のものを用いることができる。一般的には、周波数が2450MHz前後のマイクロ波を用い、この場合のマイクロ波の波長(λ)は、約120mmである。
また、被覆材被覆工程は、ハニカム構造体の表面の少なくとも隅角部および各辺に、マイクロ波からハニカム構造体を保護する被覆材を被覆する工程である。このようにマイクロ波が集中しやすい隅角部や各辺を被覆すれば、当該部分の白化やひび、割れ等の発生を防止することが出来る。
また、被覆材は、マイクロ波がハニカム構造体へ侵入することを防ぎ、保護することの出来るものであり、サセプタやテープ、コーティング、パテ等が挙げられる。このような被覆材としては、マイクロ波を反射する材料を含むものであることが好ましい。被覆材がマイクロ波反射材料を含む場合には、マイクロ波反射材料として電導性を有する金属材料を用いることができる。電導性を有する金属材料であれば、マイクロ波を効果的に反射し、ハニカム構造体をマイクロ波から十分に保護することができる。電導性を有する金属材料としては、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス、真鍮のいずれか、またはこれらの組み合わせからなる材料等が挙げられる。
ここで、対角線は、多角形上のことなる2つの頂点同士を結ぶ線分のうち辺を除く線分のことであり、三角形以外の多角形は全て2本以上の対角線を持つ。
また、ハニカム構造体の高さがマイクロ波の波長の2倍以上の長さである場合には、ハニカム側面のうち隅角部と各辺を被覆材で被覆するのみでは、ハニカム側面にひびや割れ等が発生するおそれがあるため、隅角部と各辺に加え、各辺からマイクロ波の波長の0.5倍〜2倍の距離にあるハニカム側面にも被覆材を被覆することが好ましい。
また、被覆材被覆工程は、ハニカム構造体の表面の少なくとも円柱端部に、マイクロ波からハニカム構造体を保護する被覆材を被覆する工程である。このようにマイクロ波が集中しやすい円柱端部を被覆すれば、当該部分の白化やひび、割れ等の発生を防止することが出来る。
また、ハニカム面の直径がマイクロ波の波長の2倍以上の長さである場合には、ハニカム構造体の円柱端部を被覆材で被覆するのみでは、ハニカム面に発生するひびや割れ等が発生するおそれがあるため、円柱端部に加え、円柱端部からマイクロ波の波長の0.5倍〜2倍の距離にあるハニカム面およびハニカム側面に被覆材を被覆することが好ましい。すなわちこの場合には、ハニカム面へ太陽十字形に被覆材を被覆すると共に、ハニカム構造体上部のハニカム面と下部のハニカム面に被覆された十字形の被覆材をつなぐように、ハニカム側面に被覆材が被覆されることとなる。
ここで、坏土状材料は、含水率が10質量%〜20質量%であることが好ましい。含水率が10質量%〜20質量%の範囲内であれば、取り扱い易く、誘電損失が含水率20質量%〜50質量%の値と比較して小さくなるためパワー吸収量が少なく、ハニカム構造体の表面の平坦化を速やかに行うことができるからである。含水率が10質量%より少ないと、坏土状材料そのものが硬くなってしまい、凹凸に合わせた形状とすることが難しく、また、平坦化する際にハニカム構造体を変形させてしまうおそれがある。また、含水率が20質量%より多いと、材料そのものとしては柔らかくなってしまい、取り扱いにくくなって平坦化の処理が難しくなる場合や、例えば凹部に充填した坏土状材料が垂れてくる等により隙間を十分に埋めることが難しくなる場合がある。
なお、乾燥前のハニカム構造体の含水率は約40質量%であることから、含水率の高いほうがマイクロ波を吸収しやすいため、坏土状材料で平坦化したハニカム構造体をマイクロ波により乾燥させた場合、含水率の少ない坏土状材料の方はマイクロ波の吸収は小さくなるため影響は小さい。場合によっては、含水率の少ない坏土状材料に白化やひび、割れ等が発生することがある。ただし、この白化等の発生した部分は、ハニカム構造体の表面の一部であることから、ハニカム性能を害することはなく、問題ない。このような場合には、乾燥後に白化等の発生した部分を除去し、焼成等の後工程に移ることができる。
ハニカム構造体表面の凹凸部をこのような塗料で平坦化すれば、マイクロ波を反射することで白化等を防止することができる。
塗料としては、チクソ性の高いフラットペイントや高粘度材料としてのパテ、コーキング剤やシーリング剤等が挙げられる。
また、マイクロ波反射材料としては、電導性を有する金属材料を用いることができる。電導性を有する金属材料であれば、マイクロ波を効果的に反射し、ハニカム構造体の表面の凹凸部をマイクロ波から十分に保護することができる。電導性を有する金属材料としては、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス、真鍮のいずれか、またはこれらの組み合わせからなる材料等が挙げられる。
被覆材被覆工程と被覆テープ被覆工程は、いずれかの工程を先に行うことができる。たとえば、被覆材を被覆した後に、ハニカム構造体と被覆材との隙間を被覆するために被覆テープを被覆することができる。また、凹凸部を予め被覆テープで被覆した後に、被覆材を被覆することも可能である。
なお、被覆対象となるハニカム構造体や、被覆材被覆工程、被覆材、被覆材の被覆間隔等の説明については、上記した本発明の乾燥方法にて説明したとおりである。
ただし、被覆テープや被覆材を被覆した後、マイクロ波を照射する照射工程へ移ることとなるが、この照射工程は、マイクロ波発振器を備えた乾燥炉等により行う。すなわち、ハニカム構造体を乾燥炉へと移動させる際に、ハニカム構造体の向きを変えたり、振動等により被覆テープがずれてしまうことで、凹凸部が露出してしまう場合がある。このような場合であっても、凹凸部周辺まで被覆しておけば、凹凸部が露出することはない。
凹凸部周辺を被覆する差異、凹凸部の端からマイクロ波の波長の0.25倍以下の距離までを被覆すれば、凹凸部の露出のおそれに十分備えることができる。マイクロ波の波長の0.25倍を超えて被覆してしまうと、被覆面積が大きくなってしまうことによる乾燥遅延や、マイクロ波の均一な照射を妨げてハニカム構造体が均一に乾燥しない等の弊害が生じる場合がある。
凹凸部周辺の被覆は、被覆テープによりまず凹凸部を被覆した後、凹凸部周辺を被覆する方法とすることができる。また、凹凸部と凹凸部周辺を同時に被覆することもできる。
ハニカム構造体表面の凹凸部をこのような被覆テープで平坦化すれば、マイクロ波を反射することで白化等を防止することができる。
マイクロ波反射材料としては、電導性を有する金属材料を用いることができる。電導性を有する金属材料であれば、マイクロ波を効果的に反射し、ハニカム構造体の表面の凹凸部をマイクロ波から十分に保護することができる。電導性を有する金属材料としては、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス、真鍮のいずれか、またはこれらの組み合わせからなる材料等が挙げられる。電導性を有する金属材料を含む被覆テープの具体例は、アルミ箔テープや銅箔テープ等の金属箔テープである。
図1(b)は、凹凸部3を平坦化したハニカム構造体1である。平坦化材料としてセラミックスを主原料とする坏土状材料4を用いて平坦化した。
図1(c)は、凹凸部3を平坦化した後に、被覆材としてアルミ板5を用いてハニカム構造体1の表面の隅角部6aおよび辺6bを保護するように被覆したものである。アルミ板5では凹凸部3を完全には被覆することができないため、坏土状材料4で平坦化した凹凸部3が露出している。アルミ板の幅を広げれば、凹凸部3を被覆することはできるものの、乾燥の際にマイクロ波がハニカム構造体へ侵入することを過剰に妨害する場合があり、乾燥遅延といった弊害が起きる原因となるため好ましくない。平坦化処理によりハニカム構造体の白化等を防止するには、凹凸部を平坦化すればたりる。
ハニカム構造体1は、ハニカム面の各辺の長さおよびハニカム構造体の高さがマイクロ波の波長の0.5倍〜2倍の長さであり、そのため、ハニカム構造体1のうち隅角部6aと各辺6bを被覆材で保護すれば、マイクロ波を照射して乾燥することによる白化、ひびや割れ等を防止することができる。
ハニカム構造体1は、ハニカム面の直径およびハニカム構造体の高さがマイクロ波の波長の0.5倍〜2倍の長さであり、そのため、ハニカム構造体1のうち円柱端部7を被覆材で保護すれば、マイクロ波を照射して乾燥することによる白化、ひびや割れ等を防止することができる。
図3(b)は、凹み8とバリ9を、坏土状材料4を用いて平坦化したハニカム構造体1の側面図である。このように平坦化することで、ハニカム構造体1の表面とアルミ板5との間に隙間が生じることなく(図3(c))、乾燥による白化を防止することができる。
図3(e)は、凹み8については坏土状材料4を用いて平坦化し、バリ9は切除することで平坦化したハニカム構造体1の側面図である。このように平坦化することでも、ハニカム構造体1の表面とアルミ板5との間に隙間が生じることなく(図3(f))、乾燥による白化を防止することができる。
図3では四角柱状のハニカム構造体を用いて説明したが、円柱状のハニカム構造体についても、上記と同様の処理により平坦化できる。
図4(b)は、被覆材としてアルミ板5を用いてハニカム構造体1の表面の隅角部6aおよび辺6bを保護するように被覆したものである。アルミ板5では凹凸部3を被覆することができず、露出している。
図4(c)は、アルミ板5を被覆したハニカム構造体1の凹凸部3に、被覆テープとしてアルミテープ10を保護するように被覆したものである。アルミテープ10の被覆により、凹凸部3へマイクロ波が照射されるのを防止することが可能であり、ハニカム構造体1の白化等を防止することができる。
アルミテープ10は、凹凸部3の端からマイクロ波の波長の0.25倍以下の距離nまでの凹凸部周辺を、被覆することが好ましい(図4(d))。
図6(b)は、被覆材としてアルミ板5を用いてハニカム構造体1の表面の隅角部および辺を保護するように被覆したものである。アルミ板5では凹み8を完全には被覆することができず、露出している。また、バリ9が凸部となっているため、アルミ板5で辺の一部を被覆することができず、隙間11がみとめられる。
図6(c)は、図6(b)においてアルミ板5を被覆したハニカム構造体1の凹み8および隙間11を保護するように、被覆テープとしてアルミテープ10を被覆したものである。アルミテープ10の被覆により、凹み8や隙間11へマイクロ波が照射されるのを防止することが可能であり、ハニカム構造体1の白化等を防止することができる。
図6(e)は、被覆材としてアルミ板5を用いてハニカム構造体1の表面の隅角部および辺を保護するように被覆したものである。アルミ板5では凹み8を被覆することができず、露出している。ただし、バリ9はアルミ板5を被覆する前に切除したことから、図6(b)で示すような隙間11はなく、アルミ板5で辺の一部を被覆することができる。
図6(f)は、図6(e)においてアルミ板5を被覆したハニカム構造体1の凹み8を保護するように、アルミテープ10を被覆したものである。アルミテープ10の被覆により、凹み8へマイクロ波が照射されるのを防止することが可能であり、ハニカム構造体1の白化等を防止することができる。
図6では四角柱状のハニカム構造体を用いて説明したが、円柱状のハニカム構造体についても、上記と同様の処理によりアルミテープ10によりハニカム構造体1の白化等を防止できる。
タルク、カオリン、アルミナ、バインダー、水、および添加剤等を混練して均一な坏土状とした坏土状原料を、押出成形し、ハニカム面と平行方向にピアノ線で切断することにより、ハニカム面の縦150mm、ハニカム面の横150mm、高さ200mm、壁厚1mm、セル数484個(縦方向:22個、横方向:22個)の四角柱状のハニカム構造体(含水率:40質量%)を複数体製造した。
得られたハニカム構造体のうち、原料中のわずかな粗粒が金型の角部に溜まることにより、ハニカム側面の辺の一部に図1(a)に示すような凹凸部が存在するハニカム構造体が認められた。また、ピアノ線の切れ味が低下したことが影響して、ハニカム面に図3(a)に示すような凹み8、バリ9が存在するハニカム構造体がみとめられた。
このように、ハニカム側面の辺の一部に凹凸部があり、かつハニカム面に凹みやバリが存在するハニカム構造体を用いて、下記実施例、比較例を実施した。
ハニカム構造体の原料となる上記坏土状原料と同じものを材料とし、ハニカム構造体(20体)の凹凸部に充填して図1(b)に示すように平坦化した。また、図3(e)に示すように、ハニカム面の凹みについても同様に坏土状材料を充填して平坦化し、バリは切除することで平坦化した。続いて、図1(c)に示すように、ハニカム構造体の隅角部および各辺を保護するため、厚み0.1mm、幅m(図1(c))が30mmのアルミ板を被覆材として被覆した。
含水率が15質量%である坏土状材料を使用し、実施例1と同様に、ハニカム構造体(20体)について平坦化工程、被覆材被覆工程を行った。
図4(b)に示すように、ハニカム構造体(20体)の隅角部および各辺を保護するため、厚み0.1mm、幅が30mmのアルミ板を被覆材として被覆した。ハニカム側面の辺の一部にある凹凸部が露出したため、図4(c)に示すようにアルミテープで凹凸部を被覆した。また、図6(e)に示すように、ハニカム面の凹みについてもアルミテープで被覆した。バリについては、ハニカム構造体とアルミ板との間に隙間ができないよう、アルミ板を被覆する前に予め切除した。
なお、アルミテープ10の被覆は、図4(d)に示すように、凹凸部の端から30mm(マイクロ波の波長の0.25倍の距離)までの凹凸部周辺とした。
図4(b)に示すように、ハニカム構造体(20体)の隅角部および各辺を、厚み0.1mm、幅が30mmのアルミ板で被覆した。ハニカム側面の辺の一部で露出した凹凸部はその状態のままとしたため、図4(b)に示すように、凹凸部に隙間が生じた。また、ハニカム面の凹みやバリもその状態のままとしたため、図6(b)に示すように、凹みやバリによりハニカム構造体とアルミ板との間に隙間が生じた。
マイクロ波発振器の仕様は、ハニカム1個あたり出力:1kW(連続可変)、周波数:2450±30MHz、電源入力:三相交流、200Vであり、乾燥炉の仕様は、内寸:600W×700H×1200L(mm)、内炉材質:SUS304である。
なお、マイクロ波の周波数は約2450MHzであることから、空気中の波長は約120mmである。そのため、実施例1〜3および比較例1のハニカム構造体は、ハニカム面の辺の長さが波長の約1.25倍(150mm)、高さが約1.25倍(150mm)のものである。
結果を表1に示す。
実施例1では、異常の認められたハニカム構造体は6体であった。これらの6体全てにおいて、ひびが認められ、これらのうち4体に白化や割れが認められた。20体中、14体は異常なく乾燥することができ、歩留まりは70%であった。
また、実施例2では、平坦化材料として用いた坏土状材料の含水率が15質量%と、ハニカム構造体の含水率よりも低く、乾燥により平坦化材料に白化やひび、割れ等が発生したものが何体か認められた。但し、ハニカム構造体そのものに異常がなければ、平坦化材料そのものを除去すれば問題ないことから、ハニカム構造体そのものの異常の有無を評価した。ハニカム構造体そのものに異常の認められたものは3体であり、これらのすべてにおいてひびが認められ、これらのうち2体に白化や割れが認められた。20体中17体は異常なく乾燥することができ、歩留まりは85%であった。
なお、実施例3では、全てのハニカム構造体を異常なく乾燥することができた。
一方、比較例1では、異常の認められたハニカム構造体は12体であった。これらのすべてにおいてひびが認められ、これらのうち10体に白化や割れが認められた。
結果として、凹凸部等を平坦化することでハニカム構造体と被覆材との隙間を無くすことにより、白化やひび、割れを抑制することが可能となり、良好に乾燥することができた(表1:実施例1)。
また、実施例2では、平坦化材料に白化やひび、割れ等が発生した場合があったものの、ハニカム構造体そのものの白化等を抑制することが出来た結果、良好に乾燥することができた。
そして、凹凸部等をアルミテープで被覆することによっても、マイクロ波が凹凸部等へ侵入することを防止できたことにより、白化やひび、割れが発生せず良好に乾燥することができた(表1:実施例3)。
一方、平坦化やアルミテープによる被覆を行わなかったハニカム構造体は、凹凸部等にある隙間からマイクロ波が侵入してしまい、侵入箇所を中心として白化、ひび、割れがみとめられ、歩留まりが低い結果となった(表1:比較例1)。
2 ハニカム面
3 凹凸部
4 坏土状材料
5 アルミ板
6a ハニカム構造体の表面の隅角部
6b ハニカム構造体の表面の辺
7 円柱端部
8 凹み
9 バリ
10 アルミテープ
11 隙間
m アルミ板の幅
n 凹凸部の端からのアルミテープの被覆幅
Claims (12)
- ハニカム面が多角形形状である多角柱状のハニカム構造体の乾燥方法であって、
前記ハニカム構造体の表面の少なくとも隅角部および各辺の凹凸部を平坦化する平坦化工程と、
少なくとも前記隅角部および前記各辺に、マイクロ波からハニカム構造体を保護する被覆材を被覆する被覆材被覆工程と、
その後ハニカム構造体にマイクロ波を照射する照射工程と、
を少なくとも含むことを特徴とするハニカム構造体の乾燥方法。 - ハニカム面が円形状である円柱状のハニカム構造体の乾燥方法であって、
前記ハニカム構造体の表面の少なくとも円柱端部の凹凸部を平坦化する平坦化工程と、
少なくとも前記円柱端部に、マイクロ波からハニカム構造体を保護する被覆材を被覆する被覆材被覆工程と、
その後ハニカム構造体にマイクロ波を照射する照射工程と、
を少なくとも含むことを特徴とするハニカム構造体の乾燥方法。 - 前記平坦化工程が、前記凹凸部を平坦化材料により平坦化する工程を含む請求項1または請求項2記載のハニカム構造体の乾燥方法。
- 前記平坦化材料が、セラミックスを主原料とする坏土状材料である請求項3記載のハニカム構造体の乾燥方法。
- 前記坏土状材料は、含水率が10質量%〜20質量%である請求項4記載のハニカム構造体の乾燥方法。
- 前記平坦化材料が、マイクロ波反射材料を含む塗料である請求項3記載のハニカム構造体の乾燥方法。
- 前記マイクロ波反射材料は、電導性を有する金属材料である請求項6記載のハニカム構造体の乾燥方法。
- ハニカム面が多角形形状である多角柱状のハニカム構造体の乾燥方法であって、
前記ハニカム構造体の表面の少なくとも隅角部および各辺に、マイクロ波からハニカム構造体を保護する被覆材を被覆する被覆材被覆工程と、
少なくとも前記隅角部および前記角辺の凹凸部にマイクロ波からハニカム構造体を保護する被覆テープを被覆する被覆テープ被覆工程と、
その後ハニカム構造体にマイクロ波を照射する照射工程と、
を少なくとも含むことを特徴とするハニカム構造体の乾燥方法。 - ハニカム面が円形状である円柱状のハニカム構造体の乾燥方法であって、
前記ハニカム構造体の表面の少なくとも円柱端部に、マイクロ波からハニカム構造体を保護する被覆材を被覆する被覆材被覆工程と、
少なくとも前記円柱端部の凹凸部にマイクロ波からハニカム構造体を保護する被覆テープを被覆する被覆テープ被覆工程と、
その後ハニカム構造体にマイクロ波を照射する照射工程と、
を少なくとも含むことを特徴とするハニカム構造体の乾燥方法。 - 前記被覆テープ被覆工程は、前記凹凸部の端からマイクロ波の波長の0.5倍以下の距離までの凹凸部周辺を、前記被覆テープで被覆する工程をさらに含む請求項8または請求項9記載のハニカム構造体の乾燥方法。
- 前記被覆テープが、マイクロ波反射材料を含む請求項8〜請求項10のいずれかに記載のハニカム構造体の乾燥方法。
- 前記マイクロ波反射材料は、電導性を有する金属材料である請求項11記載のハニカム構造体の乾燥方法。
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